JP4111184B2 - ハイブリッド変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン等の主動力源とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら主動力源とモータ/ジェネレータとの間における差動装置により無段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機の変速制御装置に関するものである。
この種ハイブリッド変速機としては例えば、遊星歯車組などにより構成した2自由度の差動装置を具え、該差動装置における回転メンバにそれぞれ主動力源であるエンジンからの入力、駆動系への出力、および複数個のモータ/ジェネレータを結合して、モータ/ジェネレータからの動力により無段変速を可能としたものが知られている。
かかるハイブリッド変速機においては、モータ/ジェネレータをバッテリからの電力により駆動するが、この駆動に際しては、通常の電気機器を駆動する場合と同様にモータ/ジェネレータをバッテリの定格電力以下で駆動する必要がある。
バッテリの状態に応じてモータの駆動力を制御する技術としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
この従来技術は、バッテリの充放電を伴って駆動するモータを動力源とした電気自動車を前提とするが、バッテリ残存容量あるいはバッテリ電圧が基準値以下に低下したり、バッテリ温度が基準値以上に上昇するなどして、バッテリ状態量が基準以上の変化を生じた時に、モータの駆動力指令に対する力制御の応答速度を遅くしてバッテリの早期劣化を防止しようとするものである。
特開平9−191506号公報
しかし、本発明の前提となる前記した型式のハイブリッド変速機、つまり、2自由度の差動装置を介して主動力源(エンジン)からの入力と、駆動系への出力と、複数個のモータ/ジェネレータとの間を相互に結合し、モータ/ジェネレータからの動力により変速機入出力回転比(変速比)を無段階に変更(無段変速)可能にしたハイブリッド変速機に上記した従来の技術を用いて、バッテリ残存容量あるいはバッテリ電圧が基準値以下に低下したり、バッテリ温度が基準値以上に上昇するなどした時に、モータ/ジェネレータの指令に対する力制御の応答速度を遅くするような制御形態にすると以下の問題が発生する。
つまり、この種ハイブリッド変速機においては、上記出力への駆動力と変速速度(入力回転加速度)とが相互に関係し合っており、従来のように変速速度(入力回転加速度)を考慮せずバッテリの状態のみに応じてモータ/ジェネレータの駆動力を制限すると、変速速度(入力回転加速度)が運転者の予期している方向とは逆になる可能性がある。
かように変速速度(入力回転加速度)が希望する方向とは逆のものになると、運転者が運転操作から予期しているとは逆の入力回転速度変化(エンジン回転速度変化)を生じて、運転者に違和感を抱かせる変速となる可能性があり、変速品質の低下を招くという問題が懸念される。
本発明は、目標駆動力および変速速度の組み合わせが実現可能領域内のものとなるよう修正して、これらを主動力源(エンジン)およびモータ/ジェネレータの制御に資することにより、実現可能領域から外れた目標駆動力および変速速度の組み合わせを主動力源(エンジン)およびモータ/ジェネレータの制御に資する場合に生ずるバッテリの劣化を防ぐが、
この修正を、変速速度が運転者の予期している方向とは逆になることのないように行って、上記した変速品質の低下に関する懸念を払拭し得るようにしたハイブリッド変速機の変速制御装置を提案することを主たる目的とする。
ところで上記の懸念を払拭するだけの対策では変速制御の過渡期において、変速制御機構の変速速度可能範囲を超えて変速用のエネルギーを多く与えすぎ、そのため駆動力用のエネルギーが不足して駆動力不足を生じたり、逆に、駆動力にエネルギーを使いすぎて変速速度が不足し、最低変速速度を実現できなくて実変速比を目標変速比に近づけることができないばかりか、実変速比が目標変速比から離れてしまう虞さえ生ずるという懸念があり、適合性に欠けるという問題がある。
本発明は、前記の懸念を払拭するだけでなく、上記の適合性に関する問題をも併せて解消したハイブリッド変速機の変速制御装置を提案することをも目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となるハイブリッド変速機を説明するに、これは、
共線図上に配置される回転メンバとして複数個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記複数個の回転メンバにそれぞれ、主動力源からの入力、駆動系への出力、および複数個のモータ/ジェネレータを結合し、これらモータ/ジェネレータからの動力を加減することにより、主動力源および駆動系間における変速比を無段階に変更可能なハイブリッド変速機である。
本発明は、かかるハイブリッド変速機に対し、以下の静的目標駆動力演算手段と、初期過渡目標駆動力演算手段と、目標変速状態演算手段と、最低変速速度演算手段と、過渡目標値演算手段と、過渡目標値実現手段とを設ける。
静的目標駆動力演算手段は、運転状態に応じた前記駆動系への静的目標駆動力を演算するもので、
初期過渡目標駆動力演算手段は、この静的目標駆動力を基に、所定の時系列変化で駆動系への駆動力を該静的目標駆動力に向かわせるための初期過渡目標駆動力を演算するものである。
目標変速状態演算手段は、運転状態に応じた、主動力源および駆動系間の目標変速状態を演算するもので、
最低変速速度演算手段は、この目標変速状態へ実変速状態を収束させる変速速度の最低値を規定した最低変速速度を演算するものである。
過渡目標値演算手段は、モータ/ジェネレータ、該モータ/ジェネレータ用のバッテリおよび主動力源の現状で実現可能な、駆動力および変速速度の組み合わせに関した、これら駆動力および変速速度の二次元座標上における実現可能領域内で前記最低変速速度以上の変速速度を確保できるように前記初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力を求めると共に、該修正後の過渡目標駆動力のもとで前記実現可能領域内に居続けるための変速速度可能範囲を求めるものである。
そして過渡目標値実現手段は、上記過渡目標駆動力を実現すると共に上記変速速度可能範囲内の変速速度で前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差を減らすよう主動力源およびモータ/ジェネレータを制御するものである。
上記の構成になるハイブリッド変速機の変速制御装置によれば、実現可能領域内で前記最低変速速度以上の変速速度を確保できるように初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力を求めると共に、該修正後の過渡目標駆動力のもとで実現可能領域内に居続けるための変速速度可能範囲を求め、
上記過渡目標駆動力を実現すると共に上記変速速度可能範囲内の変速速度で前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差を減らすよう主動力源およびモータ/ジェネレータを制御するため、
実現可能領域から外れた初期過渡目標駆動力をそのまま主動力源およびモータ/ジェネレータの制御に資する場合に生ずるバッテリの劣化を防ぐことができると共に、
上記過渡目標駆動力を実現すると共に上記変速速度可能範囲内の変速速度で前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差を減らすよう主動力源およびモータ/ジェネレータを制御しても、駆動力および変速速度が運転者の予期している方向とは逆になることがなく、
運転者が運転操作から予期しているとは逆の駆動力変化や変速速度変化を生ずる事態を回避し、運転者に違和感を抱かせる変速となる懸念を払拭することができる。
更に加えて本発明の構成によれば、最低変速速度の実現に必要なパワーを確保した上で初期過渡目標駆動力にできるだけ近い駆動力を確保し、この駆動力を除いた残り全てのパワーを変速速度可能範囲と定め、この範囲内の速度で変速を行わせることになるから、
最低変速速度を含むこの変速速度可能範囲で、目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差のみを考慮したロバストな制御系が、滑らかで且つ変速状態偏差を確実に減らすような変速速度を設定することができ、これにより、目標変速状態および実変速状態間のずれが大きくなってしまうような懸念をなくし得る。
つまり、駆動力にエネルギーを使いすぎ変速速度の不足により最低変速速度を実現できなくて実変速状態を目標変速状態に近づけることができなくなったり、実変速状態が目標変速状態から離れてしまう虞をなくし得る。
逆に、変速制御機構の変速速度可能範囲を超えて変速用のエネルギーを多く与えすぎ、そのため駆動力用のエネルギーが不足して駆動力不足を生ずるようなこともない。
また、過渡目標駆動力を決めると残りのパワーが全て変速に使える量となり、これにより決まる変速速度可能範囲内で変速状態偏差に応じた変速速度が自動的に決定される構成であるため、
適合要素が過渡目標駆動力だけとなり、適合工数の削減によって適合性を大いに高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施例になる変速制御装置を適用可能なハイブリッド変速機を例示し、これを本実施例においては前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして構成する。
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)左側にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の右側に複合電流2層モータ3を内蔵させる。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の更に左側には、変速機ケース1の外側であるが、エンジン(主動力源)ENGを配置する。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2、エンジンENG、および複合電流2層モータ3は、ハイブリッド変速機の主軸線上に同軸に配置して変速機ケース1内に取り付けるが、変速機ケース1内には更に、上記の主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト6およびディファレンシャルギヤ装置7をも内蔵させ、
ディファレンシャルギヤ装置7に左右駆動車輪8を駆動結合する。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオンP2を共有する2つのシングルピニオン遊星歯車組4,5の組み合わせになり、エンジンENGに近い側に配置された方を第1のシングルピニオン遊星歯車組4とし,他方を第2のシングルピニオン遊星歯車組5とする。
第1のシングルピニオン遊星歯車組4はサンギヤS2およびリングギヤR2にそれぞれロングピニオンP2を噛合させた構造とし、
第2のシングルピニオン遊星歯車組5は、共有ピニオンP2の他に、サンギヤS1およびリングギヤR1と、これらに噛合した大径のショートピニオンP1を有し、当該ショートピニオンP1を共有ピニオンP2に噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組4,5のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
以上の構成になるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素とし、これら4個のメンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして4個の回転メンバの回転速度順は、図1(b)の共線図に示すごとく、サンギヤS1、リングギヤR2、キャリアC、サンギヤS2の順番である。
複合電流2層モータ3は、内側ロータ3riと、これを包囲する環状の外側ロータ3roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ3riおよび外側ロータ3ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステータ3sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル3sと内側ロータ3riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状コイル3sと外側ロータ3roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流をモータ側が負荷として供給される時は供給電流に応じた個々の方向と速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を発電機側が負荷として印加した時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図1(b)の共線図にも示したが、サンギヤS1、リングギヤR2、キャリアC、サンギヤS2の順に、第1のモータ/ジェネレータMG1、主動力源であるエンジンENGからの入力、車輪駆動系への出力(Out)、第2のモータ/ジェネレータMG2を結合する。
この結合を図1(a)に基づき以下に詳述するに、リングギヤR2を上記の通りエンジン回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤR2にエンジンENGのクランクシャフトを結合する。
サンギヤS1は、これからエンジンENGと反対の後方へ延在する中空軸11を介して第1のモータ/ジェネレータMG1(ロータ4ri)に結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸11を遊嵌する中心軸12を介してサンギヤS2を第2のモータ/ジェネレータMG2(ロータ4ro)に結合する。
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空のコネクティングメンバ(出力軸)13を介して出力歯車14を結合し、これをラビニョオ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ3間に配置して変速機ケース1内に回転自在に支持する。
出力歯車14は、カウンターシャフト6上のカウンター歯車15に噛合させ、出力歯車14からの変速機出力回転が、カウンター歯車15を経由し、その後、カウンターシャフト6を経てディファレンシャルギヤ装置7に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動車輪8に分配されるものとし、これらで車輪駆動系を構成する。
上記の構成になるハイブリッド変速機は図1(b)に示すような共線図により表すことができ、この共線図の横軸は遊星歯車組4,5のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離の比、つまりリングギヤR2およびキャリアC間の距離を1とした時のサンギヤS1およびリングギヤR2間の距離の比をαで示し、キャリアCおよびサンギヤS2間の距離をβで示したものである。
また共線図の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤR2へのエンジン回転数ω(変速機入力回転数ω)、サンギヤS1(モータ/ジェネレータMG1)の回転数ω、キャリアCからの変速機出力(Out)回転数ω、およびサンギヤS2(モータ/ジェネレータMG2)の回転数ωを示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
図1(b)の共線図により上記ハイブリッド変速機の変速動作を以下に説明するに、前進(正)回転出力時の変速動作としてEVモードおよびEIVTモードの2モードが存在し、後退(逆)回転出力用のREV変速動作が存在する。
EVモードは、図1(b)にレバーEVにより例示するごとく、エンジンENGを停止した状態で、両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力のみにより駆動系への出力Outを決定する。
EIVTモードは、図1(b)にレバーEIVTにより例示するごとく、エンジンENGからの動力および両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力により駆動系への出力Outを決定する。
後退(逆)回転出力用のREV変速動作は、図1(b)にレバーREVとして示すように、エンジンENGからの動力に依存することなく、モータ/ジェネレータMG1の正回転、またはモータ/ジェネレータMG2の逆回転、或いはこれら双方により、キャリアCから出力(Out)へ逆回転が出力される変速状態である。
上記した各モードでの変速動作制御を行うハイブリッド変速機の変速制御システムは図2に示すごとくに構成する。
21は、エンジンENGおよびハイブリッド変速機の統合制御を司るハイブリッドコントローラ21で、このハイブリッドコントローラ21はエンジンENGの目標力T および目標回転数ω (目標入力回転数ω )に関する指令をエンジンコントローラ22に供給し、エンジンコントローラ22はエンジンENGを当該目標値T およびω (ω )が達成されるよう運転させる。
ハイブリッドコントローラ21は更に、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標力T ,T に関する指令信号をモータコントローラ23に供給し、モータコントローラ23はインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれ、上記した目標力T ,T が達成されるよう制御する。
ハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、車速VSP(出力回転数ωに比例)を検出する車速センサ27からの信号と、エンジン回転数ω(入力回転数ω)を検出するエンジン回転センサ28からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は、アクセルペダル踏み込み量APOおよび車速VSPから求め得る要求駆動力P 、車速VSP、およびバッテリ25の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)から運転者が希望する運転状態を実現するように、モード選択を行うと共に選択モードに応じた変速制御を実行して、上記した目標エンジン力T 、目標エンジン回転数ω (ω )、および目標モータ/ジェネレータ力T ,T を決定して指令するものとする。
なおハイブリッドコントローラ21に入力する回転速度情報は、上記したエンジン回転数ω(ω)および車速VSP(出力回転数ω)に限られるものではなく、ラビニョオ型プラネタリギヤセット2で構成する差動装置が2自由度のものであることから、当該ラビニョオ型プラネタリギヤセット2内における回転メンバのいずれか2個の回転速度をハイブリッドコントローラ21に入力してもよい。
図3は、ハイブリッドコントローラ21の機能別ブロック線図を示し、ハイブリッドコントローラ21は、静的目標値演算手段101と、初期過渡目標駆動力演算手段102と、最低変速速度演算手段103と、理想変速速度演算手段104と、過渡目標値演算手段105と、エンジン回転(入力回転)サーボ制御手段106と、モータ制御手段107と、エンジン制御手段108とで構成する。
静的目標値演算手段101は、アクセルペダル踏み込み量APOと、車速VSPと、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)と、エンジン回転数ωとから、以下のようにして車輪駆動系への静的目標駆動力(以下、力はトルクを意味する)T oOと、静的目標エンジン回転数ω (静的目標入力回転数ω )と、静的目標エンジン力T EOとを演算する。
従って静的目標値演算手段101は、本発明における静的目標駆動力演算手段、および、目標変速状態演算手段(変速状態は、変速比に代表されるように、車速VSPを一定とすると入力回転であるエンジン回転数として捉えられるため)に相当する。
なお車速VSPは、例えば出力軸回転速度ωoから次式を用いて演算される。
VSP=kv・ωo・・・(1)
ここで、kvは、タイヤ半径やファイナルギヤ比により決まる定数である。
静的目標値演算手段101は先ず、アクセルペダル踏み込み量APOと車速VSPとから、図4に示す駆動力マップを用いて、変速機出力歯車14への目標駆動力T oOを算出する。
次に、次式を用いて目標駆動力T と出力回転数ωoとから、目標駆動動力P* oを演算する。
P* o=ωo・T ・・・ (1)
次に、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)から、例えば、SOCが高いほどバッテリ放電量を多くし、SOCが低いほどバッテリ充電量を多くするように、目標バッテリ充放電量P* Bを決める。
最後に、目標駆動動力P* oと、エンジン回転数ωiと、目標バッテリ充放電量P* Bとから、静的目標エンジン回転数ω* iと、静的目標エンジン力T* EOとを、例えば以下のように演算する。
先ず、目標エンジンパワーP* Eと、目標駆動動力P* oと、目標バッテリ充放電量P* Bとが次式で表される関係になるよう目標エンジンパワーP* Eを設定する。
P* E=P* o+P* B・・・ (2)
次に、この目標エンジンパワーP* Eをエンジンで発生させるとき燃費最適となる目標エンジン回転速度ω* Eを、図5に示す燃費最適目標エンジン回転速度マップを用いて、目標エンジンパワーP* Eから検索する。
目標エンジンパワーP* Eをエンジンで供給すると共にエンジン動作点を燃費最適点にするためには、目標エンジンパワーP* Eを目標エンジン回転数ω* Eで除算した値を目標エンジン力T* Eとする考え方がある。
しかし、後述する目標値修正手段103により、変速過渡時においてエンジン回転加速度が制限される場合があり、この場合、目標エンジン回転数ω* Eが実現されなくなる。
このように目標エンジン回転数ω* Eが実現されない場合、目標エンジンパワーP* Eが得られなくなる。
そこで、目標エンジン力T* E0 は次式で表されるように、目標エンジンパワーP* E を実際のエンジン回転数ωiで除した値とする。
T* E0=P* Ei・・・(3)
ここで、定常時などのように目標エンジン回転数ω* Eと実際のエンジン回転数ωEとが合っていれば、エンジン力は燃費最適なエンジン力となる。
初期過渡目標駆動力演算手段102は、上記のごとくに求めた静的目標駆動力T* o0を基に、駆動系への駆動力を所定の時系列変化で静的目標駆動力T* o0に向かわせるための初期過渡目標駆動力T* o1を求める。
上記駆動力に関する所定の時系列変化は、実験やシミュレーションにより最適なものを予め求めておく過渡特性で、例えば車速VSPやアクセル開度APOに応じ時定数の異なる二次遅れのフィルタを用いて静的目標駆動力T* o0から初期過渡目標駆動力T* o1は求めることができる。
最低変速速度演算手段103は、運転状態ごとに予め求めておいた最低限必要な変速速度、つまり、変速比や入力回転数ωi(エンジン回転数ωE)などの実変速状態を、静的目標変速比や静的目標入力回転数ω i(静的目標エンジン回転数ω E)などの目標変速状態に収束させる時に最低限必要な最低変速速度を最低エンジン回転加速度ΔωEminとして求める。
具体的には、例えば図6に例示するように、静的目標エンジン回転数ω Eおよび実エンジン回転数ωE間におけるエンジン回転偏差ΔωE(=ω E−ωE)、つまり変速状態偏差に関する変化特性として予め設定しておいた最低変速速度(最低エンジン回転加速度ΔωEmin)のデータマップを基にエンジン回転偏差ΔωEから検索して最低変速速度(最低エンジン回転加速度ΔωEmin)を求める。
理想変速速度演算手段104は、運転状態ごとに予め求めておいた最適な変速速度、つまり、変速比や入力回転数ωi(エンジン回転数ωE)などの実変速状態を、静的目標変速比や静的目標入力回転数ω i(静的目標エンジン回転数ω E)などの目標変速状態に収束させる時の理想変速速度を理想エンジン回転加速度ΔωEOPTとして求める。
具体的には、例えば図7に例示するように、静的目標エンジン回転数ω Eおよび実エンジン回転数ωE間におけるエンジン回転偏差ΔωE(=ω E−ωE)、つまり変速状態偏差に関する変化特性として予め設定しておいた理想変速速度(理想エンジン回転加速度ΔωEOPT)のデータマップを基にエンジン回転偏差ΔωEから検索して理想変速速度(理想エンジン回転加速度ΔωEOPT)を求める。
なお理想変速速度(理想エンジン回転加速度ΔωEOPT)は、前記の最低変速速度(最低エンジン回転加速度ΔωEmin)を下回らない値にすること勿論である。
過渡目標値演算手段105は、初期過渡目標駆動力T* o1および最低エンジン回転加速度ΔωEminを基に図8の制御プログラムを実行して、過渡目標駆動力T* o、およびこの過渡目標駆動力T* oの基でのエンジン回転加速度可能範囲ui(変速速度可能範囲)を求める。
図8の制御プログラムを以下に説明する。
ステップS101においては、以下の式における補正項d1,d2を演算する。
モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクをそれぞれT* 1,T* 2とし、ハイブリッド変速機の諸元で決まる常数をb11,b12とし、エンジントルクや走行抵抗など、ハイブリッド変速機に作用するモータ/ジェネレータトルク以外のトルクによる外乱をd1とすると、過渡目標エンジン回転加速度Δω Eは次式で表される。
Δω E=d1+b11・T* 1+b12・T* 2・・・(5)
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクをそれぞれT* 1,T* 2とし、ハイブリッド変速機の諸元で決まる常数をb21,b22とし、エンジントルクや走行抵抗など、ハイブリッド変速機に作用するモータ/ジェネレータトルク以外のトルクによる外乱をd2とすると、過渡目標駆動力T oは次式で表される。
T o=d2+b21・T* 1+b22・T* 2・・・(6)
ステップS101では上式における補正項d1,d2を演算する。
ステップS102では、以下のようにして最低エンジン回転加速度ΔωEminに相当するuilowを求める。
先ず、(5)式の右辺における補正項d1を左辺に移したものに相当する式を次式のようにuiと定義する。
ui=ΔωE−d1=b11・T1+b12・T2・・・(7)
次に、この式を用いて次式で表されるように最低エンジン回転加速度ΔωEminから、これに相当する前記のuilowを求める。
uilow=ΔωEmin−d1・・・(8)
ステップS103では、(6)式の右辺における補正項d2を左辺に移したものに相当する式を次式のようにyと定義し、
y=To−d2=b21・T1+b22・T2・・・(9)
この式を用いて次式で表されるように初期過渡目標駆動力T* o1に相当するyiを求める。
yi=T o−d2・・・(10)
次のステップS104においては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の最大トルクT1maxおよびT2maxから、モータ/ジェネレータMG1,MG2のモータトルクT1およびT2の二次元座標上に表される実現可能なモータトルク範囲を規定する4頂点(T1max,T2max)、(−T1max,T2max)、(T1max,−T2max)、(−T1max,−T2max)を演算する。
モータ/ジェネレータMG1,MG2の実現可能なモータトルク範囲は、これら4頂点を持つ長方形で表される。
そして、モータトルクT1およびT2の二次元座標上の上記4頂点を、式(7)および式(9)を用いて前記のuiとyに関した二次元座標上に写像すると、モータ/ジェネレータMG1,MG2の実現可能なモータトルク範囲は図10に波線Aで例示するように、写像された4頂点の平行四辺形として変速速度(入力回転加速度)および駆動力の二次元座標上に表される。
ステップS105においては、以下のようにしてバッテリ電力による実現可能範囲の境界線PBmaxおよびPBminを演算する。
バッテリ電力PBと、モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数N1,N2およびトルクT1,T2との関係は次式で表される。
PB=N1・T1+N2・T2・・・(11)
よってバッテリの最大放電量PBmaxおよび最小放電量PBminはそれぞれ次式で表される。
PBmax=N1・T1+N2・T2・・・(12)
PBmin=N1・T1+N2・T2・・・(13)
前記式(7)および式(9)を用いて式(13)および式(13)から、前記uiおよびyと、PBmaxおよびPBminとの関係が次式のように得られる。
PBmax=b1max(N1, N2)ui+b2max(N1, N2)y・・・(14)
PBmin=b1min(N1, N2)ui+b2min(N1, N2)y・・・(15)
ステップS106においては、ハイブリッド変速機の実現可能領域がモータ/ジェネレータMG1,MG2の実現可能な図10に波線Aで例示するモータトルク範囲と、バッテリ電力による実現可能範囲の境界線PBmaxおよびPBmin間における範囲とで囲まれた、図10にハッチングを付して示す領域であることから、モータトルク範囲を区画する平行四辺形の各辺と、境界線PBmaxおよびPBminとの交点を、実現可能領域を表す頂点として演算する。
ステップS107では、これら頂点のうち最も大きなuiをuimaxとし、最も小さなuiをuiminとし、これらの間のui可能範囲を演算する。
ステップS108では、前記のuilowをui可能範囲内の値、つまり、uimax以下、uimin以上の値に修正してui0とする。
ステップS109では、ステップS106で求めた頂点のうち最も大きなyをymaxとし、最も小さなyをyminとし、これらの間のy可能範囲を演算する。
ステップS110では、前記のyiをy可能範囲内の値、つまり、ymax以下、ymin以上の値に修正してy0とする。
ステップS111では、y0でのuiの最大値uimaxおよびuiの最小値uiminを以下のようにして演算する。
y=y0の時のモータトルク範囲の最大値ui0mmaxを演算すると共に、式(14)および式(15)と、y=y0との交点のうち大きい方のui0pmaxを演算し、ui0mmaxとui0pmaxの小さい方をuimaxとする。
また、y=y0の時のモータトルク範囲の最小値ui0mminを演算すると共に、式(14)および式(15)と、y=y0との交点のうち小さい方のui0pminを演算し、ui0mminとui0pminの大きい方をuiminとする。
ステップS112では、ui0がuimin≦ui0≦uimaxか否かを判定し、そうであれば、y0に相当する駆動トルクで最低エンジン回転加速度(最低変速速度)を実現できるので、ステップS113において、uifmax=uimaxとし、uifmin=uiminとし、yf=y0とする。
ステップS112においてui0がuimin≦ui0≦uimaxでないと判定した場合、ステップS114で、ui=uilowとしたときにモータトルク範囲内で、且つ、バッテリ電力範囲内であるyの最大値をymaxとし、最小値をyminとする。
次のステップS115では、図9に示す予定のマップを基にエンジン回転偏差ωE *からその絶対値に応じたy0の重み付け係数rtoを設定する。
次のステップSl16では、ステップSl12の判定結果がNoであってyOがyminとymaxとの間にないことは判っていることから、次にyOがymin〜ymaxに対し上方、下方のどちら側に外れているかをチェックする。
ステップSl16でyO<ymin(yOがymin〜ymaxに対し下方に外れている)と判定する場合は制御をステップSl17に進め、そうでなければ、つまりyO>ymax(yOがymin〜ymaxに対し上方に外れている)と判定する場合は制御をに進める。
yO<yminの時に選択されるステップSl17では、最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とを比較する。
なお、ここでの処理はステップS112でNoと判定した場合のものであることから、(uimax−ui)の符号と(uimin−ui)の符号とが同じであるため、ステップS117では(uimax−ui)の代わりに(uimin−ui)を用いてもよいことは勿論である。
ステップSl17で最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とが同じであると判定する場合、yOに対応する駆動力において、最小変速加速度よりも加速度を大きくすると、y0に対応する駆動力を実現できることを示している。
従って、ステップSl17で最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とが異なると判定する場合には、ステップSl19においてyf=yminとすることにより最小エンジン回転加速度を確保し、
ステップSl17で最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とが同じであると判定する場合には、ステップSl18においてyf=(1-rto)×ymin+rto×y0の演算によりyfを求める。
この時のyfは、重み付け係数rtoが図9に示すごときものであることから、エンジン回転偏差ΔωEが大きいほどyoに近くなり、エンジン回転偏差ΔωEが小さいほどyminに近くなるように設定される。
この操作により、変速比の偏差が大きいほどエンジン回転加速度(変速速度)を速くすることができるし、また、後述するごとくエンジン回転偏差ΔωEが小さいときにyfがyOとyminの間でハンチングすることによる駆動力とエンジン回転数のハンチング現象を防止することができる。
ステップSl16でyO>ymin(yOがymin〜ymaxに対し上方に外れている)と判定する場合に選択されるステップS121では、ステップSl17におけると同様に、最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とを比較し、
このステップSl21で最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とが異なると判定する場合には、ステップSl23においてyf=ymaxとすることにより最小エンジン回転加速度を確保し、
ステップSl21で最小エンジン回転加速度(最低変速速度)の符号と、差値(uimax−uiO)の符号とが同じであると判定する場合には、ステップSl22においてyf=(1-rto)×ymax+rto×y0の演算によりyfを求める。
この時のyfは、重み付け係数rtoが図9に示すごときものであることから、エンジン回転偏差ΔωEが大きいほどyoに近くなり、エンジン回転偏差ΔωEが小さいほどymaxに近くなるように設定される。
この操作により、変速比の偏差が大きいほどエンジン回転加速度(変速速度)を速くすることができるし、また、後述するごとくエンジン回転偏差ΔωEが小さいときにyfがyOとyminの間でハンチングすることによる駆動力とエンジン回転数のハンチング現象を防止することができる。
ステップS118、ステップS119、ステップS122またはステップS123でyfを求めた後は、ステップS124において、yfでのuiの最大値uifmaxおよびuiの最小値uifminを演算する。
また、ステップS113またはステップS124でuifmaxまたはuifminを求めた後はステップS125で、式(9)の関係を用いてyfおよびd2から次式の演算により過渡目標駆動力T* oを求める。
T* o=yf+d2・・・(16)
次のステップS126においては、式(7)の関係を用いてuifmaxと、uifminと、d1とから次式の演算によりエンジン回転加速度上限値Δωimaxおよびエンジン回転加速度下限値Δωiminを求め、これらの間をエンジン回転加速度可能範囲Δuiする。
Δωimax=uifmax+d1・・・(17)
Δωimin=uifmin+d1・・・(18)
図8の制御プログラムを上記のように実行する過渡目標値演算手段105の処理は、図13(Bは、最低変速速度に相当する線)を参照しつつ説明すると以下のごときものである。
初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が、図13にハッチングを付して示す実現可能領域(図10と同様なもの)を外れている場合、バッテリ定格電力内に収まらなくなってバッテリの寿命低下を生ずるから、以下に示すごとく初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力を求める。
かかる初期過渡目標駆動力の修正に当たっては先ず、図13にBで示す最低変速速度線上で実現可能領域内の最も大きな駆動力を最低変速速度駆動力Cとする。
そして、初期過渡目標駆動力および理想変速速度が極性変化することなく、且つ、最低変速速度以上の変速速度を確保しつつ、初期過渡目標駆動力の最も小さな修正で初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点を実現可能領域内に持ち来す駆動力を、図13に例示するように基本修正駆動力D,Eとする。
Dは、初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差正の時の基本修正駆動力を例示し、Eは、初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差負の時の基本修正駆動力を例示する。
基本修正駆動力がEで示すように最低変速速度駆動力Cよりも小さい場合(初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差負の領域の場合)、基本修正駆動力Eを過渡目標駆動力T* oと定め、
基本修正駆動力がDで示すように最低変速速度駆動力Cよりも大きい場合(初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差正の領域の場合)、変速比偏差が大きければ基本修正駆動力Dを過渡目標駆動力T* oと定めるが、変速比偏差が小さくなるにつれて基本修正駆動力Eに近い値を過渡目標駆動力T* oと定める。
過渡目標値演算手段105は、上記のよう初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力T* oを求めた後、修正後の過渡目標駆動力T* oのもとで実現可能領域内に居続けるための変速速度可能範囲Δuiを求める。
図3のエンジン(入力)回転サーボ制御手段106は、上記のエンジン回転加速度可能範囲Δuiによりエンジン回転加速度(変速速度)を制限されたPI制御器を用いて、静的目標エンジン回転数ω* E(静的目標変速状態)および実エンジン回転数ωE(実変速状態)間のエンジン回転偏差ΔωEから、実エンジン回転数ωE(実変速状態)を目標エンジン回転数ω* E(静的目標変速状態)に向かわせるための過渡目標エンジン回転加速度(過渡目標変速速度)Δω* Eを演算する。
モータ制御手段107は、前記した式(5)および式(6)を用いて、過渡目標エンジン回転加速度(過渡目標変速速度)Δω* Eおよび過渡目標駆動力T* oから、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクT* 1,T* 2を演算し、これらをハイブリッド変速機(詳しくはモータコントローラ23)へ出力する。
エンジン制御手段108は、静的目標値演算手段101で前記のごとくに求めた静的目標エンジントルクT* E0、および、手段104で前記のごとくに求めた理想エンジン回転加速度ΔωEOPTを基に、理想エンジン回転加速度ΔωEOPTが実現された時のハイブリッド変速機の回転系に係わる運動エネルギーの変化量を算出し、この運動エネルギー量を補償するような目標エンジントルクT* Eを求める。
この目標エンジントルクT* Eは、初期過渡目標駆動力T* o1から過渡目標駆動力T* oを差し引いて求めた、これら駆動力間の差値を加算されて当該駆動力差を補償するような値に補正されてエンジンコントローラ22へ供給される。
上記本実施の構成になるハイブリッド変速機の変速制御装置によれば、実現可能領域内で最低変速速度以上の変速速度を確保できるように初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力を求めると共に、かかる修正後の過渡目標駆動力のもとで実現可能領域内に居続けるための変速速度可能範囲を求め、
上記修正後の過渡目標駆動力を実現すると共に上記変速速度可能範囲内の変速速度で目標変速状態(目標変速比)および実変速状態(実変速比)間の変速状態偏差(変速比偏差)を減らすようエンジンおよびモータ/ジェネレータを制御するため、
実現可能領域から外れた初期過渡目標駆動力をそのまま主動力源およびモータ/ジェネレータの制御に資する場合に生ずるバッテリの劣化を防ぐことができると共に、
上記過渡目標駆動力を実現すると共に上記変速速度可能範囲内の変速速度で前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差を減らすよう主動力源およびモータ/ジェネレータを制御しても、駆動力および変速速度が運転者の予期している方向とは逆になることがなく、
運転者が運転操作から予期しているとは逆の駆動力変化や変速速度変化を生ずる事態を回避し、運転者に違和感を抱かせる変速となる懸念を払拭することができる。
更に加えて本実施例の構成によれば、最低変速速度の実現に必要なパワーを確保した上で初期過渡目標駆動力にできるだけ近い駆動力を確保し、この駆動力を除いた残り全てのパワーを変速速度可能範囲と定め、この範囲内の速度で変速を行わせることになるから、
最低変速速度を含むこの変速速度可能範囲で、目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差のみを考慮したロバストな制御系が、滑らかで且つ変速状態偏差を確実に減らすような変速速度を設定することができ、これにより、目標変速状態および実変速状態間のずれが大きくなってしまうような懸念をなくし得る。
つまり、駆動力にエネルギーを使いすぎ変速速度の不足により最低変速速度を実現できなくて実変速状態を目標変速状態に近づけることができなくなったり、実変速状態が目標変速状態から離れてしまう虞をなくし得る。
逆に、変速制御機構の変速速度可能範囲を超えて変速用のエネルギーを多く与えすぎ、そのため駆動力用のエネルギーが不足して駆動力不足を生ずるようなこともない。
また、過渡目標駆動力を決めると残りのパワーが全て変速に使える量となり、これにより決まる変速速度可能範囲内で変速状態偏差に応じた変速速度が自動的に決定される構成であるため、
適合要素が過渡目標駆動力だけとなり、適合工数の削減によって適合性を大いに高めることができる。
本実施例においては更に、実現可能領域内で最低変速速度以上の変速速度が確保されることを条件に、初期過渡目標駆動力に最も近い駆動力を過渡目標駆動力とするから、より理想に近い駆動力を発生させることができて、加速の違和感を減ずることができる。
また、初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力T* oを求めるに当たり、
最低変速速度線上で実現可能領域内の最も大きな駆動力を最低変速速度駆動力Cとし、
初期過渡目標駆動力および理想変速速度が極性変化することなく、且つ、最低変速速度以上の変速速度を確保しつつ、初期過渡目標駆動力の最も小さな修正で初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点を実現可能領域内に持ち来す駆動力を基本修正駆動力D,Eとし、
基本修正駆動力Eが最低変速速度駆動力Cよりも小さい場合(初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差負の領域の場合)、基本修正駆動力Eを過渡目標駆動力T* oと定め、
基本修正駆動力Dが最低変速速度駆動力Cよりも大きい場合(初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差正の領域の場合)、変速比偏差が大きければ基本修正駆動力Dを過渡目標駆動力T* oと定めるが、変速比偏差が小さくなるにつれて基本修正駆動力Eに近い値を過渡目標駆動力T* oと定めることから、以下の作用効果が得られる。
当該作用効果の説明に先立ち、図16のごとく実現可能領域から外れた初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点F,Hを、実現可能領域内のG,I点へと修正する場合の弊害を先ず説明する。
実現可能領域から外れた初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点がFで示すように変速比偏差負の時は、初期過渡目標駆動力および理想変速速度の極性変化防止上、および、最低変速速度の確保という目的のため、そして駆動力のできるだけ少ない修正で初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点Fを実現可能領域に持ち来す要求から、本実施例と同じく初期過渡目標駆動力をG点相当値に修正して過渡目標駆動力とするが、
初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点がHで示すように変速比偏差正の時は、初期過渡目標駆動力および理想変速速度の極性変化防止上、および、駆動力のできるだけ少ない修正で初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点Hを実現可能領域に持ち来す要求から、本実施例と異なり初期過渡目標駆動力を無条件にI点相当値に修正して過渡目標駆動力とする。
ところで、最低変速速度が図16にBで示すごとく0近辺であり、運転状態の変化(外乱を含む)により理想変速速度が例えばF点とH点との間で最低変速速度の前後を往来し、そのとき変速速度方向(変速比偏差の正負)も切り替わる場合(ほとんど定常運転でありながら、外乱などにより僅かな変速比偏差が発生するような運転状態で起こり得る)、
図17(a)に示すような目標変速比に対する実変速比の時系列的な大小変化(変速比偏差の正負切り替え)に呼応し、初期過渡目標駆動力を修正して求めた過渡目標駆動力が同図(b)に示すようにG点相当の駆動力およびI点相当の駆動力間で不連続となって、加減速感を伴う弊害を生ずる。
これに対し本実施例のように、基本修正駆動力Dが最低変速速度駆動力Cよりも大きい場合(初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点が変速比偏差正の領域の場合)、変速比偏差が大きければ基本修正駆動力Dを過渡目標駆動力T* oと定めるも(図16のI点への修正に同じ、図10にI点を示した)、変速比偏差が小さくなるにつれて基本修正駆動力Eに近い値を過渡目標駆動力T* oと定めると、
運転状態の変化(外乱を含む)により理想変速速度が例えば図10に示すF点とH点(図16に同じ)との間で最低変速速度の前後を往来し、そのとき変速速度方向(変速比偏差の正負)も切り替わる場合において、
この現象が、ほとんど定常運転でありながら、外乱などにより僅かな変速比偏差が発生するような運転状態で起こることから、初期過渡目標駆動力をH点相当値からG点相当値(図16に同じ)と殆ど同じJ点相当値に修正して過渡目標駆動力とすることになる。
これがため、図11に示すような目標変速比に対する実変速比の時系列的な大小変化(変速比偏差の正負切り替え)があっても、変速比偏差が小さい間は、初期過渡目標駆動力を修正して求めた過渡目標駆動力が図12に示すようにG点相当の駆動力近辺に落ち着いており、図17につき前述した、過渡目標駆動力がG点相当値およびI点相当値間で不連続となる問題を生ずることがない。
ちなみに、上記のような変速比偏差が小さな定常運転からアクセルペダルの踏み込みにより加速した踏み込み加速時の作用を、図14および図15に基づき以下に説明する。
図15の瞬時t1における踏み込みにより初期過渡目標駆動力が図14の矢Kで示すように増大すると、目標変速比も図15(a)に示すように急増して、これと実変速比との偏差が正値を増大される結果、図14にHで例示する初期過渡目標駆動力および理想変速速度の組み合わせ点における初期過渡目標駆動力がI点相当値へと修正され、過渡目標駆動力と定められる。
しかし、初期過渡目標駆動力をH点相当値からI点相当値へと修正することは初期過渡目標駆動力を不変に保つことから、過渡目標駆動力は初期過渡目標駆動力と同じにされることを意味し、過渡目標駆動力を図15(b)に示すように、踏み込み時t1以後は踏み込み加速に見合った大きなものにして十分な駆動力を確保することができる。
そして踏み込み時t1以後、目標変速比への変速が図15(a)に示すように進行すると、バッテリ電力範囲PBmax〜PBminが図14に矢Lの方向へ二点鎖線で示すように変化することによる(モータトルク範囲Aも若干変化するが、図面の煩雑を避けるため図14では変化しないものとして示した)実現可能領域の変化で、上記のような過渡目標駆動力のもとでも変速速度0の点が実現可能領域内に位置して実変速比を目標変速比に保つことができる。
また本実施例においては、図3におけるエンジン制御手段108が理想エンジン回転加速度ΔωEOPT(理想変速速度)が実現された時のハイブリッド変速機の回転系に係わる運動エネルギーの変化量を算出し、この運動エネルギー量を補償するような目標エンジントルクT* Eを求めて、運動エネルギーの変化量をエンジンに余分に与えるよう構成したから、
変速をエンジントルクがアシストすることとなり、過渡目標駆動力へのパワー不足を減ずることができ、より理想に近い駆動力と変速とをすることができる。
さらに本実施例においては、上記の目標エンジントルクT* Eをそのままエンジンコントローラ22へ供給せず、初期過渡目標駆動力T* o1から過渡目標駆動力T* oを差し引いて求めた駆動力差を目標エンジントルクT* Eに加算して、目標エンジントルクT* Eを当該駆動力差が補償されるよう補正してエンジンコントローラ22へ供給するから、
理想の駆動力に対する不足分をエンジントルクがアシストすることとなり、より理想に近い駆動力を出すことができる。
本発明による変速制御装置を適用し得るハイブリッド変速機を例示し、 (a)は、その線図的構成図、 (b)は、その共線図である。 同ハイブリッド変速機の制御システムを示すブロック線図である。 同制御システムにおけるハイブリッドコントローラの機能別ブロック線図である。 車両が要求する駆動力の変化特性を示す線図である。 最適燃費でエンジンパワーを発生させるためのエンジン回転数を示す最適燃費線図である。 最低変速速度の変化特性を示す線図である。 理想変速速度の変化特性を示す線図である。 図3における過渡目標値演算手段が実行する過渡目標駆動力およびエンジン回転加速度可能範囲(変速速度可能範囲)の演算処理に関した制御プログラムを示すフローチャートである。 図8の制御プログラムで用いるy0の重み付け係数に関した変化特性図である。 ハイブリッド変速機のバッテリ定格電力で実現可能な駆動力と入力(エンジン)回転加速度(変速速度)との組み合わせ、並びに、モータ駆動トルクで実現可能な駆動力と入力(エンジン)回転加速度(変速速度)との組み合わせを例示する、ハイブリッド変速機の実現可能領域線図である。 図10におけるF点およびH点との間で繰り返し運転状態が変化する時の目標変速比に対する実変速比の時系列変化を示すタイムチャートである。 図10におけるF点およびH点との間で繰り返し運転状態が変化する時の過渡目標駆動力の時系列変化を示すタイムチャートである。 本発明の変速制御装置による過渡目標駆動力および変速速度可能範囲の求め方を説明するための、図10と同様な領域線図である。 踏み込み加速時における本発明の変速動作を説明するための、図10と同様な領域線図である。 踏み込み加速時における本発明の変速動作タイムチャートで、 (a)は、目標変速比に対する実変速比の時系列変化を示すタイムチャート、 (b)は、過渡目標駆動力の時系列変化を示すタイムチャートである。 変速比偏差が正のとき、無条件に初期過渡目標駆動力を過渡目標駆動力とする場合の動作説明に用いた、図10と同様な領域線図である。 図15の変速制御を行った時の変速動作タイムチャートで、 (a)は、目標変速比に対する実変速比の時系列変化を示すタイムチャート、 (b)は、過渡目標駆動力の時系列変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 変速機ケース
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
3 複合電流2層モータ
ENG エンジン(主動力源)
4 第1のシングルピニオン遊星歯車組
5 第2のシングルピニオン遊星歯車組
6 カウンターシャフト
7 ディファレンシャルギヤ装置
8 駆動車輪
14 出力歯車
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ショートピニオン
P2 ロングピニオン
R1 リングギヤ
R2 リングギヤ
C キャリア
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 エンジン回転センサ
101 静的目標値演算手段
102 初期過渡目標駆動力演算手段
103 最低変速速度演算手段
104 理想変速速度演算手段
105 過渡目標値演算手段
106 エンジン回転サーボ制御手段
107 モータ制御手段
108 エンジン制御手段

Claims (5)

  1. 共線図上に配置される回転メンバとして複数個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記複数個の回転メンバにそれぞれ、主動力源からの入力、駆動系への出力、および複数個のモータ/ジェネレータを結合し、これらモータ/ジェネレータからの動力を加減することにより、主動力源および駆動系間における変速比を無段階に変更可能なハイブリッド変速機において、
    運転状態に応じた前記駆動系への静的目標駆動力を演算する静的目標駆動力演算手段と、
    該手段により求めた静的目標駆動力を基に、所定の時系列変化で駆動系への駆動力を該静的目標駆動力に向かわせるための初期過渡目標駆動力を演算する初期過渡目標駆動力演算手段と、
    運転状態に応じた、前記主動力源および駆動系間の目標変速状態を演算する目標変速状態演算手段と、
    この目標変速状態へ実変速状態を収束させる変速速度の最低値を規定した最低変速速度を演算する最低変速速度演算手段と、
    前記モータ/ジェネレータ、該モータ/ジェネレータ用のバッテリおよび前記主動力源の現状で実現可能な、駆動力および変速速度の組み合わせに関した、これら駆動力および変速速度の二次元座標上における実現可能領域内で前記最低変速速度以上の変速速度を確保できるように前記初期過渡目標駆動力を修正して過渡目標駆動力を求めると共に、該修正後の過渡目標駆動力のもとで前記実現可能領域内に居続けるための変速速度可能範囲を求める過渡目標値演算手段と、
    前記過渡目標駆動力を実現すると共に前記変速速度可能範囲内の変速速度で前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差を減らすよう主動力源およびモータ/ジェネレータを制御する過渡目標値実現手段とを具備することを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記過渡目標値演算手段は、前記実現可能領域内で前記最低変速速度以上の変速速度が確保されることを条件に、前記初期過渡目標駆動力に最も近い駆動力を前記過渡目標駆動力とするものであることを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記過渡目標値演算手段は、前記最低変速速度が0近辺であり、運転状態の変化により変速速度が該最低変速速度の前後を往来するときに変速速度方向が切り替わる場合、一方の変速速度方向である時に求めた、前記初期過渡目標駆動力に最も近い第1の過渡目標駆動力と、他方の変速速度方向である時に求めた、前記初期過渡目標駆動力に最も近い第2の過渡目標駆動力とを比較し、第1の過渡目標駆動力が第2の過渡目標駆動力よりも前記初期過渡目標駆動力に近いなら、前記目標変速状態および実変速状態間の変速状態偏差が大きいほど前記過渡目標駆動力を第1の過渡目標駆動力に近い値とし、前記変速状態偏差が小さいほど前記過渡目標駆動力を第2の過渡目標駆動力に近い値とするものであることを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記変速速度の理想値を規定した理想変速速度を演算する理想変速速度演算手段を設け、
    この手段で求めた理想変速速度が実現された時の前記モータ/ジェネレータおよび主動力源を含む伝動機構の回転運動エネルギーの変化量に相当するエネルギー量を主動力源に余分に指令するよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記初期過渡目標駆動力と過渡目標駆動力との差を補償するよう主動力源のトルクを補正するよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。

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