JP4100830B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電印刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像するためのトナー、またはトナージェット方式の画像形成方法におけるトナー像を形成するためのトナーの製造方法に関し、特にトナーで形成されたトナー像を転写材の如きプリントシートに加熱加圧定着させる定着方式に供されるトナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電潜像を顕像化して画像形成する方法において、代表的なものとして電子写真法が挙げられる。電子写真法は米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されている如く、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し、複写物あるいはプリント物を得るものである。そして感光体上に転写されず残ったトナーは、必要により種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
上述のようなトナーは、一般に主成分が樹脂及び着色剤からなり、さらに必要に応じて荷電制御剤及び定着助剤等を含有する粒子である。通常その粒子径は数〜数十ミクロンの範囲である。このトナーは結着樹脂中に染料、顔料あるいは磁性体の如き着色剤を混合、溶融し、着色剤を結着樹脂中に分散させた後、粉砕及び分級するいわゆる粉砕法によって製造されている。
【0004】
近年、電子写真法は高画質なフルカラー出力、コンピュータ用のプリンターによる高精細出力として広く使われるようになってきた。従って、その要求も高画質、省電力等種々の性能が必要となってくる。また、種々の環境下において安定した画像出力が要求され、さらにその画像の品質も多数枚の出力によっても左右されない安定したものであることが要求されている。特に省電力化に対する要求は大きくトナーの低Tg化が望まれている。
【0005】
粉砕法トナーでは、樹脂中にワックス等の可塑剤を添加することなどにより低Tg(ガラス転移温度)化をはかっているが、粒子内部の組成が均一であるために、トナーの保存安定性を考えた場合には限界があった。そこで、低いTgをもつトナー粒子の表面を高いTgをもつ樹脂でコーティングするという、いわゆるカプセルトナーが種々提案されているが、製法的にも困難であり、実用的ではない。一方、低Tg樹脂粒子に顔料を機械的撹拌により固定化するという製法が提案されているが、製造時の条件によっては撹拌により発生する熱でトナーの凝集物ができたり、顔料がうまく固着されずに、使用時に剥がれ落ち、画像に悪影響を与える場合が多かった。また、トナー表面に露出した顔料は帯電性にも悪影響を及ぼしやすく、特に環境による変化が厳しいのが現状であった。さらに機械的撹拌により顔料を付着させる場合、顔料をトナー粒子に均一に付着させることは難しく、トナー表面への付着量のムラが生じる場合があった。これによりトナーの帯電分布が不均一となり、現像性や転写性に悪影響を及ぼす場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、上記の問題点を解決したトナーの製造方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、顔料をトナー粒子の表面近傍に均一に付着及び固着させ、現像性や転写性に優れ、高品位な高画質画像が得られるトナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、省電力化を鑑み、耐ブロッキング性を満足し、かつ低温定着が可能なトナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、低温低湿下でも十分な画像濃度が得られ、多数枚の複写動作によっても画質低下のないトナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的は、以下の本発明によって達成することができる。
【0010】
すなわち、本発明は、少なくとも樹脂および顔料を有するトナーの製造方法において、
a)媒体A中で、顔料粒子を少なくともアニオン性またはカチオン性界面活性剤により分散させ、トナーを形成する樹脂粒子と混合することにより、該顔料粒子を該樹脂粒子表面に静電的に付着させ着色粒子を得る工程、
b)軟化剤を該着色粒子に吸収させる工程、
c)該軟化剤を該着色粒子より除去する工程
を順次有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0011】
本発明の特徴は、着色トナーを作製する工程を2つに分けたことである。すなわち、第1段階では、顔料粒子を樹脂粒子に軽く付着させ、次いで第2段階として、付着した顔料を粒子内部へ固着させる工程を設けたことである。さらに、第1段階の顔料付着工程において、顔料を粒子表面に静電気力により均一に付着させることが本発明の特徴である。これにより、トナー表面近傍に顔料粒子を均一に固着することが可能となり、個々のトナーの帯電性が均一となることにより、現像性や転写性に優れたトナーを製造することが可能となった。また、トナー樹脂のTgが低くても粒子同士の合一がなく、顔料の欠落もないトナーを製造することが可能となった。さらに、顔料は比較的トナー粒子の表面近傍に存在することにより、低温定着性と内部の低Tg樹脂の遮蔽効果による耐ブロッキング性が飛躍的に向上していることがわかった。また、粒子表面に顔料が露出しているものと比べると、帯電の立ち上がりも良好で、環境差による帯電の変化が小さい場合が多く、さらには多数枚の複写動作においても安定的な帯電性が得られることがわかった。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、前述の第1段階である樹脂粒子に顔料粒子を付着させる好ましい方法として次の方法が挙げられる。即ち、顔料粒子を少なくともアニオン性あるいはカチオン性の分散剤を含有する水系媒体と混合し、ホモジナイザー等の高速撹拌機、超音波分散器、メディア粒子を用いる分散機等により細かく分散させる。一方、トナーを形成する樹脂粒子は、あらかじめ同様の水系媒体中に分散させておく。そして、両者を混合し、撹拌することにより、樹脂粒子表面に均一に同様の顔料粒子を付着させることができる。
【0013】
本発明に用いることができるアニオン性またはカチオン性の界面活性剤は、公知のものが使用可能である。具体的には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、混合して使用することもできる。これらの分散剤は、着色粒子100重量部に対して0.01〜5.0重量部を使用することが好ましい。また着色粒子100重量部に対して、300〜3000重量部の水を用いて水系媒体とすることが好ましい。
【0014】
本発明に用いることのできる顔料としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン顔料が挙げられる。
【0015】
イエロー顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0016】
マゼンタ顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0017】
シアン顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0018】
これらの顔料は、単独又は混合して使用することもでき、さらには固溶体の状態で用いることもできる。顔料の添加量は、磁性体を用いた場合には樹脂粒子100重量部当たり40〜150重量部添加することが好ましく、その他の顔料を用いた場合には、樹脂粒子100重量部当たり5〜20重量部添加することが好ましい。本発明のトナーに使用できる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属の合金及びその混合物が挙げられる。
【0019】
また、本発明において、粒子表面に付着した顔料粒子を固着するには、軟化剤を一時的に粒子に吸収させることが必須である。好ましい方法として以下の方法が挙げられる。前述の水系媒体A中に分散した顔料付着粒子と、高速撹拌機や超音波ホモジナイザー等で水中に微分散した軟化剤とを混合撹拌し、軟化剤を粒子に吸収させることにより、軟化剤が着色粒子に選択的に吸収され、同時に粒子表面の顔料が油滴状態となった粒子中に固着される。ここで用いることのできる媒体Aとしては、主に水が用いられるが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等を混合して用いても良い。
【0020】
また、本発明において用いることのできる軟化剤としては、トナーに含有される樹脂成分によって異なるが、具体的には例えば3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル1−ヘキサノール等の長鎖アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル等の酢酸アルキルエステル類;酢酸クレシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸フェニル、酢酸ナフチル、酢酸ベンジル等の酢酸エステル類;フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジドデシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル類;シクロヘキサノン等のケトン類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の硫黄、窒素含有有機化合物類等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、混合して使用することもできる。
【0021】
分散系を形成する工程においては、トナー粒子及び軟化剤が十分に分散されていることが重要である。そのためには、例えばホモジナイサー、ホモミキサーなどの機械的撹拌器や超音波ホモジナイサー等の超音波分散機等を好適に用いることができる。
【0022】
本発明においては、着色粒子および軟化剤液滴を良好に分散するために分散剤を用いることができる。本発明に用いる分散剤は、公知のいかなる分散剤も使用することができる。具体的には例えば、有機系化合物としてはポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等を用いることができる。無機系酸化物としてはリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0023】
更に好ましくは、上述のような無機系酸化物であって難水溶性であり、酸に可溶性の難水溶性無機分散剤を用いることがよい。これらの分散剤の分散性を向上させるために、トナー100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。
【0024】
これらの難水溶性無機分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るために、分散媒体中、高速撹拌下にて該難水溶性無機分散剤を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで好ましい分散剤を得ることができる。
【0025】
本発明において前記軟化剤を前記着色粒子に吸収させる工程においては、少なくとも着色粒子の沈殿が起こらない程度に撹拌することが必要である。この好適な速度は系の大きさ、トナー母粒子の濃度などによって異なるが、あまり遅すぎても速すぎても粒子の合着が起こり粒子の粗大化を招く。また、吸収速度などを調節するために撹拌とともに加熱又は冷却してもよい。加熱する場合には、トナー粒子に含有される結着樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度が好ましい。また冷却する場合には、0℃以上の温度範囲が好ましい。
【0026】
さらに本発明において、前記軟化剤の25℃における水(媒体A)に対する溶解度が1×10-6乃至10の範囲であることが好ましい。その理由は定かではないが、本発明におけるトナー粒子へ軟化剤を吸収させる工程においては、水に微量溶解した軟化剤が拡散により着色粒子へ吸収されるものと考えられる。このため、軟化剤の水に対する溶解度が1×10-6を超えない範囲では拡散速度が遅すぎて、十分に着色粒子へ軟化剤が吸収されない。また10を超える範囲では、水との混和性が良すぎるために着色粒子へ選択的に軟化剤が吸収されず、軟化剤の添加量を大きくしなければならない場合や、樹脂成分が水系媒体中に可溶化してしまい、樹脂粒子間の合一などが起こる場合があり、好ましくない。ここで、軟化剤とは、主に室温で液体状態であり、かつ水系分散媒体に不溶で、該分散媒体中で油滴を形成することができ、着色粒子中の樹脂を溶解または膨潤する有機溶媒を示す。すなわち着色粒子に軟化剤が吸収されることによって、着色粒子に含有される樹脂成分が軟化し、粒子表面に付着していた顔料が粒子中に取り込まれるものと考えられる。
【0027】
以上の方法により、着色粒子に軟化剤を吸収させて油滴化した後は、緩やかに軟化剤を除去することが大切である。本発明において軟化剤を除去する工程においては、分散系を加熱したり、室温で撹拌したり、減圧したりすることにより着色粒子から軟化剤を除去してもよいし、軟化剤を溶解し、かつトナー成分を溶解しない溶媒で洗浄してもよく、またこれらを組み合わせてもよい。上記の要件を満たす溶媒としては、具体的には例えばメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等があげられる。
【0028】
本発明における樹脂粒子の製造方法としては、樹脂、ワックス等を溶融混練・冷却し、冷却された混練物を粉砕するいわゆる粉砕法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法、単量体は可溶であるが得られる重合体は不溶な親水性有機溶媒を用いる分散重合法、水溶性重合開始剤の存在下で重合を行う乳化重合法などの重合法、さらに、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い、溶融混合物を空気中に霧化し樹脂粒子を得る方法などの公知のいかなる製造方法も用いることができる。更に必要であれば、上記のトナーの製造方法に、分級操作や、外添などトナーとしての機能付与したものを樹脂粒子として用いることもできる。
【0029】
更に本発明では様々な特性付与を目的として、以下に示すようなトナーの添加剤を用いることもできる。
【0030】
トナーの摩擦帯電特性を安定化するために、あらかじめ樹脂粒子に荷電制御剤を含有させておいても良い。この場合、トナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。樹脂粒子の作製に重合法を用いる場合には、重合阻害性がない荷電制御剤が特に好ましい。具体的には、ネガ系制御剤としては、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等の金属化合物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖にもつ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が好ましい。ポジ系制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましい。これら荷電制御剤は、結着樹脂100重量部に対し0.5乃至10重量部添加することが好ましい。
【0031】
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等)が好適に用いられる。これらは疎水化処理を行ったものがより好ましい。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)が好適に用いられる。滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)が好適に用いられる。荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)、カーボンブラック等が好適に用いられる。
【0032】
これらの流動性付与剤は、トナー粒子100重量部に対し0.1乃至10重量部用いられ、好ましくは0.1乃至5重量部が用いられる。これらの添加剤は、単独で使用しても良いし、複数を併用しても良い。
【0033】
本発明のトナーは一成分系現像剤として用いることもできるし、キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることもできる。
【0034】
樹脂粒子、トナー粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量計(M−DSC TA−インスツルメンツ社製)を用いて測定する。測定試料は10mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜120℃、昇温速度1℃/分で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±1.0℃、周波数1/minで測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線において、吸熱ピークのオンセット値をガラス転移温度(Tg)とする。
【0035】
本発明で使用する摩擦帯電量の測定方法を記載する。トナーとキャリアを現像剤化するとき適当な混合量(トナー2〜15重量%)となるように混合し、ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体(現像剤)を、底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器に入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0036】
Q(μC/g)=(C×V)/(W1−W2)
(式中、W1は吸引前の重量であり、W2は吸引後の重量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である。)
【0037】
【実施例】
以下に本発明を実施例をもって説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0038】
トナー粒子の作製例は以下のように、樹脂粒子の作製、着色粒子の作製、顔料固着処理の3工程に分けて示し、それぞれの組み合わせによる実施例をもって評価する。
【0039】
[樹脂粒子の作製例A]
・ポリエステル樹脂 100重量部
(重量平均分子量7.5万,数平均分子量3500,酸価10,Tg=58℃;ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとフマル酸及び1,2,5−ヘキサントリカルボン酸の重縮合体)
・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分に予備混合を行い、二軸押し出し混練機により温度140℃で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、ついでエアージェット式粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して樹脂粒子Aを得た。得られた樹脂粒子Aのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、55℃であった。
【0040】
[樹脂粒子の作製例B]
反応容器にイオン交換水700重量部と0.1M−Na3PO4水溶液510重量部を投入し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液75重量部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 240重量部
・n−ブチルアクリレート 60重量部
・スチレン−メタクリル酸共重合体 7重量部
(重量平均分子量=240000,モノマー重量比=90:10)
・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 3重量部
・2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 10重量部
上記材料を前記水系媒体中に投入し、TK式ホモミキサーにて10000rpmで15分間撹拌しつつ単量体組成物を分散し造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ75℃で20時間反応させた。得られたスラリーを室温まで冷却した後、分散液を静置し4日間放置した。放置後の上澄み液を取り除き、イオン交換水を加え撹拌機により撹拌し洗浄した。得られた分散液は加圧濾過器によりイオン交換水でさらに3回洗浄され、乾燥後、樹脂粒子Bを得た。得られた樹脂粒子Bのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、53℃であった。
【0041】
[樹脂粒子の作製例C]
・メタノール 290重量部
・ポリビニルピロリドン 45重量部
・スチレン 70重量部
・n−ブチルアクリレート 30重量部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 1重量部
・2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5重量部
からなる組成物を反応容器中に投入し、窒素を40cc/minでバブリングしながら溶液を20℃で30分よく撹拌した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ0.5mg/ccであった。次いで内温を58℃に調節しながら16時間窒素雰囲気下で重合した。
【0042】
室温まで冷却した後、分散液を静置し、4日間放置した。放置後の上澄み液を取り除き、メタノールを加え撹拌機により撹拌し洗浄した。この操作を4回繰り返した。最後に水により洗浄、濾過、乾燥を行い、樹脂粒子Cを得た。得られた樹脂粒子Cのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、52℃であった。
【0043】
[着色粒子の作製例c]
・イオン交換水 200重量部
・カーボンブラック(デグサ製:一次粒径20nm) 50重量部
.カチオン性界面活性剤 0.5重量部
・ガラスビーズ(0.5mmφ) 200重量部
を混合したのち、ペイントシェーカーにより約10時間分散させた。
【0044】
一方、
・樹脂粒子 40重量部
・イオン交換水 160重量部
・ポリビニルアルコール(重合度500) 1重量部
を混合し、超音波ホモジナイサーにより十分に分散させた。
【0045】
次いで、前記顔料分散液10重量部と前記樹脂粒子分散液100重量部を混合し、超音波ホモジナイサーで約10分間撹拌し、黒色の着色粒子を得た。
【0046】
[着色粒子の作製例d]
着色粒子の作製例cのカーボンブラックをキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)に変えたほかは作製例cと同様の操作を行い、マゼンタ色の着色粒子を得た。
【0047】
[顔料固着処理例γ]
・0.3重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液1000重量部
・酢酸イソアミル(溶解度0.2) 3重量部
を別途混合し、超音波ホモジナイザーを用いて25℃以下の温度で10分間分散することにより、軟化剤である酢酸イソアミルのエマルジョンを形成した。
【0048】
上記エマルジョンを、200rpmで撹拌した着色粒子の分散液に投入した。投入後しばらくおいてから光学顕微鏡で粒子を観察すると、軟化剤のエマルジョンが着色粒子に吸収され、均一に球形に膨らんだ粒子が観察された。
【0049】
ついでこの分散液を約一昼夜撹拌し、軟化剤である酢酸イソアミルを蒸発させた。その後、蒸発しきれなかった軟化剤を除去するために、得られた分散液をメタノール中に投入し、よく撹拌した後、濾過を行った。この操作を3回くりかえし、顔料固着粒子(トナー粒子)を得た。
【0050】
また、得られたトナーの性能評価は、次に示す観点で行った。
【0051】
[トナーの表面性および粒度分布]
得られたトナー粒子の電子顕微鏡写真により、トナー表面の顔料固着の均一性と、粒度分布を観察した。
【0052】
[帯電性]
トナー5重量部に対して、平均粒径が35μmのフェライトコアにシリコーン樹脂コートしたキャリア95重量部をポリ瓶に入れターブラーミキサーで2分間混合撹拌した。
【0053】
この現像剤を低温低湿下(15℃/10%)および高温高湿下(30℃/85%)にそれぞれ24時間放置した後、帯電量の測定をし、それぞれの帯電量の差ΔQを求めた。
【0054】
(評価基準)
A: ΔQ<5.0μC/g
B: 5.0μC/g≦ΔQ≦10.0μC/g
C:10.0μC/g<ΔQ
【0055】
[帯電均一性]
さらに、この現像剤を帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製)を用いて、(Q/M)分布の広がりを以下の基準に従って評価した。分布幅の評価はQ/M分布の標準偏差(σ)の平均値に対する比の値により判断した。
【0056】
(評価基準)
A: σ/(Q/M)≦1.0
B:1.0<σ/(Q/M)≦2.0
C:2.0<σ/(Q/M)
【0057】
[耐ブロッキング性]
得られたトナー5gをポリカップに入れ、50℃でブロッキング試験を行った。ブロッキング試験は、熱風式オーブンを所定の温度にセットし、その中で2日間放置した後、ポリカップを傾けその流動性を目視評価する。
【0058】
(評価基準)
A:さらさらとして、非常に良好
B:15°傾けて流動しないが、底を床にあてショックによりさらさらし、良好
C:ショックによりぼそぼそした流動を示し、実用上問題なし
D:ショックにより流動はするが、部分的に固まっている
E:全てが固まっている、不可
【0059】
[定着牲]
トナーの定着性は、キヤノン製カラーレーザーコピアCLC500の改造機を用いて定着前のベタ画像(反射濃度約1.4)を出力し、外部定着器による定着試験を行った。ローラーの直径は60mmであり、プロセススピードは50mm/sで行った。定着試験はA4サイズの転写紙上に長手方向に紙端から50mm余白を空けて幅20mm,長さ100mmのベタ画像出力した短冊を作り、その未定着画像を外部定着器の上部ローラーの温度を100℃に安定させた状態で短冊の長さ方向にそってローラーを通過させる。定着性は、画像部を乾いた布で擦り、その濃度低下率により評価した。摺擦は150gの荷重をかけた状態で行った。濃度測定はマクベス濃度計1200型を用いた。
【0060】
(評価基準)
A:濃度低下が10%以下
B:濃度低下が10%〜30%
C:濃度低下が30%以上
【0061】
[耐久性]
前記現像剤の耐久性を評価するために、その促進試験として現像スリーブの空回転試験を行った。スリーブの回転速度は250mm/secで、1時間行った。評価は、空回転前の現像剤と空回転後現像剤を用いてそれぞれ白地部の複写を行い、カブリ濃度(参照サンプルとの反射率の差)の増加具合によって判断した。カブリ濃度の測定はデンシトメーターTC−6MC(東京電色社製)を用いた。
【0062】
(評価基準)
A:カブリ濃度の上昇が2%以下
B:カブリ濃度の上昇が2〜4%
C:カブリ濃度の上昇が4%以上
【0063】
<実施例1〜3>
実施例1では、樹脂粒子を方法Bの懸濁重合法により作製し、Tg53℃の粒子を得た。続いて方法cでカーボンブラックをその樹脂粒子に付着させ、さらにその着色粒子を用いて、方法γによりカーボンブラックが固着されたトナーを作製した。得られたトナーを前述の評価方法に従って評価したところ、粒子表面には均一に顔料粒子が埋め込まれている様子が観察された。また、全体の粒度分布は樹脂粒子のものと比べて遜色のない分布が得られており、固着過程における粒子同士の合一がほとんど起こっていないことがわかった。また、帯電性はAで、帯電量分布は非常にシャープであり、評価はA。耐ブロッキング性はB。定着性は良好で、評価A。耐久性はAであった。粒子の観察に関して実施例2及び3のトナーは、実施例1と同様の観察結果が得られていた。
【0064】
以下、実施例2及び3についても同様に試験を行った。表1に、作製したトナーのリストとその評価結果を示す。
【0065】
<比較例1>
・樹脂粒子B 100重量部
・カーボンブラック(デグサ製:一次粒径20nm) 5重量部
をハイブリタイザーにより撹拌し、樹脂粒子にカーボンブラックを付着させ、得られた着色粒子を、固着方法γにより処理し、黒色トナー粒子を得た。これを実施例1と同様の評価を行ったところ、トナー粒子表面の顔料分布に多少のムラがあり、顔料の固まりが見られた。そのため、帯電性はAであったが、帯電量分布はブロードとなり、評価はCであった。また、定着性はAであったが、耐ブロッキング性と耐久性はともに評価Bであった。
【0066】
<比較例2>
・ポリエステル樹脂 100重量部
(重量平均分子量9万,数平均分子量4800,酸価8,Tg=55℃;ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとフマル酸及び1,2,5−ヘキサントリカルボン酸を重縮合して得られたもの)
・疎水化処理したカーボンブラック(デグサ製,一次粒径20nm)5重量部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分に予備混合を行い、二軸押し出し混練機により温度140℃で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、ついでエアージェット式粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級してトナー粒子Dを得た。得られたトナー粒子のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、54℃であった。
【0067】
得られたトナーを他と同様に評価したところ、帯電性はBで、帯電量分布は実施例のトナーに比べやや広く、評価はBであった。定着性はAであったが、耐ブロッキング性はトナー表面の樹脂による融着がおこり、評価はCであった。また、耐久性はトナーの融着に起因する帯電不良によりカブリが発生し、評価はCであった。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
本発明により、顔料をトナー粒子表面近傍に均一に付着及び固着することによって現像性・転写性に優れたトナーを得ることができ、さらには耐ブロッキング性を満足し、かつ低温定着が可能であり、低温低湿下でも十分な画像濃度が得られ、耐久によっても画質低下のないトナーの製造方法を提供することが可能となった。
Claims (3)
- 少なくとも樹脂および顔料を有するトナーの製造方法において、
a)媒体A中で、顔料粒子を少なくともアニオン性またはカチオン性界面活性剤により分散させ、トナーを形成する樹脂粒子と混合することにより、該顔料粒子を該樹脂粒子表面に静電的に付着させ着色粒子を得る工程、
b)軟化剤を該着色粒子に吸収させる工程、
c)該軟化剤を該着色粒子より除去する工程
を順次有することを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記a)工程において、媒体Aが水系媒体であり、b)工程において、該着色粒子分散液と微粒子化した軟化剤の液滴粒子とを混合撹拌する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記軟化剤は、25℃における媒体Aに対する溶解度が1×10-6乃至10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
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