JP4106915B2 - プッシュオンスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の入力操作部に使用され、軽く押圧操作するとまず第一のスイッチが動作し、更に強く押圧操作すると続いて第二のスイッチが節度を伴って動作する二段動作のプッシュオンスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のプッシュオンスイッチとしては、特開平11−232962号公報に記載された二段動作のプッシュオンスイッチが知られており、その内容について図17〜図21を用いて説明する。
【0003】
図17は従来のプッシュオンスイッチの外観斜視図、図18(a)は正面断面図、同図(b)は側面断面図である。
【0004】
このプッシュオンスイッチは、図18および図19のスイッチケースの平面図に示すように、上面開口の円形凹部1Aの内底面に、中央固定接点2Aおよびこれを挟んで点対称位置に電気的に独立した二つの周辺固定接点2B,2Cを備え、各固定接点2A〜2Cと導通した接続用端子3A〜3Cを外周側部に備える絶縁樹脂製のスイッチケース1内に、図20(a)の可動接点の平面図および同図(b)の正面断面図に示すような、二つの周辺固定接点2B,2Cの中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部5およびその円板部5を所定の上方への傾斜状態にするように、円板部5の外方に一定の間隔をあけて可撓性を有する細巾の連結部6で同心状に繋がれた円形リング部7からなる弾性金属薄板製の可動接点4を、円板部5の外周が周辺固定接点2B,2Cの上方に所定の間隔をあけて位置するように収容し、スイッチケース1の円形凹部1Aの上面開口部を覆う弾性を有する絶縁フィルム製のシート8を、開口部9Aを有するカバー9で挟持したものである。
【0005】
このような構成のプッシュオンスイッチに対し、図18(a)の状態において、カバー9の開口部9Aからシート8を介して、操作体10により可動接点4の円板部5を押圧操作すると、図21の動作状態を説明する正面断面図において(a)に示すように、円板部5は球面状のままで連結部6が撓むことによって、円板部5は下方に動いて外周下端が二つの周辺固定接点2Bと2Cに接触して両者の間すなわち接続端子3Bと3Cの間を導通させ、第一のスイッチとして動作する。
【0006】
この状態から更に、操作体10により可動接点4の円板部5を強く押し下げると、今度は、図21(b)に示すように、円板部5が節度を伴いながら下膨らみ状態に弾性反転して、円板部5の中心部が中央固定接点2Aに接触し、第一のスイッチとして導通した二つの周辺固定接点2B,2Cに加えて中央固定接点2Aすなわち接続端子3Aとの間を導通させ、第二のスイッチとして動作する。
【0007】
この後、操作体10による可動接点4の円板部5への押圧力を除くと、まず円板部5が弾性復元力により節度を伴って上方への球面状に復帰することによって、その中心部が中央固定接点2Aから離れて第二のスイッチがオフ状態に戻り、続いて連結部6が上方へ傾斜した状態に戻ることによって円板部5の外周下端が周辺固定接点2B,2Cから離れて、第一のスイッチもオフ状態に戻るものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年の小型・高密度化した電子機器の入力操作部に使用されるプッシュオンスイッチは、装着スペースが限定されるために小型・細巾であることが求められている。
【0009】
しかしながら上記従来の二段動作のプッシュオンスイッチは、第二のスイッチの動作時に節度を伴って反転動作する円板部5の外方に、円形リング部7が同心状に繋がれた可動接点4を使用するものであるから、この可動接点4を収容するスイッチケース1の外径すなわちプッシュオンスイッチの外径が大きく、巾広い装着スペースが必要であるという課題があった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、外径の巾寸法が、操作時に節度を伴って動作する一段動作のプッシュオンスイッチと同等である、細巾の二段動作のプッシュオンスイッチを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、上面開口の凹部の内底面に、中央固定接点およびこれを挟む位置に電気的に独立して配設された二つの周辺固定接点を備え、上記各固定接点と導通した接続端子を外周に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその中心に対して点対称位置の外周から半径方向下方に傾斜状態で突出した脚部とその先端の拡大部を有した二つの対称形状のT字形突出部からなり、T字形突出部の各脚部先端の拡大部の巾寸法が円板部の直径と同等以下であると共に、円板部の外周が周辺固定接点の上方に所定の間隔をあけて対峙するように各拡大部の端部がスイッチケースの凹部の内底面に載せられた弾性金属薄板製の可動接点体と、スイッチケース凹部内の可動接点体の上部に上下動可能に収容され、可動接点体の円板部上面中央に当接する押圧部およびスイッチケースの上面開口部から表出する操作部を有する駆動体とを備えたプッシュオンスイッチとしたものであり、可動接点体全体の巾寸法が、動作時に節度を伴って弾性反転する円板部の直径と同等以下であるので、これを収容するスイッチケースの巾寸法すなわちプッシュオンスイッチの巾寸法が、動作時に節度を伴ってオンとなる一段動作のプッシュオンスイッチと同等でありながら、駆動体の操作部を押圧操作することにより、まず可動接点体の二つのT字形突出部の脚部が弾性変形して二つの周辺固定接点の間が導通し、次に円板部が節度を伴って弾性反転して中央固定接点との間が導通する、細巾の二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるという作用効果を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、可動接点体の二つのT字形突出部の、各拡大部の先端の一つと接触するコモン接点をスイッチケース内底面に、このコモン接点と導通したコモン接続端子をスイッチケースの外周にそれぞれ配設したものであり、駆動体の操作部を押し下げることにより、まず可動接点体の二つのT字形突出部が弾性変形して、コモン接点と二つの周辺固定接点との間すなわち三つの接点間が導通し、次に円板部が節度を伴って弾性反転して中央固定接点との間が導通するタイプの、細巾の二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるという作用効果を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、スイッチケースの凹部の断面形状が、内底面の二つの周辺固定接点を結ぶ方向に長い長方形で、底面を挟んで平行な長い平面状の壁部の一方の側に全ての接続端子が突出したものであり、スイッチケースの接続端子が突出した壁部側の平面部を取付面として、接続端子を使用電子機器の配線基板に半田付け等の方法で接続固定することによって、配線基板面に対して平行な方向に押圧操作するタイプで配線基板からの高さ寸法が小さく、薄型携帯用電子機器の側面操作用等に好適な、スイッチ動作が安定した二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるという作用効果を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、特に、スイッチケースと一体に、接続端子が突出した平面状の壁部と同一平面を有する後方への拡大部を設けたものであり、使用電子機器の配線基板に対して平行な方向の押圧操作力が加わる際に、スイッチケースが後方へ傾くことに対する耐力が大きいプッシュオンスイッチとすることができるという作用効果を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、駆動体の少なくとも押圧部が弾性材料からなり、可動接点体の円板部の弾性反転力よりも大きな押圧力で圧縮弾性変形するものであり、駆動体の押圧操作時に、駆動体に過大な押圧力が加わっても可動接点体等の損傷を軽減することができるという作用効果を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、駆動体の少なくとも押圧部が弾性材料からなり、可動接点体のT字形突出部の脚部の弾性変形力よりも小さな押圧力で圧縮弾性変形を開始し、押圧力が増して所定量以上に圧縮されると、圧縮弾性変形力が可動接点体の円板部の弾性反転力よりも大きくなるものであり、駆動体を押圧操作するストロークのうち、二つの周辺固定接点の間が導通するまでのストロークを長くすることができるので、誤って駆動体が軽く押された時などにスイッチが誤動作し難いと共に、駆動体の押圧操作時に、駆動体に過大な押圧力が加わっても可動接点体等の損傷を軽減することができるという作用効果を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図16を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1および2に記載の発明について説明する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの正面断面図、図2は外観斜視図、図3は分解斜視図である。
【0021】
同図において11は絶縁樹脂製のスイッチケースで、同図および図4のスイッチケースの平面図に示すように、上面開口の凹部11Aの内底面に中央固定接点12Aおよびこれを挟んで点対称位置に、電気的に独立した二つの周辺固定接点12B,12Cを備え、それぞれの固定接点12A〜12Cと導通した接続端子13A〜13Cを外周側部に備えていることは従来の技術の場合と同様であるが、凹部11Aの断面形状は長方形となっている。
【0022】
なお、中央固定接点12Aの接続端子13Aは電気的接続用としては一つでよいが、接続端子13A〜13Cはこのプッシュオンスイッチを使用電子機器の配線基板に固定するための固定脚を兼ねているので、固定脚を対向位置に二つずつバランスよく設けて固定強度を安定させるために、接続端子13Aは二つ設けられている。
【0023】
そして、スイッチケース11の凹部11A内に収容された14は弾性金属薄板製の可動接点体で、図1、図3および図5の可動接点体の平面図に示すように、スイッチケース11の二つの周辺固定接点12B,12Cの中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部15と、その中心に対して点対称位置の外周から半径方向下方に傾斜状態で突出した二つの対称形状のT字形突出部16,17とで構成されている。
【0024】
このT字形突出部16,17の脚部16A,17A先端の拡大部16B,17Bの巾寸法は円板部15の直径と同等に設定されているので、可動接点体14全体としての形状がほぼ長方形であると共に、下方に傾いた各拡大部16B,17Bの端部16C,16Dおよび17C,17Dが、スイッチケース11の略長方形の凹部11A四隅の段部18A〜18D上に載せられることによって、円板部15の外周がスイッチケース11の二つの周辺固定接点12B,12Cの上方に所定の間隔をあけて対峙している。
【0025】
なお、可動接点体14のT字形突出部16,17の各拡大部16B,17Bの巾寸法は、円板部15の直径よりも小さくしてもよいが、可動接点体14全体の巾寸法が大きくならない範囲において大きくした方がスイッチケース11の凹部11A四隅の段部18A〜18Dに載った時の安定性が高いので、円板部15の直径と同等に設定してある。
【0026】
また、段部18A〜18Dをなくして、スイッチケース11の凹部11Aの内底面上に同様にして可動接点体14を配してもよい。
【0027】
そして、スイッチケース11の凹部11A内の可動接点体14の上部に上下動可能に収容された19は、このプッシュオンスイッチを押圧操作するための絶縁樹脂製の駆動体で、下方の押圧部19Aが可動接点体14の円板部15上面中央に当接し、上方の操作部19Bが凹部11Aの開口部から突出もしくは表出するように、貫通孔20Aを有するカバー20により中間部19Cを所定の高さ位置で支持されている。
【0028】
このカバー20は金属薄板を打抜き・曲げ加工して形成されたものであり、スイッチケース11の凹部11Aの開口部を覆うように、対向した折り曲げ部の四つの爪20Bをスイッチケース11の外周側面の四つの突起11Bに引掛けることによって固定されている。
【0029】
なお、カバー20は必ずしも金属薄板で形成する必要はなくて樹脂材料で形成してもよく、また貫通孔を有するフィルム等をスイッチケース11の凹部11Aの開口部の周囲に張りつけたり、凹部11Aの開口部の周囲を内側にカール加工しても同様の機能を果たすことができるものである。
【0030】
また、駆動体19をなくして、スイッチケース11の凹部11Aをフィルム等で覆ってカバー20を固定してもよい。
【0031】
本実施の形態によるプッシュオンスイッチは以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0032】
図1に示すスイッチ・オフの状態において、駆動体19の操作部19Bを押圧操作すると、駆動体19は中間部19Cをスイッチケース11の凹部11Aの内壁に案内されて下方に動き、下方の押圧部19Aが可動接点体14の円板部15の中央を下方に押す。
【0033】
すると、図6の押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図において、まず、同図(a)に示すように、可動接点体14の円板部15は球面状に湾曲したままで、二つのT字形突出部16,17の脚部16A,17Aが弾性変形することにより円板部15が下方に動いて外周下面が二つの周辺固定接点12Bと12Cに接触し、両者の間すなわち接続端子13Bと13Cの間を導通させて、図7の接続状態を説明する回路図において(a)に矢印で示すように、第一のスイッチとして動作する。
【0034】
次に、この状態から更に、駆動体19により可動接点体14の円板部15の中央を強く押し下げると、今度は図6(b)に示すように、円板部15が節度を伴いながら下膨らみ状態に弾性反転してその中心部が中央固定接点12Aに接触して、第一のスイッチとして導通した二つの周辺固定接点12B,12Cに加えて中央固定接点12Aすなわち接続端子13Aとの間を導通させて、図7(b)に矢印で示すように、第二のスイッチとして動作する。
【0035】
この後、駆動体19の操作部19Bに対する押圧力を除くと、まず円板部15が弾性復元力により節度を伴って上方への球面状に復帰することによって、その中心部が中央固定接点12Aから離れて第二のスイッチがオフ状態に戻り、続いてT字形突出部16,17の脚部16A,17Aが、先端側が下方へ傾斜した状態に弾性復帰することによって、円板部15の外周下面が周辺固定接点12B,12Cから離れ、第一のスイッチもオフ状態に戻る。
【0036】
ここで、以上に説明したプッシュオンスイッチでは、スイッチ・オフの状態において可動接点体14は何れの接続端子13A〜13Cにも導通していないが、これをコモン接続端子と導通させる構成について、次に説明する。
【0037】
すなわち、図8(a)の他の構成のスイッチケースの平面図に示すように、スイッチケース21の凹部21Aの四つの段部22A〜22Dのうち、可動接点体14の一方のT字形突出部17の拡大部17Bの端部17Dが載る段部22Dにコモン接点23(図中、ハッチングで示す)を設けると共に、中央固定接点25Aと導通する接続端子24Aを一つにして、他方をコモン接続端子24Dとしてコモン接点23と導通させた構成とする。
【0038】
なお、二つの周辺固定接点25B,25Cおよびそれぞれと導通した接続端子24B,24Cの構成は上記のスイッチケース11と同様である。
【0039】
そして、図8(b)のスイッチケースに可動接点体を収容した状態の平面図に示すように、スイッチケース21の凹部21A内に可動接点体14を収容して、上記の場合と同様に、プッシュオンスイッチとして組み立てる。
【0040】
このようにして形成されたプッシュオンスイッチは、可動接点体14の一方のT字形突出部17の端部17Dが、常時、コモン接点23すなわちコモン接続端子24Dと導通しているので、駆動体19(図示せず)を押圧操作すると、まず第一スイッチとしての動作で、図9の接続状態を説明する回路図において(a)に矢印で示すように、コモン接続端子24Dと接続端子24Bおよび24Cとの間が導通し、次に第二スイッチとしての動作で、同図(b)に矢印で示すように、上記三つの接続端子24B〜24Dに加えて、接続端子24Aとの間も導通するものである。
【0041】
なお、スイッチケース21の二つの周辺固定接点25B,25Cは必ずしも電気的に独立させておく必要はなく、使用時の都合によっては、あらかじめ導通した構成としてもよいものである。
【0042】
このように本実施の形態によれば、可動接点体14全体の巾寸法が、動作時に節度を伴って弾性反転する円板部15の直径と同等であるので、これを収容するスイッチケース11の巾寸法すなわちプッシュオンスイッチの巾寸法が、動作時に節度を伴ってオンとなる一段動作のプッシュオンスイッチと同等でありながら、押圧操作することにより、まず可動接点体14の二つのT字形突出部16,17が弾性変形して二つの周辺固定接点12B,12Cの間が導通し、次に円板部15が節度を伴って弾性反転して中央固定接点12Aとの間が導通する、細巾の二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるものである。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項3および4に記載の発明について説明する。
【0044】
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0045】
図10は本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチの側面断面図、図11は外観斜視図である。
【0046】
同図に示すように、本実施の形態によるプッシュオンスイッチは上記の実施の形態1によるものに対して、スイッチケースから接続端子の突出する方向が異なるものである。
【0047】
すなわち、図10、図11および図12のスイッチケースの正面図に示すように、スイッチケース26の凹部26Aの断面形状が、内底面の中央固定接点27Aを挟んで点対称位置に配設された二つの周辺固定接点27B,27Cを結ぶ方向に長い長方形であることは、実施の形態1と同じであるが、底面を挟んで平行な上下の壁部28A,28Bの外周面は横長の平面状となっている。
【0048】
そして、中央固定接点27Aおよび周辺固定接点27B,27Cと導通した接続端子29Aおよび29B,29Cは、平行な壁部28A,28Bの一方である下面側の壁部28Bから垂直方向に突出している。
【0049】
また、スイッチケース26の凹部26A内に可動接点体14および駆動体19が収容されていることも実施の形態1と同じであるが、スイッチケース26の凹部26Aの開口部を覆うカバー30の折り曲げ部の四つの爪30Aは、スイッチケース26の上下の平行な壁部28A,28Bではなく側面の平行な壁部28C,28Dの外周面に設けられた四つの突起26Bに引掛けられている。
【0050】
すなわち、スイッチケース26の上下の壁部28A,28Bはほぼ完全な平面状となって、両者間の外側寸法であるスイッチケース26の高さ寸法が低くなるように設定されている。
【0051】
このような構成の本実施の形態によるプッシュオンスイッチの動作は実施の形態1によるものと同じであるので、説明を省略する。
【0052】
そして、本実施の形態によるプッシュオンスイッチを、図13の使用電子機器の配線基板に装着した状態の部分断面の側面図に示すように、スイッチケース26の下面側の壁部28Bを取付面とし、接続端子29A〜29Cを使用電子機器の配線基板31の孔31Aに挿入して半田付けにより接続固定すると、配線基板31の面に対して平行な方向に押圧操作するタイプで配線基板31からの高さ寸法が小さいプッシュオンスイッチとして使用することができる。
【0053】
そして、図13に二点鎖線で示すように、スイッチケース26と一体に、接続端子29A〜29Cが突出した下面側の壁部28Bと同一平面を有する後方への拡大部28Eを設けることにより、使用電子機器の配線基板31に対して平行な方向の押圧操作力が加わる際に、スイッチケース26が後方へ傾くことに対する耐力を大きくすることができる。
【0054】
従って、本実施の形態によれば、薄型携帯用電子機器の側面操作用等に好適な、スイッチ動作が安定した二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるものである。
【0055】
なお、以上の本実施の形態によるプッシュオンスイッチの説明図である図10〜図13において、接続端子29A〜29Cはスイッチケース26の下面側の壁部28Bから垂直に突出し、配線基板31の孔31Aに挿入して半田付けするタイプのものとして説明したが、これは実施の形態1の説明図に示したような表面実装タイプの接続端子としてもよいものである。
【0056】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項5および6に記載の発明について説明する。
【0057】
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0058】
図14は本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチの正面断面図であり、同図に示すように、本実施の形態によるプッシュオンスイッチは上記の実施の形態1によるものに対して、駆動体の構成が異なるものである。
【0059】
すなわち、図14に示すように、駆動体32の押圧部33がゴム等の弾性材料で別体に形成され、絶縁樹脂で形成された操作部32Bと中間部32Cからなる樹脂部32Aの下端の孔に圧入・一体化されたものであり、その他の部分の構成は実施の形態1と同じである。
【0060】
このような構成の駆動体32を有する本実施の形態によるプッシュオンスイッチの動作は、押圧部33を形成するゴム等の弾性材料の弾性変形力の大きさにより、次の二つの場合に区分される。
【0061】
第一の場合は、駆動体32の押圧部33Aが可動接点体14の円板部15の弾性変形力よりも大きな押圧力により弾性変形する場合である。
【0062】
この場合のプッシュオンスイッチの動作は、図14に示すスイッチ・オフの状態において、駆動体32の操作部32Bを押圧操作すると、駆動体32は中間部32Cをスイッチケース11の凹部11Aの内壁に案内されて下方に動き、下方の押圧部33Aが可動接点体14の円板部15の中央を下方に押す。
【0063】
すると、押圧部33Aは変形しないで、実施の形態1において図6を用いて説明した場合と同様に、可動接点体14の二つのT字形突出部16,17の脚部16A,17Aが弾性変形して、第一スイッチとしての動作で二つの周辺固定接点12Bと12Cの間を導通させ、続いて円板部15が節度を伴いながら弾性反転して、第二スイッチとしての動作で二つの周辺固定接点12B,12Cに加えて中央固定接点12Aとの間も導通させて、図15の押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図において(a)に示す状態となる。
【0064】
この後、駆動体32の操作部32Bに対する押圧力を除くと、プッシュオンスイッチが図14のスイッチ・オフの状態に戻ることは、実施の形態1の場合と同じである。
【0065】
そして、上記の図15(a)に示す状態において、駆動体32の操作部32Bに更に大きな力が加えられると、今度は、同図(b)に示すように、駆動体32の弾性材料製の押圧部33Aが圧縮弾性変形する。
【0066】
これによって、駆動体32の操作部32Bに対する過大な押圧力による可動接点体14等の損傷を軽減することができる。
【0067】
次に、第二の場合は、駆動体32の押圧部33Bが可動接点体14のT字形突出部16,17の脚部16A,17Aの弾性変形力よりも小さな押圧力で圧縮弾性変形を開始し、押圧力が増して所定量以上に圧縮されると、圧縮弾性変形力が可動接点体14の円板部15の弾性反転力よりも大きくなる場合である。
【0068】
この場合のプッシュオンスイッチの動作は、図14に示すスイッチ・オフの状態において、駆動体32の操作部32Bを押圧操作すると、駆動体32は中間部32Cをスイッチケース11の凹部11Aの内壁に案内されて下方に動いて、図16の押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図において同図(a)に示すように、中間部32C下方の押圧部33Bが圧縮弾性変形を開始する。
【0069】
この後、操作部32Bに加える押圧力を増して押圧部33Bを所定量以上に圧縮すると、まず、可動接点体14の二つのT字形突出部16,17の脚部16A,17Aが弾性変形して、第一スイッチとしての動作で二つの周辺固定接点12Bと12Cの間を導通させ、図16(b)に示す状態となる。
【0070】
この状態で、更に操作部32Bに加える押圧力を増して押圧部33Bが更に圧縮されると、今度は、可動接点体14の円板部15が節度を伴いながら弾性反転して、第二スイッチとしての動作で二つの周辺固定接点12B,12Cに加えて中央固定接点12Aとの間も導通させ、図16(c)に示す状態となる。
【0071】
この後、駆動体32の操作部32Bに対する押圧力を除くと、プッシュオンスイッチが図14のスイッチ・オフの状態に戻ることは、上記第一の場合と同じである。
【0072】
そして、図16(c)に示す状態において、駆動体32の操作部32Bに更に大きな力が加えられると、押圧部33Bが更に圧縮弾性変形して可動接点体14等の損傷が軽減されることは上記第一の場合と同様であるが、このことに加えて、駆動体32の操作部32Bの押圧を開始してから第一スイッチとして動作するまでの操作ストロークを長くすることができるので、誤って押圧部32Bが軽く押された時などに、スイッチが誤動作し難いものにできる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、可動接点体を、動作時に節度を伴って弾性反転する円板部およびその中心に対して点対称位置の外周から半径方向下方に傾斜状態で突出した脚部とその先端の拡大部を有した二つの対称形状のT字形突出部からなる構成のものとしている。このため、このT字形突出部の各脚部先端の拡大部の巾寸法が円板部の直径と同等以下にでき、これを収容するスイッチケースの巾寸法すなわちプッシュオンスイッチの巾寸法が、動作時に節度を伴ってオンとなる一段動作のプッシュオンスイッチと同等でありながら、駆動体の操作部を押圧操作することにより、まず二つの周辺固定接点の間が導通し、次に節度を伴って中央固定接点との間が導通する、細巾の二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの正面断面図
【図2】同外観斜視図
【図3】同分解斜視図
【図4】同要部であるスイッチケースの平面図
【図5】同要部である可動接点体の平面図
【図6】(a),(b)はそれぞれ同押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図
【図7】(a),(b)はそれぞれ同押圧操作時の接続状態を説明する回路図
【図8】(a)は同他の構成の要部であるスイッチケースの平面図
(b)は同スイッチケースに可動接点体を収容した状態の平面図
【図9】(a),(b)はそれぞれ同押圧操作時の接続状態を説明する回路図
【図10】本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチの側面断面図
【図11】同外観斜視図
【図12】同要部であるスイッチケースの正面図
【図13】同プッシュオンスイッチを使用電子機器の配線基板に装着した状態の部分断面の側面図
【図14】本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチの正面断面図
【図15】(a),(b)はそれぞれ同第一の場合の押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図
【図16】(a),(b),(c)はそれぞれ同第二の場合の押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図
【図17】従来のプッシュオンスイッチの外観斜視図
【図18】(a)は同正面断面図
(b)は同側面断面図
【図19】同要部であるスイッチケースの平面図
【図20】(a)は同要部である可動接点の平面図
(b)は同正面断面図
【図21】(a),(b)はそれぞれ同押圧操作時の動作状態を説明する正面断面図
【符号の説明】
11,21,26 スイッチケース
11A,21A,26A 凹部
11B,26B 突起
12A,25A,27A 中央固定接点
12B,12C,25B,25C,27B,27C 周辺固定接点
13A〜13C,24A〜24C,29A〜29C 接続端子
14 可動接点体
15 円板部
16,17 T字形突出部
16A,17A 脚部
16B,17B 拡大部
16C,16D,17C,17D 端部
18A〜18D,22A〜22D 段部
19,32 駆動体
19A,33,33A,33B 押圧部
19B,32B 操作部
19C,32C 中間部
20,30 カバー
20A 貫通孔
20B,30A 爪
23 コモン接点
24D コモン接続端子
28A〜28D 壁部
28E 拡大部
31 配線基板
31A 孔
32A 樹脂部
Claims (6)
- 上面開口の凹部の内底面に、中央固定接点およびこれを挟む位置に電気的に独立して配設された二つの周辺固定接点を備え、上記各固定接点と導通した接続端子を外周に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、上記二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその中心に対して点対称位置の外周から半径方向下方に傾斜状態で突出した脚部とその先端の拡大部を有した二つの対称形状のT字形突出部からなり、このT字形突出部の各脚部先端の拡大部の巾寸法が上記円板部の直径と同等以下であると共に、上記円板部の外周が上記周辺固定接点の上方に所定の間隔をあけて対峙するように上記各拡大部の端部が上記スイッチケースの凹部の内底面に載せられた弾性金属薄板製の可動接点体と、上記スイッチケース凹部内の上記可動接点体の上部に上下動可能に収容され、上記可動接点体の円板部上面中央に当接する押圧部および上記スイッチケースの上面開口部から表出する操作部を有する駆動体とを備え、上記駆動体の操作部を押し下げることにより、まず上記可動接点体の二つのT字形突出部の脚部が弾性変形して上記二つの周辺固定接点の間が導通し、次に上記円板部が弾性反転して上記中央固定接点との間が導通するプッシュオンスイッチ。
- 可動接点体の二つのT字形突出部の、各拡大部の先端の一つと接触するコモン接点をスイッチケース内底面に、このコモン接点と導通したコモン接続端子を上記スイッチケースの外周にそれぞれ配設した請求項1記載のプッシュオンスイッチ。
- スイッチケースの凹部の断面形状が、内底面の二つの周辺固定接点を結ぶ方向に長い長方形で、底面を挟んで平行な長い平面状の壁部の一方の側に全ての接続端子が突出した請求項1記載のプッシュオンスイッチ。
- スイッチケースと一体に、接続端子が突出した平面状の壁部と同一平面を有する後方への拡大部を設けた請求項3記載のプッシュオンスイッチ。
- 駆動体の少なくとも押圧部が弾性材料からなり、可動接点体の円板部の弾性反転力よりも大きな押圧力で圧縮弾性変形する請求項1記載のプッシュオンスイッチ。
- 駆動体の少なくとも押圧部が弾性材料からなり、可動接点体のT字形突出部の脚部の弾性変形力よりも小さな押圧力で圧縮弾性変形を開始し、押圧力が増して所定量以上に圧縮されると、圧縮弾性変形力が上記可動接点体の円板部の弾性反転力よりも大きくなる請求項1記載のプッシュオンスイッチ。
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