JP4103140B2 - 自動車のフロアパネル構造及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車体のフロアパネル構造に係り、特に、車体のフレーム部材に接続されて設けられたフロアパネルにより自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造に関する。
エンジンやサスペンションが連結されたフレーム部材からの振動がフロアパネルに伝達され、このフロアパネルが振動し、その結果、車室内の空気を大きく振動させることにより、不快な車室内振動や騒音が発生することが知られている。
この場合、振動源として、エンジン自体の振動や、サスペンションから伝わるロードノイズが問題となり、このロードノイズには、一般に、タイヤの空洞共鳴によるものと、タイヤの空洞共鳴に起因したサスペンションの共振によるものとがある。
従来から、これらの振動騒音を抑制するためにフロアパネル及びその近傍の車体各部に、種々の防振及び防音対策として、制振材や防振材を貼付けることが一般的に行われている。これにより、振動及び騒音の低減が可能であるが、一方で大量の制振材や防振材を必要とするため、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響が生じたりコストの面で問題があった。
さらに、自動車においては、エンジンやサスペンションから伝達される不快な振動が主に400Hz以下であり、特にタイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数にピークを有しているので、フロアパネルにビードを多数形成したり、パネル厚を大きくすることによりその剛性を高め、それにより、フロアパネルの固有振動数を400Hzよりも高い高帯域にずらすようにしたことも知られている。このようにして、フロアパネルがタイヤの空洞共鳴周波数帯域やサスペンションの共振周波数域等で共振しないようにして、不快な振動騒音を低減するようにしている。
この場合、低周波の領域における共振ピークを抑制できるという利点があるが、一方で、高音域の振動が逆に多くなるため、高周波領域における振動騒音を抑制するための制振材や防振材が多く必要となり、上述したものと同様に、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響が生じたりコストの面で問題があり、これらの問題を解決することが要望されていた。
そこで、本出願人は、フロアパネルに伝わる振動の振動周波数と振動モードの関係に着目し、特定の振動周波数(共振領域)で音響放射レベルがより小さい振動モードになるようなフロアパネル構造を提案した(特許文献1)。このフロアパネル構造は、特定の周波数として、最も不快な振動としてフロアパネルに伝達されるタイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数帯で、フロアパネルの振動モードが2×2モード又は2×1モードのように振動の腹が偶数個発生する振動モードになるようにフロアパネルの剛性を部分的に調節し、それぞれの振動の腹から放射される音波が互いに打ち消し合うように設定することで音響放射効率を低下させて、車室内の騒音を低減するようにしたものである。
特開平9−202269号公報
しかしながら、上述した従来のフロアパネルの全面に制振材や防振材を貼り付けるフロアパネル構造では、制振材等を多用するので、材料コストが高くなり、さらに、車体の重量が増大するという問題が生じる。また、パネル厚を大きくすると車体重量が増加するという問題も生じる。
また、特許文献1に記載されたフロアパネル構造では、特定の周波数帯、例えば、タイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数帯の騒音を低減させるのに有用であるが、その250Hz付近の周波数帯以外の周波数帯、特に、その160Hz付近の周波数帯において音響放射効率の高い、振動の腹が一つだけの1×1モードが発生してしまうと、タイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数帯の騒音を低減させることが出来ても、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯の騒音が非常に大きいものとなってしまうという問題が生じる。
ここで、上述した特許文献1に記載されたフロアパネル構造では、振動モードの振動の腹の振幅分布、より詳細には歪みエネルギ分布に対応させてフロアパネルに円形状の剛性調整部を設けて2×1モードのような音響放射効率の低い振動モードを発生するようにしている。
このような円形状の剛性調整部は、プレス加工が比較的容易であると共にその大きさ及び深さを調整してその剛性を調整することが比較的容易であるので、2×1モードのような音響放射効率の低い振動モードを250Hz付近の周波数帯で発生させると共に音響放射効率の高い1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯で発生しないように調整する必要がある。
しかし、フロアパネルの車体下方及び上方には排気管等やシート等が配置されているので、剛性調整がこれらと干渉しないような高さに抑える必要があり、また、乗員の足の踏み心地を確保するためにも一定の高さに抑える必要がある。また、プレス加工が可能な大きさ及び高さにする必要もある。さらに、フレーム部材に囲まれた一定の形状及び大きさのフロアパネル内に剛性調整部が収まる大きさにする必要もある。即ち、このような車体構造上又は加工上の制約により、剛性調整部の剛性を調整するために円形状の剛性調整部の大きさ及び高さ等は所定の範囲で調整しなければならない。
そのため、所定の範囲内での調整では、160Hz付近の周波数帯で1×1モードの振動が発生しないようにすることが出来ず、この160Hz付近の周波数帯の騒音が非常に大きいものとなってしまう場合があり、このようなサスペンションの共振によるロードノイズの周波数帯の振動を同時に低減させるには、フロアパネルの全面に制振材を貼付ける必要があり、車体の重量が増加してしまうという問題が生じる。
また、特許文献1に記載されたフロアパネル構造により特定の周波数域において2×1モードのような音響放射効率の低い振動モードを発生させる場合に、その振動振幅そのものを低減させることが出来れば、車室内の騒音のさらなる低減を図ること出来る。
ここで、本発明者らは、フロアパネルの剛性を部分的に高める際に、その部分の形状の違いが振動モードの発生周波数及び振動振幅の大きさに影響を与えることを見出し、この点に着目して、上述した従来技術の問題点を解決することを試みた。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、特定の周波数帯(例えば、250Hz付近)で音響放射効率の低い振動モードを発生させると共にその振動振幅を低減するようにして、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる車体のフロアパネル構造を提供することを目的としている。
本発明は、特定の周波数帯(例えば、250Hz付近)で音響放射効率の低い振動モードを発生させると共にその周波数帯以外の特定の周波数帯(例えば、160Hz付近)で音響放射効率が高い振動モードが発生しないようにして、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる車体のフロアパネル構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルの振動モード調整構造は、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させ且つ1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯でフロアパネルに発生させないように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルの振動モード調整構造が、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動を生じさせて、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる。一方、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯でフロアパネルに発生させないように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、サスペンションの共振によるロードノイズによる放射音の増大を防止して、車室内の騒音の低減を図ることができる。
また、剛性調整部は矩形状であるので、2×1モード又は2×2モードの振動の腹の振動振幅自体を小さくすることが出来、その結果、放射音を互いに打ち消し合う相殺効果に加え、さらに放射音自体をより低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、フロアパネルの振動領域内における振動の腹が発生する領域を規定し易くなり、その結果、隣り合う振動の腹の振動容積が同じになるようにして音響放射効率を大きく低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、その外周縁部が直線状に形成されており、剛性調整部を円形状に形成するよりも、1×1モードの振動を発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生する場合にもその発生周波数を高めて2×1の発生周波数により近づけることが出来る。
また、本発明は、車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させ且つ1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯でフロアパネルに発生させないように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルの振動モード調整構造が、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動を生じさせて、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる。一方、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯でフロアパネルに発生させないように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、サスペンションの共振によるロードノイズによる放射音の増大を防止して、車室内の騒音の低減を図ることができる。
また、剛性調整部は矩形状であるので、2×1モードの振動の腹の振動振幅自体を小さくすることが出来、その結果、放射音を互いに打ち消し合う相殺効果に加え、さらに放射音自体をより低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、フロアパネルの振動領域内における振動の腹が発生する領域を規定し易くなり、その結果、隣り合う振動の腹の振動容積が同じになるようにして音響放射効率を大きく低減することが出来る。
上記の目的を達成するために本発明は、車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルの振動モード調整構造は、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動を上記フロアパネルに発生させるように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有し、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルの振動モード調整構造が、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動を生じさせて、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる。
また、剛性調整部は矩形状であるので、2×1モード又は2×2モードの振動の腹の振動振幅自体を小さくすることが出来、その結果、放射音を互いに打ち消し合う相殺効果に加え、さらに放射音自体をより低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、フロアパネルの振動領域内における振動の腹が発生する領域を規定し易くなり、その結果、隣り合う振動の腹の振動容積が同じになるようにして音響放射効率を大きく低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、その外周縁部が直線状に形成されており、剛性調整部を円形状に形成するよりも、1×1モードの振動を発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生する場合にもその発生周波数を高めて2×1の発生周波数により近づけることが出来る。
さらに、外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、段差部を設けていない、例えば、突出部のみで構成された矩形状の剛性調整部よりも、1×1モードの振動をさらに発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生するとしても1×1モードの発生周波数を2×1又は2×2モードの発生周波数にさらに近づけることが出来る。その結果、矩形状の剛性調整部の大きさや配置によっては、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが容易になり、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数によるフロアパネルからの放射音を低減し易くなる。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、矩形状の剛性調整部全体の剛性を容易に高めることが出来る。ここで、矩形状の剛性調整部は、その外周縁が直線状の辺で構成されているので、円形状の剛性調整部に比べて、剛性調整部自体に曲げ振動やねじり振動が発生しやすいが、このように剛性を高めることによって、剛性調整部自体の曲げ振動やねじり振動の発生を抑制することが出来る。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、プレス成型時に剛性調整部の成型精度を高めることが出来、その結果、2×2及び2×1の振動モードが250Hz付近の周波数帯で確実に発生するようにすることが出来る。
上記の目的を達成するために本発明は、車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動を上記フロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有し、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルの振動モード調整構造が、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動を生じさせて、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減して、車室内の騒音の低減を図ることができる。一方、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯でフロアパネルに発生させないように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有するので、サスペンションの共振によるロードノイズによる放射音の増大を防止して、車室内の騒音の低減を図ることができる。
また、剛性調整部は矩形状であるので、2×1モードの振動の腹の振動振幅自体を小さくすることが出来、その結果、放射音を互いに打ち消し合う相殺効果に加え、さらに放射音自体をより低減することが出来る。
また、剛性調整部は矩形状であるので、フロアパネルの振動領域内における振動の腹が発生する領域を規定し易くなり、その結果、隣り合う振動の腹の振動容積が同じになるようにして音響放射効率を大きく低減することが出来る。
さらに、外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、段差部を設けていない、例えば、突出部のみで構成された矩形状の剛性調整部よりも、1×1モードの振動をさらに発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生するとしても1×1モードの発生周波数を2×1又は2×2モードの発生周波数にさらに近づけることが出来る。その結果、矩形状の剛性調整部の大きさや配置によっては、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが容易になり、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数によるフロアパネルからの放射音を低減し易くなる。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、矩形状の剛性調整部全体の剛性を容易に高めることが出来る。ここで、矩形状の剛性調整部は、その外周縁が直線状の辺で構成されているので、円形状の剛性調整部に比べて、剛性調整部自体に曲げ振動やねじり振動が発生しやすいが、このように剛性を高めることによって、剛性調整部自体の曲げ振動やねじり振動の発生を抑制することが出来る。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、プレス成型時に剛性調整部の成型精度を高めることが出来、その結果、2×2及び2×1の振動モードが250Hz付近の周波数帯で確実に発生するようにすることが出来る。
さらに、本発明は、車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた剛性調整部を有し、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来る場合には、剛性調整部を円形状に形成し、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来ない場合には、剛性調整部を矩形状に形成したことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動をフロアパネルに発生させるように、フロアパネルを上方又は下方に突出させた剛性調整部を有し、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来る場合には、剛性調整部を円形状に形成し、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来ない場合には、剛性調整部を矩形状に形成しているので、2×1モード又は2×2モードを250Hz付近の周波数帯、例えば、220乃至260Hzの周波数帯のタイヤの空洞共鳴によるロードノイズによるフロアパネルからの放射音を低減出来ると共に1×1モードが160Hz付近の周波数帯、例えば、120乃至180Hzの周波数帯のサスペンションの共振によるロードノイズによる放射音を低減することが出来る。
また、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来る場合には、剛性調整部を円形状に形成している。ここで、円形状の剛性調整部は、プレス加工が比較的容易であり、また、ドーム状に膨らませることにより剛性調整部自体に曲げ振動やねじり振動が生じにくくすることが出来る。従って、プレス加工のコスト低減を図ると共に160Hz付近の周波数帯、例えば、120乃至180Hzの周波数帯のサスペンションの共振によるロードノイズによる放射音を低減することが出来る。
また、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来ない場合には、剛性調整部を矩形状に形成している。ここで、剛性調整部を矩形状に形成した場合には、その外周縁部が直線状に形成されているので、剛性調整部を円形状に形成するよりも、1×1モードの振動を発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生する場合にもその発生周波数を高めて2×1又は2×2モードの発生周波数により近づけることが出来るので、フロアパネルに1×1の振動モードが160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが出来る。従って、160Hz付近の周波数帯、例えば、120乃至180Hzの周波数帯のサスペンションの共振によるロードノイズによる放射音を低減することが出来る。
本発明において、好ましくは、振動モード調整構造は、2つの矩形状の剛性調整部を有し、各剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に各剛性調整部の間に細長いパネル部分を形成するように配置され、2×1の振動モードを発生させる。
このように構成された本発明においては、振動モード調整構造は、2つの矩形状の剛性調整部を有し、各剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に各剛性調整部の間に細長いパネル部分を形成するように配置され、2×1の振動モードを発生させるので、細長いパネル部分に振動振動の節を確実に生じさせて、振動の節の位置を規定すると共に2×1モードの振動を確実に発生させることが出来る。また、1×1モードの振動自体を発生しにくくし、或いは、発生するとしてもその振動振幅を小さくすることが出来る。
本発明において、好ましくは、振動モード調整構造は、4つの矩形状の剛性調整部を有し、互いに隣接する剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に4つの剛性調整部により十字形状に延びる細長いパネル部分を形成するように配置され、2×2モードの振動を発生させる。
このように構成された本発明においては、振動モード調整構造は、4つの矩形状の剛性調整部を有し、互いに隣接する剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に4つの剛性調整部により十字形状に延びる細長いパネル部分を形成するように配置され、2×2モードの振動を発生させるので、細長いパネル部分に振動振動の節を確実に生じさせて、振動の節の位置を規定すると共に2×2モードの振動を確実に発生させることが出来る。また、1×1モードの振動自体を発生しにくくし、或いは、発生するとしてもその振動振幅を小さくすることが出来る。
本発明において、好ましくは、上記振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されている。
このように構成された本発明においては、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、段差部を設けていない、例えば、突出部のみで構成された矩形状の剛性調整部よりも、1×1モードの振動をさらに発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生するとしても1×1モードの発生周波数を2×1又は2×2モードの発生周波数にさらに近づけることが出来る。その結果、矩形状の剛性調整部の大きさや配置によっては、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが容易になり、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数によるフロアパネルからの放射音を低減し易くなる。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、矩形状の剛性調整部全体の剛性を容易に高めることが出来る。ここで、矩形状の剛性調整部は、その外周縁が直線状の辺で構成されているので、円形状の剛性調整部に比べて、剛性調整部自体に曲げ振動やねじり振動が発生しやすいが、このように剛性を高めることによって、剛性調整部自体の曲げ振動やねじり振動の発生を抑制することが出来る。
また、振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されているので、プレス成型時に剛性調整部の成型精度を高めることが出来、その結果、2×2及び2×1の振動モードが250Hz付近の周波数帯で確実に発生するようにすることが出来る。
本発明は、車体のフレーム部材に接続され自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させて音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有し、この振動モード調整構造が円形状及び/又は矩形状の剛性調整部を備えた車体のフロアパネルの製造方法であって、剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整することにより、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができる場合には、円形状の剛性調整部を形成するステップと、円形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整しても、1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができない場合には、矩形状の剛性調整部を形成するステップと、を有することを特徴とする。
本発明において、好ましくは、矩形状の剛性調整部を形成するステップは、剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整することにより、1×1モードの振動が発生しない又は1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができる場合には、その外周縁部に段差部を有さない矩形状の剛性調整部を形成する第1ステップと、矩形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整しても、1×1モードの振動が発生しない又は1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができない場合には、その外周縁部に段差部を有する矩形状の剛性調整部を形成する第2ステップと、を有する。
このように構成された本発明においては、その外周縁部に段差部を有さない矩形状の剛性調整部を形成する第1ステップを有している。ここで、その外周縁部に段差部を有さない矩形状の剛性調整部は、段差部をプレス加工する必要がなく、加工コストを低減することが出来、さらに、段差部を設けた矩形状の剛性調整部よりも剛性が低くなるように剛性調整部を形成することが比較的容易であるので、例えば、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯より低い周波数で発生している場合など、剛性をあまり高めたくない場合にも、1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが出来る。
また、その外周縁部に段差部を有する矩形状の剛性調整部を形成する第2ステップを有しているので、段差部を設けていない矩形状の剛性調整部よりも、1×1モードの振動をさらに発生しにくくし、或いは、1×1の振動モードが発生するとしても1×1モードの発生周波数を2×1又は2×2モードの発生周波数にさらに近づけることが出来、その結果、1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが出来る。
本発明によれば、車体のフレーム部材からフロアパネルに伝わる振動によるフロアパネルの放射音を大きく低減することが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による車体のフロアパネル構造を備えた自動車のアンダボディを示す平面図である。
図1に示すように、自動車のアンダボディ1は、後述する複数のフレーム部材と、これらのフレーム部材に接続される車室の床部分(フロア部分)を構成するフロントフロアパネル2と、このフロントフロアパネル2の車体後方の一段高い位置に配設されるセンタフロアパネル4と、さらに、このセンタフロアパネル4よりも車体後方の一段高い位置に配設され荷室の床部分を構成するリアフロアパネル6とから構成されている。
フレーム部材は、フロントサイドフレーム10、サイドシル12、フロアサイドフレーム14、リアサイドフレーム16、No.1クロスメンバ18、No.2クロスメンバ20、サブクロスメンバ22、No.3クロスメンバ24及びNo.4クロスメンバ26である。
次に、図1により、フレーム部材を具体的に説明する。自動車のアンダボディ1の車幅方向の両端側には、車体前後方向の補強部材として閉断面構造のサイドシル12が車体前後方向に延び、これらのサイドシル12の前方部は、車幅方向の補強部材であるNo.1クロスメンバ18に接合されている。さらに、各サイドシル12の間には、それぞれ車体前後方向に延びるように一対の閉断面構造のフロアサイドフレーム14が設けられている。
これらのフロアサイドフレーム14の前端は、エンジンルームの左右両側を囲むように設けられた一対のフロントサイドフレーム10に接合されている。このフロントサイドフレーム10には、エンジン28及びフロントサスペンションクロスメンバ30が取り付けられており、フロントサスペンションクロスメンバ30には、フロントサスペンション32が取り付けられている。
また、各サイドシル12の後方部の車幅方向内方側には、車体前後方向に延びる閉断面構造のリアサイドフレーム16が接合され、また、このリアサイドフレーム16には、リアサスペンションクロスメンバ34が取り付けられ、このリアサスペンションクロスメンバ34には、リアサスペンション36が取り付けられている。
車幅方向の補強部材としては、上述したNo.1クロスメンバ18に加えて、それぞれ車幅方向に延びる、No.2クロスメンバ20と、サブクロスメンバ22と、No.3クロスメンバ24と、No.4クロスメンバ26と、が配設されている。
No.2クロスメンバ20の左右両端部はそれぞれサイドシル12に接合され、サブクロスメンバ22の車幅方向内方端部はフロアサイドフレーム14に接合され、車幅方向外方端部はリアサイドフレーム16に接合されている。また、No.3クロスメンバ24の左右両端部は、それぞれ、リアサイドフレーム16に接合され、このNo.3クロスメンバ24には、上述したフロアサイドフレーム14の後端部が接合されている。No.4クロスメンバ26の左右両端部は、リアサイドフレーム16に接合されている。
このように、フロアパネル2、4、6には、車体前後方向の補強構造として、左右両端側のサイドシル12、一対のフロアサイドフレーム14及び一対のリアサイドフレーム16が配設され、車幅方向の補強構造として、No.1クロスメンバ18、No.2クロスメンバ20、サブクロスメンバ22、No.3クロスメンバ24及びNo.4クロスメンバ26が配設されており、これらにより、自動車のボディの曲げ剛性やねじり剛性を十分に確保出来るとともに、特に自動車の正面衝突時や側面衝突時における車室の変形を最小限に抑えて、乗員を確実に保護することができる。
次に、図1により、フロアパネルを具体的に説明する。フロントフロアパネル2は、鋼板を一体でプレス成形したもので、車幅方向のほぼ中央位置において上方に膨出するフロアトンネル部40が車体前後方向に延びている。このフロアトンネル部40は、センタフロアパネル4の車体後方端まで延びている。
フロントフロアパネル2は、車幅方向左右両端において各々車体前後方向に延びるサイドシル12、フロアサイドフレーム14、リアサイドフレーム16及びフロアトンネル部40、並びに、各々車幅方向に延びる各クロスメンバ18、20、22、24によって取り囲まれた8つのフロアパネル部S1〜S8から構成されている。
フロアパネル部S1及びS2は、一体成形されるフロントフロアパネル2の一部を構成し、フロアトンネル部40の左右両側においてそれぞれフレーム部材であるサイドシル12、フロアサイドフレーム14、No.1クロスメンバ18及びNo.2クロスメンバ20に取り囲まれた空間内に設けられ、その周縁が各フレーム部材12、14、18、20に接合されている。
フロアパネル部S3及びS4は、一体成形されるフロントフロアパネル2の一部を構成し、フロアトンネル部40の左右両側においてそれぞれフレーム部材であるサイドシル12、フロアサイドフレーム14、No.2クロスメンバ20及びサブクロスメンバ22に取り囲まれた空間内に設けられ、その周縁が各フレーム部材12、14、20、22に接合されている。
フロアパネル部S5及びS6は、一体成形されるフロントフロアパネル2の一部を構成し、フロアトンネル部40の左右両側においてそれぞれフレーム部材であるリアサイドフレーム16、フロアサイドフレーム14、サブクロスメンバ22及びNo.3クロスメンバ24に取り囲まれた空間内に設けられ、その周縁が各フレーム部材14、16、22、24に接合されている。
フロアパネル部S7及びS8は、一体成形されるフロントフロアパネル2の一部を構成し、フロアトンネル部40の左右両側においてそれぞれフロアトンネル部40と、フレーム部材であるフロアサイドフレーム14及びNo.3クロスメンバ24とに取り囲まれた空間内に設けられ、その2辺の外縁が各フレーム部材14、24に接合されている。
センタフロアパネル4は、鋼板を一体でプレス成形したもので、車幅方向のほぼ中央位置において上方に膨出するフロアトンネル部40が車体前後方向に延びている。このセンタフロアパネル4は、フロアトンネル部40の左右両側においてそれぞれフロアトンネル部40と、フレーム部材であるリアサイドフレーム16、No.3クロスメンバ24及びNo.4クロスメンバ26によって取り囲まれたフロアパネル部S9及びS10から構成されている。フロアパネル部S9及びS10は、その3辺の外縁が、各フレーム部材16、24、26に接合されている。
リアフロアパネル6は、鋼板を一体でプレス成形したもので、フレーム部材であるリアサイドフレーム16及びNo.4クロスメンバ26、並びに、車体構造部材であるリアボディ42によって取り囲まれたフロアパネル部S11と、その車幅方向両側において、フレーム部材であるリアサイドフレーム16、並びに、車体構造部材であるリアボディ42及びホイールハウス44によって取り囲まれたフロアパネル部S12及びS13から構成されている。フロアパネル部S11は、その周縁が、各フレーム部材16、26及びリアボディ42に接合され、フロアパネル部S12、S13は、その周縁が、フレーム部材16、リアボディ42及びホイールハウス44に接合されている。
このような自動車のアンダボディ1において、エンジン28、フロントサスペンション32及びリアサスペンション36の振動及びロードノイズは、それぞれ、フロントサイドフレーム10、フロントサスペンションクロスメンバ30、リアサスペンションクロスメンバ34を経由して、それぞれ連結された各フレーム部材12、14、16、18、20、22、24、26に伝達され、これらの振動及びロードノイズが、フロアパネル部S1〜S13に伝達される。
上述したように、エンジンやサスペンションからフレーム部材に伝達される振動は、主にタイヤの空洞共鳴周波数である250Hz付近の周波数帯及びサスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯にある。そのため、本実施形態では、フロアパネル部S1、S2、S5及びS6に振動モード調整構造を設けることにより、フレーム部材12、14、16、18、20、22、24、26から伝達された振動によるフロアパネル部S1、S2、S5及びS6の250Hz付近の周波数帯の放射音を抑制すると共にサスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯の放射音をも抑制するようにしている。なお、フロアパネル部S3、S4、S7乃至S13は、従来の平らなパネルで構成されている。
次に、図2乃至図5により、本実施形態の車体のフロアパネル構造を具体的に説明する。図2は、振動モード調整構造のフロアパネルの放射音の相殺(キャンセレーション)を示す概念図であり、図3は、ストラット形式のサスペンションを示す概略図であり、図4は、本実施形態のフロントフロアパネル2を示す拡大平面図であり、図5は、図4のV-V線に沿って見た断面図である。
本実施形態の車体のフロアパネル構造における振動モード調整構造は、フロアパネルを所定の周波数で音響放射効率の低い所定の振動モードで振動させるようにしたものである。
この振動モード調整構造の基本原理は、上述した特許文献1(特開平9−202269号公報)に詳しく説明されている。要するに、矩形状の振動領域の縦横にそれぞれ励起される振動の腹の数をそれぞれn、mとしたときに、図2に一例を示すように、「n×m=偶数」であれば、当該パネル内で隣接する逆相の部分からの放射音が互いに打ち消し合って、音響放射効率が大幅に低下することになる。
これに対し、振動領域に振動の腹が一つ発生する1×1の振動モードでは、逆相で振動する部分がなく、音響放射効率が大きなものとなる。
フロアパネルからの放射音は、上述したようにフレーム部材12、14、16、18、20、22、24、26から伝達されるエンジンやサスペンションの振動やロードノイズにより発生する。本実施形態では、フロアパネル部S1、S2、S5及びS6に振動モード調整構造を設け、主に250Hz付近の周波数帯に現れるタイヤの空洞共鳴周波数による放射音を低減するようにしている。本実施形態では、このような周波数帯として220乃至260Hzの周波数帯を音響放射低減の設定目標値としている。
また、フロアパネルS1、S2、S5及びS6においては、ストラットサスペンションを有する車両において問題となる160Hz付近の周波数帯で1×1の振動モードが発生しないようにして、サスペンションの共振によるロードノイズによる放射音を低減するようにしている。本実施形態では、このような周波数帯として120乃至180Hzの周波数帯を音響放射低減の設定目標値としている。サスペンションの共振により発生する振動の周波数帯(設定目標値)は、サスペンションの形式により異なるため、Wウィシュボーン等の他の形式のサスペンションの場合には、設定目標値は他の値となる。
図3は、ストラット形式のサスペンションを示す概略図である。前輪50のナックル・スピンドル52の下端にサスペンションアーム54がボールジョイント56で連結され、ダンパ58の下端はナックル・スピンドル52の上端にリジット(結合部を黒丸で表している。)に結合されている。なお、ダンパ58の上端は車体のタイヤハウスに連結されている。
まず、図4及び図5により、本実施形態によるフロアパネル部S1及びS2の車体のフロアパネル構造を説明する。
図4に示すように、フロアパネル部S1及びS2は、その4辺の縁部が、サイドシル12、フロアサイドフレーム14、No.1クロスメンバ18及びNo.2クロスメンバ20によって取り囲まれている。フロアパネル部S1は、その取り囲まれた振動領域S1aがほぼ正方形とされ、2×2モードの振動モードが生じ易くされている。また、フロアパネル部S2には、フロアパネルの強度を確保するための補強ビード部60が設けられ、この補強ビード部60が設けられた領域S2a、即ち図4中、破線とフレーム部材14、18、20とで囲まれた領域は、特定の振動モードが生じにくくなっているが、残りの領域S2b、即ち図4中、破線とフレーム部材12、18、20とで囲まれた領域は、ほぼ2×1の大きさの長方形状とされ、2×1モードの振動モードが生じ易くされている。
フロアパネル部S1の振動領域S1aには、2×2モードの振動が250Hz付近の周波数帯で発生すると共に1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生しないようにフロアパネル部S1の剛性を部分的に調整するためのほぼ正方形の剛性調整部62を、振動領域S1aの形状に対応させて車体前後方向及び車幅方向に並べて4つ形成している。
また、フロアパネルS2の振動領域S2bには、2×1モードの振動が250Hz付近の周波数帯で発生すると共に1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生しないようにフロアパネル部S2の剛性を部分的に調整するためのほぼ正方形の剛性調整部62を、長方形状の振動領域S2bの長手方向に沿って車体前後方向に2つ並べて形成している。
これらの剛性調整部62は、ほぼ正方形に形成すると共に各振動領域S1a及びS2b内で比較的大きな面積を占めるように形成して、剛性調整部62を設けた部分が、それぞれ、2×2モード及び2×1モードの振動の腹が発生する部分となるようにしている。つまり、剛性調整部62により、2×2モード及び2×1モードの振動の腹の発生する領域を規定するようにしている。これらの剛性調整部は、いずれもほぼ同じ大きさに形成され、4つ又は2つの振動の腹の振動容積が同じになるようにしている。
また、これらのほぼ正方形の剛性調整部62は、互いに隣接する剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共にそれらの剛性調整部の間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成するように配置している。即ち、フロアパネル部S1においては、4つの剛性調整部62により、振動領域S1aのほぼ中央部で交わって十字形状となるように、直線状に幅がほぼ一定のまま延びる細長い平らなパネル部分64を形成するようにし、フロアパネル部S2においては、長方形状の振動領域S2bの長手方向のほぼ中間でその長手方向にほぼ直交する方向に、直線状に幅がほぼ一定のまま延びる細長い平らなパネル部分64を形成するようにしている。
このように、本実施形態では、各剛性調整部62により直線状の細長い平らなパネル部分64を形成することにより、隣り合う剛性調整部62との間のパネル部分64に振動の節が発生するようにしている。
なお、剛性調整部の形状は、上述した正方形でなくても長方形などの矩形状であれば良く、互いに隣接する剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共にそれらの剛性調整部の間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成するように配置すれば良い。
次に、図5に示すように、パネル部S1及びS2におけるこれらの剛性調整部62は、その断面が、フロアパネル部S1又はS2自身を下方に突出させて形成され、曲率が連続的に変化するようにして剛性が高められた曲面部(突出部)66と、その外周縁部に形成された段差部68とで構成され、この段差部68により剛性調整部62の剛性が高められている。この段差部68は、平らなパネル部分からほぼ垂直に延びる垂直部(立上がり部)68aとその垂直部68aの下縁から内方に延びる水平部68bとを備え、曲面部66は、その段差部68の近傍に立上がり部66aを備えている。
剛性調整部62は、段差部68の立上がり部68aが突出部66の立上がり部66aよりも垂直に近い角度に形成され、段差部68の垂直部68aは、平らなパネル部分から鋭角に折れ曲がるように、即ち、平らなパネル部分と垂直部68aのそれぞれの法線方向が不連続となるように形成されている。
ここで、上述したように、車体構造上又は加工上の制約により、剛性調整部62の高さは所定の範囲で調整する必要があり、このような制約がある場合に、段差部68を設けずに曲面部(突出部)66のみで剛性調整部を構成すると、その曲面部(突出部)が平らなパネル部分から内方に延びる角度、即ち、曲面部(突出部)の立上がり部の平らなパネル部分に対する角度は大きくすることが出きずに、剛性を所望の大きさまで高めることが出来ない。
そこで本実施形態では、段差部68を設け、この段差部68の立上がり部68aを突出部66の立上がり部66aよりも垂直に近い角度に形成して、剛性を高めると共にプレス成形精度を高めるようにしている。このような垂直部(立上がり部)の角度は、所望の剛性が得られ、又、剛性調整部のプレス成形精度を高めることが出来るような角度であれば良く、フロアパネルの板厚によって適切な角度が定まる。
なお、剛性調整部62は、上方に突出するようにしても良く、この場合でも、上述したように、段差部68の立上がり部68aを突出部66の立上がり部66aよりも垂直に近い角度に形成すると良い。また、曲面部(突出部)66は、曲率が連続的に変化するようにしたものでなくても良く、一部が折れ曲がったり、ビード等を形成したものでも良い。
剛性調整部62の剛性は、曲面部66の曲率及び高さ、段差部68の垂直部68aの高さ及び水平部68bの幅を調整することで調整されており、このように剛性調整部62の剛性を調整することで、フロアパネル部S1及びS2の剛性が部分的に調整されて、フロアパネル部S1及びS2に、それぞれ2×2及び2×1の振動モードが250Hz付近の周波数帯で発生すると共に1×1の振動モードが160Hz付近の周波数帯で発生しないようにしている。
また、本実施形態では、剛性調整部62の段差部68の垂直部68aを平らなフロアパネル面からほぼ垂直に立上がるようにして、剛性調整部62のプレス成形精度を高め、剛性調整部62の剛性の大きさのばらつきが少なくなるようにしている。
次に、図6により、上述した剛性調整部62の第1乃至第3の変形例を説明する。図6は、本実施形態の第1乃至第3の変形例による矩形状の剛性調整部を示す断面図である。
図6(a)に示す第1の変形例では、上述したような段差部68を円弧状に形成している。この場合においても、段差部68の立上がり部68aを、突出部66の立上がり部66aよりも垂直に近い角度に形成すると良い。
図6(b)に示す第2の変形例では、上述したような段差部68の代わりにビード部69を設けている。このビード部69は、段差部68と同様に機能するように曲面部66に隣接してその周囲に延びるように配置されており、このビード部69と曲面部66とにより剛性調整部を構成するようにしている。
また、図6(c)に示す第3の変形例のように、剛性調整部62に段差部を設けないようにしても良い。この場合には、段差部をプレス加工する必要がなく、加工コストを低減することが出来る。また、段差部を設けた矩形状の剛性調整部よりも剛性が低くなるように剛性調整部を形成することが比較的容易であるので、例えば、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯より低い周波数で発生している場合など、剛性をあまり高めたくない場合に、1×1の振動モードが160Hz付近の周波数帯で発生させないように剛性調整部の寸法を調整し易くなる。
次に、本実施形態によるフロアパネル部S1及びS2に設けた振動モード調整構造の作用効果を説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル部S1及びS2においては、フロアパネル部S1及びS2において、タイヤの空洞共鳴によるロードノイズである250Hz付近の周波数帯で音響放射効率の低い2×1又は2×2の振動モードを発生させると共にその振動振幅そのものを低減して、振動領域からの放射音を低減することが出来る。さらに、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯で音響放射効率の高い1×1の振動モードが発生しないようにして、その周波数帯での放射音をも低減することが出来る。以下、具体的に説明する。
まず、本発明の振動モード調整構造による、タイヤの空洞共鳴によるロードノイズにより発生する放射音の低減効果について説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル部S1及びS2においては、矩形状の剛性調整部62を、振動領域S1a及びS2bの形状に対応させて並べて形成することにより、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する250Hz付近の周波数帯で2×2モード又は2×1モードの振動を発生させると共に4つ又は2つの振動の腹の振動容積が同じになるようにしているので、これらの振動領域からの放射音を低減することができる。
特に、剛性調整部62を矩形状に形成しているので、振動の腹が発生する部分の領域を容易に規定することが出来、その結果、隣り合う振動の腹の振動容積が同じになるように調整し易くなり、逆相で振動する偶数個の振動の腹による放射音の相殺効果をより確実に発揮させて、音響放射効率を大きく低減することが出来る。
また、剛性調整部62は、矩形状に形成しているので、250Hz付近の周波数帯で発生する2×2モード又は2×1モードの振動の振動振幅自体を低減することが出来、その結果、振動領域S1a及びS2bからの放射音をさらに低減することができる。
さらに、剛性調整部62を矩形状に形成すると共に隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成しているので、そのパネル部分64に振動の節を確実に発生させると共に振動の節が発生する位置を規定することが出来、その結果、4つ又は2つの振動の腹の振動容積が同じ2×2モード又は2×1モードの振動を確実に発生させることが出来る。
次に、本発明の振動モード調整構造による、サスペンションの共振によるロードノイズにより発生する放射音の低減効果について説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル部S1及びS2においては、剛性調整部62を矩形状に形成しているので、剛性調整部を円形状に形成するよりも、1×1モードの振動を発生させにくくすることが出来る。
ここで、振動の腹が一つである1×1の振動モードが発生する場合、その振動の腹は、フロアパネルの振動領域内で、大きく曲面状に盛り上がるように、即ち、その断面が、例えばサインカーブを描いて変形するように分布しようとする。
ところで、2×1又は2×2の振動モードをタイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する250Hz付近の周波数帯で発生させるために必要な2つ又は4つの剛性調整部によるフロアパネルの剛性調整量は、剛性調整部を円形状に形成しても矩形状に形成しても同じ程度のものである。
しかしながら、1×1モードの振動が発生する周波数の振動がフレーム部材から伝達されると、剛性調整部を円形状に形成した場合には、1×1モードの振動は、円形状の剛性調整部の外周に沿って曲面状にきれいな分布で発生し易く、また、振幅が大きい振動の腹の中央付近となる2つの剛性調整部が向かい合う領域においても、その外周縁部が円弧状に形成されているので、曲面状に盛り上がろうとする振動の腹に対し1×1モードの振動の発生を大きく抑制するものではない。
一方、剛性調整部を矩形状に形成した場合には、1×1モードの振動が発生する周波数の振動がフレーム部材から伝達されても、1×1モードの振動の腹が生じようとする領域の周縁部では、剛性調整部の外周縁部が直線状に形成されているので、曲面状に盛り上がろうとする振動に対しそのような振動による変形を生じさせにくくし、また、振幅が大きい振動の腹の中央付近となる2つの剛性調整部が向かい合う領域においても、2つの剛性調整部の直線状の外周縁部が向かい合うことで、さらに、1×1モードの振動による曲面状の変形を生じさせにくくし、その結果、1×1モードの振動の発生を抑制することが出来る。
また、1×1モードの振動が発生する場合でも、外周縁部が直線状である矩形状の剛性調整部62では、その発生する周波数が剛性調整部62を円形状に形成した場合よりも高くなり、2×1又は2×2の振動モードが発生する周波数帯、即ち本実施形態のフロアパネル部S1及びS2においては250Hz付近の周波数帯に近づけることが出来る。
それらの結果、仮に、円形状の剛性調整部の大きさ及び深さ等を車体構造上又は加工上の制約による所定の範囲で調節して1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来ない場合にも、矩形状の剛性調整部を形成することによって、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生しないようにして、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯の放射音を低減することが出来る。
また、剛性調整部62を、それぞれ隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成するように配置しているので、1×1モードの振動自体を発生しにくくし、或いは、発生するとしてもその振動振幅を小さくすることが出来る。特に、フロアパネル部S1においては、4つの矩形状の剛性調整部62が十字形状の細長い平らなパネル部分64を形成するように配置され、このような配置により1×1の振動モードの発生を効果的に抑制することが出来る。
次に、本実施形態のフロアパネル構造のパネル部S1及びS2においては、剛性調整部62の曲面部66の外周縁部に段差部68を設けているので、剛性調整部62を曲面部66のみで構成した場合より、その剛性を容易に高めることが出来る。また、段差部68の立上がり部68aを突出部66の立上がり部66aよりも垂直に近い角度に形成しているので、剛性調整部62の高さを余り大きくすることなく、剛性調整部62の剛性を高めることが出来る。
また、曲面部66の外周縁部に段差部68を設けることにより、1×1の振動モードが発生する周波数を、段差部を設けていない矩形状の剛性調整部よりも、1×1モードの振動自体をさらに発生しにくくし、或いは、発生するとしてもその発生周波数を2×1又は2×2の振動モードが発生する周波数にさらに近づけることが出来る。その結果、1×1の振動モードが160Hz付近の周波数帯で発生しないようにすることが出来る。
また、段差部68は、突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成した、フロアパネルからほぼ垂直に立ち上がる垂直部68aを有しているので、プレス成型時に剛性調整部62の成型精度を高めることが出来、その結果、剛性調整部62の剛性の加工ばらつきを少なくして、フロアパネル部S1及びS2に2×2及び2×1の振動モードを250Hz付近の周波数帯で確実に発生させることが出来る。
次に、図4及び図7により、本実施形態のフロアパネル部S5及びS6の車体のフロアパネル構造を説明する。図7は、図4ののVII-VII線に沿って見た断面図である。
図4及び図7に示すように、フロアパネル部S5は、それぞれ、その4辺の縁部が、フロアサイドフレーム14、リアサイドフレーム16、サブクロスメンバ22及びNo.3クロスメンバ24によって取り囲まれている。また、フロアパネル部S5には、フロアパネルの強度を確保するための補強ビード部46が設けられている。
本実施形態のフロアパネルS5では、図4に示すように、フロアパネル部S5の振動領域S5a内に、振動モード調整構造として、タイヤの空洞共鳴によるロードノイズである250Hz付近の周波数帯で音響放射効率の低い2×1又は2×2の振動モードを発生させると共にサスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯で音響放射効率の高い1×1の振動モードが発生しないように、ほぼ円形の剛性調整部72を振動領域S5aの形状に対応させて車体前後方向に2つ並べて形成している。
図4及び図6に示すように、これらの剛性調整部72は、その外周がほぼ円形にされ、フロアパネルS5自身をドーム状に下方に突出させて形成されている。
本実施形態のフロアパネル部S5では、振動領域S5aにおいて、250Hz付近の周波数帯で2×1又は2×2の振動モードを発生させると共に160Hz付近の周波数帯で1×1の振動モードが発生しないように、ほぼ円形の剛性調整部72の直径、ドームの曲率及び高さを調整すると共にそれらの配置を調整している。また、このような調整により、2×1モードの2つの振動の腹の振動容積が同じになるようにしている。
フロアパネル部S6においても、フロアパネル部S5と同様に、フロアサイドフレーム14、リアサイドフレーム16、サブクロスメンバ22、No.3クロスメンバ24及び補強ビード部46によって取り囲まれた領域である振動領域S6aに、2つのほぼ円形の剛性調整部72を設けている。
次に、本実施形態によるフロアパネル部S5及びS6に設けた振動モード調整構造の作用効果を説明する。
フロアパネル部S5及びS6の振動領域S5a及びS6aに、それぞれ、振動モード調整構造であるほぼ円形の剛性調整部72を設けることにより、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動を発生させると共に2つの振動の腹の振動容積が同じになるようにしているので、この振動領域からの放射音を低減することができる。
また、これらの振動領域S5a及びS6aにおいては、振動領域S5a及びS6aの大きさ、形状及び板厚などの特有の条件に応じて、剛性調整部の形状として、矩形状ではなく円形状のものを選択しているので、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯で音響放射効率の高い1×1の振動モードが発生しないようにすることが出来る。
即ち、円形状の剛性調整部は、矩形状の剛性調整部より、その形状及び剛性の違いにより、1×1の振動モードが発生する周波数をあまり高めないようにすることが出来るので、例えば、全面が平らなフロアパネルに1×1の振動モードが160Hz付近の周波数帯より低い周波数帯で生じている場合には、矩形状の剛性調整部ではなく、円形状の剛性調整部を選択して、1×1の振動モードが発生する周波数をあまり高めないようにして、160Hz付近の周波数帯で音響放射効率の高い1×1の振動モードが発生しないようにすることが出来る。
従って、タイヤの空洞共鳴によるロードノイズである250Hz付近の周波数帯に加えて、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯における音響放射をも低減することが出来る。
また、円形状の剛性調整部は、その形状により、剛性調整部自体に曲げ振動やねじり振動が生じにくく、放射音を効果的に低減することが出来る。
さらに、円形状の剛性調整部は、矩形状の剛性調整部よりも加工性が良く、剛性調整部をフロアパネルに形成する際に容易にプレス加工することが出来るので、加工コストを低減することが出来る。
次に、図8及び図9により、上述した実施形態の振動モード調整構造である矩形状の剛性調整部の変形例を、上述したフロアパネル部S5の領域に適用した例として説明する。
図8(a)、(b)及び図9(a)、(b)は、それぞれ、振動モード調整構造の第1の変形例、第2の変形例、第3の変形例及び第4の変形例を示す平面図である。
これらの第1乃至第4の変形例では、フロアパネル部S5において、補強ビード部46を設けることなく、フロアサイドフレーム14、リアサイドフレーム16、サブクロスメンバ22及びNo.3クロスメンバ24によって取り囲まれた領域である非長方形状の振動領域S5a’内に振動モード調整構造である剛性調整部62を設けている。この剛性調整部62は、上述した図5に示すフロアパネル部S1及びS2に設けた剛性調整部と同じであり、下方に突出するように形成された曲面部66と、その外周縁部に形成された段差部68とを有している。
具体的には、図8(a)に示すように、第1の変形例による振動モード調整構造は、ほぼ正方形の剛性調整部62を2つ形成したものであり、非長方形状の振動領域S5a’に対応させて車幅方向にずらして配置している。また、互いの剛性調整部62のそれぞれの一辺が対向して平行になるようにすると共に隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成している。
図8(b)に示すように、第2の変形例による振動モード調整構造は、ほぼ正方形の剛性調整部62を2つ形成したものであり、各剛性調整部62の各辺が、2つの長辺d、d’のほぼ中間を通る直線fに対してほぼ直交し或いは平行な方向に延びるように配置したものである。本変形例においては、2つのほぼ正方形の剛性調整部62のそれぞれの図心が直線f上にあるように配置されている。2つの剛性調整部62をこのように配置することで、互いの剛性調整部62のそれぞれの一辺が対向して平行になるようにすると共に隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成している。
図9(a)に示すように、第3の変形例による振動モード調整構造は、大きさの異なる2つの矩形状の剛性調整部62を形成したものであり、短辺eに近い側の剛性調整部62をほぼ長方形状に形成し、短辺e’に近い側の剛性調整部62をほぼ正方形状に形成したものである。また、互いの剛性調整部62のそれぞれの一辺が対向して平行になるようにすると共に隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成している。
図9(b)に示すように、第4の変形例による振動モード調整構造は、大きさ及び形状の異なる2つの矩形状の剛性調整部62を形成したものであり、短辺eに近い側の剛性調整部62をほぼ長方形状に形成し、短辺e’に近い側の剛性調整部62をほぼ正方形状に形成したものである。これらの剛性調整部62は、それぞれ、フレーム部材14、16、22、24に隣接する辺がフレーム部材14,16、22、24の短辺e、e’又は長辺d又はd’に沿って延びるように形成している。また、互いの剛性調整部62のそれぞれの一辺が対向して平行になるようにすると共に隣り合う剛性調整部62との間に直線状の細長い平らなパネル部分64を形成している。この図9(b)に示す変形例では、剛性調整部62がこの振動領域S5a’内で占める面積が大きく、各剛性調整部62が、確実に、2×1モードの2つの振動の腹がそれぞれ発生する領域となるようにしている。なお、各剛性調整部62の隣り合うそれぞれの辺を2つの長辺d、d’のほぼ中間を通る直線fに対してほぼ直交する方向に延びるようにしても良い。
これらの第1乃至第4の変形例においても、剛性調整部62を設けることにより、非長方形状の振動領域S5a’に、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動を発生させると共にサスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯で1×1モードの振動が発生しないようにしている。
また、第1及び第2の変形例においては、いずれも、2つの剛性調整部62を、車体前後方向の前方側即ち短辺e及びe’のうち長い方の短辺eにより近づくように配置して、2×1モードの2つの振動の腹の振動容積が同じになるように調整している。第3及び第4の変形例においては、いずれも、2つの剛性調整部62の大きさ及び位置を調整して、2×1モードの2つの振動の腹の振動容積が同じになるようにしている。
なお、これらの変形例において、2つの振動の振動容積が同じになるようにするために、2つの剛性調整部62を、互いにその四角形の大きさ、曲面部66の曲率及び高さ、段差部68の高さ及び幅が異なるように形成しても良い。
次に、図10により、本発明による振動モード調整構造を有するフロアパネルの製造方法の実施形態について説明する。図10は、本実施形態による振動モード調整構造を有するフロアパネルの設計手法を用いた製造方法を示すフローである。
この製造方法は、振動モード調整構造として円形状の剛性調整部、段差部を設けていない矩形状の剛性調整部又は段差部を設けた矩形状の剛性調整部のうち、フロアパネルからの音響放射を低減するために適切な形状の剛性調整部を選択してフロアパネルに形成するようにした設計手法を採用している。
まず、図10により、本実施形態による製造方法について具体的に説明する。なお、図10において、Sは各ステップを示す。
本実施例では、以下に説明する各ステップのうち、S3、S7及びS9を除く各ステップにおいて、CAE(例えば、FEM(有限要素法))による解析により、フロアパネルへの剛性調整部の設定、或いは、その寸法の調整を行って、フロアパネルに発生する振動モード及び振動周波数等を推定すると共に剛性調整部の形状の選択の判断の基準としている。このような解析においては、その利点を活かし、フロアパネルが設けられている車体固有の条件として、装着されるタイヤの種類によるタイヤの空洞共鳴周波数の違いや、放射音が問題となる周波数帯や音響放射レベル等を詳細に考慮している。
まず、S1において、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させるようにフロアパネル自身を上方又は下方に突出させた所定の円形状の剛性調整部をフロアパネルに設定する。本実施形態では、250Hz付近の周波数帯として、220乃至260Hzの周波数帯を2×1モード又は2×2モードの発生周波数の目標値としている。
このS1においては、例えば、上述したフロアパネル部S4及びS5において説明したように、フロアパネルの振動領域に円形状の剛性調整部72を設定する。
このS1においては、所定の円形状の剛性調整部として、予め定めた標準的な寸法の剛性調整部を設定するようにしている。この標準的な寸法は、実験や他の車両に設けている剛性調整部などのデータに基づくものである。
また、所定の剛性調整部として、剛性調整部を設ける前の平らなフロアパネルに発生する2×1モード又は2×2モードの振動の発生周波数から、2×1モード(又は2×2モード)を250Hz付近の周波数帯で発生させるために必要な剛性量を予測して、その剛性量から寸法を定めたものでも良い。
ここで、フロアパネル部の振動領域とは、フロアパネルにおいて、フレーム部材や補強用ビード部等で囲まれた一定の領域をいい、例えば、図4に示す上述した実施形態のフロアパネルでは、フロアパネル部S1におけるフレーム部材12、14、18及び20で囲まれた領域S1aや、フロアパネル部S2における破線とフレーム部材14、18、20とで囲まれた振動領域S2bや、フロアパネル部S5では各フレーム部材14、16、22及び24と補強ビード部46とで囲まれた領域S5aのような領域である。
次に、S2に進み、S1で設定した円形状の剛性調整部が設けられたフロアパネルに、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生するか否かを判定する。本実施例では、この160Hz付近の周波数帯として、120乃至180Hzの周波数帯を目標値としている。
S2において、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生しないと判定されたときには、S3に進み、S1で設定した円形状の剛性調整部と同じ寸法及び配置の剛性調整部をフロアパネルに形成する。
S2において、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生すると判定されたときには、S4に進み、円形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整することにより、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来るか否かを判定する。
ここで、円形状の剛性調整部の寸法を調整する所定の範囲としては、例えば、剛性調整部を下方に突出させて形成する場合に、その剛性調整部を形成しようとしているフロアパネルの車体下方に排気管が通っていれば、その排気管と干渉しないような剛性調整部の高さの範囲であり、フロアパネルの板厚が大きくプレス加工が難しい場合には、プレス加工可能な範囲(円形状の剛性調整部の径及び高さ)であり、また、剛性調整部を形成しようとしているフロアパネルの振動領域に収まるような剛性調整部の外径の範囲等である。
S4における判定は、上述したようにCAEにより複数の寸法調整された剛性調整部について解析を行い、その結果から判定するか、或いは、実験データ等のデータベースから判定する。
S4において、所定の範囲で円形状の剛性調整部の寸法を調整して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来ると判定されたときには、S3に進み、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来る寸法に調整された円形状の剛性調整部をフロアパネルに形成する。
S4において、所定の範囲で円形状の剛性調整部の寸法を調整して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来ないと判定されたときには、S5に進み、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させるようにフロアパネル自身を上方又は下方に突出させた矩形状の剛性調整部をフロアパネルに設定する。なお、このS5において設定する矩形状の剛性調整部には、上述した段差部68(図5参照)は設けていない。
ここで、上述した実施形態によるフロアパネル部S5及びS6において説明したように、剛性調整部を矩形状に形成した場合には、剛性調整部を円形状に形成した場合よりも、1×1モードの振動自体を発生しにくくし、或いは、発生するとしてもその発生周波数を2×1又は2×2の振動モードが発生する周波数により近づけることが出来る。そこで、このS5以降のステップにおいて、剛性調整部の形状を円形状から矩形状に変更して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させるようにしている。
次に、S6に進み、S5で設定した段差部を設けていない矩形状の剛性調整部が設けられたフロアパネルに、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生するか否かを判定する。
S6において、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生しないと判定されたときには、S7に進み、S5で設定した段差部を設けていない矩形状の剛性調整部と同じ寸法及び配置の剛性調整部をフロアパネルに形成する。
S6において、1×1モードの振動が160Hz付近の周波数帯で発生すると判定されたときには、S8に進み、矩形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲(S4と同様)で調整することにより、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来るか否かを判定する。
S8において、所定の範囲で矩形状の剛性調整部の寸法を調整して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来ると判定されたときには、S7に進み、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来る寸法に調整された矩形状の剛性調整部をフロアパネルに形成する。
S8において、所定の範囲で円形状の剛性調整部の寸法を調整して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させることが出来ないと判定されたときには、S9に進み、S8で寸法を調整した矩形状の剛性調整部のうち、1×1モードの発生周波数が最も高い値が得られた寸法の矩形状の剛性調整部の外周縁部に段差部を設け、その矩形状の剛性調整部を、S5で設定した配置で実際のフロアパネルに形成する。
このS8においては、例えば、図5に示すように曲面部66と段差部68とで断面が構成される矩形状の剛性調整部62を、図4に示すフロアパネル部S1及びS2に示すように、実際のフロアパネルに形成し、このS8において、その段差部の高さ及び幅を調整して、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1の振動モードが発生する周波数が、サスペンションの共振によるロードノイズである160Hz付近の周波数帯より高い周波数帯で発生するようにする。
ここで、上述した実施形態によるフロアパネル部S1及びS2において説明したように、矩形状の剛性調整部の外周縁部に段差部を設けた場合には、段差部を設けない剛性調整部よりも、1×1モードの振動自体をさらに発生しにくくし、或いは、その発生周波数を2×1又は2×2の振動モードが発生する周波数にさらに近づけることが出来る。そこで、このS9においては、外周縁部に段差部を設けた矩形状の剛性調整部により、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近の周波数帯以外の周波数で発生させるようにしている。
なお、S5において、段差部を設けた剛性調整部を設定し、S8において、その剛性調整部の段差部の高さ及び幅を再調整して、上述したS8のような判定を行うようにしても良い。
本発明の実施形態による車体のフロアパネル構造を備えた自動車のアンダボディを示す平面図である。 振動モード調整構造のフロアパネルの放射音の相殺(キャンセレーション)を示す概念図である。 ストラット形式のサスペンションを示す概略図である。 本発明の実施形態による車体のフロアパネル構造を有するフロントフロアパネル2を示す拡大平面図である。 図4のV-V線に沿って見た断面図である。 本実施形態の第1乃至第3の変形例による矩形状の剛性調整部を示す断面図である 図4のVII-VII線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態のフロアパネル部S1及びS2に設けた振動モード調整構造の第1及び第2の変形例をフロアパネル部S5に適用した例を示す平面図である。 本発明の実施形態のフロアパネル部S1及びS2に設けた振動モード調整構造の第3及び第4の変形例をフロアパネル部S5に適用した例を示す平面図である。 本実施形態による振動モード調整構造を有するフロアパネルの設計手法を用いた製造方法を示すフローである。
符号の説明
2 フロントフロアパネル
4 センタフロアパネル
6 リアフロアパネル
10 フロントサイドフレーム
12 サイドシル
14 フロアサイドフレーム
16 リアサイドフレーム
18 No.1クロスメンバ
20 No.2クロスメンバ
22 サブクロスメンバ
24 No.3クロスメンバ
26 No.4クロスメンバ
40 フロアトンネル部
42 リアボディ
44 ホイールハウス
46、60 補強ビード部
62 矩形状の剛性調整部
64 直線状の細長い平らなパネル部分
66 曲面部(突出部)
66a 突出部の立上がり部
68 段差部
68a 段差部の立上がり部
72 円形状の剛性調整部
S1〜S13 フロアパネル部
S1a、S2a、S5a、S6a 振動領域

Claims (10)

  1. 車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルの振動モード調整構造は、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モードの振動を上記フロアパネルに発生させ且つ1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で上記フロアパネルに発生させないように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有することを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  2. 車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モードの振動を上記フロアパネルに発生させ且つ1×1の振動モードを160Hz付近の周波数帯で上記フロアパネルに発生させないように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有することを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  3. 車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルの振動モード調整構造は、タイヤの空洞共鳴周波数にほぼ一致する周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動を上記フロアパネルに発生させるように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有し、
    上記振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されていることを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  4. 車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動を上記フロアパネルに発生させるように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた矩形状に形成した剛性調整部を有し、
    上記振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されていることを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  5. 車体のフレーム部材に接続されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させてフロアパネルの音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルの振動モード調整構造は、250Hz付近の周波数帯で2×1モード又は2×2モードの振動を上記フロアパネルに発生させるように、上記フロアパネルを上方又は下方に突出させた剛性調整部を有し、
    1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来る場合には、上記剛性調整部を円形状に形成し、1×1の振動モードを160Hz付近以外の周波数帯で発生させることが出来ない場合には、上記剛性調整部を矩形状に形成したことを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  6. 上記振動モード調整構造は、2つの矩形状の剛性調整部を有し、各剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に各剛性調整部の間に細長いパネル部分を形成するように配置され、2×1の振動モードを発生させる請求項1乃至5の何れか1項に記載の車体のフロアパネル構造。
  7. 上記振動モード調整構造は、4つの矩形状の剛性調整部を有し、互いに隣接する剛性調整部のそれぞれの一辺が対向して互いに平行になると共に4つの剛性調整部により十字形状に延びる細長いパネル部分を形成するように配置され、2×2モードの振動を発生させる請求項3乃至5の何れか1項に記載の車体のフロアパネル構造。
  8. 上記振動モード調整構造の矩形状の剛性調整部は、その外周縁部に設けられた段差部と、この段差部の内方に設けられた突出部とを有し、これらの段差部及び突出部がそれぞれ立上がり部を備え、上記段差部の立上がり部が上記突出部の立上がり部よりも垂直に近い角度に形成されている請求項1、請求項2又は請求項5に記載の車体のフロアパネル構造。
  9. 車体のフレーム部材に接続され自動車のフロアを構成すると共に所定のモードの振動を発生させて音響放射の発生を抑制する振動モード調整構造を有し、この振動モード調整構造が円形状及び/又は矩形状の剛性調整部を備えた車体のフロアパネルの製造方法であって、
    上記剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整することにより、2×1モード又は2×2モードの振動を250Hz付近の周波数帯で発生させると共に1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができる場合には、円形状の剛性調整部を形成するステップと、
    上記円形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整しても、1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができない場合には、矩形状の剛性調整部を形成するステップと、
    を有することを特徴とする車体のフロアパネルの製造方法。
  10. 上記矩形状の剛性調整部を形成するステップは、上記剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整することにより、1×1モードの振動が発生しない又は1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができる場合には、その外周縁部に段差部を有さない矩形状の剛性調整部を形成する第1ステップと、上記矩形状の剛性調整部の寸法を所定の範囲で調整しても、1×1モードの振動が発生しない又は1×1モードの振動を160Hz付近以外の周波数帯で発生させることができない場合には、その外周縁部に段差部を有する矩形状の剛性調整部を形成する第2ステップと、を有する請求項9記載の車体のフロアパネルの製造方法。
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