JP4099871B2 - 通信装置および記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば呼出音を鳴動させる電話装置などであって、いわゆるナンバーディスプレイ機能を備えた通信装置、およびその通信装置を制御するためのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば最近の電話装置においては、多種多様な機能が付加されており、その機能の一つとして、任意の発信元から呼出があった場合、公衆電話回線を通じてその発信元に関する電話番号を識別番号として取得し、その識別番号を表示することができる、いわゆるナンバーディスプレイ機能を備えたものがある。
【0003】
また、そのようなナンバーディスプレイ機能を利用し、予めメモリに電話帳登録した相手先から呼出があった場合、その呼出に際して得られた識別番号が電話帳登録された電話番号と一致すると、通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させる、いわゆる呼出音鳴り分け機能を備えた電話装置もある。
【0004】
一方、予定された発信元からの呼出を単に呼出音によって定期的に確認するという電話装置の利用方法がある。このような方法では、発信元がある決まった時刻に電話をかけ、呼出音(リングバックトーン)を数回聞いた後に電話を切るという処置が行われている。受信側の利用者は、発信元との間で決められた時刻に数回程度の呼出音が鳴ることで、オンフックの状態のままで発信元と通話することなく安否の確認などを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電話装置では、予め電話帳登録された相手先からの呼出に対してのみ通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させており、通信動作中の状況において呼出に際して得られた識別番号については、その通信動作の最中に呼出音鳴り分け機能に基づく設定登録操作を行うことができないという不便さがあった。
【0006】
また、電話装置の呼出音を利用して定期的な時刻に安否の確認などを行う場合、予定された発信元は、受信側との間で決められた時刻に電話をかけなければならず、受信側にとっても非常に面倒であり、さらに、受信側では、呼出音の鳴動に応じてオフフックするという通話操作手順が習慣化されているため、予定された発信元からの呼出であっても呼出音に応じて間違ってオフフック操作してしまうという不便さがあった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて提案されたものであって、識別番号表示機能を利用しつつ、呼出音を利用する各種形態での不便さを解消することができる通信装置、およびその通信装置を制御するためのプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明の通信装置は、任意の発信元からの呼出に際して呼出音を鳴動させるとともに、その発信元に関する通知情報として取得した識別番号を表示可能な通信装置であって、特定の発信元からの呼出に際して得られた識別番号を、通信動作中における所定の操作に応じて、優先番号として一時的に記憶手段に設定登録させる優先番号設定登録手段と、任意の発信元からの呼出に際して得られた識別番号が、上記優先番号設定登録手段によって既に上記記憶手段に設定登録された優先番号に一致するか否かを判別する優先番号判別手段と、上記優先番号判別手段によって識別番号が優先番号に一致するとの判別結果が得られた場合、通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させる呼出音鳴り分け手段と、上記呼出音鳴り分け手段により呼出音を鳴動させたことを条件として、上記優先番号設定登録手段により設定登録された優先番号を上記記憶手段から削除する削除手段とを有することを特徴としている。
【0009】
このような通信装置によれば、通話中の相手が再度電話をかけ直すといったような場合、その相手先の電話番号を優先番号として設定登録しておけば、その相手先から再び呼出があった場合に通常とは異なる音色の呼出音が鳴動し、通話を行っていた本人が直接オフフック操作することで、他人を介することなく取り次ぎの手間を省くことができるとともに、優先番号を記憶手段から消去する手間も省くことができる。
【0010】
【0011】
【0012】
また、請求項2に記載した発明の通信装置は、請求項1に記載の通信装置であって、上記呼出音鳴り分け手段は、通常とは異なる音色の呼出音を複数種用意された音色ごとに鳴動可能であり、上記優先番号設定登録手段は、識別番号を優先番号として上記記憶手段に設定登録させる際、所定の操作に応じて指定された音色の種別を上記優先番号の属性情報として上記記憶手段に登録させている。
【0013】
このような通信装置によれば、請求項1に記載の通信装置による効果に加えて、複数種用意された呼出音の音色の種別を属性情報として指定しつつ、識別番号を優先番号として設定登録することができるので、そうして設定登録された優先番号が呼出時の識別番号と一致する場合、指定された音色の呼出音が呼出時に鳴動することとなり、呼出音の音色を聞き分けることで呼出時の発信元を区別することができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
さらに、請求項3に記載した発明の記憶媒体は、任意の発信元からの呼出に際して呼出音を鳴動させるとともに、その発信元に関する通知情報として取得した識別番号を表示可能な通信装置を制御するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、特定の発信元からの呼出に際して得られた識別番号を、通信動作中における所定の操作に応じて、優先番号として一時的に記憶手段に設定登録させるための優先番号設定登録プログラムと、任意の発信元からの呼出に際して得られた識別番号が、上記優先番号設定登録プログラムに基づいて既に上記記憶手段に設定登録された優先番号に一致するか否かを判別するための優先番号判別プログラムと、上記優先番号判別プログラムに基づいて識別番号が優先番号に一致するとの判別結果が得られた場合、通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させるための呼出音鳴り分けプログラムと、上記呼出音鳴り分け手段により呼出音を鳴動させたことを条件として、上記優先番号設定登録手段により設定登録された優先番号を上記記憶手段から削除する削除プログラムとを含むプログラムを記憶したことを特徴としている。
【0025】
このような記憶媒体によれば、記憶されたプログラムに基づいてCPUを動作させることにより、請求項1に記載の通信装置の動作を実現することができる。
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
図1は、本発明にかかる通信装置をファクシミリ装置に適用した場合の一実施形態を示した回路ブロック図であって、この図に示すファクシミリ装置は、CPU1、NCU2、RAM3、モデム4、ROM5、EEPROM6、ゲートアレイ7、コーデック8、DMAC9、読取部11、記録部12、操作部13、および表示部14を具備して構成されている。CPU1、NCU2、RAM3、モデム4、ROM5、EEPROM6、ゲートアレイ7、コーデック8、およびDMAC9は、バス線15により相互に接続されている。バス線15には、アドレスバス、データバス、および制御信号線が含まれる。ゲートアレイ7には、読取部11、記録部12、操作部13、および表示部14が接続されている。NCU2には、公衆電話回線16が接続されている。
【0030】
CPU1は、ファクシミリ装置全体を制御する。NCU2は、公衆電話回線16に接続されて網制御を行う。なお、NCU2には、図示省略するが送受話器や呼出時に呼出音を鳴動するための呼出ベルが備えられている。RAM3は、充電電池などにより電源バックアップが施されており、CPU1の作業領域や各種データの格納空間を提供する。モデム4は、ファクシミリデータの変調や復調などを行う一方、後述するコーラID信号を復調する機能を有している。ROM5は、各種のプログラムや設定値などのデータを記憶している。EEPROM6は、各種のフラグや設定データなどを記憶する。ゲートアレイ7は、CPU1の入出力インターフェースとして機能する。コーデック8は、ファクシミリデータの符号化や復号化を行う。DMAC9は、RAM3へのデータの書き込みや読み出しを行う。
【0031】
読取部11は、光源やイメージセンサなどを備えており、読取原稿から画像を読み取って画像信号を出力する。記録部12は、たとえばインクジェット方式などの印刷装置を備えており、記録用紙上に印刷画像を形成する。操作部13は、使用者の入力操作に応じた入力信号を出力する。表示部14は、各種メッセージなどを表示するためにLCDなどからなるディスプレイ14aや、動作状況を点灯動作によって示すためのLEDなどからなるパイロットランプ14bを備えている。
【0032】
本発明の要点について説明すると、ファクシミリ装置は、任意の発信元から呼出があった場合、公衆電話回線16を通じてその発信元に関する通知情報として発信元の電話番号(以下、「識別番号」という)を取得し、その識別番号をディスプレイ14aにて表示することができる、いわゆるナンバーディスプレイ機能を備えたものである。また、任意の発信元からの呼出に際しては、一般的な電話装置と同様に呼出音が鳴動するが、このファクシミリ装置においては、ナンバーディスプレイ機能を利用しつつ、特定の発信元からの呼出に応じて通常とは異なる音色の呼出音(以下、通常の呼出音を「通常音」、通常とは異なる音色の呼出音を「特定音」という)を鳴動させる呼出音鳴り分け機能が備えられている。このような特定音の音色は、デジタルの音源データとして複数種用意されている。さらに、たとえば安否の確認などをするために、予定された発信元からの呼出に際しては、受信からの一定時間に相当する呼出音の所定回数に限り無音状態として、識別番号をディスプレイ14aに表示させるだけで呼出音を鳴動させない呼出音遅延機能が備えられている。
【0033】
さらに具体的に説明すると、EEPROM6には、発信元からの呼出時、公衆電話回線16を通じて取得された識別番号を履歴番号として残すための履歴番号記憶エリアが設けられている。また、EEPROM6には、電話帳データ記憶エリアが設けられ、ここには相手先の名前や電話番号などに関する電話帳データが予め設定登録されている。
【0034】
さらにEEPROM6には、特定の発信元からの呼出に際して得られた識別番号に対して、いずれかの種類の特定音を鳴動させるべき特定番号として、あるいは呼出音遅延機能を起動させるべき予定番号として設定登録することが可能な特定・予定番号記憶エリアが設けられている。図2は、特定・予定番号記憶エリアにおけるデータ構造を概念的に示した説明図であって、この図に示すように、EEPROM6における特定・予定番号記憶エリアには、各発信元電話番号欄20に対応して呼出音のパターンを設定登録するための呼出音パターン欄21が設けられている。特定番号に対する呼出音パターンの種類としては、A,B,Cといった数種類のパターンが用意されており、予定番号に対する呼出音パターンは、Dパターンとして登録される。また、予定番号に対しては、無音状態とする呼出回数をユーザの指定に応じて登録するために、無音回数欄22が設けられており、この欄22に設定登録された回数に限って呼出音が無音状態とされる。
【0035】
つまり、任意の発信元から呼出があった場合、CPU1は、その呼出に際して得られた識別番号がEEPROM6の特定・予定番号記憶エリアに設定登録された特定番号、あるいは予定番号に一致するか否かを判別する。そうして得られた識別番号が特定番号に一致する場合、すなわち識別番号が呼出音パターンとしてA〜Cに設定された特定番号の場合、CPU1は、NCU2を制御することにより、その特定番号に対して設定されたA〜Cパターンのいずれかの特定音を鳴動させる。また、識別番号が予定番号に一致する場合、すなわち識別番号が呼出音パターンとしてDに設定された特定番号の場合、CPU1は、NCU2を制御することにより、その予定番号に対して指定された回数分に限り、あるいは永続的に通常音や特定音を鳴動させることなく、ディスプレイ14aによる識別番号の表示やパイロットランプ14bによる呼出点灯動作を行わせている。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
次に、上記構成を有するファクシミリ装置の主に通話処理における動作について図面を参照して説明する。
【0042】
図3は、呼出音鳴り分けモードIにおけるCPU1の動作手順を示したフローチャートであって、この図に示す呼出音鳴り分けモードIは、一般的な順序で動作が行われる場合の一例を示したものであり、必ずしもこの図に示す順序であるとは限らない。また、動作手順を明確とするために、呼出音鳴り分け機能に基づく動作を主要動作として図示説明する。
【0043】
図3に示すように、まず、CPU1は、公衆電話回線16を通じて起動信号を受信したか否かを判断している(S1)。
【0044】
起動信号を受信したと判断した場合(S1:YES)、CPU1は、NCU2がコーラID信号を受信したか否かを判断する(S2)。このコーラID信号とは、発信元に関する通知情報として発信元の電話番号を内容とした信号であって、その信号に含まれる内容は、モデム4によりデジタルデータに変換可能とされている。
【0045】
そうしてコーラID信号を受信した場合(S2:YES)、CPU1は、一時的に公衆電話回線16と閉結させた状態とし(S3)、NCU2を介して取り込んだコーラID信号をモデム4により復調させることで発信元電話番号を識別番号として取得する(S4)。こうして取得された識別番号は、履歴番号としてEEPROM6内の履歴番号記憶エリアに記憶される。
【0046】
識別番号を取得したCPU1は、このモードが開始される前の状態と同様に、公衆電話回線16から開放された状態とする(S5)。ここまでのS3からS5までの動作は、使用者から見て非常に短いサイクルタイムで行われる。
【0047】
その後、CPU1は、取得した識別番号をディスプレイ14aに表示させ(S6)、ほぼそれと同時にパイロットランプ14bを点灯状態とする(S7)。
【0048】
さらに、CPU1は、後述するS15の処理などによってEEPROM6内の特定・予定番号記憶エリアに既に設定登録された特定番号を読み出し、その特定番号とS4の処理によって取得した識別番号とが一致するか否かを判別する(S8)。
【0049】
識別番号が特定番号に一致する場合(S8:YES)、CPU1は、その特定番号に対応する呼出音パターンを参照し、NCU2を制御して呼出ベルにより通常とは異なる特定音を鳴動させる(S9)。
【0050】
このようにして動作が行われている間、CPU1は、発信元から一方的に回線切断要求を内容とした切断信号を受信したか否かを判断している(S10)。
【0051】
発信元からの切断信号を受信しない場合(S10:NO)、CPU1は、このモードにかかる動作を継続させ、送受話器などが使用者により持ち上げられることでオフフックされたか否かを判断する(S11)。
【0052】
オフフックされた場合(S11:YES)、CPU1は、公衆電話回線16と閉結させた状態とする(S12)。
【0053】
続いて、CPU1は、S6〜S9の処理によって動作が開始された、識別番号の表示、パイロットランプ14bの点灯、さらに特定音の鳴動などの動作を停止させる処理を行う(S13)。これにより、発信元と公衆電話回線16を通じて音声信号などを双方向に伝送可能な通話処理が行われることとなる。
【0054】
そのようにして各種の動作が停止された後、あるいは通話処理が行われている間、CPU1は、S4において取得した識別番号を特定・予定番号記憶エリアに特定番号として設定登録するための操作が使用者により行われたか否かを判断している(S14)。そのような特定番号を設定登録するための操作は、操作部13における所定のキーをワンプッシュ操作することなどによって行われる。この際、特定音A〜Cの音色を指定して設定登録することも可能とされている。
【0055】
特定番号を設定登録するための操作がなされた場合(S14:YES)、CPU1は、その特定番号をEEPROM6の特定・予定番号記憶エリアに設定登録させる(S15)。このようにしてEEPROM6に設定登録された特定番号がその後上記したS8において用いられることとなる。
【0056】
以上のような処理動作中、CPU1は、通話を終了した使用者によって送受話器などが元のセット位置に置かれることでオンフックされたか否かを判断している(S16)。
【0057】
オンフックされた場合(S16:YES)、CPU1は、公衆電話回線16から開放させた状態とし(S17)、この呼出音鳴り分けモードIにかかるプログラムの実行を終了して再び元の待機状態となる。
【0058】
S16において、オンフックされない場合(S16:NO)、CPU1は、S14に戻って通話処理を続行させる。
【0059】
S14において、特定番号を設定登録するための操作がされない場合(S14:NO)、CPU1は、S16に飛んでオンフックされたか否かの判断を行う。
【0060】
S11において、オフフックされない場合(S11:NO)、CPU1は、S10に戻り、発信元から切断信号を受信するまでそのS10の判断を繰り返す。
【0061】
S10において、発信元からの切断信号を受信した場合(S10:YES)、CPU1は、S13と同様のS18の処理を行った後、この呼出音鳴り分けモードIにかかるプログラムの実行を終了して再び元の待機状態となる。
【0062】
S8において、識別番号が特定番号に一致しない場合(S8:NO)、CPU1は、NCU2を制御して呼出ベルにより通常音を鳴動させる(S19)。
【0063】
S2において、コーラID信号を受信しない場合(S2:NO)、CPU1は、S6の識別番号を表示させる処理を行うことなく、パイロットランプ14bを点灯状態とし(S20)、それとほぼ同時にS19の通常音による鳴動を開始させる。
【0064】
S1において、起動信号を受信しない場合(S1:NO)、CPU1は、このS1の判断を繰り返し行うことで起動信号を受信するまで待機状態を続ける。
【0065】
以上のCPU1による一連の処理動作により、S11からS16の通信動作中の状況においてS4の処理動作を経て得られた識別番号は、その通信動作の最中に行われる設定登録操作に応じて、通常とは異なる音色の特定音に対応した特定番号としてEEPROM6の特定・予定番号記憶エリアに設定登録することができ、そうして設定登録された特定番号が呼出時に得られた識別番号と一致することで、通常とは異なる音色の特定音が呼出時に鳴動することとなる。
【0066】
続いて、図4は、呼出音遅延モードにおけるCPU1の動作手順を示したフローチャートであって、この図に示す呼出音遅延モードは、図3に示した呼出音鳴り分けモードIと同様に、一般的な順序で動作が行われる場合の一例を示したものであり、必ずしもこの図に示す順序であるとは限らない。また、動作手順を明確とするために、呼出音遅延機能に基づく動作を主要動作として図示説明し、呼出音鳴り分けモードIと共通する動作については、その説明を省略する。
【0067】
図4に示すように、S31〜S37の処理動作については、図3に示すS1〜S7の処理動作と同じである。
【0068】
S37に続いて、CPU1は、EEPROM6内の特定・予定番号記憶エリアに既に設定登録された予定番号を読み出し、その予定番号とS34の処理によって取得した識別番号とが一致するか否かを判別する(S38)。
【0069】
識別番号が予定番号に一致する場合(S38:YES)、さらにCPU1は、その予定番号に対して無音状態とする呼出音の指定回数が設定されているか否かを判別する(S39)。ここで、無音状態とする呼出音の指定回数とは、呼出音の遅延時間を指定するために予定番号に付随する属性としてEEPROM6に設定されているものであって、その指定回数が設定されていない場合には、予定番号については、一切呼出音が鳴らない状況とされる。
【0070】
無音状態とする呼出音の指定回数が設定されている場合(S39:YES)、CPU1は、その指定回数分に限り呼出音を無音状態として呼出音の鳴動を遅延させる処理を行う(S40)。この呼出音の指定回数呼出待ち処理とは、CPU1がS36の識別番号の表示開始から呼出音を鳴動させることなく、通常時において鳴動すべき呼出音の回数を指定回数に達するまで内部処理にてカウントし、そのカウントする時間内において無音状態を継続させる処理である。これにより、識別番号の表示開始から指定回数分に限って呼出音が鳴動しない状態となる。
【0071】
S40の呼出待ち処理を終えたCPU1は、NCU2を制御して呼出ベルにより呼出音を鳴動させる(S41)。
【0072】
そうして呼出音を鳴動させたCPU1は、図3に示すS10〜S13と同様のS42〜S45の処理を行うとともに、それに続いて図3に示すS16,S17と同様のS46,S47の処理を行い、この呼出音遅延モードにかかるプログラムの実行を終了して再び元の待機状態となる。
【0073】
S46において、オンフックされない場合(S46:NO)、CPU1は、このS46の判断を繰り返し行い、オンフックされるまで通話処理を続行させる。
【0074】
S43において、オフフックされない場合(S43:NO)、CPU1は、S42に戻り、発信元から切断信号を受信するまでそのS42の判断を繰り返す。
【0075】
S42において、発信元から切断信号を受信した場合(S42:YES)、CPU1は、S45と同様のS48の処理を行った後、この呼出音遅延モードにかかるプログラムの実行を終了して再び元の待機状態となる。
【0076】
S39において、無音状態とする呼出音の指定回数が設定されていない場合(S39:NO)、CPU1は、予定番号について呼出音を無音状態とした処理を行う(S49)。この呼出音の無音処理とは、S36の識別番号の表示が開始されても一切呼出音を鳴動させない処理である。
【0077】
S38において、識別番号が予定番号に一致しない場合(S38:NO)、CPU1は、S41の処理に移行し、NCU2を制御して呼出ベルにより呼出音を鳴動させる。
【0078】
S32において、コーラID信号を受信しない場合(S32:NO)、CPU1は、S36の識別番号を表示させる処理を行うことなく、パイロットランプ14bを点灯状態とし(S50)、それとほぼ同時にS41の呼出音の鳴動を開始させる。
【0079】
S31において、起動信号を受信しない場合(S31:NO)、CPU1は、このS31の判断を繰り返し行うことで起動信号を受信するまで待機状態を続ける。
【0080】
以上のCPU1による一連の処理動作により、予定された発信元からの呼出に際しては、その発信元の電話番号となる識別番号がディスプレイ14aに表示されるとともに、パイロットランプ14bの点灯により呼出が報知される一方、識別番号の表示から指定回数分遅れて呼出音が鳴動することとなる。発信元は、公衆電話回線16を通じて聞こえる呼出音(リングバックトーン)の回数を数え、呼出音の指定回数内において一方的に回線を切断することにより、確実に受信側の本ファクシミリ装置にて呼出音を鳴動させないものとすることができる。しかも、予定された発信元は、呼出音の指定回数分を超過して呼び出す状態を続行すれば、たとえば緊急を要する場合などに受信側の本ファクシミリ装置にて呼出音を鳴動させることができる。
【0081】
したがって、上記構成、動作を有するファクシミリ装置によれば、ナンバーディスプレイ機能に基づいて得られた識別番号は、通信動作の最中における呼出音鳴り分け機能に必要な所定の設定登録操作に応じて特定番号として設定登録されるので、ナンバーディスプレイ機能を利用しつつ、呼出音鳴り分け機能を利用する形態で必要とされる設定登録操作の不便さを解消することができる。
【0082】
また、予定された発信元からの呼出に際して識別番号が表示され、その識別番号の表示を開始してから指定回数に相当する所定時間遅れて呼出音が鳴動するので、発信元、受信側の双方ともにナンバーディスプレイ機能を利用しつつ、呼出音に頼ることなく予定の処置を行うことができる。さらに、受信側の本ファクシミリ装置では、呼出時に呼出音が鳴動しなくても、過去の呼出時に得られた履歴番号をEEPROM6から読み出して表示させることで、予定された発信元からの呼出が事後的に確認できるので、ナンバーディスプレイ機能を利用しつつ、予定された発信元が呼出音を単に鳴動させる利用形態での不便さを解消することができる。
【0083】
なお、本実施形態においては、特定番号を通信動作中の操作に応じてEEPROM6の特定・予定番号記憶エリアに設定登録するとしたが、そのような特定番号は、既にEEPROM6に登録された履歴番号、電話帳データに含まれる相手先の電話番号、あるいはマニュアルキー入力による入力番号であっても良く、勿論通話が行われない待機状態中であっても設定登録することが可能である。
【0084】
また、電話帳データは、相手先の名前や電話番号などに加えて、各相手先ごとに呼出音パターンや無音回数を設定登録することが可能なデータ構造としても良い。このようなデータ構造の電話帳データとすれば、EEPROM6に特定・予定番号記憶エリアを設ける必要はない。
【0085】
さらに、識別番号に代えていわゆるリダイヤル番号を特定番号や予定番号として設定登録することも勿論可能である。
【0086】
さらにまた、EEPROM6に設定登録された特定番号や予定番号は、ディスプレイ14aに表示させたり、そのEEPROM6から消去したりすることができるこも勿論可能である。この場合、特定番号や予定番号は、使用者の設定登録操作に応じて順次EEPROM6の特定・予定番号記憶エリアに記録されるものとし、その後、使用者により消去処理に応じた操作がされるまで記録に残された状態とされる。
【0087】
一方、識別番号として得られる相手先の電話番号は、優先番号としてRAM3に設けた優先番号記憶エリアに一つだけ記録されるものとし、その優先番号に該当する発信元から再度呼出があった場合にRAM3から消去されるものとしても良い。
【0088】
図5は、優先番号に基づく呼出音鳴り分けモードにおけるCPUの動作手順を示したフローチャートである。なお、この図に示す呼出音鳴り分けモードIIは、図3に示した呼出音鳴り分けモードIに優先番号に関する処理を追加しただけであるから、図3に示すところと同一処理動作については、その説明を省略する。
【0089】
図5に示すように、まず、CPU1は、図3に示すS1〜S7と同様のS61〜S67の処理を行う。
【0090】
続いてCPU1は、RAM3内の優先番号記憶エリアに既に設定登録された優先番号を読み出し、その優先番号とS64の処理によって取得した識別番号とが一致するか否かを判別する(S68)。
【0091】
識別番号が優先番号に一致する場合(S68:YES)、CPU1は、NCU2を制御して呼出ベルにより通常とは異なる優先音を鳴動させ(S69)、その後CPUは、RAM3から優先番号を削除する(S70)。
【0092】
さらに、CPU1は、図3に示すS10〜S13と同様のS71〜S64の処理を行う。
【0093】
続いてCPU1は、S64において取得した識別番号を優先番号記憶エリアに優先番号として設定登録するための操作が使用者により行われたか否かを判断している(S75)。そのような優先番号を設定登録するための操作は、操作部13における所定のキーをワンプッシュ操作することなどによって行われる。この際、優先音の音色を指定して設定登録することも可能とされている。
【0094】
優先番号を設定登録するための操作がなされた場合(S75:YES)、CPU1は、その優先番号をRAM3の優先番号記憶エリアに設定登録させる(S16)。このようにしてRAM3に設定登録された優先番号がその後上記したS68において用いられることとなる。
【0095】
その後、CPU1は、図3に示すS14〜S17と同様のS77〜S80の処理を経て、この呼出音鳴り分けモードIIにかかるプログラムの実行を終了して再び元の待機状態となる。
【0096】
S75においてNOの場合、S77と同様にS79に移行する。
【0097】
S71においてNOの場合、図3に示すS18と同様のS81の処理を経て、
【0098】
S68においてNOの場合、図3に示すS8,S9,S19と同様にS82〜S84の処理を経てS71に移行する。
【0099】
S62においてNOの場合、図3に示すS20と同様にS85の処理を経てS84に移行する。
【0100】
このような呼出音鳴り分けモードIIで動作するファクシミリ装置によれば、通話中の相手が再度電話をかけ直すといったような場合、その相手先の電話番号を優先番号として設定登録しておけば、その相手先から再び呼出があった場合に通常とは異なる優先音が鳴動し、通話を行っていた本人が直接オフフック操作することで、他人を介することなく取り次ぎの手間を省くことができるとともに、優先番号をRAM3から消去する手間も省くことができる。
【0101】
なお、優先番号を削除するタイミングは、図5のフローチャートに示すようなタイミングに限ることはなく、優先音に応対した使用者によってオフフック操作された後であっても良い。また、優先番号として設定登録するタイミングも、図5に示すようなタイミングに限ることはなく、通話中あるいは回線閉結後のいずれのタイミングであっても良い。
【0102】
上記各実施形態で説明したように、本発明にかかる通信装置は、ファクシミリ装置に適用されるだけでなく、もちろん通常の据置型や携帯型の電話装置にも適用可能である。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明の通信装置によれば、通話中の相手が再度電話をかけ直すといったような場合、その相手先の電話番号を優先番号として設定登録しておけば、その相手先から再び呼出があった場合に通常とは異なる音色の呼出音が鳴動し、通話を行っていた本人が直接オフフック操作することで、他人を介することなく取り次ぎの手間を省くことができるとともに、優先番号を記憶手段から消去する手間も省くことができる。
【0104】
【0105】
また、請求項2に記載した発明の通信装置によれば、請求項1に記載の通信装置による効果に加えて、複数種用意された呼出音の音色の種別を属性情報として指定しつつ、識別番号を優先番号として設定登録することができるので、そうして設定登録された優先番号が呼出時の識別番号と一致する場合、指定された音色の呼出音が呼出時に鳴動することとなり、呼出音の音色を聞き分けることで呼出時の発信元を区別することができる。
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
さらに、請求項3に記載した発明の記憶媒体によれば、記憶されたプログラムに基づいてCPUを動作させることにより、請求項1に記載の通信装置の動作を実現することができる。
【0112】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる通信装置をファクシミリ装置に適用した場合の一実施形態を示した回路ブロック図である。
【図2】 特定・予定番号記憶エリアにおけるデータ構造を概念的に示した説明図である。
【図3】 呼出音鳴り分けモードIにおけるCPUの動作手順を示したフローチャートである。
【図4】 呼出音遅延モードにおけるCPUの動作手順を示したフローチャートである。
【図5】 優先番号に基づく呼出音鳴り分けモードIIにおけるCPUの動作手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 NCU
3 RAM
4 モデム
5 ROM
6 EEPROM
7 ゲートアレイ
8 コーデック
9 DMAC
11 読取部
12 記録部
13 操作部
14 表示部
14a ディスプレイ
14b パイロットランプ
16 公衆電話回線
Claims (3)
- 任意の発信元からの呼出に際して呼出音を鳴動させるとともに、その発信元に関する通知情報として取得した識別番号を表示可能な通信装置であって、
特定の発信元からの呼出に際して得られた識別番号を、通信動作中における所定の操作に応じて、優先番号として一時的に記憶手段に設定登録させる優先番号設定登録手段と、
任意の発信元からの呼出に際して得られた識別番号が、上記優先番号設定登録手段によって既に上記記憶手段に設定登録された優先番号に一致するか否かを判別する優先番号判別手段と、
上記優先番号判別手段によって識別番号が優先番号に一致するとの判別結果が得られた場合、通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させる呼出音鳴り分け手段と、
上記呼出音鳴り分け手段により呼出音を鳴動させたことを条件として、上記優先番号設定登録手段により設定登録された優先番号を上記記憶手段から削除する削除手段とを有することを特徴とする通信装置。 - 上記呼出音鳴り分け手段は、通常とは異なる音色の呼出音を複数種用意された音色ごとに鳴動可能であり、上記優先番号設定登録手段は、識別番号を優先番号として上記記憶手段に設定登録させる際、所定の操作に応じて指定された音色の種別を上記優先番号の属性情報として上記記憶手段に登録させている、請求項1に記載の通信装置。
- 任意の発信元からの呼出に際して呼出音を鳴動させるとともに、その発信元に関する通知情報として取得した識別番号を表示可能な通信装置を制御するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、
特定の発信元からの呼出に際して得られた識別番号を、通信動作中における所定の操作に応じて、優先番号として一時的に記憶手段に設定登録させるための優先番号設定登録プログラムと、
任意の発信元からの呼出に際して得られた識別番号が、上記優先番号設定登録プログラムに基づいて既に上記記憶手段に設定登録された優先番号に一致するか否かを判別するための優先番号判別プログラムと、
上記優先番号判別プログラムに基づいて識別番号が優先番号に一致するとの判別結果が得られた場合、通常とは異なる音色の呼出音を鳴動させるための呼出音鳴り分けプログラムと、
上記呼出音鳴り分け手段により呼出音を鳴動させたことを条件として、上記優先番号設定登録手段により設定登録された優先番号を上記記憶手段から削除する削除プログラムとを含むプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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