JP4105935B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機に関し、特に軸揺動型ボール変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の変速機の一例として以下のようなものが提案されている。
【0003】
同一軸線上に何れも回転自在に支持された2軸と、一方の軸の端部に固着された内筒と、他方の軸の端部に固着され内筒外面に臨ませた外筒と、内筒外筒の対向面で何れか一面に一方を、他面に他方を設けた、共にエンドレスの傾斜溝及び複数個のサイン波溝と、等角度軸線方向にサイン波溝の数と相異する複数個の狭長窓が穿たれ内筒外筒の隙間ヘ回転自在に挿入されたガイド筒と、ガイド筒の各狭長窓へ1個ずつ転動自在に挿入され傾斜溝及びサイン波溝に係合するボールとから構成されたカップ形ギアレス変速装置である。
【0004】
図22を用いて簡単に説明すると、この変速機の構造は、繰返し数の少ない外溝101を周方向に持つ外ローラ100と、この外ローラ100の外側に配置された繰返し数の多い内溝201を周方向に持つ内ローラ200と、外溝101と内溝201の交差する位置に配置されたボール300と、ボール300の円周方向の相対位置を拘束するための櫛状のリテーナ400とで構成される。この変速機を減速機として作用させる場合、外ローラ100が入力軸にされる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−179563号公報(第1頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
今、ボール一個の接触部分に着目する。
【0007】
図23はリテーナ400を固定し、内ローラ200に負荷トルクが作用した時の接触部分(図22に示された接触部分)の拡大模式図である。内ローラ200に作用したトルクはボール300に対し力FI (内溝圧力角αI )で作用するものとすると、それと釣り合うように反作用としてリテーナ400からは力FR (リテーナ圧力角αR )、外ローラ100からは力FS (圧力角0)がボール300に作用することになる。
【0008】
ここで、力FS は入力軸の摩擦トルク(無負荷損失)に与える影響が大きいので、設計上できる限り小さい方が望ましい。そこで、内溝201の圧力角とリテーナ400の圧力角を等しくしなくてはならないが、そのためには内溝201を深くして内溝圧力角αI を大きくし、リテーナ400を薄く特殊加工してリテーナ圧力角αR を小さくする必要がある。
【0009】
しかし、ボール径、ボール数、リテーナ強度などを考慮するとその工夫にも限界がある。
【0010】
そこで、本発明の課題は、耐荷重性能を高めた変速機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による変速機は、外周に第1の繰返し数による第1の溝を持つ第1のローラと、該第1のローラの外周側に組み合わされ、前記第1の繰返し数と異なる第2の繰返し数による第2の溝を持つガイドローラと、前記第2の溝を内包するように前記第1のローラの外周側に組み合わされ、内径側には周方向に間隔をおいて軸方向に延びる第3の溝を持つ第2のローラと、前記第1の溝と前記第2の溝とが交叉する位置に前記第3の溝内を揺動可能に配置された複数の転動体とを含むことを特徴とする。
【0012】
本変速機においては、前記ガイドローラは前記第2の溝を境にして分割された2つの回転部材から成り、これら2つの回転部材は、それぞれ互いに対向し合うように延びる円筒体を有してこれらの円筒体の先端の間に前記第2の溝が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の態様による変速機においては、前記2つの回転部材は、それぞれその外周あるいは内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には少なくとも1つの同じ歯数の同期用歯車が歯合しており、これらの同期用歯車の間を同期用歯車軸で連結することにより2つの回転部材が同期して回転するように構成されている。
【0014】
本発明の第1の態様による変速機においてはまた、前記2つの回転部材は、それぞれリング形状であり、前記第1のローラも中心軸方向に関して中空にされており、該中空部の周囲において該中空部とは別の穴を前記同期用歯車軸が貫通しており、該貫通部において軸受により前記同期用歯車軸を軸支している。
【0015】
本発明の第1の態様による変速機においては更に、前記第2の繰返し数はKS 、前記第1の繰返し数はKS ・KI で表され、前記第3の溝の数は最大でKS (KI ±1)で表される。
【0016】
本発明の第1の態様による変速機においては更に、前記ガイドローラが入力軸とされる時、前記第1のローラ、前記第2のローラの一方が固定され、他方が出力軸とされる。
【0017】
本発明の第2の態様による変速機においては、前記2つの回転部材は、それぞれリング状であってその内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には複数の同じ歯数の遊星歯車が歯合していると共に、入力側の前記複数の遊星歯車には入力軸が連結される第1の太陽歯車が歯合しており、入力側と出力側の前記複数の遊星歯車の対応し合う2つの遊星歯車間を遊星軸で連結することにより2つの回転部材が同期して回転するように構成されている。
【0018】
本発明の第2の態様による変速機においてはまた、複数の前記遊星軸は前記第1のローラを貫通しており、該貫通部において軸受により前記遊星軸を軸支している。
【0019】
本発明の第2の態様による変速機においても、前記第2の繰返し数はKS 、前記第1の繰返し数はKS ・KI で表され、前記第3の溝の数は最大でKS (KI ±1)で表される。
【0020】
本発明の第2の態様による変速機においては更に、出力側の前記複数の遊星歯車にも第2の太陽歯車が歯合し、該出力側の遊星軸から出力を取り出すようにしても良い。
【0021】
本発明の第の態様による変速機においては、前記2つの回転部材は、それぞれリング状であってその内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には複数の同じ歯数の遊星歯車が歯合していると共に、入力側の前記複数の遊星歯車には入力軸が連結される第1の太陽歯車が歯合しており、出力側の前記複数の遊星歯車にも第2の太陽歯車が歯合し、前記第1、第2の太陽歯車の回転軸を締結し、前記出力側の遊星軸から出力を取り出すようにしても良い。
【0022】
本発明の第2の態様による変速機においては更に、前記複数の遊星軸を入力側に延長して入力側から出力を取り出すようにしても良い。
【0023】
上記第1、第2の態様のいずれの変速機においても、前記第1、第2の溝は、それぞれ正弦波あるいは三角波形状を持つ。
【0024】
また、上記第1、第2の態様のいずれの変速機においても、前記第1、第2の溝は、それぞれ非対称形状を持つものでも良く、更に、前記第1、第2の溝は、それぞれその断面形状が単純円弧形状、軸受円弧形状、三角形状のいずれかとすることが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜図8を参照して、本発明の第1の実施の形態である高荷重軸揺動型ボール減速機(以下、ボール減速機と呼ぶ)について説明する。
【0026】
図1、図2を参照して、このボール減速機は、外周に第1の繰返し数KS ・KI (但し、KS 、KI はそれぞれ正の整数)による外ローラ溝(第1の溝)10Aを持つ外ローラ(第1のローラ)10と、この外ローラ10の外周側に組み合わされ、第1の繰返し数と異なる第2の繰返し数KS によるガイドローラ溝(第2の溝)20Aを持つガイドローラ20と、ガイドローラ溝20Aを内包するようにガイドローラ20の外周側に組み合わされ、内径側には周方向に間隔をおいて中心軸方向に延びる内ローラ溝(第3の溝)30Aを持つ内ローラ(第2のローラ)30と、外ローラ溝10Aとガイドローラ溝20Aとが交叉する位置に内ローラ溝30A内を中心軸方向に揺動可能に配置された複数のボール(転動体)40とを含む。
【0027】
特にガイドローラ20は、図2に詳しく示されるように、中心軸方向に関してガイドローラ溝20Aを境に2分割された2つの回転体(回転部材)20−1、20−2から成る。回転体20−1について言えば、リング体21−1と、内径側に歯を形成した内歯車22−1と、リング体21−1から回転体20−2側に向けて延びる円筒体23−1とが一体に形成されて成る。同様に、回転体20−2は、リング体21−2と、内径側に内歯車22−1と同数の歯を形成した内歯車22−2と、リング体21−2から回転体20−1側に向けて延びる円筒体23−2とが一体に形成されて成る。そして、円筒体23−1と23−2の先端側を曲線状に加工することでこれらの先端の間に第2の繰返し数KS を持つガイドローラ溝20Aが形成されるようにしている。いずれにしても、本形態では、2つの回転体20−1、20−2は全体としての形状が中空になるように作られている。外ローラ10もまた、中心に所定の径の貫通穴を持つ。
【0028】
更に、上記のような2つの回転体20−1、20−2によってガイドローラ溝20Aを形成するために、2つの回転体20−1、20−2は複数(ここでは3個)の同期用歯車24−1、25−1、26−1及び24−2、25−2(但し、回転体20−2側の3個目の同期用歯車は作図上、図示されていないが、便宜上、26−2と呼ぶこととする)により連結される。つまり、同期用歯車軸27、28、29が外ローラ10を回転可能に貫通しており、同期用歯車24−1、25−1、26−1は、それぞれ対応する同期用歯車24−2、25−2、26−2と同期用歯車軸27、28、29で連結されている。同期用歯車24−1、25−1、26−1は、等角度間隔をおいて内歯車22−1と歯合し、同期用歯車24−2、25−2、26−2は、等角度間隔をおいて内歯車22−2と歯合している。このような構造により、内歯車22−1と22−2、つまり回転体20−1と20−2とは同期して回転する。同期用歯車軸27、28、29は、それぞれ軸受27a、28a、29aで軸支されている。
【0029】
ボール40の数は、内ローラ溝30Aと同数であることが好ましい。そして、外ローラ10とガイドローラ20及び内ローラ30は、ボール40が外ローラ溝10A内にあると共にガイドローラ溝20A内にあり、更に内ローラ溝30A内にあって自由に転動可能であるように組み合わされる。
【0030】
なお、図示していないが、このような構造体はケーシングに収容され、外ローラ10、ガイドローラ20、及び内ローラ30のいずれも軸受などを用いて軸方向の動きが拘束される。
【0031】
以上のようにして、2つの回転体20−1、20−2によって第2の繰返し数KS の粗いガイドローラ溝20Aが形成され、外ローラ10の外周には第1の繰返し数KS ・KI の細かい外ローラ溝10Aが形成されている。一方、内ローラ30には中心軸方向に最大でKS (KI ±1)個の内ローラ溝30Aが形成されている。以降では、内ローラ溝30Aの数がKS (KI −1)個の時を「ボール配置A」、KS (KI +1)個の時を「ボール配置B」と定義する。
【0032】
なお、外ローラ溝10Aとガイドローラ溝20Aの周方向の展開図は、図22に示された内溝201と外溝101と同じであると考えて良い。また、ガイドローラ20を入力軸とする場合、外ローラ10、内ローラ30の一方が円周方向に関して固定され、他方が出力軸として回転可能にされる。図2では、外ローラ10を出力軸として利用する場合について示しており、このために外ローラ10の回転体20−2側には出力用の中空軸15が設けられている。
【0033】
次に、図3〜図6を参照して、具体的な実施例をあげて動作原理について説明する。
【0034】
第1の実施例として第1の繰返し数が16、第2の繰返し数が1の場合(つまり、KS =1、KS ・KI =KI =16)の周方向の展開図を元に説明する。
【0035】
ボール配置Aで内ローラ30の溝30Aの角度間隔をn×360°/{KS (KI −1)}(但し、nは正の整数)とする場合の実施例を図3、図4に示し、ボール配置Bで内ローラ30の溝30Aの角度間隔をn×360°/{KS (KI+1)}とする場合の実施例を図5、図6に示す。
【0036】
ボール配置Aで内ローラ30を円周方向に関して固定する場合(図3)、入力軸であるガイドローラ20が1/8回転、1/4回転、3/8回転、1/2回転するのに伴い、ボール40は中心軸方向に揺動しながら外ローラ溝10A、ガイドローラ溝20Aを転がるため、外ローラ10はガイドローラ20と同方向に1/128回転、1/64回転、3/128回転、1/32回転する。この場合、減速比1/iは1/KI となる。
【0037】
一方、ボール配置Aで外ローラ10を固定する場合(図4)は、ガイドローラ20の(16−1)/128回転、(16−1)/64回転、(48−3)/128回転、(16−1)/32に対して、内ローラ30の回転は逆回転となり、−1/128回転、−1/64回転、−3/128回転、−1/32回転となる。すなわち、減速比1/iは−1/(KI −1)となる。
【0038】
次に、ボール配置Bで内ローラ30を固定する場合(図5)、入力軸であるガイドローラ20が1/8回転、1/4回転、3/8回転、1/2回転するのに伴い、外ローラ10はガイドローラ20と逆方向に−1/128回転、−1/64回転、−3/128回転、−1/32回転する。すなわち、減速比1/iは−1/KI となる。
【0039】
一方、ボール配置Bで外ローラ10を固定する場合は、図6に示す通りとなる。この場合、ガイドローラ20の(16+1)/128回転、(16+1)/64回転、(48+3)/128回転、(16+1)/32回転に対して内ローラ30の回転は同じ方向の1/128回転、1/64回転、3/128回転、1/32回転となる。すなわち、減速比1/iは1/(KI +1)となる。
【0040】
いずれにしても、第1の実施の形態によるボール減速機は、ガイドローラ20を入力軸とする場合、ガイドローラ20の回転を1段で減速する1段ボール減速機として作用することになる。
【0041】
図7は、上記の図3〜図6における外ローラ10、ガイドローラ20及び内ローラ30の回転数の関係を示した図である。
【0042】
ところで、ガイドローラ20における同期用歯車の配置には二種類の配置形態がある。第1の配置形態は、図8(a)に示すように、同期用歯車24−1、25−1、26−1(24−2、25−2、26−2)が内歯車22−1(22−2)と内接する配置である。これは、図1、図2に示された配置形態でもある。
【0043】
一方、第2の配置形態は、図8(b)に示すように、同期用歯車が外歯車22−1´(22−2´)と外接する配置である。つまり、ガイドローラ20の回転体20−1における内歯車22−1に代えて、外周側に歯を持つ外歯車22−1´を一体化した回転体20−1´を用いる。これは、ガイドローラ20の他方の回転体20−2´においてもまったく同様である。なお、ここでは、4個の同期用歯車で回転体20−1´と20−2´との連結が行われている。
【0044】
第1の配置形態では全体をコンパクトにすることができ、第2の配置形態によれば中空部分を大きく取ることができる。中空部分を大きく取ることができるということは、本第1の実施の形態による変速機を例えばロボットのアームのようなものを構成する場合に、中空部分を配線や配管を通すために利用できるメリットがあることを意味する。しかし、第2の配置形態の場合には、ガイドローラ20を中空とせずに、外周側に歯を形成した軸体としても良いことは言うまでもない。この場合であっても、ガイドローラ溝20Aは、図2に示されたような円筒体23−1、23−2により形成される。
【0045】
なお、外ローラ10、内ローラ30の一方を入力軸とする場合、ガイドローラ20が出力軸となり、増速機として作用することは言うまでもない。そして、増速比は上述した減速比の逆数となる。
【0046】
次に、図9〜図15を参照して、本発明の第2の実施の形態である高荷重軸揺動型ボール減速機(以下、ボール減速機と呼ぶ)について説明する。
【0047】
図9、図10を参照して、このボール減速機は、入力軸として太陽歯車(第1の太陽歯車)50を用い、これに歯合された複数(ここでは3個)の遊星歯車51−1、52−1、53−1を介して内歯車22−1に回転を伝達するようにした、いわば2段減速式のボール減速機である点を除けば第1の実施の形態とほぼ同じである。
【0048】
入力軸55は太陽歯車50と締結されており、太陽歯車50は3個の遊星歯車51−1、52−1、53−1と内歯車22−1とで遊星歯車対を構成している。入力軸55と反対側に延びる太陽歯車50の回転軸は、外ローラ10の中心部に設けられた軸受54で軸支されている。
【0049】
前述したように、ガイドローラ20における入力側の回転体20−1には内歯車22−1が一体化されている。入力側と反対側にも全く同じ遊星歯車対、つまり3個の遊星歯車51−2、52−2、53−2と内歯車22−2とを持つ回転体20−2が存在し(但し、太陽歯車は存在しない)、二つの遊星歯車対の遊星歯車51−1〜53−1と51−2〜53−2は、それぞれ遊星軸56、57、58によって締結され同期して回転するようになっている。これは、遊星歯車の歯数がすべて同じであることによるものであり、内歯車22−1、22−2及び回転体20−1、20−2も同期して回転するようになっている。
【0050】
遊星軸56、57、58や入力軸55は、繰り返し数の多い外ローラ溝10Aを有する外ローラ10に設けられた軸受56a、57a、58a(入力軸55の軸受は図示省略)にて支持されている。また、本形態では内ローラ30を固定とし、外ローラ10から出力を取り出すために、外ローラ10に出力軸59が締結されている。勿論、外ローラ10を固定とし、内ローラ30から出力を取り出す場合もある。ガイドローラ20は、第1の実施の形態と同様に、繰り返し数の少ないガイドローラ溝20Aを有しており、複数のボール40を挟むように構成されている。
【0051】
図11は、内ローラ30を示し、第1の実施の形態における内ローラ30とまったく同じである。つまり、内ローラ30は、ガイドローラ溝20Aを内包するようにガイドローラ20の外周側に組み合わされ、内径側には周方向に間隔をおいて中心軸方向に延びる内ローラ溝30Aを持つ。
【0052】
本第2の実施の形態の作用について説明する。
【0053】
入力軸55に入った入力回転は、まず遊星歯車対によって減速され、ガイドローラ20の2つの回転体20−1、20−2に伝達される。内ローラ30は、図11に示したように、内径側に中心軸と平行な内ローラ溝30Aを有しているので、ガイドローラ20の2つの回転体20−1、20−2が繰返し数1回分だけ同期回転することによってボール40は押され内ローラ溝30A上を中心軸方向に1往復揺動する。ボール40は1往復の揺動によって外ローラ10の外ローラ溝10Aの繰返し数1回分だけ転がる。そして、外ローラ10に締結された出力軸59の回転を取り出すことによって高い減速比を得ることができる。
【0054】
次に、図12を参照して、減速比について説明する。入力軸55を回転数ns で回転させた時、内歯車22−1、22−2を持つガイドローラ20は次の数1で表される回転数n3 で回転する。なお、太陽歯車50の歯数をZS 、各遊星歯車の歯数をZP 、内歯車22−1、22−2の歯数をZI とする。また、ガイドローラ溝20Aの第2の繰返し数をKS 、外ローラ溝10Aの第1の繰返し数をKS ・KI とし、内ローラ30の内ローラ溝30Aの数を最大でKS (KI ±1)個とする。
【0055】
【数1】
Figure 0004105935
【0056】
次に、ガイドローラ20から出力側への回転伝達は、「内ローラ固定」に相当するので出力側の回転数n5 は次の数2に示す通りとなる。
【0057】
【数2】
Figure 0004105935
【0058】
回転数n5 で減速機全体を逆回転させれば出力側の回転数nout と太陽歯車50の回転数ninは以下の数3で表される。
【0059】
【数3】
Figure 0004105935
【0060】
なお、各部品の回転数は、ボール配置A、ボール配置Bにおいてそれぞれ図13、図14に示す通りとなる。
【0061】
よって、回転数nout と回転数ninとの比、つまり減速比1/iは次の数4で表される。
【0062】
【数4】
Figure 0004105935
【0063】
この数4から得られる減速比を図15に太陽歯車50と遊星歯車との歯数比ZI /ZS 別に示す。図15(a)がボール配置Aの場合、図15(b)がボール配置Bの場合である。ボール配置Aで減速比の符号を負としているのは入出力回転が逆になることを示している。
【0064】
図15より本第2の実施の形態による構造がほぼ2段減速で遊星歯車対の歯数比を増やすことで外ローラ10の外ローラ溝10Aの数を小さくすることが可能であることがわかる。
【0065】
図16を参照して、第2の実施の形態による耐荷重性能について説明する。本説明は第1の実施の形態にも当てはまる。
【0066】
図16に示すように、図23で説明したリテーナ400とガイドローラ20とを入れ換えたような構造を取ることで内ローラ30からの圧力角αI と外ローラ10からの圧力角αR をほぼ等しくすることができ、耐荷重性能を向上させることができる。
【0067】
図17には第2の実施の形態の第1の変形例を模式図で示す。この第1の変形例では、出力側にも太陽歯車(第2の太陽歯車)50´を設けるようにし、遊星軸56〜58(56は図示省略)を出力側に延長するようにしてこれらの遊星軸56〜58から出力を取り出すようにしたものである。
【0068】
また、図18は、第2の実施の形態の第2の変形例を模式図で示す。この第2の変形例は、上記の第1の変形例における出力側に更に新たな構造を加えたものである。つまり、2つの遊星歯車対は同期が取れていれば入出力の遊星歯車同士を締結する必要は無く、図18に示すように出力側にも太陽歯車50´を配置して入出力の太陽歯車50、50´同士をそれらの回転軸で締結しても良い。出力の取出しは、第1の変形例と同様、遊星軸56〜58(56は図示省略)を通して行われる。
【0069】
図19は、第2の実施の形態の第3の変形例を模式図で示す。この第3の変形例は、入力側に、出力を取り出すための構造を設けたものであり、遊星軸56〜58(56は図示省略)を入力側に延長し、これらの回転を歯車60に伝達して出力を取り出すようにしたものである。
【0070】
更に言えば、第2の実施の形態における遊星歯車対は同期を取れるのであれば、歯のない歯車であるトラクションドライブであってもかまわない。
【0071】
以上、本発明を幾つかの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限らず、以下のような変更が可能である。
【0072】
外ローラ溝10A、ガイドローラ溝20A、特に外ローラ溝10Aは、図20(a)に示すような正弦波形状、図20(b)に示すような三角波形状等の対称形状を持つものの他、図20(c)に示すような非対称形状を持つものでも良い。一方、外ローラ溝10Aの断面形状は、図21(a)に示すような単純円弧形状、図21(b)に示すような軸受円弧形状、図21(c)に示すような三角形状のいずれでも良いが、特に、軸受円弧形状、三角形状の場合にはボールとの圧力角をとり易くなるという利点がある。
【0073】
【発明の効果】
本発明による減速機によれば、耐荷重性能を高めた減速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である軸揺動型ボール減速機をケーシングを外して示した外観図(a)及びその一部を破断した図(b)である。
【図2】図1の分解図である。
【図3】図2に示された外ローラ溝とガイドローラ溝及びこれらの溝に保持されるボールとの位置関係と回転数の関係を、ボール配置A及び内ローラ固定の場合について説明するための図である。
【図4】図2に示された外ローラ溝とガイドローラ溝及びこれらの溝に保持されるボールとの位置関係と回転数の関係を、ボール配置A及び外ローラ固定の場合について説明するための図である。
【図5】図2に示された外ローラ溝とガイドローラ溝及びこれらの溝に保持されるボールとの位置関係と回転数の関係を、ボール配置B及び内ローラ固定の場合について説明するための図である。
【図6】図2に示された外ローラ溝とガイドローラ溝及びこれらの溝に保持されるボールとの位置関係と回転数の関係を、ボール配置B及び外ローラ固定の場合について説明するための図である。
【図7】図4〜図6のボール配置A、Bのそれぞれについて、ガイドローラと内ローラ及び外ローラの回転数の関係を示した図である。
【図8】図2に示された同期用歯車の配置形態を示した図であり、図(a)は内歯車に内接する形態を、図(b)は外歯車に外接する形態をそれぞれ示す。
【図9】本発明の第2の実施の形態である軸揺動型ボール減速機をケーシングを外して示した外観図(a)及びその一部を破断した図(b)である。
【図10】図9の分解図である。
【図11】図10に示された内ローラの一例を示した斜視図である。
【図12】図9に示された減速機の一部断面側面図(a)及び各要素の関係を模式的に示した図(b)である。
【図13】図10に示された各要素の回転数の関係をボール配置Aの場合について示した図である。
【図14】図10に示された各要素の回転数の関係をボール配置Bの場合について示した図である。
【図15】図10に遊星歯車対における歯数比と減速比との関係をボール配置A(a)及びボール配置B(b)について示した図である。
【図16】本発明の第1、第2の実施の形態による減速機における耐荷重性能を説明するためにボール及びその周辺部の関係を示した断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態による減速機の第1の変形例を模式的に示した図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態による減速機の第2の変形例を模式的に示した図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態による減速機の第3の変形例を模式的に示した図である。
【図20】図10に示された外ローラ溝、ガイドローラ溝のうち、特に外ローラ溝の形状を3つの例について示した図である。
【図21】図10に示された外ローラの溝の断面形状についていくつかの例を示した図である。
【図22】従来のボール減速機の一例をその主要部の構成及び各ローラに形成される溝の形状について示した図である。
【図23】図22のボール減速機における耐荷重性能を説明するためにボール及びその周辺部の関係を示した断面図である。
【符号の説明】
10 外ローラ
10A 外ローラ溝
15 出力軸
20 ガイドローラ
20A ガイドローラ溝
20−1、20−2 回転体
21−1、21−2 リング体
22−1、22−2 内歯車
23−1、23−2 円筒体
24−1、25−1、26−1、24−2、25−2、26−2 同期用歯車
27、28、29 同期用歯車軸
27a、28a、29a、54、56a、57a、58a 軸受
30 内ローラ
30A 内ローラ溝
40 ボール
50 太陽歯車
51−1、52−1、53−1、51−2、52−2、53−2 遊星歯車
55 入力軸
56、57、58 遊星軸
59 出力軸

Claims (13)

  1. 外周に第1の繰返し数による第1の溝を持つ第1のローラと、
    該第1のローラの外周側に組み合わされ、前記第1の繰返し数と異なる第2の繰返し数による第2の溝を持つガイドローラと、
    前記第2の溝を内包するように前記第1のローラの外周側に組み合わされ、内径側には周方向に間隔をおいて軸方向に延びる第3の溝を持つ第2のローラと、
    前記第1の溝と前記第2の溝とが交叉する位置に前記第3の溝内を揺動可能に配置された複数の転動体とを含むことを特徴とする変速機。
  2. 請求項1に記載の変速機において、前記ガイドローラは前記第2の溝を境にして分割された2つの回転部材からなり、これら2つの回転部材は、それぞれ互いに対向し合うように延びる円筒体を有してこれらの円筒体の先端の間に前記第2の溝が形成されていることを特徴とする変速機。
  3. 請求項2に記載の変速機において、前記2つの回転部材は、それぞれその外周あるいは内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には少なくとも1つの同じ歯数の同期用歯車が歯合しており、これらの同期用歯車の間を同期用歯車軸で連結することにより2つの回転部材が同期して回転するように構成されていることを特徴とする変速機。
  4. 請求項3に記載の変速機において、前記2つの回転部材は、それぞれリング形状であり、前記第1のローラも中心軸方向に関して中空にされており、該中空部の周囲において該中空部とは別の穴を前記同期用歯車軸が貫通しており、該貫通部において軸受により前記同期用歯車軸を軸支していることを特徴とする変速機。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の変速機において、前記第2の繰返し数はKS 、前記第1の繰返し数はKS ・KI で表され、前記第3の溝の数は最大でKS (KI ±1)で表されることを特徴とする変速機。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の変速機において、前記ガイドローラが入力軸とされる時、前記第1のローラ、前記第2のローラの一方が固定され、他方が出力軸とされることを特徴とする変速機。
  7. 請求項2に記載の変速機において、前記2つの回転部材は、それぞれリング状であってその内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には複数の同じ歯数の遊星歯車が歯合していると共に、入力側の前記複数の遊星歯車には入力軸が連結される第1の太陽歯車が歯合しており、入力側と出力側の前記複数の遊星歯車の対応し合う2つの遊星歯車間を遊星軸で連結することにより2つの回転部材が同期して回転するように構成されていることを特徴とする変速機。
  8. 請求項7に記載の変速機において、複数の前記遊星軸は前記第1のローラを貫通しており、該貫通部において軸受により前記遊星軸を軸支していることを特徴とする変速機。
  9. 請求項7あるいは8に記載の変速機において、前記第2の繰返し数はKS 、前記第1の繰返し数はKS ・KI で表され、前記第3の溝の数は最大でKS (KI ±1)で表されることを特徴とする変速機。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の変速機において、出力側の前記複数の遊星歯車にも第2の太陽歯車が歯合しており、該出力側の遊星軸から出力を取り出すことを特徴とする変速機。
  11. 請求項に記載の変速機において、前記2つの回転部材は、それぞれリング状であってその内周に同じ歯数の歯車が形成されており、それぞれの歯車には複数の同じ歯数の遊星歯車が歯合していると共に、入力側の前記複数の遊星歯車には入力軸が連結される第1の太陽歯車が歯合しており、出力側の前記複数の遊星歯車にも第2の太陽歯車が歯合していると共に、前記第1、第2の太陽歯車の回転軸を締結しており、前記出力側の遊星軸から出力を取り出すことを特徴とする変速機。
  12. 請求項7〜9のいずれかに記載の変速機において、前記複数の遊星軸を入力側に延長して入力側から出力を取り出すことを特徴とする変速機。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の変速機において、前記第1、第2の溝は、それぞれ正弦波あるいは三角波形状を持つことを特徴とする変速機。
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