JP4110451B2 - フォトレジスト剥離剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

フォトレジスト剥離剤組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、液晶パネルの半導体素子回路等の製造に用いられるフォトレジスト剥離剤組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、半導体基板上又は液晶用ガラス基板上にアルミニウム(以下「Al」と表記する)配線を形成する時に不要となったフォトレジストを、Al配線を腐食することなく除去可能な、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物を含有するフォトレジスト剥離剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトレジスト剥離剤組成物は、半導体集積回路、液晶パネルの半導体素子回路等の製造に用いられるフォトレジストを剥離する際に用いられる。すなわち、半導体素子回路又は付随する電極部の製造においては、通常、先ず、シリコン、ガラス等の基板上にAl等の金属膜をCVDやスパッタ等の方法で積層させ、その金属膜の上面にフォトレジストを膜付けした後、露光、現像等の処理を行ってその表面にパターンを形成する。次に、パターン形成されたフォトレジストをマスクとして金属膜をエッチングするのであるが、エッチング後、不要となったフォトレジストを剥離・除去する際に、剥離剤組成物が用いられる。そして、このような工程を繰り返すことで半導体素子回路等の形成が行われる。
【0003】
従来、このようなフォトレジスト剥離剤組成物としては、有機アルカリ、無機アルカリ、有機酸、無機酸、極性溶剤等の単一溶剤、及び、これらの混合溶液、又はこれらの水溶液が用いられている。
【0004】
なかでも、アルカノールアミンを含有する剥離剤が広く用いられている。これらのうち、アルカノールアミンと有機溶剤とを含有する非水系の剥離剤では、剥離時にあってはAl腐食は起こらないが、しかし、剥離後の水リンス時にアルカノールアミンが水で希釈されることにより液がアルカリ性となり、そのためAl腐食が起こる。一方、アルカノールアミンと有機溶剤と水を含有する水系の剥離剤では、剥離時においても、また、剥離後の水リンス時においても、Al腐食が起こる。
【0005】
技術開発はまた、熱により変質したフォトレジストを剥離するため、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を含有する剥離剤の検討にも及んでいる。ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を用いた剥離剤としては、特開昭52−67629号、特開昭60−210842号、特許第2819392号、特許第3048207号、特許第3150306号等に開示された組成物を挙げることができる。しかし、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を含有する剥離剤も、アルカノールアミンを含有する剥離剤と同様、非水系にあっては剥離後の水リンス時に、水系においては剥離時及び剥離後の水リンス時に、Al腐食が起こる問題が指摘されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の現状に鑑みて、剥離性を維持しつつ、剥離時と剥離後の水リンス時との両方においてAl腐食性を抑制したフォトレジスト剥離剤組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は種々検討を重ねた結果、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を含有する従来のフォトレジスト剥離剤組成物に、二酸化炭素又は炭酸イオン若しくは炭酸塩を含有させることで、剥離性を低下させることなく、剥離時と剥離後の水リンス時との両方においてAl腐食を抑制できることを見出した。本発明はこの予想外の知見に基づいて完成された。
【0008】
本発明の第1の態様は、ヒドラジンと二酸化炭素との反応物及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物(A)、並びに、ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)を含有するフォトレジスト剥離剤組成物(以下、フォトレジスト剥離剤組成物1という)である。
本発明の第2の態様は、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体とを含有するフォトレジスト剥離剤組成物(以下、フォトレジスト剥離剤組成物2という)である。
本発明の第3の態様は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素とを含有するフォトレジスト剥離剤組成物(以下、フォトレジスト剥離剤組成物3という)である。
本発明の第4の態様は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体を含有する水系又は非水系液体組成物に二酸化炭素を溶解させる工程からなるフォトレジスト剥離剤組成物の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1における反応物(A)は、ヒドラジンと二酸化炭素との反応物又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物である。
【0010】
ヒドラジンと二酸化炭素との反応物としては、ヒドラジンと二酸化炭素とを直接に化学反応させて得られる炭酸誘導体であれば特に限定されず、例えば、炭酸ヒドラジン、ヒドラジンの炭酸塩、カルボジヒドラジド等を挙げることができる。
【0011】
上記ヒドラジン誘導体としては特に限定されず、例えば、水加ヒドラジン、セミカルバジド、メチルヒドラジン、2−ヒドロキシエチルヒドラジン、2−ヒドロキシプロピルヒドラジン、3−ヒドロキシプロピルヒドラジン、R−NH−NH(Rは、オキシカルボニル、アルキルカルボニル又はアリールカルボニル)で表される化合物、4−クロロ−o−トリルヒドラジン、p−クロロフェニルヒドラジン、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、3,4−ジメチルフェニルヒドラジン、p−ニトロフェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、2−フルオロフェニルヒドラジン、3−フルオロフェニルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、4−メチルスルフォニルフェニルヒドラジン、1−メチル−1−フェニルヒドラジン、3−メトキシフェニルヒドラジン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
また、ヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物としては、上記ヒドラジン誘導体と二酸化炭素とを直接に化学反応させて得られる炭酸誘導体であれば特に限定されず、例えば、上記ヒドラジン誘導体の炭酸塩や、上記ヒドラジンと二酸化炭素との反応物において炭酸誘導体として例示した化合物に相当する、上記ヒドラジン誘導体の炭酸誘導体等を挙げることができる。
【0013】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1は、さらに、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有化合物(B)を含有していてもよい。
【0014】
ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有化合物(B)において、上記ヒドラジン誘導体としては、上記反応物(A)におけるヒドラジン誘導体と二酸化酸素との反応物におけるヒドラジン誘導体として例示の化合物の1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。なお、上記窒素含有化合物(B)において、ヒドラジン誘導体は上記反応物(A)におけるヒドラジン誘導体と二酸化酸素との反応物におけるヒドラジン誘導体と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0015】
上記アルキルアミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン、2−エトキシプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イミノプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1は、上記窒素含有化合物(B)と併用して、又は、単独に、さらに、ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)を含有していてもよい。本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1において、ケトン(アルデヒドを含む)類はヒドラジンと二酸化炭素との反応物及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物と反応し、発熱及びAl腐食抑制効果を低減する可能性があるため好ましくない。
【0018】
上記水溶性有機溶剤(C)としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸イソプロピル、ピルビン酸エチル、2−ヘプタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、メチルジグライム、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGMEE)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール(BDG))、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−エタンジオール(EG)、1,2−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1は、上記窒素含有化合物(B)及び/又は上記ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)と併用して、又は、単独に、さらに水(D)を含有していてもよい。
【0020】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1において、上記反応物(A)のフォトレジスト剥離剤組成物1中における含有量は、Al配線に対する腐食抑制効果の観点から0.01重量%以上であることが好ましく、経済的観点から20重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1〜10重量%であり、更に好ましくは0.5〜3重量%である。
【0021】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1において、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有化合物(B)を使用する場合、その含有量は、フォトレジスト剥離性向上効果の観点から1重量%以上であることが好ましく、他の成分の含有量が減ることによる剥離性への影響の観点から80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは5〜70重量%である。
【0022】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1において、ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)を使用する場合、その含有量は、フォトレジスト剥離性向上効果の観点から5重量%以上であることが好ましく、他の成分の含有量が減ることによる剥離性への影響の観点から90重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10〜70重量%である。
【0023】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1において、水(D)を使用する場合、その含有量は、フォトレジスト剥離性向上効果の観点から3重量%以上であることが好ましく、他の成分の含有量が減ることによる剥離性への影響の観点から50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは5〜30重量%である。
【0024】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物1は、固体状の成分を使用してもよいが、その場合は必要に応じて、フォトレジスト剥離剤に通常使用される溶剤又は上述の成分のうち液状の成分と組み合わせて液状組成物とすることができる。従って、例えば、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有化合物(B)の液状の化合物、ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)、水(D)、又は、これらの1種又は2種以上の組み合わせ等を適宜組み合わせて使用すればよい。
【0025】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物2は、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体とを含有する。上記ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩としては、例えば、上述したアルキルアミン、アルカノールアミンとして例示の有機塩基の炭酸塩;炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の無機塩基の炭酸塩等が挙げられる。
上記ヒドラジン誘導体としては、上述した例示の化合物等を使用することができる。
【0026】
ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体との含有量比は、炭酸塩1重量部に対してヒドラジン又はヒドラジン誘導体が0.1〜20重量部が好ましい。より好ましくは炭酸塩1重量部に対してヒドラジン又はヒドラジン誘導体が1〜10重量部である。
【0027】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物2は、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体とのみを含有してもよいが、上述した窒素含有化合物(B)において例示したもののうちアルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種、上記水溶性有機溶剤(C)並びに水(D)を、単独で、又は、組み合わせて、併用することができる。この場合、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体、並びに、これら(B)、(C)、(D)成分の配合量は、上述の配合に準じたものであってよい。
【0028】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物3は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素とを含有する。本発明のフォトレジスト剥離剤組成物3においては、ヒドラジンと二酸化炭素との反応物及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物を実質的に含有していなくとも、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素とを含有することにより、Al腐食性を抑制することができる。二酸化炭素は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体を含有する液体組成物中に含有させてよい。二酸化炭素の含有量は、本発明の効果を発揮するかぎり特に限定されず、通常、二酸化炭素を含有する気体、例えば、炭酸ガス、空気等を大気圧下又は加圧下に、例えば、1〜30分程度接触させて溶解させたものであってよい。
【0029】
上記ヒドラジン誘導体としては、例えば、上述の例示化合物等を使用することができる。
【0030】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物3は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素とのみを含有してもよいが、上述した窒素含有化合物(B)において例示したもののうちアルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種、上記水溶性有機溶剤(C)並びに水(D)を、単独で、又は、組み合わせて、併用することができる。この場合、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体並びに二酸化炭素とこれら(B)、(C)、(D)成分の配合量は、上述の配合に準じたものであってよい。
【0031】
本発明の製造方法は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体を含有する水系又は非水系液体組成物に二酸化炭素を溶解させる工程からなる。
すなわち、上述の成分を用いてなるヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体を含有する水系又は非水系液体組成物に、二酸化炭素を溶解させるのであるが、この溶解させる工程は、フォトレジスト剥離剤として使用するに先立ってあらかじめ実施してもよく、又は、フォトレジスト剥離剤として使用する際に二酸化炭素を含有する気体を、例えば、吹き込みながら実施してもよい。従って、例えば、フォトレジスト剥離剤組成物にて、フォトレジストを剥離する工程において、二酸化炭素を含有する気体を溶解させても効力を発揮する。
【0032】
本発明において、二酸化炭素を溶解させる方法は特に限定されず、例えば、二酸化炭素を含有する気体を溶解させる方法、固体又は液体の二酸化炭素を溶解する方法、炭酸塩の酸又は加熱等による分解による方法等であってよい。
二酸化炭素を含有する気体としては特に限定されず、例えば、炭酸ガス、空気等が挙げられる。
また、二酸化炭素を含有する気体を溶解させる方法としては、例えば、大気圧下又は加圧下の雰囲気で、0.1〜100L/minの流量で1〜30分間吹き込む方法、フォトレジスト剥離剤となるべき組成物をシャワーしながら、二酸化炭素を含有する気体を1〜300L/minの流量で1〜30分間流す方法等が挙げられる。
【0033】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物は、半導体集積回路、液晶パネルの半導体素子回路等の製造において、半導体基板上又は液晶用ガラス基板上に配線を形成する場合に不要となったフォトレジストを剥離・除去する工程に使用することができる。すなわち、シリコン等の半導体基板上あるいは液晶ガラス基板上にAl等の金属薄膜をCVDやスパッタ等の方法で形成させ、その金属膜の上面にフォトレジストを膜付けし、その表面に露光、現像等の処理を行ってパターンを形成し、パターン形成されたフォトレジストをマスクとして金属膜をエッチングして、エッチング後、不要となったフォトレジストを本発明のフォトレジスト剥離剤組成物を用いて剥離・除去することにより、Al腐食を起こすことなく配線等が形成された半導体素子等を製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1〜22、比較例1〜15
Alが蒸着されたガラス上に1μmの膜厚で膜付けされたフォトレジスト(ノボラック樹脂/ジアゾナフトキノン系レジスト。ナガセケムテックス社製)を100℃で2分間ベークし、超高圧水銀ランプで露光した後、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液で現像した。その後、りん酸/酢酸/硝酸系のエッチャントを用いてエッチングし、水洗、乾燥後、さらに160℃で2分間ベークしたAl配線パターンを剥離対象物とした。
【0036】
1.剥離時のAl腐食性及びフォトレジスト剥離性評価
この剥離対象物を表1及び表2に示す組成を有するフォトレジスト剥離剤組成物中に50℃で5分間浸漬した後、純水で洗浄し、Nガスを用いたエアーガンで純水を吹き飛ばし、自然乾燥させた(実施例1〜20、比較例1〜15)。なお、実施例21及び22においては、二酸化炭素吹込み条件は2L/分の流量で5分間であった。また、吹込みは浸漬前にあらかじめ行った。処理後の剥離対象物を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、Al腐食及びフォトレジストの除去の程度を比較し、剥離時のAl腐食性評価及びフォトレジスト剥離性評価を以下の基準で行った。結果を表1及び表2に示した。
【0037】
剥離時のAl腐食性評価
○:Al配線腐食なし
△:わずかにAl配線腐食が観察される
×:Al配線腐食が多く観察される
フォトレジスト剥離性評価
○:レジスト残渣なし
△:わずかにレジスト残渣あり
×:レジスト残渣が多く観察される
【0038】
2.水リンス時のAl腐食性評価
この剥離対象物を表1及び表2に示す組成を有するフォトレジスト剥離剤組成物中に30℃で30秒間浸漬した後、純水で満たしたシャーレに静かに沈め、剥離剤組成物を攪拌することなく室温で2分間放置した後、純水で洗浄し、Nガスを用いたエアーガンで純水を吹き飛ばし、自然乾燥させた(実施例1〜20、比較例1〜15)。なお、実施例21及び22においては、二酸化炭素吹込み条件は1L/分の流量で5分間であった。また、吹込みは浸漬前にあらかじめ行った。処理後の剥離対象物を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、Al腐食の程度を比較し、水リンス時のAl腐食性を以下のように評価した。結果を表1及び表2に示した。
水リンス時のAl腐食性評価
○:Al配線腐食なし
△:わずかにAl配線腐食が観察される
×:Al配線腐食が多く観察される
【0039】
表1及び表2において、組成物1〜15の組成は以下のとおりである。
組成物1:MEA10重量%、BDG90重量%
組成物2:MEA30重量%、BDG70重量%
組成物3:MEA70重量%、BDG30重量%
組成物4:MEA20重量%、BDG60重量%、PW20重量%
組成物5:MEA20重量%、BDG40重量%、PW40重量%
組成物6:MEA30重量%、DMSO70重量%
組成物7:MEA30重量%、NMP70重量%
組成物8:DEA30重量%、BDG70重量%
組成物9:TEA30重量%、BDG70重量%
組成物10:ヒドラジン10重量%、BDG80重量%、PW10重量%
組成物11:ヒドラジン10重量%、BDG70重量%、PW20重量%
組成物12:ヒドラジン20重量%、BDG70重量%、PW10重量%
組成物13:ヒドラジン10重量%、MEA10重量%、BDG70重量%、PW10重量%
組成物14:ヒドラジン10重量%、MEA20重量%、BDG50重量%、PW20重量%
組成物15:HEH10重量%、BDG80重量%、PW10重量%
【0040】
なお、上記において、各組成物の成分の略称は以下の通りである。
MEA:モノエタノールアミン
PW:純水
DEA:ジエタノールアミン
TEA:トリエタノールアミン
BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
HEH:2−ヒドロキシエチルヒドラジン
【0041】
【表1】
Figure 0004110451
【0042】
【表2】
Figure 0004110451
【0043】
表1の結果より、フォトレジスト剥離剤組成物においてヒドラジンと二酸化炭素の反応物及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素の反応物を含有させることにより、剥離性を低下させることなく、剥離時のAl腐食性を抑制することがわかる(実施例5〜7、12〜18)。また、剥離性を低下させることなく、水リンス時のAl腐食性を抑制することがわかる(実施例1〜18)。また、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を含有する従来型のフォトレジスト剥離剤組成物に、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体以外の塩基の炭酸塩を含有させることにより、剥離時及び水リンス時のAl腐食性を抑制することがわかる(実施例19、20)。また、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体を含有する従来型のフォトレジスト剥離剤組成物に二酸化炭素を含有する気体を溶解させることにより、剥離時及び水リンス時のAl腐食性を抑制することがわかる(実施例21、22)。
【0044】
【発明の効果】
本発明のフォトレジスト剥離剤組成物は、上述の構成であるので、剥離性を維持しつつ、剥離時と剥離後の水リンス時との両方においてAl腐食が抑制されており、Al配線を有する半導体回路の形成などにおけるフォトレジスト剥離に好適に用いられる。また、本発明の製造方法は、本発明の組成物を、使用時又は使用前において、容易に製造することができる。

Claims (8)

  1. ヒドラジンと二酸化炭素との反応物及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素との反応物(A)、並びに、ケトンを除く水溶性有機溶剤(C)を含有するフォトレジスト剥離剤組成物。
  2. 前記(A)は、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体の炭酸塩である請求項1記載のフォトレジスト剥離剤組成物。
  3. 前記(A)は、炭酸ヒドラジンである請求項1記載のフォトレジスト剥離剤組成物。
  4. さらに、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アルキルアミン及びアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有化合物(B)を含有する請求項1、2又は3記載のフォトレジスト剥離剤組成物。
  5. さらに、水(D)を含有する請求項1、2、3又は4記載のフォトレジスト剥離剤組成物。
  6. ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を除く塩基の炭酸塩と、ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体とを含有することを特徴とするフォトレジスト剥離剤組成物。
  7. ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体と二酸化炭素とを含有することを特徴とするフォトレジスト剥離剤組成物。
  8. ヒドラジン及び/又はヒドラジン誘導体を含有する水系又は非水系液体組成物に二酸化炭素を溶解させる工程からなることを特徴とするフォトレジスト剥離剤組成物の製造方法。
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