JP4102172B2 - 酸化チタン固着シートおよびその製造方法 - Google Patents

酸化チタン固着シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面に酸化チタンを固着させた酸化チタン固着シートと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンは、異臭物質や菌等を分解する光触媒として、持続的な消臭機能や抗菌機能を有し、かつ毒性がないので、消臭剤や抗菌剤等の環境浄化素材として注目されている。酸化チタンは強い酸化力を発生するので、当初は、酸化に強いガラスやタイル等の無機物質に適用されていたが、近年は、酸化に弱い布や紙等の有機物質にも固着して、建築用内装材や衣類等のシート材にも適用可能とする開発が進められている。
【0003】
酸化力の強い酸化チタンを布や紙等のシートに固着する場合には、酸化チタンがシートの有機繊維組織を劣化させないように、その直接の接触を防止する必要がある。また、光触媒としての消臭機能や抗菌機能を確保するためには、酸化チタンの表面が大気と遮断されないように通気性を確保する必要がある。このようなことに留意して、シートの表面に皮膜形成性無機物含有層を設け、その上に酸化チタン含有層を積層した酸化チタン固着シートがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−173762号公報(第2−7頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の酸化チタン固着シートは、シートの有機繊維組織と酸化チタンとの接触を防止するために、酸化チタン含有層の下地としてコロイダルアルミナ等から成る皮膜形成性無機物含有層を塗設しているので、この下地層を形成する工程を余分に必要とする問題がある。また、この下地層の形成によって、シートの柔軟性が損なわれる問題もある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、下地層の形成を必要とせず、かつ、酸化チタン表面の大気との通気性が確保された酸化チタン固着シートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明の酸化チタン固着シートは、布または紙のシートの表面に酸化チタンを固着させた酸化チタン固着シートにおいて、前記酸化チタンを表面に多孔質シリカの膜が形成された粉末とし、この酸化チタン粉末を前記シートの生地に塩化カルシウムで固着した構成を採用した。
【0008】
すなわち、シートの生地に固着させる酸化チタンを表面に多孔質シリカの膜が形成された粉末とすることにより、これを下地層の形成なしで直接シートの生地に固着させても、酸化チタンが生地に接触しないようにするとともに、酸化チタン表面の大気との通気性も確保されるようにした。シートの生地としては、植物繊維、動物繊維、合成繊維、およびこれらを混紡した織物、ならびに、これらの不織布や紙を採用することができる。
【0009】
前記表面に多孔質シリカの膜を形成した酸化チタンは、マスクメロン構造の酸化チタン(以下、マスクメロン型酸化チタンという)として岐阜県繊維試験場で開発され、酸化チタンのスラリーをシランアルコキシドの膜材で表面処理して乾燥したのち、500℃程度で焼成することにより製造可能とされている(山下,「繊維素材の劣化を抑える光触媒粉末」,工業材料,1999年6月,第47巻,第6号,p.75〜77)。
【0010】
前記シートの生地に、粉状活性炭を塩化カルシウムで固着させることにより、消臭効果の速効性を高めることができる。活性炭は、異臭物質を吸着するので消臭機能に速効性があり、酸化チタンの消臭機能の持続性と相俟って優れた消臭効果を発揮させることができる。
【0011】
また、この発明の酸化チタン固着シートの製造方法は、布または紙のシートの表面に酸化チタンを固着させた酸化チタン固着シートの製造方法において、前記シートの生地を、表面に多孔質シリカの膜が形成された酸化チタン粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液に浸漬して、前記酸化チタン粉末を生地の表面に付着させ、これを乾燥した後に、塩化カルシウム溶液に浸漬して乾燥することにより、前記酸化チタン粉末をシートの生地に、塩化カルシウムで固着させる方法を採用した。
【0012】
すなわち、マスクメロン型酸化チタンの粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液にシートの素材生地を浸漬することにより、アルギン酸ナトリウムをバインダとして、多数のマスクメロン型酸化チタンを生地に付着させ、これを乾燥した後に、塩化カルシウム溶液に浸漬して乾燥することにより、下地層を形成することなく簡単な工程で、マスクメロン型酸化チタンをシートの生地に強固で効率よく固着できるようにした。
【0013】
前記アルギン酸ナトリウム溶液に粉状活性炭を分散させることにより、この粉状活性炭も前記シートの表面に付着させて、前記塩化カルシウムでシートの生地に固着させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1および図2は、第1の実施形態を示す。この酸化チタン固着シートは、ポリエステルとレーヨンを混ぜた不織布のシートの表面に、平均粒径が約15μmのマスクメロン型酸化チタンを塩化カルシウムで固着したものである。
【0015】
図1は、その製造工程を示す。まず、粉末付着工程では、前記マスクメロン型酸化チタンの粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液に、不織布の素材生地を常温で浸漬してマスクメロン型酸化チタンを生地に付着させ、これを第1乾燥工程で乾燥させる。つぎに、固着工程では、乾燥させた生地を塩化カルシウム溶液に常温で浸漬して、生地に付着したマスクメロン型酸化チタンを塩化カルシウムで固着させ、最後に、これを第2乾燥工程で乾燥させることにより、マスクメロン型酸化チタンが強固に生地に固着される。
【0016】
図2(a)、(b)は、それぞれ第1乾燥工程後と、最後の第2乾燥工程後の不織布の生地を電子顕微鏡で観察した写真を示す。拡大倍率は、いずれも700倍である。これらの写真から分かるように、第1乾燥工程では多数のマスクメロン型酸化チタンが生地の繊維組織に付着され、これらが第2乾燥工程後に、塩化カルシウムで強固に固着されている。また、各マスクメロン型酸化チタンは、生地の表面に露出しているので、酸化チタン表面の大気との通気性も確保されている。
【0017】
図3は、第2の実施形態を示す。この酸化チタン固着シートは、第1の実施形態のものと同じ不織布の表面に、平均粒径が約15μmのマスクメロン型酸化チタンの他に、粉状活性炭も固着させたものであり、図1に示した粉末付着工程で、粉状活性炭もアルギン酸ナトリウム溶液に分散させた点のみが、第1の実施形態のものと異なる。
【0018】
図3は、前記第1乾燥工程後の不織布の生地を電子顕微鏡で観察した写真を示す。拡大倍率は、図2のものと同じ700倍である。この写真から分かるように、この酸化チタン固着シートは、マスクメロン型酸化チタンの他に、これよりも細かい多数の粉状活性炭が生地の繊維組織に付着されている。第2乾燥工程後の電子顕微鏡写真は省略するが、マスクメロン型酸化チタンと粉状活性炭は、第1の実施形態と同じ固着工程と第2乾燥工程で、塩化カルシウムにより生地に強固に固着される。
【0019】
上述した実施形態では、シートの生地を不織布としたが、本発明に係る酸化チタン固着シートの生地は、植物繊維、動物繊維、合成繊維、およびこれらを混紡した織物や、紙とすることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明の酸化チタン固着シートは、酸化チタンを表面に多孔質シリカの膜が形成された粉末として、これを塩化カルシウムで生地に固着させることにより、直接シートの生地に固着させても酸化チタンが生地に接触しないようにしたので、下地層を形成することなく生地の劣化を防止でき、かつ、酸化チタン表面の大気との通気性も確保して、優れた消臭機能と抗菌機能を発揮することができる。
【0021】
また、この発明の酸化チタン固着シートの製造方法は、マスクメロン型酸化チタンの粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液にシートの生地を浸漬することにより、アルギン酸ナトリウムをバインダとして、多数のマスクメロン型酸化チタンを生地に付着させ、これを乾燥した後に、塩化カルシウム溶液に浸漬して乾燥することにより、マスクメロン型酸化チタンを生地に塩化カルシウムで強固に固着するようにしたので、下地層を形成することなく簡単な工程で、酸化チタンの生地との接触を防止でき、かつ、酸化チタン表面の大気との通気性も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の酸化チタン固着シートの製造工程を示す工程図
【図2】a、bは、それぞれ図1の工程における酸化チタン固着シートを示す電子顕微鏡写真
【図3】第2の実施形態の酸化チタン固着シートを示す電子顕微鏡写真

Claims (4)

  1. 布または紙のシートの表面に酸化チタンを固着させた酸化チタン固着シートにおいて、前記酸化チタンを表面に多孔質シリカの膜が形成された粉末とし、この酸化チタン粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液に前記シートの生地を浸漬して、酸化チタン粉末を生地の表面に付着させ、これを乾燥した後に、塩化カルシウム溶液に浸漬して乾燥することにより、前記酸化チタン粉末を前記シートの生地に塩化カルシウムで固着したことを特徴とする酸化チタン固着シート。
  2. 前記シートの生地に、粉状活性炭を塩化カルシウムで固着させた請求項1に記載の酸化チタン固着シート。
  3. 布または紙のシートの表面に酸化チタンを固着させた酸化チタン固着シートの製造方法において、前記シートの生地を、表面に多孔質シリカの膜が形成された酸化チタン粉末を分散させたアルギン酸ナトリウム溶液に浸漬して、前記酸化チタン粉末を生地の表面に付着させ、これを乾燥した後に、塩化カルシウム溶液に浸漬して乾燥することにより、前記酸化チタン粉末をシートの生地に、塩化カルシウムで固着させるようにしたことを特徴とする酸化チタン固着シートの製造方法。
  4. 前記アルギン酸ナトリウム溶液に粉状活性炭を分散させ、この粉状活性炭も前記シートの表面に付着させて、前記塩化カルシウムでシートの生地に固着させた請求項3に記載の酸化チタン固着シートの製造方法。
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