JP2010013002A - ハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置 - Google Patents

ハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関と電動機と蓄電装置とを備えるハイブリッド駆動装置において、マニュアル変速モードで変速段が変更された場合に、内燃機関の実際の回転数がマニュアル変速モードでの目標とする回転数へ到達するまでの時間を低減すること。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置100は、内燃機関22、第1電動機21、第2電動機23、バッテリ50を備え、メインECU70で制御される。ハイブリッド駆動装置100が搭載されるハイブリッド車両20の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モード、かつ駆動軸64a、64bが被駆動状態となる条件が成立する場合には、バッテリ50に対する充電量の制限値を前記条件が成立しない場合以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関と電動機と蓄電装置とを組み合わせたハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置に関する。
内燃機関と電動機とを組み合わせたハイブリッド車両が実用化されている。近年においては、ハイブリッド車両においても、手動操作(マニュアル操作)で変速比を所望の変速比(変速段)に変更したい要請がある。特許文献1には、遊星歯車装置で構成される動力分割機構のサンギヤにMG(電動機/発電機)1の出力軸を接続し、キャリアに内燃機関の出力軸を接続し、リングギヤにMG2の出力軸を接続したハイブリッド車両において、手動操作による変速段の変更が要求された場合には、MG1の回転数を固定することで、内燃機関の制動力を低下させ、MG2のトルクを増加させてエンジンブレーキ力を確保することが開示されている。
特開2007−118721号公報
特許文献1に開示されたハイブリッド駆動装置では、被駆動時にMG2で生み出された電力の一部をMG1に供給し、残りを蓄電装置へ充電するが、一般に、蓄電装置の保護を目的として、充電量には制限が設けられている。このため、回生により発生した電力が前記制限を超えると、超えた分をMG1で消費する必要がある。その結果、マニュアル操作で変速段を変更した場合に、ハイブリッド駆動装置が被駆動状態になると、内燃機関の回転数が目標回転数へ到達するまでの時間を要するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関と電動機と蓄電装置とを備えるハイブリッド駆動装置において、マニュアル変速モードで変速段が変更された場合に、内燃機関の実際の回転数がマニュアル変速モードでの目標とする回転数へ到達するまでの時間を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド駆動装置は、動力を発生する内燃機関、及び力行機能又は回生機能を有する第1電動機及び第2電動機、及び前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方に電力を供給し、また前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方から充電される蓄電装置を備え、車両に搭載されて前記車両を走行させるハイブリッド駆動装置において、前記ハイブリッド駆動装置が駆動輪との間で動力を伝達する駆動軸が被駆動状態となる場合において前記第2電動機の回生によって生み出された電力を、前記第1電動機と前記蓄電装置との少なくとも一方に供給するものであり、前記車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モード、かつ前記駆動軸が被駆動状態となる条件が成立する場合には、前記内燃機関の実際の回転速度と、前記マニュアル変速モードにおいて前記内燃機関が目標とする回転速度との差回転数に基づき、前記蓄電装置に対する充電量の制限値を設定することを特徴とする。
本発明の望ましい態様としては、前記ハイブリッド駆動装置において、前記差回転数が大きくなるにしたがって、前記制限値が増加されることが好ましい。
本発明の望ましい態様としては、前記ハイブリッド駆動装置において、前記差回転数が所定の閾値を超えるまでは、前記制限値が一定の値とされることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動制御装置は、動力を発生する内燃機関、及び力行機能又は回生機能を有する第1電動機及び第2電動機、及び前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方に電力を供給し、また前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方から充電される蓄電装置を備え、車両に搭載されて前記車両を走行させるハイブリッド駆動装置を制御するものであり、前記ハイブリッド駆動装置が駆動輪との間で動力を伝達する駆動軸が被駆動状態となる場合、かつ前記車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モードであるか否かを判定する制御条件判定部と、前記内燃機関の実際の回転速度と、前記マニュアル変速モードにおいて前記内燃機関が目標とする回転速度との差回転数を求める差回転数演算部と、前記マニュアル変速モードであり、かつ前記駆動軸が被駆動状態である条件が成立する場合、前記内燃機関の実際の回転速度と前記差回転数演算部が求めた前記差回転数に基づいて前記蓄電装置に対する充電量の制限値を設定する充電量設定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の望ましい態様としては、前記駆動制御装置において、前記充電量設定部は、前記差回転数が大きくなるにしたがって、前記制限値を増加させることが好ましい。
本発明の望ましい態様としては、前記駆動制御装置において、前記充電量設定部は、前記差回転数が所定の閾値を超えるまでは、前記制限値を一定の値とすることが好ましい。
本発明は、内燃機関と電動機と蓄電装置とを備えるハイブリッド駆動装置において、マニュアル変速モードで変速段が変更された場合に、内燃機関の実際の回転数がマニュアル変速モードでの目標とする回転数へ到達するまでの時間を低減できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の説明により本発明が限定されるものではない。また、下記の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
本実施例は、内燃機関、第1電動機、第2電動機、蓄電装置を備え、車両に搭載されて前記車両を走行させるハイブリッド駆動装置において、前記車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モード、かつ前記駆動軸が被駆動状態となる条件が成立する場合には、前記第2電動機が発生した電力のうち前記蓄電装置へ充電する充電量の制限値を前記条件が成立しない場合以上とする点に特徴がある。以下においては、これに加えて、内燃機関の実際の回転速度と、前記マニュアル変速モードにおいて前記内燃機関が目標とする回転速度との差回転数に基づき、蓄電装置への充電分を変更する。
以下において、内燃機関や電動機、あるいは軸の回転数とは、特に言及しない限り、内燃機関や電動機の出力軸の単位時間あたりにおける回転数の意味で用いる。すなわち、内燃機関や電動機、あるいは軸の回転数とは、内燃機関や電動機の出力軸の回転速度(回転角速度)の意味である。
図1は、本実施例に係るハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置を備える車両の模式図である。ハイブリッド駆動装置100は、内燃機関22と、第1電動機21と、第2電動機23とを備え、ハイブリッド車両20に搭載されてこれを走行させる。ハイブリッド車両20は、図1に示すように、内燃機関22と、内燃機関22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された動力分割機構30と、動力分割機構30に接続された第1電動機21と、動力分割機構30に接続された、ハイブリッド駆動装置100の動力伝達軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速装置35と、この減速装置35に接続された第2電動機23と、ハイブリッド車両20を制御するメインECU(Electronic Control Unit)70とを備える。
内燃機関22は、ガソリン又は軽油等の炭化水素系の燃料により動力を発生する熱機関であり、内燃機関22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力する機関ECU24により燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御を受ける。機関ECU24は、メインECU70と通信しており、メインECU70からの制御信号により内燃機関22を運転制御するとともに、必要に応じて内燃機関22の運転状態に関する情報をメインECU70に出力する。
動力分割機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛み合うとともにリングギヤ32に噛み合う複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33が自転かつサンギヤ31の周りを公転できるように複数のピニオンギヤ33を保持するキャリア34とを備える。このように、動力分割機構30は、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素とする遊星歯車装置である。
動力分割機構30は、キャリア34には内燃機関22のクランクシャフト26が、サンギヤ31には第1電動機21が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して遊星歯車装置で構成される減速装置35にそれぞれ接続されている。リングギヤ軸32aは、減速装置35のリングギヤに接続され、また、第2電動機23の出力軸は、減速装置35のサンギヤに接続され、減速装置35のキャリアが静止系(例えば、動力分割機構30や減速装置35の筐体)に固定される。
動力分割機構30は、第1電動機21が発電機として機能するときには、キャリア34から入力される内燃機関22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とに、そのギヤ比に応じて分配する。これによって、内燃機関22の動力は、動力分割機構30で分割され、一部で第1電動機21から発電させ、残りは動力分割機構30へ入力されてリングギヤ軸32aから出力される。第1電動機21で生み出された電力は、第2電動機23を駆動したり、蓄電装置であるバッテリ50に充電されたりする。蓄電装置としては、充放電可能な二次電池であるバッテリ50や、キャパシタ等を用いることができる。
第1電動機21が生み出した電力やバッテリ50から供給される電力によって第2電動機23が動力を発生するとき、すなわち第2電動機23が力行するときには、第2電動機23が動力を発生する。第2電動機23が発生する動力は、減速装置35を介して動力分割機構30のリングギヤ軸32aへ入力される。また、第2電動機23が発電機として機能するときには、リングギヤ軸32aから減速装置35を介して第2電動機23へ動力が入力され、これによって第2電動機23が電力を発生する。
例えば、内燃機関22を始動させるとき、第1電動機21は、バッテリ50から電力の供給を受けて動力を発生する(力行)。この場合、第1電動機21の発生した動力は、動力分割機構30のサンギヤ31からキャリア34を介して内燃機関22のクランクシャフト26に伝達される。これによって、内燃機関22が始動する。
リングギヤ軸32aに出力された内燃機関22の動力や第2電動機23の動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60及びデファレンシャルギヤ62を介して、ハイブリッド車両20の駆動軸64a、64bに取り付けられる駆動輪63a、63bを駆動する。これによって、ハイブリッド車両20が走行する。
第1電動機21及び第2電動機23は、電力供給機能及び蓄電機能の両方を備える電力源(本実施例ではバッテリ50)から第1インバータ41、第2インバータ42を介して供給される電力によって動力を発生する電動機としての機能(力行機能)、及び機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)を兼ね備える。本実施例において、第1電動機21及び第2電動機23は、いずれも同期発電電動機が用いられる。
第1電動機21、第2電動機23は、第1インバータ41、第2インバータ42を介してバッテリ50と電力をやり取りする。第1インバータ41及び第2インバータ42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、第1インバータ41及び第2インバータ42が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、第1電動機21、第2電動機23のいずれかで発電される電力を他の電動機で消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、第1電動機21と第2電動機23とのいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、第1電動機21、第2電動機23により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。
第1電動機21、第2電動機23は、いずれも電動機ECU40により駆動制御されている。電動機ECU40には、第1電動機21、第2電動機23を駆動制御するために必要な信号、例えば第1電動機21、第2電動機23の回転子の回転位置を検出する第1回転位置検出センサ43、第2回転位置検出センサ44からの信号や、電流センサにより検出される第1電動機21、第2電動機23に印加される相電流等が入力されている。電動機ECU40からは、第1インバータ41、第2インバータ42へのスイッチング制御信号が出力されている。電動機ECU40は、メインECU70と通信しており、メインECU70からの制御信号によって第1電動機21、第2電動機23を駆動制御するとともに、必要に応じて第1電動機21、第2電動機23の運転状態に関する情報をメインECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリECU52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tb等が入力される。そして、バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関する情報を通信によりメインECU70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC:Status Of Charge)も演算している。
メインECU70は、CPU(Central Processing Unit)を中心とするマイクロプロセッサとして構成される処理部71を備えてされており、処理部71の他に処理プログラムや情報を一時的に格納する記憶する記憶部78と、入出力ポート及び通信ポートとを備える。なお、記憶部78は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)で構成される。
メインECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度PAP、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vc、加速度センサ89からの車両加速度G等が入力ポートを介して入力されている。メインECU70は、前述したように、機関ECU24や電動機ECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、機関ECU24や電動機ECU40、バッテリECU52と各種制御信号や情報をやり取りする。
メインECU70の処理部71は、制御条件判定部72と、電力配分設定部73と、差回転数演算部74と、充電量設定部75と、変速制御部76と、駆動制御部77とを含んでいる。制御条件判定部72は、本実施例に係る駆動制御を実行する際の条件を判定する。電力配分設定部73は、本実施例に係る駆動制御において、第2電動機23が発生する電力のうち、バッテリ50の充電分と第1電動機21での消費分との配分を設定する。すなわち、電力配分設定部73は、第2電動機23が発生する電力のうちバッテリ50に充電する分、及び前記電力のうち第1電動機21で消費する分を設定する。
差回転数演算部74は、後述するマニュアル変速モードにおいてアップシフト又はダウンシフトが実行されたとき、内燃機関22が目標とする回転数と内燃機関22の実際の回転数との差を演算する。充電量設定部75は、バッテリ50への充電量を設定する。変速制御部76は、ハイブリッド駆動装置100での変速動作を制御したり、変速モードを切り替えたりする。駆動制御部77は、アクセル開度PAPに基づき、内燃機関22、第1電動機21、第2電動機23を制御する。
こうして構成されたハイブリッド車両20は、メインECU70が、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度PAPと車速Vcとに基づいて、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算する。そして、メインECU70は、この要求トルクがリングギヤ軸32aに出力されるように、内燃機関22と第1電動機21と第2電動機23とを運転制御する。
ハイブリッド車両20のシフトレバー81は、複数の運転モードを切り替えることができる。例えば、D(ドライブ)モードでは、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度PAPに基づき、メインECU70が内燃機関22の効率やバッテリ50の充電状態を考慮して、内燃機関22、第1電動機21、第2電動機23を制御する。また、本実施例では、ハイブリッド車両20の運転モードとして、Dモードの他にマニュアル変速モードを備えている。
マニュアル変速モードは、ハイブリッド車両20の運転者の手動操作(マニュアル操作)で、運転者が希望する変速段(変速比)に変更し、変速段の変更指令があるまでは、その変速段を維持するモードである。ここで、変速比とは、入力側回転数に対する出力側回転数の比、すなわち、入力側回転数/出力側回転数で定義される。ハイブリッド車両20に搭載されるハイブリッド駆動装置100は、変速比を複数の段階に変更できる変速機構を持たないが、変速段が固定されると、いわゆるマニュアルトランスミッションで変速段を選択したり、多段式のAT(Automatic Transmission)で変速段を固定したりしたときのように、アクセル開度PAPに基づいて内燃機関22、第1電動機21、第2電動機23が制御される。なお、本実施例において、マニュアル変速モードでは、変速段が1段ずつ上下するシーケンシャルシフトである。
図2−1、図2−2は、マニュアル変速モードにおいて内燃機関が目標とする回転数と、内燃機関の実際の回転数との関係を示す概念図である。図2−1は、図1に示すハイブリッド車両20において、マニュアル変速モードでアップシフト(変速比が小さくなる)を実行した状態を示し、図2−2は、ダウンシフト(変速比が大きくなる)を実行した状態を示す。アップシフトを実行すると、変速比は小さくなるので、ハイブリッド車両20の速度(車速)が一定であれば、アップシフト後においては、内燃機関22の回転数(機関回転数)は小さくする必要がある。
前記変速機構を持たないハイブリッド駆動装置100では、アップシフト後において、メインECU70が、内燃機関22の実際の機関回転数(実機関回転数)Nerを、アップシフト後における変速段の目標値(目標機関回転数、図2−1の実線)Netとなるようにする。これによって、実機関回転数Nerは、アップシフト後において、時間tの経過とともに目標機関回転数Netへ近づいていき、最終的には目標機関回転数Netとなる。図2−1に示す例では、t=t1でアップシフトし、t=t2で実機関回転数Ner1(破線)が目標機関回転数Netになったことを示している。なお、アップシフト後における目標機関回転数Netは、アップシフト前よりも小さくなる。ここで、実機関回転数Nerの後の数字は、異なる実機関回転数Nerを区別するためのものである。
ハイブリッド車両20が搭載するハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが駆動輪63a、63bによって駆動される、すなわち、駆動軸64a、64bが被駆動状態になると、第2電動機23が駆動されて、電力を発生する(回生)。この場合、駆動輪63a、63bと路面との間には制動力が発生し、ハイブリッド車両20が制動される。第2電動機23が発生した電力は、第2インバータ42を介してバッテリ50へ充電される。また、第2電動機23単独よりも大きな制動力でハイブリッド車両20を制動したい場合、第2電動機23の回生に加えて内燃機関22を用いて、駆動輪63a、63bと路面との間に制動力を発生させる。この場合にも、駆動軸64a、64bが被駆動状態になり、内燃機関22及び第2電動機23が駆動輪63a、63bによって駆動される。
内燃機関22が被駆動状態となることにより、内燃機関22のフリクションによって制動力が発生するが、内燃機関22のフリクションによるトルク(フリクショントルク)と釣り合うように、第1電動機21が動力を発生する(力行)。このため、駆動軸64a、64bが被駆動状態になることにより第2電動機23が発生した電力が第1電動機21へ供給され、第1電動機21は内燃機関22のフリクショントルクと釣り合うトルクを発生しながら回転する。そして、第2電動機23が発生した電力のうち、第1電動機21で消費されなかった分がバッテリ50へ充電される。第1電動機21が内燃機関22のフリクショントルクと釣り合うトルクを発生しながら回転する場合、図2−1の二点鎖線で示す実機関回転数Ner2のように、目標機関回転数Netよりも高い状態が持続する。
バッテリ50の過充電、急速充電を回避するため、バッテリ50への充電量には制限が設けられる。すなわち、バッテリ50への充電量は、充電量の制限値(充電量制限値)Qcを上限としている。このため、例えば、ハイブリッド車両20の車速が高いために第2電動機23の発電量Q2が多い場合、発電量Q2が充電量制限値Qcを超えることがある。この場合、充電量制限値Qcを超える分(Q2−Qc)は、第1電動機21で消費される。被駆動時において、バッテリ50への充電のみを実行していた場合、第1電動機21が消費する電力Q1は、(Q2−Qc)となる。また、被駆動時において、内燃機関22のフリクションも用いて制動力を発生させている場合、第1電動機21が消費する電力Q1は、フリクショントルク対応分Qftに(Q2−Qc)を加算した値となる。
発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、充電量制限値Qcを超える分が消費されるまで第1電動機21が駆動(力行)するので、図2−1の実機関回転数Ner2に示すように、機関回転数Neが引き上げられる時間が長くなる。その結果、内燃機関22の実機関回転数Ner2が目標機関回転数Netに追従するまでの時間が長くなるので、運転者は違和感を覚えることがある。また、変速の終了は、実機関回転数Ner2が目標機関回転数Netに収束したことを前提とするので、発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、次の変速動作に移行できるまでの時間が長くなり、ドライバビリティが低下するおそれもある。さらに、第2電動機23の発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、超えた分は第1電動機21が力行することによって消費される。これによって、第2電動機23が発生する電力(発電量)Q2が充電量制限値Qcを超える分(Q2−Qc)の電力で第1電動機21が発生するトルクに相当する内燃機関22のフリクショントルクが発生する。その結果、それまでよりも強い制動力が発生して、ハイブリッド車両20はそれまでよりも大きく減速するので、運転者は違和感を覚えることがある。
ダウンシフトを実行すると、変速比は大きくなるので、ハイブリッド車両20の速度(車速)が一定であれば、ダウンシフト後においては、実機関回転数Nerはダウンシフト前よりも大きくする必要がある。したがって、図2−2に示すように、ダウンシフトをした後(図2−2のt=t1以降)は、目標機関回転数Netがダウンシフト前(t=t1以前)よりも大きくなる。ダウンシフト後において、メインECU70は、内燃機関22の実機関回転数を、ダウンシフト後における目標機関回転数Net(図2−2の実線)となるようにする。これによって、内燃機関22の実機関回転数Nerは、アップシフト後において、時間tの経過とともに目標機関回転数Netへ近づいていき、最終的には目標機関回転数Netとなる。図2−2に示す例では、t=t2で実機関回転数Nerが目標機関回転数Netになったことを示している。
ダウンシフト時かつハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態になる場合に、実機関回転数Ner2が目標機関回転数Netを超えると(図2−2のt=t2以降)、上述したように第2電動機23が電力を発生する。上述したように、ハイブリッド車両20の車速が高いために第2電動機23の発電量Q2が多い場合、発電量Q2が充電量制限値Qcを超えることがある。この場合、充電量制限値Qcを超える分(Q2−Qc)は、第1電動機21で消費される。ここで、被駆動時において、バッテリ50への充電のみを実行していた場合、第1電動機21が消費する電力Q1は、(Q2−Qc)となる。また、被駆動時において、内燃機関22のフリクションも用いて制動力を発生させている場合、第1電動機21が消費する電力Q1は、フリクショントルク対応分Qftに(Q2−Qc)を加算した値となる。
発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、充電量制限値Qcを超える分が消費されるまで第1電動機21が駆動(力行)するので、図2−2の実機関回転数Ner2に示すように、機関回転数Neが引き上げられる時間が長くなる。その結果、ダウンシフト時においても、内燃機関22の実機関回転数Ner2が目標機関回転数Netに追従するまでの時間が長くなるので、運転者は違和感を覚えることがある。また、変速の終了は、実機関回転数Ner2が目標機関回転数Netに収束したことを前提とするので、発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、次の変速動作に移行できるまでの時間が長くなり、ドライバビリティが低下するおそれもある。さらに、第2電動機23の発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、超えた分は第1電動機21が力行することによって消費される。
これによって、第2電動機23の発電量Q2が充電量制限値Qcを超える分(Q2−Qc)の電力で第1電動機21が発生するトルクに相当する内燃機関22のフリクショントルクが発生する。その結果、ダウンシフト時においても、それまでよりも強い制動力が発生して、ハイブリッド車両20はそれまでよりも大きく減速するので、運転者は違和感を覚えることがある。
このように、アップシフト時あるいはダウンシフト時においてハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態になり、かつ第2電動機23の発電量Q2が充電量制限値Qcを超えると、実機関回転数Nerが目標機関回転数Netに収束するまでの時間を要する。その結果、マニュアル変速モードであるにも関わらず、運転者の意図がハイブリッド車両20の挙動へ十分に反映されないおそれがある。本実施例では、この問題を解決するため、次のような駆動制御を実行する。
この駆動制御は、マニュアル変速モードであり、かつ駆動軸64a、64bが被駆動状態である条件が成立する場合には、前記条件が成立しない場合よりも、バッテリ50に対する充電量制限値Qcを大きくする。本実施例においては、例えば、マニュアル変速モードであり、かつ駆動軸64a、64bが被駆動状態である条件が成立する場合には、図2−1に示す、実機関回転数Nerと目標機関回転数Netとの差(差回転数)ΔNe(=Ner−Net)が増加するにしたがって、バッテリ50に対する充電制限値Qcを大きくする。
図3は、本実施例に係る駆動制御の手順を示すフローチャートである。図4〜図7は、ハイブリッド駆動装置におけるマニュアル変速を説明するための図である。図8は、充電量を設定するためのマップの一例を説明する模式図である。図1に示すハイブリッド駆動装置100に対して本実施例に係る駆動制御を実行するにあたり、ステップS101において、メインECU70の処理部71を構成する制御条件判定部72は、マニュアル変速、すなわち、マニュアル変速による変速段の変更が実行されたか否かを判定する。これは、制御条件判定部72が、シフトポジションセンサ82からシフトポジションSPを取得し、シフトポジションSPがマニュアル変速モードの位置で、かつアップシフト又はダウンシフトのいずれか一方が実行されたことを示す値をシフトポジションセンサ82から検出した場合には、マニュアル変速が実行されたと判定する。
ここで、変速比を複数の段階に変更できる変速機構を持たないハイブリッド駆動装置100のマニュアル変速について説明する。ハイブリッド車両20の走行中、メインECU70の処理部71を構成する変速制御部76は、アクセルペダルポジションセンサ84からアクセル開度PAPを取得し、また、車速センサ88から車速Vcを取得する。車速Vcは、駆動軸64a、64bの回転数(回転角速度)に相当する。
次に、変速制御部76は、ハイブリッド車両20の運転者が要求する駆動力(目標駆動力)Ftを求める。目標駆動力Ftは、ハイブリッド車両20全体に要求される駆動力であり、ハイブリッド車両20が目標とする駆動力である。目標駆動力Ftは、例えば、図4に示す目標駆動力設定マップ91から設定される。目標駆動力設定マップ91は、目標駆動力Ftと車速Vcとの関係が、それぞれのアクセル開度PAPに対して記述される。変速制御部76は、車速Vcとアクセル開度PAPとを目標駆動力設定マップ91に与え、対応する目標駆動力Ftを目標駆動力設定マップ91から取得することにより、目標駆動力Ftが設定される。ここで、目標駆動力Ftは、駆動軸64a、64bのトルク(目標駆動軸トルク)に相当する。
次に、変速制御部76は、ハイブリッド車両20の運転者が要求するパワー(要求パワー)P、及び運転者が要求する機関回転数(目標機関回転数)Netを求める。まず、要求パワーPは、目標駆動力設定マップ91から設定された目標駆動力Ftから求められた目標駆動軸トルクTと、車速Vcから求められた駆動軸64a、64bの回転数(駆動軸回転数)とに基づいて求められる。ここで、要求パワーは、目標駆動軸トルクと駆動軸回転数との積で求められる。そして、目標機関回転数Netは、例えば、図5に示す目標機関回転数マップ92から求められる。目標機関回転数マップ92は、要求パワーP及び燃費最適線301が記述されている。燃費最適線301上における運転条件は、内燃機関22の単位出力あたりにおける燃料消費量が最も小さくなる運転条件である。本実施例においては、燃費最適線301に沿って内燃機関22を運転する。例えば、変速制御部76は、要求パワーがP1である場合、P1を表す曲線と燃費最適線301との交点における横軸の値Net1を、目標機関回転数として設定する。
次に、変速制御部76は、ハイブリッド車両20の運転者が要求する変速段(目標変速段)を求める。目標変速段は、例えば、図6に示すような目標変速段設定マップ93によって設定される。目標変速段設定マップ93は、横軸が車速Vc、縦軸が目標駆動力Ftであり、複数の変速段区分線302〜306及び複数のアクセル開度PAPによって車速Vcと目標駆動力Ftとで決定される座標空間が区分される。複数の変速段区分線302〜306で区分された領域が、変速段になる。変速制御部76は、目標変速段設定マップ93に、アクセル開度PAP、目標駆動力Ft及び車速Vcを与え、対応する変速段を取得し、これを目標変速段とする。例えば、アクセル開度PAP=80%、目標駆動力Ft1、車速Vc1である場合、目標変速段は3速になる。
なお、目標変速段の設定方法は、上述した手法に限定されない。例えば、変速制御部76は、目標駆動力設定マップ91によって設定された目標機関回転数Netと、車速Vcから求めた駆動軸回転数Ndとに基づいて変速比ρ=Net/Ndを算出し、得られた変速比ρを図7に示す目標変速段設定マップ94に与え、対応する変速段を目標変速段とする。例えば、目標機関回転数Netと駆動軸回転数Ndとから求めた変速比ρがρ4以上ρ3未満である場合、目標変速段は4速になる。ここで、ρh<ρ5<ρ4<ρ3<ρ2<ρ1<ρlである。このようにして、目標変速段が設定される。
変速制御部76は、ハイブリッド車両20の走行中、所定のタイミングで目標変速段を設定し、メインECU70の記憶部78へ一時的に格納しておく。このとき、対応する目標機関回転数Netも記憶部78へ一時的に格納しておく。ハイブリッド車両20の走行中、変速制御部76が、運転者によってシフトレバー81がマニュアル変速モードの位置へ操作されたことをシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPで検出した場合、変速制御部76は、そのときの目標変速段を現時点における変速段として固定する。そして、メインECU70の処理部71を構成する駆動制御部77は、対応する目標機関回転数Netとなるように、内燃機関22、第1電動機21、第2電動機23を制御する。その後、運転者がシフトレバー81に対してシフトアップ操作をn(nは整数、以下同様)回入力すると、現時点における変速段がn段シフトアップし、運転者がシフトレバー81に対してシフトダウン操作をn回入力すると、現時点における変速段がn段シフトダウンする。
例えば、マニュアル変速モードの位置が検出されたときの目標変速段が4速である場合、現時点における変速段は4速に固定される。そして、運転者がシフトレバー81に対してシフトアップ操作を1回入力すると、現時点における変速段が1段シフトアップして5速となり、運転者がシフトレバー81に対してシフトダウン操作を2回入力すると、現時点における変速段が2段シフトダウンして2速となる。
ステップS101でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部72が現在の変速モードはマニュアル変速が実行されていないと判定した場合、本実施例に係る駆動制御を終了する。この場合、ハイブリッド駆動装置100の変速は、現在選択されているシフトモードにおける変速制御に従うことになる。ステップS101でYesと判定された場合、すなわち、マニュアル変速が実行されたと制御条件判定部72が判定した場合、ステップS102へ進む。
ステップS102において、制御条件判定部72は、ハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態であるか否かを判定する。例えば、制御条件判定部72が、アクセルペダルポジションセンサ84からアクセル開度PAPが0であることを検出した場合や、加速度センサ89から減速側の車両加速度Gを検出した場合、制御条件判定部72は、ハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態であると判定する。ステップS102でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部72が、ハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態でないと判定した場合、STARTに戻り、制御条件判定部72は、ハイブリッド駆動装置100の状態の監視を継続する。
ステップS102でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部72が、ハイブリッド駆動装置100の駆動軸64a、64bが被駆動状態であると判定した場合、ステップS103へ進む。ステップS103において、制御条件判定部72は、バッテリECU52からバッテリ50のSOC情報を取得して、現時点において、バッテリ50が充電可能であるか否かを判定する。ステップS103でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部72が現時点においてバッテリ50は充電できないと判定した場合、STARTに戻り、制御条件判定部72は、ハイブリッド駆動装置100の状態の監視を継続する。ステップS103でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部72が現時点においてバッテリ50は充電できると判定した場合、ステップS104へ進む。
ステップS104において、メインECU70の処理部71を構成する差回転数演算部74は、差回転数ΔNeを求める。差回転数ΔNeは、実機関回転数Nerと目標機関回転数Netとの差である。すなわち、ΔNe=Ner−Netである。差回転数ΔNeが得られたら、ステップS105へ進む。ステップS105において、メインECU70の処理部71を構成する充電量設定部75は、差回転数ΔNeに基づいて、充電量制限値Qcを求める。本実施例において、充電量制限値Qcは、図8に示す充電量制限値マップ90から求めるので、充電量設定部75は、ステップS104で求められた差回転数ΔNeを充電量制限値マップ90に与え、対応する充電量制限値Qcを取得する。
充電量制限値マップ90は、充電量制限値Qcと差回転数ΔNeとの関係が記述されている。充電量制限値マップ90のQc_bは、マニュアル変速モードであり、かつ駆動軸64a、64bが被駆動状態である条件が成立しない場合における充電量制限値である。この充電量制限値Qc_bを、基準充電量制限値という。本実施例においては、前記条件が成立した場合には(ステップS101でYes、かつステップS102でYes)、充電量制限値Qcを、前記条件が成立しない場合以上とする。
これによって、第2電動機23で生み出された電力のうち、バッテリ50の充電に配分する割合を前記条件が成立しない場合以上とするので、第1電動機21で消費される電力を抑えることができる。その結果、第1電動機21で内燃機関22の回転を持ち上げる期間が短くなるので、充電量制限値を基準充電量制限値Qc_bとした場合(図2−1、図2−2の二点鎖線で示す実機関回転数Ner2)と比較して、実機関回転数Nerは速やかに目標機関回転数Netへ収束する(図2−1の破線で示す実機関回転数Ner1)。その結果、マニュアル変速モードで変速段を変更した場合、速やかに変速が終了し、運転者に与える違和感が低減される。また、運転者の意図は、速やかにハイブリッド車両20の挙動へ反映されるようになる。
また、本実施例において、充電量制限値Qcは、差回転数ΔNeの増加とともに増加する。これによって、差回転数ΔNeが大きくなるほど、第2電動機23で生み出された電力のうち、バッテリ50の充電に配分する割合が大きくなるので、第1電動機21で消費される電力を抑えることができる。その結果、第1電動機21で内燃機関22の回転を持ち上げる期間が短くなるので、充電量制限値を基準充電量制限値Qc_bとした場合(図2−1、図2−2の二点鎖線で示す実機関回転数Ner2)と比較して、実機関回転数Nerは速やかに目標機関回転数Netへ収束する(図2−1、図2−2の破線で示す実機関回転数Ner1)。その結果、マニュアル変速モードで変速段を変更した場合、速やかに変速が終了し、運転者に与える違和感が低減される。運転者の意図は、速やかにハイブリッド車両20の挙動へ反映されるようになる。さらに、差回転数ΔNeが小さいときには、充電量制限値Qcも小さくなるので、バッテリ50の過充電や急速充電を抑制できる。
充電量制限値Qcは、アップシフトによって目標機関回転数Netが変更されたとき(図2−1のt=t1の時点)における差回転数ΔNeを用いて設定し、この値を制御終了まで用いてもよい。また、シフト操作による変速段の変更(例えばアップシフト)によって目標機関回転数Netが変更されたとき(図2−1、図2−2のt=t1)から、実機関回転数Nerが目標機関回転数Netに収束するまでの間は、差回転数ΔNeを随時更新してもよい。このようにすれば、差回転数ΔNeの減少とともに充電量制限値Qcも小さくなるので、バッテリ50の過充電や急速充電をより効果的に抑制できる。
充電量制限値Qcは、図8の90aに示すように、ΔNeの一次関数でQc_maxを増加させてもよい。また、図8の90b、90cに示すように、ΔNeのm次(mは正の整数、以下同様)関数でQcmaxを増加させてもよい。さらに、差回転数ΔNeが所定の閾値ΔNe1を超えるまでは、充電量制限値を一定とし、閾値ΔNe1を超えた後は、ΔNeの増加とともにΔNeの一次関数やm次関数でQcmaxを増加させてもよい。閾値ΔNe1は、例えば、実機関回転数Nerが目標機関回転数Netに収束したとして取り扱ってもよい程度の大きさに設定する。また、差回転数ΔNeが所定の閾値ΔNe1を超えるまでは、充電量制限値Qcを、基準充電量制限値Qc_bに維持する。
このようにすることで、実機関回転数Nerが目標機関回転数Netに収束したとして取り扱える場合には、充電量制限値Qcを基準充電量制限値Qc_bとするので、基準充電量制限値Qc_bとする期間が増加する。その結果、バッテリ50の過充電や急速充電を効果的に抑制できる。
本実施例では、差回転数ΔNeの増加とともに充電量制限値Qcを増加させるが、増加させる上限は、バッテリ50の耐久性に与える影響が許容できる範囲内とする。このため、充電量制限値Qcには、図8に示すように、最大充電量制限値Qc_maxを設けることが好ましい。これによって、バッテリ50の耐久性低下を許容範囲内に抑えることができる。
ステップS105で充電量制限値Qcが求められたら、ステップS106へ進む。ステップS106において、メインECU70の処理部71を構成する電力配分設定部73は、ステップS105で求められた充電量制限値Qcを用いて、駆動軸64a、64bが被駆動状態となることにより第2電動機23の発電量Q2を、バッテリ50への充電分と第1電動機21での消費分とに配分する。
ここで、バッテリ50への充電分の最大値は、ステップS105で求められた充電量制限値Qcである。したがって、Q2≦Qcである場合には、第2電動機23の発電量Q2は、すべてバッテリ50への充電分となり、第1電動機21での消費分は0になる。なお、バッテリ50のSOCから、Q2すべての充電が可能であることが前提であり、Q2すべての充電が不可能である場合には、その分は第1電動機21での消費分となる。Q2>Qcである場合、Qcがバッテリ50への充電分となり、Q2−Qcが第1電動機21での消費分となる。なお、バッテリ50のSOCから、Qcすべての充電が可能であることが前提であり、Qcすべての充電が不可能である場合には、その分は第1電動機21での消費分に上乗せされる。ここで、Q2あるいはQcすべてをバッテリ50へ充電することが不可能である場合には、その分を、ハイブリッド車両20の補機(例えば、エアーコンディショナーのコンプレッサ駆動用電動機等)で消費してもよい。
以上、本実施例では、内燃機関、第1電動機、第2電動機、蓄電装置を備えるハイブリッド駆動装置において、ハイブリッド駆動装置が搭載される車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モード、かつハイブリッド駆動装置の駆動軸が被駆動状態となる条件が成立する場合には、内燃機関の実際の回転速度と、マニュアル変速モードにおいて内燃機関が目標とする回転速度との差回転数に基づき、蓄電装置への充電分を変更する。これによって、第1電動機で消費する電力が低減するので、第1電動機で内燃機関の回転を持ち上げる期間が短くなる。これによって、実機関回転数は速やかに目標機関回転数へ収束するので、マニュアル変速モードで変速段を変更した場合、速やかに変速が終了し、運転者に与える違和感が低減される。また、運転者の意図は、速やかにハイブリッド車両の挙動へ反映されるようになる。
以上のように、本発明に係るハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置は、内燃機関と電動機とを組み合わせたハイブリッド車両に有用であり、特に、運転者がマニュアル変速を実行したときにおいて内燃機関の実機関回転数が目標機関回転数に収束する際の遅れを低減することに適している。
本実施例に係るハイブリッド駆動装置及び駆動制御装置を備える車両の模式図である。 マニュアル変速モードにおいて内燃機関が目標とする回転数と、内燃機関の実際の回転数との関係を示す概念図である。 マニュアル変速モードにおいて内燃機関が目標とする回転数と、内燃機関の実際の回転数との関係を示す概念図である。 本実施例に係る駆動制御の手順を示すフローチャートである。 ハイブリッド駆動装置におけるマニュアル変速を説明するための図である。 ハイブリッド駆動装置におけるマニュアル変速を説明するための図である。 ハイブリッド駆動装置におけるマニュアル変速を説明するための図である。 ハイブリッド駆動装置におけるマニュアル変速を説明するための図である。 充電量を設定するためのマップの一例を説明する模式図である。
符号の説明
20 ハイブリッド車両
21 第1電動機
22 内燃機関
23 第2電動機
24 機関ECU
30 動力分割機構
35 減速装置
40 電動機ECU
41 第1インバータ
42 第2インバータ
50 バッテリ
52 バッテリECU
60 ギヤ機構
62 デファレンシャルギヤ
63a、63b 駆動輪
64a、64b 駆動軸
70 メインECU
71 処理部
72 制御条件判定部
73 電力配分設定部
74 差回転数演算部
75 充電量設定部
76 変速制御部
77 駆動制御部
78 記憶部
81 シフトレバー
82 シフトポジションセンサ
83 アクセルペダル
84 アクセルペダルポジションセンサ
88 車速センサ
89 加速度センサ
90 充電量制限値マップ
91 目標駆動力設定マップ
92 目標機関回転数マップ
93 目標変速段設定マップ
94 目標変速段設定マップ
100 ハイブリッド駆動装置
301 燃費最適線
302〜306 変速段区分線

Claims (6)

  1. 動力を発生する内燃機関、及び力行機能又は回生機能を有する第1電動機及び第2電動機、及び前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方に電力を供給し、また前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方から充電される蓄電装置を備え、車両に搭載されて前記車両を走行させるハイブリッド駆動装置において、
    前記ハイブリッド駆動装置が駆動輪との間で動力を伝達する駆動軸が被駆動状態となる場合において前記第2電動機の回生によって生み出された電力を、前記第1電動機と前記蓄電装置との少なくとも一方に供給するものであり、前記車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モード、かつ前記駆動軸が被駆動状態となる条件が成立する場合には、前記内燃機関の実際の回転速度と、前記マニュアル変速モードにおいて前記内燃機関が目標とする回転速度との差回転数に基づき、前記蓄電装置に対する充電量の制限値を設定することを特徴とするハイブリッド駆動装置。
  2. 前記差回転数が大きくなるにしたがって、前記制限値が増加されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
  3. 前記差回転数が所定の閾値を超えるまでは、前記制限値が一定の値とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド駆動装置。
  4. 動力を発生する内燃機関、及び力行機能又は回生機能を有する第1電動機及び第2電動機、及び前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方に電力を供給し、また前記第1電動機又は前記第2電動機の少なくとも一方から充電される蓄電装置を備え、車両に搭載されて前記車両を走行させるハイブリッド駆動装置を制御するものであり、
    前記ハイブリッド駆動装置が駆動輪との間で動力を伝達する駆動軸が被駆動状態となる場合、かつ前記車両の運転者により変速段が設定されるマニュアル変速モードであるか否かを判定する制御条件判定部と、
    前記内燃機関の実際の回転速度と、前記マニュアル変速モードにおいて前記内燃機関が目標とする回転速度との差回転数を求める差回転数演算部と、
    前記マニュアル変速モードであり、かつ前記駆動軸が被駆動状態である条件が成立する場合、前記内燃機関の実際の回転速度と前記差回転数演算部が求めた前記差回転数に基づいて前記蓄電装置に対する充電量の制限値を設定する充電量設定部と、
    を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  5. 前記充電量設定部は、前記差回転数が大きくなるにしたがって、前記制限値を増加させることを特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。
  6. 前記充電量設定部は、前記差回転数が所定の閾値を超えるまでは、前記制限値を一定の値とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の駆動制御装置。
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