JP4110706B2 - リレー - Google Patents

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JP4110706B2
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貴俊 林
厚 仲畑
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波リレー等のリレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明のリレーの前提となる構造を備えたものとしては、本発明者らが提案した高周波リレーがある。
【0003】
この高周波リレーは、図8に示すように並行するシールド板16A、16Bの間に3つの固定接点部20、20、20を一定間隔で設け、図において左端と中央の固定接点部20,20のシールド板16A側の面に対して両端の可動接点部を接触開離する可動接点ばね板23Aを固定接点部20,20とシールド板16Aとの間に配置し、中央と、右端の固定接点部20,20のシールド板16B側の面に対して両端の可動接点部を接触開離する可動接点ばね板23Bを固定接点部20,20とシールド板16Bとの間に配置し、これら可動接点ばね板23A,23Bを中央部をインサート成形により埋設した成形支持体24,24によりカード(図示せず)に保持させており、カードは電磁石ブロック(図示せず)の励磁により駆動されると、可動接点ばね板23Aの可動接点部が図示するように対応する固定接点部20、20に接触し、可動接点ばね板23Bの可動接点部が対応する固定接点部20,20から開離してシールド板16Bの板面に接触する方向に可動接点ばね板23A,23Bを動かすようになっている。
【0004】
ここで、電磁石ブロックが非励磁状態にあってはカードは復帰ばね(図示せず)の働きにより復帰駆動され、可動接点ばね板23Aの可動接点部が対応する固定接点部20,20より開離してシールド板16Aに接触し、可動接点ばね板23Bの可動接点部が対応する固定接点部20、20に接触する方向に可動接点ばね板23A,32Bを動かすようになっている。
【0005】
従って、可動接点ばね板23Aの可動接点部と、対応する固定接点部20,20とで常開(以下NOと言う)接点部が、可動接点ばね板23Bの可動接点部と、対応する固定接点部20,20とで常閉(以下NCと言う)接点部が構成されるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記の構造において、ばね負荷と吸引曲線とを見ると、可動接点ばね板の支持点から可動接点部までの距離が長いためばね力が弱く、そのため電磁石ブロックを励磁してNO接点部側の可動接点ばね板23Aを移動させ、その可動接点部を固定接点部20,20に接触させる場合、図6に示すばね負荷曲線(I)となり、接点接触開始から最終位置に至るオーバートラベルの過程におけるばね負荷曲線の傾きが緩やかで、大きな接点圧が得られず、開放特性も良くなかった。尚図6中IIは吸引力カーブである。
【0007】
同様に復帰ばねの付勢による駆動により可動接点部を固定接点部19c、19aに接触させる可動接点ばね板23Bにおいても大きな接点圧が得られなかった。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、大きな接点圧が得られるリレーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、第1の可動接点ばね板と、この第1の可動接点ばね板の両端方向に並置される第2の可動接点ばね板と、夫々の可動接点ばね板の中央部を夫々に対応して設けた成形支持体により支持して上記可動接点ばね板を板面に対して直交する方向に移動させるカードと、励磁時に上記板面の一方側方向に上記可動接点ばね板を移動させるようにカードを駆動する電磁石ブロックと、上記可動接点ばね板を挟み込む形で並行配設される2枚のシールド板から構成されたシールド部と、上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する一対の第1の接点部と、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する上記シールド部の内面からなる一対の第2の接点部と、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと接触する上記シールド部の内面からなる一対の第3の接点部と、上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと接触する一対の第4の接点部とを備え、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との少なくとも一方の両側からは、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時における上記可動接点ばね板の移動方向の板面とは反対側の板面に並行するように上記可動接点ばね板の両端方向に向かうリブが延出形成され、上記リブを延出形成した上記成形支持体から突出する上記可動接点ばね板の両側基部に、幅寸法を幅広とした広幅部が形成され、上記リブは、延出方向と直交する方向の幅寸法が上記広幅部の幅寸法内となるとともに、上記広幅部内において上記広幅部に並行するように延長形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項の発明において、上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、上記リブは、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、請求項の発明において、上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との両方に形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項の発明では、請求項1乃至の何れかの発明において、上記リブを含めた上記成形支持体の成形材料がLCP材料であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明を基本形態及び実施形態により説明する。
【0017】
基本態)
基本形態は図2〜図4に示すように合成樹脂成形材からなるベース1と、このベース1上に配設されるリレー機構部と、ベース1に被着する合成樹脂成形剤からなる箱状のケース2とで構成される。
【0018】
リレー機構部の主要な構成である電磁石ブロック5は励磁コイル6を巻回したコイルボビン7と、コイルボビン7の中心透孔に貫挿させた鉄心8と、コイルボビン7の一端側にのぞいた鉄心8の一端を先部板面にかしめ固定して、この先部よりコイルボビン7に並行するように折り曲げてこの折曲片の先端をコイルボビン7の他端側に延長した継鉄9とから構成される。
【0019】
この電磁石ブロック5は、コイルボビン7に設けたコイル端子10、10の下部をベース1に設けた嵌合孔11よりベース1下面側に突出させるようにして、ベース1上に配設される。
【0020】
電磁石ブロック5の励磁時に吸引駆動される接極子12はL字状に曲げられた鉄片により形成され、一片12aをコイルボビン7の他端側に露出した鉄心8の他端に対向させるとともにその屈曲部の内隅を上記継鉄9の折曲片の先端に回動自在に当てるように配設される。また他片12bの先端を後述するカード4の側面に当接させるようになっている。
【0021】
ヒンジばね3は接極子12の配設側のベース1上の一端部に設けた側壁25の低位部13に形成せる圧入溝14に下部を圧入して配置され、一側端の上側より斜交いに延長形成した押さえ片3aの先部で接極子12の屈曲部の外隅を押圧して接極子12の内隅部を継鉄9に押し当てて回動自在に継鉄6を枢支するようになっている。
【0022】
電磁石ブロック5の配設部位と並行するベース1の片側上部には隔壁15で電磁石ブロック5の配設部位と区切られ、隔壁15及びベース1の一方側の側壁36と両端の側壁25とで囲まれたベース1上空間を接点部を内包するシールド部の配設部位としている。
【0023】
このシールド部は並行配設される2枚のシールド板16A,16Bから構成され、シールド部配設部位の両端側の側壁15の内側面に沿うようにベース1上に形成した各リブ17の両側面に両シールド板16A,16Bの両端部の対向面を接面させて配設される。
【0024】
このリブ17はベース1のシールド板16A,16Bの位置決めを行うためのもので、両シールド板16A,16Bの配設位置はリブ17の成形精度により決まり、しかもシールド板16A,16Bの対向面側を接面する構成であるためシールド板16A,16Bの板厚のばらつきの影響を受けず、そのためシールド板16A,16Bの内側の板面間距離を高精度に設定できる。
【0025】
このシールド板16A,16B間を2分する中心線上において、シールド板16A,16Bの中央位置に対応する位置と、上記各リブ17の近傍の位置とに図4(a)に示すように夫々設けた孔18を介して固定接点端子19a、19b、19cを夫々貫設してあり、各固定接点端子19a〜19cの固定接点部20をシールド板16A,16Bで囲まれた空間内に臨ませている。
【0026】
ここでシールド部の配設部位の両端側にあるベース1の各側壁25の上端には、接極子12により駆動されるカード4の両端部に設けた回動枢軸部21を支持してカード4をシールド部上方に橋架配置する支持部22,22を形成している。
【0027】
カード4は可動接点ばね板23A,23Bのインピーダンスに影響を与えるのを少なくし、特性インピーダンスの整合をとりやすくするために、空気の誘電率に近いテフロン(誘電率2.0)等の合成樹脂成形材料を使用した成形品からなり、上部両端面に回動枢軸部21を一体形成するとともに下部両端部には可動接点ばね板23A,23Bの中央部をインサート成形により支持した成形支持体24を夫々設け、シールド部配設部位の上方に橋架配置されることで、可動接点ばね板23A,23Bをシールド板16A,16B間に配置するようになっている。
【0028】
ここで従来例の課題を解決するために、本基本形態では、図1(a)に示すように成形支持体24から突出する可動接点ばね板23A、23Bの板面に並行するように成形支持体24からリブ24aを一体に延出形成してある。尚リブ24aと板面とは分離されている。さてリブ24aの並行させる可動接点ばね板23A,23Bの板面は後述するように電磁石ブロック5の励磁時に移動する方向の板面とは反対側の板面であり、また図1(b)に示すようにリブ24aの延出方向と直交する方向の幅寸法Wを可動接点ばね板23A,23Bの短手方向の幅寸法wよりも短くしてある。この寸法設定は仮に成形時に可動接点ばね板23A.23Bの外側にはみ出るような成形ばりが発生するのを防ぎ、安定したばね負荷を得るためである。
【0029】
カード4はベース1の両端側の側壁25,25の上端部に設けた回動支持部22,22により回動枢軸部21が回動自在に支持されて橋架されるため、インサート成形によりばね支持部24、24に保持される可動接点ばね板23A,23Bのベース1の上面に対する位置は高精度で設定されることになる。
【0030】
回動枢軸部21は図4(a)(b)に示すように先部に正面断面が円形の軸部21aを形成するとともに、この軸部21aの背部に下部の正面断面が略逆三角形の回動支点部21bを一体形成し、この回動支点部21bの下端面を両側面にかけて円弧状の曲面としてその最下端位置を軸部21aの中心の高さ位置に一致させている。
【0031】
一方、回動支持部22は側壁25の内側面に沿って形成されて上端面で回動支点部21bを支持する支持台22aと、支持台22aに連続して側壁25の上端部に形成され上端開放の角孔22bとからなり、角孔22bの両側内面間の距離を軸部21aの直径と同じとするとともに底部と上記回動支点部21bの上端面の高さ位置までの距離を軸部21aの半径よりやや大きくし、軸部21aの下端と底部との間に隙間ができるようにしてある。
【0032】
さてカード4の夫々のばね支持部24にインサート成形により支持されている2枚の可動接点ばね板23A,23Bは固定接点端子19a〜19cを結ぶ線の両側に偏倚配置されており、第1の可動接点ばね板23Aの両端部は中央の固定接点端子19aの固定接点部20の一面と、一端側の固定接点端子19bの固定接点部20の一面とに対して夫々接触開離する可動接点を構成し、第2の可動接点ばね板23Bの両端部は中央の固定接点端子19aの固定接点部20の他面と、他端側の固定接点端子19bの固定接点部20の他面とに対して夫々接触開離する可動接点を構成するもので、これらの接触開離の動作はカード4の回動によって行われる。
【0033】
シールド板16A,16Bは夫々に近接する側の可動接点ばね板23A,23Bのばね支持部24を逃がすための逃げ部26を中央から一端間の部位を反対方向へ曲げ加工により凹ませることで形成しており、この逃げ部26両側のシールド板16A,16Bの平坦面により可動接点ばね板23A,23Bの両端部が固定接点部20より開離して移動したときに接触するアース接点部を構成する。
【0034】
また各シールド板16A,16Bは共に同じ形状であって、夫々2本のアース端子27a,27bを一体に形成している。
【0035】
更にシールド板16A,16Bはベース1に配設したときに固定接点端子19aと、19b又は19cとの間に位置するように逃げ部26の形成部位の一端にアース端子27aを形成しており、このアース端子27aは、逃げ部26を形成する部位の一端部下端より内側方向に直角に折り曲げて、その先端がベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片(図示せず)の先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片からなる。他方のアース端子27bは逃げ部26を形成する部位の他端近傍の逃げ部26外の位置より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片(図示せず)の先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28b’の下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片からなる。
【0036】
このように形成されたシールド板16A,16Bはベース1上に点対称的に配置することで、アース端子27a、27bを中央の固定接点端子19aと、端部の固定接点端子19b或いは19cの間に配置することができるようになっている。
【0037】
而してシールド板16A、16Bをシールド部配設部位に配設する際には、それらの両端部の対向面を上述したようにリブ17,17の両側面に当接して位置決めするとともに、夫々の各アース端子27a、27bを一体形成している垂下片28b,28b’の幅に対応させてベース1に貫通させた挿通孔29…を介して各アース端子27a、27bをベース1下面側に突出させるとともに垂下片28b又は28b’を挿通孔29に挿入する。
【0038】
そして上記のようにシールド板16A,16Bをシールド部配設部位に配設した後に、ベース1の両端の側壁25,25の回動支持部22にカード4の両端の回動枢軸部21を回動自在に支持させてカード4をシールド部配設部位上方に橋架配設することで、可動接点ばね板23Aを固定接点端子19a,19bとシールド板16Aの逃げ部26との間に、また可動接点ばね板23Bを固定接点端子19a、19cとシールド板16Aの逃げ部26との間に配置することができるのである。
【0039】
カード4を橋架配設する場合は、側壁25側の回動支持部22の角孔22b内に上端開口より軸部21aを嵌めるとともに、支点台22aの上端面に回動支点部21bを載置させることで、カード4はベース1の両端側壁間に橋架される。これにより角孔22と軸部21aとで水平方向の支持を、また支点台22aと回動支点部21bとで上下方向の支持を分担し、且つ軸部21aの中心と支点台22aの上端面の位置を一致させることで1カ所で支持する場合に比べて確実に回動枢軸部21を支持することができるようになっている。また軸部21aの下端が角孔22bの底部より浮く状態にあるためベース1の成形時に発生するバリを逃がすことができる。
【0040】
橋架配設したカード4は復帰ばね31により常時シールド板16A方向に下部側面が押圧付勢される。この復帰ばね31はベース1の側壁36の片側内面に形成した圧入溝32に基部31aを圧入し、基部31aの上部一端よりシールド板16B方向へ延長形成したばね片31bの先端をシールド板16Bの上端より上方に位置するカード4の下部側面に弾接し、電磁石ブロック5が非励磁状態において、回動枢軸部21を中心としてカード4を回動させて内側の可動接点ばね板23Aの両端部をシールド板16Aの逃げ部26両端の近傍の板面に当接させ、外側の可動接点ばね板23Bの両端部を固定接点端子19a,19cの固定接点部20,20に接触させるようになっている。尚可動接点ばね板23A,23Bの両端部の可動接点部を構成する部位は二股に分割してある。
【0041】
ここで図3(a)に示すように、ばね片31bが押圧するカード4の側面部位の反対側の同じ位置にカード4の側面部位には接極子12の他片12bの先端が当接するようになっており、この当接部位及びばね片31bの押圧部位が相対向して力のバランス(均衡)を図り、リレー動作が安定するようにしてある。
【0042】
さてベース1に電磁石ブロック5,シールド板16A,16B、固定接点端子19a〜19d、可動接点ばね板23A,23Bを含むカード4、接極子12,ヒンジばね3,復帰ばね31等のリレー機構部の部材を配設した後、復帰ばね31やヒンジばね3のばね圧調整を行う場合には、これらばね31,3が臨むベース1の側壁25の開口25aや側壁36の開口36aから容易に行うことができる。
【0043】
ばね圧調整終了後ベース1の両端の側壁25や両側の側壁36を内部に収めるようにしてベース1にケース2を被着すれば、所望の高周波リレーが完成することになる。
【0044】
尚ケース2の天井面には、カード4の上端面に2カ所設けてある凹み部34に夫々がはまる1対の回動支持部34を2組設けてある。夫々の対はケース2をベース1上に被着する際の両側方向が反対となってもケース2の長手(両端)方向の1対の回動支持部34の下部が夫々に対応する凹み部37にはまるようなっている。そしてカード4側の凹み部37の底部の高さ位置は、上記回動枢軸部21の回動支点部21bの下端の位置と同じ高さ位置となっており、ケース2を被着したときに凹み部37に回動支持部34がはまり、ベース1側だけでなく、ケース2側からもカード3を回動自在に支持して、リレーの取付方向によらずカード4の回動動作を安定させ、高周波特性の安定化を図っている。尚凹み部37の底部は回動支持部34の下面に当接した状態でカード4が両側方向に回動できるような円弧面に形成してある。
【0045】
次に上述のように構成された本基本形態の高周波リレーの動作を説明する。
【0046】
まず電磁石ブロック5が非励磁の状態では、復帰ばね31の付勢によりカード4は電磁石ブロック5側へ移動する方向に回動した状態にあり、可動接点ばね板23Aは両端部がシールド板16Aの内面、つまりアース接点部に接触してアース端子27a、27bを通じて接地される。
【0047】
一方可動接点ばね板23Bは両端部が固定接点端子19a,19cの固定接点部20、20に接触して両固定接点端子19a、19c間を導通させる。
【0048】
次に電磁石ブロック5を励磁すると、鉄心8に接極子12の一片12aが吸引され、接極子12は回動する。この回動によりその他片12bがカード4を押して、復帰ばね31の付勢に抗して反電磁石ブロック5を方向に回動させる。この回動により可動接点ばね板23Bは両端の可動接点部が固定接点部20,20から開離してシールド板16Bの内面、つまりアース接点部に接触してアース端子27a、27bを介して接地される。
【0049】
一方可動接点ばね板23Aは両端の可動接点部を固定接点端子19a,19bの固定接点部20、20に接触して両固定接点端子19a、19b間を導通させる。この状態が図1の状態である。
【0050】
ここで可動接点ばね板23A,23Bが移動して夫々の可動接点部が固定接点部20,20或いはシールド板16Bの内面によるアース接点部に接触した後、更に撓もうしようとすると、夫々の成形支持体24から延出したリブ24aが移動方向とは反対側の板面に当たり、夫々の可動接点ばね板23A,23Bのばね長が実質的に短くなってばね負荷が大きくなり、結果大きな接点圧が得られることになる。
【0051】
電磁石ブロック5の励磁を止めると、復帰ばね31の付勢によりカード4は下部が電磁石ブロック5側へ移動するように回動して、可動接点ばね板23Aの両端部がシールド板16Aの内面のアース接点部に接触し、可動接点ばね板23Bの両端部が固定接点端子19a,19cの固定接点部20、20に接触する状態に戻る。この際可動接点ばね板23A,23Bの大きなばね復帰力により速やかに開放動作され、開放特性が向上することになる。また両側の可動接点ばね板23A,23Bに対応してリブ24aを形成してあるので、ねじれが生じずカード4の平行移動が安定する。
【0052】
尚両可動接点ばね板23A、23Bに対応してリブ24aを基本形態では設けてあるが、何れか一方であっても良く、特に常開側の可動接点ばね板23Aに設けるだけでも良い。
【0053】
図6の(III)は本基本形態におけるばね負荷曲線を示しており、従来例の場合(I)に比べて大きなばね負荷を得ていることが分かる。
【0054】
(実施形態)
また図7に示すように成形支持体24にインサートされ且つ成形支持体24より突出する基部23aの幅寸法を幅広とし、この幅広部内おいて、リブ24aの幅Wをできるだけ広くすることでリブ24aに剛性を持たせることができ、リブ24aの撓みやそりを抑えるようしても良く、この場合安定したばね負荷が得られる。
【0055】
またカード4,成形支持体24,及びリブ24aの成形材料としてLPC材料を用いれば、リブ24aに剛性を持たせることができ、そのためリブ24aの撓みやそりを抑えることができ、上述と同様に安定したばね負荷が得られる。また耐熱性も向上する。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の発明は、第1の可動接点ばね板と、この第1の可動接点ばね板の両端方向に並置される第2の可動接点ばね板と、夫々の可動接点ばね板の中央部を夫々に対応して設けた成形支持体により支持して上記可動接点ばね板を板面に対して直交する方向に移動させるカードと、励磁時に上記板面の一方側方向に上記可動接点ばね板を移動させるようにカードを駆動する電磁石ブロックと、上記可動接点ばね板を挟み込む形で並行配設される2枚のシールド板から構成されたシールド部と、上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する一対の第1の接点部と、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する上記シールド部の内面からなる一対の第2の接点部と、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと接触する上記シールド部の内面からなる一対の第3の接点部と、上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと接触する一対の第4の接点部とを備え、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との少なくとも一方の両側からは、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時における上記可動接点ばね板の移動方向の板面とは反対側の板面に並行するように上記可動接点ばね板の両端方向に向かうリブが延出形成され、上記リブを延出形成した上記成形支持体から突出する上記可動接点ばね板の両側基部に、幅寸法を幅広とした広幅部が形成され、上記リブは、延出方向と直交する方向の幅寸法が上記広幅部の幅寸法内となるとともに、上記広幅部内において上記広幅部に並行するように延長形成されたので、電磁石ブロックの励磁による動作時に、可動接点ばね板の両端部が対応する接点部に接触してからのオーバートラベル過程で、リブの働きにより可動接点ばね板のばね長を実質的に短くしてばね負荷を大きくすることができ、その結果大きな接点圧が得られ、またこれにより開放特性を向上させることができるという効果がある。また、成形ばりが可動接点ばね板からはみ出す恐れがなくなり、安定したばね負荷が得られるという効果がある。また、リブに剛性を持たせることができ、そのためリブのそりや撓みが抑えられ、安定したばね負荷が得られるという効果がある。
【0057】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されているので、高周波リレーの接点構成において、常開の接点部に対応する可動接点ばね板において、請求項1の発明の効果が得られる。
【0058】
請求項3の発明は、請求項の発明において、上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、上記リブは、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されているので、高周波リレーの接点構成において、常閉側の接点部に対応する可動接点ばね板において、アース接点部の接触動作時に請求項1の発明の効果が得られる。
【0059】
請求項4の発明は、請求項の発明において、上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との両方に形成されているので、請求項2,3の発明の効果を合わせて得られる上に、両側の可動接点ばね板のばね負荷がばらつかず、そのためねじれ等が発生しにくくなり、カードの平行移動が安定するという効果がある。
【0063】
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかの発明において、上記リブを含めた上記成形支持体の成形材料がLCP材料であるので、リブに剛性を持たせることができ、そのためリブのそりや撓みが抑えられ、安定したばね負荷が得られ、また耐熱性も向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の基本形態の要部の一部破断せる拡大平面図である。
(b)は同上に用いる可動接点ばね板の一部省略せる拡大正面図である。
【図2】 同上の分解斜視図である。
【図3】 (a)は同上の拡大平面断面図である。
(b)は同上(a)のA−A断面図である。
【図4】 (a)は同上の要部の一部破断せる拡大正面図である。
(b)は同上の要部の一部省略せる拡大側面図である。
【図5】 同上の動作説明図である。
【図6】 同上と従来例のばね負荷特性の比較説明図である。
【図7】 本発明の実施形態の可動接点ばね板の一部省略せる拡大正面図である。
【図8】 従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
19a〜19c 固定接点端子
20 固定接点部
16A,16B シールド板
23A,23B 可動接点ばね板
24 成形支持体
24a リブ

Claims (5)

  1. 第1の可動接点ばね板と、
    この第1の可動接点ばね板の両端方向に並置される第2の可動接点ばね板と、
    夫々の可動接点ばね板の中央部を夫々に対応して設けた成形支持体により支持して上記可動接点ばね板を板面に対して直交する方向に移動させるカードと、
    励磁時に上記板面の一方側方向に上記可動接点ばね板を移動させるようにカードを駆動する電磁石ブロックと、
    上記可動接点ばね板を挟み込む形で並行配設される2枚のシールド板から構成されたシールド部と、
    上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する一対の第1の接点部と、
    上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと接触し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと開離する上記シールド部の内面からなる一対の第2の接点部と、
    上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第1の可動接点ばね板の移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第1の可動接点ばね板の上記移動方向とは反対側の板面の両端部それぞれと接触する上記シールド部の内面からなる一対の第3の接点部と、
    上記シールド板で囲まれた空間内に臨み、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時に上記第2の可動接点ばね板の移動方向の板面の両端部それぞれと開離し、上記電磁石ブロックの非励磁時のカードの復帰動作により上記第2の可動接点ばね板の上記移動方向の板面の両端部それぞれと接触する一対の第4の接点部とを備え
    上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との少なくとも一方の両側からは、上記電磁石ブロックの励磁によるカード駆動時における上記可動接点ばね板の移動方向の板面とは反対側の板面に並行するように上記可動接点ばね板の両端方向に向かうリブが延出形成され、
    上記リブを延出形成した上記成形支持体から突出する上記可動接点ばね板の両側基部に、幅寸法を幅広とした広幅部が形成され、
    上記リブは、延出方向と直交する方向の幅寸法が上記広幅部の幅寸法内となるとともに、上記広幅部内において上記広幅部に並行するように延長形成されたことを特徴とするリレー。
  2. 上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、
    上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されていることを特徴とする請求項記載のリレー。
  3. 上記第1の接点部が常開の接点部を、上記第4の接点部が常閉の接点部を、上記第2、第3の接点部がアース接点部を構成し、
    上記リブは、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体に形成されていることを特徴とする請求項記載のリレー。
  4. 上記リブは、上記第1の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体と、上記第2の可動接点ばね板を支持する上記成形支持体との両方に形成されていることを特徴とする請求項記載のリレー。
  5. 上記リブを含めた上記成形支持体の成形材料がLCP材料であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のリレー
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