JP3988359B2 - 高周波リレー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波リレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波リレーとしては図16に示す構造のものがある。
【0003】
この従来例は、リレー機構部を配設するベース100と、このベース100に被着されるケース101と、継鉄102,コイル103,鉄心104からなる電磁石ブロック105と、カードブロック106と、シールドボックス107と、カードブロック106側に設けられた可動接点ばね板108,108と、固定接点端子109a〜109d等から構成されており、シールドボックス107は一枚の金属板から折り曲げ加工と打ち抜き加工によりボックス部とアース端子110…を一体形成している。
【0004】
この従来例では、ベース100の片側に設けたボックス収納部111内に嵌め込み、ベース100の下面側にアース端子101…を突出させる構造であり、シールドボックス107の位置決めはボックス収納部111の周壁面にシールドボックスの外面を当接することで行っている。
【0005】
またカードブロック106は、略直方体状のカード112の長手方向一端部に設けた貫通孔に永久磁石113を介在させた一対の接極子114,114を配設し、一方の接極子114を上記電磁石ブロック105の鉄心104の一方の磁極面と継鉄102の一端部の先端部との間に位置させ、他方の接触子114の鉄心104の他方の磁極面と継鉄102の他端側の先端部との間に位置するように電磁石ブロック105上に載置する構成である。
【0006】
そしてシールドボックス107の両側壁には図17に示すように可動接点ばね板108,108をカード112に支持させるためのばね支持部119を逃がすための切欠120を形成してある。
【0007】
シールド部の構造が異なるものとしては特開平11−213834号に示されるものがある。この従来例は図18に示すように上記従来例とはシールド部の構造が異なる他は同じ構成のものである。
【0008】
この従来例のシールド部はベース100上に配設する金属ベース115を囲むように2枚のシールド板116A,116Bをベース100上に配置して全体でボックス状に構成されたもので、金属ベース115の下面にはアース端子117…を固着し、金属ベース115に貫通させた挿着孔117に固定接点端子118を貫通挿着させるようになっている。118’は絶縁物である。
【0009】
そしてシールド板116A,116Bには可動接点ばね板108,108をカード112に支持させるためのばね支持部119を逃がすための切欠120’を形成してある。
【0010】
更に接極子を回動自在に枢支したヒンジ型の駆動機構130を備えた高周波リレーが特開平10−199388号に示されるように提供されている。この高周波リレーは図16〜図18の従来例のようにシールド部がボックス状でなく、図19に示すように一枚の金属板を打ち抜き加工した略平板状のシールド板121を用いたもので、シールド板121にはアース端子122…を一体に形成してある。131はカードブロック、132はベースである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の図17、図18の従来例ではシールドボックス107の位置決めを外側面で行っているため、板厚のばらつき、金属板の曲げ加工のばらつきがそのままシールドボックス107の内面の位置決め精度に影響を与え、内部の可動接点ばね板の位置との関係などがばらついて高周波特性が安定しないという問題があった。
【0012】
また図17、図19の従来例では、可動接点ばね板108を支持するばね支持部119を逃がすための切欠120或いは120’をシールドボックス107の側壁或いはシールド板116A,116Bに形成しているためシールドが不完全となり、高周波特性が悪化するという問題がある。特に図17の従来例ではアース端子の折り曲げ形成のために側壁に開口が形成されるため、高周波特性が図19の従来例に比べて悪い。
【0013】
さらに両者とも可動接点ばね板108を支持するカードブロック106が電磁石ブロック105上に載置される形で配設されるため、電磁石ブロック105などの寸法ばらつきなどにより可動接点ばね板108の配置高さがばらつき、これまた高周波特性が安定しないという問題があった。
【0014】
図19の従来例では接点部全体を囲まないため、シールド効果が十分でないという問題があった。
【0015】
さらに何れの従来例においても、回路に流れる信号の波長に考慮してアース端子の位置を設定する着眼がなかった。
【0016】
本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、高いシールド効果が得られる上に、高周波特性が安定した高周波リレーを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、接点部をシールド空間内に配置する高周波リレーにおいて、板面に開口が存在しない2枚のシールド板をベース上に並行配設し、該2枚のシールド板間のベースの、シールド板の略中央に対応する位置とシールド板の両端近傍の位置とに夫々固定接点端子を貫設して各固定接点端子の先部に設けた固定接点を2枚のシールド板間の空間内に臨ませ、中央の固定接点の一面と一端部の固定接点の一面に対して両端部を接触開離させるとともに固定接点から開離した時に一方側のシールド板面に両端部を接触させる第1の可動接点ばね板と、第1の可動接点ばね板が固定接点から開離している時に中央部の固定接点の他面と他端部の固定接点の他面に両端部を接触させ、第1の可動接点ばね板が固定接点に対して接触している時に他方側のシールド板面に両端部を接触させる第2の可動接点ばね板とをその板面がシールド板の板面に並行するように両シールド板間の空間内に配置してストリップライン構造としたことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、各シールド板にアース端子を一体に形成して、該アース端子をベース下面側へ貫通させたことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、両シールド板の板面形状を同一形状としたことを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、ベースには各シールド板の両端部の相対向する面側を夫々接面して両シールド板の位置決めを行うリブをシールド板の両端部に対応してベース上に一体突設したことを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、各可動接点ばね板をカードに支持させるために可動接点ばね板の中間部に設けたばね支持部と対向する各シールド板の部位に、対応する可動接点ばね板が固定接点から開離する際の移動方向に凹んだ逃げ部を、シールド板の曲げにより形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、上記可動接点ばね板の両端部が接触する上記シールド板の板面の部位が上記逃げ部の両端開口縁に位置するシールド板の曲げ部位であって、該曲げ部位の位置を、上記シールド板の板面と対向する固定接点面の内側端縁より外側端縁寄りの位置に対向する位置としたことを特徴とする。
【0023】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、上記可動接点ばね板の先端位置を上記固定接点面の略外側端縁に対向する位置としたことを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明では、請求項2乃至7の何れかの発明において、シールド板の端部から当該シールド板の最も近いアース端子までの距離を、開閉する高周波電流の波長に対してアンテナ効果が生じない長さに設定したことを特徴とする。
【0025】
請求項9の発明では、請求項8の発明において、各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、一方側のシールド板の2本のアース端子の形成位置に対して、他方のシールド板の2本のアース端子の形成位置を外側としたことを特徴とする。
【0026】
請求項10の発明では、請求項8の発明において、各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、シールド板の両端方向のアース端子の配列が一方側のシールド板のアース端子と他方側のシールド板のアース端子とが交互となるように、各シールド板の各アース端子の形成位置を設定したことを特徴とする。
【0027】
請求項11の発明では、請求項9又は10の発明において、上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部と中央の固定接点端子の対向側縁間の距離を、外側に位置するアース端子の基部と該アース端子に近接する外側の固定接点端子の対向側縁間の距離よりも大きくしたことを特徴とする。
【0028】
請求項12の発明では、請求項1乃至11の何れかの発明において、上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子を上記ベースに設けた対応する挿通孔に上記ベース上から貫通させるとともに、各アース端子の基部を挿通孔内に圧入する構造であって、各シールド板の2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部の側面に上記挿通孔内面に当接する位置決めダボを突設して成ることを特徴とする。
【0029】
請求項13の発明では、請求項1乃至12の何れかの発明において、上記固定接点に接触する上記可動接点ばね板の両端の接触部位の幅を、残りの部位の幅より幅広に形成したことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施形態により説明する。
【0031】
(実施形態1)
本発明の実施形態は図1、図2に示すように合成樹脂成形材からなるベース1と、このベース1上に配設されるリレー機構部と、ベース1に被着する合成樹脂成形材からなる箱状のケース2とで構成される。
【0032】
リレー機構部の主要な構成である電磁石ブロック5は励磁コイル6を巻回したコイルボビン7と、コイルボビン7の中心透孔に貫挿した鉄心8と、コイルボビン7の一端側に臨んだ鉄心8の一端を先部板面にかしめ固定し、この先部よりコイルボビン7に並行するように折り曲げてこの折曲片の先端をコイルボビン7の他端側に延長した継鉄9とから構成される。
【0033】
この電磁石ブロック5は、コイルボビン7に設けたコイル端子10、10の下部を図3に示すようにベース1に設けた挿通孔11よりベース1下面側に突出するようにベース1上に配置される。
【0034】
電磁石ブロック5の励磁時に吸引駆動される接極子12はL字状に曲げられた鉄片により形成され、一片12aをコイルボビン7の他端側に露出した鉄心8の他端に対向させるとともにその屈曲部の内隅を上記継鉄9の折曲片の先端に回動自在に当てるように配設される。また他片12bの先端を後述するカード4の側面に当接させるようになっている。
【0035】
ヒンジばね3は接極子12の配設側のベース1上の一端部に設けた側壁25の低位部13に形成せる圧入溝14に下部を圧入して配置され、一側端の上側より斜交いに延長形成した押さえ片3aの先部で接極子12の屈曲部の外隅を押圧して接極子12の内隅部を継鉄9に押し当てて保持するようになっている。
【0036】
電磁石ブロック5の配設部位と並行するベース1の片側上部には隔壁15で電磁石ブロック5の配設部位と区切られ、隔壁15及びベース1の一方側の側壁36と両端の側壁25とで囲まれたベース1上の空間を接点部を内包するシールド部の配設部位としている。
【0037】
このシールド部は並行配設される2枚のシールド板16A,16Bから構成され、両シールド板16A,16Bの両端部の対向面を、シールド部配設部位の両端側の側壁15の内側面に沿うようにベース1上に図3(a)に示すように形成した各リブ17の両側面に接面させて配設される。
【0038】
このリブ17はベース1のシールド板16A,16Bの位置決めを行うためのもので、両シールド板16A,16Bの配設位置はリブ17の成形精度により決まり、しかもシールド板16A,16Bの対向面側を接面する構成であるためシールド板16A,16Bの板厚のばらつきの影響を受けず、そのためシールド板16A,16Bの内側の板面間距離を高精度に設定できる。
【0039】
このシールド板16A,16B間を2分する中心線上において、シールド板16A,16Bの中心位置に対応する位置と、上記各リブ17の近傍の位置とに図3(a)に示すように夫々設けた孔18を介して固定接点端子19a、19b、19cを夫々貫設してあり、各固定接点端子19a〜19cの先部に設けた固定接点20をシールド板16A,16Bで囲まれた空間内に臨ませている。
【0040】
ここでシールド部の配設部位の両端側にあるベース1の側壁25の上端には、接極子12により駆動されるカード4の両端部に設けた回動枢軸部21を支持してカード4をシールド部上方に橋架配置する支持部22,22を形成している。
【0041】
カード4は誘電率が低い、例えば空気の誘電率に近いテフロン(誘電率2.0)等の成形材料を使用した合成樹脂成形材からなり、両端面の上部に回動枢軸部21を一体形成するとともに下部両端部には可動接点ばね板23A,23Bの中央部をインサート成形により支持したばね支持部24を夫々設け、シールド部配設部位の上方に橋架配置されることで、可動接点ばね板23A,23Bをシールド板16A,16B間に配置するようになっている。
【0042】
ここでカード4はベース1の両端側の側壁25,25の上端部に設けた回動支持部22,22により回動枢軸部21が回動自在に支持されて橋架されるため、インサート成形によりばね支持部24、24に保持される可動接点ばね板23A,23Bのベース1の上面に対する位置は高精度で設定されることになる。
【0043】
回動枢軸部21は図4(a)(b)に示すように先部に正面断面が円形の軸部21aを形成するとともに、この軸部21aの背部に下部の正面断面が略逆三角形の回動支点部21bを一体形成し、この回動支点部21bの下端面を両側面にかけて曲面としてその最下端位置を軸部21aの中心の高さ位置に一致させている。つまり下端部の回転軸方向からみた断面の外形線が円弧状となっている。
【0044】
一方、回動支持部22は側壁25の内側面に沿って形成されて上端面で回動支点部21bを支持する支持台22aと、支持台22aに連続して側壁25の上端部に形成され上端開放の角孔22bとからなり、角孔22bの両側内面間の距離を軸部21aの直径と同じとするとともに底部と上記回動支点部21bの上端面の高さ位置までの距離を軸部21aの半径よりやや大きくして軸部21aの下端と底部との間に隙間ができるようにしてある。
【0045】
さてカード4の夫々のばね支持部24にインサート成形により支持されている2枚の可動接点ばね板23A,23Bは固定接点端子19a〜19cを結ぶ線の両側に偏倚配置されており、第1の可動接点ばね板23Aの両端部は中央の固定接点端子19aの固定接点20の一面と、一端側の固定接点端子19bの固定接点20の一面とに対して夫々接触開離する可動接点を構成し、第2の可動接点ばね板23Bの両端部は中央の固定接点端子19aの固定接点20の他面と、他端側の固定接点端子19bの固定接点20の他面とに対して夫々接触開離する可動接点を構成するもので、これらの接触開離の動作はカード4の回動により行われる。
【0046】
シールド板16A,16Bは夫々に近接する側の可動接点ばね板23A,23Bのばね支持部24を逃がすための逃げ部26を中央から一端間の部位を反対向方向へ曲げ加工により凹ませることで形成しており、この逃げ部26両側のシールド板16A,16Bの平坦面により可動接点ばね板23A,23Bの両端部が固定接点20より開離して移動したときに接触するアース接点部を構成する。
【0047】
また各シールド板16A,16Bは夫々2本のアース端子27a,27bを一体に形成している(図5(a)参照)。
【0048】
更にシールド板16A,16Bはベース1に配設したときに固定接点端子19aと、19b又は19cとの間に位置するように逃げ部26の形成部位の一端にアース端子27aを形成しており、このアース端子27aは逃げ部26を形成する部位の一端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片からなる。他方のアース端子27bは逃げ部26を形成する部位の他端下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成される。
【0049】
以上のように形成されたシールド板16A,16Bは共に同じ形状のものであって、その配置を点対称的にすることで、夫々のアース端子27a、27bを中央の固定接点端子19aと、端部の固定接点端子19b或いは19cの間に配置することができるようになっている。
【0050】
而してシールド板16A、16Bをシールド部配設部位に配設する際には、それらの両端部の対向面を上述したようにリブ17,17の両側面に当接して位置決めするとともに、夫々の各アース端子27a、27bを一体形成している垂下片28bの幅に対応させてベース1に貫通させた挿通孔29…を介して各アース端子27a、27bをベース1下面側に突出させるとともに垂下片28bを挿通孔29に圧入する。
【0051】
図5(b)はベース1の下面側に突出したアース端子27a〜27d及び固定接点端子19a〜19bを実装用プリント基板29に半田付け実装した状態を示している。
【0052】
さて上記のようにシールド板16A,16Bをシールド部配設部位に配設した後に、ベース1の両端の側壁25,25の回動支持部22にカード4の両端の回動枢軸部21を回動自在に支持させてカード4をシールド部配設部位上方に橋架配設することで、可動接点ばね板23Aを固定接点端子19a,19bとシールド板16Aの逃げ部26との間に、また可動接点ばね板23Bを固定接点端子19a、19cとシールド板16Aの逃げ部26との間に配置することができるのである。
【0053】
このカード4を橋架配設する場合は、側壁25側の回動支持部22の角孔22b内に上端開口より軸部21aを嵌めるとともに、支点台22aの上端面に回動支点部21bを図6に示すように載置させることで、カード4はベース1の両端側壁間に橋架される。これにより角孔22と軸部21aとで回転支持を、また支点台22aと回動支点部21bとで水平方向の支持を分担し、且つ軸部21aの中心と支点台22aの上端面の位置を一致させることで1カ所で支持する場合に比べて確実に回転部21を支持するようになっている。また軸部21aの下端が角孔22bの底部より浮く状態にあるためベース1の成形時に発生するバリを逃がすことができる。
【0054】
橋架配設したカード4は復帰ばね31により常時シールド板16A方向に下部が押圧付勢される。この復帰ばね31はベース1の側壁30の片側内面に形成した圧入溝32に基部31aを圧入し、基部31aの上部一端よりシールド板16B方向へ延長形成したばね片31bの先端をシールド板16Bの上端より上方に位置するカード4の下部側面に弾接し、電磁石ブロック5が非励磁状態において、カード4を回転部21を中心として回動させて内側の可動接点ばね板23Aの両端部をシールド板16Aの逃げ部26両端の近傍の板面に当接させ、外側の可動接点ばね板23Bの両端部を固定接点端子19a,19cの固定接点20,20に弾説接触させるようになっている。尚可動接点ばね板23A,23Bの両端部の可動接点を構成する部位は二股に分割してある。
【0055】
ここで図2(a)に示すように、ばね片31bが押圧するカード4の側面部位の反対側の同じ位置にカード4の側面部位には接極子12の他片12bの先端が当接するようになっており、この当接部位及びばね片31bの押圧部位が相対向して力のバランス(均衡)を図り、リレー動作が安定するようにしてある。また夫々の部位を図7に示すように側面より突出する凸部33として、ばね片31bや他片12bの当たる部分のずれを少なくして摩擦を防止している。
【0056】
さてベース1に電磁石ブロック5,シールド板16a,16b、固定接点端子19a〜19d、可動接点ばね板23A,23Bを含むカード4、接極子12.ヒンジばね3,復帰ばね31等のリレー機構部の部材を配設した後、復帰ばね31やヒンジばね3のばね圧調整を行う場合には、これらばね3,13が臨むベース1の側壁25の開口25aや側壁36の開口36aから容易に行うことができる。
【0057】
ばね圧調整終了後ベース1の両端の側壁25や両側の側壁36を内部に収めるようにしてベース1にケース2を被着すれば、所望の高周波リレーが完成することになる。
【0058】
尚ケース2の天井面には、カード4の上端面に2カ所設けてある凹み部34に夫々がはまる1対の回動支持部37を2組設けてある。夫々の対はケース2をベース1上に被着する際の両側方向が反対となってもケース2の長手(両端)方向の1対の回動支持部37の下部が夫々に対応する凹み部34にはまるこようなっている。そしてカード4側の凹み部34の底部の高さ位置は、上記回転部21の回動支点部21bの下端の位置と同じ高さ位置となっており、ケース2を被着したときに凹み部34に回動支持部37がはまり、ベース1側だけでなく、ケース2側からもカード3を回動自在に支持して、リレーの取付方向によらずカード4の回動動作を安定させて高周波特性の安定化を図っている。尚凹み部34の底部は回転支持部34の下面に当接した状態でカード4が両側方向に回動できるような円弧面に形成してある。
【0059】
以上のように構成された本実施形態の高周波リレーの動作は次の通りである。
【0060】
まず電磁石ブロック1が非励磁の状態では、復帰ばね31の付勢によりカード4は下部が電磁石ブロック5側へ移動する方向に回動した状態にあり、可動接点ばね板23Aは両端部がシールド板16Aの内面に接触して接地される。
【0061】
一方可動接点ばね板23Bは両端部が固定接点端子19a,19cの固定接点20、20に接触して両固定接点端子19a、19c間を通電させる。
【0062】
次に電磁石ブロック5を励磁すると、鉄心8に接極子12の一片12aが吸引され、接極子12が回動してその他片12bによりカード4を復帰ばね31の付勢に抗して反電磁石ブロック5を方向に回動させる。この回動により可動接点ばね板23Bは両端部が固定接点20,20から開離してシールド板16Bの内面に接触して接地される。
【0063】
一方可動接点ばね板23Aは両端部が固定接点端子19a,19bの固定接点20、20に接触して両固定接点端子19a、19b間を通電させる。この状態が図2(a)の状態である。
【0064】
電磁石ブロック5の励磁を止めると、復帰ばね31の付勢によりカード4は下部が電磁石ブロック5側へ移動するように回動して、可動接点ばね板23Aの両端部がシールド板16Aの内面に接触し、可動接点ばね板23Bの両端部が固定接点端子19a,19cの固定接点20、20に接触する状態に戻る。
(実施形態2)
上記実施形態1では図5(a)に示すように同じ形状のシールド板16A,16Bを使用しているが、図示するように2本のアース端子27a,27bが片側に偏倚して形成されているため、アース端子の無い部分(端部)から最も近いアース端子27bまでの距離Lが大きく、この距離が回路を流れる信号の波長以上となって、当該部分はシールド板として機能せず全体としてのシールド機能がやや劣る。つまりアンテナ効果が働くことになる。そこでLを波長のλ/30以下にすることが望ましい。
【0065】
そこで、本実施形態では図8(a)(b)に示すようにシールド板16A,16Bを異なる形状にして上記の点を考慮したものを使用する。
【0066】
尚本実施形態ではシールド板16A、16Bの形状以外は実施形態1と同じであるから、その他の構成については実施形態1の説明と図面を参照し、シールド板16A,16B回りの構成を図8により説明する。
【0067】
而して本実施形態ではシールド板16Aはベース1に配設したときに固定接点端子19b、19cの位置よりも内側の位置となる両端部に夫々アース端子27a,27bをシールド板16Aの中心に対して線対称的に形成しており、一方のアース端子27aは逃げ部26を形成する部位の端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子19a〜19cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成され、他方のアース端子27bは反逃げ部26側の端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子19a〜19cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28a’の先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28b’の下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成される。
【0068】
またシールド板16Bはベース1に配設したときにシールド板16Bの中心として対称な固定接点端子19aの両側近傍位置で且つ固定接点端子19aと19b又は19cを結ぶ線の中心に対してシールド板16Aのアース端子27a,27bの位置と対称な位置にアース端子27c,27dを形成しており、一方のアース端子27cは逃げ部26を形成する部位の端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成され、他方のアース端子27dは反逃げ部26側の端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子19a〜19cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28a’の先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28b’の下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成される。
【0069】
そして夫々の各アース端子27a〜27dを一体形成している垂下片28b又は28b’の幅に対応させてベース1に貫通させた挿通孔29を介してアース端子27a〜27bをベース1下面側に突出させるとともに垂下片28b又は28b’を挿通孔29に圧入することにより各シールド板16A,16Bをベース1上に配設するのである。
【0070】
以上のような構成のシールド板16A、16Bを用いた本実施形態では、図5(a)(b)の例に比べてシールド板16A,16Bの端部とこれに最も近いアース端子までの距離Lを短くすることができる。
【0071】
(実施形態3)
実施形態2ではシールド板16A、16Bの形状が異なるため、2種類のシールド板を製作しなければならない。
【0072】
そこで実施形態1のシールド板16A,16Bの課題と実施形態2のシールド板16A,16Bの持つ課題を解消したのが本実施形態である。
【0073】
尚本実施形態ではシールド板の形状以外は実施形態1と同じであるから、その他の構成については実施形態1の説明と図面を参照し、シールド板16A,16B回りの構成を図9及び図10により説明する。
【0074】
つまり本実施形態ではシールド板16A,16Bはベース1に配設したときに夫々一体形成したアース端子27a、27bが交互に配列され、且つ固定接点端子19aと19b又は19cとの間にはその中点に対して対称にアース端子27a,17bが位置するようにアース端子27a、27bを形成するのである。
つまり一方のアース端子27aは逃げ部26を形成する部位の外側より端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成され、他方のアース端子27bは反逃げ部26側の逃げ部26よりの端部下端より内側方向に直角に折り曲げてその先端が、ベース1に配設時に固定接点端子18a〜18cを結ぶ直線上に位置するように延長形成した幅広片28a’の先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28b’の下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片により構成される。
【0075】
而してシールド板16A,16Bを図10(a)(b)に示すように点対称的に配置して夫々のアース端子27a、27bを一体形成している垂下片28b、28b’の幅に対応させてベース1に貫通させた挿通孔29を介してアース端子27a、27bをベース1下面側に突出させるとともに垂下片28b、28b’を挿通孔29に圧入することにより各シールド板16A,16Bのアース端子27a、27bが交互に配列されることになる。垂下片28b、28b’の両側端面に突設している突起は圧入時に挿通孔29の内面に食い込む突起である。
【0076】
以上のような構成のシールド板16A、16Bを用いた本実施形態では、図5(a)(b)の例に比べてシールド板16A,16Bの端部とこれに最も近い夫々のアース端子27aまでの距離Lを実施形態2と同様に実施形態1に比べて短くすることができる。また実施形態1と同様に1種類のシールド板を準備するだけで良い。
(実施形態4)
上記実施形態1〜実施形態3では、例えば図11(a)に示すように可動接点ばね板23Aの端部がシールド板16Aに接触する位置は逃げ部26を形成するためにシールド板16Aを曲げ加工した部位の内、逃げ部26の開口縁部側の曲げ部位16aであるが、この曲げ部位16aが固定接点端子19bの固定接点面の幅方向の内側端縁の位置αから逃げ部26寄りにあって、可動接点ばね板23Aの先端が接触部位より接線方向に突出させている構成であるため、可動接点ばね板23Aの先端の跳ね上がりが大きく、そのため可動接点ばね板23Aの先端が固定接点19bに近接し、アイソレーション特性が悪くなるという問題がある。尚図11(a)は可動接点ばね板23Aの逃げ部26の一端のみを示しているが、他端側においても同様であり、また可動接点ばね板23Bとシールド板16Bとの関係においても同様の問題がある。
【0077】
本実施形態では、上記図11(a)の場合と同様な可動接点ばね板23A,23Bと固定接点19a〜19cとを使用するものの、図11(b)に示すように、例えば可動接点ばね板23Aの端部と接触する部位であるシールド板16Aの逃げ部26の開口縁部側の曲げ部位16aの位置を、シールド板16Bの板面と対向する固定接点19bの面の内側端縁の位置αより外側端縁寄りの位置βに対向する位置とするとともに、曲げ部位16aの位置から可動接点ばね板23Aの略先端に至るまで接触するように緩斜面を形成してある。尚図11(b)は可動接点ばね板23Aの逃げ部26の一端側のみを示しているが、他端側においても同様に構成され、また可動接点ばね板23Bとシールド板16Bとの関係においても同様に構成される。
【0078】
このように構成された本実施形態の構成では、可動接点ばね板23Aのシールド板16Bに対する接触位置から先端までの跳ね上がり抑えられ、上記実施形態1〜3に比べてアイソレーション特性が良くなる。
【0079】
ここで図12に示すように上記可動接点ばね板23Aの先端位置を上記固定接点面の略外側端縁に対向する位置γとすれば、可動接点ばね板23Aの跳ね上がりが無くなり、アイソレーション特性が一層良くなる。
【0080】
尚上述の構成以外の本実施形態の構成としては上述した実施形態1〜3の構成或いは後述する実施形態の構成を採用すればよいので、ここでは特に図示しない。
(実施形態5)
上記実施形態1乃至3のシールド板16A,16Bは幅広片28aの先端より更に下方に直角に折り曲げた垂下片28bの下端部の一端から更に垂下延長した細幅の板片からアース端子27a、27bを夫々形成してあり、幅広の垂下片28bと、外側のアース端子27aと固定接点端子19a或いは19bとの間の距離と、内側のアース端子27bの垂下片28b’の側端と中央の固定接点端子19bとの距離が例えば図9に示すように同じあるため、最適なインピーダンス整合を得られにくかった。つまり、中央の固定接点端子19aに対して2本のアース端子27b、27bの垂下片28b’、28’の側端が対向することになるのに対して、外側の固定接点端子19b又は19cは1本のアース端子27aの垂下片28bの側端が対向することになるため、固定接点端子19aと各アース端子27bの垂下片28b’との距離と、固定接点端子19a又は19bとアース端子27aの垂下片28bとの距離が等しい場合には中央の固定接点端子19a回りの容量が外側の固定接点端子19b又は19c回りの容量に比して略倍となり、最適なインピーダンス整合が取り難った。
【0081】
そこで本実施形態では、図13に示すように内側に位置するアース端子27b、27bに対応する垂下片28b’’を幅狭として中央の固定接点端子1aと、垂下片28b’’の対向側縁間の距離xを、外側のアース端子27aの垂下片28bと外側の固定接点端子19bまたは19cの垂下片28bの対向側縁間の距離yよりも大きくして、中央の固定接点端子19a回りの容量を小さくして、外側の固定接点端子19b,19c回りの容量に近づけて最適なインピーダンス整合が得られるようにした。
【0082】
尚上述の構成以外の本実施形態の構成は上述した実施形態1〜4の何れかの構成を採用すればよいので、ここでは特に図示しない。
【0083】
また本実施形態の上述のアース端子27bの垂下片28b’’の構成は、上記の何れの実施形態においても採用できる構成であり、図5,図8のようなシールド板23A,23Bの構成にも採用できる。
(実施形態6)
上記実施形態1〜5の構成では、並行配設される2枚のシールド板16A,16Bの両端部の対向面を、シールド部配設部位の両端側の側壁15の内側面に沿うようにベース1上に形成した各リブ17の両側面に接面させて配設することで両シールド板16A,16Bの板面間の距離を安定化させていたが、シールド板16A,16Bの中央部の位置決めが不安定であるため中央部の板面間の距離が安定しない恐れがある。
【0084】
そこで本実施形態では、図14(a)(b)に示すように中央側に位置するアース端子27bの基部である垂下片28b’’に位置決めダボ28cを突設し、この垂下片28b’’をベース1の挿通孔29に圧入した際に、位置決めダボ28cを挿通孔29の内面に当接して側方の動きを規制し、アース端子27bの位置決めを図るようになっている。従ってシールド板16A,16Bの中央部が動かず、従って中央部における板面間の距離が安定することなり、結果耐電圧特性や高周波特性も安定させることができる。
【0085】
尚上述の構成以外の本実施形態の構成は上述した実施形態1〜5の何れかの構成を採用すればよいので、ここでは特に図示しない。
【0086】
また本実施形態の上記の位置決めダボ28cを設ける構成は、図5,図8のようなシールド板23A,23Bの構成にも採用できる。
【0087】
(実施形態7)
上記実施形態1〜17の可動接点ばね板23A、23Bはインピーダンス整合を考慮して可動接点部位23aを含んでその板幅を略同一幅で形成しているため、可動接点部位の接触面積が狭かった。そこで本実施形態では、図15に示すようにインピーダンスに影響を殆ど与えない可動接点ばね板23Aの可動接点部位23aの幅を広くし、その他の部位23cでインピーダンス整合を図るようにした。そのため本実施形態では可動接点部位23aの接触面積が大きくとれ、長寿命化が図れることになった。尚図15では可動接点ばね板23Aの一端側のみ示しているが他端側でも同様に構成し、また可動接点ばね板23Bの両端においても同様に構成するのは勿論である。
【0088】
尚上述の構成以外の本実施形態の構成は上述した実施形態1〜5の何れかの構成を採用すればよいので、ここでは特に図示しない。
【0089】
また本実施形態の上記構成は実施形態1乃至6の何れの構成に採用しても勿論よい。
【0090】
【発明の効果】
請求項1の発明は、接点部をシールド空間内に配置する高周波リレーにおいて、板面に開口が存在しない2枚のシールド板をベース上に並行配設し、該2枚のシールド板間のベースの、シールド板の略中央に対応する位置とシールド板の両端近傍の位置とに夫々固定接点端子を貫設して各固定接点端子の先部に設けた固定接点を2枚のシールド板間の空間内に臨ませ、中央の固定接点の一面と一端部の固定接点の一面に対して両端部を接触開離させるとともに固定接点から開離した時に一方側のシールド板面に両端部を接触させる第1の可動接点ばね板と、第1の可動接点ばね板が固定接点から開離している時に中央部の固定接点の他面と他端部の固定接点の他面に両端部を接触させ、第1の可動接点ばね板が固定接点に対して接触している時に他方側のシールド板面に両端部を接触させる第2の可動接点ばね板とをその板面がシールド板の板面に並行するように両シールド板間の空間内に配置したので、両側のシールド板に接点部を囲むことができて、シールドを確実なものとし、安定した高周波特性が得られる高周波リレーを提供することができるという効果がある。
【0091】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、各シールド板にアース端子を一体に形成して、該アース端子をベース下面側へ貫通させたので、請求項1の発明の効果が得られ上に別部品のアース端子が不要となる。
【0092】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明において、両シールド板の板面形状を同一形状としたので、シールド板の種類を1種類とすることができ、生産性を高くすることができる上にコスト低減が図れる。
【0093】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、ベースには各シールド板の両端部の相対向する面側を夫々接面して両シールド板の位置決めを行うリブをシールド板の両端部に対応してベース上に一体突設したので、シールド板の板厚がばらついてもシールド板の内側の板面の位置を安定させることができ、そのため高周波特性がばらつくことがなく、高周波特性がより安定した高周波リレーを提供できる。
【0094】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、各可動接点ばね板をカードに支持させるために可動接点ばね板の中間部に設けたばね支持部と対向する各シールド板の部位に、対応する可動接点ばね板が固定接点から開離する際の移動方向に凹んだ逃げ部を、シールド板の曲げにより形成したので、シールド板の板面を開口させる必要がなく、そのため高周波特性を悪化させることがなく、優れた高周波特性を持つ高周波リレーを提供することができる。
【0095】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記可動接点ばね板の両端部が接触する上記シールド板の板面の部位が上記逃げ部の両端開口縁に位置するシールド板の曲げ部位であって、該曲げ部位の位置を、上記シールド板の板面と対向する固定接点面の内側端縁より外側端縁寄りの位置に対向する位置としたので、可動接点ばね板の先部の跳ね上がりを抑えることができ、固定接点との間のアイソレーション特性がより良くなる。
【0096】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、上記可動接点ばね板の先端位置を上記固定接点面の略外側端縁に対向する位置としたので、一層可動接点ばね板の跳ね上がりを抑えることができ、より良いアイソレーション特性が得られる。
【0097】
請求項8の発明は、請求項2乃至7の何れかの発明において、シールド板の端部から当該シールド板の最も近いアース端子までの距離を、開閉する高周波電流の波長に対してアンテナ効果が生じない長さに設定したので、シールド効果を最大に発揮させることができ、結果優れた高周波特性を得ることができる。
【0098】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、一方側のシールド板の2本のアース端子の形成位置に対して、他方のシールド板の2本のアース端子の形成位置を外側としたので、シールド板の端部から最も近いアース端子までの距離を、短くすることができ、請求項8の発明の構成を容易に実現できる。
【0099】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、シールド板の両端方向のアース端子の配列が一方側のシールド板のアース端子と他方側のシールド板のアース端子とが交互となるように、各シールド板の各アース端子の形成位置を設定したので、同じ形状のシールド板を用いてシールド板の端部から最も近いアース端子までの距離を、短くすることができ、請求項8の発明の構成を容易且つ安価に実現できる。
【0100】
請求項11の発明は、請求項9又は10の発明において、上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部と中央の固定接点端子の対向側縁間の距離を、外側に位置するアース端子の基部と該アース端子に近接する外側の固定接点端子の対向側縁間の距離よりも大きくしたので、中央の固定接点端子回りの容量成分が小さくなって、外側の固定接点端子回りの容量成分に近付けることができ、結果最適なインピーダンス整合が得られる。
【0101】
請求項12の発明では、請求項1乃至11の何れかの発明において、上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子を上記ベースに設けた対応する挿通孔に上記ベース上から貫通させるとともに、各アース端子の基部を挿通孔内に圧入する構造であって、各シールド板の2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部の側面に上記挿通孔内面に当接する位置決めダボを突設したので、シールド板の中間部位の内側板面の位置決めが確実に行え、そのため固定接点との距離が安定化して、耐圧特性、高周波特性が安定するという効果がある。
【0102】
請求項13の発明では、請求項1乃至12の何れかの発明において、上記固定接点に接触する上記可動接点ばね板の両端の接触部位の幅を、残りの部位の幅より幅広に形成したので、インピーダンスに対する影響を受けにくい接触部位の面積を大きくすることで接点寿命を延ばすことができ、しかもこの幅広部の影響を受けることなく、他の部位でインピーダンス整合が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の分解斜視図である。
【図2】(a)は同上の平面断面図である。
(b)は(a)のA−A断面矢視図である。
【図3】(a)は同上に用いるベースの上面図である。
(b)は同上に用いるベースの正面断面図である。
(c)は同上に用いるベースの正面図である。
(d)は同上に用いるベースの側面断面図である。
【図4】(a)は同上の要部の一部省略せる拡大断面図である。
(b)は同上の要部の一部省略せる拡大正面図である。
【図5】(a)は同上のシールド板の構成説明図である。
(b)は同上のアース端子とベースの関係構成を示すベースのシールド部配設部位の正面断面図である。
【図6】同上のカードの回動枢軸部の支持部位の説明図である。
【図7】同上のカードの側面図である。
【図8】本発明の実施形態2のシールド板の構成説明図である。
【図9】本発明の実施形態3のシールド板の構成説明図である。
【図10】(a)は同上の一方のシールド板の正面図である。
(b)は同上の他方のシールド板の正面図である。
【図11】(a)は本発明の実施形態4の構成と比較するための比較例の要部説明図である。
(b)は本発明の実施形態4の要部説明図である。
【図12】同上の別の例の要部説明図である。
【図13】本発明の実施形態5の要部の拡大断面図である。
【図14】(a)は本発明の実施形態6に用いるシールド板の上面図である。
(b)は同上の側面図である。
(c)は同上の要部の一部省略せる上面図である。
【図15】本発明の実施形態7の要部の説明図である。
【図16】一従来例の分解斜視図である。
【図17】同上のシールドボックスの拡大斜視図である。
【図18】別の従来例の分解斜視図である。
【図19】他の従来例の一部省略した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 ケース
3 ヒンジばね
4 カード
5 電磁石ブロック
12 接極子
15 隔壁
16A,16B シールド板
19a〜19c 固定接点端子
21 回動枢軸部
22 回動支持部
23A,23B 可動接点ばね板
26 逃げ部
27a、27b アース端子

Claims (13)

  1. 接点部をシールド空間内に配置する高周波リレーにおいて、板面に開口が存在しない2枚のシールド板をベース上に並行配設し、該2枚のシールド板間のベースの、シールド板の略中央に対応する位置とシールド板の両端近傍の位置とに夫々固定接点端子を貫設して各固定接点端子の先部に設けた固定接点を2枚のシールド板間の空間内に臨ませ、中央の固定接点の一面と一端部の固定接点の一面に対して両端部を接触開離させるとともに固定接点から開離した時に一方側のシールド板面に両端部を接触させる第1の可動接点ばね板と、第1の可動接点ばね板が固定接点から開離している時に中央部の固定接点の他面と他端部の固定接点の他面に両端部を接触させ、第1の可動接点ばね板が固定接点に対して接触している時に他方側のシールド板面に両端部を接触させる第2の可動接点ばね板とをその板面がシールド板の板面に並行するように両シールド板間の空間内に配置してストリップライン構造としたことを特徴とする高周波リレー。
  2. 各シールド板にアース端子を一体に形成して、該アース端子をベース下面側へ貫通させたことを特徴とする請求項1記載の高周波リレー。
  3. 両シールド板の板面形状を同一形状としたことを特徴とする請求項1又は2記載の高周波リレー。
  4. ベースには各シールド板の両端部の相対向する面側を夫々接面して両シールド板の位置決めを行うリブをシールド板の両端部に対応してベース上に一体突設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の高周波リレー。
  5. 各可動接点ばね板をカードに支持させるために可動接点ばね板の中間部に設けたばね支持部と対向する各シールド板の部位に、対応する可動接点ばね板が固定接点から開離する際の移動方向に凹んだ逃げ部を、シールド板の曲げにより形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の高周波リレー。
  6. 上記可動接点ばね板の両端部が接触する上記シールド板の板面の部位が上記逃げ部の両端開口縁に位置するシールド板の曲げ部位であって、該曲げ部位の位置を、上記シールド板の板面と対向する固定接点面の内側端縁より外側端縁寄りの位置に対向する位置としたことを特徴とする請求項5記載の高周波リレー。
  7. 上記可動接点ばね板の先端位置を上記固定接点面の略外側端縁に対向する位置としたことを特徴とする請求項6記載の高周波リレー。
  8. シールド板の端部から当該シールド板の最も近いアース端子までの距離を、開閉する高周波電流の波長に対してアンテナ効果が生じない長さに設定したことを特徴とする請求項2乃至7の何れか記載の高周波リレー。
  9. 各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、一方側のシールド板の2本のアース端子の形成位置に対して、他方のシールド板の2本のアース端子の形成位置を外側としたことを特徴とする請求項8記載の高周波リレー。
  10. 各シールド板には2本のアース端子をシールド板の中心に対して対称となるように一体に形成するとともに、シールド板の両端方向のアース端子の配列が一方側のシールド板のアース端子と他方側のシールド板のアース端子とが交互となるように、各シールド板の各アース端子の形成位置を設定したことを特徴とする請求項8に記載の高周波リレー。
  11. 上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部と中央の固定接点端子の対向側縁間の距離を、外側に位置するアース端子の基部と該アース端子に近接する外側の固定接点端子の対向側縁間の距離よりも大きくしたことを特徴とする請求項9又は10記載の高周波リレー。
  12. 上記2枚のシールド板に夫々形成される2本のアース端子を上記ベースに設けた対応する挿通孔に上記ベース上から貫通させるとともに、各アース端子の基部を挿通孔内に圧入する構造であって、各シールド板の2本のアース端子の内、内側に位置するアース端子の基部の側面には上記挿通孔内面に当接する位置決めダボを突設して成ることを特徴とする請求項1乃至11の何れか記載の高周波リレー。
  13. 上記固定接点に接触する上記可動接点ばね板の両端の接触部位の幅を、残りの部位の幅より幅広に形成したことを特徴とする請求項1乃至12の何れか記載の高周波リレー。
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