JP4098683B2 - アルコキシル化用触媒およびそれを用いたアルキレンオキサイド付加物の製造方法 - Google Patents

アルコキシル化用触媒およびそれを用いたアルキレンオキサイド付加物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルコキシル化用触媒に関し、またこれを用いたアルキレンオキサイド付加物の製造方法に関するものである。
高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、アルキルアミン等の活性水素含有化合物は、アルキレンオキサイドとの付加重合により、疎水基の構造と親水基の構造を自由に組み合わせることができるので、家庭用洗剤や工業用界面活性剤、更にはアニオン界面活性剤の原料として広範な用途に利用されている。これらの活性水素を持つ化合物とアルキレンオキサイドから得られるアルキレンオキサイド付加物を製造するために、従来、触媒として、苛性ソーダ、苛性カリ、トリエチルアミン等の塩基性触媒や、三フッ化ホウ素や五塩化アンチモン等の酸性触媒が用いられている。
しかしながら、これらの公知の触媒には以下のような欠点がある。すなわち、塩基性触媒を用いた場合、副生成物が少なく重合度の高いものが容易に得られるが、重合度分布が広くなり、高級アルコール等の活性水素含有化合物の未反応物からアルキレンオキサイド重合度の高いものまで含む混合物となる。未反応物が多いと重合物の臭気が強く、重合物の石油エーテル可溶分などの値が高くなるので、洗浄用の界面活性剤として使用するには問題があり、また、アルキレンオキサイドの重合度の高いものが多いと、疎水性と親水性のバランスが崩れるので、界面活性剤としての性能低下などが問題となる。
一方、酸性触媒を用いた場合、高級アルコール等の活性水素含有化合物の未反応物は少なくなるが、ポリエチレングリコールやジオキサンなどの望ましくない副生成物が多く生成する。また、酸性触媒は金属に対する腐食性が強いので、使用する装置が限定され、工業用触媒として不具合な点を有する。
また、従来、重合度分布の狭い触媒として多くのアルコキシル化用触媒が提案されているが、上記問題点を解決しながら重合度分布を十分狭くするものはほとんど得られていないのが実情である。
例えば、下記特許文献1には、フッ化アルキルアルミニウムやフッ化アルコキシアルミニウムなどのハロゲン化物からなるアルコキシル化用触媒が提案されており、また、下記特許文献2には、フッ化アルコールのアルコキシル化用触媒として金属アルコラートとフッ化水素とからなる触媒が提案されている。
なお、特許文献2の4頁右下欄13行以下には、三フッ化ホウ素と金属アルコキシドとからなる触媒が記載されているが、同文献ではこれを実際のアルコキシル化反応に使用した例が示されておらず、本発明の構成ないし作用効果を何ら示唆するものではない。
特開昭58−210859号公報 特開昭60−149533号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、副生成物が多く、金属に対する腐食性が強いといった従来の酸性触媒の問題点を解消しながら、しかも従来の塩基性触媒に比べて未反応物を大幅に低減することができ、更にアルキレンオキサイド付加物の重合度分布を十分に狭くすることができるアルコキシル化用触媒、およびこれを用いたアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、三フッ化ホウ素錯塩類を始めとする特定のホウ素化合物と金属アルコラートとを併用することにより、未反応物を大幅に低減させながら、アルキレンオキサイド付加物の重合度分布を十分に狭くすることができ、しかも、副生物の生成や金属に対する腐食も抑えられることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、三フッ化ホウ素錯塩類、ホウフッ化水素酸及びホウフッ化水素酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも一種のホウ素化合物と、金属アルコラートとよりなるアルコキシル化用触媒を提供するものである。
本発明はまた、活性水素原子含有化合物とアルキレンオキサイドとを、三フッ化ホウ素錯塩類、ホウフッ化水素酸及びホウフッ化水素酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも一種のホウ素化合物と、金属アルコラートとの存在下で反応させることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、従来のアルコキシル化用触媒に比べて、未反応物を大幅に低減することができ、また重合度分布の狭いアルキレンオキサイド付加物を得ることができる。そのため、重合物の臭気が弱く、また、アルキレンオキサイドの重合度の高いものが少ないので疎水性と親水性のバランスが崩れることがなく、界面活性剤としての性能低下などが生じない。更に、従来の酸性触媒に比べて副生成物が少なく、また反応が中性付近で進むので金属に対する腐食も抑えることができる。
本発明のアルコキシル化用触媒における第1成分であるホウ素化合物は、三フッ化ホウ素錯塩類、ホウフッ化水素酸(テトラフルオロホウ酸:HBF)、又はホウフッ化水素酸塩類であり、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記三フッ化ホウ素錯塩類としては、例えば、三フッ化ホウ素エチルエーテルコンプレックス((CO・BF)等のアルキルエーテルコンプレックス、三フッ化ホウ素フェノールコンプレックス(2COH・BF)等のフェノール類コンプレックス、三フッ化ホウ素酢酸コンプレックス(2CHCOOH・BF)等のカルボン酸コンプレックス、三フッ化ホウ素メチルアルコールコンプレックス(CHOH・BF)等のアルキルアルコールコンプレックスなどが挙げられる。
また、前記ホウフッ化水素酸塩類としては、例えば、ホウフッ化第一錫、ホウフッ化銅、ホウフッ化鉛、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化第一鉄、ホウフッ化アンチモン、ホウフッ化インジウム、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化アンモニウム、ホウフッ化ソーダ、ホウフッ化マグネシウムなどが挙げられる。
本発明のアルコキシル化用触媒における第2成分は金属アルコラートである。金属アルコラートとしては、下記一般式で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
Figure 0004098683
式中、R、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であって、各化合物で少なくとも1つはアルコキシ基である。即ち、上記化合物はいずれも少なくとも1つのアルコキシル基を有する。また、Mはマグネシウム又はカルシウム原子、Mはアルミニウム又はガリウム原子、Mはチタニウム又はジルコニウム原子である。上記アルキル基及びアルコキシ基は炭素数が1〜18であることが好ましい。また、R、R、RおよびRの全てがアルコキシ基であることが好ましい。
これらの具体例として、2価の金属アルコラート(Mの場合)としては、マグネシウムジエチラート、マグネシウムメトキシエチラート、カルシウムジエチラート、カルシウムメトキシエチラートなどが挙げられる。
また、3価の金属アルコラート(Mの場合)としては、アルミニウムトリイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリsec−ブチレート、アルミニウムトリtert−ブチレート、アルミニウムトリエチレート、ガリウムトリイソプロピレートなどが挙げられる。
また、4価の金属アルコラート(Mの場合)としては、テトライソプロピルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネート、ジルコニウムテトライソプロピレートなどが挙げられる。
上記の中でも好ましいのは、3価の金属アルコラートであるアルミニウムアルコラートであり、より具体的には、アルミニウムイソプロピレート(Al(iso−CO))、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート(Al(iso−CO)(sec−CO))、アルミニウムsec−ブチレート(Al(sec−CO))、アルミニウムエチレート(Al(O−CO))、アルミニウムトリtert−ブチレート(Al(tert−CO))などが挙げられる。
本発明のアルコキシル化用触媒は、上記したホウ素化合物と金属アルコラートとを併用することを特徴とするものであり、併用することにより従来の触媒に比べて重合度分布の狭いアルキレンオキサイド付加物を得ることができる。その理由は、必ずしも明らかではないが、両者を混ぜることにより反応系中で何らかの複合体(コンプレックス)を形成しているものと考えられる。すなわち、後記実施例でも示されるように、上記ホウ素化合物単独で使用した場合には反応系は酸性であるが(比較例2,5参照)、これとほぼ中性の金属アルコラートとを組み合わせた場合には、中性に近いpHで反応が進むことから(実施例1〜7参照)、何らかのコンプレックスが形成されている可能性が高い。そして、このようにコンプレックスを形成することで優れた触媒作用が発揮されるものと推察される。なお、金属アルコラートと併用するホウ素化合物としてBFガスを用いた場合、BFガスは気体であることから金属アルコラートと均一に混ざりにくく、上記コンプレックスを形成しにくいためか、上記した本発明特有の作用効果は得られない。
上記ホウ素化合物と金属アルコラートとの混合比は、ホウ素化合物のモル数をA、金属アルコラートのモル数をBとしたとき、モル比A/B=1/2〜2/1であることが好ましい。この範囲を超えて上記ホウ素化合物が多すぎると、重合度分布が広くなる傾向にある。また、上記範囲を超えて上記金属アルコラートが多すぎると、反応速度が遅くなる傾向にある。より好ましいモル比は、A/B=1/1〜1.5/1であり、すなわち、上記ホウ素化合物が金属アルコラートよりも少し多めになるように混合することが、重合度分布を狭くする上で好ましい。
本発明の製造方法においては、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加してアルキレンオキサイド付加物を製造するに際し、上記ホウ素化合物と金属アルコラートとを触媒として同時に用いる。
上記活性水素含有化合物としては、アルコール類、多価アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類およびそれらの混合物等が挙げられる。
アルコール類としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する1級アルコールや2級アルコール、アリールアルキルアルコール等が挙げられる。具体的には、1級アルコールとしては、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサノール等、2級アルコールとしては、2−デカノール、2−ドデカノール等である。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。
カルボン酸類としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する脂肪酸等が挙げられる。具体的には、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
アミン類としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和のアルキル基を有する1級または2級アミン等が挙げられる。具体的には、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
これらの活性水素原子含有化合物の中では、炭素数8〜22の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する1級アルコールおよび2級アルコール類が好ましく、特に好ましいのは炭素数10〜18の直鎖もしくは分枝構造の飽和の1、2級アルコールである。
本発明で用いられるアルキレンオキサイドは、活性水素を持つ化合物と反応してアルコキシレートを生成し得るものであればどのようなものでも良いが、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキシラン環を持つものが好ましく、特に好ましいのはエチレンオキサイドである。
本発明の製造方法によるアルキレンオキサイド付加物の製造は、オートクレーブ等の圧力反応器で、通常の操作手順および反応条件で容易に行うことができる。その際、反応温度は、100〜150℃であることが好ましく、より好ましくは110〜130℃である。本発明の触媒は反応温度により重合度分布が変化するものであり、反応温度を100℃以上とすることにより重合度分布をより狭くすることができる。一方、反応温度が150℃を越えると、上記ホウ素化合物が失活して十分な効果を得にくくなる。なお、かかる反応温度は、従来の三フッ化ホウ素錯塩類単独使用の場合にせいぜい90℃までと低温で反応させていることに比べて特徴となり得る。
なお、触媒の使用量は、特に限定されないが、活性水素含有化合物に対して、0.1〜5.0重量%であることが好ましい。
反応終了後、触媒は反応生成物中に残存していてもよいし、それが不都合な場合には、そのままろ過したり、吸着処理後にろ過したり、加水分解処理後にろ過したり、あるいはまた、凝集処理後にろ過したりすることにより除去することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]2.2g(0.015モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]2.8g(0.011モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=1.4)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド132g(3モル)を導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは6.0であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は3.0であった。分子量分布をゲルパーミッションクロマトグラフフィー(GPC)で測定した結果、未反応アルコール量は0.7重量%であった。また、副生ポリエチレングリコール(PEG)の量を液体クロマトグラフィーで測定したところ、2.0重量%であった。
〔実施例2〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]2.2g(0.015モル)、および、アルミニウムイソプロピレート(AIPD)[Al(iso−CO)]2.5g(0.011モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=1.4)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド132g(3モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.9であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は3.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.8重量%であった。副生PEG量は2.2重量%であった。
〔比較例1〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)とKOH0.6g(0.011モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド132g(3モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は3.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は8.8重量%であった。副生PEG量は0.5重量%であった。
〔比較例2〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]0.6g(0.004モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を70℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド132g(3モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは3.8であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は3.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は3.7重量%であった。副生PEG量は5.0重量%であった。
〔比較例3〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)とハイドロタルサイト加熱処理品3.2gを添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次いで、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド132g(3モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は3.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は4.5重量%であった。副生PEG量は1.5重量%であった。
図1に、実施例1および比較例1〜3で得られた各アルキレンオキサイド付加物についての付加モル数分布を示す。図から明らかなように、三フッ化ホウ素錯塩とアルミニウムアルコラートとを併用した実施例1では、比較例の各触媒に比べて、重合度分布が極めて狭いものであった。
また、上記した各実施例および比較例の結果を下記表1に示す。同表から明らかなように、実施例の触媒では、KOHを用いた比較例1に比べて、副生PEG量は若干増加したものの、未反応アルコール量は大幅に低減されていた。このように本実施例では、エチレンオキサイドの付加モル数が少ない場合でありながら、未反応物を少なくすることができ、このことからも重合度分布が狭いことが分かる。また、三フッ化ホウ素錯塩単独使用の比較例2では反応系のpHが 3.8であったのに対し、実施例1,2ではより中性に近いpHで反応が進んでおり、そのため、金属に対する腐食性という点からも好ましいものであった。
〔実施例3〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]2.9g(0.020モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=1.4)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.8であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.3重量%であった。副生PEG量は3.3重量%であった。
〔実施例4〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]2.1g(0.015モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=1.0)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.7であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.3重量%であった。副生PEG量は3.0重量%であった。
〔実施例5〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]1.0g(0.007モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=2.0)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.8であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.3重量%であった。副生PEG量は3.3重量%であった
〔実施例6〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]4.1g(0.029モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=0.5)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.6であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.3重量%であった。副生PEG量は3.1重量%であった
〔比較例4〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)とKOH0.8g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は4.7重量%であった。また副生PEG量は0.5重量%であった。
〔比較例5〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体塩[BF・(CO]0.8g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を70℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは4.2であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.8重量%であった。副生PEG量は8.3重量%であった。
〔比較例6〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)とアルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを導入し反応を行った。この時、エチレンオキサイドを220g(5モル)導入しようとしたが、88g(2モル)までしか導入することができず、導入を中止した。引き続き、同温で5時間熟成した後、60℃に冷却した。その結果、アルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は1.0であり、十分な触媒作用が得られなかった。
図2に、実施例3〜6および比較例4、5で得られた各アルキレンオキサイド付加物についての付加モル数分布を示す。図から明らかなように、三フッ化ホウ素錯塩とアルミニウムアルコラートとを併用した実施例3〜6では、比較例の各触媒に比べて、重合度分布が極めて狭いものであった。特に、モル比A/Bが1/1〜1.5/1の範囲内である実施例3および4では、より好ましい重合度分布のものが得られた。
〔実施例7〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、ホウフッ化亜鉛[Zn(BF]3.6g(0.015モル)、および、アルミニウムsec−ブチレート(ASDB)[Al(sec−CO)]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した(上記モル比A/B=1.0)。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは5.8であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.8重量%であった。また、副生PEG量は3.0重量%であった。
〔比較例7〕
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール187g(1モル)と、ホウフッ化亜鉛[Zn(BF]3.6g(0.015モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を120℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。なお、反応中の溶液のpHは3.9であった。得られたアルキレンオキサイド付加物の平均付加モル数は5.0であった。分子量分布をGPCで測定した結果、未反応アルコール量は0.9重量%であった。また、副生PEG量は8.0重量%であった。
図3に、実施例3および比較例4,5とともに、実施例7および比較例7で得られた各アルキレンオキサイド付加物についての付加モル数分布を示す。図示するように、ホウフッ化水素酸塩類とアルミニウムアルコラートとを併用した実施例7は、三フッ化ホウ素錯塩類とアルミニウムアルコラートとを併用した実施例3と同じ程度に重合度分布を狭くすることができた。
Figure 0004098683
本発明によれば、重合度分布が狭く、また未反応原料や副生成物の少ないアルキレンオキサイド付加物を製造することができ、これによって得られたアルキレンオキサイド付加物は、家庭用洗剤や工業用界面活性剤、更にはアニオン界面活性剤の原料などとして広範な用途に利用することができる。
実施例1および比較例1〜3で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル数分布を示すグラフである。 実施例3〜6および比較例4、5で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル数分布を示すグラフである。 実施例3、7および比較例4、5、7で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル数分布を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 三フッ化ホウ素錯塩類、ホウフッ化水素酸及びホウフッ化水素酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも一種のホウ素化合物と、金属アルコラートよりなるアルコキシル化用触媒。
  2. 前記ホウ素化合物が、三フッ化ホウ素エチルエーテルコンプレックス、三フッ化ホウ素フェノールコンプレックス、三フッ化ホウ素酢酸コンプレックス、三フッ化ホウ素メチルアルコールコンプレックス、ホウフッ化水素酸、ホウフッ化第一錫、ホウフッ化銅、ホウフッ化鉛、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化第一鉄、ホウフッ化アンチモン、ホウフッ化インジウム、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化アンモニウム、ホウフッ化ソーダ及びホウフッ化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のアルコキシル化用触媒。
  3. 前記金属アルコラートが、下記一般式で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2記載のアルコキシル化用触媒。
    Figure 0004098683
    (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であって、各化合物で少なくとも1つはアルコキシ基であり、Mはマグネシウム又はカルシウム原子、Mはアルミニウム又はガリウム原子、Mはチタニウム又はジルコニウム原子である。)
  4. 前記ホウ素化合物(A)と前記金属アルコラート(B)とのモル比A/Bが1/2〜2/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシル化用触媒。
  5. 活性水素原子含有化合物とアルキレンオキサイドとを、三フッ化ホウ素錯塩類、ホウフッ化水素酸及びホウフッ化水素酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも一種のホウ素化合物と、金属アルコラートとの存在下で反応させることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  6. 前記活性水素原子含有化合物とアルキレンオキサイドとを100〜150℃で反応させることを特徴とする請求項5記載のアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
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