JP4098871B2 - 地下沈設体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のピース部材、たとえばセグメントピースと呼ばれるものを連結して地下に沈設して、立坑を構築し、トンネルを掘削するシールド掘削機等の発進立坑または到達立坑とするための地下沈設体に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、地下に地下鉄を建設する場合などには、地下鉄用のトンネルを掘削しようとするルートの両端部に、地盤に対し略鉛直方向に発進立坑及び到達立坑を構築する。そして、シールド掘削機を発進立坑内部へ下ろし、発進立坑から発進させ、所定のルートを掘削した後に、到達立坑へ到達する。
【0003】
この場合のシールド掘削機の発進と到達は、両立坑の発進側及び到達側の地盤を地盤改良して、両立坑の内部から人力によるはつりを行い、発進口及び到達口を丁寧に形成していた。
【0004】
そして、地盤改良の方法としては、セメント系の注入材を高圧噴射注入工法により地盤に注入するものや、地盤に複数の管を貫通させ管の内部に冷媒を通し地盤を凍結させる方法などがある。これによりシールド掘削機の発進及び到達時に発進口や到達口などの周囲の地盤が崩れてしまうのを防止する。
【0005】
しかし、このような地盤改良は、環境汚染の危険性があり、また、地盤改良工事により工期が長くなってしまうなどの制約があった。また、はつり作業は、作業者の安全管理が難しく、また塵埃が多く発生してしまうという問題もあった。これらのため、地盤改良作業やはつり作業には、時間とコストがかかるという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、シールド掘削機のカッタービットで切削可能な材料を、発進立坑及び到達立坑の立坑を構成する壁体に用い、地盤改良作業やはつり作業を省略する方法が提案されている。すなわち、立坑の壁体は、例えばH型鋼を縦に配置したものを、立坑の周方向に多数連続させて構成するものであるが、発進口及び到達口に相当する部分には、H型鋼の変わりに、シールド掘削機により切削可能な材料を用いる。
【0007】
ここでいう切削可能とは、カッタービットで切断された後も、通常の鉄筋のようにカッタービットに絡みついたりせず、開口をスムースに達成させるもののことである。すなわち、鉄系の材料であっても切削後にカッタービットに絡みついたりしなければ、「切削可能」である。
【0008】
このような材料の一例としては、炭素繊維で補強し石灰石骨材を使用した高強度コンクリートなどがある。切削可能な材料は、同時に、壁体として土圧や水圧によって発生する引っ張り力等に十分に耐えられるものであることが必要であるので、補強がなされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、切削可能な材料を発進口又は到達口に用いた発進立坑又は到達立坑は、H型鋼などの長物の材料を縦方向に配置し立坑の周方向に複数連続させた構造であるため、立坑を掘削する工事自体が、時間及びコストを必要とするものであった。
【0010】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、圧入沈設工法における地盤改良工事や、はつり工事を省略でき、且つ立坑の掘削工事にかかる時間及びコストを低減できる地下沈設体を提供することを目的とする。
【0011】
また、この発明に係る地下沈設体は、最上端から加圧することで地下に沈設を行うものであるが、前記引っ張り力のみならず、この加圧力に伴う圧縮力にも十分に耐えられる地下沈設体を提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、第一の発明は、複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、前記コンクリートを材料とするピース部材の厚さが、前記鋼材または鉄筋コンクリートを材料とするピース部材の厚さより厚く、両者の間で厚さが変化する部分に、該変化が連続的になるよう傾斜が施されていることを特徴とする地下沈設体である。
【0013】
第二の発明は、複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材、または鉄筋コンクリートであり、前記切削可能なコンクリート系ピース部材同士の連結は、コンクリート系ピース部材の連結面に形成された凹部と凸部、及び樹脂製の埋め込みナット及び樹脂製のボルトによって行われることを特徴とする地下沈設体である。
【0014】
第三の発明は、複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、前記発進口または到達口に相当する部分のピース部材には、前記切削可能な材料であるコンクリートの周囲を囲む補強材及び該補強材に上下方向に複数本取り付けられた上下補強材が設けられ、前記上下補強材が前記ピース部材から取り外し可能であることを特徴とする地下沈設体である。第四の発明は、複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、前記発進口または到達口の部分が単体の丸い形のピース部材であり、該丸い形のピース部材の周囲の部分が、該丸い形のピース部材と連結できる形のピース部材であることを特徴とする地下沈設体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を、図1乃至図10において説明する。まず、図1において地下に地下鉄などを建設するためにトンネル掘削を行う際の工事全体の概略工程を説明する。
【0016】
シールド掘削機1によりトンネル3を掘削するための発進立坑5を構築するために、始めに、地上に中空筒体7を据え付ける(図1(A))。この中空筒体7は複数のピース部材9を連結して構成する。そして、中空筒体7の内部を掘削すると同時に、最上端から加圧を行い、中空筒体7を地下に埋設する。中空筒体7の最上端にはピース部材9が次々と連結され、中空筒体7の上下方向の全長は長くなる(図1(A)(B))。そして、掘削と加圧を繰り返すことで、地中深く地下沈設体が構築される(図1(C))。
【0017】
このようにして地下沈設体として構築された発進立坑5に、シールド掘削機1を吊り下ろし(図(D))、発進口11に向かって発進させる(図(D)(E))。発進口11に相当するピース部材9には、切削可能な材料が用いられる。シールド掘削機は、この切削可能なピース部材を切削して発進を開始し、トンネルを所定のルートに沿って掘削する(図(F))。
【0018】
やがて、所定のルートの最終端に構築された到達立坑13にシールド掘削機1が到達する(図(G))。この到達立坑13も、前記発進立坑5と同様の手順(図1(A)(B)(C))で予め構築される。また、到達口15に相当する部分のピース部材も、発進立坑5の場合と同様に切削可能な材料からなる。到達に際しても、シールド掘削機によりピース部材が切削される(図(G)(H))。到達立坑13内に到達したシールド掘削機1(図(H))は、吊り上げられ、地上に搬出される。
【0019】
次に、発進立坑5または到達立坑13を構築する際の様子(図1(B))を、図2をもとに詳しく説明する。
【0020】
中空筒体7が加圧され沈設されるスペースの周囲には、あらかじめ複数のグラウンドアンカー17が打ち込まれ、このグラウンドアンカー17に接続されたアンカワイヤー19は、中空筒体7の上方に備えられる上部ビーム21に固定される。中空筒体7の上部には保護リング23を介して圧入桁25が乗せられ、この圧入桁25と前記上部ビーム21との間に、ジャッキ受け台27および圧入ジャッキ29が設けられる。
【0021】
圧入ジャッキ29が働いて上部ビーム21と圧入桁25の間を広げると、圧入力が圧入桁25および保護リング23を介して中空筒体7に伝えられ、中空筒体7は下方へ地盤に向かって圧入される。
【0022】
また、掘削機の一種であるハンマーグラブバケット31がワイヤー33によって吊り下げられ、中空筒体7内部の地盤を掘削する。このようにして、中空筒体7が地下に沈設され、立坑7、23が構築されていく。
【0023】
次に、発進立坑5からシールド掘削機1が発進する際の状態を図3に詳しく示す。図中35は、トンネルが掘削されるルートを示す。同様に、シールド掘削機1が到達立坑13へ到達する詳細図を図4に示す。
【0024】
そして、図3における発進口11および図4における到達口15の水平断面図を図5に示す。発進口11または到達口15に相当する複数枚のピース部材9が、コンクリート系の掘削可能な材料37からなる。
【0025】
次ぎに、発進口11の拡大した様子を図6に示し、到達口15の拡大した様子を図7に示す。なお、発進口11と到達口15は、この実施形態では、同じ構造を有する部分の裏と表である。
【0026】
図6(A)及び図7(A)に示すように、発進口11または到達口15に相当する4枚のピース部材9がコンクリート系の掘削可能な材料37からなる。なお、シールド掘削機1のカッタービット(図示せず)が接触する部分39を円形の破線で示す。コンクリート系の切削可能な材料37としては、
(1)炭素繊維で補強した石灰石骨材を使用する高強度のコンクリート、
(2)前記(1)の石灰石骨材の変わりに軽量骨材を使用するコンクリート、
(3)炭素繊維などの筋材を使用しない無筋の石灰石コンクリート、などが考えられる。このうち(3)は小径のトンネルを掘削する小径の立坑の場合に用いられる。
【0027】
また、他の実施形態においては、コンクリート系以外の切削可能な材料を用いることも可能である。すなわち
(4)硬質発泡ウレタンをガラス長繊維で強化した部材を積層した複合材、
(5)耐引っ張り力などに優れた樹脂製材料などが考えられる。
【0028】
コンクリート系の材料37からなるピース部材9以外の他のピース部材9は、この実施形態においては、鋼材を材料とする鋼製セグメントピースである。鋼製セグメントピースは、湾曲する平行な一対の主桁41と、これら主桁41の両端に接合される一対の継手板43と、両主桁41の中央部分に接合される縦リブ45と、これらの部材41、43、45の外側に接合されるスキンプレート47などからなる。
【0029】
コンクリート系のピース部材9に隣接するピース部材9である鋼製セグメントピース9には、主桁41、継手板43、縦リブ45に傾斜49が施されている。コンクリート系のピース部材9の厚さは、他の鋼製セグメントピースであるピース部材9の厚さよりも厚くなっており、中空筒体7を地下に沈設する際に加えられる加圧力によって生じる大きな圧縮力に耐えられるよう設計されている。
【0030】
この傾斜49によって、コンクリート系のピース部材9から鋼製セグメントピースであるピース部材9との間の厚さの変化が、不連続に行われるのを防止し、連続的に行われるようにすることで、応力の集中を防止する。
【0031】
鋼製セグメントピースであるピース部材9同士の連結は、従来と同様にボルト51によって行われる(図8)。すなわち、それぞれの鋼製セグメントピースの主桁41または継手板43に形成されたボルト孔同士を連結し、ボルト51とナット53によって締結し連結を行う。
【0032】
コンクリート系のピース部材9と鋼製セグメントピースの連結は、コンクリート系ピース部材9に埋め込まれた埋め込みナット55を用いて行う(図9)。すなわち、コンクリート系の材料に予め埋め込まれた埋め込みナット9に対し、鋼製セグメントピースの主桁41または継手板43に形成されたボルト孔を連通させ、鋼製セグメントピース側からボルト51を螺合し締結して連結を行う。
【0033】
コンクリート系ピース部材9同士の連結は、コンクリート系ピース部材9の連結面に形成された凹部57と凸部59、及び樹脂製の埋め込みナット61及び樹脂製のボルト63によって行われる(図10)。すなわち、連結面において、一方のコンクリート系のピース部材9には三角形断面の凸部59が形成され、他方のコンクリート形のピース部材9には三角形断面の凹部57が形成され、これら凹部57と凸部59が嵌合する。
【0034】
また、凸部59の斜面に埋め込まれた樹脂製の埋め込みナット61に対し、凹部57に所定の間隔をおいて隣接する作業用穴65の内壁に形成されたボルト孔67が連通され、作業用穴65において樹脂製のボルト63がボルト孔67へ挿入され、埋め込みナット61に締結されることで連結が行われる。
このようにコンクリート系のピース部材9同士の連結は、凹部57と凸部59によって行われ、補助的な連結として用いられる埋め込みナット61とボルト63も共に樹脂製であるため、シールド掘削機のカッタービットで切削できる性質が維持される。
【0035】
(実施形態の効果)
この実施形態によれば、複数のピース部材9を連結して構成する中空筒体7を、内部の地盤を掘削し、最上端から加圧することで地下に沈設して、発進立坑又は到達立坑を構築するので、従来のようにH型鋼などを縦方向に配置し、立坑の周方向に多数を連続させ壁体を構成して立坑を構築する場合に比べ、工事にかかる時間とコストを低減できる。
【0036】
また、ピース部材9のうち発進口11または到達口15に相当する部分のピース部材9が、コンクリート系の切削可能な材料37からなることにより、地盤改良工事やはつり工事を省略しても、発進口11や到達口15において地盤が崩れてしまうということを防止できる。
【0037】
また、切削可能な材料37であるコンクリートの厚さを厚くすることで、中空筒体7を加圧して沈設する際の加圧力によって生じる圧縮力にも十分に耐えることができる。すなわち、切削可能な材料37は、周囲の土圧や水圧を受けるに十分な引っ張り力に耐えるものであり、同時に、加圧力によって生じる圧縮力にも十分に耐えるものであり得る。
【0038】
(他の実施形態)
以上の実施形態においては、中空筒体7を地下に埋設するための加圧力によって生じる圧縮力に耐えるために、コンクリート系のピース部材9の厚さが他のピース部材9よりも厚く設定されるものであったが、他の実施形態においては、例えば図11に示すように、発進口11または到達口15に隣接するピース部材9に補強材71、73を施して、圧縮力を発進口11または到達口15に受けず、隣接する補強されたピース部材9によって受けるようにすることが可能である。
【0039】
すなわち、発進口11または到達口15に相当する部分のピース部材9は、直接に発進口11または到達口15となる部分のみ(図中の円形の部分)がコンクリート系の切削可能な材料37からなる。すなわち、シールド掘削機のカッタービットが接触する円形の部分39の斜線をカバーする大きな円形の補強材71が設けられ、この円形の補強材71の周囲に、更に概略同心状の曲線を有する補強材73が配置される。
【0040】
これらの補強材71、73は、発進口11または到達口15の中心を通る上下方向の線に対し、左右対称の形状を有する。円形の補強材71は、継手板43または縦リブ45の一端と接合されている。また、曲線を有する補強材73は、上下端部が継手板43または縦リブ45の一端と接合されている。
【0041】
このような形状を有する補強材71、73によって、沈設時の加圧力によって発生する圧縮力の応力ベクトルは、以上の発進口11または到達口15を直接に通過せずに、周囲の補強材71、73を通ることになる。したがって、コンクリート系の切削可能な材料37は、炭素繊維などで補強したものであって土圧などによる引っ張り力に変えられるものであれば良いこととなる。
【0042】
また、図11の補強材71、73はピース部材9から取り外されることはないが、更に他の実施形態においては、図12に示すように、ピース部材9から取り外し可能な補強材75を設けることも可能である。
【0043】
すなわち、圧縮力が加わるのは沈設のための加圧力が加えられる時のみであり、一旦、立坑5、13が構築された後は、シールド掘削機が発進したり到達したりする時を含めて、大きな圧縮力は加わらない。したがって、圧縮力が加わる時にのみ補強材75を設け、それ以外の時には補強材75を取り外してシールド掘削機の発進や到達に備えることが可能である。
【0044】
図12に示すように発進口11または到達口15に相当する部分の4枚のピース部材9は、コンクリート系の切削可能な材料37と、この材料37の周囲を囲む円形の補強材71を有する。この円形の補強材71は、主桁41、継手板43、縦リブ45などと接合されている。更に、円形の補強材71には、上下方向に複数本の上下補強材75が取り付けられる。すなわち、上下補強材75の両端と下端は、それぞれ継手板43や縦リブ45の付近に、ボルト77により取り付けられる。
【0045】
このようにして、沈設時の圧縮力はコンクリート系の材料37よりも、上下補強材75を通って支えられることとなる。また、圧縮力が加わらなくなった際には、ボルト77が外され、上下補強材が取り除かれることで、シールド掘削機がコンクリート系の切削可能な材料37を掘削できるように準備される。
【0046】
また、以上の実施形態においては、切削可能な材料37はコンクリート系のものであったが、他の実施形態においては必ずしもコンクリート系のものに限らず、前記(4)の複合材、(5)の樹脂製のものなどが考えられる。
【0047】
また、以上の実施形態においては切削可能な材料37からなるピース部材9以外のピース部材9は、材料が鋼材の鋼製セグメントピースであったが、他の実施形態においては、材料が鉄筋コンクリートであるピース部材とすることも可能である
【0048】
また、以上の実施形態においてはピース部材9の厚さの変化を連続的に行うための傾斜49は、鋼製セグメントピースの主桁41、継手板43、縦リブ45などに施されるものであったが、他の実施形態においては、コンクリートや鉄筋コンクリートを材料とするピース部材の厚さ自体に傾斜を施すものとすることも可能である。
【0049】
また、以上の実施形態では、切削可能な材料37は圧縮力に耐えるために厚さを厚くしたり、補強材71、73、75を設けたが、他の実施形態において、地盤の状態によっては、あまり大きな加圧力を加えなくても沈設が可能な場合には、厚くしたり、補強材を設けたりしなくてもよいばあいが考えられる。
【0050】
以上の実施形態によれば、発進口11または到達口15を形成する切削可能な材料37は、複数のピース部材によって分割され、ボルト63などにより連結されるものであったが、他の実施形態では、そのような分割をせずに、発進口11または到達口15の部分を単体の丸い形のピース部材とし、周囲の部分を該丸い形のピース部材と連結できる形のピース部材とすることもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、第一乃至第三の発明によれば、複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部の地盤を掘削し、最上端から加圧することで地下に沈設して、発進立坑又は到達立坑を構築するので、従来のようにH型鋼などを縦方向に配置し、立坑の周方向に多数を連続させ壁体を構成して立坑を構築する場合に比べ、工事にかかる時間とコストを低減できる。
【0052】
また、ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が切削可能な材料からなることにより、地盤改良工事やはつり工事を省略しても、発進口や到達口において地盤が崩れてしまうということを防止できる。
【0053】
また、第三の発明によれば、さらに、切削可能なピース部材の材料であるコンクリートの厚さを厚くすることで、中空筒体を加圧して沈設する際の加圧力によって生じる圧縮力にも十分に耐えることができる。また、厚さの変化が連続的に行われるように傾斜を施すことで、応力集中が生じるのを防止でき、全体としての中空筒体の強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の地下沈設体による立坑を構築してトンネルを掘削する工事全体の概略工程を示すものであり
(A)は立坑を掘削するためにピース部材を連結して中空筒体を構成し地上に据え付ける工程を示す図
(B)は中空筒体の内部を掘削し加圧力を加えることで沈設を行い、ピース部材を継ぎ足して中空筒体の全長を長くしていく工程を示す図
(C)は立坑が完成した図
(D)は完成した立坑を発進立坑としシールド掘削機を吊り下ろして据え付ける工程を示す図
(E)は中空筒体を構成する切削可能な材料からなるピース部材を切削してシールド掘削機が発進する工程を示す図
(F)はシールド掘削機が所定のコースにしたがってトンネルを掘削する状態を示す図
(G)はシールド掘削機が到達立坑に到達する工程を示す図
(H)はシールド掘削機が到達立坑の切削可能な材料からなるピース部材を切削して中空筒体の内部に移動する工程を示す図である。
【図2】図1の(B)を詳細に説明する図である。
【図3】図1の(D)を詳細に説明する図である。
【図4】図1の(G)を詳細に説明する図である。
【図5】図3の発進口または図4の到達口を示す水平断面図である。
【図6】(A)は図3の発進口を中空筒体の内側から示す正面図
(B)は(A)のB部拡大図である。
【図7】(A)は図4の到達口を中空筒体の外側から示す正面図
(B)は(A)のB部拡大図である。
【図8】は図6(B)のVIII部拡大図である。
【図9】は図6(B)のIX部拡大図である。
【図10】は図6(B)のX部拡大図である。
【図11】他の実施形態を示すもので
(A)は発進口または到達口を中空筒体の内側から示す正面図
(B)は(A)の一部拡大図である。
【図12】更に他の実施形態を示すもので
(A)は発進口または到達口を中空筒体の内側から示す拡大図(平面的に示した図)
(B)は(A)の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 シールド掘削機 5 発進立坑
7 中空筒体 9 ピース部材
13 到達立坑 17 グラウンドアンカー
19 アンカワイヤー 21 上部ビーム
23 保護リング 25 圧入桁
27 ジャッキ受け台 29 圧入ジャッキ
31 ハンマーグラブバケット 33 ワイヤ
35 所定のルート
37 コンクリート系の切削可能な材料
51 ボルト 53 ナット
55 植え込みナット 57 凹部
59 凸部 61 樹脂製の植え込みナット
63 樹脂製のボルト 65 作業用孔
71、73 補強材 75 上下補強材

Claims (4)

  1. 複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、
    前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、
    前記コンクリートを材料とするピース部材の厚さが、前記鋼材または鉄筋コンクリートを材料とするピース部材の厚さより厚く、両者の間で厚さが変化する部分に、該変化が連続的になるよう傾斜が施されていることを特徴とする地下沈設体。
  2. 複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、
    前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、
    前記切削可能なコンクリート系ピース部材同士の連結は、コンクリート系ピース部材の連結面に形成された凹部と凸部、及び樹脂製の埋め込みナット及び樹脂製のボルトによって行われることを特徴とする地下沈設体。
  3. 複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、
    前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、
    前記発進口または到達口に相当する部分のピース部材には、前記切削可能な材料であるコンクリートの周囲を囲む補強材及び該補強材に上下方向に複数本取り付けられた上下補強材が設けられ、前記上下補強材が前記ピース部材から取り外し可能であることを特徴とする地下沈設体。
  4. 複数のピース部材を連結して構成する中空筒体を、内部を掘削し最上端から加圧することで、地下に沈設して構築され、掘削機によりトンネルを掘削する際の発進立坑または到達立坑とされる地下沈設体であって、
    前記ピース部材のうち発進口または到達口に相当する部分のピース部材が、前記シールド掘削機によって切削可能な材料であるコンクリートであり、他のピース部材の材料が鋼材または鉄筋コンクリートであり、
    前記発進口または到達口の部分が単体の丸い形のピース部材であり、該丸い形のピース部材の周囲の部分が、該丸い形のピース部材と連結できる形のピース部材であることを特徴とする地下沈設体。
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