JP4105268B2 - 操作レバーの支点構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のチェンジレバー等に用いられる操作レバーの支点構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すような、例えば自動車の変速機を操作するためのチェンジレバーに適用された操作レバーの支点構造100が知られている。この支点構造100は、車体に固定された固定体200と、この固定体200の頂部に前後方向(図8のY−Y方向)および車幅方向(図8のX−X方向)の双方に対して傾倒可能に設けられた作動体300とを備えた構成を有している。
【0003】
上記固定体200は、その頂部から凹設された溝底が側面視で円弧形状の車幅方向に延びる装着溝201を有しているとともに、この装着溝201の前後には頂部が正面視で円弧形状の一対の第1軸受突片202が形成され、これら一対の第1軸受突片202間に装着溝201を前後方向に横断した状態の第1軸401が架橋されている。
【0004】
上記作動体300は、正面視が逆U字形状の作動体本体301と、この作動体本体301の頂部から上方に向かって立設された操作ロッド303と、上記作動体本体301から前方に向けて突設された操作片304とを備えて形成されている。上記操作片304には図略のワイヤが接続され、このワイヤの先端側は図略のトランスミッションに接続されている。
【0005】
上記作動体本体301は、幅方向の両下側部に下に凸の円弧形状を呈した車幅方向一対の第2軸受突片302を有し、これら一対の第2軸受突片302間に上記第1軸401を介して車幅方向に延びる第2軸402が差し渡され、これによって作動体本体301は第2軸402回りに正逆回動し得るようになっている。また上記第2軸402の中央部には球体403が介設されている。この球体403には、前後方向に延びる貫通孔が穿設され、この貫通孔に上記第1軸401が摺接状態で嵌入されることによって第2軸402は第1軸401回りに正逆回動し得るようになっている。
【0006】
このような支点構造100の構成によれば、作動体300は第1軸401回りに正逆傾倒することができるとともに、第1軸401に直交した第2軸402回りにも正逆傾倒することができるため、結局、操作ロッド303は各軸401,402の交点から上方に延びる垂直線回りに360°の範囲で傾倒させることが可能になり、この傾倒が操作片304およびワイヤを介してトランスミッションに伝達され、所定の変速操作が行われることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の上記のような支点構造100においては、固定体200の第1軸受突片202に第1軸401を通す貫通孔を穿設したり、作動体本体301の第2軸受突片302に第2軸402を通す貫通孔を穿設したり、さらには球体403に第1軸401を通す貫通孔を穿設しなければならず、さらに第1軸401を第1軸受突片202にかしめ止めするとともに、第2軸402を第2軸受突片302にかしめ止めしなければならない等、部品の加工や組付け操作が面倒であり、加工コストが嵩むという問題点を有していた。
【0008】
また、固定体200に対する作動体300の結合は、第2軸402および第1軸401を介して行わなければならず、そのため部品点数が多くなり、材料コストが嵩むという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、部品点数を少なくすることができ、かつ、組付け操作が容易であり、これらによって製造コストの低減化を図ることができる操作レバーの支点構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の操作レバーの支点構造は、所定の部材の被固定部に固定される固定体と、この固定体に結合された作動体と、この作動体に取り付けられた操作レバーとを備えて構成され、上記操作レバーは、作動体を介して前後方向および左右方向の双方に向けて傾倒可能に上記固定体に結合されてなる操作レバーの支点構造であって、上記作動体は、作動体本体と、この作動体本体から前後方向に延びる前後一対の第1軸と、同左右方向に延びる第2軸とを有し、上記固定体は、上記第1軸を軸心回りに回動可能に支持する前後方向一対の軸受部を有し、上記操作レバーは、上記第2軸回りに回動自在に軸支される左右方向一対の軸支部を有し、上記固定体は、上記第1軸が上記軸受部に抜け止めされた状態で装着されるように構成され、上記軸支部は、上記第2軸に抜け止めされた状態で装着されるように構成され、上記一対の軸受部には上記第1軸が嵌め込まれる軸支溝がそれぞれ凹設され、上記作動体本体の前後面には上記第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突出部が前後方向に向かってそれぞれ突設され、上記各軸受部の対向面には第1軸が軸支溝に嵌め込まれた状態で第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突片が互いに対向する方向に向かってそれぞれ突設され、上記円弧状突片の円弧外周面と、上記円弧状突出部の円弧内周面とが摺接するようにそれぞれの曲率径寸法が設定され、上記一対の軸受部の少なくとも一方の対向面側には、上記固定体に装着された状態の上記作動体の円弧状突出部が当止することによって作動体の第1軸回りのそれ以上の回動を規制する左右方向一対のストッパーが突設され、これら一対のストッパーの少なくとも一方は、装着前の作動体の上記円弧状突出部を上記円弧状突片の下部に装着するに際し、当該円弧状突出部との干渉を回避するべく弾性変形するように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
この操作レバーの支点構造によれば、軸支部の第2軸への装着により抜け止め状態で操作レバーが取り付けられた作動体を固定体に装着することにより、作動体は操作レバーの左右方向への傾倒で第1軸回りに正逆回動し、また、操作レバーは、それを前後方向に傾倒することによって第2軸回りに回動するため、結局、操作レバーは前後方向および左右方向の所定の回動範囲内でいずれの方向にも傾倒することが可能になる。
【0012】
そして、固定体は、第1軸が軸受部に抜け止めされた状態で装着されるように構成され、軸支部は、第2軸に抜け止めされた状態で装着されるようにしているため、従来のように回転中心となる軸体や、組付け用のボルト等の締結部材を用いる必要がなく、その分部品点数を非常に少なくすることが可能であり部品コストの削減に寄与するとともに、組付け操作についてもボルト止めやかしめ止めのような面倒な作業が不要になり、その分組付けコストの削減を図ることが可能であり、製造コストの低減化が実現する。
【0013】
また、上記一対の軸受部には上記第1軸が嵌め込まれる軸支溝がそれぞれ凹設され、上記作動体本体の前後面には上記第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突出部が前後方向に向かってそれぞれ突設され、上記各軸受部の対向面には第1軸が軸支溝に嵌め込まれた状態で第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突片が互いに対向する方向に向かってそれぞれ突設され、上記円弧状突片の円弧外周面と、上記円弧状突出部の円弧内周面とが摺接するようにそれぞれの曲率径寸法が設定されている。
【0014】
従って、作動体が固定体に装着された状態で、作動体の円弧状突出部の円弧内周面が固定体の円弧状突片の円弧状外周面に摺接した状態になっているため、この摺接によって第1軸が軸支溝から抜け出るのが防止され、これによって作動体を第1軸回りに安定して正逆回動することが可能になる。
【0015】
さらに、上記一対の軸受部の少なくとも一方の対向面側には、上記固定体に装着された状態の上記作動体の円弧状突出部が当止することによって作動体の第1軸回りのそれ以上の回動を規制する左右方向一対のストッパーが突設され、これら一対のストッパーの少なくとも一方は、装着前の作動体の上記円弧状突出部を上記円弧状突片の下部に誘導するべく弾性変形するように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
かかる構成によれば、作動体を固定体に装着するに際し、第1軸を軸支溝に嵌め込んだ状態で作動体を第1軸回りに弾性変形する方のストッパーに向けて回転させることにより、円弧状突出部がストッパーに当接し、この状態でさらに作動体の回転を継続することによってストッパーが弾性変形し、これによって円弧状突出部がストッパーを擦り抜けて一対のストッパー間に位置し、作動体が固定体に装着された状態になる。そして、一旦作動体が固定体に装着されると、弾性変形していた一方のストッパーが元の状態に復元し、これによって作動体は固定体に抜け止めされた状態になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る支点構造の一実施形態を示す分解斜視図であり、図2は、その組立て斜視図である。また、図3は、図2のA−A線断面視図であり、図4は、図2のB−B線断面視図である。なお、図1および図2において、X−X方向を車幅方向または幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。本実施形態においては、支点構造1は自動車の変速用の操作レバーに適用されたものを例に挙げている。これらの図に示すように、支点構造1は、自動車の車体に一体に固定される固定体2と、この固定体2に接続される作動体3と、この作動体3に結合される操作レバー4とを備えた基本構成を有している。上記固定体2は、射出成形法によって製造された合成樹脂品が採用され、上記作動体3は、固定体2と同様の合成樹脂品であるか、あるいはアルミニウム合金のダイキャスト品が採用されている。
【0018】
上記固定体2は、車体に固定される基台21と、この基台21の前後方向の両側部に立設された前後一対の軸受体(軸受部)22と、上記基台21上であって各軸受体22間に差し渡された架橋体23とを備えて形成されている。上記基台21は、前後の端部にボルトXを挿通する挿通孔21aを有し、この挿通孔21aおよび車体の挿通孔にボルトXを挿通してナットで締結することによって固定体2が車体Cに固定されるようになっている。
【0019】
上記各軸受体22は、それぞれの車幅方向の寸法が上方に向かって小さくなるように上細りに形成され、その頂部に上記作動体3受ける軸支溝22aが凹設されている。この軸支溝22aの底部には、正面視で半円状を呈した円弧溝底22bが形成されている。また、各軸受体22の対向面には、円弧溝底22bの中心点を中心とする内径寸法および外径寸法を有する円弧状突片24が互いの対向方向に向けて突設されている。なお、本明細書では、円弧状のものの曲率半径の寸法を単に径寸法とのみ表記する。
【0020】
上記架橋体23は、車幅方向の両側部が高く、中央部に向かうに従って先下がりで高さ寸法が漸減するような、円弧溝底22bの曲率中心点を中心とした所定径寸法の円弧に沿う円弧面23aを上面に有している。この円弧面23aと、上記円弧状突片24の外周面24aとの間には径方向で所定寸法の間隙234が形成されている。また、円弧状突片24の直下の円弧面23aには、平面視で円弧状突片24と同一形状の型抜き孔23bが穿設されている。この型抜き孔23bは、射出成形後に金型を抜き取るために設けられるものである。
【0021】
また、円弧面23a上であって、上記型抜き孔23bの近傍には、幅方向に互いに平行に延びる前後方向一対の円弧突条25が突設されている。これらの円弧突条25は、円弧溝底22bの曲率中心点を中心とした円弧に沿うように突出量が設定されている。
【0022】
さらに、軸受体22間であって前方の軸受体22に近接した位置の基台21上には、固定体2に装着された作動体3の脱落を防止する第1ストッパー26が上方に向けて突設されているとともに、前方の軸受体22の左側面には、第1ストッパー26と同一の働きをする第2ストッパー27が設けられている。
【0023】
上記第1ストッパー26は、架橋体23の側壁23cから若干離間して上方に向かって延びた板状の立設体26aと、この立設体26aの先端部が若干上記円弧状突片24の方向に折り返されて形成した折返し片26bとからなっている。また、上記第2ストッパー27は、前方の軸受体22の後面部から後方に向かって所定寸法だけ突出されて形成されている。
【0024】
上記作動体3は、上記前後方向一対の円弧状突片24間に摺接状態で挟持される作動体本体31と、この作動体本体31の前面および後面から同心でそれぞれ前方および後方に向かって突設された前後方向一対の第1軸32と、作動体本体31の幅方向両側面から幅方向に向かって突設された一対の第2軸33と、作動体本体31の底面に形成された被装着体34とを備えて形成されている。そして、上記一対の第2軸33回りに回動自在に操作レバー4が軸支されている。
【0025】
上記前後一対の第1軸32は、それぞれ上記円弧溝底22bに摺接状態で嵌まり込むように径寸法が設定されている。また、上記被装着体34は、前後の端部が作動体本体31より突出した前後方向一対の円弧状突出部34aを有している。このような被装着体34は、正面視で第1軸32の軸心を中心とした円弧状に形成され、その外径寸法は第1軸32が円弧溝底22bに嵌め込まれた状態で被装着体34の底面が上記円弧突条25に摺接するとともに、内径寸法は同円弧状突片24の外周面に摺接するように寸法設定されている。
【0026】
また、固定体2の上記円弧状突片24の軸受体22からの突出量は、円弧状突出部34aの作動体本体31からの前後方向への突出量より小さく寸法設定され、これによって第1軸32を円弧溝底22bに嵌め込んだ状態で円弧状突出部34aが架橋体23と円弧状突片24との間に位置して第1軸32回りに正逆共回りし得るようになっている。
【0027】
上記第1ストッパー26は、その折返し片26bが固定体2に装着された状態の被装着体34の回動軌跡に干渉するとともに、第1軸32を軸支溝22aに嵌め込んで被装着体34を折返し片26bの方向に向けて回すことにより立設体26aが弾性的に撓んで上記干渉が解消され、これによって円弧状突出部34aを架橋体23と円弧状突片24との間に装着し得るように形状設定されている。そして、一旦円弧状突出部34aが架橋体23と円弧状突片24との間に装着されると、弾性変形していた立設体26aが元の状態に復元し、円弧状突出部34aの側面が折返し片26bの端面に干渉することによって被装着体34が抜け止めされるようになっている。
【0028】
上記第2ストッパー27は、作動体本体31が固定体2の軸支溝22aに装着された状態での円弧状突出部34aの第1軸32回りの回動軌跡に干渉するが、作動体本体31の円弧状突出部34aが設けられている面の反対側の面には干渉しない位置であって、前方の軸受体22の左方後面に後方に向かって突設されている。この第2ストッパー27は、第1ストッパー26のようには弾性変形しないように強度設定されている。
【0029】
従って、一旦作動体3が固定体2に装着されると、作動体本体31は円弧状突片24によって抜け止めされた状態で、被装着体34の左側面が第1ストッパー26の折返し片26bに当止する位相と、右側面が第2ストッパー27に当止する位相との間で第1軸32回りに正逆回動し得るようになる。
【0030】
上記幅方向一対の第2軸33は、作動体本体31の幅方向に向いた両側面の中央部にそれぞれ同心で設けられている。各第2軸33の作動体本体31からの突出量は、上記円弧突条25の円弧面23aからの高さ寸法よりも小さく寸法設定されている。
【0031】
このような第2軸33に操作レバー4が取り付けられている。この操作レバー4は、棒状の操作ロッド41と、この操作ロッド41の下端部に二股状に形成された二股部42と、この二股部42の上方の操作ロッド41に前方に向かって突設された操作片43とを備えて形成されている。操作片43には図略のワイヤが接続され、このワイヤの先端がトランスミッションに接続されている。そして、操作レバー4の操作でワイヤを所定の方向に引張ることによってトランスミッションによる変速操作が行われるようになっている。
【0032】
上記二股部42は、幅方向に延びる天板42aと、この天板42aの両側部から垂下された幅方向一対の側板(軸支部)42bとからなっている。上記各側板42bの中央部の互いに対向した面には、上記第2軸33が摺接状態で嵌入される支持孔42cが穿設されているとともに、この支持孔42cと側板42bの下端面との間には誘い溝42dが凹設されている。この誘い溝42dは、溝深さが側板42bの下端面で最深に設定されているとともに、支持孔42cに向かって漸次浅くなるように溝底が傾斜されている。
【0033】
そして二股部42を作動体本体31に装着するに際しては、一対の側板42bで作動体本体31を跨いで各誘い溝42dにそれぞれの第2軸33を嵌め込み、ついで二股部42を作動体本体31の方向に押圧することが行われる。こうすることによって、各側板42bが誘い溝42dに嵌まり込んだ第2軸33からの反作用で互いに離間する方向に弾性変形して順次開いていって支持孔42cが第2軸33に外嵌される。
【0034】
図5は、固定体2に対する作動体3の装着操作を示す断面視の説明図であり、(イ)は作動体3が固定体2に装着される直前の状態、(ロ)は作動体3が固定体2に装着されつつある状態をそれぞれ示している。作動体3を固定体2に装着するに際しては、まず図5の(イ)に示すように、作動体3を横に寝かせて第1軸32を軸支溝22aに嵌め込む。
【0035】
ついで、作動体本体31を第1軸32回りに反時計方向に回すと、作動体本体31の円弧状突出部34aが第1ストッパー26の折返し片26bを押圧して立設体26aを弾性変形させるため、円弧状突出部34aは、図5の(ロ)に示すように、折返し片26bを擦り抜けて第1軸32回りに回動し、図3に示すように作動体3が固定体2に装着された状態になる。この状態で、操作レバー4が作動体本体31に取り付けられて支点構造1が完成する。
【0036】
このようにして得られた支点構造1においては、図3に二点鎖線で示すように、操作レバー4を車幅方向に操作することにより、操作ロッド41が第1軸32回りに共回りで正逆回動するとともに、図4に二点鎖線で示すように、操作レバー4を前後方向に操作することにより、操作ロッド41が第2軸33回りに正逆回動するため、結局、操作レバー4は、支点構造1の中心点を通る上下方向に延びた垂線を基準として平面視で360°の範囲で傾倒することが可能であり、このような支点構造1を自動車用のチェンジレバーとして有効に利用することができる。
【0037】
本発明は、以上詳述したように、ボルト等の締結部材を用いることなく作動体3を固定体2に単に嵌め込むという簡単な操作を行うことによって支点構造1が形成されるように構成されているため、従来のように回転中心となる軸体や、組付け用のボルト等の締結部材を用いる必要がなく、その分部品点数を非常に少なくすることが可能であり部品コストの削減に寄与するとともに、組付けコストの削減を図ることができ、製造コストの低減化を図る上で極めて有効である。
【0038】
図6は、本発明に係る支点構造の他の実施形態を示す分解斜視図であり、図7は、その組立て斜視図である。なお、図6および図7において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。この実施形態の支点構造1aにおいては、固定体2および作動体3は先の実施形態と同様であるが、操作レバー4aが先のものと異なっている。具体的には操作レバー4aの二股部42′の各側板42b′には、互いに対向した対向面に上記支持孔42cに代えて前縁部から後方に延びる幅方向一対の軸受溝42c′が凹設されており、この軸受溝42c′を作動体3の第2軸33に前縁の開口部から外嵌することによって操作レバー4aを第2軸33回りに回動自在に作動体3に結合するようになっている。
【0039】
また、各側板42b′の対向面の各軸受溝42c′の下部には、第2軸33が軸受溝42c′の最奥部まで嵌め込まれた状態で第2軸33の軸心を中心とした円弧軌跡に沿うような円弧ガイド溝42eがそれぞれ形成されている一方、上記作動体本体31の第2軸33の下部には上記円弧ガイド溝42eに摺接状態で嵌め込まれるガイド突片35が突設されており、操作レバー4aを第2軸33回りに正逆回動することによりこのガイド突片35が円弧ガイド溝42e内を相対移動するようになっている。上記円弧ガイド溝42eの前端部は前方に向けて開放されている。
【0040】
また、上記円弧ガイド溝42eの下部の各側板42b′対向面には、L字形状を呈した第3ストッパー44が設けられている。この第3ストッパー44は、上記円弧ガイド溝42eの前端の開放部分を上端部で閉止する閉止爪44aと、この閉止爪44aの下部から後方に延びた弾性部44bとで構成されている。上記閉止爪44aの上端部の前面側には後方に向かって先上がりの傾斜面が形成されている一方、後面側は鉛直に形成されている。そして、普段は閉止爪44aが円弧ガイド溝42eの前端開口部を閉止しているが、閉止爪44aに下方に向かう力が加わると、弾性部44bが撓んで弾性変形することによって円弧ガイド溝42eの前端部の閉止が解除されるようになっている。
【0041】
この実施形態の操作レバー4aによれば、作動体3の各第2軸33を対応した軸受溝42c′のそれぞれ嵌め込んだ状態でガイド突片35を第3ストッパー44の閉止爪44aの傾斜面に押し当てて後方に向けて押圧することにより、弾性部44bが下方に撓んで閉止爪44aが下方に移動し、これによってガイド突片35が円弧ガイド溝42e内に嵌め込まれ、図7に示すように、操作レバー4aが作動体3に装着された状態になる。
【0042】
そして、一旦操作レバー4aが作動体3に結合されると、操作レバー4aを反時計方向に第2軸33な割に回動操作しても、ガイド突片35が第3ストッパー44の閉止爪44aの後面に当止し、この後面には傾斜面が形成されていないため、第3ストッパー44の弾性部44bが撓んでガイド突片35が円弧ガイド溝42eから抜け出るという不都合は生じない。
【0043】
この実施形態の操作レバー4aにおいては、二股部42′の側板42b′を弾性変形させることなく操作レバー4aを作動体3に結合することが可能であり、二股部42′を構造的に丈夫なものにすることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の操作レバーの支点構造によれば、この構造の一方の構成要素である作動体を、作動体本体と、この作動体本体から前後方向に延びる前後一対の第1軸と、同左右方向に延びる第2軸とで構成し、他方の構成要素である固定体には第1軸を軸心回りに回動可能に支持する前後方向一対の軸受部を設け、さらに作動体に取り付けられる操作レバーには、第2軸回りに回動自在に軸支される左右方向一対の軸支部を設けたため、作動体を固定体に装着することにより、作動体は操作レバーの左右方向への傾倒で第1軸回りに正逆回動し、また、操作レバーは、それを前後方向に傾倒することによって第2軸回りに回動し、これらによって操作レバーを前後方向および左右方向の所定の回動範囲内でいずれの方向にも傾倒することができる。
【0045】
そして、固定体を、第1軸が軸受部に抜け止めされた状態で装着されるように構成し、軸支部は、第2軸に抜け止めされた状態で装着されるようにしているため、従来のように回転中心となる軸体や、組付け用のボルト等の締結部材を用いる必要がなく、その分部品点数を非常に少なくすることが可能であり部品コストの削減に寄与することができるとともに、組付け操作についてもボルト止めやかしめ止めのような面倒な作業が不要になり、その分組付けコストが安価になり、総じて製造コストの低減化を図ることができる。
【0046】
また、一対の軸受部には第1軸が嵌め込まれる軸支溝をそれぞれ凹設し、作動体本体の前後面には第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突出部を前後方向に向かってそれぞれ突設し、各軸受部の対向面には第1軸が軸支溝に嵌め込まれた状態で第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突片を互いに対向する方向に向かってそれぞれ突設し、円弧状突片の円弧外周面と、円弧状突出部の円弧内周面とが摺接するようにそれぞれの曲率径寸法を設定したため、作動体が固定体に装着された状態で、作動体の円弧状突出部の円弧内周面が固定体の円弧状突片の円弧状外周面に摺接した状態になり、この摺接によって第1軸が軸支溝から抜け出るのを防止することができ、これによって、作動体を第1軸回りに安定して正逆回動することができる。
【0047】
さらに、一対の軸受部の少なくとも一方の対向面側には、固定体に装着された状態の作動体の円弧状突出部が当止することによって作動体の第1軸回りのそれ以上の回動を規制する左右方向一対のストッパーを突設し、これら一対のストッパーの少なくとも一方は、装着前の作動体の円弧状突出部を円弧状突片の下部に誘導するべく弾性変形するように構成したため、作動体を固定体に装着するに際し、第1軸を軸支溝に嵌め込んだ状態で作動体を第1軸回りに弾性変形する方のストッパーに向けて回転させることにより、円弧状突出部がストッパーに当接し、この状態でさらに作動体の回転を継続することによってストッパーが弾性変形し、これによって円弧状突出部がストッパーを擦り抜けて一対のストッパー間に位置し、作動体を固定体に装着した状態にすることができる。そして、一旦作動体を固定体に装着すると、弾性変形していた一方のストッパーが元の状態に復元し、これによって作動体を固定体に対して抜け止めされた状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る支点構造の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 図1に示す支点構造の組立て斜視図である。
【図3】 図2のA−A線断面視図である。
【図4】 図2のB−B線断面視図である。
【図5】 固定体に対する作動体の装着操作を示す断面視の説明図であり、(イ)は作動体が固定体に装着される直前の状態、(ロ)は作動体が固定体に装着されつつある状態をそれぞれ示している。
【図6】 本発明に係る支点構造の他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】 図6に示す支点構造の組立て斜視図である。
【図8】 従来の支点構造を例示する斜視図である。
【符号の説明】
1,1a 支点構造
2 固定体
21 基台
21a 挿通孔
22 軸受体(軸受部)
22a 軸支溝
22b 円弧溝底
23 架橋体
23a 円弧面
23b 型抜き孔
23c 側壁
24 円弧状突片
24a 外周面
25 円弧突条
26 第1ストッパー
26a 立設体
26b 折返し片
27 第2ストッパー
3 作動体
31 作動体本体
32 第1軸
33 第2軸
34 被装着体
34a 円弧状突出部
35 ガイド突片
4 操作レバー
41 操作ロッド
42,42′ 二股部
42a 天板
42b,42b′ 側板(軸支部)
42c 支持孔
42c′ 軸受溝
42d 誘い溝
42e 円弧ガイド溝
44 第3ストッパー
44a 閉止爪
44b 弾性部
Claims (1)
- 所定の部材の被固定部に固定される固定体と、この固定体に結合された作動体と、この作動体に取り付けられた操作レバーとを備えて構成され、上記操作レバーは、作動体を介して前後方向および左右方向の双方に向けて傾倒可能に上記固定体に結合されてなる操作レバーの支点構造であって、上記作動体は、作動体本体と、この作動体本体から前後方向に延びる前後一対の第1軸と、同左右方向に延びる第2軸とを有し、上記固定体は、上記第1軸を軸心回りに回動可能に支持する前後方向一対の軸受部を有し、上記操作レバーは、上記第2軸回りに回動自在に軸支される左右方向一対の軸支部を有し、上記固定体は、上記第1軸が上記軸受部に抜け止めされた状態で装着されるように構成され、上記軸支部は、上記第2軸に抜け止めされた状態で装着されるように構成され、上記一対の軸受部には上記第1軸が嵌め込まれる軸支溝がそれぞれ凹設され、上記作動体本体の前後面には上記第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突出部が前後方向に向かってそれぞれ突設され、上記各軸受部の対向面には第1軸が軸支溝に嵌め込まれた状態で第1軸の軸心を中心とした円弧形状の円弧状突片が互いに対向する方向に向かってそれぞれ突設され、上記円弧状突片の円弧外周面と、上記円弧状突出部の円弧内周面とが摺接するようにそれぞれの曲率径寸法が設定され、上記一対の軸受部の少なくとも一方の対向面側には、上記固定体に装着された状態の上記作動体の円弧状突出部が当止することによって作動体の第1軸回りのそれ以上の回動を規制する左右方向一対のストッパーが突設され、これら一対のストッパーの少なくとも一方は、装着前の作動体の上記円弧状突出部を上記円弧状突片の下部に装着するに際し、当該円弧状突出部との干渉を回避するべく弾性変形するように構成されていることを特徴とする操作レバーの支点構造。
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