JP2000238849A - 梱包用積層緩衝体 - Google Patents

梱包用積層緩衝体

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JP2000238849A
JP2000238849A JP11047349A JP4734999A JP2000238849A JP 2000238849 A JP2000238849 A JP 2000238849A JP 11047349 A JP11047349 A JP 11047349A JP 4734999 A JP4734999 A JP 4734999A JP 2000238849 A JP2000238849 A JP 2000238849A
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sheet
laminated
packing
thermoplastic resin
package
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JP11047349A
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Masahiro Nakamura
雅弘 中村
Katsunori Sato
克則 佐藤
Masanori Yada
誠規 矢田
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】緩衝性能および梱包作業性に優れ、嵩容積も小
さい梱包用積層緩衝体を提供する。 【解決手段】底面111が衝撃対象に対面する凹部11
の周囲に梱包物2との当接面12が形成されたシート状
熱可塑性樹脂成形体であって、凹部11の側壁に底面に
向かって縮径する2段以上5段以下の段部112が形成
され、凹部底面の裏面にシート状熱可塑性樹脂発泡成形
体が積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電機器やOA機
器など、精密製品その他の破損し易い物品を梱包する際
に用いて好ましい梱包用積層緩衝体に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置、ノート型パーソナル
コンピュータ、小型液晶テレビジョン装置などの各種精
密製品は、搬送時などに落下や衝突などの衝撃を受ける
ことが少なくない。このため、緩衝体を用いて梱包され
るのが一般的である。
【0003】従来の梱包用積層緩衝体としては、発泡ポ
リスチレンや段ボールシートが知られており、発泡ポリ
スチレン成形体で製品を挟み込んだり、段ボールシート
を切り出した緩衝体を製品と梱包箱との間に挿入するこ
とが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発泡ポ
リスチレン製緩衝体は、嵩容積が大きくなり積み重ねる
ことも困難であるため、緩衝体自体の物流コストが高く
なり、また使用後の廃棄物処理にも嵩が大きいために経
済上の問題がある。また、段ボールシートからなる緩衝
体は、段ボールシートを切り出す作業や梱包箱に挿入す
るといった製造および梱包作業が煩雑であるという問題
がある。
【0005】特に上述した精密製品を梱包する場合に
は、60cmの高さから、好ましくは92cmの高さか
ら落下させたときの梱包されている製品に加わる最大加
速度が、たとえば60G以下になることが望ましいとさ
れるが、従来の発泡ポリスチレン製緩衝体や段ボール製
緩衝体の何れも、この緩衝性を満足することができなか
った。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、緩衝性能および梱包作業性
に優れ、嵩容積も小さい梱包用積層緩衝体を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の梱包用積層緩衝体は、凹部を有する熱
可塑性樹脂成形体であって、シート面が梱包物と当接し
前記凹部の底面が衝撃対象に対面するように形成され、
前記凹部の側壁に底面に向かって縮径する2段以上5段
以下の段部が形成され、かつ、少なくとも前記底面の裏
面にシート状熱可塑性樹脂発泡成形体を積層させている
ことを特徴とする。
【0008】第1の発明の梱包用積層緩衝体は、シート
状熱可塑性樹脂成形体に凹部を形成したが、シート状成
形体に形成した凹部は、逆に見れば凸部である。したが
って、上記目的を達成するために、第2の発明の梱包用
積層緩衝体は、シート面が衝撃対象に対面し前記凸部は
頂面で梱包物に当接するように形成され、前記凸部の側
壁に前記頂面に向かって縮径する2段以上5段以下の段
部が形成され、かつ、少なくとも前記頂面の表面にシー
ト状熱可塑性樹脂発泡成形体を積層させていることを特
徴とする。
【0009】すなわち、第1の発明の梱包用積層緩衝体
では、凹部の底面が衝撃対象に対面し、シート面で梱包
物に当接する構造となり、第2の発明の梱包用積層緩衝
体では、シート面が衝撃対象に対面し、凸部の頂面で梱
包物に当接する構造となる。いずれにおいても、シート
状熱可塑性樹脂発泡成形体の層が、シート状熱可塑性樹
脂成形体の、第1の発明においては裏面に、第2の発明
においては表面に、最大全面に、少なくとも前記凹部の
底面または前記凸部の頂面に積層される。
【0010】製品(梱包物)を梱包し、これを運搬、積
み荷あるいは積み下ろしする際、当該製品は種々の衝撃
や振動を受ける。特に精密製品などでは製品に加わる最
大重力加速度をたとえば60G以下(92cm落下試
験)に維持することが望ましいとされる。
【0011】この点、本発明の梱包用積層緩衝体では、
シート面に梱包物を載せて凹部の底面で衝撃や振動を受
ける(第1の発明)か、あるいは凸部の頂面に梱包物を
載せてシート面で衝撃や振動を受ける(第2の発明)
が、凹部または凸部の側壁に段部が形成されているの
で、段部が有する剛性によって衝撃に耐え、梱包物が衝
撃対象に直接当たらないように当該衝撃を受けるととも
に、段部が有する可撓性によって当該段部が撓み又は押
し潰されながら受けた衝撃を吸収することができる。す
なわち、本発明の梱包用積層緩衝体は、梱包物に加わる
初期の大きな衝撃とその後の振動を、段部の剛性と可撓
性とのバランスの良さによって吸収するものである。
【0012】また、本発明の梱包用積層緩衝体は、シー
ト面と凹部または凸部とを有するシート状熱可塑性樹脂
成形体からなるので、緩衝体自体を物流する際や保管す
る際にもこれらを積み重ねることができ、嵩容積を小さ
くすることができる。しかも、シート状熱可塑性樹脂成
形体からなるので、製造や梱包作業もきわめて容易であ
る。
【0013】本発明の梱包用積層緩衝体において、前記
凹部または凸部の側壁に形成される段部は、2段以上5
段以下とすることが好ましい。1段であると段部の剛性
が高すぎて相対的に可撓性が不十分となり、トータルで
の衝撃吸収性に欠けるので好ましくない。また、6段以
上の場合には段部の剛性が弱くなって相対的に可撓性が
過大となり、トータルでの耐衝撃性に欠けるので好まし
くない。このような観点から、剛性と可撓性とのバラン
スがとれた2段〜5段の段部とすることが望ましい。
【0014】本発明の梱包用積層緩衝体において、特に
限定されないが、シート状成形体の板厚Tと凹部または
凸部の深さHnとの比T/Hnが、0.02以上0.0
7以下であることがより好ましい。この場合の凹部また
は凸部の深さHnとは、梱包物と当接するシート面から
凹部の底面までの鉛直方向の長さ(第1の発明)または
衝撃対象とのシート面から凸部の頂面までの鉛直方向の
長さ(第2の発明)をいう。
【0015】凹部または凸部の深さに比べてシート状成
形体の板厚が薄すぎると、可撓性に対する段部の剛性が
低くなり、製品が直接底部に底づきするので好ましくな
い。また、凹部または凸部の深さに比べてシート状成形
体の板厚が厚すぎると、剛性に対する段部の可撓性が低
くなり、この場合にも座屈し難くなって衝撃吸収性が低
下するので好ましくない。したがって、剛性と可撓性と
のバランスがとれた段部を得るために、シート状成形体
の板厚Tと凹部または凸部の深さHnとの比T/Hnを
0.02以上0.07以下とすることが望ましい。
【0016】本発明の梱包用積層緩衝体において、特に
限定されないが、シート面からn段目の段部の投影面積
Anと当該段部に隣接する大径側の段部の投影面積An
−1との比An/An−1が、0.3以上0.9以下で
あることがより好ましい。この場合の段部の投影面積と
は、段部の棚の面積のみをいうのではなく、段部の棚の
最外周で閉塞される閉面の全面積をいう。
【0017】この比が小さすぎる、つまり段部の棚自体
の面積が大きくなりすぎると、同じ衝撃でも段部の棚に
作用する座屈時のモーメントが大きくなり、相対的に可
撓性が低くなって衝撃吸収性が低下するので、好ましく
ない。また、この比が大きすぎる、つまり段部の棚自体
の面積が小さくなりすぎると、同じ衝撃でも段部の棚に
作用する座屈時のモーメントが小さくなり、相対的に剛
性が高くなって、この場合にも衝撃吸収性が低下するの
で好ましくない。したがって、剛性と可撓性とのバラン
スがとれた段部を得るために、当接面からn段目の段部
の投影面積Anと当該段部に隣接する大径側の段部の投
影面積An−1との比An/An−1を0.3以上0.
9以下とすることが望ましい。
【0018】本発明の梱包用積層緩衝体において、特に
限定されないが、当接面からn段目の段部の深さHnと
当該段部に隣接する大径側の段部の深さHn−1との比
Hn−1/Hnが、0.3以上0.8以下であることが
より好ましい。この場合の段部の深さとは、第1の発明
および第2の発明何れにおいても、シート面からその段
部の棚までの鉛直方向の長さをいう。
【0019】この比が小さすぎる、つまり段部の周壁自
体の面積が大きくなりすぎると、段部の耐座屈荷重が大
きくなり、相対的に可撓性が低くなって衝撃吸収性が低
下するので、好ましくない。また、この比が大きすぎ
る、つまり段部の周壁自体の面積が小さくなりすぎる
と、段部の耐座屈荷重が小さくなって、この場合にも衝
撃吸収性が低下するので、好ましくない。したがって、
剛性と可撓性とのバランスがとれた段部を得るために、
当接面からn段目の段部の深さHnと当該段部に隣接す
る大径側の段部の深さHn−1との比Hn−1/Hnを
0.3以上0.8以下とすることが望ましい。
【0020】本発明の梱包用積層緩衝体において、特に
限定されないが、凹部または凸部の深さをHn、底面ま
たは頂面を正方形に近似したときの一辺の長さを√A0
としたときに、0.2≦Hn/√A0 ≦1.0を満
足することが好ましい。Hn/√A0 の値が0.2よ
り小さいと段部の深さが小さすぎて段構造を設けた意義
がほとんどなくなり、逆に1.0より大きいと成形の深
絞りの度合いが大きすぎて段部の肉厚が薄くて剛性が不
足する傾向がある。
【0021】また、本発明の梱包用積層緩衝体におい
て、特に限定されないが、シート面の投影面積をA0
、梱包物の重量をWとしたときに、0.01g/cm
≦W/A0 ≦0.09g/cmを満足するこ
とが好ましい。W/A0 の値が0.01g/cm
より小さいと梱包物の重さで段構造が座屈せず、緩衝効
果が現れない可能性があり、また逆に0.09g/cm
より大きいと、衝撃の際に段構造が過度につぶれて
梱包物が直接底面に激突する傾向がある。
【0022】本発明の梱包用積層緩衝体において、凹部
の底面または凸部の頂面の形状は特に限定されず、梱包
物の種類や目的とする緩衝効果などの諸条件に応じて、
円形、矩形、三角形、楕円およびこれらの組み合わせ形
状とすることができる。そして、段部の形状は底面また
は頂面の形状や当接面の形状に適宜合わせて選択され
る。
【0023】また、本発明の梱包用積層緩衝体におい
て、段部の断面形状も特に限定されないが、成形時の型
抜き性や緩衝体の積み重ね容易性を考慮すれば、大径側
に向かって、たとえば3°〜15°、特に好ましくは6
°前後の抜き角(テーパ面)を付けて形成することが望
ましい。
【0024】本発明の梱包用積層緩衝体において、シー
ト状熱可塑性樹脂成形体は、特に限定されないがポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ABS、ポリスチレンその他の熱可
塑性樹脂またはそれらの混合物もしくは各単体シートの
積層体で構成することができ、その成形方法も、特に限
定されないが、真空成形、真空圧空成形、射出成形、プ
レス成形などを例示することができる。シート状熱可塑
性樹脂成形体の厚みは、0.4〜2.0mmが好まし
く、0.5〜1.4mmが更に好ましい。シート状熱可
塑性樹脂成形体を採用することで、発泡ポリスチレンが
抱えていた物流コスト、廃棄処理コストの問題が解消さ
れる。
【0025】本発明の梱包用積層緩衝体において、シー
ト状熱可塑性樹脂成形体の、第1の発明においては裏面
に、第2の発明においては表面に、最大全面に、少なく
とも、第1の発明においては凹部の底面に、第2の発明
においては凸部に頂面に、シート状熱可塑性樹脂発泡成
形体の層を積層させる。シート状熱可塑性樹脂発泡成形
体は、特に限定されないがポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、A
BS、ポリスチレンその他の熱可塑性樹脂またはそれら
の混合物の発泡成形によるシート状成形体で、発泡倍率
は5〜50倍が好ましく、10〜40倍が更に好まし
い。シート状発泡成形成形体の厚みは1.0〜5.0m
mが好ましく、2.0〜4.0mmが更に好ましい。
【0026】本発明の梱包用積層緩衝体に用いられる前
記シート状熱可塑性樹脂成形体およびシート状熱可塑性
樹脂発泡成形体を形成する熱可塑性樹脂には、自己崩壊
する合成樹脂が混合されても良い。自己崩壊する合成樹
脂としては、酢酸セルロース系、ポリカプロラクトン
系、ポリ乳酸系、低級脂肪酸の単独重合体または2種以
上低級脂肪酸の共重合体、でんぷんを5〜50重量%分
散混合した合成樹脂などが用いられるが、これらの樹脂
の2種以上の混合物であっても良い。あるいはこれらの
自己崩壊する合成樹脂と他の合成樹脂の混合物であって
も良い。
【0027】本発明の梱包用積層緩衝体は、緩衝用凹部
または緩衝用凸部を有して梱包物の第1面を保持する第
1面保持部と、前記第1面保持部に対して回動自在のヒ
ンジ部を介して前記梱包物の第2面を保持する第2面を
保持する第2面保持部を有する一体に成形されたもので
あっても良い。また、本発明の梱包用積層緩衝体は、第
1の発明にあっては少なくとも凹部の周囲に梱包物との
当接面が形成されたもの、第2の発明にあっては少なく
とも凸部の周囲に衝撃対象と対面する面が形成されたも
のを全て含む趣旨であり、当接面の近傍などに補強用フ
ランジ、補強用スカート、補強用リブなどを適宜形成す
ることもできる。
【0028】本発明の梱包用積層緩衝体は、特に限定さ
れず、緩衝性を必要とする各種の梱包物に用いることが
できる。特に、高い緩衝性が要求される精密部品に適用
するとその効果が大きい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1は本発明の梱包用積層緩衝体の実施形態を示す斜視
図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は梱包用
積層緩衝体を用いて製品を梱包した状態を示す断面図で
ある。以下の実施形態では、第1の発明の梱包用積層緩
衝体、すなわちシート状成形体に凹部が形成されたもの
を例に挙げて説明する。
【0030】図1に示されるように、本実施形態の梱包
用積層緩衝体1では、シート状熱可塑性樹脂成形体の中
央に凹部11が形成され、この凹部11の周囲に梱包物
2を載置するための当接面12が形成されている。
【0031】凹部11は、衝撃を受ける底面111と、
この底面111から当接面12の間の側壁に形成された
段部112とからなり、本実施形態では底面111が矩
形(平面視)に形成されている。また、段部112は、
当接面12や底面111にほぼ平行な面である棚112
aと、この棚112aから底面111側に向かって延在
する周壁112bとからなり、本実施形態では2つの段
部112−1,112−2が形成されている。
【0032】図3に示すように、梱包用積層緩衝体の凹
部底面の裏面にはシート状熱可塑性樹脂発泡成形体13
が貼付により積層されている。シート状熱可塑性樹脂発
泡成形体13は、梱包箱3に接している。なお、実際に
製品2を梱包する場合には、図3に示すように当接面1
2の周囲に製品2を位置決めしたり緩衝体の剛性を高め
るためのフランジ14を形成することもできる。
【0033】本実施形態の梱包用積層緩衝体1では、上
述した凹部11の形状を以下のように設定することとし
ている。まず、段部112の段数は2段以上5段以下と
することが好ましい。1段の場合には、衝撃により段部
が押し潰されても、梱包物2に加わる最大加速度が大き
くて十分な衝撃吸収性を得ることができない。また、6
段以上の場合にも、剛性が強くなって最大加速度が大き
な値となる他、段数を増加させると必然的に嵩容積が大
きくなるので好ましくない。
【0034】また、図2に示すようにシート状成形体の
板厚をT、凹部11の深さをHnとしたときに、これら
の比T/Hnは0.02以上0.07以下、換言すれば
凹部11の深さHnは板厚Tの14.3〜50倍である
ことが好ましい。比T/Hnが0.02より小さい、つ
まりシート状成形体の板厚Tに比べて凹部11の深さH
nが深すぎると段部112が座屈し易くなって耐衝撃性
が低下する。逆に比T/Hnが0.07より大きい、つ
まりシート状成形体の板厚Tに比べて凹部11の深さH
nが浅すぎても、段部112による衝撃吸収性が低下す
る。
【0035】また、同図に示すように1段目の段部11
2−1の棚112aの最外周で閉塞される閉面の平面視
における投影面積をA1、同じく2段目の段部112−
2の投影面積をA2、凹部11の底面111の投影面積
をA3としたときに、隣り合う投影面積の比A2/A
1,A3/A2が、それぞれ0.3以上0.9以下であ
ることが好ましい。
【0036】この比の値は、段部112−1,112−
2の棚112aの面積(幅)に相関するが、この比が
0.3よりも小さい、つまり段部112の棚112a自
体の面積が大きい(棚112aの幅が広い)と、底面1
11から伝わる衝撃のモーメントが大きくなり、これに
より可撓性が低くなって衝撃吸収性が低下する。逆にこ
の比が0.9よりも大きい、つまり段部112の棚11
2a自体の面積が小さいと、底面111から伝わる衝撃
のモーメントが小さく、剛性が高くなって、この場合に
も衝撃吸収性が低下する。
【0037】また、同図に示すように1段目の段部11
2−1の深さをH1、2段目の段部112−2の深さを
H2、底面111の深さをHnとしたときに、隣り合う
段部の深さの比H1/H2,H2/Hnが、0.3以上
0.8以下であることが好ましい。
【0038】この比の値は、段部112−1,112−
2の周壁112bの面積(高さ)に相関するが、この比
が0.3よりも小さい、つまり段部112の周壁112
b自体の面積が大きい(周壁の高さが高い)と、段部1
12の耐座屈荷重が大きくなり過ぎ、衝撃吸収性が低下
する。また、この比が0.8よりも大きい、つまり段部
112の周壁112b自体の面積が小さい(周壁の高さ
が低い)と、段部112の耐座屈荷重が小さくなり過
ぎ、この場合にも衝撃吸収性が低下する。
【0039】また、同図に示すように、各段部112−
1,112−2の周壁112bに、たとえば3°〜15
°、特に好ましくは6°前後の抜き角α(テーパ面)を
付けて形成することが望ましい。こうすることにより成
形時の型抜きが容易になって成形性が向上するととも
に、緩衝体1自体を積み重ねたときの嵩容積が小さくな
る。
【0040】なお、図示する実施形態では凹部11の底
面111を矩形とし、これに応じて段部112も相似形
状としたが、これら底面11や段部112の形状は梱包
物の種類や目的とする緩衝効果などの諸条件に応じて、
図4(A)〜(F)に示すように円形、矩形、三角形、
楕円およびこれらの組み合わせ形状とすることができ
る。
【0041】また梱包用積層緩衝体1を構成するシート
状形成体およびシート状形成体は、特に限定されない
が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレンテレフタレート、ABS、ポリスチレンそ
の他の熱可塑性樹脂またはそれらの混合物で構成するこ
とができ、シート状形成体の成形方法も、特に限定され
ないが、真空成形、真空圧空成形、射出成形、プレス成
形などを例示することができる。
【0042】このように構成された梱包用積層緩衝体1
を用いて梱包物2を梱包箱に梱包するには、たとえば図
3に示されるように、2つの緩衝体1,1の当接面12
およびフランジ14にて製品2を挟み込み、これを梱包
箱3に入れれば良い。
【0043】これにより、この梱包箱3を落としても或
いはこの梱包箱3の上に何かが落下してきても、これら
の衝撃は凹部11の底面111から段部112へ伝わり
ここで吸収されることになる。
【0044】第2実施形態 上述した第1実施形態はシート状成形体に凹部11を形
成したものであるが、凹部11は見方を変えれば凸部で
ある。本実施形態の梱包用積層緩衝体は、シート状成形
体に凸部を形成したもので、図5に示されるように、第
1実施形態と同じ構造の緩衝体1であるが、製品2を梱
包する際は第1実施形態とは逆に用いられる。
【0045】すなわち、凸部11の頂面111の表面に
貼付されたシート状熱可塑性樹脂発泡成形体13にて製
品2を受容し、凸部11の周囲のシート面は衝撃対象、
具体的には梱包箱3に接する。その他の構成については
上述した第1実施形態と同じであるため、同一の符号を
付してその説明を省略するが、このように凹部を凸部と
しても、段部112による緩衝効果は同じであり、製品
に加わる衝撃や振動を適切に吸収することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の梱包用積層緩衝体1をさらに
具体化して説明する。実施例1 ポリプロピレン35重量%、高密度ポリエチレン25重
量%、炭酸カルシウム38重量%および酸化チタン2重
量%からなるポリオレフィンコンパウンドを用いて真空
成形により、図6に裏面の斜視図を示す緩衝体1のシー
ト状ポリオレフィン成形体を成形した。この緩衝体は、
緩衝用凹部を有して梱包物の第1面を保持する第1面保
持部と、前記第1面保持部に対して回動自在のヒンジ部
15を介して梱包物の第2面を保持する第2面保持部を
一体に成形したもので、各緩衝用凹部底面111の裏面
に面積Anと同面積の低密度ポリエチレン製のシート状
発泡成形成形体を接着剤により貼付したものである。シ
ート状発泡成形成形体の発泡倍率は30倍であり、シー
トの厚みは3mmである。真空成形による成形体の板厚
Tは1.0mm、段部112の段数nは2段、凹部11
の深さH2は20mm、板厚Tと凹部深さH2との比T
/H2は0.05、底面111の面積A2は2400m
、段部112の投影面積の比A2/A1は0.
5、段部112の深さの比H1/H2は0.5である。
図7にこの積層緩衝体のヒンジ部を含む要部断面図を示
す。
【0047】この積層緩衝体1を用いて、図8に示すよ
うに重量3.7kgの梱包物2を重力加速度センサ5と
ともに挟み込んで梱包箱2に収納し、落下試験装置4の
落下ユニット41にセットし、92cmの高さから底面
方向に自然落下させた。
【0048】このときの梱包物2に加わる最大加速度を
測定したところ、表1に示すように35Gと良好であっ
た。
【0049】実施例2 実施例1の積層緩衝体のポリエチレンシート状発泡成形
成形体の厚みを5mmとした以外は実施例1と同じ積層
緩衝体1を作成し、また同じ条件で落下試験を行って、
梱包物2に加わる最大加速度を測定した。この結果を表
1に示すが、35Gと良好であった。
【0050】実施例3 実施例1の積層緩衝体のポリエチレンシート状発泡成形
成形体の発泡倍率を15倍とし、厚みを5mmとした以
外は実施例1と同じ条件で積層緩衝体1を成形し、また
同じ条件で落下試験を行って、梱包物2に加わる最大加
速度を測定した。この結果を表1に示すが、30Gと良
好であった。
【0051】比較例1 実施例1の段部112の段数を1段とした(An/An
−1の値は必然的に変わる。)以外は、実施例1と同じ
条件で緩衝体1を成形し、また同じ条件で落下試験を行
って、梱包物2に加わる最大加速度を測定した。この結
果を表1に示すが、65Gであった。
【0052】比較例2 実施例1の段部112の段数を6段とした以外は実施例
1と同じ条件で緩衝体1を成形し、また同じ条件で落下
試験を行って、梱包物2に加わる最大加速度を測定し
た。この結果を表1に示すが、70Gであった。
【0053】比較例3 実施例1のシート状成形体の板厚Tを0.3mmとし、
凹部11の底面111の裏面に発泡倍率1.5倍、厚み
1.0mmのポリエチレンシート状発泡成形成形体を貼
付けた以外は実施例1と同じ条件で緩衝体1を成形し、
また同じ条件で落下試験を行って、梱包物2に加わる最
大加速度を測定した。この結果を表1に示すが、100
Gであった。
【0054】比較例4 実施例1のシート状成形体の板厚Tを2mmとし、凹部
11の底面111の裏面に発泡倍率1.2倍、厚み0.
5mmのポリエチレンシート状発泡成形成形体を貼付け
た以外は実施例1と同じ条件で緩衝体1を成形し、また
同じ条件で落下試験を行って、梱包物2に加わる最大加
速度を測定した。この結果を表1に示すが、150Gで
あった。
【0055】比較例5 実施例1の凹部11の底面111の裏面にポリエチレン
シート状発泡成形成形体を貼付しなかった以外は実施例
1と同じ条件で緩衝体1を作成し、また同じ条件で落下
試験を行って、梱包物2に加わる最大加速度を測定し
た。この結果を表1に示すが、45Gであった。
【0056】
【表1】
【0057】実施例の考察 (1)実施例1〜3と比較例1および2の結果から、積
層緩衝体の段部112の段数は2〜5段が最適である。
【0058】(2)実施例1〜3と比較例3および4の
結果から、積層緩衝体の板厚Tと深さHnとの比T/H
nは0.02〜0.07が最適である。
【0059】(3)実施例1〜3と比較例5の結果か
ら、緩衝用凹部底面の裏面にシート状熱可塑性樹脂発泡
成形体が積層されていないと優れた緩衝効果は得られな
い。
【0060】なお、以上説明した実施形態および実施例
は、本発明の理解を容易にするために記載されたもので
あって、本発明を限定するために記載されたものではな
い。したがって、上記の実施形態および実施例に開示さ
れた各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計
変更や均等物をも含む趣旨である。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、凹部
または凸部の側壁に形成された段部の剛性と可撓性との
バランスが良い上にシート状熱可塑性樹脂発泡成形体の
作用も加わるので、優れた緩衝機能を発揮でき、精密機
器をはじめ破損しやすい梱包物に適した緩衝体を提供す
ることができる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の梱包用積層緩衝体の実施形態を示す斜
視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の梱包用積層緩衝体を用いた梱包状態を
示す断面図である。
【図4】本発明の梱包用積層緩衝体の他の実施形態の緩
衝用凹部の底面を示す平面図である。
【図5】本発明の梱包用積層緩衝体の他の実施形態を示
す断面図である。
【図6】本発明の実施例1で用いた梱包用積層緩衝体の
裏面斜視図である。
【図7】本発明の実施例1で用いた梱包用積層緩衝体の
要部断面図である。
【図8】本発明の実施例で用いた落下試験装置を示す正
面図である。
【符号の説明】
1…緩衝体 11…凹部,凸部 111…底面,頂面 112…段部 112a…棚 112b…周壁 12…当接面 13…シート状熱可塑性樹脂発泡成形体 14…フランジ 15…ヒンジ部 2…梱包物 3…梱包箱
フロントページの続き (72)発明者 矢田 誠規 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 ゼオン化成株式会社川崎研究所内 Fターム(参考) 3E066 AA42 EA03 KA20 NA01 NA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有するシート状熱可塑性樹脂成形体
    であって、シ−ト面が梱包物当接し前記凹部の底面が衝
    撃対象に対面するように形成され、前記凹部の側壁に前
    記底面に向かって縮径する2段以上5段以下の段部が形
    成され、かつ、少なくとも前記底面の裏面にシート状熱
    可塑性樹脂発泡成形体を積層させていることを特徴とす
    る梱包用積層緩衝体。
  2. 【請求項2】凸部を有するシート状熱可塑性樹脂成形体
    であって、シート面が衝撃対象に対面し前記凸部は頂面
    で梱包物当接するように形成され、前記凸部の側壁に前
    記頂面に向かって縮径する2段以上5段以下の段部が形
    成され、かつ、少なくとも前記頂面の表面にシート状熱
    可塑性樹脂発泡成形体を積層させていることを特徴とす
    る梱包用積層緩衝体。
  3. 【請求項3】前記シート状熱可塑性樹脂成形体の板厚T
    と前記凹部または凸部の深さHnとの比T/Hnが、
    0.02以上0.07以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載の梱包用積層緩衝体。
  4. 【請求項4】前記段部のシート面からn段目のものの投
    影面積Anと当該段部に隣接する大径側の段部の投影面
    積An−1との比An/An−1が、0.3以上0.9
    以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記
    載の梱包用積層緩衝体。
  5. 【請求項5】前記段部のn段目のものの深さHnと当該
    段部に隣接する大径側の段部の深さHn−1との比Hn
    −1/Hnが、0.3以上0.8以下であることを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載の梱包用積層緩衝
    体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1348643A1 (de) * 2002-03-28 2003-10-01 Willibald Hergeth Behältnis und Palette zur Aufnahme von Schaufeln einer Strömungsmaschine
FR2847240A1 (fr) * 2002-11-15 2004-05-21 Bosch Gmbh Robert Element de rangement pour disque de frein et module comportant au moins un tel element.
JP7343247B1 (ja) 2023-06-07 2023-09-12 ヒロホー株式会社 搬送容器の製造方法

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