JP4099511B2 - ステージおよびシリコンウエハ基板の温度計測法 - Google Patents

ステージおよびシリコンウエハ基板の温度計測法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージの下部に加熱のためのランプヒータを装備したシリコンウエハ基板を保持するためのステージであって、シリコンウエハ基板に非接触でシリコンウエハ基板温度計測機能を有したステージに関する。
【0002】
本発明のステージは、シリコンウエハ基板1枚が係止された状態で当該シリコンウエハ基板に接触することなく当該シリコンウエハ基板上の少なくとも1点の温度を連続的に計測するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、シリコンウエハ基板の温度を計測する技術として、熱電対による接触計測法および放射温度計による非接触計測法があった。
【0004】
熱電対による一般的な温度計測法は特許文献3に記載されているので略す。特に熱電対をステージヘ配設する方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1には、試料表面温度と熱電対での制御温度が等しい昇温脱離分析装置を提供するために、試料ステージの少なくとも上部を高熱伝導性材料で形成し、熱電対および試料表面をそれぞれ試料ステージに接触させることにより熱伝導で加熱し、試料ステージとの温度差をなくす方法がある。この方法の実施例として、試料ステージの上部と下部を石英で製作し、赤外線ランプを使用して加熱した例の記載がある。また、シリコンウエハの温度を直接計測する方法としては、特許文献2に有る様に、ステージを貫通して上下動可能に設けられた複数のシリコンウエハピンの先端に熱電対を設けて行う方法がある。
【0006】
また、熱電対を接触配設したダミーウエハをもちいる方法もあるが、実際の被プロセスウエハとダミーウエハとの温度差を較正が容易でなく実用面で問題があった(特許文献4および5参照)。
【0007】
従来技術によるこれらいずれの熱電対による接触計測法では、測定点は容易に移動する事が不可能であった。
【0008】
一方、放射温度計による被接触計測法による方法も問題があった。それは、従来の放射温度計では、特にシリコンウエハ基板を加熱する目的のヒータを内蔵したステージにあっては、シリコンウエハ基板が赤外線透過体であるために、特定の赤外線を検出する必要があり、このため、蛍石を原料とした赤外線透過窓が必要であったが、高価なばかりか、例えば、高腐食性蒸気に触れる環境下での蛍石の分解によるCaのコンタミネーションの問題があった。
【0009】
また特許文献1に記載の方法では、石英の場合、赤外線透過体であるために、熱電対が赤外線を感知するために、透過赤外線により温度モニター用熱電対が試料よりも高温になるなどの問題があった。
【0010】
また特許文献2に記載の方法では、シリコンウエハ基板の温度計測のために常に熱電対がシリコンウエハに接触する必要があり、このために昇温・降温時に熱膨張の差から熱電対とシリコンウエハの接触部に擦れが起き、コンタミネーションの発生、及び歩留まり低下の原因になるパーティクル発生などの問題があった。
【0011】
すなわち、ランプヒータを使ったチャンバーで、侵食性のあるガス中で、透過率の高い処理物の温度を計測することは非常に難しかった。
【0012】
一つ目に、ランプヒータの特徴に起因する問題がある。ランプヒータは、その光源から発する光を処理物に到達させることによってその処理物に熱を与えるという特徴を持つ。光で熱を与えるというその特徴ゆえに、処理物特有の光の受け方により発熱が異なるということが発生する。例えば、半導体ウエハとアルミ板では同じ量の光を受けても、発熱量が異なり、温度が異なる。即ち、アルミ製チャンバー中に置いた半導体ウエハ処理物に対してランプ加熱の光を放射した場合、半導体ウエハの温度とアルミチャンバーの温度は異なる。従って、アルミチャンバーの温度を測ったからといって、半導体ウエハの温度を計測したことにはならない。
【0013】
二つ目に、赤外線温度計を使っての測定が実質的には不可能だという問題がある。上記の一つ目の問題で述べた「半導体ウエハの温度とアルミチャンバーの温度は異なる」という問題点を解決すべく、赤外線温度計により、半導体ウエハを直接温度計測するという考えを思いつくが、温度計測対象が半導体ウエハという極めて赤外線の透過性の高い処理物であることから、赤外線温度計では温度が計測できないことが明らかになった。
【0014】
三つ目に、侵食性ガスの影響下の問題がある。赤外線温度計の利用ができないことから、熱電対を使っての計測が必須となるが、この場合も、上記一つ目の問題点があることより、チャンバーに熱電対を付着させて測った温度は半導体ウエハの温度を示しているとは言えない。一方、処理物に直接熱電対を付着させて温度計測することは、処理の度に熱電対を付着したり取り外したりする作業が必要となり、処理速度が求められる現場になじまず、非現実的である。又、この熱電対がチャンバー内で侵食性のあるガス環境にさらされることにより、極めて早い時期に破壊されてしまうという問題がある。又、ガスにより熱電対が反応を起こすことで、パーティクルを生じ、それが処理物に付着して汚染を起こすという問題もある。
【0015】
四つ目に、プロセス進行中に計測対象の表面が変化し、かかる変化に伴って半導体ウエハの表面放射率が変化することがあるため、放射率を固定して温度換算すると誤差を生むことである。放射率の変化は極端な場合、0.2程度から0.8程度まで大きく変化するケースもある。そのため、1000℃レベルで10%もの誤差になる場合もある。
【特許文献1】
特願2000−045838号公報
【特許文献2】
特願平8−172392号公報
【特許文献3】
特許第3468300号公報
【特許文献4】
特許第3663035号公報…点在する凹部を形成したダミーウエハ
【特許文献5】
特許第2984060号公報…内部に細長いキャビティを有するウエハ基板
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、従来の熱電対による接触計測法、放射温度計による被接触計測法のそれぞれの欠点を克服した温度計測法の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、熱電対をうまくもちいた温度計測法を提案し、その計測法を実現するステージを提案する。すなわち、本発明のステージは以下のようである。
【0018】
ランプヒータの上部に取り付けたシリコンウエハ基板1枚を係止するためのステージに、前記シリコンウエハ基板に対向する面の裏側にウエハ小片を貼り付けた温度検出のための熱電対を、前記シリコンウエハ基板に触れないように前記ステージに少なくとも1つ埋め込み、前記ウエハ小片の温度を計測し、前記シリコンウエハ基板と前記ウエハ小片との閲の熱学的質量差に基づく温度の経時変化の差異を事前に知る事で、前記温度の経時変化の差異を補正して前記シリコンウエハ基板の温度を計測することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、ランプヒータの影響を受けることなく、シリコンウエハ基板に非接触、且つ、オゾンガスにも触れることなくシリコンウエハ基板の温度を検知できる機能を備え、シリコンウエハ1枚を係止できるシリコンウエハ基板用ステージを提供する事ができる。
【0020】
また、温度を計測すべきシリコンウエハ基板と同一組成のウエハ小片を取り付けた熱電対をシリコンウエハ基板と対向する向きに複数個直線状に空洞内に配置することで、シリコンウエハの1次元温度情報を直接同時刻的に得る事ができ、このデータを基にシリコンウエハ面内の温度分布を推定できるばかりか、ヒータの情報を排除し、より正確な反応場の温度を低コストで得る事ができる。
【0021】
また、本方法は、石英を犯さないガス・薬剤を用いた反応系の温度計測に用いることができ、応用性がある。
【0022】
また、本発明を用いる事で、コンタミネーションを発生することなく温度検出することが可能になった。
【0023】
また、ランプヒータの上部に取り付けたシリコンウエハ基板1枚を係止するためのステージ若しくはランプヒータの発光開放部側の石英等のエンクロージャーに溝を掘り、埋め込もうとする熱電対が侵食性のあるガスに触れないような構造をとる。その際、上述の課題の一つ目に挙げた問題点に対処するため、対処物と同等のものを熱電対に貼り付けるものとする。処理物が半導体ウエハであれば、熱電対を貼り付ける対象はウエハ小片になる。
【0024】
こうして、処理物と同等物の切片に熱電対が取り付けられたデバイスが、石英製ステージ等のランプ光透過性物質の中に埋め込まれることにより、処理物が受けるのと同量の光量を受け、同程度の温度を発し、これに取り付けられた配線を経由して温度を計測することが可能になる。
【0025】
また、埋め込み構造をとっていることにより、侵食性のガスの影響も受けないし、パーティクルを処理室に撒き散らすこともない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 本発明の一実施形態における温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージの上面図。
【図2】 本発明の一実施形態における温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージを空洞2の中心を通る線に垂直に切った時の断面図。
【図3】 本発明の一実施形態における温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージの上面図であり、熱電対保護のためのPFA管PTFE継ぎ手の接続の概要を示すために空洞部を拡大した図。
【図4】 本発明の第一の実施形態における温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用のステージ上に温度観測機能を備えたシリコンウエハを保持し温度補正を可能ならしめる構成において、シリコンウエハ基板用ステージの空洞2の中心を通る線に垂直に切った時の断面図。
【図5】 本発明の第二の実施形態における1次元温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージの上面図。
【図6】 本発明の第三の実施形態における2次元温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージを熱電対の半分の深さで切った時の上面図。
【図7】 本発明の第三の実施形態における2次元温度観測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージを線A−A'で切った時の断面図。
【図8】 本発明の実施によるシリコンウエハ基板温度及びウエハ小片の実測結果の1例。
【図9】 本発明の実施によるシリコンウエハ基板温度の実測結果の1例。
【符号の説明】
【0027】
1 シリコンウエハ基板用のステージ
2 直方体空洞部
ウエハ小片
4 熱電対
5 ポリイミド接着剤
6 熱電対リード線
7 シリコンウエハ支持体
8 シリコンウエハ係止用突起
9 シリコンウエハ
10 PTFE継ぎ手
11 PFAチューブ
12 O−リング
13 石英綿
14 ペンレコーダ
15 端子
16 ランプヒータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の一実施形態として以下のように述べるが、本発明の実施形態はこの例にある場合に限らない。
【0029】
本発明の熱電対を取り付けるにあたり、直径310mm × 厚さ8mmの円盤状の石英製ステージ側面のうち1点から前記ステージに平行且つ直線状に延びる直方体の空洞(長さ155mm × 幅5mm × 高さ5mm)を設けた。株式会社テックジャム社製−熱電対K104を測定対象シリコンウエハ基板と同一の組成及び厚さからなる長さ3mm × 幅3mm × 厚さ0.76mmのウエハ小片のおもて面にポリイミド接着剤0.5ccを用いて接着し、ポリイミド接着剤を熱硬化させた後に前記空洞の中心部に該ウエハ小片のおもて面の熱電対がランプヒータと反対を向く様に置き、前記熱電対のリード線を所定の場所に設置した横河電気製302323ペンレコーダの所定の端子に接続する。 また、前記空洞の中の前記ウエハ小片付き熱電対以外の空間に石英綿を充填し、前記ウエハ小片付き熱電対のリード線を出す目的でPTFE継ぎ手をフッ素ゴム製O−リングを介して空洞出口に密着して装着し、前記ウエハ小片付き熱電対のリード線を保護するために内径2mmのPFAチューブを前記PTFE継ぎ手に挿入し、前記PFAチューブ内に前記ウエハ小片付き熱電対のリード線を入れ、所定の場所に設置した横河電気製302323ペンレコーダの所定の端子に接続する。こうする事で、空洞内の空気の影響を少なくすると共に、前記ウエハ小片付き熱電対リード線を外部衝撃や雰囲気から守り、前記PFA配管で外気と通ずることで温度変化時の空洞内の圧力変化を排除でき、安全性が増す。
【0030】
また、石英製ステージの空洞が貫通構造である場合に、複数の前記ウエハ小片付き熱電対をシリコンウエハ基板の任意の位置に対応して配置する事が出来、1次元計測ができる。
【0031】
図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態である温度計測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージの上面図であり、シリコンウエハ基板用ステージ1に形成した直方体形状の空洞である直方体空洞部2の内部に、シリコンウエハ9の裏面に対向して設置した温度測定用の熱電対4がある。当該熱電対4の裏面に前記ウエハ小片3がポリイミド接着剤5を介して取り付けられている。当該熱電対4から延びる一対の熱電対リード線6がシリコンウエハ基板用ステージ1の外に延びるステージ表面には、シリコンウエハ9を支持するためのシリコンウエハ支持体7とシリコンウエハを係止するためのシリコンウエハ係止用の突起8がある。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態における温度計測機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージ1を直方体空洞部2の中心を通る線に垂直に切った時の断面図であり、シリコンウエハ9を支持する突起であるシリコンウエハ支持体7とシリコンウエハ係止用の突起8とシリコンウエハ9とランプヒータ16との関係を示す。熱電対4が接触配設されたウエハ小片3のおもて面が、ランプヒータ16と反対の面を向いている事が分かる。この様に配置する事で、ウエハ小片3がシリコンウエハ9と同じ組成及び厚さであるので概ね熱伝播係数は同じであるがウエハ小片3の面積はシリコンウエハ9の約50分の1であって熱熱容量が小さい事、及びシリコンウエハ9に比べてシリコンウエハのウエハ小片3がランプヒータ16に近いのでシリコンウエハ9に達するよりもわずかながら多くの熱が照射される事という違いがあるが、シリコンウエハ9が置かれた状態を、シミュレートできる。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態における温度検出機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージ1の上面図であり、熱電対リード線6の保護のためのPFAチューブ11とPTFE継ぎ手10の接続の概要を示すために直方体空洞部2を拡大した図である。熱電対4の裏面に前記ウエハ小片3がポリイミド接着剤5を介して取り付けられた状態で空洞に配置し、直方体空洞部2の残りの空間に石英綿13を充填した。この時、熱電対4から伸びる一対の熱電対リード線6をO−リング12を介して直方体空洞部2に密着して取り付けたPTFE継ぎ手10に通したPFAチューブ11の内部を通してシリコンウエハ基板用ステージ1の外へ導き、所定の場所に設置したペンレコーダ14の所定の端子15に接続する。
【0035】
図4は、本発明の第一の実施形態における温度検出機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージ1の断面図である。シリコンウエハ基板用ステージ1には、熱電対4を収容するための直方体空洞部2が設けられている。この直方体空洞部2は、中心部までの長さを有する事を特徴とし、シリコンウエハ基板用ステージ1のどこにあっても良い。この直方体空洞部2に、1個の熱電対4を接触配設したウエハ小片3を直方体空洞部2の中心近くに置き、熱電対リード線6を直方体空洞部2からシリコンウエハ基板用ステージ1の外に出し、所定の所にあるペンレコーダ14の端子15に接続する。また、シリコンウエハ基板用ステージ1上には、熱電対4をウエハ小片3上の熱電対4と同軸になる様に配置してポリイミド接着剤5で固定したシリコンウエハ9がシリコンウエハ支持体7上且つ突起8の内側に置かれている。このシリコンウエハ9上の熱電対4から伸びるリード線6をシリコンウエハ基板用ステージ1の外に出し、所定の所にあるペンレコーダ14の端子15に接続する。この様にして、シリコンウエハ9とシリコンウエハ9と同一の組成及び厚さからなるウエハ小片3との間の温度計測上の補正を可能にする。
【0036】
図5は、本発明の第二の実施形態における温度検出機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージ1の上面図である。シリコンウエハ基板用ステージ1には、熱電対4を収容するための直方体空洞部2が設けられている。この直方体空洞部2は、貫通している事を特徴とし、シリコンウエハ基板用ステージ1のどこにあっても良い。この直方体空洞部2に、3個の熱電対4を等間隔且つ一つの熱電対4が直方体空洞部2の中心にくるように置き、熱電対リード線6を直方体空洞部2からシリコンウエハ基板用ステージ1の外に出し、所定の所にあるペンレコーダ14の端子15に接続する。この様にして、一度に任意の多点の1次元温度情報を得る事ができる。
【0037】
図6は、本発明の第三の実施形態における温度検出機能を備えたシリコンウエハ基板用ステージ1の上面図である。
【0038】
温度計測用の熱電対4を5つ、8インチシリコンウエハ9に埋め込み、その後ポリイミド接着剤5で封止し、これらの熱電対4の付いたシリコンウエハ9を前記シリコンウエハ基板用ステージ1に密着配設するための窪みを形成し、これらの熱電対4の付いたシリコンウエハ9を前記シリコンウエハ基板用ステージ1に密着配設後に窪み内の隙間をポリイミド接着剤5で埋め戻して封止し、ステージとしたものである。一度に任意の多点の2次元温度情報を得る事ができる。
【0039】
図7は、図6の2次元温度計測のために多数の熱電対4をシリコンウエハ9に埋め込んだシリコンウエハ基板用ステージ1を図5のA−A'の線に沿って切った時の断面図である。熱電対4を埋め込んだシリコンウエハ9とシリコンウエハ基板用ステージ1の本体の関係が分かる。
【実施例】
【0040】
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。
【実施例1】
【0041】
図8は、シリコンウエハ9と同じ組成及びシリコンウエハ9と同じ厚さ及びシリコンウエハのウエハ小片3の面積がシリコンウエハ9の約50分の1のウエハ小片3とシリコンウエハ9との間の温度プロファイルの違いを計測するために、図4のシリコンウエハ基板用のステージ1において、シリコンウエハ9と同じ組成及びシリコンウエハ9と同じ厚さ及びウエハ小片3の面積がシリコンウエハ9の約50分の1のウエハ小片3に1つの熱伝対をウエハ小片3のおもて面に接触配設させたものを空洞2内のステージ中央にランプヒータ16と反対を向くように配し、1ミクロンメートルの厚さのポジレジストを8インチ直径のP型001面方位のシリコンウエハ9の片面に塗布、乾燥、硬化後、シリコンウエハ9の中央に熱伝対4をポリイミド接着剤5を介して接触配設したシリコンウエハ9をシリコンウエハ基板用ステージ1に載せ300℃で昇温した後、降温し、シリコンウエハ基板温度の変化をシリコンウエハ投入直後から70秒まで連続的にプロットしたものである。図8のプロットにおいて、ウエハ小片3の温度プロファイルは点線で示され、3のマーキングがある。一方、図8のプロットにおいて、シリコンウエハの温度プロファイルは実線で示され、9のマーキングがある。同様の計測を16回繰り返したが、同様の傾向が見られ、シリコンウエハ9とシリコンウエハ9と同じ組成及びシリコンウエハ9と同じ厚さ及びシリコンウエハのウエハ小片3の面積がシリコンウエハの9の約50分の1のシリコンウエハのウエハ小片3との間の温度プロファイルに相関関係があり、シリコンウエハ9と同じ組成及びシリコンウエハ9と同じ厚さ及びシリコンウエハのウエハ小片3の面積がシリコンウエハ9の約50分の1のシリコンウエハのウエハ小片3の温度を計測すれば、シリコンウエハ9の温度を知ることが出来るという事が分かった。
【実施例2】
【0042】
図9は、図3のシリコンウエハ基板用ステージ1を使用して、1ミクロンメートルの厚さのポジレジストを8インチ直径のP型001面方位のシリコンウエハ9の片面に塗布したサンプルをシリコンウエハ基板用ステージ1に載せ300℃まで昇温した後降温し、シリコンウエハ基板温度の変化をシリコンウエハ投入直後から連続的にプロットしたものであり、昇温から降温までの全過程にわたりモニターできているのが分かる。7枚繰り返してシリコンウエハ基板温度検出能力を確認したが、いずれも結果は良好であった。

Claims (6)

  1. 放射加熱ランプヒータを有するシリコンウエハ加熱装置内でウエハ基板温度計測用の熱電対をもつ扁平な表面の石英製で円盤状のウエハ基板係止用のステージであって、
    前記放射加熱ランプヒータが該ステージの下にあり、
    ステージ表面にウエハ基板1枚を係止するためステージと同一の材料からなる複数の突起
    ステージ表面にウエハ基板1枚をステージ表面から所定の高さに保持するため前記ステージと同一の材料からなる複数の支持体、
    ステージ側面の少なくとも1点から直線状にステージ表面に平行に延在する少なくとも1つの空洞を有し
    ウエハ基板と同一組成、該ウエハ基板と同一厚さを有し、該ウエハ基板と所定の面積比を有し、温度を計測するための熱電対をおもて面に備えるウエハ小片
    該ウエハ小片を前記空洞内に該熱電対が該放射加熱ランプヒータに向かない様に配設した事を特徴とするステージ。
  2. 請求項1に記載の空洞に設置した請求項1に記載の熱電対から延びる1対のリード線を保護する目的で、PFAチューブを保護管とし、当該PFAチューブを取り付けるためにPTFE製継ぎ手をフッ素ゴム製O−リングを介して当該空洞に密着させて設置する事を特徴とするステージ。
  3. 請求項1に記載のウエハ小片と計測すべきウエハ基板との面積比が、50分の2を超えない事を特徴とするステージ。
  4. 請求項1に記載の空洞に請求項1に記載の熱電対を所定の位置に設置した後に、残りの空間を石英綿、PTFE綿、ポリイミド綿、又は熱硬化性樹脂で充填する事を特徴とするステージ。
  5. 請求項1に記載のステージをもちいたシリコンウエハ基板の測温法であって、
    ステージ表面上に置いた計測すべきシリコンウエハ基板のダミーウエハに熱電対を接触配設し、
    該熱電対の計測温度と、ウエハ小片に接触配設した熱電対の計測温度との差異のデータをあらかじめ採取する事前の工程を有し、
    前記の差異のデータとウエハ小片に接触配設した熱電対の計測温度とから計測すべきシリコンウエハ基板の温度を推定することを特徴とするシリコンウエハ基板の温度計測法。
  6. 上面と下面と、これら上面および下面の縁どうしの間に広がる側面を有し、ウエハ基板を該上面から所定高さ離間した位置に該上面と平行に保持して下面側から加熱されるステージであって、
    当該ステージが、前記側面に開口し前記上面と平行に延びる空洞を有し、
    熱電対が一面に固定され該熱電対を上にして前記空洞内に配設された、前記ウエハ基板と同一組成のウエハ小片を備えたものであることを特徴とするステージ
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