JP4110802B2 - ヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ、該アクチュエータを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えたディスク装置 - Google Patents

ヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ、該アクチュエータを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えたディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッド素子又は光ヘッド素子等のヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ、このアクチュエータを備えたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)及びこのHGAを備えたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置では、HGAのサスペンションの先端部に取り付けられた磁気ヘッドスライダを、回転する磁気ディスクの表面から浮上させ、その状態で、この磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子により磁気ディスクへの記録及び/又は磁気ディスクからの再生が行われる。
【0003】
近年、磁気ディスク装置の大容量化及び高密度記録化に伴い、ディスク半径方向(トラック幅方向)の密度の高密度化が進んできており、従来のごときボイスコイルモータ(以下VCMと称する)のみによる制御では、磁気ヘッドの位置を正確に合わせることが難しくなってきている。
【0004】
磁気ヘッドの精密位置決めを実現する手段の一つとして提案されているのが、従来のVCMよりさらに磁気ヘッドスライダ側にもう1つのアクチュエータ機構を搭載し、VCMで追従しきれない微細な精密位置決めを、そのアクチュエータによって行う技術である(例えば、特開平6−259905号公報、特開平6−309822号公報、特開平8−180623号公報参照)。
【0005】
この種のアクチュエータとして、ロードビーム型アクチュエータ、ピギーバック型アクチュエータ等の種々の構造のものが存在する。
【0006】
ロードビーム型アクチュエータは、サスペンションのロードビーム上に2つのPZTを搭載し、これらPZTを互いに補助し合うように駆動してロードビームを変位させ磁気ヘッドスライダを微小変位させるものである。
【0007】
一方、ピギーバック型アクチュエータは、サスペンションに固定される一方の端部と、磁気ヘッドスライダに固定される他方の端部と、これら端部を連結するピラー状の変位発生部とをPZTによりI字形状に一体形成してなるものであり、PZTを駆動することによって磁気ヘッドスライダを直接的に微小変位させる。このピギーバック型アクチュエータはサスペンション上にアクチュエータと磁気ヘッドスライダとが階段状に取り付けられる。即ち、サスペンションと磁気ヘッドスライダとの間にアクチュエータが挟まれた積上げ式のカンチレバー(片持ちはり)構造となっている。
【0008】
上述した従来の微小精密位置決め用アクチュエータは、
(1)機械的共振が、比較的低い周波数で発生する、
(2)アクチュエータ全体がもろい材質のPZT等の圧電部材で構成されているので耐衝撃性が非常に低い、特にピギーバック型アクチュエータは、磁気ヘッドスライダと階段状に積上げたカンチレバー構造となるため、モーメントで衝撃が働き耐衝撃性が著しく低い、
(3)磁気ヘッドスライダの寸法によって、微小位置決め動作時のストロークが変わってしまい、十分なストロークを得られない場合がある、
(4)HGAへの組み立て時の取り扱いが非常に困難である、
(5)特にピギーバック型アクチュエータを用いてHGAを構成すると、積上げた構造であるため、磁気ヘッドスライダ部分のHGAの厚みがアクチュエータの分だけ増大する、
(6)ピギーバック型アクチュエータを用いてHGAを構成する場合、立体的で複雑な取り付け構造を有しているため、組み立て時の取り扱いが非常に困難であり、従来のHGA組み立て装置を適用できず、生産性が非常に悪い、
(7)ピギーバック型アクチュエータを用いてHGAを構成する場合、アクチュエータの動きを阻害しないために、磁気ヘッドスライダ及びアクチュエータ間、並びにアクチュエータ及びサスペンション間に間隙を置いて組み立てる必要があるが、このような間隙を設けることは、耐衝撃性をさらに悪化させるのみならず、組み立てにあたって間隙を一定としなければならないので、組み立て精度が低下する。特に、サスペンション、アクチュエータ及び磁気ヘッドスライダの平行度が正確に保つことが難しいので、ヘッド特性が悪化する、
等の種々の問題点を有している。
【0009】
このような問題点を解消するため、本願出願人は、金属板による1対の可動アーム間に磁気ヘッドスライダを挟設固定するように構成したアクチュエータを提案している(特願2000−332255)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このアクチュエータは、全体を可撓性を有する金属板で構成しているため、可動アームの根元にある固定部の剛性が低く、PZTで発生した力が可動アームの先端部に効率良く伝わらないので充分なストロークを得ることができないという問題及び共振特性が良好ではないという問題を有している。
【0011】
従って本発明は、従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、製造が容易でありかつ充分なストロークを確保することができるヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ、このアクチュエータを備えたHGA及びこのHGAを備えたディスク装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、製造が容易でありかつ良好な共振特性を得ることができるヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ、このアクチュエータを備えたHGA及びこのHGAを備えたディスク装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも1つのヘッド素子を有するヘッドスライダと支持機構とに固着されることによりヘッド素子の微小位置決めを行うためのアクチュエータであって、支持機構に固定される基部と、この基部から突出しており、それらの間にもうけたヘッドスライダを駆動信号に従って変位させるための1対の可動アーム部とを備えており、可動アーム部の主要部及び基部が可撓性を有する1枚の金属板から構成されており、基部が凹状の断面を有しており、この凹状の基部内部全体に剛性を増大するためのブロックが空間無しに充填されているヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータが提供される。
【0014】
可動アーム部の主要部及び基部が可撓性を有する1枚の金属板で形成されているため、製造が容易となりかつ強度が高いアクチュエータが得られる。しかも、アクチュエータ全体の軽量化を図ることができ、耐衝撃性向上を図ることができる。特に、凹状の基部内部全体に剛性を増大するためのブロックが空間無しに充填されているので、アクチュエータを金属板で構成した場合にも、基部の部分の剛性を大幅に高めることができるから、共振特性を大幅に向上させることができる。また、アクチュエータ固定部である基部の剛性が増大するので、圧電素子が発生した力を可動アーム部の先端に効率良く伝えることが可能となるので、変位特性が向上し、充分なストロークを得ることができる。
【0015】
さらに、強度の高い金属板を用いることから、HGAへの組み立て時の取り扱いが非常に容易になる。また、金属板を用いれば、その形状や寸法等で設計上の自由度が向上する。しかも、高精度に加工できる金属板を用いることによって、アクチュエータ自体の寸法精度を大幅に高めることが可能となる。
【0016】
また、駆動信号に従って板平面と交差する方向に変位する1対の可動アーム部間にヘッドスライダを挟設するように構成しているため、アクチュエータを設けてもこの部分でHGAの厚みが増大するような不都合が生じない。このため、アクチュエータ装着による磁気ディスク装置の寸法変更等は不要となる。また、アクチュエータ及びヘッドスライダがカンチレバー構造とはならないため、その意味からも耐衝撃性が大幅に向上する。しかも、可動アーム部間にヘッドスライダを挟設する構造としているため、変位を実際に与える可動アーム部の先端部がヘッドスライダの先端まで伸ばせることとなる。このため、ヘッドスライダの寸法が変った場合にも微小位置決め動作時に同じ大きさのストロークを提供できるから必要十分なストロークを得ることができる。
【0018】
可動アーム部及び基部が、可撓性を有する1枚の形状加工された金属板を折り曲げてなる構造を有していることが好ましい。
【0019】
ブロックが、エポキシ系接着剤又は樹脂によるブロックからなるか、又は金属材料によるブロックを含んでいることが好ましい。
【0024】
可動アーム部の先端部にヘッドスライダの側面が固着されるスライダ固着部を有することも好ましい。この場合、スライダ固着部が、金属板を内側に折り曲げた構造を有していることが好ましい。
【0025】
可動アーム部の先端部を互いに連結する連結部がもうけられており、この連結部にヘッドスライダが固着されるように構成されていることも好ましい。
【0026】
可動アーム部が、可撓性を有する金属板によるアーム部材と、アーム部材の面上に積層又は接着された圧電素子とを備えていることも好ましい。
【0027】
以上述べたヘッド素子が薄膜磁気ヘッド素子であることも好ましい。
【0028】
本発明によれば、さらに、上述した微小位置決め用アクチュエータと、アクチュエータの1対の可動アーム部間に挟設されたヘッドスライダと、アクチュエータに固着された支持機構とを備えたHGAが提供される。
【0029】
本発明によれば、さらにまた、以上述べた少なくとも1つのHGAを備えたディスク装置が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態として、磁気ディスク装置の要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図2はヘッドジンバルアセンブリ(HGA)全体を表す斜視図であり、図3及び図4は本実施形態におけるHGAの先端部を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【0031】
図1において、10は軸11の回りを回転する複数の磁気ディスク、12は磁気ヘッドスライダをトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置をそれぞれ示している。アセンブリキャリッジ装置12は、軸13を中心にして角揺動可能なキャリッジ14と、このキャリッジ14を角揺動駆動する例えばボイスコイルモータ(VCM)からなる主アクチュエータ15とから主として構成されている。
【0032】
キャリッジ14には、軸13の方向にスタックされた複数の駆動アーム16の基部が取り付けられており、各駆動アーム16の先端部にはHGA17が固着されている。各HGA17は、その先端部に設けられている磁気ヘッドスライダが、各磁気ディスク10の表面に対して対向するように駆動アーム16の先端部に設けられている。
【0033】
図2〜図4に示すように、HGAは、サスペンション20の先端部に、磁気ヘッド素子21aを有する磁気ヘッドスライダ21の側面を挟持している精密位置決めを行うためのアクチュエータ22を固着して構成される。
【0034】
図1に示す主アクチュエータ15はHGA17を取り付けた駆動アーム16を変位させてアセンブリ全体を動かすために設けられており、アクチュエータ22はそのような主アクチュエータ15では駆動できない微細な変位を可能にするために設けられている。なお、アクチュエータ22の固定部、即ち基部内には、後述するように補強部材33がもうけられている。
【0035】
サスペンション20は、図2〜図4に示すように、第1及び第2のロードビーム23及び24と、これら第1及び第2のロードビーム23及び24を互いに連結する弾性を有するヒンジ25と、第2のロードビーム24及びヒンジ25上に固着支持された弾性を有するフレクシャ26と、第1のロードビーム23の取り付け部23aに設けられた円形のベースプレート27とから主として構成されている。
【0036】
フレクシャ26は、第2のロードビーム24に設けられたディンプル(図示なし)に押圧される適切なスティフネスを有する舌部26aを一方の端部に有しており、この舌部26a上には、ポリイミド等による絶縁層26bを介してアクチュエータ22の基部が固着されている。このフレクシャ26は、この舌部26aでアクチュエータ22を介して磁気ヘッドスライダ21を柔軟に支えるような弾性を持っている。フレクシャ26は、本実施形態では、厚さ約20μmのステンレス鋼板(例えばSUS304TA)によって構成されている。なお、フレクシャ26と第2のロードビーム24及びヒンジ25との固着は、複数の溶接点によるピンポイント固着によってなされている。
【0037】
ヒンジ25は、第2のロードビーム24にアクチュエータ22を介してスライダ21を磁気ディスク方向に押えつける力を与えるための弾性を有している。このヒンジ25は、本実施形態では、厚さ約40μmのステンレス鋼板によって構成されている。
【0038】
第1のロードビーム23は、本実施形態では、約100μm厚のステンレス鋼板で構成されており、ヒンジ25をその全面に渡って支持している。ただし、ロードビーム23とヒンジ25との固着は、複数の溶接点によるピンポイント固着によってなされている。また、第2のロードビーム24も、本実施形態では、約100μm厚のステンレス鋼板で構成されており、ヒンジ25にその端部において固着されている。ただし、ロードビーム24とヒンジ25との固着も、複数の溶接点によるピンポイント固着によってなされている。なお、この第2のロードビーム24の先端には、非動作時にHGAを磁気ディスク表面から離しておくためのリフトタブ24aが設けられている。
【0039】
ベースプレート27は、本実施形態では、約150μm厚のステンレス鋼又は鉄で構成されており、第1のロードビーム23の基部の取り付け部23aに溶接によって固着されている。このベースプレート27が駆動アーム16(図1)に取り付けられる。
【0040】
フレクシャ26上には、積層薄膜パターンによる複数のリード導体を含む可撓性の配線部材28が形成又は載置されている。配線部材28は、フレクシブルプリント回路(Flexible Print Circuit、FPC)のごとく金属薄板上にプリント基板を作成するのと同じ公知のパターニング方法で形成されている。この配線部材28は、例えば、厚さ約5μmのポリイミド等の樹脂材料による第1の絶縁性材料層、パターン化された厚さ約4μmのCu層(リード導体層)及び厚さ約5μmのポリイミド等の樹脂材料による第2の絶縁性材料層をこの順序でフレクシャ26側から順次積層することによって形成される。ただし、磁気ヘッド素子、アクチュエータ及び外部回路と接続するための接続パッドの部分は、Cu層上にAu層が積層形成されており、その上に絶縁性材料層は形成されていない。
【0041】
本実施形態においてこの配線部材28は、磁気ヘッド素子に接続される片側2本、両側で計4本のリード導体を含む第1の配線部材28aと、アクチュエータ22に接続される片側1本、両側で計2本のリード導体を含む第2の配線部材28bとから構成されている。
【0042】
第1の配線部材28aのリード導体の一端は、フレクシャ26の先端部において、このフレクシャ26から切り離されており自由運動できる分離部26c上に設けられた磁気ヘッド素子用接続パッド29に接続されている。接続パッド29は、磁気ヘッドスライダ21の端子電極21bに金ボンディング、ワイヤボンディング又はステッチボンディング等により接続されている。第1の配線部材28aのリード導体の他端は外部回路と接続するための外部回路用接続パッド30に接続されている。
【0043】
第2の配線部材28bのリード導体の一端は、フレクシャ26の舌部26aの絶縁層26b上に形成されたアクチュエータ用接続パッド31に接続されており、この接続パッド31はアクチュエータ22の基部に設けられたAチャネル信号端子電極22a及び図示しないBチャネル信号端子電極にそれぞれ接続されている。第2の配線部材28bのリード導体の他端は外部回路と接続するための外部回路用接続パッド30に接続されている。
【0044】
本発明のHGAにおけるサスペンションの構造は、以上述べた構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
【0045】
図5は本実施形態におけるアクチュエータに磁気ヘッドスライダを取付けた構造を示す斜視図であり、図6はこのアクチュエータの補強部材の部分を示す側面図、図7はこのアクチュエータの圧電素子部分の構造を示す断面図である。なお、図5は、図2〜図4におけるアクチュエータを裏返した状態で示しており、その基部の上側の面がサスペンションに固着される側の面となる。
【0046】
図5及び図6に示すように、本実施形態におけるアクチュエータ22の主要部は、1枚の金属板をコ字状に切り抜いたものを立体的に折り曲げて形成されている。即ち、コ字状に切り出した個々のアクチュエータ板部材を、図にて上側の面がサスペンションへの固定面となる平板状の基部50の両側端で略垂直に折り曲げ、これにより、基部50に対して略垂直を保った状態で、1対の可動アーム部51及び52がこの基部50から前方に伸びるようになされている。これら可動アーム部51及び52は、磁気ヘッドスライダ21の側面に平行となるような形状となっている。
【0047】
本実施形態では、U字状の断面を有する基部50内に、補強部材33として、エポキシ系接着剤又は樹脂によるブロック55が隙間なく中実に充填されている。これにより、アクチュエータを金属板で構成した場合にも、この基部50の部分の剛性を大幅に高めることができるから、共振特性を大幅に向上させることができる。また、固定部である基部50の剛性が増大するので、圧電素子が発生した力を可動アーム部51及び52の先端に効率良く伝えることが可能となるので、変位特性が向上し、充分なストロークを得ることができる。
【0048】
可動アーム部51及び52の先端部は、内側に(磁気ヘッドスライダ21方向に)クランク状に折り曲げられて磁気ヘッドスライダ21の側面に固着されるスライダ固着部53及び54をそれぞれ形成している。スライダ固着部53及び54間の間隔は、挟設すべき磁気ヘッドスライダの幅よりやや小さくなるように設定されている。アクチュエータ22の高さは、アクチュエータ実装によりHGAの高さ(厚さ)を増大させないように、挟設すべき磁気ヘッドスライダの厚さ以下に設定されている。逆にいえば、アクチュエータ22の高さを挟設すべき磁気ヘッドスライダの厚さまで大きくすることによって、HGAの厚さを増大させることなくアクチュエータ自体の強度を上げることができる。
【0049】
スライダ固着部53及び54は、磁気ヘッドスライダ21方向に折り曲げられて突出しており、これによって、この部分のみが磁気ヘッドスライダ21の側面と固着され、磁気ヘッドスライダ側面と可動アーム部51及び52との間の残りの部分が空隙となるようになされている。
【0050】
可動アーム部51及び52は、それぞれ、アーム部材51a及び52aとこれらアーム部材51a及び52aの側面に形成された圧電素子51b及び52bとから構成されている。
【0051】
基部50並びにアーム部材51a及び52aは、弾性を有する1枚の金属板、例えばステンレス鋼板、を折り曲げて一体的に形成されている。このように、アクチュエータの主要部を金属板とすることにより、アクチュエータが軽量化されかつアクチュエータ自体の耐衝撃性が大幅に向上する。金属板としては、ステンレス鋼板等の合金鋼ばねの他に、炭素鋼ばねや、銅チタン板、リン青銅板又はベリリウム銅板等の銅合金ばねや、チタン板等、弾性を有する板ばね部材が用いられる。なお、圧電素子を印刷及び焼成によって形成する場合には、耐熱性の高い板部材を用いることが望ましい。
【0052】
圧電素子51b及び52bの各々は、図7に示すように、逆圧電効果又は電歪効果により伸縮する圧電・電歪材料層70と信号電極層71とグランド電極層72とが交互に積層された多層構造となっている。信号電極層71は図3及び図4に示すAチャネル信号端子電極22a又は図示しないBチャネル信号端子電極に接続されており、グランド電極層72はグランド端子に接続されている。
【0053】
圧電・電歪材料層70がPZT等のいわゆる圧電材料から構成されており、通常、変位性能向上のための分極処理が施されている。この分極処理による分極方向は、圧電素子の積層方向である。電極層に電圧を印加したときの電界の向きが分極方向と一致する場合、両電極間の圧電・電歪材料層はその厚さ方向に伸長(圧電縦効果)し、その面内方向では収縮(圧電横効果)する。一方、電界の向きが分極方向と逆である場合、圧電・電歪材料層はその厚さ方向に収縮(圧電縦効果)し、その面内方向では伸長(圧電横効果)する。
【0054】
圧電素子51b及び52bに、収縮又は伸長を生じさせる電圧を印加すると、各圧電素子部分がその都度収縮又は伸長し、これによって可動アーム部51及び52の各々は、S字状に撓みその先端部が横方向に直線的に揺動する。その結果、磁気ヘッドスライダ21も同様に横方向に直線的に揺動する。このように、角揺動ではなく、直線揺動であるため、磁気ヘッド素子のより精度の高い位置決めが可能となる。
【0055】
両圧電素子に、互いに逆の変位が生じるような電圧を同時に印加してもよい。即ち、一方の圧電素子と他方の圧電素子とに、一方が伸長したとき他方が収縮し、一方が収縮したとき他方が伸長するような交番電圧を同時に印加してもよい。このときの可動アーム部の揺動は、電圧無印加時の位置を中央とするものとなる。この場合、駆動電圧を同じとしたときの揺動の振幅は、電圧を交互に印加する場合の約2倍となる。ただし、この場合、揺動の一方の側では圧電素子を伸長させることになり、このときの駆動電圧は分極の向きと逆となる。このため、印加電圧が高い場合や継続的に電圧印加を行う場合には、圧電・電歪材料の分極が減衰するおそれがある。従って、分極と同じ向きに一定の直流バイアス電圧を加えておき、このバイアス電圧に上述の交番電圧を重畳したものを駆動電圧とすることにより、駆動電圧の向きが分極の向きと逆になることがないようにする。この場合の揺動は、バイアス電圧だけを印加したときの位置を中央とするものとなる。
【0056】
なお、圧電・電歪材料とは、逆圧電効果または電歪効果により伸縮する材料を意味する。圧電・電歪材料は、上述したようなアクチュエータの変位発生部に適用可能な材料であれば何であってもよいが、剛性が高いことから、通常、PZT[Pb(Zr,Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr,Ti)O]、チタン酸バリウム(BaTiO)等のセラミックス圧電・電歪材料が好ましい。
【0057】
圧電素子の各々を圧電・電歪材料層と信号電極層とグランド電極層との単層構造とすることも可能である。
【0058】
このように、本実施形態におけるアクチュエータ22は、可動アーム部51及び52の主要部並びに基部50が金属板で形成されているため、アクチュエータ全体の軽量化を図ることができ、その結果、機械的振動周波数を高めることができる。特に、基部50内に、補強部材として、エポキシ系接着剤又は樹脂によるブロック55が隙間なく中実に充填されているので、アクチュエータの主要部を金属板で構成した場合にも、この基部50の部分の剛性を大幅に高めることができるから、共振特性を大幅に向上させることができる。また、固定部である基部50の剛性が増大するので、圧電素子が発生した力を可動アーム部51及び52の先端に効率良く伝えることが可能となるので、変位特性が向上し、充分なストロークを得ることができる。
【0059】
また、強度があり軽量である金属板を基材として用いることにより、特に衝撃に弱い可動アーム部51及び52の耐衝撃性を大幅に向上させることができる。しかも、強度の高い金属板を用いることから、HGAへの組み立て時の取り扱いが非常に容易になる。
【0060】
さらに、金属板を用いれば、その形状や寸法等で設計上の自由度が向上するので、充分なストロークを確保することが可能となる。また、アクチュエータ形状や寸法等の設計上の自由度が増すことによって、アクチュエータ22の中心位置に磁気ヘッドスライダ21の中心及び荷重点(ディンプル位置)を合わせることが可能となり、その結果、磁気ヘッドスライダ21の浮上特性が著しく安定化する。
【0061】
しかも、高精度に加工できる金属板を用いることによって、アクチュエータ22自体の寸法精度を大幅に高めることが可能となる。
【0062】
さらに、可動アーム部51及び52間に磁気ヘッドスライダ21の側面を挟み込むように構成しているため、アクチュエータ22を設けてもその部分でHGAの厚みが増大しない。このため、アクチュエータ装着による磁気ディスク装置の寸法変更等は不要となる。
【0063】
また、アクチュエータ22及び磁気ヘッドスライダ21の複合体がカンチレバー構造とはなっていないため、耐衝撃性が大幅に向上する。
【0064】
しかも、可動アーム部51及び52間に磁気ヘッドスライダ21を挟設する構造としているため、変位を実際に与える可動アーム部51及び52の先端部が磁気ヘッドスライダ21の先端まで伸ばせることとなる。このため、磁気ヘッドスライダ21の寸法が変った場合にも微小位置決め動作時に同じ大きさのストロークを提供できるから必要十分なストロークを得ることができる。
【0065】
図8は、本発明の他の実施形態におけるアクチュエータに磁気ヘッドスライダを取付けた構造を示す斜視図である。
【0066】
同図に示すように、本実施形態におけるアクチュエータ22の主要部は、1枚の金属板部材を梯子形状に切り抜いたものを立体的に折り曲げて形成されている。即ち、梯子形状に切り出した個々のアクチュエータ部材を、図にて上側の面がサスペンションへの固着面となる帯板形状の基部80及び図にて下側の面に磁気ヘッドスライダ21が固着されている帯板形状の連結部86の両側端より内側の部分で略垂直に折り曲げ、基部80及び連結部86に対して略垂直を保った状態で1対の可動アーム部81及び82が互いに平行に前後に伸長するように形成している。連結部86の両側端より内側の部分で折り曲げられているため、可動アーム部81及び82の各々はストリップ形状を有する平板状態に形成されている。可動アーム部が低い駆動力で大きく変位するためには、可動アーム部全体がこのように平板状態に形成されていることが非常に重要である。
【0067】
ただし、連結部86は可動アーム部81及び82の先端の少し手前の部分でこれら可動アーム部81及び82間を連結している。連結部が可動アーム部の先端部でこれら可動アーム部間を連結しても良いことはもちろんである。可動アーム部81及び82は磁気ヘッドスライダ21の側面に平行となるように形成されており、基部80及び連結部86は磁気ヘッドスライダ21のABSとは反対側の面に平行となるように形成されている。
【0068】
本実施形態では、U字状の断面を有する基部80内に、補強部材として、エポキシ系接着剤又は樹脂によるブロック85が隙間なく中実に充填されている。これにより、アクチュエータを金属板で構成した場合にも、この基部80の部分の剛性を大幅に高めることができるから、共振特性を大幅に向上させることができる。また、固定部である基部80の剛性が増大するので、圧電素子が発生した力を可動アーム部81及び82の先端に効率良く伝えることが可能となるので、変位特性が向上し、充分なストロークを得ることができる。
【0069】
可動アーム部81及び82は、それぞれ、アーム部材81a及び82aとこれらアーム部材81a及び82aの側面に形成された圧電素子81b及び82bとから構成されている。
【0070】
アクチュエータの連結部86には、磁気ヘッドスライダ21のABSとは反対側の面が例えば樹脂系の接着剤により接着される。連結部86に磁気ヘッドスライダ21を固着するように構成されているため、磁気ヘッドスライダ21を充分な強度を持って接着固定することができ、しかも、上下方向の耐衝撃性を大幅に向上することができる。さらに、異なる幅を有する磁気ヘッドスライダについても容易に装着することが可能となる。
【0071】
磁気ヘッドスライダ21の連結部86への固着が部分的固着であるため、雰囲気温度変化によって接着剤に変形が生じたとしても、磁気ヘッドスライダ21のABSの形状変化(クラウン、キャンバーの発生)を防止することができる。さらにまた、磁気ヘッドスライダ21の側面にも接着剤が回り込むようにすれば、接着強度をより高めることができる。接着剤として導電性接着剤を用いれば、磁気ヘッドスライダ21のボディーをアクチュエータを介して容易に接地することができる。
【0072】
本実施形態におけるその他の構成、作用効果及び変更態様等は図1の実施形態の場合と同様である。
【0073】
以下、上述の実施形態に適用される補強部材の変更態様について説明する。なお、以下の図においては、説明を簡単にするため、アクチュエータは基部及び可動アーム部のみを示すものとする。
【0074】
図9は基部補強の第1の変更態様を説明する斜視図であり、この変更態様では、U字状に折り曲げられた金属板部材95がアクチュエータの基部90内に後方から差し込まれ、基部90の内壁に固着されている。
【0075】
この金属板部材95としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、又はマグネシウム合金板等が用いられる。
【0076】
金属板部材95の基部90の内壁への固着は、接着剤による接着、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0077】
図10は基部補強の第2の変更態様を説明する斜視図であり、この変更態様では、U字状に折り曲げられた金属板部材105がアクチュエータの基部100内に上方から差し込まれ、基部100の内壁に固着されている。
【0078】
この金属板部材105としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、又はマグネシウム合金板等が用いられる。
【0079】
金属板部材105の基部100の内壁への固着は、接着剤による接着、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0080】
図11は基部補強の第3の変更態様を説明する斜視図、図12はその側面図であり、この変更態様では、平らな金属板部材115がアクチュエータの基部110の上端に固着されている。
【0081】
この金属板部材115としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、又はマグネシウム合金板等が用いられる。
【0082】
金属板部材115の基部110の上端への固着は、接着剤による接着、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0083】
図13は基部補強の第4の変更態様を説明する斜視図、図14はその側面図であり、この変更態様では、直方体形状のブロック135がアクチュエータの基部130内に挿入され、その側壁に固着されている。図13及び図14では、基部130内のブロック135の下方に空隙が残されているが、図15の側面図に示すように、この部分に樹脂や接着剤等の充填材136を埋め込むようにしても良い。
【0084】
ブロック135としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属、ステンレス合金、アルミ、アルミ合金、銅、銅合金、又はマグネシウム合金等であっても良いし、金属以外の例えば樹脂、セラミック等であっても良い。
【0085】
ブロック135の基部130の側壁への固着は、接着剤による接着が考えられる。ブロック135が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0086】
図16は基部補強の第5の変更態様を説明する斜視図、図17はその側面図であり、この変更態様では、直方体形状のブロック165がアクチュエータの基部160内に挿入され、その内壁底面に固着されている。図16及び図17では、基部160内のブロック165の側方に空隙が残されているが、図18の側面図に示すように、この部分に樹脂や接着剤等の充填材166を埋め込むようにしても良い。
【0087】
ブロック165としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属、ステンレス合金、アルミ、アルミ合金、銅、銅合金、又はマグネシウム合金等であっても良いし、金属以外の例えば樹脂、セラミック等であっても良い。
【0088】
ブロック165の基部160の内壁底面への固着は、接着剤による接着が考えられる。ブロック165が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0089】
図19は基部補強の第6の変更態様を説明する斜視図、図20はその側面図であり、この変更態様では、平らな板部材195がアクチュエータの基部190の内壁底面に固着されている。
【0090】
この板部材195としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、マグネシウム合金板、又は樹脂板等が用いられる。
【0091】
板部材195の基部190の内壁底面への固着は、接着剤による接着が考えられる。板部材195が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0092】
板部材の代わりにポリイミド等の樹脂による層を基部190の内壁底面上に形成しても良い。
【0093】
図21は基部補強の第7の変更態様を説明する斜視図、図22はその側面図であり、この変更態様では、平らな板部材215がアクチュエータの基部210の外壁底面に固着されている。
【0094】
この板部材215としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、マグネシウム合金板、又は樹脂板等が用いられる。
【0095】
板部材215の基部210の外壁底面への固着は、接着剤による接着が考えられる。板部材215が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0096】
板部材の代わりにポリイミド等の樹脂による層を基部210の外壁底面上に形成しても良い。
【0097】
図23は基部補強の第8の変更態様を説明する斜視図、図24はその側面図であり、この変更態様では、2つの平らな板部材235がアクチュエータの基部230の2つの側面の内壁に固着されている。
【0098】
これら板部材235としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、マグネシウム合金板、又は樹脂板等が用いられる。
【0099】
板部材235の基部230の側面内壁への固着は、接着剤による接着が考えられる。板部材235が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0100】
図25は基部補強の第9の変更態様を説明する斜視図、図26はその側面図であり、この変更態様では、2つの平らな板部材255がアクチュエータの基部250の2つの側面の外壁に固着されている。ただし、この場合、板部材255は、圧電素子の取り付けの邪魔にならないように設ける。
【0101】
これら板部材255としては、アクチュエータのフレームと同じ材質の金属板、ステンレス合金板、アルミ板、アルミ合金板、銅板、銅合金板、マグネシウム合金板、又は樹脂板等が用いられる。
【0102】
板部材255の基部250の側面外壁への固着は、接着剤による接着が考えられる。板部材255が金属の場合は、さらに、溶接による固着、超音波を用いたボンディング等が考えられる。
【0103】
以上、薄膜磁気ヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ及びこのアクチュエータを備えたHGAを用いて本発明を説明したが、本発明は、このようなアクチュエータにのみ限定されるものではなく、薄膜磁気ヘッド素子以外の例えば光ヘッド素子等のヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ及びこのアクチュエータを備えたHGAにも適用可能である。
【0104】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0105】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、可動アーム部の主要部及び基部が可撓性を有する1枚の金属板で形成されているため、製造が容易となりかつ強度が高いアクチュエータが得られる。しかも、アクチュエータ全体の軽量化を図ることができ、耐衝撃性向上を図ることができる。特に、その基部に剛性を増大するための補強部材がもうけられているので、アクチュエータ固定部の剛性を高めることができるから、共振特性を大幅に向上させることができる。また、アクチュエータ固定部の剛性が増大するので、圧電素子が発生した力を可動アーム部の先端に効率良く伝えることが可能となるので、変位特性が向上し、充分なストロークを得ることができる。
【0106】
さらに、強度の高い金属板を用いることから、HGAへの組み立て時の取り扱いが非常に容易になる。また、金属板を用いれば、その形状や寸法等で設計上の自由度が向上する。しかも、高精度に加工できる金属板を用いることによって、アクチュエータ自体の寸法精度を大幅に高めることが可能となる。
【0107】
また、駆動信号に従って板平面と交差する方向に変位する1対の可動アーム部間にヘッドスライダを挟設するように構成しているため、アクチュエータを設けてもこの部分でHGAの厚みが増大するような不都合が生じない。このため、アクチュエータ装着による磁気ディスク装置の寸法変更等は不要となる。また、アクチュエータ及びヘッドスライダがカンチレバー構造とはならないため、その意味からも耐衝撃性が大幅に向上する。しかも、可動アーム部間にヘッドスライダを挟設する構造としているため、変位を実際に与える可動アーム部の先端部がヘッドスライダの先端まで伸ばせることとなる。このため、ヘッドスライダの寸法が変った場合にも微小位置決め動作時に同じ大きさのストロークを提供できるから必要十分なストロークを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として、磁気ディスク装置の要部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態におけるHGA全体を表す斜視図である。
【図3】図1の実施形態におけるHGAの先端部の斜視図である。
【図4】図1の実施形態におけるHGAの先端部を図3とは異なる方向から見た斜視図である。
【図5】図1の実施形態におけるアクチュエータに磁気ヘッドスライダを取付けた構造を示す斜視図である。
【図6】図5のアクチュエータの補強部材の部分を示す側面図である。
【図7】図5のアクチュエータの圧電素子部分の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態におけるアクチュエータに磁気ヘッドスライダを取付けた構造を示す斜視図である。
【図9】基部補強の第1の変更態様を説明する斜視図である。
【図10】基部補強の第2の変更態様を説明する斜視図である。
【図11】基部補強の第3の変更態様を説明する斜視図である。
【図12】図11の変更態様の側面図である。
【図13】基部補強の第4の変更態様を説明する斜視図である。
【図14】図13の変更態様の側面図である。
【図15】図13の変更態様の変更例を示す側面図である。
【図16】基部補強の第5の変更態様を説明する斜視図である。
【図17】図14の変更態様の側面図である。
【図18】図14の変更態様の変更例を示す側面図である。
【図19】基部補強の第6の変更態様を説明する斜視図である。
【図20】図19の変更態様の側面図である。
【図21】基部補強の第7の変更態様を説明する斜視図である。
【図22】図21の変更態様の側面図である。
【図23】基部補強の第8の変更態様を説明する斜視図である。
【図24】図23の変更態様の側面図である。
【図25】基部補強の第9の変更態様を説明する斜視図である。
【図26】図25の変更態様の側面図である。
【符号の説明】
10 磁気ディスク
11、13 軸
12 アセンブリキャリッジ装置
14 キャリッジ
15 主アクチュエータ
16 駆動アーム
17 HGA
20 サスペンション
21 磁気ヘッドスライダ
21a 磁気ヘッド素子
21b 端子電極
22 アクチュエータ
22a 信号端子電極
23 第1のロードビーム
23a 取り付け部
24 第2のロードビーム
24a リフトタブ
25 ヒンジ
26 フレクシャ
26a 舌部
26b 絶縁層
26c 分離部
27 ベースプレート
28 配線部材
28a 第1の配線部材
28b 第2の配線部材
29 磁気ヘッド素子用接続パッド
30 外部回路用接続パッド
31 アクチュエータ用接続パッド
33 補強部材
50、90、100、110、130、160、190、210、230、250 基部
51、52 可動アーム部
51a、52a アーム部材
51b、52b 圧電素子
53、54 スライダ固着部
55、135、165 ブロック
70 圧電・電歪材料層
71 信号電極層
72 グランド電極層
95、105、115 金属板部材
136、166 充填材
195、215、235、255 板部材

Claims (11)

  1. 少なくとも1つのヘッド素子を有するヘッドスライダと支持機構とに固着されることにより前記ヘッド素子の微小位置決めを行うためのアクチュエータであって、前記支持機構に固定される基部と、該基部から突出しており、それらの間にもうけた前記ヘッドスライダを駆動信号に従って変位させるための1対の可動アーム部とを備えており、前記可動アーム部及び前記基部が可撓性を有する1枚の金属板から構成されており、前記基部が凹状の断面を有しており、該凹状の基部内部全体に剛性を増大するためのブロックが空間無しに充填されていることを特徴とするヘッド素子の微小位置決め用アクチュエータ。
  2. 前記可動アーム部及び前記基部が、可撓性を有する1枚の形状加工された金属板を折り曲げてなる構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記ブロックが、エポキシ系接着剤又は樹脂によるブロックからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記ブロックが、金属材料によるブロックを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  5. 前記可動アーム部の先端部に前記ヘッドスライダの側面が固着されるスライダ固着部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記スライダ固着部が、前記金属板を内側に折り曲げた構造を有していることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
  7. 前記可動アーム部の先端部を互いに連結する連結部がもうけられており、該連結部に前記ヘッドスライダが固着されるように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  8. 前記可動アーム部が、可撓性を有する金属板によるアーム部材と、該アーム部材の面上に積層又は接着された圧電素子とを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  9. 前記ヘッド素子が薄膜磁気ヘッド素子であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の微小位置決め用アクチュエータと、該アクチュエータの前記1対の可動アーム部間に位置している前記ヘッドスライダと、前記アクチュエータに固着された前記支持機構とを備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  11. 請求項10に記載のヘッドジンバルアセンブリを少なくとも1つ備えたことを特徴とするディスク装置。
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