JP4105285B2 - 濾材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はフィルタ用の濾材に係り、より詳しくは内燃機関や工作機械、油圧機械等に使用される潤滑油や作動油、燃料、空気等に含まれるカーボン粒子を捕捉、除去するためのフィルタ用濾材に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関や工作機械等では潤滑のため多くの潤滑油が使用されている。このような潤滑油中には長時間の使用により金属摩耗粉やスラッジ、すす、ダスト等が発生し蓄積されてくる。特に自動車のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等内燃機関においてはエンジンでの不完全燃焼によりカーボン粒子が発生するが、これが潤滑油であるエンジンオイル中に分散し蓄積されてくると潤滑油の粘度増大に伴う潤滑不良や摩耗の増大、あるいは潤滑油寿命の短縮等の問題を発生する。このため、これら潤滑油の潤滑回路中にはこれらの金属摩耗粉やダスト、カーボン粒子等を捕捉し、濾過するフィルタが用いられている。
【0003】
従来から用いられているフィルタ濾材としては、セルロース繊維を主体として抄造した濾紙や、セルロースと合成繊維の混抄による濾紙が多く用いられ、主にこれら濾紙の孔径を細かくすることにより、またはこれら濾紙の厚みを増すことにより、物理的に金属摩耗分やダスト、カーボン粒子等を捕捉することが行われてきた。しかしこのような濾材では、潤滑油中でカーボン粒子が加熱凝集されスラッジ化した状態では捕捉可能であっても、潤滑油中に均一分散したカーボン粒子を捕捉することは難しく、カーボン除去効率を高めるために濾材の孔径を小さくしたものでは濾過寿命が著しく短くなるなどの問題があった。
【0004】
特に近年では排ガス規制に対応するため、内燃機関における排ガス再循環システム(EGR)の検討が進められているが、これはエンジンから排出される排気ガスの一部を取り出し吸気系に再循環させるシステムであるため、今後は潤滑油中のカーボン粒子量はさらに増加することが確認されている。また、カーボン粒子がエンジン中で凝集しスラッジ化したり、さらにこのスラッジに金属摩耗分やダスト等を巻き込むと、潤滑油の流動性を阻害したり潤滑面を傷つけたりすることとなるため、潤滑油中にカーボン粒子の凝集を防ぎカーボン粒子を均一に分散させる分散剤(オイル添加剤)が用いられている。この分散剤についても近年では開発が進み、潤滑油中に分散するカーボン粒子のコロイド径はさらに微細化する傾向が高くなっている。
【0005】
そこで、これらの対策としては、単に濾材の孔径を細かくするという構造面ばかりでなく、カーボン粒子と濾材との相互作用を高め、オイル中のカーボン粒子をより効率的に吸着するという見地からも研究が進められている。例えば特開平2−21915号公報にはチタン酸カリウムウィスカーを他の繊維に混抄したフィルタ濾材が開示され、特開平7−60027号公報にはカーボン粒子の帯電性を利用し、ポリプロピレン等の帯電させた有機繊維を用いてフィルタ濾材を構成した例が開示されている。これは潤滑油中に漂うカーボン粒子が負の電荷を有することに着目し、正に帯電させた有機繊維によりクーロン力を利用して吸着させようとするものである。従って従来では捕捉効率の低かった濾材孔径よりも小さい粒径のカーボン粒子を効率的に濾過することができる。また特開平10−5515号公報には有機繊維素材を叩解し、フィブリル化した極細分割繊維にカチオン性樹脂を混抄した例が開示されているが、この濾材はフィブリル化した有機繊維による物理的捕捉とカチオン樹脂による電気的吸着との両作用を利用するものである。従ってフィブリル化した有機繊維により金属摩耗粉等の非溶解成分や比較的粒径の大きいカーボン粒子を捕捉するとともに、カチオン樹脂により微細なカーボン粒子を吸着しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特開平2−21915号公報に記載されたチタン酸カリウムウィスカーやケイ酸アルミニウムウィスカー等の金属繊維をセルロース等他の繊維中に混抄した濾材については、セルロース繊維のみで構成した濾材に比べて確かにカーボン粒子除去効率の面では有効であるが、金属繊維自身が他の繊維に対して親和性が低い上に金属繊維が硬い繊維であることから、もし金属繊維が濾材から離脱した場合には逆にエンジンの摩耗促進を生ずるおそれがあった。また金属繊維を均一分散させる抄紙の困難さ、抄紙コストの高価格化などの問題があった。
【0007】
また特開平7−60027号公報や特開平10−5515号公報に記載されたような有機繊維を微細化した濾材やこれらをセルロース繊維に混抄した濾材、カチオン樹脂を混抄した濾材などでは、構成する有機繊維がフィブリル化され微細化されることに伴い、エンジンで発生する熱によってフィブリル化された微細有機繊維の融解やカチオン樹脂の脱離等による潤滑油の粘度増加,潤滑油寿命の短縮化が生じたり、微細有機繊維の熱変形(凝縮変形など)によるカーボン粒子除去効率の低下が生ずる等の問題があった。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、エンジンや工作機械,油圧機器等の被潤滑部や作動機器に対して摩耗促進を生ずるような金属繊維を混抄せず、またエンジン等の被潤滑部(被冷却部)の発熱によって油温が上昇し、濾材構成繊維の凝縮熱変形を生ずるおそれのある微細化した有機繊維を使用することなく、エンジンオイル等の潤滑油や作動油、ガソリン,軽油等の燃料、空気などの流体中に分散するカーボン粒子を高効率で捕捉し濾過するフィルタ濾材を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明ではセルロース(パルプ)繊維等の濾材繊維に親油基を導入し、濾材繊維とカーボン粒子間の分子間引力すなわちファンデルワールス力を高めることによってカーボン粒子を効率的に吸着するものである。濾材繊維に親油基を導入するとは、セルロース繊維等の濾材繊維表面に対して一端が化学的に結合され、他端に有する親油基が繊維の外側に向けて配向されるように構成することをいう。なお濾材表面または濾材繊維表面とはマクロ的にはフィルタ表面をさすが、ミクロ的には潤滑油と接する面をいい、外観的に濾材内部であっても多くの微細な孔で構成される濾材においては潤滑油と接液する繊維面はすべて濾材繊維表面といえる。本発明においても表面というときにはこのような内容を示すものとして説明する。
【0010】
このように繊維表面に親油基を導入することにより、この濾材繊維表面は何も処理されていない繊維表面と比較してカーボン粒子に対して働くファンデルワールス力がより高められた状態となる。従ってカーボン粒子はこの分子間引力によって濾材表面に導入された親油基に化学的に吸着されることとなり、濾目よりも細かいカーボン粒子を効率的に吸着する濾材を得ることができる。従って濾目を必要以上に細かくすること無く、カーボン粒子を濾材内部の繊維表面で化学的に捕捉することができるため、その分多くの摩耗粉やダスト等をマクロ的なフィルタ表面で捕捉することが可能となる。
【0011】
このように繊維表面に親油基を導入するため、本発明においては表面改質剤であるサイズ剤(具体的には、アルケニルコハク酸無水物や、ロジン系サイズ剤)を用いる。サイズ剤は製紙行程において多量に消費される表面改質剤である。すなわち、紙は一般的にパルプ繊維を湿式抄紙法により製造するため通常40〜70%の空隙率を持つ。従ってミクロ的には多数の毛細管を持つ多孔質構造であり、パルプ繊維自身が親水性であることとの相乗効果により水を良く吸収する。そこで例えばティッシュペーパのように吸水性が要求される紙を除き、大部分の印刷用並びにもしくは筆記用の紙については例えばきれいな印刷を得るため、あるいは水性インクのにじみを止めるため適当に吸水性を制限し耐水性を持たせることが必要となる。この目的で使用される表面改質剤がサイズ剤であり、サイズ剤を用いて紙に耐水性を与える工程はサイジングとよばれる。サイズ剤にはパルプスラリーに混合し均一に分散定着させた後抄紙する内添サイズ剤と、抄紙後の紙に塗布したり含浸させる表面サイズ剤とがある。
【0012】
このサイズ剤の定着機構及び耐水性発現の機構(サイズ効果の発現機構)は未だ十分に解明されたといえないが、その基本概念は例えば中性のサイズ剤についてみれば、サイズ剤の反応基が繊維表面と直接反応して結合され、ついで紙の加熱乾燥工程でサイズ剤の疎水基(親油基)が外部に向かうように配列されることによって疎水性を持つようになるといわれている。このサイズ効果の利用については、本来的には前述のように印刷用もしくは筆記用の紙に対する印刷性の向上や筆記性の向上という面から要求される適度な耐水性付与にあり、またこのような見地から研究が進められている。このため現在では種々のサイズ剤が市場に豊富に供給されているが、これまでこのサイズ剤を濾材に適用した例は見られなかった。本発明ではこのサイズ剤の疎水基(親油基)に着目し、濾材繊維にサイジングすることにより親油基を導入し、この親油基とカーボン粒子との相互作用によってカーボン粒子の吸着が効率的に行われるか否かを鋭意研究した結果、以下の実施形態に示すような良好な結果を得たものである。
【0013】
このように繊維に表面処理剤であるサイズ剤により親油基を導入するに当たり、このサイズ剤の種別は特に限定を要するものでなく、例えば内添サイズ剤であっても表面サイズ剤であっても良く、酸性サイズ剤であっても中性サイズ剤であっても良い。より具体的には例えば酸性サイズ剤であるアルケニルコハク酸(合成サイズ剤)であっても中性サイズ剤であるロジン系サイズ剤(天然サイズ剤)あるいはアルケニルコハク酸無水物(合成サイズ剤)であっても良い。ただし、処理の容易さや処理コスト、処理の結果として得られる効果等を考慮すると中性サイズ剤であることが望ましく、特にアルケニルコハク酸無水物やロジン系サイズ剤を含む表面処理剤であることが望ましい。
【0014】
なお、ベースとなる繊維については特に限定するものでなく、例えば木材パルプ、麻、コットン、エスパルトや再生セルロース等の天然セルロース繊維、フィブリル化されていないレーヨン等の有機繊維などを1種以上適宜選択して用いることができる。また、本発明の濾材には必要に応じて濾材の特性を阻害しない範囲で混抄剤の使用または添加剤の配合をすることも可能である。
【0015】
以上示したように、表面改質剤を用いて繊維表面に親油基を導入することにより、カーボン粒子に対して働くファンデルワールス力がより高められた状態となる。このためカーボン粒子はこの分子間引力によって濾材表面に導入された親油基に化学的に吸着されることとなり、濾目よりも細かいカーボン粒子を効率的に吸着する濾材を得ることができる。従って濾目を必要以上に細かくすること無く、カーボン粒子を濾材内部の繊維表面で化学的に捕捉することができるようになるため、その分多くの摩耗粉やダスト等をマクロ的なフィルタ表面で捕捉することが可能となる。
【0016】
また特開平2−21915号公報に記載されたようなチタン酸カリウムウィスカーやケイ酸アルミウィスカーの様な硬質の金属繊維を混抄していないため、これら金属繊維の離脱に起因するエンジン等被潤滑部品の摩耗等の問題が発生する懸念がない。さらに例えば特開平7−60027号公報や特開平10−5515号公報に記載されたような有機繊維を微細化した繊維やカチオン樹脂等を混抄していないためエンジンで発生する熱によってフィブリル化された微細有機繊維の融解やカチオン樹脂の脱離等による潤滑油の粘度増加,潤滑油寿命の短縮化が生じたり、微細有機繊維の熱変形(凝縮変形など)によるカーボン粒子除去効率の低下が生ずることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る濾材は、例えば木材パルプを主体とし、傾斜ワイヤー抄紙機や丸網多層抄紙機などの抄紙機により公知の湿式抄紙法により抄造された濾紙に、表面サイズ剤を用いて表面処理することにより得られる。例えば中性の合成サイズ剤であるアルケニルコハク酸無水物をメチルエチルケトン等の溶剤中に重量%で0.2%程度に希釈して、含浸、刷毛塗り、スプレーコーティング、ロールコーティング等を行い、加熱乾燥させることによって得られる。このときのサイズ剤の濃度は例えば含浸処理によるときには0.1〜1.0%程度が望ましい。このサイズ剤濃度は0.1%以上であれば改質効果が認められるが、この範囲より少なくなるとカーボン粒子捕捉効果が低くなり、またこの範囲以上ではサイズ剤が余剰となり、処理コスト上の無駄を招くことになるからである。なお天然サイズ剤であるロジン系サイズ剤についても前記アルケニルコハク酸無水物と同様の方法で処理することができる。
【0018】
また内添サイズ剤を用いるときには、例えば水を張ったビーター中に木材パルプを投入し混練しパルプスラリーとした後、このパルプスラリーに乳化剤が混合されエマルジョン状態のアルケニルコハク酸無水物等を作用させて均一に分散させ、抄紙した後に加熱乾燥させることで得ることができる。
【0019】
以下、本発明に係る濾材について実施例を上げてより具体的に説明する。
実施例1,2
合成サイズ剤であるアルケニルコハク酸無水物(乳化剤を含まず)を溶剤であるメチルエチルケトンに0.2%(実施例2),0.4%(実施例1)の濃度で溶解し、この溶液中に木材パルプを主体として抄造された濾紙を浸漬して、吸着させ、その後加熱乾燥して乾燥重量90g/cm2厚さ0.45mmの濾材を得た。
実施例3
天然サイズ剤であるロジン系サイズ剤(乳化剤を含まず)を溶剤であるメチルエチルケトンに0.4%の濃度で溶解し、この溶液中に木材パルプを主体として抄造された濾紙を浸漬して、吸着させ、その後加熱乾燥して乾燥重量90g/cm2厚さ0.45mmの濾材を得た。
【0020】
比較例1
ペンキ等に配合剤として混入され、パルプ繊維表面に親油性を付与する目的で使用される芳香族系石油樹脂を、溶剤であるメチルエチルケトンに1%濃度で溶解し、この溶液中に木材パルプを主体として抄造された濾紙を浸漬して、吸着させ、その後加熱乾燥して乾燥重量90g/cm2厚さ0.45mmの濾材を得た。
比較例2
木材パルプを主体として抄造された乾燥重量90g/cm2厚さ0.45mmの無処理の濾材。なお、これは前記実施例1〜3及び比較例1に記載した処理を行う前の濾紙である。
【0021】
これら実施例及び比較例に記載した方法により得た濾材に対して、カーボン粒子の除去効果について比較濾過試験を行った。このときの試験条件を示す。
(試験条件)
1)使用油 実機回収油
2)濾過状態 定圧試験(入口圧が392kPaで一定となるように維持)
3)試験温度 80℃
4)濾過面積 2500cm2
5)試験時間 6時間
6)測定方法 試験開始初期及び試験時間経過後のカーボン量を重量測定。
7)濾過効率 濾過効率を次式で定義し算出結果を評価する。
濾過効率(%)=(初期濃度−試験時間経過後の濃度)/初期濃度×100
【0022】
上記試験方法により得られた結果を表1に示す。
【表1】
【0023】
以上の試験の結果、比較例1はパルプ繊維表面に親油性を付与する目的で芳香族石油樹脂を用いて表面処理を施した例であるが、比較例2に示す無処理の濾材と比較してカーボン粒子の濾過効率の向上はさほど明確ではない。これに対し、実施例1及び実施例2は合成サイズ剤であるアルケニルコハク酸無水物を用いて表面処理を施し、実施例3は天然サイズ剤であるロジン系サイズ剤を用いて表面処理を施し、これら表面処理の結果としてともにパルプ繊維に親油基を導入した濾材であるが、無処理の濾材である比較例2に対しカーボン粒子の濾過効率が飛躍的に向上していることが解る。
【0024】
なお、ともに繊維表面に親油性を付与する目的で使用し、比較した比較例1と実施例1〜3との比較では、サイズ剤を用いて親油基を導入した実施例1〜3の方が非サイズ剤である芳香族石油樹脂を用いて親油性を付与した比較例1よりも明らかに高い濾過効率を示している。これは、サイズ剤を用いて親油基を導入した実施例1〜3ではサイズ剤がパルプ繊維と直接化学的に結合するのに対し、芳香族石油樹脂を用いて親油性を付与したにすぎない比較例1は樹脂と繊維とが化学的な結合を持たずパルプ表面に付着しているにすぎないため、油中での循環テスト中に樹脂が剥離し流出してしまうことに起因すると考えられる。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る濾材によれば、表面改質剤(具体的には、アルケニルコハク酸無水物や、ロジン系サイズ剤)を用いて繊維表面に親油基を導入することにより、カーボン粒子を化学的に吸着する。このため濾材孔径を必要以上に細かくすることなく濾目よりも細かいカーボン粒子を効率的に吸着することができる。従って潤滑油等の流体の流量を犠牲にすることなく、また濾材寿命を短縮化することなくカーボン粒子を捕捉するフィルタを構成することができる。
【0026】
また、本発明に係る濾材では、チタン酸カリウムやケイ酸アルミ等の硬質の金属繊維を混抄していない。従ってこれら繊維の離脱に起因するエンジン等の被潤滑部品や油圧回路の作動部品等に摩耗促進を生じさせるような懸念がない。また、本発明に係る濾材では有機繊維を微細化した繊維やカチオン樹脂等を混抄していない。このためエンジンで発生する熱によってフィブリル化された微細有機繊維の融解やカチオン樹脂の脱落等が起こらない。従ってこれらに起因する潤滑油の粘度増加,潤滑油寿命の短縮化が生じたり、微細有機繊維の熱変形によるカーボン粒子除去効率の低下を生ずることがない。
【0027】
さらに、本発明に係る濾材で使用する表面改質剤は製紙の過程で大量に使用されるサイズ剤を応用して安価にかつ簡単な工程で濾材繊維に強固に化学結合する親油基を導入する。このため、金属繊維や微細化した有機繊維等を混抄する場合のように抄紙工程における混抄材(金属繊維や微細化した有機繊維、カチオン樹脂等)を均一分散させる抄紙の困難さ、これら混抄材のコストや抄紙コストの高価格化など濾材生産上の問題点を大幅に改善することできる。従って、簡便な方法で安価にカーボン捕捉率を高めた濾材を提供することができる。
Claims (2)
- 合成サイズ剤であるアルケニルコハク酸無水物(乳化剤を含まず)を溶剤中に所定の濃度で溶解して作られた溶液中に、木材パルプを主体として抄造された濾紙を浸漬して、前記合成サイズ剤を吸着させ、その後加熱乾燥することにより、前記濾紙を構成する濾材表面に親油基を導入して作られ、油もしくは燃料に含有されるカーボン粒子を捕捉除去するために用いられることを特徴とする濾材。
- 天然サイズ剤であるロジン系サイズ剤(乳化剤を含まず)を溶剤中に所定の濃度で溶解して作られた溶液中に、木材パルプを主体として抄造された濾紙を浸漬して、前記天然サイズ剤を吸着させ、その後加熱乾燥することにより、前記濾紙を構成する濾材表面に親油基を導入して作られ、油もしくは燃料に含有されるカーボン粒子を捕捉除去するために用いられることを特徴とする濾材。
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