JP2004066840A - ハイブリッド変速機の変速制御装置 - Google Patents

ハイブリッド変速機の変速制御装置 Download PDF

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Yutaro Minami
南  雄太郎
Hiroshi Iwano
岩野  浩
Hiroshi Oba
大羽  拓
Kazuhiro Takeda
竹田 和宏
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】入力側モータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により求める方式から出力側モータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により求める方式への切り替えをショックなしに行う。
【解決手段】判定部36は、エンジン回転数Neと変速機出力回転数Noとの回転差(Ne−No)が設定値Na*以上で、且つ、出力側モータ/ジェネレータ目標回転数tNm2と実回転数Nm2との回転差(tNm2−Nm2)が0以上である時、フラグFLAGMGを1にし、それ以外でFLAGMG=0にする。FLAGMG=0の間、入力側モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1を演算器51で回転数フィードバック制御により求めると共に出力側モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2を演算器54でパワーバランスによる演算により求める。FLAGMG=1になる時、tTm1を演算器53でパワーバランスによる演算により求めると共にtTm2を演算器52で回転数フィードバック制御により求めるよう演算方式切り替える。(tNm2−Nm2)≧0の時に切り替えるから、tTm2が負にならず減速ショックを回避し得る。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の原動機とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら原動機とモータ/ジェネレータとの間における差動装置により無段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド変速機としては一般的に、シリーズ式と、パラレル式と、両者を組み合わせたシリーズ式+パラレル式の3方式のものが知られているが、いずれもエンジン回転エネルギーの全部または一部を発電機により一旦電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーとバッテリからの電力とで車両駆動系に結合されたモータを駆動して車両の走行を行わせ、余剰な電気エネルギーをバッテリに蓄電するのが普通である。
そして、エンジン動作点を最適燃費が実現されるよう定めてバッテリへの充放電をタイミング良く行わせることにより、運転状態に応じた要求駆動力を良好な燃費のもとで発生させ得るものである。
【0003】
従来のハイブリッド変速機を、特開平9−308012号公報に記載されたシリーズ式+パラレル式のハイブリッド変速機用の変速制御装置について以下に説明する。
この種ハイブリッド変速機は、サンギヤ、リングギヤおよびキャリアよりなる単純遊星歯車組で前記の差動装置を構成し、キャリアに入力軸からのエンジン回転を入力する。
キャリアへの回転は、一方でサンギヤを経てジェネレータ(発電機)に伝達し、他方でリングギヤを経て車輪に伝達するようになし、リングギヤにはモータを結合してこれからの回転をも車輪に伝達するように構成する。
【0004】
しかし従来のハイブリッド変速機においては、リングギヤに車輪とモータを結合するから、つまり、車輪とモータとが直接的に結合されているため、2個のモータ/ジェネレータの一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電となるような制御ができず、バッテリへの充放電を頻繁に繰り返すこととなり、バッテリ寿命への悪影響が懸念される。
【0005】
そこで本願出願人は先に、図10(a),(b)に示す共線図により表されるハイブリッド変速機を提案した。
このハイブリッド変速機は、共線図上の回転メンバとして4個の回転メンバを有する2自由度の差動装置を具え、共線図上の内側に位置する2個の内側回転メンバにそれぞれエンジンENG(エンジン回転数をNeで示す)からの入力および車輪駆動系への出力Out(変速機出力回転数をNoで示す)を結合し、共線図上の外側に位置する2個の外側回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータMG1,MG2(それぞれの回転数をNm1,Nm2で示す)を結合し、これらモータ/ジェネレータの制御により無段変速を行い得るようにしたものである。
【0006】
そして、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクを決定するに際しては、運転状態に応じた目標駆動トルクを実現するエンジン目標回転数求め、一方のモータ/ジェネレータの目標トルクに関しては、このエンジン目標回転数から目標回転数を求め、これに一方のモータ/ジェネレータの実回転数を一致させるためのトルクを該一方のモータ/ジェネレータの目標トルクとし、
他方のモータ/ジェネレータの目標トルクに関しては、この一方のモータ/ジェネレータの目標トルクから、両モータ/ジェネレータの一方による発電電力および他方による消費電力が一致する(バッテリからの持ち出し電力が0になる)ダイレクト配電となるのに必要な他方のモータ/ジェネレータのトルクを該他方のモータ/ジェネレータの目標トルクとする。
【0007】
ところでダイレクト配電状態を維持するためには、上記の通り一方のモータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により決定すると共に他方のモータ/ジェネレータの目標トルクをパワーバランスに基づくトルク制御により決定する状態と、逆に他方のモータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により決定すると共に一方のモータ/ジェネレータの目標トルクをパワーバランスに基づくトルク制御により決定する状態との間で切り替える必要が発生する。
この状態切り替えの判定に際しては、上記の差動装置が共線図上の2個の回転メンバの回転状態を決定すると他の回転メンバの回転状態が定まる2自由度の差動装置であることから、エンジン回転数Neと変速機出力回転数Noとの間における差値(Ne−No)に基づいて上記の切り替えを行うことが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジン回転数Neと変速機出力回転数Noとの差値(Ne−No)に基づいて上記の状態切り替えを行う場合、特にエンジンを停止させ(Ne=0)、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみによる電気走行(以下、EV走行と言う)を行っている状態で、アクセルペダルの踏み込みによる加速でエンジンを始動する時に以下に説明するような問題を生ずる。
【0009】
図10(a)は、エンジン回転数Neと変速機出力回転数Noとの差値(Ne−No)が設定値Na未満となるEV走行時の実線図示のレバー状態から、エンジンENGが始動されて破線図示のレバー状態になる時の共線図を示し、かかる(Ne−No)<Naのもとでは、エンジンENGに近い入力側モータ/ジェネレータMG1の目標トルクTm1を回転数フィードバック制御により決定すると共に他方の出力側モータ/ジェネレータMG2の目標トルクをパワーバランスに基づくトルク制御により決定する。
【0010】
図10(b)は、エンジン回転数Neの上昇でこれと変速機出力回転数Noとの差値(Ne−No)が設定値Na以上となって出力側モータ/ジェネレータMG2の目標トルクTm2を回転数フィードバック制御により決定すると共に入力側モータ/ジェネレータMG1の目標トルクをパワーバランスに基づくトルク制御により決定するように切り替わり、レバーが実線図示の状態から破線図示の状態になる時の共線図を示す。
【0011】
(Ne−No)<Naから(Ne−No)≧Naに切り替わってモータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルク算出方式が図10(a)から同図(b)に切り替わる直前にエンジンが始動されると特に、各回転メンバの回転数変化が大きいため、図10(b)への切り替え時に出力側モータ/ジェネレータMG2の目標とする回転数と実回転数との間における差も大きく、この時実回転数よりも目標回転数の方が小さい場合は、出力側モータ/ジェネレータMG2の目標トルクTm2が図10(b)に示すように負値となって大きなショックを発生させる懸念がある。
【0012】
この現象を図9(a)により説明するにこの図は、上記のエンジン始動が瞬時t1に行われ、瞬時t2にモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式の図10(a)から同図(b)への切り替えが行われた場合の動作波形を示す。
瞬時t1〜瞬時t2間は、モータ/ジェネレータ目標トルク算出方式が図10(a)に基づくものであるから、モータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1が太い実線で示すように求められ、瞬時t2以後は、モータ/ジェネレータ目標トルク算出方式が図10(b)に基づくものであるから、モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2が太い実線で示すように求められる。
ところで、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルク算出方式が図10(a)から同図(b)に切り替わる図9(a)の瞬時t2にa1で示すように、モータ/ジェネレータMG2の実回転数Nm2と目標回転数tNm2との間における差が大きくなり、しかも目標回転数tNm2の方が実回転数Nm2よりも低いため、図10(b)にTm2で示すモータ/ジェネレータMG2の負トルクが図9(a)の瞬時t2にa2で示すごとく大きな段差を持ったものとなり、瞬時t2から目標回転数tNm2に実回転数Nm2が一致する瞬時t3間における車輪駆動力の変化波形a3から明らかなごとく大きな減速ショックを生ずる。
【0013】
本発明は、上記の問題が目標回転数tNm2<Nm2であることに起因するとの観点から、かかるtNm2<Nm2のもとでは上記した図10(a)から同図(b)へのモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式の切り替えを禁止し、tNm2≧Nm2になった時に、つまり、図9(a)の瞬時t3の状態に至ったときに当該切り替えを行わせるようにすることで前記の問題を解消可能にしたハイブリッド変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明によるハイブリッド変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
つまり、共線図上に4個以上の回転メンバが存在する2自由度の差動装置を具え、共線図上の内側に位置する2個の内側回転メンバにそれぞれ原動機からの入力および駆動系への出力を結合し、共線図上の外側に位置する2個の外側回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータを結合したハイブリッド変速機を前提とする。
【0015】
そして、運転状態に応じた目標駆動トルクを実現する前記原動機の目標トルクおよび目標回転数を求め、この原動機目標回転数から求めた入力側モータ/ジェネレータに係わる目標回転数に該入力側モータ/ジェネレータの実回転数を一致させるための入力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める入力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段と、
この入力側モータ/ジェネレータ目標トルクから、両モータ/ジェネレータの一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電となるのに必要な出力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める出力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段とよりなり、
原動機、入力側モータ/ジェネレータおよび出力側モータ/ジェネレータをそれぞれ、前記対応する目標トルクが実現されるよう制御する第1制御系を設ける。
更に、上記原動機目標回転数から求めた出力側モータ/ジェネレータに係わる目標回転数に該出力側モータ/ジェネレータの実回転数を一致させるための出力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める出力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段と、
この出力側モータ/ジェネレータ目標トルクから前記ダイレクト配電となるのに必要な入力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める入力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段とよりなり、
原動機、入力側モータ/ジェネレータおよび出力側モータ/ジェネレータをそれぞれ、前記対応する目標トルクが実現されるよう制御する第2制御系を設け、出力側モータ/ジェネレータの目標回転数に対する実回転数の偏差が正であることを条件に前記第1制御系から前記第2制御系への切り替えを許可するよう構成したものである。
【0016】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、出力側モータ/ジェネレータの目標回転数に対する実回転数の偏差が正であることを条件に上記第1制御系から上記第2制御系への切り替えを許可するため、
出力側モータ/ジェネレータの目標回転数が実回転数よりも小さい時に上記第1制御系から上記第2制御系への切り替えが行われることがなく、つまり出力側モータ/ジェネレータの目標トルクが負となる条件の時に上記第1制御系から上記第2制御系への切り替えが行われることがなく、これにより、上記第1制御系から上記第2制御系への切り替え時に図9(a)につき前述した減速ショックが発生するという問題を回避することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる変速制御装置を適用するためのハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下の構成となす。
【0018】
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジンENGに近い前側)にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の左側(エンジンENGから遠い後側)に例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネレータ組を内蔵する。
これらラビニョオ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およびディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内に内蔵させる。
【0019】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオンP1およびリングギヤRを共有するシングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8の組み合わせになり、
シングルピニオン遊星歯車組7はサンギヤS2およびリングギヤRにそれぞれロングピニオンP1を噛合させた構造とし、
ダブルピニオン遊星歯車組8はサンギヤS1およびロングピニオンP1の他に、大径のショートピニオンP2を備え、ショートピニオンP2をサンギヤS2およびロングピニオンP1に噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組7,8のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
【0020】
以上の構成になるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素とし、これら4個の回転メンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして4個の回転メンバの回転速度順は、サンギヤS1、リングギヤR、キャリアC、サンギヤS2の順番である。
なお本実施の形態で用いるラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、シングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8のリングギヤ同士を結合し、キャリア同士を結合したものに等価である。
【0021】
複合電流2層モータ4は、内側ロータ4riと、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して備え、これら内側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ−タ4sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル4sと内側ロータ4riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1が構成され、環状コイル4sと外側ロータ4roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2が構成される。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0022】
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図2および図3の共線図にも示したがサンギヤS1、リングギヤR、キャリアC、サンギヤS2の順に、第1モータ/ジェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
なおモータ/ジェネレータMG1は図2および図3の共線図上においてエンジンENGに近い側にあり、従って以下では、モータ/ジェネレータMG1を入力側モータ/ジェネレータとも称し、モータ/ジェネレータMG2は図2および図3の共線図上において車輪駆動系への出力(Out)に近い側にあり、従って以下では、モータ/ジェネレータMG2を出力側モータ/ジェネレータとも称する。
【0023】
この結合を図1に基づき以下に詳述するに、リングギヤRを上記の通りエンジン(ENG)回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤRをエンジンクランクシャフト9に結合する。
サンギヤS1は中空軸13を介して第1モータ/ジェネレータMG1の内側ロータ4riに結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸13を遊嵌する軸14を介してサンギヤS2を第2モータ/ジェネレータMG2の外側ロータ4roに結合する。
【0024】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空軸15を介して出力歯車16を結合し、これをカウンターシャフト5上のカウンター歯車17に噛合させる。
カウンターシャフト5には別にファイナルドライブピニオン18を一体的に設け、これを、ディファレンシャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ19に噛合させる。
変速機からの出力回転は、ファイナルドライブピニオン18およびファイナルドライブリングギヤ19により構成されるファイナルドライブギヤ組を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪20に分配されるものとする。
【0025】
上記の構成になるハイブリッド変速機は、図2および図3に示すような共線図により表すことができ、図2および図3の横軸は遊星歯車組7,8のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離比、つまりリングギヤRおよびキャリアC間の距離を1とした時のサンギヤS1およびリングギヤR間の距離の比をαで示し、キャリアCおよびサンギヤS2間の距離をβで示したものである。
【0026】
また図2の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤRへのエンジン回転数Ne、サンギヤS1(モータ/ジェネレータMG1)の回転数Nm1、キャリアCからの出力(Out)回転数No、およびサンギヤS2(モータ/ジェネレータMG2)の回転数Nm2を示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
図2において回転バランス式は、(Nm1−No):(Ne−No)=(1+α):1および(Ne−Nm2):(Ne−No)=(1+β):1で表され、モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2はそれぞれ、エンジン回転数Neおよび出力回転数Noから次式により求めることができる。
Nm1=(1+α)Ne−α・No・・・(1)
Nm2=(1+β)No−β・Ne・・・(2)
【0027】
図3の縦軸は、各回転メンバに働くエンジントルクTe、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクTm1,Tm2、および出力(Out)トルクToを示す。
ここで、リングギヤRに結合した入力回転系はエンジンENGが存在するためその回転イナーシャが大きく、またキャリアCに結合した出力(Out)回転系も車輪やディファレンシャルギヤ装置などが存在するためその回転イナーシャが大きいことから、共線図上におけるレバー重心Gは図3に示すごとく、イナーシャが大きなリングギヤR(エンジンENG)およびキャリアC(出力Out)間に位置し、この位置を以下ではサンギヤS1からの距離Xgcとして示す。
【0028】
定常状態を維持(車速一定で目標駆動トルクを実現)するためには、4個の回転メンバに働くトルクによる重心G周りの並進運動γおよび回転運動δが共に0であることである。
つまり並進運動γについては、Tm1+Te+(To+Tm2)=0が成立し、また回転運動δについては、Tm1×Xgc+Te(Xgc−α)=To(α+1−Xgc)+T2(α+1+β−Xgc)が成立することである。
これら2式を解いてトルクバランス式は次式で表される。
Tm1=−{β・To+(1+β)Te}(α+1+β)・・・(3)
Tm2=−{(1+α)To+α・Te}(α+1+β)・・・(4)
【0029】
図2および図3の共線図におけるレバーの傾き(変速比)は、変速機の入力(エンジン)回転数Neと、入力(エンジン)トルクTeとの組み合わせであるエンジン動作点(Ne,Te)、
サンギヤS1に係わるモータ/ジェネレータMG1の回転数Nm1と、トルクTm1との組み合わせであるモータ/ジェネレータ動作点(Nm1,Tm1)、
サンギヤS2に係わるモータ/ジェネレータMG2の回転数Nm2と、トルクTm2との組み合わせであるモータ/ジェネレータ動作点(Nm2,Tm2)により決まり、
これらにより出力Outの回転数No(車速)と、トルクToとの組み合わせ(No,To)が定まる。
【0030】
上記したハイブリッド変速機の変速制御システムは図4に示すごとく、ハイブリッドコントローラ21を具え、このハイブリッドコントローラ21は後述する目標エンジントルク(tTe)指令をエンジンコントローラ22に供給し、エンジンコントローラ22がエンジンENGを当該目標トルク発生状態で運転させるように機能する。
【0031】
ハイブリッドコントローラ21は更に、モータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルク(tTm1)指令および目標トルク(tTm2)指令をそれぞれモータコントローラ23に供給し、モータコントローラ23がインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれの目標トルク発生状態で動作させるように機能する。
【0032】
目標トルクtTe,tTm1,tTm2を求めるためハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ27からの信号と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ28からの信号と、第1モータ/ジェネレータMg1の回転数Nm1を検出する第1モータ/ジェネレータ回転センサ29からの信号と、第2モータ/ジェネレータMg2の回転数Nm2を検出する第2モータ/ジェネレータ回転センサ30からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21はこれら入力情報を基に、図5にブロック線図で示す処理を行ってハイブリッド変速機の変速制御を以下のごとくに行う。
【0033】
目標駆動トルク演算部31は、アクセル開度APOおよび車速VSPから運転者要求している車輪の目標駆動トルクtTdを周知のマップ検索などの手法により求める。
EV走行判定部32は、目標駆動トルクtTdおよび車速VSPからEV走行を行うべきか否かを判定し、EV走行を行うべきならEV走行判定フラグFLAGEVを1にセットしてエンジン動作点決定部33に出力し、EV走行を行うべきでなければEV走行判定フラグFLAGEVを0にリセットする。
【0034】
エンジン動作点決定部33は、EV走行判定フラグFLAGEVが1ならEV走行を行うべきであるから目標エンジントルクtTeおよび目標エンジン回転数tTeを共に0にする。
しかし、EV走行判定フラグFLAGEVが0ならエンジンの運転が要求されているから、以下のごとくにエンジン動作点(tNe,tTe)を決定する。
つまり、車速VSPに車輪タイヤ半径などで決まる定数を掛けて求めた車輪駆動軸回転数Ndと上記目標駆動トルクtTdとの乗算により車輪の目標駆動力tPvを算出し、これにモータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分およびラビニョオ型プラネタリギヤセット2の伝動ロス分を加算して目標エンジン出力tPeを求め、この目標エンジン出力tPeを発生させるための目標エンジントルクtTeおよび目標エンジン回転数tNeの組み合わせをエンジン動作点として定める。
【0035】
かかるエンジン動作点の決定に際し好ましくは、図7に例示するエンジン性能線図を基に目標エンジン出力tPeを最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)とする最適燃費制御を用いるのが良い。
図7は、エンジン出力ごとにこれを発生するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせを等馬力線として示し、各等馬力線上にあって対応するエンジン出力を最低燃費で発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをA,B点により例示し、各等馬力線上の最低燃費点A,Bを結ぶ線を最適燃費線として示す。
図7を基に最適燃費制御によりエンジン動作点(tTe,tNe)を求めるに際しては、目標エンジン出力tPeに対応する等馬力線と最適燃費線との交点を例えばA点のように決定し、当該点に対応するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)と定める。
【0036】
第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標回転数演算部34は、前記車輪駆動軸回転数Ndにファイナルギヤ比Gfを掛けて求め得る変速機出力回転数No、および上記の目標エンジン回転数tNeから、第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2を、前記(2)式に対応する次の回転バランス式
tNm2=(1+β)No−β・tNe・・・(5)
の演算により求める。
【0037】
モータ/ジェネレータ目標トルク演算部35はモータ/ジェネレータ目標トルク演算方式切り替え判定部36と、第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部37と、第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部38とで構成し、これらを図6に明示するごときものとする。
モータ/ジェネレータ目標トルク演算方式切り替え判定部36は、エンジン回転数Ne、変速機出力回転数No、演算部34からの第2(出力側)モータ/ジェネレータ(MG2)目標回転数tNm2、第2(出力側)モータ/ジェネレータ(MG2)実回転数Nm2とを入力され、これらを基に以下のごとくにモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式切り替えフラグFLAGMGを決定する。
【0038】
つまり、図6の加減算器41においてエンジン回転数Neと変速機出力回転数Noとの間の回転差(Ne−No)を求め、比較器42においてこの回転差(Ne−No)を設定値Na*と比較する。比較器42は、(Ne−No)≧Na*の時切り替え器43を実線位置にしてその出力をハイ「1」レベルとなし、(Ne−No)<Na*の時切り替え器43を破線位置にしてその出力をロー「0」レベルとなす。
【0039】
図6の加減算器44においては、第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2と実回転数Nm2との間の回転差(tNm2−Nm2)を求め、比較器45においてこの回転差(tNm2−Nm2)を0と比較する。比較器45は、(tNm2−Nm2)≧0の時切り替え器46を実線位置にしてその出力をハイ「1」レベルとなし、(tNm2−Nm2)<0の時切り替え器46を破線位置にしてその出力をロー「0」レベルとなす。
【0040】
図6のANDゲート47は、切り替え器43,46からのハイ「1」レベル出力の論理和をとり、結果として(Ne−No)≧Na*であり、且つ、(tNm2−Nm2)≧0である時、出力であるモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式切り替えフラグFLAGMGを1にセットし、これら条件の一方でも欠けるとモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式切り替えフラグFLAGMGを0にリセットする。
【0041】
第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部37、および第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部38はそれぞれ、図6に明示するごとく回転数フィードバック制御による目標トルク演算器51,52と、パワーバランスによる目標トルク演算器53,54と、切り替え器55,56とを具える。
切り替え器55,56は上記のモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式切り替えフラグFLAGMGに応答し、このフラグが1の時、つまり、(Ne−No)≧Na*、且つ、(tNm2−Nm2)≧0の時、破線図示の切り替え位置となって、演算器53により後述のごとくにして求めた第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1と、演算器52により後述のごとくにして求めた第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2とを、対応するモータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクとして用い、
フラグFLAGMGが0の時、つまり、(Ne−No)<Na*、または、(tNm2−Nm2)<0の時、実線図示の切り替え位置となって、演算器51により後述のごとくにして求めた第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1と、演算器54により後述のごとくにして求めた第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2とを、対応するモータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルクとして用いる。従って、演算器51,54は本発明における第1制御系を構成し、演算器52,53は本発明における第2制御系を構成する。
【0042】
先ず、演算器51による第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1の演算要領と、演算器54による第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2の演算要領について以下に説明する。
演算器51においては最初に、変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから、第1(入力側)モータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1を、前記(1)式に対応する次の回転バランス式
tNm1=(1+α)tNe−α・No・・・(6)
の演算により求める。
【0043】
次に、この第1(入力側)モータ/ジェネレータMG1の目標回転数tNm1およびフィードバックされた当該モータ/ジェネレータの実回転数Nm1を基に、実回転数Nm1をフィードバックゲインKgで目標回転数tNm1に一致させるための当該モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1を以下のフィードバック演算により求める。
tTm1=Kg(tNm1−Nm1) ・・・(7)
【0044】
次いで演算器54による第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2の演算要領を説明するに、演算器54は、両モータ/ジェネレータMG1,MG2の実回転数Nm1,Nm2および上記入力側モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1と、インバータ24(図1参照)等による両モータ/ジェネレータMG1,MG2の損失LosMG1,LosMG2と、バッテリ出力電力Pbatとから、モータ/ジェネレータMG1,MG2の一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電となるのに必要な第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2を次式により求める。
tTm2=(Pbat−tTm1×Nm1−LosMG1−LosMG2)/Nm2 ・・・(8)
【0045】
なお、モータ/ジェネレータMG1,MG2の損失LosMG1,LosMG2は予め求めておくことができるから、マップデータからの検索により求めることができる。
ここで、モータ/ジェネレータMG1,MG2の一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電とは、一方のモータ/ジェネレータによる発電電力が他方のモータ/ジェネレータにより全て消費され、当該他方のモータ/ジェネレータがバッテリ電力の持ち出しなしにモータ駆動され、発電電力が一切バッテリに充電されることのない配電状態を意味するものとする。
【0046】
次に、演算器53による第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1の演算要領と、演算器52による第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2の演算要領について以下に説明する。
演算器52においては最初に、変速機出力回転数Noおよび目標エンジン回転数tNeから第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2を、前記(2)式に対応する次の回転バランス式
tNm2=(1+β)No−β・tNe・・・(9)
の演算により求める。
次いで、上記のごとくに求めた第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2および当該モータ/ジェネレータの実回転数Nm2を基に、実回転数Nm2をフィードバックゲインKgで目標回転数tNm2に一致させるための当該モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2を以下のフィードバック演算により求める。
tTm2=Kg(tNm2−Nm2) ・・・(10)
【0047】
演算器53は、両モータ/ジェネレータMG1,MG2の実回転数Nm1,Nm2および上記のごとくに求めた出力側モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2と、インバータ24(図1参照)等による両モータ/ジェネレータMG1,MG2の損失LosMG1,LosMG2と、バッテリ出力電力Pbatとから、モータ/ジェネレータMG1,MG2の一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電となるのに必要な第1(入力側)モータ/ジェネレータの目標トルクtTm1を次式により求める。
tTm1=(Pbat−tTm2×Nm2−LosMG1−LosMG2)/Nm1 ・・・(11)
【0048】
図4のハイブリッドコントローラ21は、図5および図6の処理により以上のごとくにそれぞれ求めた目標エンジントルクtTe、第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1、および第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2をエンジンコントローラ22およびモータコントローラ23に供給し、エンジンENGおよび第1(入力側)モータ/ジェネレータMG1並びに第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ、上記対応する目標トルクが実現されるよう制御することにより図5における目標駆動トルクtTdを達成する。
【0049】
ところで本実施の形態によれば、図5および図6の処理をフローチャートにより描き直した図8により説明すると、ステップ61,62において(Ne−No)≧Na*、且つ、(tNm2−Nm2)≧0と判定しない限り、ステップ63〜65において、図6の演算器51,54によると同様の要領でそれぞれ第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1および第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2を求め、これらを対応するモータ/ジェネレータMG1,MG2の制御に供し、
ステップ61,62において(Ne−No)≧Na*、且つ、(tNm2−Nm2)≧0と判定した時に限り、つまり(Ne−No)≧Na*の条件だけでなく、(tNm2−Nm2)≧0の条件も満たされた時に初めて、ステップ66〜68において、図6の演算器52,53によると同様の要領でそれぞれ第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm2および第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1を求め、これらを対応するモータ/ジェネレータMG1,MG2の制御に供するから以下の作用効果が得られる。
【0050】
図9(b)は、同図(a)と同じ条件のもとでの動作波形を示すが、本実施の形態のように(Ne−No)≧Na*の条件だけでなく、(tNm2−Nm2)≧0の条件も満たされた時に初めて、図10(a)から同図(b)へのモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式の切り替えを行う場合、当該切り替えが瞬時t2ではなく瞬時t3において行われることとなり、
第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標回転数tNm2が実回転数Nm2よりも小さい時に上記の切り替えが行われることがなくなる。
従って、第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2が負となる条件の時に上記の切り替えが行われないようにし得て、図9(b)における当該切り替え瞬時t3におけるモータ/ジェネレータMG2のトルクTm2に係わる波形b1および車輪駆動力に係わる波形b2からも明らかなように、図9(a)につき前述した減速ショックの問題を回避することができる。
【0051】
なお本実施の形態におけるように、(Ne−No)≧Na*の条件が満たされた時に図10(a)から同図(b)へのモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式の切り替えを行う場合、以下の作用効果が得られる。
つまり、かように(Ne−No)≧Na*である時モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2間にはNm1>Nm2の関係が成立する。しかしこの時も、高回転している第1(入力側)モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1を、図10(a)のように回転数フィードバック制御により求め続けると、当該モータ/ジェネレータMG1の実回転数Nm1に関するフィードバック量が大きくなり、目標トルクtTm1を大きく変動させることになる。
一方で、第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2は前記した通りこの第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルクtTm1を基に求めることから、第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2も大きく変動する。
【0052】
このため、(Ne−No)≧Na*の条件が満たされた時に図10(a)のモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式を継続すると、目標トルクtTm1,tTm2の大きな変動によりショックを生じやすいが、本実施の形態におけるように図10(a)から同図(b)へのモータ/ジェネレータ目標トルク算出方式の切り替えを行う条件として(Ne−No)≧Na*の条件を設定する場合、回転数の低い方の第2(出力側)モータ/ジェネレータMG2の目標トルクtTm2を回転数フィードバック制御により求めることになるから上記のようなショックの問題をも回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変速制御装置を適用し得るハイブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】同ハイブリッド変速機の回転バランス式を求めるのに用いた共線図である。
【図3】同ハイブリッド変速機のトルクバランス式を求めるのに用いた共線図である。
【図4】本発明によるハイブリッド変速機の変速制御システムを示すブロック線図である。
【図5】本発明の一実施の形態になる変速制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図6】図5におけるモータ/ジェネレータ目標トルク演算部の詳細を示す機能別ブロック線図である。
【図7】エンジンの最適燃費線を等出力線とともに例示するエンジンの性能線図である。
【図8】同実施の形態になる変速制御装置を制御プログラムとして描き直したフローチャートである。
【図9】従来の変速制御動作と本発明による変速制御動作とを比較して示すもので、
(a)は、従来の変速制御動作に係わるタイムチャート、
(b)は、本発明による変速制御動作のタイムチャートである。
【図10】モータ/ジェネレータ目標トルク演算方式を示し、
(a)は、第1(入力側)モータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により求める時の動作状況を示す共線図、
(b)は、第2(出力側)モータ/ジェネレータの目標トルクを回転数フィードバック制御により求める時の動作状況を示す共線図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
ENG エンジン(原動機)
4 複合電流2層モータ
MG1 第1(入力側)モータ/ジェネレータ
MG2 第2(出力側)モータ/ジェネレータ
7 シングルピニオン遊星歯車組
8 ダブルピニオン遊星歯車組
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ロングピニオン
P2 ショートピニオン
R リングギヤ
C キャリア
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 エンジン回転センサ
29 第1モータ/ジェネレータ回転センサ
30 第2モータ/ジェネレータ回転センサ
31 目標駆動トルク演算部
32 EV走行判定部
33 エンジン動作点決定部
34 第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部
35 モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
36 モータ/ジェネレータ目標トルク演算方式切り替え判定部
37 第1(入力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
38 第2(出力側)モータ/ジェネレータ目標トルク演算部
51 回転数フィードバック制御による演算器(第1制御系)
52 回転数フィードバック制御による演算器(第2制御系)
53 パワーバランスによる演算器(第2制御系)
54 パワーバランスによる演算器(第1制御系)
55 切り替え器
56 切り替え器

Claims (2)

  1. 共線図上に配置される回転メンバとして4個以上の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、共線図上の内側に位置する2個の内側回転メンバにそれぞれ原動機からの入力および駆動系への出力を結合し、共線図上の外側に位置する2個の外側回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータを結合し、これらモータ/ジェネレータの制御により無段変速を行い得るようにしたハイブリッド変速機において、
    運転状態に応じた目標駆動トルクを実現する前記原動機の目標トルクおよび目標回転数を求め、この原動機目標回転数から求めた入力側モータ/ジェネレータに係わる目標回転数に該入力側モータ/ジェネレータの実回転数を一致させるための入力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める入力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段と、
    この入力側モータ/ジェネレータ目標トルクから、両モータ/ジェネレータの一方による発電電力および他方による消費電力が一致するダイレクト配電となるのに必要な出力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める出力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段とよりなり、
    原動機、入力側モータ/ジェネレータおよび出力側モータ/ジェネレータをそれぞれ、前記対応する目標トルクが実現されるよう制御する第1制御系を具え、
    前記原動機目標回転数から求めた出力側モータ/ジェネレータに係わる目標回転数に該出力側モータ/ジェネレータの実回転数を一致させるための出力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める出力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段と、
    この出力側モータ/ジェネレータ目標トルクから前記ダイレクト配電となるのに必要な入力側モータ/ジェネレータの目標トルクを求める入力側モータ/ジェネレータ目標トルク演算手段とよりなり、
    原動機、入力側モータ/ジェネレータおよび出力側モータ/ジェネレータをそれぞれ、前記対応する目標トルクが実現されるよう制御する第2制御系を設け、
    出力側モータ/ジェネレータの目標回転数に対する実回転数の偏差が正であることを条件に前記第1制御系から前記第2制御系への切り替えを許可するよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の変速制御装置において、前記第1制御系から前記第2制御系への切り替えを許可する条件として、前記原動機の回転数に対する変速機出力回転数の偏差が設定値以上であることを付加したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
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