JP4100330B2 - 薄膜測定方法及び薄膜測定装置 - Google Patents

薄膜測定方法及び薄膜測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4100330B2
JP4100330B2 JP2003379671A JP2003379671A JP4100330B2 JP 4100330 B2 JP4100330 B2 JP 4100330B2 JP 2003379671 A JP2003379671 A JP 2003379671A JP 2003379671 A JP2003379671 A JP 2003379671A JP 4100330 B2 JP4100330 B2 JP 4100330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
measurement object
thin film
measurement
reflected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003379671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005140726A (ja
Inventor
和美 土道
弘一 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to JP2003379671A priority Critical patent/JP4100330B2/ja
Publication of JP2005140726A publication Critical patent/JP2005140726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4100330B2 publication Critical patent/JP4100330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

本発明は、薄膜測定方法及び薄膜測定装置に関し、例えば、液晶デバイス(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等に用いられているガラス基板や透明樹脂基板等に光を照射し、その反射光より基板上に形成された薄膜の膜厚や光学定数(屈折率など)を計測するための、インライン計測に適した薄膜測定方法及び薄膜測定装置に関する。
LCDやPDPのガラス基板などの測定対象物に形成されている薄膜の膜厚を計測するための膜厚測定装置があるが、このような膜厚測定装置は、薄膜に向けて光を照射し、薄膜の表面と裏面とで反射される光の干渉を利用して薄膜の膜厚を計測するものである。
このような膜厚測定装置においては、測定対象物の背後にある背景からの反射光が膜厚測定装置内に取り込まれると、膜厚測定装置で計測している光量が増加して反射率のカーブが増大方向へシフトするので、膜厚計測誤差を生じる。従って、背景からの反射光は膜厚測定装置で観測されないようにできるだけ遮断する必要があるが、従来の膜厚測定装置では、背景からの反射光については考慮されていなかった。
測定対象物の背景からの反射光が膜厚測定装置に戻ってこないようにする方法としては、(1)測定対象物と背景との間に大きな距離を確保する方法、(2)背景で反射される光を計測光と異なる方向へ反射させる方法、(3)光学系の焦点深度を浅くする方法などが考えられる。基板と背景との間に大きな距離を確保する方法では、例えば図1に示すように、薄膜1を形成された測定対象物2を載置するテーブル3に開口4を設けることにより、光Lを反射する背景の位置を測定対象物から遠く離すようにすればよい。また、背景で反射される光Lを計測光と異なる方向へ反射させる方法では、例えば図2に示すように、測定対象物2を支持するテーブル3に斜面5を形成し、背景(斜面5)で反射された光Lが斜め方向へ反射されて膜厚測定装置内に入射しないようにすればよい。また、図3のように光学系の焦点深度を浅くする方法では、焦点深度の浅い受光光学系を用いて薄膜に焦点を合わせ、背景が膜厚測定装置の受光面に映り込まないようにすればよい。
ところで、最近では、製造ライン等に膜厚測定装置を設置し、製造ライン等からガラス基板等の測定対象物を抜き取ることなく、成膜プロセス中(in-situ)又はプロセス直後に測定対象物の全数検査を行うことが可能なインライン計測が望まれている。インライン計測によれば、製品歩留まりを向上させることができるので、このような計測方法に対するニーズが高まっている。しかし、上記(1)〜(3)のような背景対策では、いずれもスタンドアローン型の膜厚測定装置に制約されることになり、インライン計測に適用することは困難である。
すなわち、インライン計測に用いることのできる膜厚測定装置において、背景との距離を大きく離したり、背景となる部材に斜面を加工したりしようとすれば、膜厚測定装置を組み込もうとする既存の製造ラインや製造装置等を膜厚測定装置に合わせて改造したり、製造ラインや製造装置等を新しいものに取り換えたりする必要があり、膜厚測定装置の導入コストが増大し、インライン計測用の膜厚測定装置の導入が困難になる。
また、背景との距離を大きく離す方法では、膜厚測定装置の設置場所が制約を受けるので、製造ライン等に設けられている周辺機器や付属機器と干渉し、膜厚測定装置の設置場所が制限される。
さらに、膜厚測定装置の光学系の焦点深度を浅くする方法では、測定対象物の薄膜に対して焦点合わせをシビアに行わなければならないので、焦点合わせに時間と手間が掛かる。また、製造ラインを流れる測定対象物の検査では、測定対象物の位置バラツキが大きくなり、また搬送時の振動によって測定対象物が焦点位置から外れ易いので、焦点深度を浅くすると膜厚計測が困難になり、自動焦点調整のためのオートフォーカス装置などがなければ膜厚計測を行えない。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定対象物の背景からの反射光による計測誤差を小さくすることができ、しかも、インライン計測にも適した薄膜測定方法及び薄膜測定装置を提供することにある。
本発明の薄膜測定装置は、測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段と、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求める演算処理部とを備えた薄膜測定装置であって、前記演算処理部は、測定対象物を測定対象物設置位置から除去した状態において前記設置位置の背景から入射する光の分光特性を考慮して、透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を前記設置位置に設置した状態において前記測定対象物で反射した光の分光特性の理論式を算出する機能を備え、前記測定対象物を前記設置位置に設置した状態において前記測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるように構成されている。
ここで、背景の分光特性を取得する際の背景から入射する光には、撮像手段に直接入射する外乱光や測定対象物で反射して撮像手段に入射する外乱光は含まれなくてもよく(外乱光を遮断する。)、あるいは、外乱光が一定である場合には、外乱光が含まれていてもよい。
本発明の薄膜測定装置によれば、前記演算処理部が、測定対象物を測定対象物設置位置から除去した状態において前記設置位置の背景から入射する光の分光特性を考慮して、透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を前記設置位置に設置した状態において前記測定対象物で反射した光の分光特性の理論式を算出する機能を備えており、測定対象物の薄膜を形成されている基板が透明基板である場合において、測定対象物設置位置で測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、測定対象物の背景から入射する光の分光特性を考慮して算出された測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は屈折率等の光学定数を求めることができるので、測定対象物の背景で反射されて撮像手段に入射する光の影響を除去又は補正することができ、薄膜の膜厚や光学定数を精度良く計測することができる。しかも、受光光学系の焦点深度を浅くする必要がないので、製造ラインを搬送される測定対象物の計測にも適し、インライン計測が可能になる。更に、背景を加工したり、背景と測定対象物との距離を大きくとったりする必要がないので、製造ラインや製造装置等を改良したり、新しい設備に入れ替えたりする必要が無く、既存設備をそのまま生かしたレトロフィット方式で薄膜のインライン計測を可能にすることができる。
また、本発明の薄膜測定装置においては、測定対象物が測定対象物設置位置から除去された状態で背景から入射する光の分光特性は、測定対象物を測定対象物設置位置から除いた状態で背景のみの分光特性を薄膜測定装置により実測してもよく、あるいは、背景を構成する構成部材の光学定数に基づいて演算により求められたものでもよい。この実施態様においては、測定対象物が除去された状態で背景から入射する光の分光特性に基づき、測定対象物で反射した光の分光特性の理論式が自動的に算出されるので、分光特性の理論式を求めて薄膜測定装置に入力する必要がない。
本発明の薄膜測定装置の実施態様においては、測定対象物を載置するためのステージに、黒色アルマイト処理を施している。黒色アルマイト処理は、ステージの表面に形成するのが一般的であるが、ステージがガラス板等の透明板である場合には、ステージの裏面に形成してもよい。この実施態様によれば、ステージに黒色アルマイト処理を施しているので、背景であるステージからの反射光が少なくなり、薄膜の計測時のS/N比が大きくなって計測精度が向上する。なお、この実施態様によれば、ステージが既存の設備の一部である場合には、既存設備の一部改良が必要となるが、軽微な改良で済む。また、軽微の改良で済まないような場合には、既存のステージの表面に黒色アルマイト処理を施されたシートを接着させてもよい。
本発明の薄膜測定装置の別な実施態様においては、測定対象物が透明基板の上に薄膜を形成されたものである場合と、測定対象物が不透明基板の上に薄膜を形成されたものである場合とで計測方法を切替え可能とし、透明基板の上に薄膜を形成された測定対象物の場合には、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、測定対象物の背景から入射した光の分光特性を考慮して算出された測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにし、不透明基板の上に薄膜を形成された測定対象物の場合には、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、背景からの入射光の分光特性を考慮しない測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにしている。この実施態様によれば、測定対象物が透明基板である場合も、不透明基板である場合も、単一の装置によって薄膜を計測することができる。また、透明基板の測定対象物と不透明基板の測定対象物を計測できるようにしても、薄膜測定装置の操作が複雑になることが無く、薄膜計測を容易に行うことができる。
本発明の薄膜測定装置のさらに別な実施態様においては、測定対象物の複数点において薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにしているので、複数箇所で薄膜の膜厚や光学定数を求めることができ、薄膜の膜厚の変化や光学定数の傾斜特性を知ることができる。なお、上記複数の点としては、任意の点を選択できることが望ましい。
また、本発明の薄膜測定装置は、特に液晶表示パネルやプラズマディスプレイデバイス等の画像表示デバイスの製造ラインに組み込んでインライン計測するのに適しており、既存の設備を入れ替えたり改造したりする必要性が低いので、これらのラインへの導入が容易である。
本発明の第1の薄膜測定方法は、測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段とを備え、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにした薄膜測定方法であって、測定対象物の設置されていない測定対象物設置位置に前記投光部から光を照射することにより、背景から入射する光の分光特性を取得する工程と、透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を測定対象物設置位置に設置し、該測定対象物に前記投光部から光を照射することにより、測定対象物で反射された光の分光特性を取得する工程と、背景から入射した光の前記分光特性を用いて、測定対象物による反射光の分光特性の理論式を求める工程と、測定対象物で反射された光の前記分光特性と、測定対象物による反射光の分光特性の前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求める工程とを備えている。
本発明の第1の薄膜測定方法によれば、測定対象物の薄膜を形成されている基板が透明基板である場合において、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、測定対象物の背景から入射する光の分光特性を考慮して算出された測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は屈折率等の光学定数を求めることができるので、測定対象物の背景で反射されて撮像手段に入射する光の影響を除去又は補正することができ、薄膜の膜厚や光学定数を精度良く計測することができる。しかも、受光光学系の焦点深度を浅くする必要がないので、製造ラインを搬送される測定対象物の計測にも適し、インライン計測が可能になる。更に、背景を加工したり、背景と測定対象物との距離を大きくとったりする必要がないので、製造ラインや製造装置等を改良したり、新しい設備に入れ替えたりする必要が無く、既存設備をそのまま生かしたレトロフィット方式で薄膜のインライン計測を可能にすることができる。
しかも、第1の薄膜測定方法によれば、測定対象物の設置されていない測定対象物設置位置に照射することにより、背景から入射する光の分光特性を容易に取得することができ、1台の薄膜測定装置により背景の分光特性の計測と薄膜の膜厚等の計測とを同時に行うことができる。
本発明の第2の薄膜測定方法は、測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段とを備え、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにした薄膜測定方法であって、測定対象物設置位置における背景部材の光学定数に基づいて背景から入射する光の分光特性を求める工程と、透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を測定対象物設置位置に設置し、該測定対象物に前記投光部から光を照射することにより、測定対象物で反射された光の分光特性を取得する工程と、背景から入射した光の前記分光特性を用いて、測定対象物による反射光の分光特性の理論式を求める工程と、測定対象物で反射された光の前記分光特性と、測定対象物による反射光の分光特性の前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求める工程とを備えている。
本発明の第2の薄膜測定方法によれば、測定対象物の薄膜を形成されている基板が透明基板である場合において、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、測定対象物の背景から入射する光の分光特性を考慮して算出された測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は屈折率等の光学定数を求めることができるので、測定対象物の背景で反射されて撮像手段に入射する光の影響を除去又は補正することができ、薄膜の膜厚や光学定数を精度良く計測することができる。しかも、受光光学系の焦点深度を浅くする必要がないので、製造ラインを搬送される測定対象物の計測にも適し、インライン計測が可能になる。更に、背景を加工したり、背景と測定対象物との距離を大きくとったりする必要がないので、製造ラインや製造装置等を改良したり、新しい設備に入れ替えたりする必要が無く、既存設備をそのまま生かしたレトロフィット方式で薄膜のインライン計測を可能にすることができる。
しかも、第2の薄膜測定方法によれば、測定対象物設置位置における背景部材の光学定数に基づいて背景から入射する光の分光特性を求めているので、背景の分光特性を計測する手間が省ける。
なお、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
本発明の薄膜測定方法及び薄膜測定装置によれば、薄膜の膜厚や光学定数を精度よくインライン計測することができる。しかも、薄膜測定装置を設置する製造ラインや製造装置を入れ替えたり、改良を加えたりすることなく、あるいは改良を必要とする場合でも改良を最小にすることができ、安価なコストでインライン計測用の薄膜測定装置を導入することができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
まず、本発明にかかる薄膜測定装置の構成を説明する。図4は本発明の実施例1による、2次元膜厚計測の可能な薄膜測定装置11を示す全体構成図である。薄膜測定装置11は、センサヘッド部12と、演算処理部13と、外部インターフェイス(I/F)部とからなる。図示例では、外部インターフェイス部は、ディスプレイ装置14と、キーボード、マウス等の入出力機器15とで構成されている。また、センサヘッド部12と演算処理部13はケーブル16によって接続され、演算処理部13とディスプレイ装置14はケーブル17によって接続され、演算処理部13と入出力機器15はケーブル18によって接続されている。
図5は上記薄膜測定装置11の電気的構成を示すブロック図である。センサヘッド部12は、投光部19、受光部20、モニター部21、および電源部22からなる。センサヘッド部12においては、投光部19から出射された計測光Lが測定対象物23に投射され、測定対象物23で反射された計測光Lが受光部20で受光され観測される。モニター部21は、投光部19から出射される計測光Lの光強度の変動をモニターする働きをしており、投光部19から出射される計測光Lの一部を直接受光している。また電源部22は、投光部19、受光部20及びモニター部21に電力を供給してこれらを駆動する電源である。電源部22は、センサヘッド部12の内部に設けてあってもよく、また、演算処理部13内に取り付けるなど、センサヘッド部12に対して外付けとなっていてもよい。
演算処理部13は、投受光制御部24と、A/D変換部25と、ROM等の不揮発性メモリ26と、入出力制御部27と、表示制御部28と、これらを演算/制御するマイクロプロセッサ(CPU)等の主制御部29とからなる。投受光制御部24は、投光部19、受光部20、モニター部21及び電源部22を制御する。A/D変換部25は、受光部20とモニター部21からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。不揮発性メモリ26は、各種のプログラムを内蔵している。入出力制御部27は、ケーブル18を介してキーボード、マウス等の入出力機器15を接続される。表示制御部28は、ケーブル17を介してディスプレイ装置14を接続される。
しかして、投受光制御部24は、所定のタイミングで投光部19を発光させ、計測光Lを測定対象物23に照射させる。同時に、モニター部21は投光部19から出射された計測光Lの一部を受光し、その受光量に応じたモニター信号をケーブル16によりA/D変換部25へ出力する。モニター信号(アナログ信号)は、A/D変換部25によりデジタル信号に変換された後、主制御部29へ送られる。主制御部29はデジタル化されたモニター信号に基づいて投光部19から出射されている計測光Lの光強度を演算し、その光強度が所定の光強度と等しくない場合には、投受光制御部24を通じて投光部19を制御し、投光部19の光強度が所定の光強度となるようにフィードバック制御する。
また、受光部20で撮像された測定対象物23の画像信号は、ケーブル16を通じてA/D変換部25へ出力される。A/D変換部25でデジタル信号に変換された画像信号は、主制御部29へ送られ、後述のようにして薄膜の所定位置の膜厚が演算される。表示制御部28は、受光部20から出力された画像信号に基づいて測定対象物23の画像や膜厚の演算結果等をディスプレイ装置14に表示させる。また、入出力制御部27は、入出力機器15から例えば膜厚の計測位置や屈折率等のデータを入力されると、その計測位置データ等を主制御部29へ送信し、ハードディスク等の記憶装置(図示せず)に記憶させる。
図6は上記センサヘッド部12の光学的構成を示す概略図である。センサヘッド部12内の投光部19は、光源30と投光光学系とからなり、投光光学系は、投光レンズ31、ハーフミラー32及び対物レンズ33によって構成される。受光部20は、受光光学系とCCDカメラ等からなる撮像部36とからなり、受光光学系は、対物レンズ33、開口絞り34及びマルチ分光フィルタ35によって構成される。モニター部21は、フォトダイオード(PD)等の受光素子からなる。ハーフミラー32は、測定対象物23に投射する計測光Lの光軸方向に対して45度の角度で配置されており、光源30及び投光レンズ31は、ハーフミラー32の一方側方に光軸を水平方向に向けるようにして配置され、モニター部21はハーフミラー32を介して光源30及び投光レンズ31と対向する位置に配置されている。しかして、光源30から出射された計測光Lは、投光レンズ31を透過した後、ハーフミラー32に入射する。ハーフミラー32に入射した光の一部はハーフミラー32で反射され対物レンズ33を透過して測定対象物23の所定の2次元領域Aに投射され、残りの一部はハーフミラー32を透過してモニター用の光としてモニター部21で受光される。ここで、測定対象物23に照射される計測光Lは、測定対象物23に対して垂直に入射する同軸落射光とする。
ハーフミラー32は対物レンズ33の上方に配置され、その上方に開口絞り34とマルチ分光フィルタ35と撮像部36が配置されている。撮像部36と測定対象物23の間に設置されているマルチ分光フィルタ35は、図7に示すように、透過波長域の異なる複数の分光フィルタ37a、37b、…を備えたフィルタ板38をパルスステップモータ等の回転アクチュエータ39で回転させて角度を変えられるようにしたものである。フィルタ板38の外周部には、回転アクチュエータ39の回転軸を中心として同心円状に複数の開口が設けられており、1つを除く開口にはそれぞれ選択波長の異なる透過型の分光フィルタ(バンドパスフィルタ)37a、37b、…が嵌め込まれており、1つの開口は分光フィルタの嵌められていない透孔37となっている。このような透過型分光フィルタ37a、37b、…としては、誘電体多層膜などを用いることができる。マルチ分光フィルタ35のフィルタ板38は、開口絞り34の上に近接して配置されており、回転アクチュエータ39によってフィルタ板38を回転させることにより、透孔37又は任意の分光フィルタ37a、37b、…を開口絞り34の小孔34aと対向する位置へ移動させることができる。よって、いずれかの分光フィルタ37a、37b、…が小孔34aの上に位置している場合には、小孔34aを通過した白色光は、その上の分光フィルタ(例えば37a)に入射し、その分光フィルタで決まる特定の波長域の光だけが撮像部36に入射する。
図8は、薄膜測定装置11の光学系と光線の挙動を示す図である。この薄膜測定装置11にあっては、光源30から出射された計測光Lは、投光レンズ31、ハーフミラー32及び対物レンズ33を通って測定対象物23の2次元領域Aに照射される。この投光用光学系は同軸落射型となっていて、測定対象物23に向けて照射される光は測定対象物23の表面にほぼ垂直に投射される。
また、この薄膜測定装置11における受光部20の結像光学系としては、測定対象物の距離変動に対して薄膜測定装置11の計測精度を安定させるためにテレセントリック光学系が採用される。一般に、テレセントリック光学系には、像側テレセントリック光学系、物体側テレセントリック光学系、両側テレセントリック光学系の3種があるが、本発明の薄膜測定装置では、物体側テレセントリック光学系又は両側テレセントリック光学系が用いられる。特に、実施例1の薄膜測定装置11では、図8に示すように、対物レンズ33と撮像部36との間において、マルチ分光フィルタ35の下面近傍で対物レンズ33の光軸上に開口絞り34の小孔34aを配置することにより、結像光学系を物体側テレセントリック光学系としている。
すなわち、この受光光学系においては、2組のアクロマティックレンズによって対物レンズ33を構成し、対物レンズ33の像側焦点に開口絞り34の小孔34aを位置させて対物レンズ33と開口絞り34によって物体側テレセントリック光学系を構成している。そして、測定対象物23と撮像部36とは、対物レンズ33に関して測定対象物23と撮像部36の受光面とが結像関係になるように配置されている。よって、所定の2次元領域Aで反射された計測光Lは、対物レンズ33及び開口絞り34で構成されたテレセントリック光学系を通ってマルチ分光フィルタ35に入射する。よって、この薄膜測定装置11においては、薄膜測定装置11と測定対象物23との間の距離に変動が発生しても、測定対象物23の画像を撮像部36にはっきりと結像させることができ、測定対象物23の距離変動に対して良好な特性を得ることができる。
また、この受光光学系においては、距離変動時における反射光強度の変化を小さくするため、受光光学系における物側の開口数NAを小さく(開口絞りの孔径を小さく)している。ここで、受光光学系における物側の開口数NAとは、図8に示すように、測定対象物23から出て開口絞り34を通過する計測光Lの広がり角を2wとするとき、
受光光学系における物側の開口数NA=sinw
で表されるものである。しかし、受光光学系における物側の開口数NAを小さくしすぎると、開口絞り34を通過する光量が減少するので、画像が暗くなって光学的画像分解能が低減し、計測位置精度が悪くなる。従って、薄膜測定装置11においては、受光光学系の光学的画像分解能が低下し過ぎることのない範囲で、距離変動時の反射光強度の変化ができるだけ小さくなるように、受光光学系における物側の開口数NA=sinw(あるいは、開口絞り34の孔径)を決定して最適な値としている。
また、図8に示すように、本発明の薄膜測定装置11では、投光光学系を同軸落射光学系で構成し、かつ、投光光学系における像側(測定対象物側)の開口数NAが、開口絞り34の孔径により決定される受光光学系における物側(測定対象物側)の開口数NAよりも大きくなるように光学系を構成する。ここで、投光光学系における像側の開口数NAとは、図9(b)に示すように、投光光学系を通して光源30から測定対象物23に照射される計測光Lの広がり角を2uとするとき、
投光光学系における像側の開口数NA=sinu
で表されるものである。測定対象物23の表面が正反射面であるとすれば、測定対象物23で反射される光の広がりは、投光光学系における像側の開口数NAによって決まる。また、受光光学系における物側の開口数NAとは、前記のように、測定対象物23から出て開口絞り34を通過する計測光Lの広がり角を2wとするとき、
受光光学系における物側の開口数NA=sinw
で表されるものである。図9(b)に示すように、この広がり角2wは、開口絞り34から想定される入射瞳34´の小孔34a´に対して測定対象物23の上の点が張る角度であるということもできる。
さらに、光源30のある面(以下、この面を光源基準面30aという。)と開口絞り34とが結像の関係となるようにし、図9(a)に示すように、光源基準面30aの適当な大きさの領域で出射光量の分布が均一になるようにする。出射光量の分布が均一であるとは、光源基準面30aの発光領域全体で出射光量が均一であり、且つ/又は、指向特性が等しいことをいう。
上記光源30の構成においては、光源基準面30a(すなわち、開口絞り34と結像関係にある面)の発光領域で出射光量の分布が均一となっていたが、このような光源30は次のようにして実現することができる。図10はこのような光源30の一例であって、ランプ42から出射した計測光Lをコンデンサレンズ43と集光レンズ44を透過させた後、比較的拡散角の小さな拡散板45に入射させるようにしたものであり、拡散板45で計測光Lを拡散させることで出射光量の分布を均一化させている。このような光源30では、拡散板45の配置されている面が光源基準面30aとなる。
しかして、このような光学系においては、図11(a)に示すように、光源基準面30aと開口絞り34とが結像関係にあり、光源基準面30aの発光領域40の各光点から出射した計測光Lは、投光レンズ31及び対物レンズ33を透過して測定対象物23に同軸落射して2次元領域A全体に広がり、さらに、対物レンズ33を透過して開口絞り34の面内で結像する。また、図11(b)に示すように、測定対象物23の2次元領域Aの各点で反射された計測光Lは、開口絞り34における発光領域40の像の領域(つまり、開口絞り34における照明領域41)の全体に広がっている。しかも、光源基準面30aの発光領域40の全体において出射光量の分布が均一となっているので、開口絞り34の照明領域41全体で光量分布が均一となっている。なお、図11(a)、(b)はいずれも光線が一方向に進むように概念的に描いた図である。
また、投光光学系における像側の開口数NAが受光光学系における物側の開口数NAよりも大きくなっているが、表面で光が正反射する測定対象物23では、測定対象物23に入射する光の広がりと測定対象物23で反射した光の広がりとは等しいから、この条件は、図9(b)に示すように、測定対象物23で反射された光が開口絞り34に対応する入射瞳34´の上に照射する光のスポット径D1が入射瞳34´の小孔34a´の口径D2よりも大きいことを意味する。よって、測定対象物23で反射された光は、開口絞り34の上に、その小孔34aよりも大きな面積のスポット光を照射することになる(図11(b)参照)。この結果、図12(a)に示すように、測定対象物23の傾きが0°のときには測定対象物23の2次元領域Aで反射された計測光Lが小孔34aを通過して撮像部36で結像されると共に、図12(b)、(c)に示すように、測定対象物23が例えば±1°傾いている場合にも、2次元領域Aで反射した計測光Lは小孔34aを通過して撮像部36で結像され、測定対象物23の傾き変動時にも撮像部36で測定対象物23を観測することができる。
さらに、この薄膜測定装置11では、測定対象物23が傾いて撮像部36で受光される光領域が変化しても撮像部36で観測される反射光強度が変化せず、測定対象物23に傾き変動がある場合でも精度の高い膜厚計測を行うことができる。
以上の説明から明らかなように、この薄膜測定装置11によれば、距離変動や傾き変動があっても膜厚測定を行うことができ、しかも、距離変動や傾き変動があっても撮像部36で観測される反射光強度がほぼ一定となり、精度の高い膜厚測定を行うことができるようになっており、インライン計測に適した光学系を備えている。なお、薄膜測定装置11におけるテレセントリック光学系の構成、測定対象物の距離変動対策、傾き変動対策、これらの別な態様などについては、本出願人が本発明に先立って出願した特願2003−321267に詳細に開示している。
こうして測定対象物23の所定の2次元領域Aに照射され測定対象物23で反射された計測光Lは、対物レンズ33を透過した後、ハーフミラー32と小孔34aを通過していずれかの分光フィルタ37a、37b、…を透過し、単一波長の分光画像となって撮像部36に入射する。また、測定対象物23と撮像部36の受光面とは、結像関係にあり、測定対象物23の2次元領域A内の各点が撮像部36の各画素に1対1に対応している。ここで、マルチ分光フィルタ35を回転させて順次分光フィルタ37a、37b、…を切り替えることにより、図13(a)〜(f)に示すTFTアレイ基板の分光画像Mのように、分光フィルタ37a、37b、…で決まる様々な波長f1、f2、…の分光画像Mを撮像部36で観察し、各分光画像Mをハードディスク等の記憶装置に記憶させる。ついで、例えば図13(a)〜(f)で×印を付した画素開口内の点のように、撮像部36の各画素のうちから任意の1画素(すなわち、2次元領域Aの任意の1点)を選択し、記憶させた各波長の分光画像データから選択した画素の分光反射率データ(反射スペクトル)を抽出し、それらの分光反射率データを理論分光反射率と比較することにより、後述のようにして選択した任意の点の膜厚を演算処理部13で算出する。
なお、上記実施例では、マルチ分光フィルタ35は受光光学系に配置しているが、マルチ分光フィルタ35を投光光学系に配置して各波長の単色光を順次測定対象物23に照射するようにしてもよい。
次に、測定対象物の薄膜の膜厚の算出方法、特に背景の影響を考慮した膜厚の算出方法を説明する。測定対象物23の表面における反射率R(λ)は、測定対象物23を構成する基板46や薄膜47の屈折率n2及びn1、薄膜47の膜厚d、照射光の波長λなどによって理論的に求めることができる。すなわち、測定対象物23の表面における反射率R(λ)は、次の(1)式で表される。
Figure 0004100330
ここで、
Ra(λ):波長λの光に対する薄膜反射率
Ta(λ):波長λの光に対する薄膜透過率
Rb(λ):波長λの光に対する基板裏面反射率
Tb(λ):波長λの光に対する基板裏面透過率
Rc(λ):波長λの光に対する背景反射率
z:表面反射受光効率
y:裏面反射受光効率
である。(1)式の各項については、以下に順次説明する。
上記薄膜反射率Ra(λ)とは、図14(a)に示すように、測定対象物23に入射する計測光L0に対する、測定対象物23の表面からの反射光Lm(すなわち、薄膜47の表面で正反射した光L1と薄膜47及び基板46の境界面で正反射した光L2との干渉光)の光強度の比率である。一般に、薄膜47の厚みをd、薄膜47の屈折率をn1とするとき、測定対象物23に入射した波長λの計測光L0が基板46及び薄膜47の表面で正反射して得られる反射光Lmの薄膜反射率Ra(λ)は、つぎの(2)式で表される。ただし、A、B、Cは、基板46及び薄膜47の屈折率n2、n1により決まる定数である。
Figure 0004100330
上記(2)式は測定対象物23の表面が鏡面であると仮定したときに理論上発生する正反射光をすべて受光することを前提として求められた式である。しかしながら、実際の測定対象物23であるプラズマディスプレイ用の基板や樹脂フィルム製基板のように、表面に凹凸を有する基板46の場合には、図14(b)に示すように、薄膜47の表面や裏面において、正反射光L1、L2のほかに拡散反射光Lsも生じる。この拡散反射光Lsの広がり度合いによっては、撮像部36に実際に入射する光の比率(受光比率)が減少するため、受光データが表す反射光スペクトルと理論上の反射スペクトルとが合致しなくなり、測定精度が低下する恐れがある。
表面反射受光効率zとは、(2)式のような理論上の鏡面反射光に対して実際に撮像部36に入射する光(正反射光L1、L2のほか、拡散反射光Lsの一部を含む。)の強度から求めた受光比率であって、測定対象物23の表面で反射されて実際に撮像部36で受光される光の反射率Rz(λ)は、この受光比率(表面反射受光効率z)を用いて
Rz(λ)=Ra(λ)×z …(3)
と表わすことができる。これが上記(1)式の第1項である。
また、基板46が透明な場合には、基板46の裏面からの反射光(以下、「裏面反射光」という。)を考慮する必要がある。図15は、透明な基板46の表面に形成された薄膜47に計測光を照射した場合の反射状態を模式的に示す。図中、L0は波長λの計測光、Lmは入射した計測光L0に対する基板表面からの反射光、L3は基板46の裏面からの反射光である。ここで基板46の表面に凹凸がある場合には、前記反射光Lmの示す反射率は、前記(3)式のRz(λ)に相当することになる。
図15に示したように、計測光L0が基板46の裏面まで到達すると、基板46の裏面で反射された反射光L3が測定対象物23の表面から出射する。この裏面反射光L3は、上方から基板46に入射し、基板46を透過してその裏面で反射され、再び基板46を透過して測定対象物23の表面から出射されるので、薄膜47の裏面と基板46との界面における透過率(薄膜47と基板46による吸収を含む。)をTa(λ)、基板46の裏面における反射率をRb(λ)とすると、実質的な反射率は、
Ta(λ)×Rb(λ) …(4)
となる。
裏面反射受光効率yとは、(4)式のような理論上の裏面反射光の反射率に対して実際に受光部20に入射する裏面反射光L3の受光比率であって、これは基板46の裏面等における拡散を考慮したものである。基板46の裏面で反射されて実際に撮像部36で受光される光の反射率は、この受光比率(裏面反射受光効率y)を用いて
Ta(λ)×Rb(λ)×y …(5)
と表わすことができる。これが上記(1)式の第2項である。
基板46が透明である場合には、図15に示すように、さらに基板46の裏面を透過して背景48で反射されて戻り、測定対象物23の表面から出射される光L4(以下、「背景反射光」という。)を考える必要がある。この背景反射光L4は、薄膜47と基板46を透過して背景48で反射され、再び基板46と薄膜47を透過て測定対象物23の表面から出射されるので、薄膜47の裏面と基板46との界面における透過率(薄膜47及び基板46による吸収を含む。)をTa(λ)、基板46の裏面における透過率(基板46と背景48との間の媒質による吸収を含む。)をTb(λ)、背景48による反射率をRc(λ)とすると、理論的な反射率は、
Ta(λ)×Tb(λ)×Rc(λ) …(6)
となる。また、この背景反射光L4も裏面反射光L3と同様に基板46による拡散の影響を受けると考えられるので、背景48で反射されて実際に撮像部36で受光される背景反射光L4の反射率は、裏面反射受光効率yを用いて
Ta(λ)×Tb(λ)×Rc(λ)×y …(7)
と表わすことができる。これが上記(1)式の第3項である。
このようにして、上記(3)式で表される基板表面での反射光Lmによる反射率と、上記(5)式で表される裏面反射光L3による反射率と、上記(7)式で表される背景反射光L4による反射率を加え合わせたものが実際に撮像部36で計測される反射光から求められる反射率であると考えられる。即ち、これが上記(1)式で表された反射率R(λ)の式(膜厚を算出するための演算理論式)である。
前記(1)式からも分かるように、背景48からの反射光L4があると、図16に示すように、計測波形の分光スペクトル波形が理論的な分光スペクトル波形よりも高くなり、薄膜47の膜厚計測誤差が発生する。よって、薄膜47の膜厚を正確に計測するためには、このような背景の影響を考慮した(1)式に基づいて膜厚を算出する必要がある。(1)式に基づいて薄膜の膜厚を測定する方法を図17のフロー図と図18の工程図に従って説明する。
薄膜測定装置11により膜厚測定を行う場合には、まず初めに図18(a)に示すように、背景となるステージ49の上に基準となる基板(サンプル基板)50を置き、背景からの光や外乱光の影響を受けない状態でサンプル基板50により反射される光Ltの光量を計測する。このサンプル基板50は、反射率等の光学定数が予め分かっているので、サンプル基板50で反射される光の光量を計測し、この光量を基準として薄膜測定装置11の投光部19の出力や受光部20の感度などを所定値となるよう較正する(ステップS1)。
背景の影響を受けない状態でサンプル基板50の基準光量を計測するには、例えば基板裏面における反射や透過のない、光学定数が既知の基板を用いればよい。このようなサンプル基板50としては、例えば図19に示すような基板を用いればよい。このサンプル基板50は、表面が平滑なガラス板51の裏面に微細な凹凸処理を施し、さらに凹凸処理を施した面に黒色のアルマイト処理を行って凹凸のあるアルマイト処理層52を形成したものである。なお、ガラス板51の表面には薄膜は形成されていない。このようなサンプル基板50では、ガラス板51内に入った光はアルマイト処理層52で吸収されて背景側へ出射されないので、サンプル基板50で反射される光の光量は背景で反射された光を含まない。
裏面反射のないサンプル基板50としては、Si基板などの金属基板を用いることもできる。しかし、膜厚計測等を行うための測定対象物23としては、いまの場合ガラス基板等の透明な基板を想定しているので、サンプル基板50として金属基板を用いると、サンプル基板50の反射率が測定対象物23の基板46の反射率よりもかなり大きくなる(例えば、40%くらいになる。)。そのため、金属基板からなるサンプル基板50を用いて薄膜測定装置11を較正した場合には、実際に測定対象物23を測定する際にS/N比が悪くなり、ダイナミックレンジも狭くなる。これに対し、図19に示したようなサンプル基板50では、測定対象物23に用いられるガラス基板等の透明基板とほぼ同等の反射率を持つため、このサンプル基板50で薄膜測定装置11を較正することにより、測定対象物23を測定する際のS/N比やダイナミックレンジを適正な範囲に調整することができ、Si基板などの金属基板を用いるよりも好ましい。
逆に、ガラス51の表面にアルマイト処理層52を形成した場合には、サンプル基板50からの反射光が非常に小さくなって測定対象物23を計測する際の信号レベルが大きくなり過ぎる。よって、ガラス板51の裏面にアルマイト処理層52を施したサンプル基板50を用いるのが望ましい。
次に、図18(b)に示すように、ステージ49からサンプル基板50を取り除き、ステージ49に計測光L0を照射してステージ49で反射された光Lbの光量を計測し、ステージ49(背景)の反射率Rc(λ)を直接に計測する(ステップS2)。なお、背景の反射率Rc(λ)を計測する際には、撮像部36に入射する光には外乱光が含まれていてもよく、外乱光が遮断されていてもよいが、測定対象物23を計測する際と同じ条件にしておく必要がある。
この後、図18(c)に示すように、ステージ49の上に実際の測定対象物23を載置し、背景からの反射光L4を含んだ分光特性を取得し、その反射率S(λ)のスペクトルを算出する(ステップS3)。
ついで、ステップS2で測定された背景の反射率Rc(λ)を用いて、基板裏面からの反射と背景からの反射を考慮した分光特性の理論式(即ち、(1)式で表される反射率)R(λ)を求める(ステップS4)。求めた反射率R(λ)は薄膜47の膜厚dをパラメータとする波長λの関数となっている。なお、理論上の反射率R(λ)の決め方、特に表面反射受光効率zや裏面反射受光効率yの決定の仕方については後述する。
反射率の理論式R(λ)が決まったら、ステップS3で実測された反射率S(λ)の波形と理論式R(λ)の波形とを比較し(ステップS5)、カーブフィッティング法によって薄膜47の膜厚dを決定する(ステップS6)。
しかして、このような薄膜測定装置11によれば、既存の製造ラインや製造装置等に薄膜測定装置11を後から設置する場合でも、その製造ラインや製造装置等に改良を施したりすることなく(レトロフィット)、背景の影響を除去または補正して薄膜の膜厚を精度よく計測することができる。また、測定対象物の2次元領域内の任意の箇所で薄膜の膜厚を計測することができて(図13参照)膜厚の2次元計測が可能となり、さらに、インライン計測により測定対象物の全数検査を可能にすることができる。
なお、薄膜の膜厚が既知の場合には、逆に薄膜の光学定数(屈折率や透過率など)を計測することもできる(ステップS6)。
上記ステップS4、S5において反射率の理論式R(λ)を、膜厚dをパラメータとして求め、カーブフィッティング法により膜厚dを決定する方法は、次のとおりである。前記(1)式の第1項における薄膜反射率Ra(λ)は、基板46の表面が鏡面であると仮定した場合の反射率であって、基板46の屈折率n2や薄膜47の屈折率n1、薄膜47の膜厚d、照射光の波長λなどによって理論的に求めることができる。例えば、この薄膜反射率Ra(λ)は、(2)式を用いて決定され、薄膜47の膜厚dをパラメータとする波長λの関数となる。
波長λ毎に前記(2)式から得た理論上の反射率Ra(λ)と、前記表面反射受光効率がz=0.5である場合の反射率Rz(λ)=Ra(λ)×zとの関係を示す波形図においては、基板46における波長λ毎の反射率Ra(λ)とRz(λ)は、ほぼ一定の振幅をもって正弦波状に変化しており、反射率Rz(λ)の曲線の振幅は、反射率Ra(λ)の曲線の振幅に前記表面反射受光効率zを掛け合わせた大きさとなる。
このように、理論上の反射率Ra(λ)及びこれに表面反射受光効率zを加味した反射率Rz(λ)の理論曲線は、所定の振幅をもって正弦波状に変化しており、Ra(λ)の曲線の振幅に対するRz(λ)の曲線の振幅の比率が表面反射受光効率zに相当する。したがって、反射率の実測データS(λ)から振幅に相当する反射率の変化の度合を抽出した後、この値が理論上の反射率Ra(λ)の振幅に対して占める比率を求めることにより、表面反射受光効率zを決定することができる。なお、反射率の実測データS(λ)の振幅を求めるには、その分光スペクトルから最大値と最小値とを抽出し、両者の差を算出すればよい。ただし、1周期以上のスペクトルが得られる場合は、いずれかの周期における極大値と極小値との差を算出するようにしてもよい。
20は、このような原理に基づいて表面に凹凸がある基板46を測定するための理論曲線を設定する処理手順を示す。まず、図17のステップS3で得られた実測データS(λ)から、その最大値Smax、最小値Smin、平均値Saを抽出する(ステップS11)。そして、測定対象物23の薄膜47の膜厚dをある最小値dxと仮定した(ステップS12)後、ステップS13〜S21の処理を実行する。
ステップS13では、前記(2)式を用いて膜厚がdxである場合の反射率Ra(λ)を算出する。ついでステップS14で、この反射率Ra(λ)の曲線における最大値Ramax、最小値Raminを抽出する。そしてつぎのステップS15では、前記ステップS14で求めた反射率Ra(λ)の最大値Ramaxおよび最小値Raminと、ステップS11で求めた実測データS(λ)の最大値Smaxおよび最小値Sminとをつぎの(8)式にあてはめることにより、表面反射受光効率zを算出する。
Figure 0004100330
なお、ここでは前記(Smax−Smin)と(Ramax−Ramin)を、それぞれS(λ)、Ra(λ)の示す各分光スペクトルの振幅に相当するものと見なしているが、これらのスペクトルに複数の周期が含まれる場合には、前記最大値,最大値に代えて、いずれかの周期における極大値、極小値を抽出して(8)式にあてはめてもよい。
こうして表面反射受光効率zを算出すると、算出された表面反射受光効率zと反射率Ra(λ)とを(3)式にあてはめて、モデルデータRz(λ)を算出する(ステップS16)。
ここで、(1)における薄膜透過率Ta(λ)、基板裏面反射率Rb(λ)、基板裏面透過率Tb(λ)は、シミュレーションや実験を行ったり、論文やデータブックから探したりして演算処理部13に予め入力して記憶されている。この記憶されているRb(λ)から、その平均値Rbaを求めると共に、ステップS16で求めたモデルデータRz(λ)を用いてその平均値Rzaを求める。こうして求めた平均値Rba、Rza及びステップS11で求めたS(λ)の平均値Saを用いると、裏面反射受光効率yは、次の(9)式により算出することができる(ステップS17)。
y=(Sa−Rza)/Rba …(9)
よって、ステップS2で実測された背景の反射率Rc(λ)、ステップS16で求められたRz(λ)、ステップS17で求められた裏面反射受光効率y、予め入力されている薄膜透過率Ta(λ)、基板裏面反射率Rb(λ)、基板裏面透過率Tb(λ)により、(1)式で表される反射率の理論式R(λ)を求める(ステップS18)。
ついで、理論式R(λ)と実測データS(λ)とを比較してカーブフィッティングを行う。図21はカーブフィッティング法の原理を示す。図21中、Sは実測の受光データを示す反射スペクトルである。また、RA〜REは膜厚毎に(1)式により得られた理論上の反射率R(λ)から得た理論上の反射スペクトルであって、膜厚によって光の干渉の度合が変化するという現象を反映してそれぞれ異なる分布形状をとる。カーブフィッティング法では、実測の受光データSから得られる反射スペクトルについて各理論曲線に対する最小自乗誤差を順に求めることにより、前記受光データSに最も近い形状の理論曲線を特定し、その理論曲線に対応する膜厚d(図21では、1000nm)を測定対象の薄膜の厚みとするものである。この方法を実行するため、ステップS18では、算出した理論式R(λ)と実測データS(λ)との最小自乗誤差を算出する(ステップS19)。この算出結果は、記憶装置内に蓄積される。
次に、仮定の膜厚dをΔdだけ増加させ(ステップS20)、再びステップS13〜S20までの処理を繰り返す。仮定の膜厚dが設定されている最大膜厚dyを超えるまでステップS13〜S21の処理を何度も繰り返し、Δd毎の各膜厚値に対応する理論式R(λ)と実測データS(λ)の最小自乗誤差を順次記憶装置内に蓄積する。
すべての膜厚について最小自乗誤差が求められると、ステップS22に進み、最小自乗誤差が最小となるときの膜厚dzを抽出し、最後のステップS23で、この膜厚dzを測定結果として出力し、処理を終了する。
実施例1においては、図17のステップS2において背景の反射率Rc(λ)を計測したが、測定対象物の基板が不透明基板の場合には、背景の影響を受けないので、背景の反射率Rc(λ)の影響を受けない。従って、不透明基板に形成された薄膜の膜厚や透明基板に形成された薄膜の膜厚を計測する用途の場合には、キーボード等の入出力機器から基板の種類を入力したり、切替スイッチ(図示せず)を操作することによって基板の種類を入力できるようにし、入力された基板の種類に応じて膜厚等の計測処理を簡単に切り換えられるようにしてもよい。
実施例2における計測処理工程を図22のフロー図に示す。薄膜測定装置11の較正を行った(ステップS1)後に、入出力機器15から入力された、透明基板か不透明基板かという情報を読み取る(ステップS7)。基板46の種類が透明基板であるという情報が入力された場合には、実施例1の図17のステップS2〜S6と同様の工程により計測処理を行う。即ち、背景の反射率Rc(λ)を計測(ステップS2)した後、反射率S(λ)を実測(ステップS3´)すると共に前記(1)式で表される反射率の理論式R(λ)を求め(ステップS4´)、測定対象物23の反射率の実測データS(λ)と反射率の理論式R(λ)とをカーブフィッティング法で比較する(ステップS5´)ことにより、薄膜47の膜厚等を求める(ステップS6)。これに対し、基板46の種類が不透明基板であるという情報が入力された場合には、ステップS2をスキップして背景の反射率Rc(λ)を実測することなく、反射率S(λ)を実測(ステップS3´)すると共に背景を含まない前記(3)式で表される反射率の理論式R(λ)=Rz(λ)を求め(ステップS4´)、測定対象物23の反射率の実測データS(λ)と背景を含まない反射率の理論式R(λ)=Rz(λ)とを比較する(ステップS5´)ことにより、薄膜47の膜厚等を求める(ステップS6)。よって、実施例2によれば、不透明基板の場合には、背景の反射率Rc(λ)を計測する工程をスキップすることができ、異なる種類の基板の測定対象物を計測する場合でも薄膜測定装置11における処理が複雑化するのを避けることができる。
実施例1においては、図17のステップS2において背景の反射率Rc(λ)を実際に計測したが、背景の構成部材や光学定数や光学特性が分かっている場合には、背景構成部材の光学特性の値に基づいて背景の反射率Rc(λ)を理論的に求めてもよい。即ち、図23のフロー図に示すように、ステップS8において、背景構成部材の光学特性の値に基づいて背景の反射率Rc(λ)を理論的に求める。例えば、入出力機器から背景の光学特性の値を入力すると、薄膜測定装置11により自動的に反射率Rc(λ)が演算されるようにするのが望ましい。このような方法によれば、背景の反射率Rc(λ)を実測する工程を省くことができ、場合によっては薄膜の膜厚や光学定数を計測する処理を簡略にすることができる。
本発明の実施例4では、図24に示すように、ステージ49の表面に黒色アルマイト処理53を施している。ステージ49がガラス板である場合には、ステージ49の裏面に黒色アルマイト処理を施してもよい。このようにステージ49(背景)に黒色アルマイト処理53を施しておけば、背景からの反射光が低減されるので、背景の反射率Rc(λ)を小さくして背景の影響を小さくすることができ、薄膜47の膜厚等を計測する精度をより高くすることができる。
また、ステージ49の表面に黒色アルマイト処理を施された反射防止シートを貼り付けるようにしてもよい。
本発明の実施例5では、図25に示すように、図17のステップS2において背景の反射率を測定する際に、ステージ49の上に薄膜47の形成されていない透明な基板46を載置して反射率を求める。このようにして求めた反射率には、基板46の裏面における反射率も含まれるので、このステップにより、
{Ta×Rb+Ta×Tb×Rc}
が背景の反射率として計測されるので、図17のステップS4において理論式R(λ)を求める処理が簡単になる。
本発明の薄膜測定方法及び薄膜測定装置は、表面に薄膜を形成された基板等を測定対象とし、その基板の表面に形成された薄膜の膜厚や光学定数をインライン計測する用途に用いることができる。
膜厚測定装置において、背景の影響を小さくするための方法を説明する概略断面図である。 膜厚測定装置において、背景の影響を小さくするための別な方法を説明する概略断面図である。 膜厚測定装置において、背景の影響を小さくするためのさらに別な方法を説明する概略断面図である。 本発明の実施例1による薄膜測定装置を示す全体構成図である。 実施例1の薄膜測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 実施例1の薄膜測定装置に用いられているセンサヘッド部の光学的構成を示す概略図である。 マルチ分光フィルタを拡大して示す平面図である。 実施例1の薄膜測定装置における光学系とその光線の挙動を示す図である。 (a)は光源における光源基準面を説明する図、(b)は像側から見た開口数と測定対象物で反射する計測光の開口数の定義を示す図である。 実施例1の薄膜測定装置に用いられている光源の一例を示す概略側面図である。 (a)、(b)はいずれも、光源の像が開口絞りに結像され、測定対象物の像が撮像部に結像され、結像光学系として物体側テレセントリック光学系を用いた実施例1の薄膜測定装置における光の挙動を説明する図である。 (a)は実施例1の薄膜測定装置において測定対象物の傾きが0°のときの光線の挙動を示す図、(b)は実施例1の薄膜測定装置において測定対象物の傾きが1°のときの光線の挙動を示す図、(c)は実施例1の薄膜測定装置において測定対象物の傾きが−1°のときの光線の挙動を示す図である。 (a)〜(f)は、異なる選択波長の分光フィルタを通して観測されたTFTアレイ基板の画像を示す図である。 (a)は、表面が鏡面の基板の上に形成された薄膜による薄膜反射率Ra(λ)を説明する図、(b)は、凹凸を有する基板の上に形成された薄膜による薄膜反射率Rz(λ)を説明する図である。 透明な基板に照射された光が基板の裏面や背景で反射される様子を説明する図である。 背景からの反射光がある場合の分光スペクトル波形と、背景からの反射光がない場合の分光スペクトル波形を比較して示す図である。 反射率の理論式に基づいて薄膜の膜厚を測定する方法を説明するフロー図である。 (a)〜(c)は、反射率の理論式に基づいて薄膜の膜厚を測定する工程を説明する図である。 サンプル基板の一例を示す断面図である。 図17のステップS4、S5を詳細に説明するフロー図である。 カーブフィッティング法の原理を示す説明図である。 本発明の実施例2における計測処理工程を説明するフロー図である。 本発明の実施例3における計測処理工程を説明するフロー図である。 本発明の実施例4における計測状態を説明する図である。 本発明の実施例5における計測状態を説明する図である。
符号の説明
11 薄膜測定装置
12 センサヘッド部
13 演算処理部
14 ディスプレイ装置
15 入出力機器
19 投光部
20 受光部
23 測定対象物
30 光源
34 開口絞り
35 マルチ分光フィルタ
36 撮像部
46 基板
47 薄膜
48 背景
49 ステージ
50 サンプル基板

Claims (7)

  1. 測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段と、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求める演算処理部とを備えた薄膜測定装置であって、
    前記演算処理部は、
    測定対象物を測定対象物設置位置から除去した状態において前記設置位置の背景から入射する光の分光特性を考慮して、透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を前記設置位置に設置した状態において前記測定対象物で反射した光の分光特性の理論式を算出する機能を備え、
    前記測定対象物を前記設置位置に設置した状態において前記測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるように構成されている
    ことを特徴とする薄膜測定装置。
  2. 測定対象物を載置するための、黒色アルマイト処理を施されたステージを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜測定装置。
  3. 測定対象物が透明基板の上に薄膜を形成されたものである場合と、測定対象物が不透明基板の上に薄膜を形成されたものである場合とで計測方法を切替え可能とし、
    透明基板の上に薄膜を形成された測定対象物の場合には、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、測定対象物の前記背景から入射した光の分光特性を考慮して算出された測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにし、
    不透明基板の上に薄膜を形成された測定対象物の場合には、測定対象物に照射した光の反射光より取得した分光特性と、前記背景からの入射光の分光特性を考慮しない測定対象物による反射光の分光特性の理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにした、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜測定装置。
  4. 測定対象物の複数点において薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜測定装置。
  5. 液晶表示パネルやプラズマディスプレイデバイス等の画像表示デバイスの製造ラインに組み込まれた、請求項1に記載の薄膜測定装置。
  6. 測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段とを備え、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにした薄膜測定方法であって、
    測定対象物の設置されていない測定対象物設置位置に前記投光部から光を照射することにより、背景から入射する光の分光特性を取得する工程と、
    透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を測定対象物設置位置に設置し、該測定対象物に前記投光部から光を照射することにより、測定対象物で反射された光の分光特性を取得する工程と、
    背景から入射した光の前記分光特性を用いて、測定対象物による反射光の分光特性の理論式を求める工程と、
    測定対象物で反射された光の前記分光特性と、測定対象物による反射光の分光特性の前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求める工程と、
    を備えた薄膜測定方法。
  7. 測定対象物に向けて光を照射する投光部と、測定対象物で反射した光を取り込む撮像手段とを備え、前記撮像手段で取り込んだ光の分光特性に基づいて測定対象物表面の薄膜の膜厚又は光学定数を求めるようにした薄膜測定方法であって、
    測定対象物設置位置における背景部材の光学定数に基づいて背景から入射する光の分光特性を求める工程と、
    透明な基板の表面に薄膜を形成された測定対象物を測定対象物設置位置に設置し、該測定対象物に前記投光部から光を照射することにより、測定対象物で反射された光の分光特性を取得する工程と、
    背景から入射した光の前記分光特性を用いて、測定対象物による反射光の分光特性の理論式を求める工程と、
    測定対象物で反射された光の前記分光特性と、測定対象物による反射光の分光特性の前記理論式とを比較することにより、薄膜の膜厚又は光学定数を求める工程と、
    を備えた薄膜測定方法。
JP2003379671A 2003-11-10 2003-11-10 薄膜測定方法及び薄膜測定装置 Expired - Fee Related JP4100330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003379671A JP4100330B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 薄膜測定方法及び薄膜測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003379671A JP4100330B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 薄膜測定方法及び薄膜測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005140726A JP2005140726A (ja) 2005-06-02
JP4100330B2 true JP4100330B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=34689648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003379671A Expired - Fee Related JP4100330B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 薄膜測定方法及び薄膜測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4100330B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4939304B2 (ja) * 2007-05-24 2012-05-23 東レエンジニアリング株式会社 透明膜の膜厚測定方法およびその装置
JP5071219B2 (ja) * 2008-04-18 2012-11-14 コニカミノルタホールディングス株式会社 膜厚計測装置、膜厚計測方法
JP2009288005A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Asml Netherlands Bv 検査方法および装置、リソグラフィ装置、リソグラフィ処理セルおよびデバイス製造方法
JP5756733B2 (ja) * 2011-10-20 2015-07-29 倉敷紡績株式会社 干渉式膜厚計
JP2013246019A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Konica Minolta Inc 膜厚測定装置及び膜厚測定方法
JP6290637B2 (ja) * 2014-01-30 2018-03-07 浜松ホトニクス株式会社 膜厚計測方法及び膜厚計測装置
JP6601622B2 (ja) * 2016-03-08 2019-11-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 液滴測定方法と液滴測定装置
JP6146505B1 (ja) 2016-03-16 2017-06-14 横浜ゴム株式会社 円形部材の内周長測定装置
JP6233434B2 (ja) 2016-03-16 2017-11-22 横浜ゴム株式会社 円形部材の内周長測定方法
JP6206527B2 (ja) * 2016-03-16 2017-10-04 横浜ゴム株式会社 円形部材の内周長測定装置
JP6868844B2 (ja) * 2017-04-04 2021-05-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 液滴測定方法
JP6487579B1 (ja) 2018-01-09 2019-03-20 浜松ホトニクス株式会社 膜厚計測装置、膜厚計測方法、膜厚計測プログラム、及び膜厚計測プログラムを記録する記録媒体
JP6956673B2 (ja) * 2018-04-09 2021-11-02 三菱電機株式会社 膜厚測定装置
CN112285063B (zh) * 2020-09-24 2023-06-09 天津津航技术物理研究所 一种超薄金属薄膜红外光学常数的表征方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2806747B2 (ja) * 1993-06-21 1998-09-30 大日本スクリーン製造株式会社 顕微測光装置における反射光測定方法
JP3495797B2 (ja) * 1994-11-29 2004-02-09 東レエンジニアリング株式会社 光学定数測定方法およびその装置
JP3790628B2 (ja) * 1998-08-20 2006-06-28 大塚電子株式会社 膜厚及び光学定数の測定方法及び装置
JP4222709B2 (ja) * 2000-03-30 2009-02-12 大日本印刷株式会社 ワーク表面検査装置
JP3823745B2 (ja) * 2001-03-14 2006-09-20 オムロン株式会社 膜厚測定方法およびその方法を用いた膜厚センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005140726A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4100330B2 (ja) 薄膜測定方法及び薄膜測定装置
JP4135603B2 (ja) 2次元分光装置及び膜厚測定装置
KR101423339B1 (ko) 피측정물로부터의 반사광을 이용하는 광학 특성 측정 장치및 그것에 있어서의 포커스 조정 방법
TWI528017B (zh) 厚度測量裝置及其測量方法
KR20150090180A (ko) 동공 결상 산란율 측정을 위한 아포다이제이션
JP2005265655A (ja) 分光反射率測定装置、膜厚測定装置および分光反射率測定方法
JP2019113554A (ja) 合焦状態参照サブシステムを含む可変焦点距離レンズシステム
JP7303887B2 (ja) プロセス変動に対する計量感度を定量するためのスケーリング指標
US20200319443A1 (en) Automated Focusing System For Tracking Specimen Surface with a Configurable Focus Offset
CN114402205B (zh) 应用谐波检测率以作为用于基于成像的叠加测量的质量指标的系统及方法
WO2019159427A1 (ja) カメラモジュール調整装置及びカメラモジュール調整方法
JP2008139062A (ja) 分光測定装置よび分光測定方法
JP2006284211A (ja) ムラ検査装置およびムラ検査方法
JP2007078608A (ja) 膜厚測定方法及び膜厚測定装置
JP2001281101A (ja) 空間分解能により屈折力を決定するための装置および方法
JP3944693B2 (ja) 膜厚測定装置
KR101388424B1 (ko) 디지털 광학 기술을 이용한 두께 측정 장치 및 방법
JP4807659B2 (ja) セル内膜厚測定装置
JP4844069B2 (ja) 画素内膜厚測定装置及び測定方法
JP2010048604A (ja) 膜厚測定装置および膜厚測定方法
KR20150044291A (ko) 자동초점 조절장치 및 자동초점 조절방법
JP2010107355A (ja) 光学フィルタ調整方法およびムラ検査装置
JP2004069651A (ja) 膜厚測定装置
JP2006313143A (ja) ムラ検査装置およびムラ検査方法
JP4850014B2 (ja) 分光測光システム及び該システムの照明光源位置の補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080310

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees