JP3057388U - 排気ガス濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機から出る排気ガス中の固形物質を除去
し、排気ガスを濾過する装置を廉価に提供する。 【解決手段】 袋状のフィルターは廉価な素材であるガ
ラス繊維、金属繊維、或いは不燃処理を施した織物、不
織布、濾紙等を使用するので廉価であり、構造が簡単で
ありながら、充分な濾過効果があり、フィルターは使い
捨てにすることも可能なものとなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は内燃機の排気ガス中に含まれる黒煙を除去するための排気ガス濾過装 置に係わるものであり、詳しくは濾過器の構造、装置、及びフィルターの材質に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の排気ガス濾過装置としては、黒煙の如き固形物質を除去するた め、ビーズ状のセラミックや同じくビーズ状のガラス球等を容器に入れ、この装 置を二基用意して、一方に於いて濾過作用を行っている時には、他の一方は捕捉 収集した黒煙をヒーターによって加熱燃焼させる。そしてこの操作を交互に繰り 返す事によって濾過を行う方式が提案され、既に一部の都市バスに於て試験的に 採用されている。（例えば、社団法人 日本機械学会誌、１９９２年 ５月号 Ｖｏｌ ９５ 副題 ディーゼルエンジンは生き残れるか 参照）

【０００３】 更に今一つの方法は炭素繊維によって作られたフィルターを使用して濾過する 方法も提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術の項に於て述べた前者においては、捕集した黒煙を加熱燃焼する再 生過程に於て、これを繰り返して行うと、ビーズ状の濾材が熱のため形状を崩し たり、一部が溶融して、固形粒子の隙間を塞いだりして、排気ガスの自由な通過 の障害となり、出力の低下を招く。そして又、この再生装置を付加するために、 濾過装置全体が複雑になり、その結果高額となり、仲々普及しがたいという問題 点がある。

【０００５】 また後者に於ては素材である炭素繊維が極めて高価であり、これも一般に普及 しがたいという問題点がある。

【０００６】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 。その目的とするところは、廉価でしかも簡単な操作により、排気ガス中の固形 物質を濾過することにより除去する装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案における排気ガス濾過装置の濾材は比較的に 廉価な素材である硝子繊維、微細な金属繊維、或いは難燃処理を施した布地、濾 紙等を以て、袋状のフィルターを作り、このフィルターにエンジンから排出され た排気ガスを導き、濾過を行う。このように比較的に廉価な素材を使用している ので、フィルターは廉価であり、装置も簡単である。

【０００８】 その為、捕集した黒煙は、フィルターと共に使い捨てにする事もできる外、他の ごみ袋に移し替えて、再使用もできる。

【０００９】

【作用】

ディーゼルエンジンの排気ガス中の黒煙粒子は１０ミクロン以下と言われてい る。一般に流体とその中に含まれる固体とを分離するとき、濾材の持つ間隙は固 体の粒子の直径よりも小さくするのが原則である。そこで、フィルターの間隙を １０ミクロン以下のものを使用すると圧力損失は大きくなり馬力の低下につなが る。しかし、黒煙の状態を電子顕微鏡で仔細に観察すると、黒煙粒子は数個が凝 集してフロックを形成し、尚且つこのフロックの周辺に炭化水素が付着している ことが分かっている。それ故、濾布の間隙は１０ミクロン以上でよく、更に又、 使用をするとごく短時間以内に捕捉された黒煙が集合して、いわゆる、架橋現象 を起こして黒煙自体が濾材の役割をする。このような理由でフィルターの間隙は 粒子以上にして、出力低下を最小限にして、尚且、濾過の目的を達成することが できる。

【００１０】

【考案の実施の形態】 考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 図１、図２、図４、において、硝子繊維のような布によって作ったフィルターＣ を外筒蓋Ａ１の未処理排気ガス入口１にホースバンド２を以て接続し、内筒Ｂの 内部に差し込む。そして、この内筒Ｂを外筒Ａの内部に挿入する。

【００１１】 マフラーから導入された未処理の排気ガスは外筒蓋Ａ１の排気ガス入口１を経 由して、フィルターＣの内部に入り、フィルターＣを通して、気体部分のみは内 筒Ｂに設けられた小孔４を通過して内筒Ｂの外部に出て、更に外筒の内部に集ま る、そして、固形物質の大部分はフィルターＣの内部に捕捉される。

【００１２】 多数のひだ３を持つ内筒Ｂはそのひだの凸部に多数の小孔４を持つ、そのため 、この内筒Ｂは布フィルターＣの受ける機械的な圧力をこのひだの部分で受け止 め、フィルターの破裂を防ぐと同時に、多数のひだ構造はフィルターＣの濾過効 果を妨害しない。このようにして内筒Ｂのひだ３に設けられた、多数の小孔４を 通過して濾過ずみの排気ガスが噴出する。そして、最終的に濾過済み排気ガス出 口５から大気中に放出される。

【００１３】 この内筒Ｂは金属の多孔板を使用してひだを持つように加工するのもよく、更 にまた、金網を使用することも可能である。

【００１４】

【考案の効果】

硝子繊維によって織られた布を以て袋状のものを作り、ディーゼルエンジンを 搭載した小型乗用車のマフラーに接続して、エンジンを高速回転した。そして、 濾過装置を取り付ける前後に於ける黒煙の発生状態を比較した。その結果肉眼で 観察しても、黒煙濃度計で測定しても、減少していることが明らかになった。

【００１５】 更に又、実験後フィルターの内部を点検したところ、実験時間が短時間であっ たのに拘らず、黒煙が大量に捕捉されているのを確認した。その結果この濾過装 置の効果が充分にある事が立証された。

【図面の簡単な説明】

【図１】排気ガス濾過装置の外筒斜視図である。

【図２】排気ガス濾過装置の内筒斜視図である。

【図３】排気ガス濾過装置の内筒断面図である。

【図４】フィルターの斜視図である。

【符号の説明】

Ａ Ａ１ Ａ２ 外筒 Ｂ 内筒 Ｃ フィルター １ 未処理排気ガスの入り口 ２ ホースバンド ３ 内筒のひだ ４ 内筒の小孔 ５ 濾過済み排気ガス出口 ６ フィルターのとじめ

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年１１月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 硝子繊維、金属繊維の如き不燃性の物質
   によって作られた袋状の物体により、排気ガス中の固形
   物質を濾過する装置。
2. 【請求項２】 難燃処理を施した織物、濾紙、不織布等
   の如き物体を以て袋を形成し、この袋状のフィルターに
   よって排気ガス中の固形物質を濾過する装置。
3. 【請求項３】 前記袋状フィルターの機械的強度を保護
   し、尚且つ、濾過面積の減少を最小限にした濾過器の構
   造。