JPH0237055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車両用クラツチペダルの踏力補助装置
に関する。

従来技術 自動車等の車両用クラツチペダルには、ペダル
踏込み操作力を軽くするために踏力補助装置を付
設してある。第４〜６図は従来の踏力補助装置を
備えたクラツチペダルアツセンブリを示すもの
で、１はクラツチペダル２を車体に取付けるブラ
ケツトで、このブラケツト１はクラツチペダル２
をピン３連結したメインブラケツト１Ａと、該メ
インブラケツト１Ａに結合されて、後述するアシ
ストレバー４を装着するサブブラケツト１Ｂとか
らなつている。４は金属プレートからなるアシス
トレバーで、上下方向にガイドスリツト５を形成
してあると共に、上端に軸受パイプ６を固着して
ある。このアシストレバー４は、上下スプリング
シート７，８と、これらスプリングシート７，８
間にアシストスプリング９を介在させて、ガイド
スリツト５をクラツチペダル２の中間部に突設し
たガイドピン１０に係合して、該クラツチペダル
２にサブアツセンブリされ、クラツチペダル２の
メインブラケツト１Ａへのピン３連結後、サブブ
ラケツト１Ｂに前記ペダル軸支点下方でアシスト
スプリング９を圧縮させてピン１１連結して、前
記ガイドピン１０を下向きに付勢している。従つ
て、クラツチペダル２の踏込みによりガイドピン
１０が、その回動軌跡と、ペダル２の軸支点３中
心とアシストレバー４の軸支点１１中心を結ぶ線
の延長線とが交わるターンオーバー点Ｐを越える
と、アシストスプリング９力がクラツチペダル２
に第４図時計方向への回動力として作用し、クラ
ツチペダル２の踏力を軽減することができるので
ある。なお、図中１２はブツシユ、１３は抜止め
リング、１４はクラツチペダル２の位置規制用の
ストツパ、１５は同ストツパ１４端に衝接するダ
ンパーを示す。

ところが、かかる従来の構造では、前述のよう
にアシストレバー４はアシストスプリング９と共
にクラツチペダル２のガイドピン１０にサブアツ
センブリしてあつて、該アシストレバー４のサブ
ブラケツト１Ｂへの連結時には、上端の軸受パイ
プ６をサブブラケツト１Ｂの両側壁１ｂ，１ｂ間
で、アシストスプリング９を圧縮させて両側壁１
ｂ，１ｂの取付孔１ｃ，１ｃと整合させた状態に
保持してピン１１を挿入、連結する必要がある。
一方、アシストスプリング９は踏力軽減を行わせ
るために可成りばね力の強いスプリングが用いら
れているため、前述のようにピン１１連結の際に
アシストスプリング９を圧縮させて軸受パイプ６
と取付孔１ｃとを整合、保持することは非常に難
かしく組付作業を著しく損なつてしまう。また、
このピン１１連結作業時に、ピン１１が外れると
アシストスプリング９の反動で思わぬ怪我をして
しまうという危険性もあつた。

考案の目的 本考案はかかる従来の実状に鑑み、アシストレ
バーとブラケツトとの連結を簡単かつ安全に行う
ことができ、しかも、作動を滑らかにすることが
できると共に軽量化を図ることができるクラツチ
ペダルの踏力補助装置を提供することを目的とす
るものである。

考案の構成 前記目的を達成するため、本考案にあつてはア
シストレバーを、ブラケツトに取付る上端支軸と
共に樹脂材を以つて一体成形する一方、ブラケツ
トに下側に開口する軸受溝を形成し、この軸受溝
に前記支軸をアシストスプリング力により弾接、
係合して取付けてある。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第１〜３図において、ブラケツト１のクラツチ
ペダルペダル軸支点３よりも下方にアシストレバ
ー２１の軸支点２２を設定し、クラツチペダル２
のガイドピン１０をアシストレバー２１のガイド
スリツト２３に係合して、アシストスプリング９
により該ガイドピン１０を下方に付勢する基本構
造は前記従来と同様である。

ここで、前記アシストレバー２１は適宜の樹脂
材を以つて、サブブラケツト１Ｂに取付ける上端
支軸２２と共に一体成形してある。本実施例では
この支軸２２の形成部分に上部スプリングシート
２４も一体成形してある。２５はアシストレバー
２１に摺動自在に外嵌する樹脂材からなる下部ス
プリングシートで、両側にガイドピン挿入孔２６
を形成してある。アシストレバー２１は、該レバ
ー２１にアシストスプリング９、下部スプリング
シート２５を遊装して、該下部スプリングシート
２５のガイドピン挿入孔２６およびガイドスリツ
ト２３を、ガイドピン１０に挿入して、クラツチ
ペダル２にサブアツセンブリされる。一方、サブ
ブラケツト１Ｂの両側壁１ｂ，１ｂには、下側に
開口する軸受溝２７を形成してあり、溝端部に
は、バーリング形成したフランジ部２７ａを有し
ている。そして、前記アシストレバー２１をアシ
ストスプリング９を圧縮させて上端支軸２２を、
該軸受溝２７にアシストスプリング９力により弾
接、係合してある。尚、第３図ｂに示すようにサ
ブブラケツト１Ｂの軸受溝２７には、側面Ｕ字状
のブツシユ２８が上端支軸２２に装着されて、前
記軸受溝２７縁に係着するようにしてもよい。２
９はクラツチペダル２と図外のクラツチマスタシ
リンダとを連結するクレビスを示す。

以上の実施例構造によれば、クラツチペダル２
の踏込みによりガイドピン１０がターンオーバー
点Ｐを越えると、アシストスプリング９力がクラ
ツチペダル２に第１図時計方向への回動力として
作用して、クラツチペダル２の踏力軽減作用する
ことは前記従来のものと何等変わることはない。

ここで、アシストレバー２１のサブブラケツト
１Ｂとの連結に際しては、アシストレバー２１を
アシストスプリング９力に抗して押下げ、上端支
軸２２をサブブラケツト１Ｂの両側壁１ｂ，１ｂ
下縁に弾接係合させれば、該アシストレバー２１
の仮保持を行うことができ、従つて、このアシス
トスプリング９の圧縮を保持した状態で、アシス
トレバー２１をその支軸２２が軸受溝２７と係合
する方向に押動すれば、該支軸２２が軸受溝２７
に落ち込んで、所謂ワンタツチで容易に組付ける
ことができる。

この場合、第１図示のように軸受溝２７をアシ
ストレバー２１の押動に迎合する方向、例えば本
実施例のように前側に若干傾斜成形しておけば、
前述の支軸２２の軸受溝２７への落ち込み、係合
をよりスムースに行わせることができる。

また、前述のような組付上の利点とは別に、ア
シストレバー２１が樹脂材からなり、自体にスラ
イダ効果を有しているため、支軸２２とブツシユ
２７との間、およびガイドピン１０とスライドス
リツト２３との間で膠着するようなことはなく、
ペダル２の回動を滑かに行わせることができ、か
つ、異音発生も回避できる利点があり、更には、
装置全体の軽量化を実現することができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、支軸の軸受溝へ
の落し込み操作によりワンタツチで容易にアシス
トレバーをブラケツトに組付けることができ、し
かも、アシストレバーの上端支軸をブラケツト下
縁に係合することによつて、ばね力の強いアシス
トスプリングを圧縮させた状態でのアシストレバ
ーの仮保持を行え、前述の組付作業をより一層容
易に、かつ、安全に行うことができる。また、ア
シストレバー自体にスライダ機能があるため、円
滑な作動の確保と、異音発生防止効果が得られ、
更には軽量化を図れるという実用上多大な効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を備えたクラツチペ
ダルアツセンブリの側面図、第２図は同断面説明
図、第３図Ａは同分解斜視図、第３図Ｂは異なる
例の分解斜視図、第４図は従来装置を備えたクラ
ツチペダルアツセンブリの側面図、第５図は同断
面説明図、第６図は同分解斜視図である。 １……ブラケツト、２……クラツチペダル、３
……ペダル軸支点（ピン）、９……アシストスプ
リング、１０……ガイドピン、２１……アシスト
レバー、２２……支軸、２３……ガイドスリツ
ト、２７……軸受溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケツトのペダル軸支点下方にアシストレバ
   ーの上端部を支軸により回動自在に装着し、この
   アシストレバーの上下方向に形成したガイドスリ
   ツトにクラツチペダルの中間部に突設したガイド
   ピンを係合すると共に、アシストレバーに前記ガ
   イドピンを下向きに付勢するアシストスプリング
   を弾装した構造にあつて、前記アシストレバーを
   上端支軸と共に樹脂材を以つて一体成形する一
   方、前記ブラケツトに下側に開口する軸受溝を形
   成し、この軸受溝に前記支軸をアシストスプリン
   グ力により弾接、係合したことを特徴とするクラ
   ツチペダルの踏力補助装置。