JP4104209B2 - ヒドロトロピー剤およびこれを含有する増粘漂白洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規ヒドロトロピー剤およびそれを含有する増粘漂白洗浄剤に関し、更に詳細には、次亜塩素酸塩に安定な新規ヒドロトロピー剤、およびそれを含有する発泡性や付着性に優れた増粘漂白洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩は、その優れた酸化漂白力を生かし、カビとり洗浄剤、台所用漂白洗浄剤、トイレ洗浄剤、排水管洗浄剤、洗濯槽洗浄剤等の漂白洗浄剤に用いられている。これらの多くは、液状のまま、または泡状にスプレーしてタイル面等の漂白洗浄に使用される。このため、タイル面への付着性を高めたり、洗浄力を向上する等の目的で、通常各種の界面活性剤が配合されている(例えば、特開昭60−186600号公報、特公昭63−33800号公報)。また、漂白洗浄剤の発泡性や付着性を高めたり、粘弾性特性を改良するために、界面活性剤に加えて、トルエンスルホン酸ナトリウムやキシレンスルホン酸ナトリウム等のヒドロトロピー剤を配合することも行われている(例えば、特開昭63−72798号公報、特開昭64−36699号公報)。
しかし、これまでの増粘漂白洗浄剤のタイル面等への付着性は、必ずしも満足すべきものとはいえなかった。
【0003】
一方、浴槽や、浴室内の床、壁等や、洗面所の洗面台、壁等に発生する黒い汚れは、主にカビによるものであることは広く知られている。従来より、これらの汚れを落とすためにカビ取り剤が使用されているが、これらの使用によって一時的にきれいにはなるが、またすぐにカビが発生し、汚れてしまうという問題があった。この原因は、従来のカビ取り剤がカビを漂白除去することのみを目的にしているため、発生したカビの除去には有効であるが、漂白によっては他の汚れ、例えばカルシウム石鹸を主成分とする石鹸カス等が除去されず、これがカビの再発生の要因となっているためと考えられている。
【0004】
なお、水溶液中の遊離カルシウムまたはマグネシウムイオンの濃度を減じるために、次亜塩素酸塩、界面活性剤、ヒドロトロピー剤からなる洗浄剤に、リン酸塩、ピロリン酸塩等のビルダーを加える方法が知られている(特開平1−319600号公報)。しかし、タイル面等に付着したカルシウム石鹸等の洗浄のために、次亜塩素酸塩にオルソリン酸塩や縮合ピロリン酸塩等の無機リン酸塩を配合することは、界面活性剤との相溶性や次亜塩素酸塩の安定性に悪影響を与える等の問題があるため、好ましくないとされ、代わりに高価なホスホン酸塩の利用が提案されている(特開昭62−57494号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、増粘漂白洗浄剤のタイル面等への付着性を改善するとともに、タイル面等に付着した石鹸カスを除去する、より安価で有効な方法が求められていた。
また、次亜塩素酸塩を含有する漂白洗浄剤は、酸性洗浄剤と混ざったときに有毒な塩素ガスを発生するという重大な問題があり、その解決が強く求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは先に、共鳴効果による電子供与基を置換基として有する芳香族化合物が、ハロゲン系洗浄剤と酸性洗浄剤が混ざったときのハロゲンガスの発生を抑制する効果を有することを見出し、特許出願を行った(特開平5−111546号公報)。さらに、これらの化合物のうち、共鳴効果による電子供与基として炭素数1ないし4のアルコキシル基を有し、同時にスルホン酸塩を置換基として有する芳香族スルホン酸化合物が、酸性物質に対すると同様に、ハロゲン系酸化剤に対しても特に安定であり、次亜塩素酸塩に配合して使用できることを見出し、特許出願をしている(特願平8−352528号)。
【0007】
本発明者らは、引き続きこれらの芳香族スルホン酸化合物について研究を進めた結果、これらの化合物がヒドロトロピー剤として優れた性能を持つこと、および、次亜塩素酸塩、アルカリ剤および界面活性剤を含む増粘漂白洗浄剤に、これらのヒドロトロピー剤を加えることによって、発泡性および付着性が著しく改良されることを見いだした。しかも、上記ヒドロトロピー剤の存在下では、縮合リン酸塩を安定的に漂白洗浄剤中に配合でき、カルシウム石鹸等の分解・洗浄成分として利用できることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
【0008】
すなわち本発明は、次の式(I)
(R1−O)n−R2−(SO3M)m(I)
(式中、R1は炭素数1ないし4のアルキル基を、R2は炭素数1ないし4のアルキル基で置換されていてもよいベンゼン環またはナフタリン環を、Mは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を、nおよびmは1または2の数を意味する)
で表される芳香族スルホン酸化合物を有効成分として含有するヒドロトロピー剤を提供するものである。
【0009】
また本発明は、上記式(I)で表されるヒドロトロピー剤と、次の成分(A)〜(C):
(A)次亜塩素酸塩、
(B)アルカリ剤および
(C)界面活性剤
を含有する増粘漂白洗浄剤を提供するものである。
【0010】
更に本発明は、上記式(I)で表されるヒドロトロピー剤と、次の成分(A)〜(D):
(A)次亜塩素酸塩、
(B)アルカリ剤、
(C)界面活性剤および
(D)縮合リン酸塩
を含有する増粘漂白洗浄剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のヒドロトロピー剤の有効成分である式(I)の芳香族スルホン酸化合物の具体例としては、メトキシベンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンジスルホン酸、ジメトキシベンゼンスルホン酸、ジメトキシベンゼンジスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンジスルホン酸、ジエトキシベンゼンスルホン酸、ジエトキシベンゼンジスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンジスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンジスルホン酸、メチルメトキシベンゼンスルホン酸、メチルメトキシベンゼンジスルホン酸、メトキシナフタリンスルホン酸、メトキシナフタリンジスルホン酸、ジメトキシナフタリンスルホン酸、ジメトキシナフタリンジスルホン酸、メチルメトキシナフタリンスルホン酸、メチルメトキシナフタリンジスルホン酸、エトキシナフタリンスルホン酸、エトキシナフタリンジスルホン酸およびこれらのナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム塩等が挙げられる。
なお、これらの化合物のアルコキシル基をアルキル基に置き換えた化合物、例えばメチルベンゼンスルホン酸塩、ジメチルベンゼンスルホン酸塩等は、ヒドロトロピー剤としてすでに用いられているが、本発明の化合物は、これら公知の化合物に比べて、より優れたヒドロトロピー性能をもっている。
【0012】
式(I)の芳香族スルホン酸化合物の製造は、一般に、対応する芳香族化合物を、硫酸などのスルホン化剤でスルホン化し、必要に応じて水酸化ナトリウムなどで中和することによって行われる。なお、このとき、モノスルホン酸としては、主としてパラ体が生じ、一部オルト体が生じるが、本発明においてはいずれか一方の置換体であっても、両者の混合物であってもよい。また、モノスルホン酸化合物とジスルホン酸化合物の混合物であってもよい。
【0013】
本発明のヒドロトロピー剤は、式(I)の芳香族スルホン酸化合物をそのまま使用してもよく、あるいは、例えば水溶液に調製して使用することもできる。
【0014】
斯くして得られる本発明のヒドロトロピー剤は、例えば漂白洗浄剤、食器用洗浄剤等に添加することができる。これらの中でも特に、漂白洗浄剤に添加することにより、タイル面等への発泡性、付着性に優れた増粘漂白洗浄剤が得られる。
もちろん、本発明のヒドロトロピー剤の有効成分である芳香族スルホン酸化合物は塩素捕捉能をもっているから、これを配合した増粘漂白洗浄剤は、酸性洗浄剤と混ざったときの塩素の発生が抑えられた安全な洗浄剤になる。
【0015】
本発明のヒドロトロピー剤を増粘漂白洗浄剤の成分として用いるときには、ハロゲン捕捉剤としても十分その能力を発揮することが望ましい。その場合は、事故等で発生する塩素ガスとモル対応で作用するので、経済的な意味から、より分子量の小さいものが望ましい。また、耐酸化安定性の点から、アルキル基を構成する炭素原子は、第一級がもっとも好ましく、次いで第二級、第三級の順である。さらに、アルカリ性の水系で用いられるので、水溶性を有する中性塩であることが望ましい。
したがって、上記の芳香族スルホン酸化合物の中で、特に好ましいものは、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびメトキシベンゼンスルホン酸カリウムである。
【0016】
本発明の増粘漂白洗浄剤において、漂白のための主成分である成分(A)の次亜塩素酸塩としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム塩、次亜塩素酸カリウム塩などの次亜塩素酸アルカリ金属塩が用いられる。
【0017】
本発明の増粘漂白洗浄剤における成分(B)のアルカリ剤は、次亜塩素酸塩を安定に保つために、増粘漂白洗浄剤のpHを9以上、好ましくは11以上にする目的で加えられるものである。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化合物等が例示できる。
【0018】
成分(C)の界面活性剤は、増粘漂白洗浄剤の洗浄力を高めるとともに、発泡性や付着性を向上させるものであり、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤の広い範囲のものが用いられる。
次亜塩素酸塩水溶液中における安定性の面から、陰イオン界面活性剤としては、例えば飽和脂肪酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルコール硫酸エステル塩等が、非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、トリアルキルアミンオキサイド等が、陽イオン界面活性剤としては、例えばテトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が、両性界面活性剤としては、例えばカルボキシベタイン型、スルホベタイン型等が好ましい。
【0019】
上記界面活性剤は、二種以上を混合して用いることもでき、使用目的に応じて、適当な組み合わせを用いることが望ましい。例えば、本発明の増粘漂白洗浄剤をトリガースプレーで使用する場合には、飽和脂肪酸塩(ラウリン酸カリウムなど)、アルカンスルホン酸塩(ドデカンスルホン酸ナトリウムなど)等の陰イオン界面活性剤とトリアルキルアミンオキサイド(ドデシルジメチルアミンオキサイドなど)等の含窒素型非イオン界面活性剤の組み合わせ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど)等のエーテル型非イオン界面活性剤とトリアルキルアミンオキサイド(ドデシルジメチルアミンオキサイドなど)等の含窒素型非イオン界面活性剤の組み合わせ等により、優れた発泡性や付着性を得ることができる。
【0020】
また、本発明の増粘漂白洗浄剤をスクイズ容器(例えば、特開昭58−90045号公報、特開昭60−148468号公報)で使用する場合には、例えばアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(ノニルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなど)とアルカンスルホン酸塩(ドデカンスルホン酸ナトリウムなど)の組み合わせ等、2種の陰イオン界面活性剤の組み合わせ等により、優れた発泡性や付着性を得ることができる。
【0021】
本発明の増粘漂白洗浄剤に、さらに縮合リン酸塩(成分(D))を加えることにより、タイル面等に付着したカルシウム石鹸等を効率よく分解・除去することができる。
縮合リン酸塩の具体例としては、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、ペンタポリリン酸塩、ヘキサポリリン酸塩等が挙げられる。このうち、次亜塩素酸塩の安定性の面から、トリポリリン酸塩およびピロリン酸塩が好ましい。
【0022】
本発明の増粘漂白洗浄剤における各成分の配合量は、全組成に対し成分(A)が0.2〜6重量%(以下、単に「%」という)、成分(B)が0.2〜5%、成分(C)が0.1〜20%、ヒドロトロピー剤が0.1〜20%の範囲が好ましく、特に、成分(A)が1〜4%、成分(B)が0.5〜3%、成分(C)が0.5〜5%、ヒドロトロピー剤が0.5〜10%の範囲であればより好ましい。
また、成分(D)を配合する場合、その配合量は0.1〜10%の範囲が好ましく、特に0.5〜3%の範囲がより好ましい。
【0023】
なお、ヒドロトロピー剤のハロゲン捕捉剤としての効果を利用する場合の配合量は、過剰の酸性物質を混合したときに発生が予測される塩素分子のモル数の1/2倍以上であることが好ましい。さらに、厳密に発生を抑制するためには等モル以上であることが好ましい。ただし、完全に塩素ガスの発生を抑制する必要のない場合は、より少ない量でよいことは勿論である。
【0024】
本発明の増粘漂白洗浄剤は、ヒドロトロピー剤および前記の成分(A)〜(C)、または(A)〜(D)を水に溶解することによって調整されるが、必要に応じて適用な任意成分、例えば増粘剤、溶剤、着色剤、香料、研磨剤、腐食防止剤等を配合することもできる。増粘剤としては、架橋ポリアクリレートなどの有機増粘剤、および二酸化珪素などの無機増粘剤を用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のヒドロトロピー剤は、優れたヒドロトロピー効果をもつとともに、次亜塩素酸塩に安定でかつハロゲン捕捉能も有するものである。
また、本発明のヒドロトロピー剤を配合した増粘漂白洗浄剤は、発泡性や付着性に優れ、かつ誤って酸性物質と混合した場合であっても塩素ガスの発生が抑制された、安全性の高いものである。
さらに、縮合リン酸塩を配合した本発明の増粘漂白洗浄剤は、上記の効果に加え、漂白洗浄と同時に石鹸カスも除去するので、洗浄後すぐにカビが発生することがないものである。
【0026】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0027】
実施例1
芳香族スルホン酸化合物のヒドロトロピー剤としての効果:
共栓付き三角フラスコに表1に示す種々の濃度のメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を30mlづつ入れ、それぞれに溶質としてエチルベンゼンを約1ml添加した。30℃の恒温槽中で24時間振とうした後、さらに24時間静置してから下部の水溶液層を分離した。ガラスフィルターで不溶物を除いた後、n−ヘキサンで抽出し、紫外線分光光度計を用いて溶解している溶質の濃度を測定した。
対照として、トルエンスルホン酸ナトリウムについても同様の測定をした。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例2
ヒドロトロピー剤の次亜塩素酸塩に対する影響および塩素捕捉能:
3%の次亜塩素酸ナトリウム、1%水酸化ナトリウムおよび1%ピロリン酸カリウムを含む水溶液中に、その中に含まれている次亜塩素酸ナトリウムのモル数に対して当モルの割合となる量の種々の芳香族スルホン酸化合物を添加した。この溶液について、40℃の恒温槽内での時間の経過に伴う活性塩素量および酸性物質と混ぜたときの塩素ガス発生量を測定した。活性塩素量および塩素ガス発生量の測定は、以下の方法によった。
【0030】
(活性塩素量の測定)
所定量の試料を分取し、酢酸酸性下でよう化カリウムを添加後、生成したよう素をチオ硫酸ナトリウム標準溶液で滴定して活性塩素量を測定した。
【0031】
(塩素ガス発生量の測定)
容量20リットルの図1に示すような装置を用い、塩素ガスの発生量を測定した。図1のEで示されるビーカーに試料を3ml取り、この中に10%塩酸水溶液3mlを加え、直ちに蓋をし、マグネティックスターラーFで攪拌した。また、容器中のファンDにより下方に送風した。5分経過後、検知管Bを備えたガス採取器Cによりガスを吸引し、容器中の塩素ガス濃度を測定した。
【0032】
( 結 果 )
活性塩素量および塩素発生量の測定結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
この結果から明らかなように、本発明のヒドロトロピー剤は次亜塩素酸ナトリウムの活性に影響を与えることがなく、しかも高いハロゲン捕捉能を有するものであった。
【0035】
実施例3
ヒドロトロピー剤の発泡性・付着性改良効果:
下記の表3に示す割合で次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ヒドロトロピー剤)および水を配合し、増粘漂白洗浄剤(本発明品1〜8)を調製した。
トリガースプレーを用いて、これらの増粘漂白洗浄剤をそれぞれ垂直なタイル面に吹き付け、そのときの発泡性および付着性を評価した。発泡性は目視によって判定し、付着性は泡の先端が20cm垂れ落ちる時間で表した。
対照として、ヒドロトロピー剤を配合しない洗浄剤(比較品1〜7)およびヒドロトロピー剤としてトルエンスルホン酸ナトリウムを配合した洗浄剤(比較品8)についても同様の試験を行った。その結果を表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
実施例4
縮合リン酸塩配合増粘漂白洗浄剤の発泡性・付着性:
下記の表5に示す割合で次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ヒドロトロピー剤)、縮合リン酸塩および水を配合し、増粘漂白洗浄剤(本発明品9〜11)を調製した。
トリガースプレーを用いて、これらの増粘漂白洗浄剤をそれぞれ垂直なタイル面に吹き付け、実施例3と同様に発泡性および付着性を評価した。その結果を表6に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
実施例5
縮合リン酸塩配合増粘漂白洗浄剤の発泡性・付着性:
下記の表7に示す割合で次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ヒドロトロピー剤)、縮合リン酸塩および水を配合し、増粘漂白洗浄剤(本発明品12〜21)を調製した。
これらの増粘漂白洗浄剤を、スクイズ容器より、正立および倒立状態でそれぞれ垂直なタイル面に噴射し、そのときの発泡性および付着性を評価した。発泡性および付着性は目視によって判定した。
対照として、ヒドロトロピー剤を配合しない洗浄剤(比較品9〜12)についても同様の試験を行った。その結果を表8に示す。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
実施例6
縮合リン酸塩配合および未配合増粘漂白洗浄剤の次亜塩素酸塩に対する安定性試験:
下記の表9に示す割合で次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ヒドロトロピー剤)、縮合リン酸塩および水を配合し、増粘漂白洗浄剤(本発明品22〜24)を調製した。この増粘漂白洗浄剤について、活性塩素濃度の低下割合を調べることにより次亜塩素酸塩に対する安定性試験を行った。その結果を表10に示す。
【0045】
【表9】
【0046】
〔 活性塩素量測定法 〕
上記各洗浄剤を40℃恒温下に静置し、静置1週間、2週間および3週間後の活性塩素量の変化を経時的に測定した。 活性塩素量の測定にはよう素還元法を用いた。
【0047】
〔 結 果 〕
【表10】
【0048】
実施例7
縮合リン酸塩配合増粘漂白洗浄剤の石鹸カスに対する洗浄力試験:
下記の表11に示す割合で次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ヒドロトロピー剤)、縮合リン酸塩および水を配合し、増粘漂白洗浄剤(本発明品25〜29)を調製した。この増粘漂白洗浄剤について、石鹸カスに対する洗浄力試験を行った。その結果を表12に示す。
【0049】
【表11】
【0050】
〔 洗浄力試験 〕
(1)汚垢サンプルの調製
市販の石鹸水溶液に、過剰の塩化カルシウム水溶液を添加し、沈殿を生成させた。沈殿を分取し、乾燥後、ヘキサンに分散させ汚垢サンプルとした。
(2)汚垢付着法
あらかじめ重量(W0)を測定した3cm×7cmのポリエチレン板に汚垢サンプル約20mg塗布し、自然乾燥させ、重量(Wa)を測定する。
(3)洗浄力測定
汚垢を塗布したポリエチレン板を各洗浄液に5分間浸漬し、その後イオン交換水で洗浄した。乾燥後、重量(Wb)を測定した。
洗浄力は以下の式から算出した。
【0051】
〔 結 果 〕
【表12】
【0052】
この結果から明らかなように、縮合リン酸塩の配合により、洗浄力が顕著に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩素ガスの発生量を測定するために用いる装置を示す図面。
【符号の説明】
A 測定容器 E ビーカー
B 塩素ガス検知管 F スターラービーズ
C ガス採取器 G マグネティクスターラー
D 攪拌用ファン
以 上
Claims (4)
- メトキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を有効成分として含有するヒドロトロピー剤と、次の成分(A)〜(C):
(A)次亜塩素酸塩、
(B)アルカリ剤および
(C)含窒素型非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤またはエーテル型非イオン
界面活性剤から選ばれる界面活性剤とを組み合わせた界面活性剤
を含有する増粘漂白洗浄剤。 - エーテル型非イオン界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであり、含窒素型非イオン界面活性剤がトリアルキルアミンオキサイドである請求項第1項記載の増粘漂白洗浄剤。
- 更に、次の成分(D)
(D)縮合リン酸塩
を含有する請求項第1項または第2項記載の増粘漂白洗浄剤。 - 成分(D)の縮合リン酸塩が、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、ペンタポリリン酸塩およびヘキサポリリン酸塩よりなる群から選ばれたものである請求項第3項記載の増粘漂白洗浄剤。
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