JP4101633B2 - ゴム強化樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム強化樹脂の製造方法に関する。さらに詳しくは、乳化重合法によって得られるABS樹脂等のゴム強化樹脂ラテックスから、乾燥時における炭化特性に優れ、成形時における熱変色も少なく、かつ、衝撃強度も高い成形品が得られるABS樹脂に代表されるゴム強化樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム強化樹脂として知られるABS樹脂等のゴム強化樹脂を乳化重合法で製造する場合、ゴム状重合体の存在下に、スチレン系単量体およびこれと共重合可能なアクリロニトリル系単量体などとを重合開始剤を用いて乳化重合させ、得られたゴム強化樹脂ラテックスに、酸化防止剤、ついで凝固剤を加えて凝固し、得られた凝固物を分離し、水洗、脱水、乾燥等の工程を経て粉末の形態(以下ゴム強化樹脂クラムという)で得られる。
上記の製造法で重要なことは、乾燥工程における熱安定性にすぐれたゴム強化樹脂クラムを得ることである。すなわち、ゴム強化樹脂クラムの熱安定性が著しく劣る場合は、この工程において、火災を引起す危険性が高くなる。一般に、ゴム強化樹脂クラムの熱安定性に対しては、これに含まれるゴム状重合体の含有率、使用された重合開始剤の種類と量、凝固剤の種類、酸化防止剤の種類と量、等が影響を与えるものと考えられている。ゴム強化樹脂クラムの乾燥工程における熱安定性を高めるためには、先ず、ゴム状重合体の含有率を可及的に低くする方法がある。しかし、ゴム状重合体の含有率は得られるゴム強化樹脂クラムの物性バランスや生産性を考慮した場合、30〜60重量%程度と高めとするのが好ましいので、余り少ない含有率とするには問題がある。また重合開始剤については、レドックス系のものと過硫酸塩系のものとがあり、前者のレドックス系重合開始剤を用いた場合、得られるゴム強化樹脂成形品の衝撃強度が大きく、また成形時の熱変色性が小さい、という点からみると、前者の方が後者に較べてより好ましいが、その反面、ゴム強化樹脂クラムの乾燥工程における熱安定性の点からみると、前者のレドックス系重合開始剤の方が劣るという課題がある。また、凝固剤については、アルカリ土類金属塩と酸類が挙げられ、酸類を用いた方が熱安定性の点から好ましいが、その反面、得られるゴム強化樹脂成形品の衝撃強度が劣る傾向にある。さらに、凝固工程で生成したゴム強化樹脂の凝固物は濾別し、分離されるが、この分離したゴム強化樹脂の凝固物を、pH(水素指数)が7以下に調整された洗浄水によって洗浄を行うことにより、ゴム強化樹脂の凝固物中またはその表層に残存している各種助剤(重合開始剤、乳化剤、凝固剤およびこれらの反応生成物等)が洗い流されることも知られている。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
しかし、pHを7以下とした洗浄水を得るためのpH調整助剤としては、一般に使用される塩酸、硫酸、リン酸等の酸類では、ゴム強化樹脂に不純物として含有され、ゴム強化樹脂の成形時、金型の汚染あるいは腐食、押出スクリューの腐食の原因となり、近年、これが大きな問題となっている。さらに、ゴム強化樹脂の品質においては、耐熱性の低下、熱安定性低下による色調変化及び炭化特性の低下、透明性ゴム強化樹脂にあっては透明性の低下などの原因となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−217005号公報
【特許文献2】
特開平1−297402号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乾燥時における炭化特性に優れ、成形時における熱変色も少なく、かつ、衝撃強度も高い成形品が得られるゴム強化樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、凝固工程で生成した凝固物を、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸の中から選ばれた有機酸を含有するpH7以下の洗浄水により洗浄することにより、炭化特性が著しく改善されたゴム強化樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記のゴム強化樹脂の製造方法が提供される。
[1]ゴム状重合体の存在下に、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体との混合物を、重合開始剤を用いて乳化重合して得られるゴム強化樹脂ラテックスからゴム強化樹脂を製造する方法において、ゴム強化樹脂ラテックスにアルカリ土類金属塩を加えて、このゴム強化樹脂ラテックスを凝固させる工程および生成した凝固物を、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸の中から選ばれた有機酸を含有するpH7以下の洗浄水により洗浄する工程を含むことを特徴とするゴム強化樹脂の製造方法。
[2]上記洗浄を終了した凝固物を、さらに、pHを7.5以上の洗浄水により洗浄する工程を含むことを特徴とする上記[1]に記載のゴム強化樹脂の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴム強化樹脂の製造方法の実施の形態を具体的に説明する。
本発明のゴム強化樹脂の製造方法は、ゴム状重合体の存在下に、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体との混合物を、重合開始剤を用いて乳化重合して得られるゴム強化樹脂ラテックスから、ゴム強化樹脂を製造する方法において、ゴム強化樹脂ラテックスにアルカリ土類金属塩を加えて、このゴム強化樹脂ラテックスを凝固させる工程および生成した凝固物を、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸の中から選ばれた有機酸を含有するpH7以下の洗浄水により洗浄する工程を含むことを特徴とする。
以下、各構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0009】
本発明の方法は、まず、ゴム状重合体の存在下に、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体との混合物を、重合開始剤を用いて乳化重合(以下、「グラフト共重合」という場合がある。)させ、ゴム強化樹脂ラテックスを生成させる。
本発明の方法において用いられるゴム状重合体としては、例えばポリブタジエンラテックス、ブタジエンと共重合する他の単量体との共重合体ラテックス、アクリルゴムラテックス、エチレン−プロピレン共重合ゴムラテックス、水素添加ブタジエン系ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス等のゴム状ラテックスが挙げられる。ブタジエンと共重合する他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン系化合物、アクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステル等があげられる。
【0010】
このようなゴム状重合体ラテックスはゴム状重合体をヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの有機溶媒に溶解後、高速撹拌しながら脂肪酸のアルカリ金属塩、不均化ロジン酸の金属塩などの乳化剤を添加して再乳化する方法、乳化剤の存在下で単量体を重合させる方法等がある。後者のゴム状重合体ラテックスを製造する際に用いられる乳化剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、不均化ロジン酸の金属塩などがあげられる。これらは単独でも、両者を併用して使用することもできる。脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等があげられる。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等があげられる。乳化剤の存在下で単量体を重合させる際に用いられる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、有機パーオキサイド、鉄塩などのレドックス系のもの等が挙げられる。また、必要があれば、メルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化物等の重合調節剤やピロリン酸ナトリウムや塩化カリウム、等の電解質も、重合時の重合助剤として用いることができる。
【0011】
ゴム状重合体ラテックスは、そのままビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体とグラフト共重合することもできるが、ラテックスに含まれるゴム状重合体の平均粒子径が0.15μm以下の場合は、酸または酸無水物、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、無水酢酸等を添加して、ゴム状重合体の平均粒子径を0.15μm以上のものに肥大させてから、グラフト共重合する方が、ゴム強化樹脂の衝撃強度を高める上でより好ましい。
ゴム状重合体の平均粒子径を肥大させる場合、平均粒子径の異なるゴム状重合体ラテックスを別個に粒径肥大させ、肥大させたあと混合してビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体とグラフト共重合に用いることもできる。なお、前記、酸または酸無水物を添加してゴム状重合体の平均粒子径を肥大させたあと、苛性ソーダ、苛性カリ等の塩基性物質および/またはスルホン酸系の界面活性剤をラテックス中に加えることが、ラテックスの貯蔵安定性およびグラフト共重合時に生成するゴム強化樹脂ラテックスの安定性を保つ上で好ましい。
【0012】
本発明の方法では、上記ゴム状重合体ラテックスに、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体をグラフト共重合させる。ビニル芳香族系単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等があげられる。また、これと共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン系化合物、アクリル酸、メタクリル酸、それらのメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチルエステルのようなアクリル酸エステル系化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド系化合物、さらにグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、メタクリル酸アミノプロピルなどのアミノ基含有モノマー、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシル基含有モノマー、ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有モノマー等が具体例として挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸アリルのような二官能性単量体を少量混合することもできる。
【0014】
前記ゴム状重合体とこれにグラフトさせる単量体との比率は、得られるゴム強化樹脂中におけるゴム状重合体の比率が30〜80重量%の範囲になるように選択するのが好ましい。この範囲を超えると、外観、衝撃強度が劣り、また、30重量%以下では生産性が低下し経済性が劣るので、好ましくない。
【0015】
グラフト共重合させる際に使用される重合開始剤としては、過硫酸塩、または、有機パーオキサイドと鉄塩等と組み合せたレドックス系のものがあげられる。有機パーオキサイドの具体例としてはクメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシド、イソプロピルモノカーボネート等があげられる。また、上記鉄塩としては硫酸第一鉄があげられ、これに糖類、ナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレートなどのような補助還元剤や、EDTAなどのようなキレート化剤などを併用することができる。
【0016】
グラフト共重合させる際に使用される乳化剤としては、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。さらに、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩などを持つものが挙げられる。この両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。これらの他の乳化剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0017】
乳化剤の使用量は、上記単量体成分100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。0.01重量部未満では、乳化重合時の安定性が劣り、一方10重量部を超えると、得られるゴム状重合体の弾性が低下し、耐衝撃性が劣るものとなる。なお、他の乳化剤の使用量は、上記単量体成分100重量部に対し、好ましくは3重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下、特に好ましくは1.5重量部以下であり、3重量部を超えると、残留するフリー乳化剤が多く、得られるゴム強化樹脂や熱可塑性重合体組成物の金型汚染が発生したり、熱安定性が低下し好ましくない。
【0018】
また、必要に応じ、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなど通常の乳化重合で使用される分子量調節剤が使用できる。さらに、硫酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウムなどを通常の乳化重合で使用される電解質が使用できる。これらは1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0019】
グラフト共重合させる際に、ゴム状重合体に加えられる単量体、乳化剤、重合開始剤、重合調節剤等は、一括添加、分割添加、あるいは連続添加のいづれかの方法によってもよい。重合温度は、通常、0〜95℃、好ましくは30〜90℃、さらに好ましくは40〜90℃、重合時間は、通常、1〜10時間である。
【0020】
本発明の方法では、上記グラフト共重合反応を経て生成したゴム強化樹脂ラテックスに、酸化防止剤の乳濁液を混合し、アルカリ土類金属塩の水溶液を加えてこのラテックスを凝固させることが好ましい。
ここで、用いられる酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエステル系酸化防止剤あるいは、これらの混合物があげられる。これら酸化防止剤を乳濁液とする際に使用可能な助剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、スルホン酸系や非イオン系の界面活性剤があげられ、乳濁液調整時に苛性ソーダ、苛性カリのようなアルカリ類を加えてもよい。
【0021】
また、凝固剤としては、硫酸マグネシウムや塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩が適用される。なお、酸を用いて凝固させることは、ゴム強化樹脂の粉末から得られる成形品の衝撃強度を低下させるだけでなく、少量残存する酸または脂肪酸の生成に起因すると考えられる成形時における焼けの発生、および成形機の腐蝕発生を招くので、好ましくない。
前記凝固工程で生成したゴム強化樹脂の凝固物は濾別し、分離されるが、本発明方法では、この分離したゴム強化樹脂の凝固物を、pH(水素指数)が7以下に調整された洗浄水で洗浄することを必須とするものである。このように、pHを7以下とした酸性の洗浄水によって洗浄を行うことにより、ゴム強化樹脂の凝固物中またはその表層に残存している各種助剤(重合開始剤、乳化剤、凝固剤およびこれらの反応生成物等)が洗い流されるか、または熱に対して安定なものに変化するものと推定される。
【0022】
pHを7以下とした洗浄水を得るためのpH調整助剤としては、有機酸を用いる。
有機酸は、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボン酸類、クエン酸などのトリカルボン酸類などのカルボン酸類が使用される。ポリカルボン酸類が好ましく、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの炭素数8以下のヒドロキシポリカルボン酸類がより好ましく、特にクエン酸が好ましい。
【0023】
酸性で洗浄する場合には、洗浄水のpHを7以下に調整する。特に好ましくは6.5〜3.0の範囲に調整する。この範囲を外れると、ゴム強化樹脂が変質したり、洗浄効果が得られ難くなる。本発明の方法では、上記洗浄を終了したゴム強化樹脂の凝固物を、さらに、pHを7.5以上とした塩基性の洗浄水によって再洗浄することが好ましい。このような塩基性の洗浄水によって再洗浄を行うことにより、ゴム強化樹脂の凝固物中またはその表層に残存している洗浄に使用した酸類を含む各種助剤が、塩基性状態で洗い流されるか、または中和等によって、熱に対して安定なものに変化するために、本発明の目的が達成されるものと推定される。
【0024】
pHを7.5以上とした洗浄水を得るためのpH調整助剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アンモニア(水)、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の公知の塩基類を用いることができる。ゴム強化樹脂の凝固物を再洗浄する場合には、洗浄水のpHを7.5以上に調整する。特に好ましくは、7.5〜9.5の範囲に調整するのがよい。この範囲を外れると、ゴム強化樹脂が変質したり、洗浄効果が得られ難くなる。上記洗浄工程終了後の含水ゴム強化樹脂凝固物は、公知の脱水装置例えば、遠心脱水器等で脱水され、公知の乾燥装置例えば、流動乾燥機、ロータリードライヤー等によって加熱乾燥される。
【0025】
このようして得られる本発明のゴム強化樹脂は、ゴム状重合体のまわりにビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体成分がグラフト重合した重合体(グラフト成分)と、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体成分だけの共重合体(マトリックス成分)との混合物とからなる。
【0026】
本発明ゴム強化樹脂のグラフト成分のグラフト率は、10〜200%、好ましくは25〜140%、さらに好ましくは40〜130%である。ここで、上記グラフト率(%)は、ゴム強化樹脂1g中のゴム成分重量をx、アセトン不溶分重量をyとすると、次式により求められた値である。
グラフト率(%)=〔(y−x)/x〕×100
また、ゴム強化樹脂のマトリックス成分であるアセトン可溶分の極限粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測定)は、好ましくは0.1〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/gである。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、実施例、比較例中の部及び%は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
【0028】
残留有機酸量
凝固乾燥したゴム強化樹脂クラムを1.4−ジオキサンに溶解し、ジアゾメタンを用いてエステル化した後、ガスクロマトグラフィーによってゴム強化樹脂クラム中に含有される有機酸の重量%を分析した。
炭化特性
凝固乾燥したゴム強化樹脂クラムを50メッシュの篩で分別し、50メッシュを通過したゴム強化樹脂クラムを用意した。用意したゴム強化樹脂クラムを、300mlのトールビーカーに、高さ6cmまで入れた。ゴム強化樹脂クラムの入ったトールビーカーを測定温度(160または180℃)に調整したギアーオーブン中に入れ、ゴム強化樹脂クラムが炭化するまでの時間(以下、炭化時間と略す:分)を測定した。炭化時間が長いほど、ゴム強化樹脂クラムの炭化特性が良好、すなわち、熱安定性に優れる。
【0029】
メルトフローレート(MFR)
凝固乾燥したゴム強化樹脂クラムとAS樹脂(テクノポリマー社製:商品名「SAN−B」)を40:60の割合で混合し、ベント付き二軸押出機を用い、シリンダー設定温度220℃で混練り押出して、ペレット化した。得られたペレットを十分乾燥した後、ASTM D1238に準じてMFR(g/10分)を測定した。測定荷重は10kgf、測定 温度は220℃である。
耐衝撃性シャルピー衝撃強度
上記で得られたペレットを十分乾燥した後、日本製鋼所社製、射出成形機J100E−C5を用い、シリンダー温度200℃、金型温度50℃で、ノッチ付き試験片(80mm×10mm×4mm)を成形し、ISO179に準じてシャルピー衝撃強度(KJ/m2)を測定した。
ロックウェル硬度(Rh)
上記で得られたペレットを十分乾燥した後、日本製鋼所社製、射出成形機J100E−C5を用い、シリンダー温度200℃、金型温度50℃で、平板試験片(80mm×39mm×3.2mm)を成形し、ISO2039に準じてロックウェル硬度を測定した。
【0030】
実施例1
ブタジエン系ゴム状重合体ラテックスの製造
撹拌装置、加熱冷却装置、および原料添加配管を備えた容量300リットルの反応器に、脱イオン水125.4kg、高級脂肪酸ナトリウム3.4kg、ピロ燐酸ナトリウム680gr、25%苛性ソーダ255g、スチレン1.7kg、t−ドデシルメルカプタン5 1g、ブタジエン15.3kg、および過硫酸カリウム127.5gを仕込み、67℃の温度で重合を開始した。この温度で重合反応を継続している途中、1時間経過時から5時間経過時までの間、スチレン6.8kg、t−ドデシルメルカプタン204g、および、ブタジエン61.2kgを反応器に連続添加し、6時間重合反応を継続した。ついで、内温を67℃から80℃に1時間半を要して昇温し、さらに2時30分反応を継続した。このあと直ちに内温を常温まで冷却し、ブタジエン−スチレンゴム共重合体ラテックス(「ラテックスA」と記す。)をえた。ラテックス中の固形分は40.7重量%、ラテックスに含まれるゴムの平均粒子径[米国コールター電子社製、ナノサイザーによる測定値]は0.07μmであった。
撹拌装置、加熱冷却装置、および原料添加配管を備えた容量40リットルの反応器に、前述のラテックスA14.7kg、脱イオン水2.4kgを仕込み、40℃の温度で、無水酢酸87g、脱イオン水1.9kgを添加混合した。約1分間混合撹拌後、放置した。放置10分経過後、β−ナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩63g、48%苛性カリ110g、脱イオン水880gを加え、撹拌混合し、粒子径の肥大したゴム粒子を含むブタジエン−スチレンゴム共重合体ラテックス(「ラテックスB」と記す。)をえた。このラテックスのpHは7.4、固形分29.5重量%、ゴムの平均粒子径(測定法は上に同じ)は0.35μmであった。
【0031】
ゴム強化樹脂ラテックスの製造
撹拌装置、加熱冷却装置、および原料添加配管を備えた容量40リットルの反応器に、前記ラテックスB16.8kg、硫酸第1鉄0.48g、ぶどう糖38.4g、脱イオン水1.2kgを仕込んだ。この反応器内温を70℃に昇温し、この温度に保持しつつ、クメンハイドロパーオキサイド24g、ロジン酸ソープ110g、10%苛性カリ194g、脱イオン水1.6kgを重合開始時から3時間30分を要して、連続添加し、グラフト共重合反応を続けた。さらに、スチレン3.36kg、アクリロニトリル1.44kg、t−ドデシルメルカプタン48gを重合開始15分経過後から3時間を要して反応器に連続添加した。そして、重合開始時から4時間30分を要して乳化重合反応を完結させた。得られたゴム強化樹脂ラテックス(「ラテックスC」と記す。)のpHは9.1、固形分は37.0重量%であった。
【0032】
ゴム強化樹脂クラムの製造
撹拌装置、加熱冷却装置、および原料添加配管を備えた容量100リットルの凝固槽に、脱イオン水60kg、および、硫酸マグネシウ1.2kgを入れ、90℃以上に加熱撹拌しながら、前記のラテックスCを20kg仕込んだ。このラテックスCにはトリエチレングリコールビス−3−(3−t−ブチル−4ヒドロキシ−5メチル−フェニル)プロピオネート55.6g、ジラウリルチオジプロピオネート55.6g、ラウリル硫酸ナトリウム10.8g、および脱イオン水840gの組成よりなる酸化防止剤の乳濁液を、あらかじめ混合しておいた。凝固槽では、ラテックスCの仕込みに応じてゴム強化樹脂が凝固した。つぎに、上記ゴム強化樹脂凝固物を含むスラリー液を濾別し、そのあと、脱イオン水60kg中にクエン酸17.6gを含む酸性液を用いてpH6.1の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、再度脱イオン水60kg中に水酸化カリウム8kgを含む塩基性液を用いてpH8.2の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、遠心分離器で脱水し、乾燥機により75℃の温度で48時間乾燥し、乾燥ゴム強化樹脂クラムを得た。得られた乾燥ゴム強化樹脂クラムについて、残留有機酸、炭化特性、メルトフローレート、衝撃強度、硬度の試験を行った。結果を、第1表に示す。
【0033】
比較例3
実施例1で得たラテックスCを用い、実施例1と同様の方法でラテックスを凝固処理して得られたゴム強化樹脂凝固物を含むスラリー液を濾別し、そのあと、蟻酸18.8gを含む脱イオン水60kgの酸性液を用い、pHが4.5の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、再度脱イオン水60kg中に水酸化カリウム8gを含む塩基性液を用いて、pH8.2の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、実施例1と同様に処理して、乾燥ゴム強化樹脂クラムを得た。得られた乾燥ゴム強化樹脂クラムについて、実施例1と同様に、各種の評価試験を行った。結果を第1表に示す。
【0034】
比較例1
実施例1で得たラテックスCを用い、実施例1と同様の方法でラテックスを凝固処理して得られたゴム強化樹脂凝固物を含むスラリー液を濾別し、そのあと、脱イオン水60kgで洗浄した。洗浄液を除去後、再度脱イオン水60kg中に水酸化カリウム8gを含む塩基性液を用いて、pH8.5の状態で洗滌した。洗浄液を除去後、実施例1と同様に処理して、乾燥ゴム強化樹脂クラムを得た。得られた乾燥ゴム強化樹脂クラムについて、実施例1と同様に、各種の評価試験を行った。結果を第1表に示す。
【0035】
比較例2
実施例1で得たラテックスCを用い、実施例1と同様の方法でラテックスを凝固処理して得られたゴム強化樹脂凝固物を含むスラリー液を濾別し、そのあと、リン酸35.7gを含む脱イオン水60kgの酸性液を用い、pHが4.5の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、再度脱イオン水60kg中に水酸化カリウム8gを含む塩基性液を用いて、pH8.2の状態で洗浄した。洗浄液を除去後、実施例1と同様に処理して、乾燥ゴム強化樹脂クラムを得た。得られた乾燥ゴム強化樹脂クラムについて、実施例1と同様に、各種の評価試験を行った。結果を第1表に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004101633
【0037】
表1から本発明の方法によれば、残留有機酸が少なく、炭化特性に優れ、種々の特性が良好であることが分かる。これに対して、アルカリ土類金属塩でゴム強化樹脂ラテックスを凝固した凝固物を通常の脱イオン水で洗浄し、さらに洗浄液を除去後、pH7以上の洗浄水で洗浄した比較例1では、得られるゴム強化樹脂の炭化特性が著しく劣ることが分かる。また、通常使用されているリン酸を含有するpH7以下の洗浄水を用いた比較例2では、得られるゴム強化樹脂の炭化特性が劣ることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、ゴム強化樹脂を製造する際に、凝固工程後の凝固物の洗浄工程で、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸の中から選ばれた有機酸を含有するpHを7以下に調整した洗浄水で洗浄するというものであり、これによって含水ゴム強化樹脂を乾燥する際の熱安定性が向上するとともに、ゴム強化樹脂の物性を低下させる乳化剤等に由来する有機酸の残留量が減少することができる。

Claims (2)

  1. ゴム状重合体の存在下に、ビニル芳香族系単量体およびこれと共重合可能な単量体との混合物を、重合開始剤を用いて乳化重合して得られるゴム強化樹脂ラテックスからゴム強化樹脂を製造する方法において、ゴム強化樹脂ラテックスにアルカリ土類金属塩を加えて、このゴム強化樹脂ラテックスを凝固させる工程および生成した凝固物を、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸の中から選ばれた有機酸を含有するpH7以下の洗浄水により洗浄する工程を含むことを特徴とするゴム強化樹脂の製造方法。
  2. 上記洗浄を終了した凝固物を、さらに、pHを7.5以上の洗浄水により洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム強化樹脂の製造方法。
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