JP4110947B2 - 圧力噴霧式石油燃焼機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は圧力噴霧式石油燃焼機の燃焼特性を向上したバーナの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃焼ファンによって燃焼空気が送られる送風筒の中には有底筒形の燃焼筒を配置し、燃焼筒の底板の中央部には燃料噴霧ノズルにのぞませた開口を設け、この底板の開口の周囲には旋回羽根が配置されている。
【0003】
一方燃料噴霧ノズルは燃料ポンプの吐出側に取付けられており、燃料ポンプを運転すると加圧された燃料が燃料噴霧ノズルの噴出口から霧状になって噴出し、旋回羽根のある底板中央の開口から燃焼筒内に送られる。また、底板中央の開口と燃料噴霧ノズルとの間に先端が位置し放電火花を発生する点火電極が一対取付けられており、点火電極の先端間に飛ぶ火花によって霧状燃料に着火する。
【0004】
旋回羽根のある底板中央の開口から前方に送られる霧状燃料に着火して燃焼が開始されると、燃焼途中の霧状燃料の一部は旋回羽根の前面に可燃ガスとなって拡散するから、燃焼ファンによって旋回羽根から燃焼空気が供給されると、炎は旋回羽根に付着してリング状の火種を形成するものであり、燃料噴霧ノズルから噴出する霧状燃料は点火電極の放電を止めても消火せずにそのまま燃焼が継続できる。
【0005】
燃焼筒の側壁には多数の空気孔を設けてあり、送風筒と燃焼筒の間を流れる空気を空気孔から燃焼炎の側部に向けて供給することで、燃焼筒内での燃焼を促進させるものである。
【0006】
ところで、燃焼能力が可変できる圧力噴霧式石油燃焼機で燃焼炎の状態が燃料噴霧ノズルからの吐出圧力によって変化する場合、噴霧の拡がりや燃焼スピードに合わせて燃焼筒内の前部と後部とで異なる直径を持つものがあり、前部筒の直径を後部筒の直径よりも大きくしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このような構造の場合、燃焼能力が大きいほど燃焼筒全体で燃焼が行われ燃焼筒の直径が大きい前部筒付近で燃焼が完了するが、燃焼能力が小さくなるほど燃焼筒の直径が小さい後部筒付近で燃焼が完了する。そして、燃焼能力を絞った時に、外乱要因などによって空気不足燃焼となった場合、後部筒で燃焼は完了されず、燃焼炎は前部筒まで伸び、前部筒の側壁空気孔から供給される燃焼空気はその空気不足燃焼となった燃焼炎を前部筒側壁まで引き寄せながら燃焼炎に寄与することになるが、この空気流によって燃焼炎は火炎温度を低下させるから、前部筒側壁に燃料中の揮発しにくい成分、タール分が堆積することとなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、燃焼ファン1によって燃焼空気が送られる送風筒2内に有底筒状で側壁に空気孔3cを設けた燃焼筒3を配置し、該燃焼筒3は送風筒2の先端部側の前部筒3aの直径を大きく、燃焼筒3の底板4付近の後部筒3bの直径を小さく設定し、直径の異なる前部筒3aと後部筒3bとの間にリング状の段部6を配置するとともに、前記燃焼筒3の底板4中央には燃焼噴霧ノズル5にのぞませた開口4aを設け、この開口4aの周囲の燃焼筒3の底板4には旋回羽根4bを設けた石油燃焼機において、前記燃焼筒3の側壁の空気孔3cは後部筒3bの側壁のみに設け、前記燃焼筒3のリング状の段部6に前向き空気孔6aを配置し、かつ、送風筒2の先端部と前部筒3aの前縁との間には燃焼筒3前方に空気供給するスリット状の空気供給路7を形成し、前記噴霧ノズル5には吐出圧力可変手段8を備えた燃料ポンプ9を接続し、前記吐出圧力可変手段8によって燃焼量が抑制された燃焼炎に前向き空気孔6aから前向き燃焼空気を供給して燃焼筒3の中央で燃焼させることを特徴とする燃焼能力を可変する圧力噴霧式石油燃焼機である。
【0009】
また、前記送風筒2の前縁には内方に向いたリング状の前板2aを設け、かつ燃焼筒3の前縁には前板2aの裏面に向かう外フランジ3dを形成し、該外フランジ3dには、前面側に突出する突起3eを複数箇所に設け、該突起3eが前板2aの内壁に当接することで生じる前板2aと外フランジ3dとの隙間によって前記空気供給路7を形成した構造とすることで、前板2aと外フランジ3dとの隙間を均一に形成し、燃焼筒3にかかる燃焼空気送風圧を全周にわたり均一にすることができた。
【0010】
さらに、前記送風筒2の前縁に設けたリング状の前板2aを斜め前方に向いたテーパー状に形成したことにより、空気供給路7を通って供給される燃焼空気は燃焼ガスや燃焼炎を乱すことなくスムーズに供給されるようになった。
【0011】
【作用】
この発明では、前部筒3aと後部筒3bとの間の段部6に前向き空気孔6aを設け、前部筒3aに空気孔3cを一切設けないから、吐出圧力可変手段8を備えた燃料ポンプ9により燃焼能力が低下した時において、外乱要因などによって空気不足燃焼となった場合でも、燃焼炎を前部筒3aの側壁まで引き寄せることなく、前向き空気孔6aから燃焼空気を供給することで、前部筒3aまで伸びた空気不足燃焼となった燃焼炎は前方に向かいながら前向き空気孔6aからの前向き燃焼空気と混合し、燃焼筒3の中央付近で燃焼が促進されるようになった。
【0012】
【実施例】
実施例を示す図1によってこの構成を説明すると、2は燃焼用空気が送られる送風筒、3は送風筒2内に配置された有底筒形の燃焼筒、3aは燃焼筒3のうち送風筒2の先端側に配置された直径の大きい前部筒、3bは燃焼筒3のうち前部筒3aの一方に配置された直径の小さい後部筒、3cは送風筒2から燃焼空気が供給できるように燃焼筒3の側壁に設けた多数の空気孔、4は有底筒形の燃焼筒3の底面である底板、4aは底板中央の開口、4bは開口4aの周囲に設けた旋回羽根である。
【0013】
1は前記送風筒2内を通り燃焼筒3内に燃焼用空気を供給する燃焼ファンであり、この燃焼ファン1は運転の開始から回転しているので、燃焼空気は開口4aと、旋回羽根4bの間隙と、燃焼筒3の側壁の空気孔3cから燃焼筒3内に送られており、空気孔3cの位置と大きさにより適切に制御されて燃焼筒3内へ供給されるものである。
【0014】
5は前記燃焼筒3の底板4中央の開口4aにのぞませた燃料噴霧ノズル、9は燃料噴霧ノズル5に接続された燃料ポンプであり、燃料ポンプ9を運転すると燃料は燃料ポンプ9の吐出能力に合わせて加圧されて燃料噴霧ノズル5に送られ、開口4aから霧状燃料となって燃焼筒3内に吹込まれる。
【0015】
10は先端が燃料噴霧ノズル5と燃焼筒3の開口4aとの間に位置した放電点火装置であり、この種の圧力噴霧式石油燃焼機において、図示せざる運転スイッチが操作されると燃焼ファン1が回転を始め、次に放電点火装置10が作動して先端の電極から放電火花を発生し、その後、燃料ポンプ9が作動すると燃料噴霧ノズル5から霧状燃料が噴出するので、この霧状燃料は放電火花によって着火し、火炎が燃焼筒3内に吹込まれる。
【0016】
一方、旋回羽根4bから送られる空気は旋回羽根4bによって斜め方向に吹出されて、燃焼筒3内を回転する空気流を形成している。そして、開口4aから燃焼筒3に吹込まれる着火した霧状燃料の一部は、燃焼熱によって気化し、可燃ガス化して旋回羽根4bの前方に拡散しており、この可燃ガスは旋回羽根4bの間隙から吹出す空気によって燃焼し、旋回羽根4bに付着したリング状の炎を形成している。この為、着火が確認できてから放電点火装置10を停止しても、旋回羽根4bの前面のリング状の火種によって燃焼炎が途切れることなく維持できるものである。
【0017】
また、燃焼筒3内の燃焼炎は旋回羽根4bから吹出す空気流によって方向付けられて回転流を作りながら前方へ吹出しており、燃焼筒3の側壁の空気孔3cからは燃焼炎の側部に向けて空気を供給しているから、燃焼炎は燃焼筒3内で渦巻状に回転しながら前方へ向かって燃焼を促進している。
【0018】
8は燃料ポンプ9によって燃料噴霧ノズル5から噴出する燃料流量を可変する吐出圧力可変手段であり、該吐出圧力可変手段8によって燃料ポンプ9の吐出流量が大きくなって、燃焼能力が大きいほど前部筒3aと後部筒3bの燃焼筒3全体で燃焼が行われ、直径が大きい前部筒3a付近で燃焼が完了する。また、燃料ポンプ9の吐出流量を絞って燃焼能力が小さくなるほど直径が小さい後部筒3b付近で燃焼は完了され、すなわち直径が大きい前部筒3aの側壁空気孔3cから供給される燃焼空気はそのほとんどは燃焼に寄与しないようにすることで、圧力噴霧式石油燃焼機でも燃焼量を可変した燃焼ができるようになっている。
【0019】
前記吐出圧力可変手段8の実施例を示す図2において、8aは噴霧圧力を作り出す燃料ポンプ9の吸入側に接続する吐出量可変ポンプ、8bは燃料噴霧ノズル5と燃料ポンプ9の吸入側とを接続するリターンパイプ、8cはリターンパイプ8bに取付けた電磁弁、8dはリターンパイプ8bに取付けて燃料ポンプ9の吸入側への流れを許す逆止弁であり、前記吐出量可変ポンプ8は燃料噴霧ノズル5から噴出する燃料流量を制御しており、燃料ポンプ9は噴霧する流量が少なくとも燃料噴霧ノズル5から正常に噴霧が得られるように燃料圧力を高めている。
【0020】
該燃料ポンプ9が噴霧に適する圧力を作り出すためには一定の流量が必要であるから、吐出量可変ポンプ8aによって流量が抑制された時でも、逆止弁8dを介してリターンパイプ8bから燃料を吸入側に戻すことによって、燃料ポンプ9を通過する流量を確保して圧力を高め、燃料噴霧ノズル5から吐出量可変ポンプ8aで制御された燃料流量を噴霧することができる。
【0021】
また、前記吐出圧力可変手段8の他の実施例として、マイクロコンピュータなどによる燃料ポンプ9の駆動制御装置によって実現することができる。一般に吐出流量を変化する燃料ポンプ9の制御装置では駆動周波数を変化させるだけであるから、その吐出圧力を噴霧に適するほど高圧にすることができないが、図3に示すようにパルス駆動される燃料ポンプ9に対して、この通電幅を変化させることで噴霧流量を変化させることができる。
【0022】
即ち、燃料ポンプ9を駆動する周波数とその時の通電幅を設定することで燃焼能力の小さな時の噴霧状態を得ることができ、更に、この通電幅を大とすることで噴霧する燃料流量が多くなり、また、駆動周波数を高くして噴霧圧力の適正化を図ることもできるので、吐出圧力可変手段8がマイクロコンピュータを使うポンプ制御装置によっても実現できる。
【0023】
そして、この吐出圧力可変手段8において、このように通電幅を狭くしてパルス駆動周波数を下げた燃焼能力が小さい時は、燃料ポンプ9の吐出圧力が噴霧限界圧力に近づくために燃料噴霧ノズル5から噴出する霧状燃料の噴霧粒径は大きく、霧状燃料の気化スピードは遅くなって、燃焼炎が前部筒3aまで届き、燃焼熱が霧状燃料の気化に使われて火炎温度は低下しており、より空気不足の影響を受けやすくなる。
【0024】
前記吐出圧力可変手段8によって燃焼能力を小さくして燃焼炎が後部筒3b付近で完了するときに、外乱要因などで空気不足燃焼となった場合、直径が小さい後部筒3bでは燃焼が完了されずに燃焼炎は直径が大きい前部筒3aまで伸び、この時は前部筒3a側壁の空気孔から供給される燃焼空気が燃焼炎に供給されることになるが、燃焼炎は前部筒3aの空気孔に近づいて燃焼を行うので、低温の前部筒3aで冷やされて火炎温度が低くなり、前部筒3a側壁に燃料中の揮発しにくい成分であるタール分などが堆積しやすくなる。
【0025】
また、一度タール分が前部筒3a側壁に堆積すると、着火時および消火時に燃料噴霧ノズル5から噴出された霧状燃料のうち未燃分がそのタール分に吸収され、気化されずにタール化されることを繰返し、タール分がどんどん堆積する悪循環となり、ついには燃焼空気を供給する空気孔3cを塞いだり、また、堆積したタール分が剥がれて細かい煤が排出されて、周囲を煤で汚すという恐れがある。
【0026】
この発明は上記の課題を解決するもので、6は燃焼筒3である直径の異なる前部筒3aと後部筒3bとの間のリング状の段部、6aは段部6に前向きに配置した前向き空気孔であり、前記燃焼筒3の側壁の空気孔3cは直径が小さい後部筒3bの側壁のみに設け、すなわち、直径が大きい前部筒3aの側壁には空気孔3cを一切設けていない燃焼筒3の構造である。
【0027】
前記吐出圧力可変手段8によって燃焼量を抑制した燃焼において、上記の構造によれば空気不足となった燃焼炎が直径の大きい前部筒3aまで伸びた時でも、前部筒3aに設けた多数の空気孔に代って、前部筒3aと後部筒3bとの間のリング状の段部6に複数個配置した前向き空気孔6aから燃焼空気を供給できるようになり、前部筒3aまで伸びた空気不足燃焼となった燃焼炎は前方に向かいながら前向き空気孔6aからの前向き燃焼空気と混合し、燃焼筒3の中央付近で燃焼が促進されるため、空気不足燃焼となった場合でも燃焼筒3全体を使って完全燃焼に近づくことができ、燃焼筒3の内面にタールの付着をなくすことができた。
【0028】
このように、タール分の堆積が無くなったことで、着火時および消火時の燃料噴霧ノズル5から噴出された未燃分の霧状燃料はタール分に吸収されることがなくなり、長期間の使用にわたる着火消火の繰り返しによるタール分の堆積という悪循環が防止できた。また、タール分の堆積による燃焼状態への悪影響はなく、また、堆積したタール分が剥がれることにより周囲を煤で汚すことのない圧力噴霧式石油燃焼機を提供することができるようになった。
【0029】
ところで、吐出圧力可変手段8が燃焼能力を大にセットした状態では燃焼筒3の空気孔3cから供給される空気で完全燃焼できるはずであるが、燃焼能力を小にセットした時と同様に、外乱の要因によって空気不足燃焼になることがある。7は送風筒2の先端部と前部筒3aの前縁との間で形成される空気供給路であり、空気不足燃焼のまま燃焼筒3の前方に延びる燃焼炎に対して、この空気供給路7から送風筒2内の空気を供給することで、空気不足燃焼が解消されて完全燃焼するようになり、燃焼排気ガス中に煤が混じることを防ぐことができるという効果が得られる。
【0030】
しかし、段部6に前向き空気孔6aを設け、前部筒3aの側壁に空気孔をなくす構造と、前記空気供給路7を設ける構造を組み合わせたときには、段部6によって後部筒3bの空気孔3cも段部6の前向きの空気孔6aも、共に送風筒2の先端に向かう空気の流れの影響を受けやすくなる。そして、この空気供給路7が均一に形成されていないと、空気供給路7の部分的に隙間が大きい箇所から燃焼空気が比較的多量に燃焼筒3の前方に供給されることになる。このため、燃焼筒3の側壁の空気孔3cから供給される燃焼空気の送風圧が部分的に弱くなる箇所が存在し、その弱くなった部分の燃焼炎が部分的に空気不足燃焼となり、燃焼能力を小にした時には前部筒3aまで燃焼炎が部分的に伸びるという問題点があった。
【0031】
このように前部筒3aまで部分的に伸びる燃焼炎については、燃焼筒3内で供給される燃焼空気だけでは燃焼を補完しづらく、更に外乱要因などによって空気不足燃焼となって伸びる燃焼炎は燃焼筒3の前方の熱交換器まで届き、共鳴音の発生や燃焼スモークを発生させるトラブルを起こしていた。
【0032】
図4に示すこの発明の他の実施例において、2aは送風筒2の前縁に内方に向いたリング状の前板、3dは燃焼筒3の前縁に設けた前板2aの裏面に向かう外フランジ、3eは外フランジ3dの前面側からリング状の前板2aに向けて突出する複数の突起であり、前記空気供給路7は突起3eが前板2aの内壁に当接することで生じる前板2aと外フランジ3dとの隙間によって、全周にわたり均一に形成している。
【0033】
このように空気供給路7は全周にわたり均一に形成したから、燃焼筒3と送風筒2との間の取付けに多少の誤差が生じても部分的に通過空気量が変動せず、後部筒3bの側壁の空気孔3cや段部6の前向き空気孔6aから燃焼空気を燃焼筒3内に供給する送風圧が安定し、燃焼空気は全周にわたり均一に供給されることとなり、部分的な空気不足燃焼による部分的な燃焼炎の伸びを防止することができた。
【0034】
図5に示すこの発明の他の実施例では、燃焼筒3の前縁の外フランジ3dと送風筒2の前縁の前板2aとの間隔は突起3eによって均一に維持したまま、リング状の前記前板2aをテーパー状に形成して斜め前方に向くように形成したものである。
【0035】
このような前板2a形状とすることにより、空気供給路7を通って供給される燃焼空気は前板2aに沿って斜め前方に吹出すから、空気供給路7から供給される燃焼空気が燃焼炎の流れに対して横から直角に吹出される時のように、燃焼ガスや燃焼炎の流れを妨げることはなく、空気供給路7から供給される燃焼空気は燃焼能力が大きいときでも燃焼ガスや燃焼炎を乱すことなくスムーズに送られて、噴霧燃料が完全燃焼し易くなるとともに、着火遅れが起こらず着火性能が向上し、燃焼音を低減することできた。
【0036】
【発明の効果】
上記のようにこの発明では、送風筒2の内部に配置した燃焼筒3は直径の異なる前部筒3aと後部筒3bとで構成し、燃焼筒3の空気孔3cは後部筒3bだけにあけ、また、前部筒3aと後部筒3bとの間の段部6に前向き空気孔6aを配置したから、吐出圧力可変手段8によって燃焼量が抑制された状態で外乱要因などによって空気不足燃焼が発生しても、燃焼筒3全体を使って完全燃焼に近づけることができた。また、煤やタールが前部筒3aの側壁に堆積しないから、従来のように燃焼筒3内に堆積したタール分が剥がれることにより周囲を煤で汚すことのない圧力噴霧式石油燃焼機を提供することができるようになった。
【0037】
また、送風筒2前縁にはリング状の前板2aを、また、燃焼筒3前縁には前板2aの裏面に向かう外フランジ3dを形成し、外フランジ3dには前板2aに向けて突起3eを形成し、この前板2aと外フランジ3dとの間に均一な隙間を作って空気供給路7としたから、送風筒2内の送風圧が全周にわたり均一になって空気不足燃焼による部分的な燃焼炎の伸びは防止できた。そして、更に外乱要因などによって空気不足燃焼が起きた場合でも、安定した燃焼状態を維持することができるようになった。
【0038】
また、送風筒2の前縁に形成した前板2aをテーパー状に形成すると、空気供給路7を通って燃焼筒3の前方に供給される燃焼空気は、前板2aに沿って斜め前方に吹出されるようになった。このため、部分的な空気不足燃焼による部分的な燃焼炎の伸びがなくなり、かつ、空気供給路7からの燃焼空気は燃焼ガスや燃焼炎を乱すことなくスムーズに供給されるようになり、着火性能が向上し、さらに燃焼音が低減した圧力噴霧式石油燃焼機を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す圧力噴霧式石油燃焼機の要部断面図である。
【図2】吐出圧力可変手段の実施例を示す説明図である。
【図3】吐出圧力可変手段の他の実施例における動作状態を示す説明図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す圧力噴霧式石油燃焼機の要部断面図である。
【図5】この発明の他の実施例を示す圧力噴霧式石油燃焼機の要部断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼ファン
2 送風筒
2a 前板
3 燃焼筒
3a 前部筒
3b 後部筒
3c 空気孔
3d 外フランジ
3e 突起
4 底板
4a 開口
4b 旋回羽根
5 燃料噴霧ノズル
6 段部
6a 前向き空気孔
7 空気供給路
8 吐出圧力可変手段
9 燃料ポンプ
Claims (3)
- 燃焼ファン1によって燃焼空気が送られる送風筒2内に有底筒状で側壁に空気孔3cを設けた燃焼筒3を配置し、
該燃焼筒3は送風筒2の先端部側の前部筒3aの直径を大きく、燃焼筒3の底板4付近の後部筒3bの直径を小さく設定し、直径の異なる前部筒3aと後部筒3bとの間にリング状の段部6を配置するとともに、
前記燃焼筒3の底板4中央には燃焼噴霧ノズル5にのぞませた開口4aを設け、この開口4aの周囲の燃焼筒3の底板4には旋回羽根4bを設けた石油燃焼機において、
前記燃焼筒3の側壁の空気孔3cは後部筒3bの側壁のみに設け、前記燃焼筒3のリング状の段部6に前向き空気孔6aを配置し、
かつ、送風筒2の先端部と前部筒3aの前縁との間には燃焼筒3前方に空気供給するスリット状の空気供給路7を形成し、
前記噴霧ノズル5には吐出圧力可変手段8を備えた燃料ポンプ9を接続し、
前記吐出圧力可変手段8によって燃焼量が抑制された燃焼炎に前向き空気孔6aから前向き燃焼空気を供給して燃焼筒3の中央で燃焼させることを特徴とする燃焼能力を可変する圧力噴霧式石油燃焼機。 - 前記送風筒2の前縁には内方に向いたリング状の前板2aを設け、
かつ、燃焼筒3の前縁には前板2aの裏面に向かう外フランジ3dを形成し、
該外フランジ3dには前面側に突出する突起3eを複数箇所に設け、
該突起3eが前板2aの内壁に当接することで生じる前板2aと外フランジ3dとの間隙によって、前記空気供給路7を形成した請求項1に記載の圧力噴霧式石油燃焼機。 - 前記送風筒2の前縁に設けたリング状の前板2aを斜め前方に向いたテーパー状に形成したことを特徴とする請求項2に記載の圧力噴霧式石油燃焼機。
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