JP4106967B2 - 緩衝突起 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂発泡体で形成された緩衝包装材の形状に関し、衝撃緩衝部となる緩衝突起の形状を変えることで、より高い緩衝性能を持たせる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家電製品、オーディオ機器、パソコン、IT関連機器、その他精密部品などの緩衝包装材として、発泡ポリスチレン、発泡ポリオレフィン、軟質発泡ポリウレタンなどの合成樹脂発泡体が広く使用されている。その形態は図1に示すように当て材、コーナーパッド、サイドパッド、箱物など種々ある。
【0003】
一般に緩衝包装材は、各種精密製品をダンボール箱等に詰めて輸送するに際し、製品を振動や落下から保護するための目的で使用され、製品のダンボール箱中での固定と外部から応力が掛かったときの衝撃吸収の役割を持つ。
【0004】
一概に精密製品と言ってもその製品自体の重さは様々であり、要求される緩衝性能も様々である。比較的軽量な精密製品で高い緩衝性能を要求するものについては、軟質発泡ポリウレタンを使用して全体的に包装する方法を取る場合が多くなるが、発泡ポリスチレンや発泡ポリオレフィンなどでは緩衝包装材に図2に示すように、リブ形状や突起形状の突起部を持たせて緩衝性能を向上させることができることが知られている。また、図3のようにそのリブや突起の先端部の面積を開始部の面積より小さくすることにより発泡体の座屈を減少させ緩衝性能を向上させることができることも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各種精密製品においてさらなる軽量化が進み、製品自体の耐衝撃性も向上させる方向にあるが、それでも従来よりも高い緩衝性能を必要とするものが増えているのが現状である。この様な背景にあっては、軟質発泡ポリウレタンで受け面積を多くし、かつ厚く使用する方法が適するが緩衝材使用量が多くなること、薄い部分があると底づきが起こり緩衝材の性能を持たないことと、軟質発泡ポリウレタンを精密製品の形状に合わせて多量に加工することが困難であることなどが問題となる。そこで、図4のように発泡ポリスチレンや発泡ポリオレフィンなどでの緩衝包装材に形成したリブや突起の応力方向と直交する断面積を小さくして、長さを長くする方向で解決しようと試みたが、新たに座屈の問題が発生し、優れた緩衝性能を得ることができなかった。
【0006】
一般に、リブや突起の応力方向と直交する断面積を小さくして、長さを長くすれば、緩衝材の衝撃時の応力が同一の場合に変位量が大きく取れるので、その結果として高い緩衝性能を得ることができることが知られている。しかし、リブや突起の長さ:断面積(最小幅でもよい)の比が大きくなると折れ曲がり現象(座屈)が発生して本来の緩衝性能を発揮しないことが分かった。即ち、緩衝材として必要な精密製品の固定能力と外部応力に対する衝撃吸収能力を大幅に減じさせてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述したように精密製品が高い緩衝性能を必要とした時のリブや突起の形状に問題があることに着目して成されたものであって、その目的は、リブや突起が衝撃を受けても折り曲がりにくい構造とすることであり、本発明の採用により従来得られなかった高い緩衝性能を有する緩衝材を提供することにある。
【0008】
一般に、緩衝材の座屈現象は数値的にも解析されており、以下の式で座屈しない条件が知られている。
(1) 断面が正方形の場合;辺の長さ≧1.33×高さ
(2) 断面が長辺ラ短辺の場合;短辺の長さ≧1.33×高さ
即ち、少なくともリブや突起の高さを短辺長以上にするとすでに座屈現象が起こっていることを予見している。
【0009】
また、リブや突起の先端部の面積を開始部の面積より小さくすれば、発泡体の折れ曲がり(座屈)を減少させ緩衝性能を向上させることができることも知られているが、この方法もリブや突起の長さ:断面積(または最小幅)の比を図5のように大きくしていくと効果が大幅に減ぜられることが分かった。
【0010】
そこで、本発明者は応力方向に長いリブや突起に、いかにして座屈を起こさせないよう鋭意検討した結果本発明を完成するに至った。即ち、合成樹脂発泡体で形成された緩衝包装材の外部からの応力を吸収させる突起部の形状において、応力と直交する断面の面積の大きさが前記突起部の先端部側から開始部側に向かって連続的あるいは段階的に変化する部分を、前記先端部側から開始部側に向かう突起部の長さ方向沿って、前記突起部の長さに応じて複数連設する形状とすれば、結果として断面積が小さい部分が連続する(この形状が座屈を起こす。)ことを防止することができ、座屈の起こらない形状を見出すに至った。
【0011】
また、合成樹脂発泡体で形成された緩衝包装材の外部からの応力を吸収させる突起部の形状において、突起部の先端部が応力と直交して平坦とすれば、衝撃が加わった時にリブや突起がダンボール箱などの内面の接触部分の摩擦抵抗が増し、先端部の移動を防止できることから、精密製品の固定能力が向上するとともに座屈を起こさせないことにもつながることを見出した。平坦な先端部の断面積が不足する場合には拡大した平坦部を付け足すと良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、上述した本発明にかかる高い緩衝性能を得ることができる緩衝突起の形状および実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は、何ら下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
図6および図7は本発明による緩衝突起の実施例の1例を示すものであり、応力と直交する断面の面積の大きさが、先端部側から開始部側に向かって連続的に変化する部分を、先端部側から開始部側に向かう突起部長さ方向に沿って複数連設した形状である。
【0014】
図8は応力と直交する断面の面積の大きさが、先端部側から開始部側に向かって連続的に変化する部分を、先端部側から開始部側に向かう突起部長さ方向に沿って複数連設した形状である1例を示す。
【0015】
図9は応力と直交する断面積の形状が矩形のみに限定されないことを示す1例である。
【0016】
図10は応力と直交する断面の面積の大きさの変化の方向性が1方向のみに限定されないことを示す1例である。
【0017】
上述の図6〜図10のいずれもリブや突起の先端部が応力と直交して平坦であることを示す例となっているが、図11は平坦な先端部の断面積が不足する場合の拡大した平坦部を付け足した1例である。
【0018】
緩衝材の素材となる合成樹脂発泡体としては、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、エチレン−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの発泡ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂の複合樹脂によリ得られる発泡体、発泡ポリメチルメタクリレート系樹脂、発泡ポリウレタンなどである。
【0019】
精密製品に適した緩衝材の形成方法は、上述した合成樹脂発泡体の押出し発泡したブロック状の物から切削、打ち抜き、接着などによる加工によっても得られるが、量産の効率性を重視する場合には上述した合成樹脂発泡体のビーズ法型内発泡により一体的に成形することが好ましい。
【0020】
次に、本発明に係る突起形状を持った緩衝材がいかに有効であるかを、比較例と比較した結果を示す。
許容加速度G値が20の非常に壊れやすい、左右が対称形の精密部品Aのコーナーパッドの包装設計を行った結果、図12の本発明の実施例と図13、14の比較例を得た。図12、13、14は片方のみのコーナーパッドを図示したが、もう片方は左右対称であるので、鏡面関係にある図面となる。緩衝材はいずれもビーズ法発泡ポリプロピレン45倍発泡品(鐘淵化学工業株式会社製エペラン−PPの45倍プランク;1200×900×60mm)の板物から切り出し接着加工した。精密部品Aをこれらコーナーパッドで包み、ダンボール箱に収納し、JIS Z 0202に従い、1角3稜6面の落下試験を実施した。1角3稜の落下試験はいずれも合格したが、6面落下で6面とも精密部品Aを破壊しなかったのは本発明の実施例のみであり、比較例は突起のある上下面での落下において破壊した。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明した通り、本発明に係る緩衝突起部の形状を緩衝材に付与することにより、従来からの軟質ウレタンしか採用されなかった低G値の精密部品の緩衝包装が発泡スチレンや発泡ポリプロピレンなどの他の合成樹脂発泡体でもできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種緩衝包装材。
【図2】緩衝包装材にリブや突起を付けた1例。
【図3】リブおよび突起の先端部の面積を開始部より小さくした1例。
【図4】リブおよび突起の長さを長くした1例。
【図5】リブおよび突起の先端部の面積を開始部より小さくしかつ長さを長くした1例。
【図6】本発明の、リブ形状で応力と直交する断面積が連続的に変化する形状の1例。
【図7】本発明の、突起形状で応力と直交する断面積が連続的に変化する形状の1例。
【図8】本発明の、突起形状で応力と直交する断面積が段階的に変化する形状の1例。
【図9】本発明の突起形状で応力と直交する断面積の形状が矩形ではない1例。
【図10】本発明の突起形状で応力と直交する断面の面積の大きさの変化の方向性が1方向のみに限定されない1例。
【図11】本発明の突起形状で平坦な先端部の断面積が不足する場合の拡大した平坦部を付け足した1例。
【図12】本発明の突起形状での実施例によるコーナーパッドの片面図。
【図13】突起形状での比較例のコーナーパッドの片面図。
【図14】突起形状での比較例のコーナーパッドの片面図。
【図15】精密部品Aを実施例によるコーナーパッドでダンボール箱に収納した状態を上から見た図。
Claims (3)
- 合成樹脂発泡体で形成された緩衝包装材の外部からの応力を吸収させる突起部の形状において、応力と直交する断面の面積の大きさが前記突起部の先端部側から開始部側に向かって連続的あるいは段階的に変化する形状を有する部分が、前記先端部側から開始部側に向かう突起部の長さ方向に沿って少なくとも2つ連設されていることを特徴とする緩衝突起。
- 先端部が応力と直交して平坦であることを特徴とする請求項1記載の緩衝突起。
- 請求項1又は2に記載の緩衝突起を設けた発泡合成樹脂製緩衝包装材。
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