JP4098863B2 - マイクロカプセルの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレアをシェル部材とするマイクロカプセルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コア部材がエポキシ樹脂用の硬化促進剤である熱可塑性化合物からなり、シェル部材で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセルの製造方法としては、乳化剤および分散安定剤として水溶性高分子を含有する水相にコア部材用の非水溶性の熱可塑性化合物とシェル部材用の多価イソシアネ−ト化合物からなる油相を添加し分散して微小な粒子を造粒し、アミン化合物などを加えて重合反応によりシェル部材がポリウレアから成るマイクロカプセルを形成している。この操作において、油相の分散微粒子化に使用される乳化剤および分散安定剤としてのポリビニルアルコ−ルやメチルセルロ−スの如き水溶性高分子は、多くが水相に溶解しているが、一部はシェル部材用の多価イソシアネ−ト化合物に吸着したり結合してマイクロカプセル粒子となる分散粒子の表面を覆っていることが確認されている。特に、平均粒子径が10μm以下に小さくなる様に攪拌分散する為には水相の粘度を上げる必要が有り、高分子量の水溶性高分子を多量に溶解して用いる必要がある。また、粒子を分散した分散液にアミン化合物などを添加してシェルを形成する際に、分散液の分散安定化のためにも多量の水溶性高分子を必要とし、後のマイクロカプセル粒子だけの取り出し時には、この高粘度で多量の水溶性高分子を含むため、遠心分離効率が悪くなる欠点があり、さらに、廃水の処理に多くの労力と費用を必要とする。さらに、乾燥したマイクロカプセル粉末を半導体封止樹脂などへの分散混合にも、この粒子の表面に吸着や結合した水溶性高分子により、硬化反応後の樹脂の耐水、耐湿の電気特性、接着特性が低下しやすい問題が有った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分散安定剤としての水溶性高分子を使用しないか、極力その使用を排除すると共に、微小かつ分散係数が良好で、電気的用途に特に優れた特性を発揮するマイクロカプセル、および分離効率の良いマイクロカプセルの製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
水溶性高分子の使用量を減らし、かつ分散係数の小さい粒子径のマイクロカプセルを得るための手段を鋭意検討した結果、特定の界面活性剤を主成分とする乳化剤を含む油相に水相を分散することにより、水相と油相の界面張力が低下し、かつ油相の濃度を高くして形成した水相/油相型のエマルジョンを転相分散することにより高粘度状態で微細な油滴を分散でき、平均粒子径を0.2〜5μmの範囲に設定すると共に、分散係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が1.0以下に分散造粒したマイクロカプセルの製造方法を見出だし本発明に到達した。また、遠心分離性などの効率に優れ、またコア部材として硬化促進剤を内蔵するマイクロカプセルは、硬化性樹脂や硬化剤と共に用いると硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出だした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コア部材が非水溶性の熱可塑性化合物であるエポキシ樹脂用の硬化促進剤からなり、ポリウレアからなるシェル部材で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセルの製造法において、HLBが15〜20のノニオン系界面活性剤を主成分とする乳化剤、コア部材およびシェル部材形成用の多価イソシアネート化合物を含む油相に水相を分散させて水相/油相型のエマルジョンを形成し、次いで油相/水相型のエマルジョンに転相して微小な油滴を形成した後、多価アミン化合物によりシェル部材を形成することを特徴とする、平均粒子径が0.2〜5μmでかつ分散係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が1.0以下であるマイクロカプセルの製造法を第1の要旨とし、乳化剤の80重量%以上がHLBが15〜20のノニオン系界面活性剤であることを第2の要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明のマイクロカプセルはコア部材が非水溶の熱可塑性化合物であるエポキシ樹脂用の硬化促進剤からなり、ポリウレアからなるシェル部材で被覆されたコア/シェル構造を有する微細な平均粒子径と小さな分散係数を有するものであり、乳化剤としてHLBが15〜20のノニオン系界面活性剤を用いて、転相分散により分散造粒した後コア部材を形成する製造方法である。
【0007】
微細な平均粒子径で分散係数の小さいマイクロカプセルを製造するに当たり、油相を一定の粒子径の油滴に分散する方法について以下に述べる。一般に粒子径が10μm以上のマイクロカプセルでは高速分散機と界面活性剤の量を調整して、直接にO/W(水相/油相)型エマルジョンを形成して油滴を分散する直接分散によって造粒することもできるが、粒子径が10μm以下で、分散係数が1以下のマイクロカプセルを形成することは、水相の粘度が低いなどのために困難である。本発明の方法は、高粘度かつ低界面張力状態を作って転相により油滴を分散させることを特徴するものである。この方法の具体例としては、前記特定のノニオン系界面活性剤を添加溶解した油相に、水相を添加し攪拌機により、W/O(水相/油相)エマルジョンを形成した後にO/W(油相/水相)エマルジョンを形成する、いわゆる転相分散によって油滴を形成することにより、平均粒子径が5μm以下で分散係数が1.0以下と小さい微小なマイクロカプセル粒子を形成することができる。
【0008】
この特定の界面活性剤を用いた方法によれば、高粘度かつ低界面張力状態を作って油滴を分散させることができ、かつシェル部材の形成時の分散安定性も得られる。この方法によれば平均粒子径が0.2μmの極微細なマイクロカプセルをも得ることができる。上記方法において、W/Oエマルジョンを形成する際の水相の量は、界面活性剤の種類や量、添加方法にもよるが、油相100重量部に対して5〜60重量部であり、この状態で約2千〜2万rpmで適宜攪拌分散させた後O/Wエマルジョンに転相して、所望の分散係数の小さいマイクロカプセルを得る。なお、上記の油相は後述するが、コア部材およびシェル部材形成用の多価イソシアネート化合物に界面活性剤を添加し、これらを必要により有機溶媒を加えて均一に溶解して調整される。特に、W/Oエマルジョンを形成する際の水相および油相、並びにこれらを混合した分散液の分散時の粘度に留意して作業を進めるのがよい。すなわち、分散時の水相のみの粘度が5ポイズ以下の水相液に、分散時の油相のみの粘度が5ポイズ以下の油相液を分散して、混合した分散液の粘度が10ポイズ以上の状態で攪拌分散し造粒することにより、目的とするマイクロカプセルの平均粒子径や分散係数を調整するのに役立てることができる。
【0009】
分散造粒時に油相成分が非流動性や粘度が高すぎる時は、加熱した状態で分散造粒したり有機溶剤を添加して分散造粒することもできる。粘度はこの分散造粒時の加熱した温度での粘度を意味する。通常0〜200℃で、一般的には5〜90℃にて分散造粒するのがよい。これら粘度の測定方法は分散時の温度に設定して、BH型粘度計などにより測定することができる。シェル部材形成用の多価イソシアネ−ト化合物とコア部材となる非水溶性の熱可塑性化合物を含むマイクロカプセル成分の油相液中に、上記の水相液を分散機により分散する際の上記多価イソシアネ−ト化合物と熱可塑性化合物の割合は、通常1:9〜9:1(重量比)の範囲とすることができる。
【0010】
この様にして水相液を油相液に分散させた水相/油相型のエマルジョンを形成し、次いで蒸留水を適量添加して油相/水相型のエマルジョンに転相して微小な油滴を形成した後に、多価アミン化合物を添加し重合することによりポリウレアをシェルとし、熱可塑性化合物をコアとするマイクロカプセルを得る。コア部材として用いる非水溶性の熱可塑性化合物であるエポキシ樹脂用の硬化促進剤としては、例えばトリエチルホスフィンやトリフェニルホスフィンなどがあり、特に限定するものではない。ここで非水溶性とは分散性や安定性に支障のない程度の水溶性でも可能で、通常は水への溶解度が10%以下である。なお油相液には、他にシラン等の無機微粒子の充填剤や紫外線安定剤や酸化防止剤やカ−ボン等の顔料や染料などを添加することもできる。
【0011】
本発明に使用されるノニオン性界面活性剤は、HLBが15〜20の値のものが分散性や安定性から好ましい。上記の値をはずれると油相を分散した油滴の安定性が劣ることがある。界面活性剤としては、上記ノニオン性界面活性剤を80重量%以上の範囲で使用するのが好ましく、必要により分散性の補助剤としてアニオン系界面活性剤や分散安定性の補助剤として水溶性高分子を20重量%以下の範囲で使用することができる。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えばHLBが15〜20で分子量2万以下のポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ−テル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ−などが好ましい。特に分散安定性の点からHLBが18以上で分子量が5000〜20000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ−が更に好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコ−ル硫酸エステルソ−ダ、アルキルベンゼンスルフォン酸ソ−ダ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫酸ソ−ダ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫酸アンモニウム塩などを用いることができる。水溶性高分子としてはメチルセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル、アラビアゴム、変成澱粉、ゼラチンなどを用いることができる。
【0012】
シェル部材を形成するポリウレアは、多価イソシアネ−ト化合物と多価アミン化合物あるいは/および多価イソシアネ−ト化合物と水との反応によって得られる。この多価イソシアネ−ト化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物であればよく、具体的にはm−フェニレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレン−1,4−ジイソシアネ−ト等のジイソシアネ−ト類、p−フェニレンジイソチオシアネ−ト等のトリイソシアネ−ト類、4,4´−ジメチルジフェニルメタン2,2´,5,5´−テトライソシアネ−ト等のテトライソシアネ−ト類および、ヘキサメチレンジイソシアネ−トとヘキサントリオ−ルとの付加物、トリレンジイソシアネ−トとトリメチロ−ルプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネ−トとトリメチロ−ルプロパンの付加物、ペンタフェニルテトラメチレンペンタイソシアネ−ト等の脂肪族多価イソシアネ−トのイソシアネ−トプレポリマ−等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0013】
一方、上記多価イソシアネ−ト化合物と反応させる多価アミン化合物としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6ヘキサメチレンジアミン、1,12ドデカメチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記ポリウレアとしては、特に下記の一般式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする重合体が好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
また、上記多価イソシアネ−ト化合物と水との反応では、先ず、多価イソシアネ−ト化合物の加水分解によってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシアネ−ト基と反応(いわゆる自己重付加反応)することによって、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする重合体が形成されると考えられる。この様にして得られたマイクロカプセルは、水媒体中に水溶性高分子を含まないか、もしくは少量であるため、分散液の粘度が低下し遠心分離や膜分離などによる粒子の分離精製が容易になり、生産性や廃水処理にも優れている。また、得られたマイクロカプセルの分散液中の乳化剤および分散安定剤が不要の時は、遠心分離や膜分離などの方法を1回または多数回処理することにより精製でき、凍結乾燥や噴霧乾燥などの方法によりマイクロカプセルの粉末を取り出すことができる。
【0016】
また、本発明の方法により得られたトリフェニルホスフィンの如きエポキシ樹脂用の硬化促進剤を含むマイクロカプセルは、ビフェニル型などのエポキシ樹脂と硬化剤としてフェノ−ルアラルキル樹脂の如きフエノ−ル樹脂に加えた混合物を、半導体封止樹脂用材料として用いたり、剥離性のシ−ト状の支持体に溶剤で希釈塗布乾燥したり、無溶剤で加圧シ−ト化した物は硬化性の接着シ−トなどとして用いることができる。
【0017】
【実施例】
次に、実施例について比較例と併せて説明する。文中において部とあるのは重量部を意味する。なお、マイクロカプセルの平均粒子径および標準偏差は、レ−ザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製)を用いて測定した。ここで言う粒子径とは、体積平均に基づくものである。分散係数は次式により求めた。
分散係数=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)
【0018】
実施例1[硬化促進剤含有マイクロカプセルC1]
キシリレンジイソシアネ−ト3モルとトリメチロ−ルプロパン1モルとの付加物100部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ−(HLB20、分子量1.3万)15部、酢酸エチル35部およびベンゼン10部を、硬化促進剤としてのトリフェニホスフィン40部と共に50℃に加温して均一に溶解させて油相を調整した(この温度での油相の粘度は0.6ポイズ)。一方、蒸留水75部からなる水相を別途調整し同じ温度に加温した(この温度での水相の粘度は0.1ポイズ以下)。この水相を上記調整した油相に添加して分散機(回転数:10000rpm)にて50℃の加温下でW/O状態で2分間分散した(この温度での混合した分散液の粘度は80ポイズ)。その後更に加温下で分散機(回転数:8000rpm)にて蒸留水110部を加えてO/Wのエマルジョン状態の分散液にして、これを環流管、攪拌機、滴下ロ−トを供えた反応器に仕込んだ。一方、テトラエチレンペンタミン30部を含む水溶液130部を調整し、これを上記反応器に備えた滴下ロ−ト内に入れ、反応器中の分散液に滴下して70℃で3時間重合反応を行い、マイクロカプセルC1を作成した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアからなるシェル構造のマイクロカプセルを製造した。次いで、遠心分離機を用いてマイクロカプセルC1を取り出した(平均粒子径0.8μm,分散係数0.42)。
【0019】
実施例2[硬化促進剤含有マイクロカプセルC2]
下記の操作以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造した。実施例1のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ−(HLB20)に変えてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ−ト(HLB17)20部を用いた油相に蒸留水75部からなる水相を添加し、分散機の回転数を8000rpmで分散してW/Oエマルジョンを製造した。この時の油相、水相、分散液の粘度はそれぞれ0.6、0.1以下、60ポイズであった。この分散液にポリビニルアルコ−ル0.2重量%を溶解した水100部を加えて転相した分散液を、反応器に仕込み、テトラエチレンペンタミン30部を含む水溶液130部を滴下し重合反応を行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアからなるシェル構造のマイクロカプセルC2を製造し、遠心分離機を用いて取り出した(平均粒子径1.2μm,分散係数0.68)。
【0020】
実施例3[アゾ化合物含有マイクロカプセルC3]
下記の操作以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造した。キシリレンジイソシアネ−ト3モルとトリメチロ−ルプロパン1モルとの付加物100部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ−(HLB20、分子量1.3万)15部および酢酸エチル45部を、アゾ化合物としての2フェニルアゾ−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル40部と共に50℃に加温して均一に溶解させた油相を調整した。この油相に蒸留水75部を添加して、加温下8000rpmにて攪拌分散してW/Oエマルジョンを製造した。この時の油相、水相、分散水の粘度はそれぞれ0.9,0.1以下,90ポイズであった。このW/Oエマルジョンに蒸留水110部を加えて転相し、O/Wのエマルジョン状態の分散液にして、反応器に仕込んだ。次に、テトラエチレンペンタミン30部を含む水溶液130部を調整し、これを上記反応器に備えた滴下ロ−ト内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して40℃で6時間重合反応を行い、マイクロカプセルを作成した。このようにしてアゾ化合物を内包したポリウレアからなるシェル構造のマイクロカプセルを製造した。そして遠心分離機を用いてマイクロカプセルC3を取り出した(平均粒子径1.5μm,分散係数0.75)。このマイクロカプセルC3を重合性不飽和基を有するアクリルオリゴマ−に混合し、ポリエステルフィルム上にシ−ト状にはさんだ物は保存性が有り、また加熱することにより硬化が見られた。
【0021】
比較例1[硬化促進剤含有マイクロカプセルC4]
蒸留水180部にポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ−ト(HLB17)15部を溶解した水相に、キシリレンジイソシアネ−ト3モルとトリメチロ−ルプロパン1モルとの付加物100部および酢酸エチル35部およびベンゼン10部とトリフェニルホスフィン40部を溶解した油相を加え加温下で特殊分散機(回転数:18000rpm)にて1分間分散してO/Wのエマルジョン状態にした。この時の油相、水相、分散水の粘度はそれぞれ0.5、0.1以下、3ポイズであった。このエマルジョンを環流管、攪拌機、滴下ロ−トを供えた反応器に仕込んだ。次に、トリエチレンテトラミン30部を含む水溶液130部を調整し、これを上記反応器に備えた滴下ロ−ト内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間重合反応を行い、マイクロカプセルを作成した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアからなるシェル構造のマイクロカプセルを製造した。そして遠心分離機を用いてマイクロカプセルC4を取り出した(平均粒子径6.2μm,分散係数1.2)。
【0022】
比較例2[硬化促進剤含有マイクロカプセルC5]
蒸留水190部とポリビニルアルコ−ル(分子量8.8万)10部からなる水相を調整し、この水相に、キシリレンジイソシアネ−ト3モルとトリメチロ−ルプロパン1モルとの付加物100部および酢酸エチル35部およびベンゼン10部とトリフェニルホスフィン40部を溶解させた油相を添加して分散機(回転数10000rpm)にて、50℃の加温下乳化してO/Wエマルジョン状態とした。この時の油相、水相、分散水の粘度はそれぞれ0.5、0.3、35ポイズであった。次に、テトラエチレンペンタミン30部を含む水溶液130部を調整し、これを上記反応器に備えた滴下ロ−ト内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して40℃で6時間重合反応を行い、マイクロカプセルを作成した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアからなるシェル構造のマイクロカプセルを製造した。そして遠心分離機を用いてマイクロカプセルC5を取り出した(平均粒子径1.5μm,分散係数 0.8)。
【0023】
実施例および比較例において製造したマイクロカプセルについて、次に示す評価項目の試験を行った結果を表1に記載した。
〔回収率〕マイクロカプセル製造後の試料液を蒸留水で5倍に希釈した後、遠心分離(遠心力1万G)で分離処理を行った時の回収重量の差を、下記の式で算出した。
【0024】
【数1】
【0025】
【表1】
【0026】
表1の結果から明らかなように、実施例のノニオン系界面活性剤を用い、エマルジョン形態をW/OからO/Wへ転相して製造したマイクロカプセルは、回収率が高く、反応性の評価においても硬化反応特性が良く、30℃で3日後のエ−ジング後でも活性であり、保存性に優れていることが判る。一方、比較例1は直接O/Wエマルジョンを形成したものであり、平均粒子径が大きいために反応性に劣っている。また、比較例2の多量の水溶性高分子を使用して製造したマイクロカプセルは、回収率が悪く、反応性の評価も評価用混合物中での分散性に劣るなどのために反応性も劣っている。
【0027】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、平均粒子径が小さく分散係数も良好なマイクロカプセルが得られ、電気的用途に特に優れた特性を発揮する。また、遠心分離効率の良好なマイクロカプセルの製造法を提供するものである。
Claims (2)
- コア部材が非水溶性の熱可塑性化合物であるエポキシ樹脂用の硬化促進剤からなり、ポリウレアからなるシェル部材で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセルの製造法において、HLBが15〜20のノニオン系界面活性剤を主成分とする乳化剤、コア部材およびシェル部材形成用の多価イソシアネート化合物を含む油相に水相を分散させて水相/油相型のエマルジョンを形成し、次いで油相/水相型のエマルジョンに転相して微小な油滴を形成した後、多価アミン化合物によりシェル部材を形成することを特徴とする、平均粒子径が0.2〜5μmでかつ分散係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が1.0以下であるマイクロカプセルの製造法。
- 乳化剤の80重量%以上がHLBが15〜20のノニオン系界面活性剤である請求項1のマイクロカプセルの製造法。
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