JP4100978B2 - 開裂溝付き密閉型電池 - Google Patents

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  • Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池外装缶に形成された開裂溝が、電池膨張時に開裂して開口を形成することにより電池内のガスを排出する構造の密閉型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化、高エネルギー密度化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
【0003】
このような非水電解質二次電池は、高温条件にさらされた場合や、または適正でない充放電を行った場合には、電池内で多量のガスが発生し、このガスにより電池が破裂したり、発火する危険性がある。このため、電池内のガスは速やかに電池外に放出させる必要がある。
【0004】
電池内のガスを電池外に放出させる技術としては、既に種々提案されている。例えば、特開平11−273640号公報には、図18、19に示されるように、外装缶の開放穴に溶接された封口板3の一部に、ドーム状の薄肉の開裂溝13を形成し、内圧が上昇した場合、開裂溝を開裂させて電池内のガスを速やかに電池外に放出する安全装置が提案されている。
【0005】
この安全装置は、作動圧を低くするために、開裂溝13の厚みを薄くする必要がある。例えば、1.5〜2.0Mpaの圧力で安全装置を作動させるには、開裂溝13の厚みを20μm程度とする必要があるが、このように開裂溝13の厚みを薄くした場合には、開裂溝13の製造上の厚み公差を非常に小さな範囲に規制する必要があり、それゆえ歩留りが悪くなって、電池の製造コストが上昇する。
【0006】
また、開裂溝13の厚みを極めて薄くすると、落下等により電池に衝撃が加えられた場合、開裂溝13にクラック等が生じる。これにより、電解液が漏れる等の問題が生じる。加えて、上記のように、面積が小さい封口板3に開裂溝13を形成したものでは、開裂溝13の面積も小さくせざるを得ないため、電池内部で発生したガスを速やかに電池外に放出することができなかった。
【0007】
他方、図15に示すように、電池外装缶側面のうち面積の大きい側面10の一隅の近傍に開裂溝13を形成し、電池膨張時には図16に示すように、当該開裂溝13が開裂して開口14が形成されることにより電池内のガスを排出する構造の安全装置が提案されている。このような構造であれば、開裂溝13の残肉厚をある程度大きくしても、電池膨張時には四隅の近傍領域では極めて大きな歪みが生じるため、電池膨張時には当該開裂溝13が確実に開裂する。したがって、製造時における開裂溝13の残肉厚の公差を特開平11−273640号公報における場合よりも大きくすることができる。したがって、歩留りの低下がなく、電池の製造コストがほとんど上昇しない。加えて、電池落下等の衝撃が加えられた場合であっても、開裂溝13にクラック等が生じにくいので、電解液漏れを防止できる。
【0008】
しかしながら、上記の技術では、図16、図17に示すように、開裂溝が電池膨張時に形成される凸部稜線の一つとしか交差していないため、開裂溝の開口の面積が小さい。その結果、電池内部で熱溶解したセパレータ等の電池構成材料が開口に詰まり、電池内のガスを円滑に排出することができない場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたものであって、電池内部のガスを電池外に排出させるための開裂溝を有する電池において、開裂溝の開裂により形成される開口の面積を大きくすることができ、無用な開裂に起因する電解液漏れを防止できる電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、電池膨張時に開裂する開裂溝が形成された外装缶と、前記外装缶に収納された方形形状の電極体と、前記外装缶の開口を封口する封口体と、を有する開裂溝付き電池において、前記開裂溝は、前記外装缶の外表面を構成する面のうち最も面積の広い外表面に設けられ、且つ、電池膨張時に当該面に形成される凸部稜線の二つ以上と交差する位置に設けられ、且つ前記開裂溝は、前記開裂溝の形成された外表面に垂直な方向から見て、当該電極体の各隅を基点に、当該基点と電極体上の任意の点との距離を1:9に内分する点の集合からなる領域を除いたその余の電極体領域上と重ならない位置に設けられていることを特徴とする。
【0011】
電池膨張時に生じる凸部稜線の近傍では極めて大きな歪み力が生じるため、開裂溝の残肉厚をある程度厚くしても、電池膨張時には当該開裂溝が確実に開裂する。このような開裂溝が凸部稜線の二つ以上と交差するように設けられていると、大きな歪み力の作用を受けて開裂するので、図4(b)に示すように大きな開口が形成される。したがって、熱溶融したセパレータ等によって開口が詰まることがなく、電池内で発生したガスを確実に且つ速やかに電池外に排出することができる。
【0012】
また、前記開裂溝は、前記外装缶の外表面を構成する面のうち最も面積の広い外表面に設けられていることが好ましい。
【0013】
外装缶の面積の小さい面は、電池膨張時の変形量が面積の広い面に比べ小さいため、この面に開裂溝を形成すると、開裂するためにより大きな圧力が必要となる。また、面積が小さいと、その分開口も小さくなる。このため、速やかにガスを排出し難いが、最も面積の広い面に開裂溝が設けられた上記構成によると、比較的低い圧力で開裂し、且つ大きな開口が得られるので、速やかにガスを排出することができる。
【0014】
また、前記電極体は方形形状に形成され、前記開裂溝は、前記開裂溝の形成された外装缶面に垂直な方向から見て、当該電極体の各隅を基点に、当該基点と電極体上の任意の点との距離を1:9に内分する点の集合からなる領域を除いたその余の電極体領域上と重ならない位置に設けられていることが好ましい。
【0015】
電池膨張時には、外装缶だけでなく電池内部に収納された電極体も膨張する。図12(b)に示すように、電極体中央部は大きく膨張し、端部の膨張は小さい。特に、電極体を開裂溝が形成された外装缶面に対し垂直な方向から見て、当該電極体の各隅を基点に、電極体上の任意の点を1:9に内分する点の集合からなる領域101(四隅近傍1%面積領域と呼ぶことがある)はほとんど膨張しない(図14(c)参照)。したがって、図14(a)に示すように、開裂溝が、電極体の各隅を基点に、電極体上の任意の点を1:9に内分する点の集合からなる領域を除いた領域102(主領域と呼ぶことがある)と重なっていると、開裂溝が開裂したときに、膨張した電極体が開口部分と接触してショートし、発熱、燃焼する可能性がある。図14(b)に示すように、開裂溝が、四隅近傍1%面積領域101と重なっている場合であっても、膨張した電極体と開口部分が接触することはないし、全く重ならない場合においても電極体と開口との接触が生じない。したがって、上記構成によると、ショートを防止できるので、さらに安全性が向上する。
【0016】
また、前記開裂溝は、電池膨張時に生じる二つ以上の凸部稜線のそれぞれと略直角に交差することが好ましい。
【0017】
電池膨張時に生じる凸部稜線と直交する方向では、より大きな歪み力が働く。したがって、上記構成であると、他の角度で交差する場合に比べ低い圧力で開裂溝を開裂させることができるので、安全性がさらに優れる。
【0018】
また、開裂溝の深さ(図5のt1の大きさ)は、外装缶の厚みの25〜75%の範囲であることが好ましい。この範囲より浅い溝であると開裂に高い圧力が必要になり、またこの範囲より深い溝であると、電池落下時等に開裂溝が破れて電解液が漏れ出す危険性があるからである。
【0019】
電池膨張時に形成される凸部稜線は、電池の側面における長手方向と短手方向との長さが余り変わらない場合には、図4に示すように、隅部における長辺との角度θが約45°となるように形成されるが、電池の長手方向と短手方向との長さが大きく変わる場合には必ずしも上記θが略45°になるとは限らない。但し、上記θの範囲は、一般的に30〜60°程度に限定されるので、この範囲に形成される凸部稜線の2つ以上と開裂溝13とが交差するように設計すれば良い。凸部稜線12は、四隅の近傍領域において、隅部からθの角度で形成され始め、そして、電池の大面積の側面における長手方向の中央領域において、前記長辺とほぼ平行に形成される。また、凸部稜線とほぼ直角に交差とは、上記の範囲に形成される凸部稜線と75〜105°の角度で交差することである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0021】
図1は本発明電池の平面図、図2は図1のA−A線矢視部分断面図、図は本発明電池の通常状態を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。図10は本発明電池が膨張した状態を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。図5は図3のB−B線矢視部分断面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、本発明の非水電解液電池は、有底筒状のアルミニウム合金製の外装缶2(側面部の厚み:0.25mm)を有しており、この外装缶2内には、アルミニウムから成る芯体にLiCoO2 を主体とする活物質層が形成された正極と、銅から成る芯体に黒鉛を主体とする活物質層が形成された負極と、これら両電極を離間するセパレータとから成る偏平渦巻状の電極体1が収納されている。また、上記外装缶2内には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とが体積比で4:6の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6 が1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液が注入されている。更に、上記外装缶2の開放孔にはアルミニウム合金から成る封口板3がレーザー溶接されており、これによって電池が封口されている。
【0023】
上記封口板3は、ガスケット6、絶縁板7及び導電板8と共に、挟持部材9により挟持されており、この挟持部材9上には負極端子4が固定されている。また、上記負極から延設される負極タブ5は、上記導電板8と挟持部材9とを介して、上記負極端子4と電気的に接続される一方、上記正極は正極タブ(図示せず)を介して、上記外装缶1と電気的に接続されている。
【0024】
ここで、図に示すように、上記外装缶1の最も面積の広い側面10の隅部11の近傍領域に開裂溝13が形成される。この開裂溝13は、図4に示すように、電池膨張時に側面10に形成される凸部稜線12(折れ曲がり線であって、図4のように小面積の側面との角度θが約45°となるように形成される)の二つ以上と交差するように円弧状を成しており、電池膨張時に当該開裂溝13が開裂して開口する。これにより電池内のガスを電池外に排出される。また、図5に示すように、上記開裂溝の深さt1は0.1mmであり、当該開裂溝13に対応する部分の残肉厚t2は0.15mmとなるように形成されているため、当該開裂溝13における残肉量が十分に確保されている。
尚、上記電池の大きさは、縦50mm、横34mm、厚み4.6mmである。
【0025】
上記非水電解質二次電池は、公知の材料、方法を用いて作製することができる。具体的には、正極材料としてはコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複合酸化物、負極材料としては黒鉛、コークス等の炭素質物、リチウム合金、金属酸化物等、非水溶媒としてはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等、電解質塩としてはLiN(CF3SO22、LiPF6等をそれぞれ単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。また本発明は、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等に利用することもできる。
【0026】
本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池を以下のようにして作製した。コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質90質量部と、アセチレンブラックからなる炭素系導電剤5質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して活物質スラリーとした。
【0027】
この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極芯体の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.17mmになるようにロールプレス機により圧延して正極を作製した。
【0028】
黒鉛からなる負極活物質95質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して活物質スラリーとした。この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmの銅箔からなる負極芯体の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.14mmになるようにロールプレス機により圧延して負極を作製した。
【0029】
エチレンカーボネート(EC)40質量部と、ジエチルカーボネート(DEC)60質量部とが混合された非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1M(モル/リットル)となるよう溶解させ、電解液を作製した。
【0030】
上記のように作成した正極と負極に、それぞれ正極リードあるいは負極リードを取り付けた後、両極をオレフィン系樹脂からなる微多孔膜(厚み:0.025mm)からなるセパレータを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせた。この後、巻き取り機により巻回し、最外周をテープ止めすることにより扁平渦巻状電極体1を作成した。
【0031】
一方、上記の工程と並行して、アルミニウム合金製の薄板を絞り加工することにより、外装缶2を形成した。この外装缶2における面積の最も広い側面10に図4に示す形状の開裂溝13をエッチング法やプレス加工等により形成した。また、アルミニウム合金製の薄板を用いて封口板3を作製した。この後、この封口板3、ガスケット6、絶縁板7及び導電板8を挟持部材9により挟持させ、しかる後、導電板8と電極体1から導出される負極タブ5とを溶接し、電極体1を外装缶2に挿入した。そして、外装缶2と封口板3とをレーザー溶接した後、封口板1の透孔より外装缶2内に電解液を注入し、更に挟持部材9上に負極端子4を固定することにより、本発明に係る開裂溝付き電池を作製した。
【0032】
(実験1)
封口板3、電池外装缶2及び電極体1のみを用い(即ち、電解液等を用いないで)、封口板3と電池外装缶2とをレーザー溶接した。そして、注液孔より空気を電池内に送り込んで電池内部を加圧し、開裂溝が作動すると同時に加圧を中止して、開裂溝が作動したときの電池内部圧力(開裂溝の作動圧)、及び電池内部の圧力が大気圧に戻るまでの時間を調べた。その結果は表1に示す。尚、図3に示す形状の開裂溝を有する外装缶を用いたセルを参考セルa、図15に示す形状の開裂溝を有する外装缶を用いたセルを比較セルxとし、試料数は、各セル10個である。
【0033】
【表1】
【0034】
表1から明らかなように、開裂溝の作動圧について、参考セルaは比較セルxと比べ、約0.04MPa程度低い作動圧で作動すること、及び電池内部の圧力が大気圧に戻るまでの時間は、参考セルaでは平均4.12秒と、比較セルxの平均12.85秒よりも三倍以上早く復帰していることが認められた。また、応答圧の分散が参考セルaでは0.06MPaと、比較セルxの0.14MPaよりも倍以上優れている。この結果から、圧力に対する応答の確実性に優れていることがわかる。
【0035】
ここで、参考セルaと比較セルxとの開裂溝が開口するに至るまでの状態を、それぞれ、図8(a)〜(d)、図17(a)〜(d)を用いて説明する。加圧当初は図8(a)及び図17(a)に示すように、全く電池の膨らみはみられないが、加圧を続けると図8(b)及び図17(b)に示すように、四隅の近傍で凸部稜線12が生じ始める。そして、一段と加圧が進むと図8(c)及び図17(c)に示すように、稜線が連通され、最後には稜線が形成された状態で電池が大きく変形して、図8(d)及び図17(d)に示すように、開裂溝が開口する。
【0036】
上記において、比較セルxでは、図16に示すように、溝の寸法が小さいため開口の面積が十分に大きくならないのに対して、参考セルaでは、図4に示すように、開裂溝13が、二つの凸部稜線12と交差しているため、一定圧になると確実に開口し、且つ開裂溝の開口の面積が大きくなる。つまり、上記の実験結果は、電池圧力に対する応答性の良さと、開口面積の大きさに起因すると考えられる。
【0037】
参考例1)
図3に示す形状の開裂溝が形成された外装缶を用いた以外は、上記実施の形態と同様にして、参考例1に係る参考電池Aを作製した。
【0038】
(実施例2)
上記実施の形態と同様にして、実施例2に係る本発明電池Bを作製した。
【0039】
(実験2)
上記のように作製した電池A,Bを用いて、下記の条件で過充電試験を行い、開裂溝が作動するまでの時間と、電池外部の最高到達温度、燃焼の有無を調べた。下記表2に結果を示す。尚、試料数は、各電池5個である。
【0040】
(過充電試験)
過充電条件:定電流740mA(1C)または1480mA(2C)
【0041】
【表2】
【0042】
発煙または燃焼が生じた電池を、上記表2において異常発生と表記した。
【0043】
表2から明らかなように、図14に示すように開裂溝が形成された面に垂直な方向から見た場合において、開裂溝が、主領域102と重なる位置に形成されている参考電池Aでは、開裂溝作動後、燃焼したものがあるのに対し、図14に示すように四隅近傍1%面積領域101とは重なるが、四隅近傍1%面積領域を除いた主領域102と重ならない位置に形成されている本発明電池Bでは、開裂溝が作動後に発煙や燃焼したものはないことがわかる。
【0044】
参考電池A及び本発明電池Bは、図8、図11に示すように、電池膨張に伴い開口するが、図12(b)、図13(b)に示すように、電池膨張時には、外装缶だけでなく、内部に収納された電極体も膨張する。特に、主領域102は大きく膨張し、四隅近傍1%面積領域101はほとんど膨張しない。参考電池Aでは、図14に示すように、開裂溝が主領域102と重なる位置に形成されているため、電極体の主領域102と、外装缶の開口14とが接触、ショートする場合がある(図12参照)。表2において、一部の電池が発煙、燃焼に至ったのは、このショートに起因するものと考えられる。他方、本発明電池Bでは、図14に示すように、開裂溝が四隅近傍1%面積領域101とは重なるが主領域102と重ならない位置に形成されているため、電極体と外装缶の開口部分とが接触する事がなく(図13参照)、ショートによる発煙や燃焼が発生しなかったと考えられる。
【0045】
尚、上記実施の形態では非水電解質二次電池を作製したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等、他の種類の電池に利用することができる。
【0046】
また、上記実施の形態では開裂溝の深さを100μmとしているが、この深さに限定するものではなく、電池の種類(要求される開放圧)や、外装缶の材質等を考慮して、変えることができることは勿論である。但し、一般的には、外装缶の厚みの25〜75%程度であることが望ましい。また、図5では、三角である形状の溝を示したが、この形状に限定する必要はなく、台形状等他の形状の溝であってもよい。また、上記実施の形態では封口板及び外装缶としてアルミニウム合金を用いたが、これに限定するものではなく、鉄等の公知の材質でも良い。
【0047】
上記実施の形態では、大面積の側面における封口体近傍領域にしか開裂溝13が形成されていないが、このような構造に限定するものではなく、側面10における四隅近傍領域の二以上の凸部稜線と交差する形状であれば、図6に示すような形状であってもよい。また、開裂溝の凸部稜線と交差する部分は曲線ではなく直線であってもよいし、このような構成を有する開裂溝が、外装缶の一つの側面と、外装缶の他の側面とに設けられていてもよく、外装缶の一つの側面に二つ設けられていてもよい(図7参照)。
【0048】
また、電池膨張時に形成される凸部稜線12は、外装缶の側面における長手方向と短手方向との長さが余り変わらない場合には、図4に示すように、隅部における長辺との角度θが約45°となるように形成されるが、電池の長手方向と短手方向との長さが大きく変わる場合には必ずしも上記θが略45°になるとは限らない。但し、上記θの範囲は、一般的に30〜60°程度になるので、この範囲に形成される凸部稜線12の二つ以上と開裂溝13とが交差するように設計すれば良い。凸部稜線12は、四隅の近傍領域において、隅部からθの角度で形成され始め、そして、電池の大面積の側面における長手方向の中央領域において、前記長辺とほぼ平行に形成される。
【0049】
加えて、本発明は、方形の外装缶を有する電池に関するものであるが、そのすべての面が方形である必要はなく、電池の角の部分が曲面になっている形状の外装缶であってもかまわない。
【0050】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、開裂溝形成のために歩留りが悪くなったり、電池の製造コストが高くなったり、落下等の衝撃による溝に開裂のために電解液が漏れることを防止しつつ、開裂溝の開口面積を大きくすることができる。これにより、電池内圧が所定圧に達すると、応答性よく開裂し、電池内のガスを電池外に速やかに排出させることのできる開裂溝付き電池が低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明電池の平面図である。
【図2】 図1のA−A線矢視部分断面図である。
【図3】 参考電池の通常状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図4】 参考電池が膨張した状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図5】 図3のB−B線矢視部分断面図である。
【図6】 本発明電池の変形例を示す正面図である。
【図7】 本発明電池の他の変形例を示す正面図である。
【図8】 同図(a)〜(d)は参考電池Aの膨張過程を示す斜視図である。
【図9】 実施例3に係る本発明電池Bの通常状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図10】 実施例に係る本発明電池Bが膨張した状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図11】 同図(a)〜(d)は本発明電池Bの膨張過程を示す斜視図である。
【図12】 参考電池Aが膨張した状態を示す図であって、同図(a)は開口部の部分拡大図、同図(b)は開口部断面図である。
【図13】 本発明電池Bが膨張した状態を示す図であって、同図(a)は開口部の部分拡大図、同図(b)は開口部断面図である。
【図14】 (a)は参考電池Aの溝の形状と、電池内部に収納された電極体との位置関係を示す図、(b)は本発明電池Bの溝の形状と、電池内部に収納された電極体との位置関係を示す図、(c)は電極体であって、大きく膨張する領域と、ほとんど膨張しない領域とを区別した図である。
【図15】 従来電池の通常状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図16】 従来電池が膨張した状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図17】 同図(a)〜(d)は比較電池Xの膨張過程を示す斜視図である。
【図18】 他の従来電池の通常状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図19】 他の従来電池が膨張した状態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。

Claims (2)

  1. 電池膨張時に開裂する開裂溝が形成された外装缶と、前記外装缶に収納された方形形状の電極体と、前記外装缶の開口を封口する封口体と、を有する開裂溝付き電池において、
    前記開裂溝は、前記外装缶の外表面を構成する面のうち最も面積の広い外表面に設けられ、且つ、電池膨張時に当該面に形成される凸部稜線の二つ以上と交差する位置に設けられ、
    且つ前記開裂溝は、前記開裂溝の形成された外表面に垂直な方向から見て、当該電極体の各隅を基点に、当該基点と電極体上の任意の点との距離を1:9に内分する点の集合からなる領域を除いたその余の電極体領域上と重ならない位置に設けられている、
    ことを特徴とする開裂溝付き密閉型電池。
  2. 請求項1に記載の開裂溝付き密閉型電池において、
    前記開裂溝は、前記二つ以上の凸部稜線のそれぞれと略直角に交差することを特徴とする開裂溝付き密閉型電池。
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