JP4104682B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本明細書で開示する発明は、SOI(silicon-on-insulator)構造(単結晶シリコンを絶縁体上に形成した構造)、およびその構造を得るための技術に関する。
【0002】
例えば、SIMOX(separation-by-implanted oxygen)と称される単結晶シリコン層の作製方法に関する。またこのシリコン層を利用した半導体装置( 例えばトランジスタ)の作製方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、SOI(silicon-on-insulator)構造(単結晶シリコンを絶縁体上に形成した構造)の一つとして、SIMOX(separation-by-implanted oxygen)と呼ばれる技術が知られている。(例えば、丸善株式会社 志村史夫著 半導体シリコン結晶工学 平成5年9月30日発行 p217以下参照)
【0004】
これは、
(1)単結晶シリコン基板中に高濃度の酸素イオンを1018/cm2 程度以上のドーズ量でもって注入する。
(2)熱アニールを行い、(1)で注入された酸素と単結晶シリコン基板中の珪素とを反応させて、埋め込み酸化層(酸化珪素膜の層)を単結晶シリコン基板中に形成する。
といった工程を経ることにより、埋め込み酸化層上に単結晶シリコン層を形成するものである。
【0005】
上記SIMOX技術で得られた単結晶シリコン層を利用して電子デバイスを作製すると以下のような優位性を得ることができる。
(1)2次元的な素子間分離を完全に行うことができる集積回路を得ることができる。
(2)素子と基板との間の寄生容量を大きく低減できるので、デバイス動作の高速化を実現することができる。また、基板を介しての寄生容量による素子間、あるいは素子と配線間のクロストークを軽減することができる。
(3)デバイス配置の3次元配置を可能する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記SIMOX技術では以下のような問題がある。その一つは、埋め込み酸化層を形成する際の酸化反応時において、埋め込み酸化層とその下の単結晶シリコン層(基板)との界面近傍、及び埋め込み酸化層とその上の単結晶シリコン層(デバイスの活性層に利用される)との界面近傍において、欠陥が形成されてしまう問題である。
【0007】
この欠陥は、格子間原子(格子の隙間に余分に入り込んだ原子)や珪素原子の不完全な結合に起因する。また転位等にも起因する。
【0008】
この欠陥を減少させるには、
(1)1300℃以上の高温熱処理を行う。
(2)酸素イオンの注入を分割して行い、その分割しての酸素イオンの注入を行う毎に高温熱処理を施す。
といった方法がある。(前述の半導体シリコン結晶工学参照)
【0009】
しかしながら、このような方法は、高いプロセス温度が要求され、また工程が煩雑化するという問題がある。特に高温プロセスは、装置に対する負担が大きくなり、生産性の点から好ましいものではない。
【0010】
本明細書で開示する発明は、SIMOX技術を利用して、単結晶シリコン層を形成する技術において、上記の問題を解決することを課題とする。即ち、欠陥密度の低い単結晶シリコン層を得る技術を提供することを課題とする。
【0011】
そしてそのことにより、高速動作が可能で高い信頼性を有する素子を得ることを課題とする。また、同時に複雑なプロセスや高温処理を行わずに上記課題を解決することを更なる課題とする。
【0012】
さらに本明細書で開示する発明は、一般に酸化珪素層を単結晶シリコン層に接して形成した場合に界面に高密度に形成される欠陥の存在の影響を抑制する技術を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の一つは、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有した半導体装置の作製方法であって、
前記単結晶シリコン層の形成に際して、
意図的にニッケル元素を前記シリコン基板中に添加する工程と、
前記ニッケル元素を意図的に除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成における結晶シリコン基板というのは、一般に利用される単結晶シリコンウエハーを含み。また、素子形成に関係の無い領域結晶粒界が存在していたり、不純物の偏析があるようなものも含む。一般的には、最新の技術をもって作製された高純度で欠陥密度の小さい単結晶シリコンウエハーを上記結晶シリコン基板として利用することが好ましい。
【0015】
ニッケル元素のゲッタリングはハロゲン元素を含んだ雰囲気中での加熱処理により行うことができる。この場合、ニッケル元素は雰囲気中にNiCl2 やNiF2 として気化し除去される。
【0016】
また上記雰囲気を酸化性のものとすることにより、加熱処理により熱酸化層を形成することは有効となる。この場合ハロゲン元素の作用もあり、ニッケル元素が熱酸化層(熱酸化膜)中にゲッタリングされる。この結果、1018/cm3 以上の濃度で残留していたニッケル元素の濃度を1017/cm3 台以下の濃度に減少させることができる。
【0017】
ハロゲン元素は、Cl及び/またはFを少なくとも含んだ気体を用いて導入すればよい。例えば、HF、NF3 、ClF3 またはそれらのガスを含んだ気体を用いることができる。
【0018】
また、HClを酸素雰囲気中に混合させる場合は、1〜10%、NF3 であれば酸素雰囲気中に0.1 〜1%含有させればよい。
【0019】
なお、熱酸化層の形成は、700℃〜1200℃、好ましくは800℃〜1200℃の範囲の温度で行うことが好ましい。
【0020】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有した半導体装置の作製方法であって、
前記単結晶シリコン層の形成に際して、
意図的に珪素の結晶化を助長する金属元素を前記シリコン基板中に添加する工程と、
前記金属元素を意図的に除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0021】
珪素の結晶化を助長する金属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類のものを用いることができる。
【0022】
金属元素としては、Niを用いることがその再現性や効果の点から最も好ましい。
【0023】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有した半導体装置の作製方法であって、
前記単結晶シリコン層の形成に際して、
ニッケル元素を意図的に導入する工程と、
前記意図的に導入したニッケル元素を熱酸化を利用することにより除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0024】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有した半導体装置の作製方法であって、
前記単結晶シリコン層の形成に際して、
珪素の結晶化を助長する金属元素を意図的に導入する工程と、
前記意図的に導入した金属元素を熱酸化を利用することにより除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0025】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
Ni元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成する工程と、
前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0026】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成する工程と、
Ni元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0027】
他の発明の構成は、
Ni元素を結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
前記結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0028】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
珪素の結晶化を助長する金属元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0029】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
珪素の結晶化を助長する金属元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成する工程と、
前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0030】
他の発明に構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成する工程と、
珪素の結晶化を助長する金属元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0031】
他の発明の構成は、
珪素の結晶化を助長する金属元素を結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
前記結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0032】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に酸素をドーピングする工程と、
珪素の結晶化を助長する金属元素を前記結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程と、
加熱処理により前記結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成する工程と、
前記熱酸化層を除去する工程と、
を有し、
前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする。
【0033】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有し、
前記単結晶シリコン層を利用して少なくとも一つの素子の活性層が形成されており、
前記活性層中においては前記酸化珪素層と反対の界面に向かって金属元素が高い濃度分布を有して存在していることを特徴とする。
【0034】
上記構成において、
金属元素は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類のものから選択される。
【0035】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中に形成された酸化珪素層と、
該酸化珪素層上に形成された単結晶シリコン層と、
を有した半導体装置を備えた電子機器であって、
前記単結晶シリコン層を利用して少なくとも一つの素子の活性層が形成されており、
前記活性層中においては前記酸化珪素層と反対の界面に向かって金属元素が高い濃度分布を有して存在していることを特徴とする。
【0036】
電子機器としては、パーソナルコンピューターや携帯型のビデオカメラ、さらに各種情報端末を挙げることができる。
【0037】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中またはその表面に単結晶シリコン層に隣接した酸化珪素層を形成する工程を有し、
前記酸化珪素層の形成前において、
ニッケル元素の意図的な導入工程を有し、
前記酸化珪素層の形成時または後において、
前記ニッケル元素の意図的な除去工程を有することを特徴とする。
【0038】
他の発明の構成は、
結晶シリコン基板中またはその表面に単結晶シリコン層に隣接した酸化珪素層を形成する工程を有し、
前記酸化珪素層の形成前において、
珪素の結晶化を助長する金属元素の意図的な導入工程を有し、
前記酸化珪素層の形成時または後において、
前記金属元素の意図的な除去工程を有することを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1に示すように本明細書で開示する発明の具体的な構成例を一つは、
単結晶シリコン基板101中に酸素をドーピングする工程(図1(A))と、
Ni元素を前記単結晶シリコン基板表面に接して保持させる工程(図1(B))と、
加熱処理により前記単結晶シリコン基板中に酸化珪素層105を形成する工程(図1(C))と、
前記単結晶シリコン基板表面に熱酸化層107を形成する工程(図1(D))と、
前記熱酸化層を除去する工程(図1(E))と、
を有し、
前記酸化珪素層105上に単結晶シリコン層108を得ることを特徴とする。
【0040】
上記工程において、Ni元素の作用により単結晶シリコン層108中の欠陥を減少させることができ、また熱酸化層107の形成によって、上記欠陥の減少とNi元素のゲッタリング(単結晶シリコン層108中からの除去)を促進させることができる。
【0041】
特に酸化珪素層との界面近傍の単結晶シリコン層中に形成される欠陥を大きく減少させることができる。
【0042】
一般に酸化珪素層の形成に際しては、SiO2 層とSi層の界面にSiOx (0<X<2)で示されるような結合手が余っているような不完全な結合状態を有する層が形成される。
【0043】
図14に上記モデルを模式的に示す。図14において、(A)は不完全な接合状態を有するSiOx (0<X<2)で示される層が酸化珪素層(SiO2 )層と単結晶シリコン層(Si層)との間に形成されている状態を示している。
【0044】
一般に図1の105で示されるような酸化珪素層を形成すると、上記SiOx (0<X<2)で示される層が形成されてしまう。この層には、不完全な結合に起因する歪エネルギーが蓄えられている。
【0045】
当然のことながら、この層中には、SiO2 でその組成が示されるほぼ完全な組成構造を有する酸化珪素層や単結晶シリコン層に比較して高密度に欠陥を含んでいる。そしてそれに対応して高密度に準位が形成されている。この欠陥の分布は図14(B)に示すような分布になる。図14(B)は相対的な欠陥の分布を判りやすいように図表化したものである。
【0046】
このような状態において、Ni元素を意図的に導入し、加熱処理を行った場合、SiとOとNiとが反応し、原子の再配列が進行する。
【0047】
この結果、図14(C)に示すように、SiOx (0<X<2)で示される層はその幅(厚さ)が小さくなり、場合によって消滅する。この際、歪エネルギーも開放され、図14(D)に示すように、欠陥密度は著しく減少する。
【0048】
一方、上記加熱処理によって、Ni元素が界面に過剰に集中した状態となる。そこで、ハロゲン元素を含んだ雰囲気中での加熱処理(この加熱処理は上記SiOx を消滅させるための加熱処理と同時に行ってもよい)を行うことにより、Ni元素の除去(ゲッタリング)が行われる。具体的には、Ni元素とハロゲン元素とが結合し気化する。ここで熱酸化を行えば、形成される熱酸化膜中にNi元素はゲッタリングされる。また、ハロゲン元素と結合したNi元素は気化し、離脱する。
【0049】
図14(A)に示すようなSiOX 層が存在すると、酸化珪素層によって素子分離された素子の動作は、SiOX 層中に高密度に含まれる欠陥に起因する準位の悪影響を受ける。このことは、素子の微細化が進行するほど顕著になる。従って、本明細書に開示する発明を利用し、上記SiOX 層中に含まれる欠陥を減少させることは有用なものとなる。
【0050】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に本実施例の作製工程を示す。本実施例は、Ni元素を利用して欠陥の少ない高い品質を有する単結晶シリコン層を形成するものである。
【0051】
まず図1(A)に示すように単結晶シリコン基板101を用意する。そして、この単結晶シリコン基板101中に酸素イオンの注入を行う。ここでは酸素イオンの注入は、イオンドーピング法によって行う。
【0052】
この工程は公知のSIMOX技術と同じである。ここでは、ドーズ量を1×1018/cm2 とする。加速電圧は、埋め込み酸化珪素層の形成位置(深さ位置)に従って決定する。
【0053】
この酸素イオンの注入工程は基板101を500℃に加熱した状態で行う。これは、酸素イオンの注入によって、単結晶結晶シリコン基板101の最表面が損傷し、その結晶性が著しく損なわれることを防ぐためである。この加熱は、400℃〜600℃程度とすることが好ましい。
【0054】
酸素イオンの注入により、102で示される酸化イオン注入層が単結晶シリコン基板101中に形成される。この状態では、酸素イオン注入層102は安定なSiO2 となっていない。即ち、結合状態が不安定なSi−O化合物が高い割合で含まれている。当然、この状態では酸素イオン注入層は高い欠陥密度を有している。
【0055】
また、この図1(A)に示す状態においては、103で示される領域(単結晶シコン基板101の最表面)が残存シリコン層となる。
【0056】
注入条件を慎重に設定しないと、この残存シリコン層103の結晶性が損なわれてしまうので注意が必要である。
【0057】
ここでは、残存シリコン層103には酸素イオンの注入に従って生成された欠陥が存在している。また一部では結晶性も損なわれていると考えられる。(この点に関しては、酸素イオンの注入条件に依存する)
【0058】
こうして図1(A)に示す状態を得る。次にNi元素の導入を行う。ここでは、溶液を用いてニッケル元素の導入を行う。具体的には、所定の濃度にNi元素を含有した酢酸ニッケル塩溶液を塗布することにより、ニッケル元素が残存シリコン層103の表面に接して保持された状態を得る。こうして図1(B)に示すように、104で示されるNi含有層104を形成する。
【0059】
Ni元素の導入方法としては、上記の溶液を用いる方法以外にスパッタ法やプラズマCVD法、さらにニッケルを含有した電極を利用したプラズマ処理(電極に含有されたNiが雰囲気中に放出されることを利用する)、イオン注入法等々の手段を利用することができる。
【0060】
しかしこれらの方法は、溶液を用いる方法に比較して制御性や生産性に難点がある。特に大面積に対する均一な処理は溶液を用いる方法が最も優れている。
【0061】
上記の溶液を用いる方法で得られたNi含有層104から後の工程において、Ni元素が残存シリコン層103中に拡散して行く。
【0062】
上記残存シリコン層103中に拡散して行くニッケル元素の量、またニッケル元素が拡散した後にシリコン層中に残存するニッケル元素の濃度は、ニッケル酢酸塩溶液中に含まれるニッケル元素の濃度を調整することによって決めることができる。(この点が溶液を用いるこの最大の利点と言える)
【0063】
図1(B)に示すNi元素の導入を行ったら、非酸化性雰囲気での加熱処理を行う。ここでいう非酸化性雰囲気というのは、実質的に(または意図的に)酸素を含ませていない雰囲気ということである。
【0064】
ここでは窒素雰囲気(常圧)の中において、1150℃の加熱処理を2時間行う。この加熱処理を行うことによって、105で示される酸化珪素層が形成される。また同時に酸化珪素層105上のシリコン層が単結晶シリコン層106となる。
【0065】
この加熱処理は900℃〜1350℃程度で行う。一般には装置の負担を考慮して、900℃〜1200℃程度とすることが好ましい。
【0066】
本実施例においては、酸化珪素層105の膜厚を4000Å、単結晶シリコン層106の膜厚を2000Åとする。
【0067】
具体的には、図1(A)における酸素イオンの注入条件、図1(B)のNi元素の導入条件、図1(C)の加熱条件を適時選択(実験的に決める必要がある)することにより、各層の膜厚を上記ような値に設定する。
【0068】
本実施例で特徴とするのは、Niを利用している関係で、上記の加熱処理を1300℃というような高温で行う必要が必ずしも無いということである。換言すれば、Niを導入することで、1300℃あるいはそれ以上というような高温での加熱処理を越える効果が得られることが、ここで示す技術の特徴である。
【0069】
こうして図1(C)に示す状態を得る。即ち、酸化珪素層105が形成され、その上に単結晶シリコン層106が形成された状態を得る。即ち、この工程においては、酸化珪素層が形成されるとともに酸素イオンの注入により結晶性の損なわれた(一般にはそうなる)残存シリコン層103が単結晶化される。この状態においては、単結晶シリコン層106中にニッケル元素が比較的高濃度に含まれ、また酸化珪素層105の形成に従い発生する欠陥も無視できない濃度で存在している。
【0070】
図1(C)に示す状態を得たら、次に酸化雰囲気中において、再度の加熱処理を行う。この加熱処理は、雰囲気として、HClを3体積%含んだ酸素雰囲気(常圧)中において、1150℃の温度で行う。この工程において、107で示される熱酸化層(熱酸化膜)を1000Åの厚さに形成する。
【0071】
この工程の結果、図1(D)に示されるように、1500Å厚の単結晶シリコン層108を得ることができる。
【0072】
この工程において、Ni元素の作用により、酸化珪素層105の形成時に形成された欠陥が修復される。また、同時にNi元素は熱酸化層107中に塩素の作用によりゲッタリングされる。
【0073】
またこのゲッタリング効果の関係で、得られた単結晶シリコン層106はその表面に向かうに従って、Niの存在濃度が高くなる傾向がSIMS(2次イオン分析方法)を用いた観察から確認される。この傾向は、本明細書で開示するNiを利用した工程を利用したことの証拠となる。
【0074】
この工程におけるメカニズムは明らかでないが、本発明者らは以下のようなモデルを考えている。
【0075】
まず、図1(C)の工程において、埋め込み酸化層でなる酸化珪素層105が形成されるのと同時に単結晶結晶シリコン層106が形成される。この際、特に酸化珪素層105と単結晶シリコン層との界面近傍(主に単結晶シリコン層側近傍)において、欠陥が形成される。これは、主に格子間Si原子によるものと考えられる。
【0076】
またこの格子間Si原子による影響で単結晶シリコン層106の他の部分においても欠陥が形成される。
【0077】
そして図1(D)の工程における熱酸化層107の形成時に単結晶シリコン層106(この段階では108として形成されていないと考える)中にNi原子が拡散する。
【0078】
この際、単結晶シリコン層106中に拡散したNi元素の作用により、Si原子同士の結合が促進され、結晶性の改善が行われる。
【0079】
また、単結晶シリコン層106中に拡散したNi元素がO(酸素)元素及びSi元素と結合する。この際、上記格子間Si原子が利用される。この結果、格子間Si原子が減少する。
【0080】
また、熱酸化膜の形成に単結晶シリコン層106中のSi原子が利用されるので、このことによっても格子間Si原子が減少する。
【0081】
こうして、単結晶シリコン層106中において珪素原子同士の結合が促進され、また格子間原子の存在に起因する欠陥が修復される。そして単結晶シリコン層108が得られる。
【0082】
また、この工程(熱酸化層107)の形成工程においては、塩素の作用により、Ni元素が熱酸化層107中にゲッタリングされる。即ち、結晶性の向上、欠陥の減少に寄与したNi元素は、それらの作用を果たすとともに熱酸化層107中にゲッタリングされる。
【0083】
このようにして、欠陥密度が低減された単結晶シリコン層108を得る。この状態(図1(D)の状態)においては、熱酸化層107中にゲッタリングされたNi元素が高濃度に含まれている。
【0084】
そこで、図1(E)に示すように、熱酸化層107を除去する。こうして、Ni元素の影響も無く、また欠陥密度も低い高品質な単結晶シリコン層108を得る。
【0085】
後は公知の方法により、この単結晶シリコン層108を利用して所望のデバイスを形成する。
【0086】
また各層の厚さの設定は各工程の条件の組み合わせによって、適時決めることができる。即ち、ここで示した条件に限定されることなく、必要とする層の厚さを各条件を変更することによって設定することができる。
【0087】
〔実施例2〕
本実施例の作製工程を図2に示す。特に詳述しない条件等は実施例1(図1参照)に準ずるものとする。また図1と同じ符号も実施例1の記載に準ずる。
【0088】
まず図2(A)に示すように単結晶シリコン基板101中に酸素イオンを注入することにより、酸素イオン注入層102を形成する。この工程で103で示される2000Å厚の残存シリコン層103が形成される。
【0089】
次に非酸化性雰囲気(ここでは窒素雰囲気)中で1150℃の加熱処理を行い、酸素イオン注入層102を4000Å厚の酸化珪素層105に変成する。またこの加熱処理工程において、単結晶結晶シリコン層106を形成する。こうして図2(B)に示す状態を得る。
【0090】
この状態で一応、酸化珪素層105上に単結晶シリコン層106が形成された状態を得る。この状態は、従来から公知のSIMOX構造と呼ばれる状態に対応する。この状態においては、単結晶シリコン層106中には無視できない濃度の欠陥が含まれている。
【0091】
次に、本明細書で開示する発明が特徴とするNi元素の導入を行う。ここでは、所定の濃度に調整したニッケル酢酸塩溶液を塗布することにより、104で示されるNi含有層を形成する。こうして図2(C)に示す状態を得る。
【0092】
次に熱酸化層107の形成を行う。ここでは、HClを3%含んだ酸素雰囲気中において1150℃の加熱を行うことにより、熱酸化層107を1000Åの厚さに形成する。この工程で単結晶シリコン層106はより高品質な単結晶シリコン層108に変成される。
【0093】
この工程において得られる単結晶シリコン層108は、熱酸化膜の形成とニッケル元素の作用により、内部の欠陥を減少させたものとして得られる。また塩素(熱酸化層の形成雰囲気中に含まれる)の作用により、ニッケル元素が熱酸化層107中にゲッタリングされる。こうして図2(D)に示す状態を得る。
【0094】
次に熱酸化層107を除去することにより、図2(E)に示す状態を得る。
【0095】
〔実施例3〕
本実施例の作製工程を図3に示す。特に断らない条件やパラメータは実施例1の場合と同じである。
【0096】
まず図3(A)に示すように、単結晶シリコン基板101上にニッケル酢酸塩溶液を塗布し、Ni元素を含有した層104を形成する。
【0097】
次に単結晶シリコン基板101に対して、酸素イオンの注入を行い酸素イオン注入層105を形成する。この工程で単結晶シリコン基板101の表面に残存シリコン層103が形成される。こうして図3(B)に示す状態を得る。
【0098】
次に酸化性雰囲気(HClを3%含んだ酸素雰囲気)中での加熱処理を行うことにより、熱酸化層107の形成を行う。この工程において、単結晶シリコン層108が得られる。こうして図3(C)に示す状態を得る。
【0099】
次に熱酸化層107を除去することにより、図3(D)に示す状態を得る。
【0100】
〔実施例4〕
本実施例の作製工程を図4に示す。特に断らない条件やパラメータは実施例1の場合と同じである。
【0101】
まず図4(A)に示すように、酸素イオンの注入を行うことにより、単結晶シリコン基板101中に酸素イオン注入層102を形成する。この状態で残存シリコン層103が形成される。
【0102】
次に図4(B)に示されるように、ニッケル酢酸塩溶液を塗布し、Ni元素を含有した層104を形成する。
【0103】
次に酸化性雰囲気(HClを3%含んだ酸素雰囲気)中での加熱処理を行うことにより、熱酸化層107を形成する。この工程で単結晶シリコン層108が形成される。こうして図4(C)に示す状態を得る。
【0104】
次に熱酸化層107を除去することにより、図4(D)に示す状態を得る。
【0105】
〔実施例5〕
本実施例では、本明細書で開示する発明を利用してIC回路を構成するNチャネル型のトランジスタを作製する工程を示す。
【0106】
図5に本実施例の作製工程を示す。図5(D)に示すが本実施例で示すトランジスタ(絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ)の断面図である。図5(E)に示すのが、(D)に示す薄膜トランジスタの上面図である。図5(E)のB−B’で切った断面が図5(D)に対応する。
【0107】
以下に図5(D)及び(E)に示すトランジスタの作製工程を説明する。まず実施例1乃至実施例4に示す方法を用いて、図5(A)に示すような単結晶シリコン層108を得る。図において、105は酸素イオンの注入、さらにその後のアニールにより形成された酸化珪素層である。
【0108】
次に熱酸化層(熱酸化膜)501を100Åの厚さに形成する。この熱酸化層501の形成手段としては通常の方法を用いればよい。
【0109】
次に窒化珪素膜でもって502で示されるマスクパターンを形成する。こうして図5(A)に示す状態を得る。
【0110】
次に再度の熱酸化を行うことにより、503で示されるフィールド酸化層(2次元方向における素子分離用の選択酸化層)を形成する。この工程は、一般にLOCOS(local oxidation of silicon)プロセスとして知られているものと基本的に同じである。
【0111】
ただし、素子分離を行わんとする領域において、単結晶シリコン層108を残存させないようにフィールド酸化層503を形成する点に注意する必要がある。即ち、単結晶シリコン層108はフィールド酸化層503によって完全に分離、孤立化される。この点は、従来のIC技術におけるLOCOS(local oxidation of silicon)プロセスと異なる点である。
【0112】
こうして図5(B)に示すように酸化珪素で回りが覆われた単結晶シリコン層504を得る。即ち、この状態では酸化珪素によって周囲から完全に絶縁された(孤立化された)単結晶シリコン層504が得られる。
【0113】
ここで重要なのは、単結晶シリコン層504が単結晶シリコン基板101から完全に絶縁され、従来のICにおいて問題であった基板を介しての容量結合の問題を大きく低減できる点である。後にこの単結晶シリコン層504でもってトランジスタの活性層を構成する。
【0114】
次に窒化珪素膜でなるマスク502を除去する。そして熱酸化層501を除去し、再度の熱酸化を行うことにより、ゲイト絶縁膜となる熱酸化膜51を形成する。
【0115】
さらに、適当な金属または金属シリサイドまたはN型のヘビードーピングが行われたシリコンによりゲイト電極500を形成する。
【0116】
この状態でP(リン)イオンの注入を行うことにより、自己整合的にソース領域505とドレイン領域507とを形成する。またこの工程で自己整合的にチャネル領域506が画定する。
【0117】
Pイオンの注入が終了したら、900℃の加熱処理を行うことにより、ソース領域505及びドレイン領域507の活性化を行う。こうして図5(C)に示す状態を得る。
【0118】
図5(C)に示す状態を得たら、層間絶縁膜として酸化珪素膜508をプラズマCVD法でもって成膜する。さらにコンタクトホールの形成を行い、適当な金属材料でもって、ソース電極509とドレイン電極510を形成する。
【0119】
こうして絶縁層(酸化珪素層)上に形成された単結晶シリコン層504を活性として利用したトランジスタが形成される。
【0120】
このような構造を有するトランジスタは、基板との間の容量を小さくすることができるので高速動作が可能であるという特徴を有している。また基板を介しての隣合う素子や配線との容量結合の影響を低減できるという特徴も有している。
【0121】
本実施例では、Nチャネル型のトランジスタの作製工程を示したが、導電型を付与する不純物を変更すれば、同様な工程によりPチャネル型のトランジスタを得ることができる。
【0122】
〔実施例6〕
本実施例は、ホットキャリア効果による劣化の抑制に効果のある低濃度不純物領域を配置したトランジスタの作製工程に関する。この低濃度不純物領域は、ソース/ドレイン間、特にチャネル/ドレイン間の耐圧を高めるために不純物を段階的に分布させ、チャネル/ドレイン間における電界強度を緩和させる機能を有している。
【0123】
図6に本実施例の作製工程を示す。まず、図6(A)に示すように、実施例1乃至実施例4に示す作製工程に従って、単結晶シリコン基板101上に酸化珪素層105を介して、単結晶シリコン層108を形成する。
【0124】
そして、熱酸化膜501を形成し、さらに窒化珪素膜502でなるマスクパターンを形成する。こうして図6(A)に示す状態を得る。
【0125】
次に再度熱酸化を行うことにより、503で示されるフィールド酸化層を形成する。この工程で酸化珪素層で上面、下面、周辺が囲まれ、電気的及び物理的にも孤立した単結晶シリコン層504を得る。この単結晶シリコン層504はトランジスタの活性層となる。こうして図6(B)に示す状態を得る。
【0126】
次に熱酸化層501を除去し、再度の熱酸化を行うことにより、ゲイト絶縁膜として機能する熱酸化層51を形成する。
【0127】
さらに、適当な金属材料やシリサイド材料により、ゲイト電極500を形成する。この技術は通常のICで利用されている技術を利用すればよい。
【0128】
ゲイト電極500を形成したら、Pイオンの注入を行う。この工程においては、低濃度不純物領域を形成するための工程であるから、一般のソース/ドレイン領域を形成するための条件よりも低ソーズ量でPイオンを注入する。イオンの注入方法は、イオン注入法を用いればよい。
【0129】
次に酸化珪素膜601をプラズマCVD法により成膜する。この酸化珪素膜601は低濃度不純物領域を形成するためのサイドウォールスペーサーの形成に利用される。この酸化珪素膜601はステップカバレージ(段差被覆性)に優れた成膜手段を用いることが好ましい。
【0130】
酸化珪素膜601を成膜した段階で図6(C)に示すような状態を得る。この状態で垂直異方性を有するエッチング(RIE法による方法が好ましい)により、酸化珪素膜601を表面から垂直方向にエッチングする。こうすると、602で示されるようにゲイト電極500の側面に酸化珪素材料が残存する。この酸化珪素材料の残存部分は、サイドウォールスペーサーと称される。
【0131】
この状態で不純物イオンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型の絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを作製するためにP(リン)イオンの注入を行う。このPイオンの注入条件は、通常のソース及びドレイン領域を形成するための条件とする。
【0132】
従って、この工程におけるドーピングは、602の部分に形成されるサイドウォールスペーサー602の形成前に行ったライトドーピングに比較して、高いドーズ量でもって行われる。
【0133】
上記Pイオンの注入により、図6(D)に示される603の領域がソース領域、607の領域がドレイン領域として形成される。これらの領域は604や606の領域に比較して高濃度にP元素がドーピングされるので、高濃度不純物領域(N+ 型領域)と称される。他方、604や606の領域は低濃度不純物領域と称される。
【0134】
また、605の領域は、ゲイト電極500が存在する関係でPイオンが注入されず、チャネル領域として画定する。
【0135】
ソース領域603とドレイン607の領域を形成するための不純物イオンの注入工程の終了後、加熱処理を行うことにより、注入されたP元素の活性化とイオン注入時に生じた損傷のアニールとを行う。
【0136】
次に層間絶縁膜として酸化珪素膜508(窒化珪素膜でもよい)を成膜し、さらにコンタクトホールの形成を行い、ソース電極509とドレイン電極510とを形成する。
【0137】
図6(D)に示す構成において、606で示されるドレイン領域607側の低濃度不純物領域が一般にLDD(Lightly Doped Dorain)領域と称されている。
【0138】
〔実施例7〕
本実施例は、活性層の側面に形成される準位の密度を軽減した構成に関する。図5(B)に示すような工程により、素子分離のためのフィールド酸化層503を形成すると、図7(B)の702で示される部分に欠陥が形成され易い。即ち、活性層となるべき単結晶シリコン層パターンの側面に欠陥が形成され易い。
【0139】
この部分では、フィールド酸化層503の酸化進行最前部、酸化珪素層105の界面、所定のパターンとして残存する単結晶シリコン層504の界面のそれぞれが隣接する。従って、この部分(702で示される部分)では、酸化に従う格子間原子の発生やシリコン原子の結合異常といった状態が発生し易い。
【0140】
具体的には、SiOX (0<X<2)で示される不完全な結合状態を有した層が単結晶シリコン層とフィールド酸化層との界面に形成されてしまう。このSiOX (0<X<2)で示される不完全な結合状態を有した層の厚さは10〜20Å程度以下であると考えられる。
【0141】
この層中の欠陥の存在によって、ナローチャネル効果と呼ばれる好ましく無い現象生じる。この現象は、チャネル以外に活性層側面に存在する上記SiOX (0<X<2)層を経由して(当該層中の準位を経由して)キャリアが移動してしまう現象である。
【0142】
この現象は、トランジスタ特性の劣化、トランジスタ特性の不安定性、高周波特性の低下、といった問題の要因となる。
【0143】
本実施例では、上記の問題を解決する技術を提供するものである。図7に本実施例のトランジスタの作製工程の一部を示す。
【0144】
まず、実施例1乃至実施例4に記載した工程に従って、単結晶シリコン層108を得る。そして、熱酸化層501の形成、さらに窒化珪素膜502でなるマスクパターンを形成して、図7(A)に示す状態を得る。
【0145】
本実施例においては、この状態において、701で示されるニッケル元素を含有した層を形成する。ここでは、所定の濃度に調整されたニッケル酢酸塩溶液をスピンコート法を用いて塗布することにより、ニッケル元素を含有した層701を形成する。こうして図7(A)に示す状態を得る。
【0146】
なお、本実施例においては、図7(D)のA−A’で切った断面の作製工程を示す。なお、図7(D)は図5(E)に対応する。
【0147】
次に熱酸化法により、素子分離に利用されるフィールド酸化層503の形成を行う。(図7(B))
【0148】
この際、ニッケル元素の作用により、702で示される部分において酸素と珪素との結合が促進される。即ち、SiOX (0<X<2)で示されるような電気的に不安定な層を消滅またはその存在を無力化することができる。こうして図7(B)に示す状態を得る。
【0149】
次に窒化珪素膜502を除去し、さらに熱酸化層501を除去する。そして、ゲイト絶縁膜として機能する熱酸化層51を形成する。さらにゲイト電極500を形成する。こうして図7(C)に示す状態を得る。
【0150】
ここでは、図7(D)のA−A’で切った断面を示しているので、図7(C)に示す状態においては、ソース領域505及びドレイン領域507は示されていない。
【0151】
図7(C)で示される断面は、図5(C)で示される断面に対応する。両者の違いは、図7(D)のA−A’で切った断面なのか、B−B’で切った断面なのかに起因する。
【0152】
図7(C)に示す状態を得たら、図5(D)以下の工程に従って、トランジスタの作製を行う。
【0153】
本実施例に示す構成を採用した場合、活性層の側面における欠陥の形成を抑制することができる。そしてトランジスタ特性の劣化、トランジスタ特性の不安定性、OFF電流値の増大、高周波特性の低下、といった問題の発生を抑制することができる。
【0154】
本実施例に示す構成を実施する場合の加熱温度と加熱タイミングの関係の他の一例を図15に示す。
【0155】
図15に示す場合は、Aの部分でニッケルの拡散を行わせ、Bの部分で熱酸化を行わせる。
【0156】
〔実施例8〕
本実施例は、バイポーラトランジスタを作製する場合の例を示す。図8以下に本実施例の作製工程を示す。まず、実施例1乃至実施例4に示す作製工程を利用して、N+ 型を有する単結晶シリコン層を酸化珪素層801上に形成する。図示されてはいないが、酸化珪素層下には単結晶シリコン基板が存在している。こうして図8(A)に示す状態を得る。
【0157】
本実施例においては、実際例1乃至実施例4に示した作製工程を利用してN+ 型を有する単結晶シリコン層を形成し、それを利用する。
【0158】
この場合、必要とする導電型及び導電型の程度とするためにPまたはAsを出発材料である単結晶シリコン基板中に含有させる。または最初からN+ 型を有する単結晶シリコン基板を利用する。
【0159】
なお、選択的に単結晶シリコン基板中にN+ 型層を形成すれば、実施例5に示すような構成と組み合わせことも可能となる。即ち、絶縁ゲイト型の電界効果トランジスタを同一基板中に作り込むことができる。
【0160】
次に公知のエピタキシャル成長法を利用して、N型単結晶シリコン層803を成長させる。このN型単結晶シリコン層803を活性層として利用してバイポーラトランジスタが形成される。こうして図8(B)に示す状態を得る。
【0161】
次に熱酸化層804を形成し、素子分離のためのフィールド酸化層(選択的な熱酸化により形成される)を形成するためのマスクパターン805を窒化珪素膜でもって形成する。こうして図8(C)に示す状態を得る。
【0162】
次に熱酸化を行うことにより、図9(A)に示すように、フィールド酸化層806を形成する。この工程の結果、N+ 型単結晶シリコン層807とN型単結晶シリコン層808とでなる積層パターンが酸化珪素膜中に孤立した状態が得られる。
【0163】
図9(A)に示す状態を得たら、窒化珪素膜パターン805を除去する。そして、選択的な不純物の拡散を行うことにより、図9(B)に示すようなNPN型のバイポーラトランジスタを形成する。
【0164】
図9において、812がN+ 型を有するエミッタ領域であり、809がN+ 型を有するコレクタ領域であり、811がP型を有するベース領域である。810はコレクタへ移動するキャリアの伝導するN型領域である。807は埋没層と呼ばれるN+ 型領域であり、コレクタへ移動するキャリアをより伝導し易くするための領域である。
【0165】
ここでは、バイポーラトランジスタ単体を形成する例を示したが、同じ基板中に絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを形成することも可能である。また各種抵抗やコンデンサを形成することも可能である。
【0166】
〔実施例9〕
本実施例は、実施例8に示す工程と同時に抵抗とコンデンサを形成する例である。図10(A)に抵抗の構造例を示す。また図10(B)にコンデンサの構造例を示す。
【0167】
図10(A)に示す抵抗は、P型拡散層1003を抵抗体として利用したものである。即ち、電極1004と1005との間における抵抗体としてP型拡散層を利用した構造を有している。
【0168】
図10(A)に示す構造においては、N+ 型層1001やエピタキシャル成長により形成されたN型層1002は特に機能しない。
【0169】
図10(B)に示すコンデンサは、熱酸化膜1012を誘電体として利用したMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)構造を有している。即ち、金属(Metal)でなる電極1011とN+ 型半導体層1009とで熱酸化膜1012を挟んだ構造とすることにより、コンデンサを形成している。
【0170】
この構造においても、P型半導体層1008、N型半導体層1007、N+ 型半導体層1008は特に機能していない。
【0171】
他の実施例と本実施例に示す構成を組み合わすことにより、同一単結晶シリコン基板中(基板表面)に必要とする機能を有する集積回路を形成することができる。
【0172】
この集積回路は、各素子(能動素子及び受動素子)が絶縁物(酸化珪素)でもって完全に分離(電気的及び物理的に)されているので、高分離耐圧を有し、かつ相互干渉の極めて少ない構成とすることができる。特に基板を介しての容量結合を著しく低くできる。
【0173】
このことは、集積回路そのもの、及び集積回路を利用した装置の信頼性を極めて高くする。またこのような構成は、高周波特性に優れたものとなるので、画像信号を取り扱う回路等には極めて有用なものとなる。
【0174】
また、実施例1乃至実施例4、及び/または図7に示す実施例7の構成を利用した場合、素子の活性層を構成する単結晶シリコン層中及び/またはその周辺界面近傍における欠陥密度を低いものとすることができ、このことも素子の高速動作や信頼性に大きな寄与をする。
【0175】
〔実施例10〕
本実施例では、IC回路を構成する基本的な回路構成であるCMOS回路を作製する場合の例を示す。図11に本実施例の作製工程を示す。
【0176】
まず、単結晶シリコン基板101上に酸化珪素層105とその上の単結晶シリコン層108を形成する。この工程は他の実施例の作製工程に従う行う。こうして図11(A)に示す状態を得る。
【0177】
次に熱酸化膜形成する。さらに、Nチャネル型のトランジスタ(絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ)とPチャネル型のトランジスタ(絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ)とを作製する領域を窒化珪素膜1102、1103でもってマスクする。こうして図11(B)に示す状態を得る。
【0178】
次に熱酸化法により、フィールド酸化層1104を形成することにより、孤立した単結晶シリコン層1105と1106とを得る。
【0179】
ここで、1105はNチャネル型のトランジスタを構成する活性層である。また、1106がPチャネル型のトランジスタを構成する活性層である。
【0180】
こうして図11(C)に示す状態を得る。次に窒化珪素膜でなるパターン1102と1103とを除去し、さらに熱酸化膜1101を除去する。
【0181】
そして再度熱酸化膜1107と1108を形成する。これらの熱酸化膜は、それぞれ、N及びPチャネル型のトランジスタのゲイト電極として機能する。
【0182】
次にゲイト電極1109と1110を形成する。そしてそれぞれのトランジスタ部をレジストでマスクして選択的に導電型を付与するための不純物イオンの注入を行う。
【0183】
この結果、Nチャネル型の薄膜トランジスタのソース領域1111、チャネル領域1112、ドレイン領域1114、さらにはPチャネル型の薄膜トランジスタのソース領域1116、チャネル領域1115、ドレイン領域1113が自己整合的に形成される。
【0184】
導電型を付与する不純物のドーピングが終了したら、加熱処理を行いアニールを行う。こうして図11(D)に示す状態を得る。
【0185】
次に層間絶縁膜1117を形成し、コンタクトホールの形成う。そしてNチャネル型のトランジスタのソース電極1118、共通のドレイン電極1119、Pチャネル型のトランジスタのソース電極1120を形成する。こうしてCMOS回路が完成する。
【0186】
〔実施例11〕
本実施例は、本明細書に開示する発明を利用して作製された半導体素子を用いた電子機器について説明する。
【0187】
図12に示すのは、携帯型のパーソナルコンピュターまたはワードプロセッサーと呼ばれる電子機器である。
【0188】
図において、3001は本体であり、3002は液晶ディスプレイ3004を備えた開閉可能な蓋(カバー)である。3003はキーボード及び操作パネルである。
【0189】
このような電子機器においては、各種集積回路(ICチップ)3005が内蔵されている。3011で示されるのは、3005で示されるようなICチップの一つである。
【0190】
ICチップには必要とする機能を有するものがある。ここでは、3011で示されるICチップを液晶ディスプレイ3004に表示される画像の信号(画像信号やビデオ信号と呼ばれる)を扱うためのものとする。
【0191】
図12に示すような電子機器(単なるコンピューターではなく、携帯情報端末とも称される)は、通信回線(例えば電話回線)に接続して、画像情報を含む各種情報を取り扱うことが要求されている。
【0192】
しかし画像情報を取扱うには、回路に高速動作が要求される。また、回路以外に配線等による信号の遅延も大きな問題となる。このような問題を解決する手段としては、1チップ内に必要とする処理回路を集積化し、配線の延在による遅延の影響を極力抑える構成が採用される。
【0193】
図12にはそのような構成を有するICチップ3011が示されている。即ち、ICチップ3011は、単結晶基板3016上に本明細書で開示する発明を利用することによって得た単結晶シリコン層を備え、この単結晶シリコン層でもって必要とする素子が集積化された構成を有している。
【0194】
3013で示されるのはボンディング部であり、ICチップのリード3012に接続されている。
【0195】
図12に示すICチップは、画像情報を取り扱うメモリー回路3015と演算回路3014を備えている。
【0196】
本明細書で開示する発明を利用した場合、高速動作が可能が回路を構成できるので、画像情報を取り扱う必要があるICチップを構成することは有用なこととなる。
【0197】
〔実施例12〕
本実施例は、携帯型であって、ビデオ撮影を行うことができる機能を有する電子機器(一般にビデオカメラと称される)に図12の3011で示されるようなICチップを利用する例を示す。
【0198】
一般に画像を取り扱う携帯電子機器にあっては、画像をデジタル処理する機能が要求される。
【0199】
例えば、手ぶれ防止機能であるとか、色彩補正であるとか、ズーム機能等にデジタル技術が利用される。このような機能を実現するために必要とされる回路に本明細書で開示する発明を利用して得られた素子を利用することは有用である。
【0200】
〔実施例13〕
本実施例では、Ni元素以外の金属元素を利用する場合の例について示す。本明細書で開示する発明においては、Niを利用することが最も効果的であり、かつまたそのプロセスの再現性等も優れている。しかし、原理的には他の元素利用することもできる。ここでは、Cu(銅)を利用する場合の例を示す。
【0201】
Cuを利用する場合には、酢酸第2銅(Cu(CH3COO)2)溶液を利用して、Niと同様な方法により、利用することができる。しかし、酢酸第2銅は劇薬であるので、取扱に注意が必要である。
【0202】
〔実施例14〕
本実施例は、従来から公知のICプロセスに本明細書に開示する発明を利用した場合の例である。
【0203】
図13に本実施例のCMOS作製プロセスを示す。本実施例では、SIMOXプロセスではなく、従来から公知のICプロセスを基本とした例を示す。
【0204】
まず図13(A)に示すように、単結晶シリコン基板1301を容易する。そしてその表面に熱酸化膜1302を形成する。さらに選択的にフィールド酸化層を形成するための窒化珪素膜パターン1303と1304とを形成する。
【0205】
窒化珪素膜パターン1303と1304とを形成したら、ニッケル酢酸塩溶液を塗布し、ニッケル元素を含んだ層1305を形成する。即ち、窒化珪素膜1303と1304とが形成された領域以外においては、ニッケル元素が単結晶シリコン基板1301の表面に接して保持された状態を得る。こうして図13(B)に示す状態を得る。
【0206】
熱酸化を行うことにより、1308で示されるフィールド酸化層を形成する。このフィールド酸化層1308によって各素子領域が他部より分離される。こうして図13(C)に示す状態を得る。
【0207】
この際、1309で示される単結晶シリコン基板1301中の単結晶領域とフィールド酸化層1308との界面近傍において、SiOx (0<X<2)で示されるような不完全な接合状態に起因する欠陥の修復が酸素とニッケルの作用により行われる。
【0208】
次にゲイト電極1310と1311を形成する。そして、図示しないレジストマスクを用いて、まず1312と1313の領域にPイオンの注入を行う。さらに別のレジストマスクを利用して1314と1315の領域にBイオンの注入を行う。
【0209】
不純物イオンの注入後、加熱処理を行うことにより、不純物イオンの注入された領域の活性化を行う。
【0210】
こうして、図13(D)に示すように、図面左側に形成されるNチャネル型の薄膜トランジスタのソース領域1312とドレイン領域1313、さらに図面右側に形成されるPチャネル型の薄膜トランジスタのソース領域1314とドレイン領域1315が自己整合的に形成される。
【0211】
次に層間絶縁膜1316を成膜する。そしてコンタクトホールの形成を行い、ソース電極1317と1319、共通のドレイン電極1318を形成する。こうしてCMOS構造を得る。
【0212】
本実施例に示す構成を採用した場合、フィールド酸化層の形成に際して形成されてしまう欠陥の影響を抑制することができる。この技術は、集積度や高速動作がさらに要求されているIC回路において有効なものとなる。
【0213】
【発明の効果】
本明細書で開示する発明を利用することにより、SIMOX技術を利用して、単結晶シリコン層を形成する技術において、欠陥密度の低い単結晶シリコン層を得ることができる。
【0214】
そして、高速動作が可能で高い信頼性を有した半導体素子、及びそのような半導体素子を利用した各種装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単結晶シリコン基板を利用した酸化珪素層上に単結晶シリコン層を作製する工程を示す図。
【図2】 単結晶シリコン基板を利用した酸化珪素層上に単結晶シリコン層を作製する工程を示す図。
【図3】 単結晶シリコン基板を利用した酸化珪素層上に単結晶シリコン層を作製する工程を示す図。
【図4】 単結晶シリコン基板を利用した酸化珪素層上に単結晶シリコン層を作製する工程を示す図。
【図5】 単結晶シリコン層を用いて絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを作製する工程を示す図。
【図6】 単結晶シリコン層を用いて低濃度不純物領域を配置した絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを作製する工程を示す図。
【図7】 単結晶シリコン層を用いて絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを作製する工程を示す図。
【図8】 単結晶シリコン層を用いてバイポーラトランジスタを作製する工程を示す図。
【図9】 単結晶シリコン層を用いてバイポーラトランジスタを作製する工程を示す図。
【図10】単結晶シリコン層を用いて作製された抵抗およびコンデンサを示す図。
【図11】CMOSデバイスの作製工程を示す図。
【図12】発明を利用した電子装置の概略を示す図。
【図13】CMOSデバイスの作製工程を示す図。
【図14】酸化珪素層と単結晶シリコン層の界面状態を示す模式図。
【図15】加熱状態を示す図。
【符号の説明】
101 単結晶シリコン基板
102 酸素イオン注入層
103 残存シリコン層
104 Ni含有層
105 酸化珪素層
106 単結晶シリコン層
107 熱酸化層
108 単結晶シリコン層
501 熱酸化層
502 窒化珪素膜
503 フィールド酸化層
504 単結晶シリコンでなる活性層
500 ゲイト電極
505 ソース領域
506 チャネル領域
507 ドレイン領域
508 層間絶縁膜(酸化珪素膜)
509 ソース電極
510 ドレイン電極
601 サイドウォールスペーサー形成用の酸化珪素膜
602 サイドウォールの形成位置
603 ソース領域
604 低濃度不純物領域
605 チャネル領域
606 低濃度不純物領域
607 ドレイン領域

Claims (10)

  1. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    Ni元素を前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成し、
    前記酸化珪素層が形成された結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成し、
    Ni元素を前記酸化珪素層が形成された結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    前記酸化珪素層が形成された結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. Ni元素を結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    前記結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    Ni元素を前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    珪素の結晶化を助長する金属元素を前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成し、
    前記酸化珪素層が形成された結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成し、
    珪素の結晶化を助長する金属元素を前記酸化珪素層が形成された結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    前記酸化珪素が形成された結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 珪素の結晶化を助長する金属元素を結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    前記結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 結晶シリコン基板中に酸素をドーピングし、
    珪素の結晶化を助長する金属元素を前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に接して保持させた後、
    加熱処理により前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板中に酸化珪素層を形成すると同時に前記酸素がドーピングされた結晶シリコン基板表面に熱酸化層を形成し、
    前記熱酸化層を除去することによって、
    前記酸化珪素層上に単結晶シリコン層を得ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項5乃至請求項8のいずれか一において、
    珪素の結晶化を助長する金属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、又はAuを用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項3、4、7又は8において、
    前記熱酸化層が形成される際に前記単結晶シリコン層は形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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