JP3885756B2 - ハイブリッド変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の主動力源とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら主動力源とモータ/ジェネレータとの間における差動装置により無段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種ハイブリッド変速機としては例えば、遊星歯車組などにより構成した2自由度の差動装置を具え、該差動装置における回転メンバにそれぞれ主動力源であるエンジンからの入力、駆動系への出力、およびモータ/ジェネレータを結合して、モータ/ジェネレータからの動力により無段変速を可能としたものが知られている。
かかるハイブリッド変速機においては、モータ/ジェネレータをバッテリからの電力により駆動するが、この駆動に際しては、通常の電気機器を駆動する場合と同様にモータ/ジェネレータをバッテリの定格電力以下で駆動する必要がある。
【0003】
電気機器をバッテリの定格電力以下で駆動する従来技術としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
この従来技術は、バッテリの充放電を伴って駆動する少なくとも一つの電気機器を具える動力発生装置を前提とするが、電気機器が目標出力を発生するとバッテリの瞬時定格出力を超えるような場合、電気機器の目標出力をバッテリの瞬時定格電力以下となるように修正するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−058113号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術によれば、電気機器をバッテリの定格電力以下で駆動することはできても、ハイブリッド変速機のようにモータ/ジェネレータ(電気機器)を有し、これからの動力を合成して主動力源からの動力と共に駆動系へ出力する動力伝達機構の場合、以下のような問題を生ずる。
【0006】
つまり、通常の無段変速機などでは、例えば車速一定の変速時、エンジン回転速度の上昇に伴ってエンジンから駆動系への出力に至る回転系の運動エネルギーは低下することなく増加するが、
差動装置を用いたハイブリッド変速機においては、エンジンから駆動系に至る回転系の構成や緒元によっては、上記回転系における運動エネルギーUと変速比iとの間に図12(a)に例示されるごとく、或る変速比ic0で運動エネルギーUが最小となり、従って、変速中に変速比iが運動エネルギー最小変速比ic0を通過する時、運動エネルギーUが減少から増加に転ずるような関係が存在する。
【0007】
このことは、変速中に変速比icの変化に伴って上記回転系の運動エネルギーを変化させるのに必要な変速パワーの変化極性が、運動エネルギー最小変速比ic0を境に変わることを意味する。
変速パワーをエンジン出力で賄う場合、このような変速比icに対する変速パワーの変化特性を考慮して変速パワー補償用エンジン出力補正量を決定しないと、エンジン出力が不足することとなる。
【0008】
かようにエンジン出力が不足する時も所望の変速感と所望の加速感を得ようとすると、この出力不足分をバッテリ駆動されるモータ/ジェネレータからの出力により補充する必要がある。
ところでこの場合、バッテリの負荷が増大してバッテリ定格電力を超えてしまうことがあり、上記した従来技術によればこの時、モータ/ジェネレータをバッテリの定格電力以下で駆動させるようトルク制限する。
従って上記した従来技術によれば、上記したエンジン出力不足時にモータ/ジェネレータをバッテリの定格電力以下で駆動させることはできても、モータ/ジェネレータトルクの制限によりハイブリッド車両に供給されるパワーを不足させてしまい、所望の加速感や変速感が得られなくする虞があった。
【0009】
本発明は、変速比に対する変速パワーの前記した変化特性を考慮して変速パワー補償用エンジン出力補正量を決定することにより、エンジン出力補正のみで確実に変速パワーを賄うことができるようにし、もって、上記したエンジン出力不足による問題、つまり、このエンジン出力不足を補うモータ/ジェネレータの出力増大がバッテリ定格電力の限界により十分でなくなって所望の加速感や変速感が得られなくなる懸念を払拭し得るようにしたハイブリッド変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明によるハイブリッド変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
ハイブリッド変速機は、2自由度の差動装置を構成する複数個の回転メンバにそれぞれ、主動力源からの入力、駆動系への出力、および少なくとも1個のモータ/ジェネレータを結合し、モータ/ジェネレータからの動力を加減することにより、主動力源および駆動系間における変速比を無段階に変更可能なものを前提とする。
【0011】
ハイブリッド変速機の変速制御装置は、上記のハイブリッド変速機に対し以下の構成を適用する。
つまり、主動力源から駆動系への出力に至る回転系を回転速度変化させるのに必要な変速パワーを賄うための主動力源の変速パワー補償用出力補正量を、変速機入出力回転速度比で表される変速比の変化につれ上記回転系の回転運動エネルギーが減少から増大に転ずる運動エネルギー最小変速比の通過時に、極性反転させるよう構成する。
【0012】
【発明の効果】
上記の構成になる変速制御装置によれば、変速中に変速比が運動エネルギー最小変速比を通過する時、つまり、主動力源から駆動系への出力に至る回転系の回転運動エネルギーが減少から増大に転ずるようになる変速進行時に、主動力源の変速パワー補償用出力補正量を極性反転させることから、
変速比に対する変速パワーの変化特性に符合するよう変速パワー補償用エンジン出力補正量が決定されることとなり、エンジン出力補正のみで確実に変速パワーを賄うことができる。
よって、変速パワー補償用エンジン出力補正量が変速パワーの変化特性に符合しないでエンジン出力不足になることがなくなり、このエンジン出力不足を補うモータ/ジェネレータの出力増大も不要となり、モータ/ジェネレータを駆動するバッテリの定格電力の限界によって所望の加速感や変速感が得られなくなる懸念を払拭することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態になる変速制御装置を適用可能なハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして構成する。
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)左側にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の右側に複合電流2層モータ3を内蔵させる。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の更に左側には、変速機ケース1の外側であるが、エンジン(主動力源)ENGを配置する。
【0014】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2、エンジンENG、および複合電流2層モータ3は、ハイブリッド変速機の主軸線上に同軸に配置して変速機ケース1内に取り付けるが、変速機ケース1内には更に、上記の主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト6およびディファレンシャルギヤ装置7をも内蔵させ、
ディファレンシャルギヤ装置7に左右駆動車輪8を駆動結合する。
【0015】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオンP2を共有する2つのシングルピニオン遊星歯車組4,5の組み合わせになり、エンジンENGに近い側に配置された方を第1のシングルピニオン遊星歯車組4とし,他方を第2のシングルピニオン遊星歯車組5とする。
第1のシングルピニオン遊星歯車組4はサンギヤS2およびリングギヤR2にそれぞれロングピニオンP2を噛合させた構造とし、
第2のシングルピニオン遊星歯車組5は、共有ピニオンP2の他に、サンギヤS1およびリングギヤR1と、これらに噛合した大径のショートピニオンP1を有し、当該ショートピニオンP1を共有ピニオンP2に噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組4,5のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
【0016】
以上の構成になるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素とし、これら4個のメンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして4個の回転メンバの回転速度順は、図1(b)の共線図に示すごとく、サンギヤS1、リングギヤR2、キャリアC、サンギヤS2の順番である。
【0017】
複合電流2層モータ3は、内側ロータ3riと、これを包囲する環状の外側ロータ3roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ3riおよび外側ロータ3ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステータ3sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル3sと内側ロータ3riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状コイル3sと外側ロータ3roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流をモータ側が負荷として供給される時は供給電流に応じた個々の方向と速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を発電機側が負荷として印加した時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0018】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図1(b)の共線図にも示したが、サンギヤS1、リングギヤR2、キャリアC、サンギヤS2の順に、第1のモータ/ジェネレータMG1、主動力源であるエンジンENGからの入力、車輪駆動系への出力(Out)、第2のモータ/ジェネレータMG2を結合する。
【0019】
この結合を図1(a)に基づき以下に詳述するに、リングギヤR2を上記の通りエンジン回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤR2にエンジンENGのクランクシャフトを結合する。
サンギヤS1は、これからエンジンENGと反対の後方へ延在する中空軸11を介して第1のモータ/ジェネレータMG1(ロータ4ri)に結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸11を遊嵌する中心軸12を介してサンギヤS2を第2のモータ/ジェネレータMG2(ロータ4ro)に結合する。
【0020】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空のコネクティングメンバ(出力軸)13を介して出力歯車14を結合し、これをラビニョオ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ3間に配置して変速機ケース1内に回転自在に支持する。
出力歯車14は、カウンターシャフト6上のカウンター歯車15に噛合させ、出力歯車14からの変速機出力回転が、カウンター歯車15を経由し、その後、カウンターシャフト6を経てディファレンシャルギヤ装置7に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動車輪8に分配されるものとし、これらで車輪駆動系を構成する。
【0021】
上記の構成になるハイブリッド変速機は図1(b)に示すような共線図により表すことができ、この共線図の横軸は遊星歯車組4,5のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離の比、つまりリングギヤR2およびキャリアC間の距離を1とした時のサンギヤS1およびリングギヤR2間の距離の比をαで示し、キャリアCおよびサンギヤS2間の距離をβで示したものである。
また共線図の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤR2へのエンジン回転数ω(変速機入力回転数ω)、サンギヤS1(モータ/ジェネレータMG1)の回転数ω、キャリアCからの変速機出力(Out)回転数ω、およびサンギヤS2(モータ/ジェネレータMG2)の回転数ωを示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
【0022】
図1(b)の共線図により上記ハイブリッド変速機の変速動作を以下に説明するに、前進(正)回転出力時の変速動作としてEVモードおよびEIVTモードの2モードが存在し、後退(逆)回転出力用のREV変速動作が存在する。
EVモードは、図1(b)にレバーEVにより例示するごとく、エンジンENGを停止した状態で、両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力のみにより駆動系への出力Outを決定する。
EIVTモードは、図1(b)にレバーEIVTにより例示するごとく、エンジンENGからの動力および両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力により駆動系への出力Outを決定する。
【0023】
後退(逆)回転出力用のREV変速動作は、図1(b)にレバーREVとして示すように、エンジンENGからの動力に依存することなく、モータ/ジェネレータMG1の正回転、またはモータ/ジェネレータMG2の逆回転、或いはこれら双方により、キャリアCから出力(Out)へ逆回転が出力される変速状態である。
【0024】
上記した各モードでの変速動作制御を行うハイブリッド変速機の変速制御システムは図2に示すごとくに構成する。
21は、エンジンENGおよびハイブリッド変速機の統合制御を司るハイブリッドコントローラ21で、このハイブリッドコントローラ21はエンジンENGの目標トルクT および目標回転数ω (目標入力回転数ω )に関する指令をエンジンコントローラ22に供給し、エンジンコントローラ22はエンジンENGを当該目標値T およびω (ω )が達成されるよう運転させる。
【0025】
ハイブリッドコントローラ21は更に、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクT ,T に関する指令信号をモータコントローラ23に供給し、モータコントローラ23はインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれ、上記した目標トルクT ,T が達成されるよう制御する。
【0026】
ハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、車速VSP(出力回転数ωに比例)を検出する車速センサ27からの信号と、エンジン回転数ω(入力回転数ω)を検出するエンジン回転センサ28からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は、アクセルペダル踏み込み量APOおよび車速VSPから求め得る要求駆動力P 、車速VSP、およびバッテリ25の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)から運転者が希望する運転状態を実現するように、モード選択を行うと共に選択モードに応じた変速制御を実行して、上記した目標エンジントルクT 、目標エンジン回転数ω (ω )、および目標モータ/ジェネレータトルクT ,T を決定して指令するものとする。
【0027】
なおハイブリッドコントローラ21に入力する回転速度情報は、上記したエンジン回転数ω(ω)および車速VSP(出力回転数ω)に限られるものではなく、ラビニョオ型プラネタリギヤセット2で構成する差動装置が2自由度のものであることから、当該ラビニョオ型プラネタリギヤセット2内における回転メンバのいずれか2個の回転速度をハイブリッドコントローラ21に入力してもよい。
【0028】
図3は、ハイブリッドコントローラ21の機能別ブロック線図を示し、ハイブリッドコントローラ21は、目標値生成手段101と、入力回転サーボ制御手段102と、目標値修正手段103と、モータ/ジェネレータトルク分配手段104と、モータ/ジェネレータトルク指令値決定手段105と、目標エンジントルク修正手段106とで構成する。
【0029】
目標値生成手段101は、アクセルペダル踏み込み量APOと、車速VSPと、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)と、エンジン回転数ωとから、以下のようにして車輪駆動系への目標駆動トルクT o と、目標エンジン回転数ω と、目標エンジントルクT EOとを演算する。
これがため先ず、アクセルペダル踏み込み量APOと車速VSPとから、図4に示す駆動トルクマップを用いて、変速機出力歯車14への目標駆動トルクT o を算出する。
ここで車速VSPは、例えば出力軸回転速度ωoから次式を用いて演算される。
【数1】
Figure 0003885756
ここで、kvは、タイヤ半径やファイナルギヤ比により決まる定数である。
【0030】
次に、次式を用いて目標駆動トルクT と出力回転数ωoとから、目標駆動動力P* oを演算する。
【数2】
Figure 0003885756
次に、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)から、例えば、SOCが高いほどバッテリ放電量を多くし、SOCが低いほどバッテリ充電量を多くするように、目標バッテリ充放電量P* Bを決める。
【0031】
最後に、目標駆動動力P* oと、エンジン回転数ωiと、目標バッテリ充放電量P* Bとから、目標エンジン回転数ω* iと、目標エンジントルクT* EOとを、例えば以下のように演算する。
先ず、目標エンジンパワーP* Eと、目標駆動動力P* oと、目標バッテリ充放電量P* Bとが次式で表される関係になるよう目標エンジンパワーP* Eを設定する。
【数3】
Figure 0003885756
次に、この目標エンジンパワーP* Eをエンジンで発生させるとき燃費最適となる目標エンジン回転速度ω* Eを、図5に示す燃費最適目標エンジン回転速度マップを用いて、目標エンジンパワーP* Eから検索する。
【0032】
目標エンジンパワーP* Eをエンジンで供給すると共にエンジン動作点を燃費最適点にするためには、目標エンジンパワーP* Eを目標エンジン回転数ω* Eで除算した値を目標エンジントルクT* Eとする考え方がある。
しかし、後述する目標値修正手段103により、変速過渡時においてエンジン回転加速度が制限される場合があり、この場合、目標エンジン回転数ω* Eが実現されなくなる。
このように目標エンジン回転数ω* Eが実現されない場合、目標エンジンパワーP* Eが得られなくなる。
そこで、目標エンジントルクT* E は次式で表されるように、目標エンジンパワーP* E を実際のエンジン回転数ωiで除した値とする。
【数4】
Figure 0003885756
【0033】
ここで、定常時などのように目標エンジン回転数ω* Eと実際のエンジン回転数ωEとが合っていれば、エンジントルクは燃費最適なエンジントルクとなる。
入力回転サーボ制御手段102は、目標エンジン回転数ω* Eと実エンジン回転数ωE(ωi)との偏差を入力され、このエンジン回転(入力回転)偏差が減少するように目標エンジン回転加速度uioを演算する。
この演算に当たっては、例えば次式に示すスライディングモード制御器を用いて、目標エンジン回転加速度ui0を演算すれば良い。
【数5】
Figure 0003885756
【数6】
Figure 0003885756
ただし、K:目標エンジン回転加速度ui0の上限を決める定数
ε:σのゼロ近傍で目標エンジン回転加速度ui0を連続化する正の定数
【0034】
目標値修正手段103は、現在のエンジンおよびバッテリの状態で実現できる駆動トルクToおよびエンジン回転加速度dωi/dtの組み合わせを、これら駆動トルクToおよびエンジン回転加速度dωi/dtの図6に示す二次元座標上に表した実現可能領域から、目標駆動トルクT* oOと目標エンジン回転加速度ui0が外れる場合、これら目標駆動トルクT* oOと目標エンジン回転加速度ui0を上記実現可能領域内の値に修正するものである。
ここで、駆動トルクToと、エンジン回転加速度dωi/dtと、エンジン回転速度ωiと、出力回転数ωoと、走行抵抗トルクTRと、エンジントルクTEと、バッテリ充放電量PBとの関係は次式で表される。
【数7】
Figure 0003885756
ここで、kii,kio,koi.koo,kR.kEは、ハイブリッドシステムの諸元(慣性モーメントと、遊星歯車装置における回転要素の半径)で決まる定数である。
【0035】
この式において、現在のエンジン回転速度ωiと出力回転速度ωoとは検出可能であり、走行抵抗トルクTRとエンジントルクTEとは、例えば外乱オブザーバを用いて推定され得る。
図6に示すように、横軸に駆動トルクTo、縦軸にエンジン回転加速度dωi/dtを目盛った二次元座標を考察するに、上記の式を用いてバッテリ充放電量PBの範囲から、バッテリ定格電力内に収まる駆動トルクToとエンジン回転加速度dωi/dtの領域(実現可能領域)が、図6にAで示すように得られる。
【0036】
この二次元座標上において、目標駆動トルクT* oOと目標エンジン回転加速度uioとで決まる目標動作点を考えるに、この目標動作点が実現可能領域から外れる場合、以下に示すごとく目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの符号(極性)が変わらないようこれら目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioを実現可能領域内の値に修正して、駆動トルク指令値T* Oおよび目標エンジン回転加速度uiと定める。
目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの修正方法を、図7により以下に詳述する。
【0037】
図7(a),(b),(c)は、修正前における上記した目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの組み合わせで表される目標動作点を○で示し、これらを修正した後における上記駆動トルク指令値T* Oおよび目標エンジン回転加速度uiの組み合わせで表される指令動作点を●で示す。
図7(a)の目標動作点○は、或る目標駆動トルクT* oOで変速せずに(エンジン回転加速度dωi/dt=0)走行する状態を示す。
その後アクセルペダルが踏み込まれると、目標動作点○は例えば図7(b)に破線で示すごとくに移動するが、図7(b)では目標動作点○が実現可能領域A内にあるため、目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの修正は行われない。
【0038】
その後、目標動作点○が図7(c)に破線で示すごとく更に移動すると、目標動作点○は実現可能領域Aから外れて、最早対応する目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの組み合わせを実現できない。
この場合目標値修正手段103は、図7(c)における駆動トルクToおよびエンジン回転加速度dωi/dtの二次元座標上において、目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの組み合わせに対応した目標動作点○と、二次元座標の原点Oとを結ぶ実線で示す線分上にあって、且つ、実現可能領域A内にあり、更に、目標動作点○に最も近い●点を指令動作点とする。
そして目標値修正手段103は、目標動作点○における目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioを、指令動作点●における駆動トルクT* oおよびエンジン回転加速度uiに修正して、これら修正した駆動トルクT* oおよびエンジン回転加速度uiをそれぞれ駆動トルク指令値およびエンジン回転加速度指令値とし、モータ/ジェネレータトルク配分手段104に指令する。
【0039】
目標値修正手段103は、上記した目標駆動トルクT* oOおよび目標エンジン回転加速度uioの修正(駆動トルク指令値T* oおよびエンジン回転加速度指令値uiの決定)処理を、図8に示すフローチャートにしたがって実行する。
ステップS10では、図6および図7に示した駆動トルクToおよびエンジン回転加速度(d/dt)ωの二次元座標上に表される実現可能領域Aを求め、この領域を規定する2本の境界線を算出する。
これら2本の境界線は、前記した式(7)におけるPBをバッテリ定格電力±PBmaxに置換した次式により算出することができる。
【数8】
Figure 0003885756
【数9】
Figure 0003885756
【0040】
ステップS11では、下記(9)式で表される目標駆動トルクx0(=T* o0)および目標エンジン回転加速度y0(=ui0)の組み合わせである目標動作点○および原点Oを通る図7(c)に実線で示す直線と、上記の式(8)および式(9)で算出される境界線との交点(x1,y1),(x2,y2)を求める(但し、x1<x2であり、x1,x2が駆動トルクを、またy1,y2がエンジン回転加速度を示す)。
【数10】
Figure 0003885756
ステップS12では、x0がx1とx2の間にあるかをチェックし、x0がx1とx2の間にあると判定する場合は、目標駆動トルクと目標エンジン回転加速度が実現可能領域A内にあるので制御をステップS13へ進め、x0がx1とx2の間にないと判定する場合は、目標駆動トルクと目標エンジン回転加速度が実現可能領域Aを外れているので制御をステップS14へ進める。
【0041】
実現可能領域A内にある時に選択されるステップS13では、目標駆動トルクx0(=T* o0)および目標エンジン回転加速度y0(=ui0)の組み合わせである目標動作点○をそのまま指令動作点とし、目標駆動トルクT* o0をそのまま修正後の駆動トルク指令値To *とし、目標駆動エンジン回転加速度ui0をそのまま修正後のエンジン回転加速度指令値uiとする。
実現可能領域A内にない時に選択されるステップS14では、上記した(x1,y1)および(x2,y2)のうち(x0,y0)に近い動作点を指令動作点とし、この点における駆動トルクTo *およびエンジン回転加速度uiをそれぞれ、修正後の駆動トルク指令値To *および修正後のエンジン回転加速度指令値uiとする。
【0042】
図3に示すモータ/ジェネレータトルク分配手段104は、定常的にも過渡的にも、修正後の駆動トルク指令値To *と修正後のエンジン回転加速度指令値ui(変速速度指令値)が実現されるようモータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルク(目標モータ/ジェネレータトルク)T* 10およびT* 20を決定するためのものである。この決定に際し先ず、エンジン回転加速度dωi/dtと、走行抵抗トルクTRと、エンジントルクTEと、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1およびT2との関係を考察するに、これらの間には次式で表される関係がある。
【数11】
Figure 0003885756
【0043】
また、駆動トルクToと、走行抵抗トルクTRと、エンジントルクTEと、モータ/ジェネレータトルクT1, T2との間には次式の関係が成立する。
【数12】
Figure 0003885756
式(11)と式(12)とをまとめると、次式が得られる。
【数13】
Figure 0003885756
式(13)において、駆動トルクToを修正後の駆動トルク指令値T* oに、また、目標エンジン回転加速度(d/dt)ωiを修正後のエンジン回転加速度指令値uiに、更に、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20に置き換えると、次式が得られ、この式から目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を求めることができる。
【数14】
Figure 0003885756
なお、上式における走行抵抗トルクTRおよびエンジントルクTEは、直接検出してもよいし、外乱オブザーバを用いて推定してもよく、いずれにしても容易に求めることができる。
【0044】
図3におけるモータ/ジェネレータトルク指令値決定手段105は、トルク分配手段104で上記のごとくに得られた目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が機械的に出力可能なトルク範囲を超えている場合や、これら目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を実現した時にバッテリ定格電力を超えてしまう場合に、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を出力可能なトルク範囲内の値に修正してモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2を決定するためのものである。
かくしてモータ/ジェネレータトルク指令値決定手段105は、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を出力可能トルク範囲に制限したり、バッテリ定格電力に対して過大になるのを防止するよう制限し、これらにより、モータ/ジェネレータMG1,MG2が早期に劣化されたり、バッテリ定格電力を超えた要求でバッテリが早期に劣化されたりすることのないようにする保護機能を果たす。
【0045】
モータ/ジェネレータトルク指令値決定手段105が、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を出力可能な動作可能範囲内の値に修正してモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2を決定するアルゴリズムの一例を、図9に示すフローチャートにより以下に詳述する。
先ずステップS20において、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が、機械的に出力可能なトルク範囲内で、且つ、これら目標モータ/ジェネレータトルクを実現した時にバッテリ定格電力を超えない動作可能領域内か否かをチェックする。
【0046】
ここで上記目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の動作可能領域を、図10に示すごとく、横軸に第1モータ/ジェネレータMG1のトルクT1を目盛り、縦軸に第2モータ/ジェネレータMG2のトルクT2を目盛った二次元座標により説明する。
バッテリ充放電量PBと、第1モータ/ジェネレータMG1の回転速度ω1およびトルクT1と、第2モータ/ジェネレータMG2の回転速度ω2およびトルクT2との間には、次式で表される関係がある。
【数15】
Figure 0003885756
【0047】
ここで、現在のエンジン回転速度ωiと出力回転速度ωoとは検出可能である。式(15)を用いて、バッテリ充放電量PBの範囲から、バッテリ定格電力内に収まる駆動トルクとエンジン回転速度の領域が図10にFAで示すように得られる。
次に、複合電流2層モータ3の機械的な動作範囲も、以下に説明するところから明らかなごとく、図10に領域FBとして示すように求めることができる。
つまり複合電流2層モータ3の場合、モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転速度ω,ωと、機械的なトルク最大値T1max, T2maxとの間には次式で表される関係があり、第1モータ/ジェネレータのトルク最大値T1maxは、第2モータ/ジェネレータのトルク最大値T2maxおよび両モータ/ジェネレータの回転速度ω,ωの非線形関数f1で表される。
【数16】
Figure 0003885756
この式(16)を用いて、現在のモータ/ジェネレータMG1,MG2の回転速度ω1,ω2から、第1モータ/ジェネレータの機械的なトルク最大値T1maxと、第2モータ/ジェネレータの機械的なトルク最大値T2maxとの関係が得られ、この関係から、複合電流2層モータ3の機械的な動作範囲が図10に領域FBで示すように得られる。
【0048】
さらに、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を修正した時にエンジン回転加速度(変速速度)が所定値yminよりゼロに近くならないようにするため、エンジン回転加速度がこの所定値yminよりも、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の実現時におけるエンジン回転加速度側の値となるモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルク範囲を、図10に領域FCで示すごとく求める。
この領域FCは、式(11)を用いて以下の条件を満たすように設定される。
【数17】
Figure 0003885756
【数18】
Figure 0003885756
なお上記の所定値yminは以下のように設定するのがよい。
【数19】
Figure 0003885756
ただし、σy :目標入力回転速度と実入力回転速度との偏差
εy :σy=0でyminを連続化する正の定数
Ky :予め実験や計算機シミュレーションで得られた正の定数
【0049】
図10に示す両モータ/ジェネレータトルクの二次元座標における上記した領域FAと、領域FBと、領域FCとが重なる領域FXが前記した動作可能領域である。
以下に示す3つの条件を満たす場合、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が、動作可能領域内にあることになる。
(条件1)
式(15)に目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を代入して得られるバッテリ充放電量PBがバッテリ定格電力以下である。
(条件2)
式(16)に目標モータ/ジェネレータトルクT* 20を代入して得られるモータ/ジェネレータMG1のトルク最大値T1maxより目標モータ/ジェネレータトルクT* 10が小さく、式(16)に目標モータ/ジェネレータトルクT* 10を代入して得られるモータ/ジェネレータMG2のトルク最大値T2maxより目標モータ/ジェネレータトルクT* 20が小さい。
(条件3)
b11TR+b12TE+b13T* 10+b14T* 20≧0のとき、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が式(17)の関係を満足し、b11TR+b12TE+b13T* 10+b14T* 20≦0のとき、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が式(18)の関係を満足する。
【0050】
図9のステップS20では、これら3つの条件を満たしているか否かにより目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が図10に示す動作可能領域FX内にあるか否かをチェックする。
目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が動作可能領域FX内にある場合は、ステップS21において、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を修正しないでそのままモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とする。
目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が動作可能領域FXから外れている場合は、ステップS22において、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を駆動トルクの変化が最小になるような態様で動作可能領域FX内の値に修正してモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とする。
【0051】
上記目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正を、これら修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が図11に○で示す動作点に対応した値である場合につき以下に詳述する。
図11は、図10における動作可能領域FXを抽出して示すもので、この図11に示すように、修正前動作点○と原点Oとを結ぶ直線上および動作可能領域FX内にあって、修正前動作点○に最も近い点●を修正後動作点とし、この修正後動作点●におけるモータ/ジェネレータトルクT1,T2 を修正後のモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とする。
ここで修正前動作点○と原点Oとを結ぶ直線の式は、前記した式(12)におけるToを、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の実現により得られる駆動トルクに置換した式で表される。
【0052】
従って、この式で表される上記直線上のモータ/ジェネレータトルクT1,T2 の組み合わせで得られる駆動トルクは、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の組み合わせで得られる駆動トルクと等しくなり、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20を駆動トルクの変化が発生しない態様で動作可能領域FX内の値に修正してモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とすることができる。
【0053】
目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正に関しては、I,II,IIIの3つのパターンが存在する。
《パターンI》
修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が図11の動作可能領域FX内にあるケースで、この場合は、図9のステップS21につき前述したごとく目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正を行わず、これらをそのまま修正後のモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とする。
《パターンII》
修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が動作可能領域FXから外れていて、図11に示すごとく修正前動作点○と原点Oとを結ぶ直線が動作可能領域FXと交わるケースで、この場合、図9のステップS22につき前述したごとく、修正前動作点○と原点Oとを結ぶ直線上および動作可能領域FX内にあって、修正前動作点○に最も近い修正後動作点●におけるモータ/ジェネレータトルクT1,T2 を修正後のモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とする。
この場合、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正(モータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2)によっても、駆動トルクは変わらない。
《パターンIII》
修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20が動作可能領域FXから外れていて、修正前動作点○を通る直線が動作可能領域FXと交わらないケースで、この場合、動作可能領域FX内に、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の実現によって得られる駆動トルクと同じ駆動トルクを発生し得る動作点が存在しない。
そこで、動作可能領域FX内にあって、修正前動作点○を通る直線に最も近い点を修正後動作点とし、ここにおけるモータ/ジェネレータトルクT1,T2 を修正後のモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とするように、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正を行う。
この場合、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正(モータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2)に伴う駆動トルクの変化を最小に抑えることができる。
【0054】
図3における目標エンジントルク修正手段106は、エンジンENGから車輪駆動系への出力Outに至る回転系を回転速度変化させつつ行う変速時に当該回転速度変化を行わせるのに必要な変速パワーもエンジン出力で賄うように目標エンジントルクT* EOを修正するためのものである。
動力伝達機構を構成する回転メンバの回転速度変化に要するパワーPiと、エンジンパワーPEと、モータ/ジェネレータパワーPBと、駆動パワーPoとの間には、次式で表される関係がある。
【数20】
Figure 0003885756
従って、変速時などのようにハイブリッド変速機における回転メンバの回転速度が変化している時でも、目標駆動トルクを実現するためには、エンジンENG若しくはモータ/ジェネレータMG1,MG2で、変速に必要なパワーも供給する必要がある。
【0055】
しかし、モータ/ジェネレータパワーPBはバッテリ充放電量に等しいので、モータ/ジェネレータMG1,MG2により変速に必要なパワーを供給するとバッテリへの負荷が増大し、バッテリ定格電力を超える可能性がある。
なぜならモータ/ジェネレータMG1,MG2は、エンジントルクの目標値に対する遅れによるエンジンパワー不足も補償しているからである。
そこで変速に必要なパワーはエンジンで供給することとする。
但し、本実施の形態におけるハイブリッド変速機のように、遊星歯車装置よりなる差動装置を用いて複数の動力源からのパワーを駆動軸に出力する構成の場合、ハイブリッド変速機の諸元によっては、従来の変速機のように回転系の運動エネルギーが変速比に応じて単調増加しない場合がある。
【0056】
ハイブリッド変速機の変速比icと運動エネルギーUとの関係は、例えば図12(a)に示すごときものとなり、回転運動エネルギーUは、或る所定の変速比ic0で最小値をとる。
従って、従来の変速機では変速方向が一定なら回転運動エネルギー変化の符号は同じであったが、ハイブリッド変速機の場合は変速方向が一定でも図12(b)に示すごとく変速比ic0を境に回転運動エネルギー変化の方向が変わる。
このため、エンジンで変速に必要なパワーを補償する場合、補償量は、変速比ic0を境に符号を逆転させる必要がある。
【0057】
ここで、変速に必要な変速パワーをエンジン出力で賄う時の変速パワー補償用エンジン出力補正量を算出する。
ハイブリッド変速機の回転系の運動エネルギーUは次式で表される。
【数21】
Figure 0003885756
ただし、n:ハイブリッド変速機の回転メンバ数
上記の運動エネルギーUを時間微分すると次式が得られる。
【数22】
Figure 0003885756
式(22)において、遊星歯車装置の回転速度の拘束により各回転メンバの回転速度は、エンジン回転速度ωiと出力回転速度ωoの線形結合で得られる。
【数23】
Figure 0003885756
ここにおけるmii,mio,moi,mooは、ハイブリッド変速機の諸元で決まる定数である。
【0058】
式(23)で表されるdU/dtが変速に必要な変速パワーPiであり、ここにおけるdωi/dtは、修正後目標エンジン回転速度とするか、もしくは式(11)で得られ、また、dωo/dtは次式で得られる。
【数24】
Figure 0003885756
ここにおけるb’21,b’22,b’23,b’24は、ハイブリッド変速機の諸元で決まる定数である。
この変速に必要な変速パワーもエンジン出力で賄うよう、次のように目標エンジントルクT* EOを修正してエンジントルク指令値T* Eを求める。
【数25】
Figure 0003885756
式(25)を用いると、変速に必要な変速パワーPiの補償に必要な変速パワー補償用エンジン出力補正量が、変速比ic0を境に自動的に極性反転する(符号が逆になる)。
【0059】
以下に、式(23)を用いてic0を求める。次式で表されるようにdU/dt=0となる変速比が、運動エネルギー最小変速比ic0である。
【数26】
Figure 0003885756
式(26)で表されるように、運動エネルギー最小変速比ic0は入力回転加速度dωi/dtと出力回転加速度dωo/dtに依存する。しかし、変速に必要な変速パワーが大きくなる変速時は
【数27】
Figure 0003885756
と仮定できるので、式(26)を用いて運動エネルギー最小変速比ic0は次のような定数としてもよい。
【数28】
Figure 0003885756
また、エンジンENGとハイブリッド変速機との間を断続するエンジンクラッチを有するハイブリッド変速機の場合、エンジンクラッチの締結時と開放時とでmii,mio,moi,mooの値が異なる。
そこで、式(26)と式(28)から、エンジンクラッチの締結状態に応じて運動エネルギー最小変速比ic0は異なる。
【0060】
上記の構成になる本実施の形態によれば、両モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクT* 10,T* 20の組み合わせ(図11の修正前動作点○)が、バッテリの定格電力やモータ/ジェネレータMG1,MG2の能力などで決まる動作可能領域FXから外れた場合、これらを動作可能領域FX内の値に修正してモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2の組み合わせ(図11の修正後動作点●)となし、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御に資するため、モータ/ジェネレータMG1,MG2がそれ自身の能力やバッテリの定格電力を越えた駆動指令を受けるようなことがなく、バッテリの寿命低下やモータ/ジェネレータMG1,MG2の耐久性低下を回避することができる。
【0061】
また目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正に際し、修正後のモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2による駆動トルクおよびエンジン回転加速度の極性が、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20による駆動トルクおよび回転加速度の極性と同じになるよう当該修正を行うため、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクにより狙っていたとは逆の駆動トルクおよび回転加速度が発生するのを回避することができ、駆動トルクや変速速度が不自然に変化するのを防止して不愉快な車両加減速度や違和感のある変速品質の問題を解消し得る。
【0062】
そして目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正に際し、特に、前記したパターンIIの場合がそうであるが、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20により得られる駆動トルクと同じ駆動トルクとなる領域内の値にモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2を決定することから、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正によっても駆動トルクの変化がなくて不愉快な車両の加減速度感を皆無にすることができる。
【0063】
また目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正に際し、エンジン回転加速度dωi/dt(変速速度)が、0と、修正前の目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20により得られる修正前回転加速度との間における所定値yminよりも修正前回転加速度側の値となるT1,T2の二次元座標上の領域内で、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正前後における駆動トルクの差が最小となるよう当該修正を行ってモータ/ジェネレータトルク指令値T* 1,T* 2とするため、目標モータ/ジェネレータトルクT* 10,T* 20の修正によっても、上記の所定値yminより速い変速速度を維持した上で、駆動トルクの変化を最小にして不愉快な車両の加減速度感を抑制することができる。
【0064】
そして、図3における目標エンジントルク修正手段106に関して前記したとおり、変速に必要な変速パワーPiをエンジン出力で賄うのに要求される変速パワー補償量用エンジン出力補正量が、運動エネルギー最小変速比ic0を境に(変速により変速比が運動エネルギー最小変速比ic0を通過する変速進行時に)極性反転されることから、
図12(a)に例示するごとき変速比に対する変速パワーの変化特性に符合するよう変速パワー補償用エンジン出力補正量が決定されることとなり、エンジン出力補正のみで確実に変速パワーを賄うことができる。
よって、変速パワー補償用エンジン出力補正量が変速パワーの変化特性に符合しないでエンジン出力不足になることがなくなり、このエンジン出力不足を補うモータ/ジェネレータの出力増大も不要となり、モータ/ジェネレータを駆動するバッテリの定格電力の限界によって所望の加速感や変速感が得られなくなる懸念を払拭することができる。
【0065】
また、式(26)および式(28) につき前述したごとく、エンジンENGとハイブリッド変速機との間を断続するエンジンクラッチを有するハイブリッド変速機の場合、エンジンクラッチの締結時と開放時とで運動エネルギー最小変速比ic0を異ならせたから、
エンジンENGとハイブリッド変速機との間を断続するエンジンクラッチを有するハイブリッド変速機においても、上記したエンジンによる変速パワーの確実な補償が可能となって上記の作用効果を同様に達成することができる。
【0066】
以下、図示しなかった本発明の他の実施の形態になるハイブリッド変速機の変速制御装置を説明する。
なお本実施の形態においても、ハイブリッド変速機の構成、変速制御システム、および変速制御機能別ブロック線図はそれぞれ図1〜図3に示すと同様のものであるため、これらの重複説明を省略し、図3における目標エンジントルク修正手段106が、前記の制御に代えて実行する制御についてのみ以下に説明する。
【0067】
前記したように、動力伝達機構に遊星歯車装置よりなる差動装置を用いたハイブリッド変速機においては、エンジンENGから車輪駆動系への出力Outに至る回転系の回転運動エネルギーUと変速比icとの間は、図12(a)に例示するような関係が存在し、回転系の諸元で決まる所定の運動エネルギー最小変速比ic0において、回転系の運動エネルギーUは最小となる。
このとき、運動エネルギーUを変速比icで偏微分した値dU/dicと、変速比icとの関係は図12(b)で示すごときものとなる。
したがって、変速比icが運動エネルギー最小変速比ic0を通過する変速では、変速比icが運動エネルギー最小変速比ic0に達する前と後とにおいて、変速比icの変化に対する変速パワーの変化の極性(符号)が逆転し、変速比icが運動エネルギー最小変速比ic0に達する前は変速パワーが減少するものの、変速比icが運動エネルギー最小変速比ic0に達した後は変速パワーが増大する。
【0068】
この変速中継続的に変速パワー補償用エンジン出力補正量を目標エンジンパワーT* EOに加えるようにすると、エンジントルク指令値T* Eは図13に細い実線で示すように最終的な目標エンジントルクに対し一旦、これから遠ざかる逆方向に変化してこれから大きく乖離し、変速比が運動エネルギー最小変速比ic0を通過した瞬時t1の後にエンジントルク指令値T* Eは最終的な目標エンジントルクに向かって変化する。
この場合、最終的な目標エンジントルクに対するエンジントルク指令値T* Eの乖離が上記の理由により大きいことから、変速比が運動エネルギー最小変速比ic0を通過した瞬時t1の後において実エンジントルクTEが、図13に細い破線で示すように大きな遅れをもって最終的な目標エンジントルクに向かうことになる。
【0069】
かかる実エンジントルクTEの大きな応答遅れにより、これを補うべくモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクが増大され、その分バッテリからの放電量が図13に細い実線で示すように大きくなって、バッテリ定格電力を超えてしまう場合がある。
そこで本実施の形態においては、変速比が運動エネルギー最小変速比ic0に到達する瞬時t1までの間は、変速パワー補償用エンジン出力補正量を目標エンジンパワーT* EOに加えないようにし(変速パワー補償用エンジン出力補正量を小さくしてもよい)、これにより、エンジントルク指令値T* Eを図13に太い実線で示すように最終的な目標エンジントルクから一旦遠ざかる逆方向に変化することなく、瞬時t1より最終的な目標エンジントルクに向かって変化させる。
【0070】
これにより最終的な目標エンジントルクに対するエンジントルク指令値T* Eの乖離が大きくならず、変速比が運動エネルギー最小変速比ic0を通過した瞬時t1の後において実エンジントルクTEが、図13に太い破線で示すように大きく遅れることなく最終的な目標エンジントルクに向かうことになる。
従って本実施の形態においては、実エンジントルクTEの応答遅れが小さい分、この応答遅れを補うモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルク増大が抑制され、その分バッテリからの放電量を図13に太い実線で示すように小さくし得て、バッテリ定格電力を超える問題を解消することができる。
【0071】
ところで本実施の形態においては、上記の通り瞬時t1の前に変速パワー補償用エンジン出力補正量を目標エンジンパワーT* EOに加えない、若しくは、加える変速パワー補償用エンジン出力補正量を減ずることから変速パワーの補償量が不足するが、この不足分をモータ/ジェネレータMG1,MG2からの出力により賄うよう構成し、これにより、変速パワーの確実な補償を可能にして前記の作用効果を同様に達成し得るようになす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による変速制御装置を適用し得るハイブリッド変速機を例示し、
(a)は、その線図的構成図、
(b)は、その共線図である。
【図2】 同ハイブリッド変速機の制御システムを示すブロック線図である。
【図3】 同制御システムにおけるハイブリッドコントローラの機能別ブロック線図である。
【図4】 車両が要求する駆動トルクの変化特性を示す線図である。
【図5】 最適燃費でエンジンパワーを発生させるためのエンジン回転数を示す最適燃費線図である。
【図6】 ハイブリッド変速機のバッテリ定格電力で実現可能な駆動トルクとエンジン回転加速度との組み合わせを例示する実現可能領域線図である。
【図7】 図6におけると同じ実現可能領域と、動作点との関係を示し、
(a)は、非変速時の動作点位置を例示する線図、
(b)は、変速時の動作点の移動状態を動作点が未だ実現可能領域内にある場合について示す線図、
(c)は、変速時の動作点の移動状態を動作点が実現可能領域から外れた場合について示す線図である。
【図8】 図3における目標値修正手段が実行する目標駆動トルクおよび目標エンジン回転加速度の修正処理に関した制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】 図3におけるモータ/ジェネレータトルク指令値決定手段が実行する目標モータ/ジェネレータトルクの修正処理に関した制御プログラムを示すフローチャートである。
【図10】 モータ/ジェネレータの動作可能領域を例示する領域線図である。
【図11】 図3におけるモータ/ジェネレータトルク指令値決定手段が実行する目標モータ/ジェネレータトルクの修正要領を、図10における動作可能領域に重ねて示した線図である。
【図12】 ハイブリッド変速機内における回転メンバの変速時における回転エネルギーの変化状況を示し、
(a)は、この回転エネルギーと変速比との関係を示した線図、
(b)は、この回転エネルギーの変速比に対する変化割合を示した線図である。
【図13】 本発明の他の実施の形態になる変速制御装置の動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
3 複合電流2層モータ
ENG エンジン(主動力源)
4 第1のシングルピニオン遊星歯車組
5 第2のシングルピニオン遊星歯車組
6 カウンターシャフト
7 ディファレンシャルギヤ装置
8 駆動車輪
14 出力歯車
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ショートピニオン
P2 ロングピニオン
R1 リングギヤ
R2 リングギヤ
C キャリア
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 エンジン回転センサ
101 目標値生成手段
102 入力回転サーボ制御手段
103 目標値修正手段
104 モータ/ジェネレータトルク分配手段
105 モータ/ジェネレータトルク指令値決定手段
106 目標エンジントルク修正手段

Claims (3)

  1. 共線図上に配置される回転メンバとして複数個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記複数個の回転メンバにそれぞれ、主動力源からの入力、駆動系への出力、および少なくとも1個のモータ/ジェネレータを結合し、該モータ/ジェネレータからの動力を加減することにより、主動力源および駆動系間における変速比を無段階に変更可能なハイブリッド変速機において、
    前記主動力源から駆動系への出力に至る回転系を回転速度変化させるのに必要な変速パワーを主動力源からの出力により賄うよう主動力源の出力を補正する際における主動力源の変速パワー補償用出力補正量を、変速機入出力回転速度比で表される変速比の変化につれ前記回転系の回転運動エネルギーが減少から増大に転ずる運動エネルギー最小変速比の通過時に、極性反転させるよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  2. 前記主動力源および対応する回転メンバとの間にクラッチを介在させた請求項1に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記クラッチの締結時と解放時とで前記運動エネルギー最小変速比を異ならせたことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド変速機の変速制御装置において、
    前記運動エネルギー最小変速比を通過する前の変速中は、前記主動力源の変速パワー補償用出力補正量を小さくし、これによる変速パワー補償量不足を前記モータ/ジェネレータからの出力により賄うよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
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