JP4098517B2 - ヘッドレスト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機、列車、船舶、フォークリフト、自動車などの輸送機器用の座席、あるいは住居内外で使用される各種の椅子などの各種座席構造に用いられるヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機、列車、船舶、自動車用座席などに設けられるヘッドレストとしては種々のものが知られているが、特に、乗物用の座席に設けられるヘッドレストにおいては、衝撃吸収特性を向上させることが常に求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、衝撃吸収特性を向上させることができる減衰特性を重視した構造とすることができるヘッドレストを提供することを課題とする。また、本発明は、励振力の小さな入力に対しては減衰特性の作用を小さくしてバネ特性による除振性能を損なうことのないヘッドレストを提供することを課題とする。特に、衝撃力が入力されるような大変形時には、大きな減衰比により反力を小さくして頭部の跳ね返りを防止できると共に、衝撃力を減衰して人体へ入力される衝撃力を緩和できるヘッドレストを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、所定間隔離間して配置された一対のサイドフレームを備えたフレームと、
前記一対のサイドフレーム間に張設されて前記フレームに支持されるクッション材とを有するヘッドレストであって、
前記クッション材は、
三次元立体編物から構成されるか、又は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造体から構成されると共に、前記フレームに人体側に膨出する頂部を備えたキャンバー形状となるように張設され、かつ、
一部に、常態において屈曲状態となっている屈曲部を有し、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該屈曲部が伸張して張力が低下するように設けられていることを特徴とするヘッドレストを提供する。
請求項2記載の本発明では、前記屈曲部が前記サイドフレームに固定されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該屈曲部の固定状態が解除されることによって該屈曲部が伸張する構造であることを特徴とする請求項1記載のヘッドレストを提供する。
請求項3記載の本発明では、所定間隔離間して配置された一対のサイドフレームを備えたフレームと、
前記一対のサイドフレーム間に張設されて前記フレームに支持されるクッション材とを有するヘッドレストであって、
前記クッション材は、
三次元立体編物から構成されるか、又は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造体から構成されると共に、前記フレームに人体側に膨出する頂部を備えたキャンバー形状となるように張設され、かつ、
各一端が前記クッション材の各側部付近に固定連結され、常態において前記クッション材に張力場を付与して所定の形状を保持させる実質的に非伸縮性の部材からなる張力付与部材を具備し、
所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され、前記クッション材が陥没方向に変形する際に、前記クッション材との連結位置が変化しようとして張力付与部材自体に加わる引っ張り力により、張力付与部材が破断し、これにより前記クッション材の張力が低下する構造であることを特徴とするヘッドレストを提供する。
請求項4記載の本発明では、前記張力付与部材が、前記クッション材の裏面側において、各側部の内側に余裕代を残した状態で該各側部を前記クッション材に固定することにより設けられる実質的に非伸縮性の素材からなる裏張り材と、
前記裏張り材の各側部より内側の部位に結合され、裏張り材を法線方向に引っ張って前記余裕代によるたわみをなくすように設けられ、前記クッション材に張力場を付与する伸縮性を有する引っ張り材とを具備して構成され、
所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加されると、前記クッション材の変形と共に前記裏張り材が接線方向に伸ばされ、これにより、前記クッション材の張力が低下する構造であることを特徴とする請求項3記載のヘッドレストを提供する。
請求項5記載の本発明では、前記キャンバー形状に設けられるクッション材の頂部が、頭部当接時の重心位置よりも下方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のヘッドレストを提供する。
請求項6記載の本発明では、前記各サイドフレームは、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に内倒れ変形し、前記クッション材の張力を低下させる構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のヘッドレストを提供する。
請求項7記載の本発明では、前記各サイドフレームがボルト部材の挿通孔を有すると共 に、該サイドフレームの固定支持部に対して、ボルト部材を用いて支持されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、前記挿通孔が拡径して、ボルト部材上のサイドフレームの取り付け位置が変化することにより、前記サイドフレームの変形が許容される構造であることを特徴とする請求項6記載のヘッドレストを提供する。
請求項8記載の本発明では、前記サイドフレームが、板バネ部材を介して支持されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該板バネ部材が変形し、これにより前記サイドフレームの変形が許容される構造であることを特徴とする請求項6記載のヘッドレストを提供する。
【0005】
(作用)
本発明によれば、クッション材がフレームに支持された張力構造体からなるため、フレームへの支持方法、フレームへ支持させる際の張力等を調整することにより、種々の特性のヘッドレストを容易に形成できる。従って、頭部の跳ね返りを抑制すべく、減衰特性を重視した構造とすることも容易である。
【0006】
また、本発明によれば、クッション材が、入力となる励振力の大きさに応じて該クッション材の接線方向に沿った変形挙動、すなわち変形の仕方が異なる構造である。このため、励振力の大きさに応じてひずみエネルギーが変化することにより、その接線方向の張力が変化し、励振力の大きさに応じた減衰特性を発揮することができる。入力となる励振力が小さい場合に大きな減衰特性が作用したのでは振動を除振することができないが、本発明によれば、励振力の小さな入力に対しては、減衰特性の作用が小さく、バネ特性が相対的に大きく作用するため除振できる。これに対し、励振力の大きな衝撃性振動や衝撃力に対しては大きな減衰比で減衰特性が作用してエネルギーを散逸することができる。
【0007】
また、本発明によれば、人体側に膨出する頂部を備えているため、下部を固定端とすることにより、膨出している該頂部が自由端となった一端固定他端自由の弾性体の振動系が形成され、張力を有する膜の振動系を付与した構造となる。このため、ヘッドレストの前後方向(法線方向)及び上下方向(接線方向)にバネ特性が複合して作用し、法線方向の励振力を接線方向の励振力に効率よく変換することができ、例えば、高周波帯における振動のような小さな振幅の入力振動を効果的に除振できる。
【0008】
一方、衝撃性振動や衝撃力のような励振力の大きな入力がされた場合には、クッション材において大きな減衰特性が作用する。すなわち、後突された場合のような大変形を伴う大きな衝撃性振動を受けた場合には、上記した振動方向の変換機能が働いて衝撃性振動が低減され、頭部の跳ね返りを抑制することができる。
【0009】
さらに、キャンバー形状に設けられるクッション材の頂部が、頭部当接時の重心位置よりも下方に位置する構成とすれば、衝撃性振動や衝撃力のような励振力の大きな入力がされた際に、頭部の重心位置が、頂部よりも上方になるため、上記した接線方向への振動変換機能をより効果的に発揮できる。
【0010】
また、本発明によれば、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、クッション材の張力が低下する構造であるため、大きな減衰特性を作用させることができ、頭部の跳ね返りをさらに抑制することができる。これにより高い減衰特性を発揮できる。そして、さらにクッション材が変位していくことによって、衝撃エネルギーが吸収される。
【0011】
また、張力構造体として設けられるクッション材を三次元立体編物から形成した場合には、三次元立体編物自体の有する高い減衰特性をさらに利用することができる。また、二次元織物又は二次元編物にウレタン層を備えたウレタン付き構造体によっても、三次元立体編物と同様の所定の張力場を備えた張力構造体となるクッション材を形成することができる。なお、三次元立体編物から形成した場合には、通気性が高いため、頭部におけるむれ感を抑制する機能も高い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。この図に示したように、本実施形態では、フレーム20とクッション材30とを有して構成される。フレーム20は、ヘッドレストポール40に溶接などにより連結される板状の下部裏面フレーム21と、下部裏面フレーム21に対し、上方に離間して配置される上部裏面フレーム22と、各裏面フレーム21,22の両側部に溶接などにより固定され、各裏面フレーム21,22に対して略直交するように前方に向かって立ち上げられたサイドフレーム23,23とを有して構成される。
【0013】
サイドフレーム23,23は、図2に示したように、基端部において内方に略直角に折り曲げられた第1の折り曲げ部23aと、先端部において外方に反対方向に向かって折り返された第2の折り曲げ部23bとを備え、第1の折り曲げ部23aの適宜部位が、各裏面フレーム21,22に溶接されている。また、サイドフレーム23,23は、図1(b)に示したように、側面視で、上下方向略中央部が最も先方に突出した頂部23cとなる形状を有している。
【0014】
クッション材30は、上記サイドフレーム23,23間に張設されることによって、張力場を備えた所定形状の張力構造体として設けられる。本実施形態においては、図2に示したように、クッション材30の両側部に、鉤状のフック部を備えた合成樹脂製のプレート部材(以下、「セットプレート」という)31を縫製などにより取り付け、このセットプレート31を、サイドフレーム23に形成された第2の折り曲げ部23bに係合させることによって張設している。また、クッション材30の下端縁は、図1(b)に示したように、上記と同様のセットプレート32を取り付けた上で、下部裏面フレーム21の上縁に係合させ、クッション材30の上端縁は、セットプレート33を取り付けた上で、上部裏面フレーム22に係合させている。
【0015】
なお、図2において符号34は、前端がクッション材30の側部と共に、セットプレート31に固定され、後端が、セットプレート35によってサイドフレーム23の第1の折り曲げ部23aに係合固定されて配設され、サイドフレーム23,23を覆い隠す化粧用のトリム布である。また、図1及び図2に示したように、クッション材30の上端縁と下端縁間においては、裏面側を隠す化粧用のトリム布36が縫製などにより固定配設される。
【0016】
クッション材30は、このように配設されることにより、各サイドフレーム23,23に形成された頂部23c,23cに対応して、頂部23,23間に張設される部位が最も前方に膨出する頂部30aを備えたキャンバー形状に張設されることになる。クッション材30にこのような頂部30aを形成すると、上記のようにクッション材30の下端縁がセットプレート32により下部裏面フレーム21に固定されているため、この頂部30aを自由端とする一端固定他端自由の膜の振動系を形成することができる。これにより、頭部の当接によって前後方向に入力される励振力の大きさに応じて頂部30aが上下方向にせり出すように移動し、接線方向に沿った頂部30aを頂点とする膨出部分の変形挙動(変形の仕方)を入力されるひずみエネルギーに応じて異ならせることができる。このため、小変形時に作用する減衰比を小さく、大変形時に作用する減衰比を大きくすることができる。なお、小変形時に作用する減衰比と大変形時に作用する減衰比の差は、0.2以上であることが好ましい。
【0017】
クッション材30の頂部30aは、かかる作用を果たすことができる位置であればよく、図1(b)に示したように、上下方向略中央部に限定されるものではないが、頭部の当接時の重心位置の範囲よりも下方とすることにより、接線方向へ変形しやすくなり、法線方向への励振力を接線方向への励振力に変換する機能を高めることができる。自動車用座席の場合、頭部の当接時の重心位置の範囲が、ヘッドレスト10の上端から65mmの範囲となるように設計される。このため、自動車用座席の場合には、頂部30aは、上端から65mmの位置よりも下方に設けることが好ましい。
【0018】
クッション材30は、フレーム20に支持されることによって所定の張力場を備えた張力構造体となるものであればよく、例えば、三次元立体編物、又は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造体を用いることができる。
【0019】
後者のウレタン付き構造体としては、二次元織物又は二次元編物に、2〜30mm程度の薄いポリウレタンフォームからなる表皮層を備えたウレタン層を積層したものを例示することができるが、三次元立体編物と比較した場合には、耐久性が若干劣り、バネ性が多少高くなり、また、通気性も劣ることから、本発明のクッション材30としては、三次元立体編物の方が優れている。但し、ウレタン付き構造体も、フレームに支持させることにより、張力場を備えた張力構造体として用いることができ、容易に減衰特性を重視した構造とすることができ、所定以上の衝撃性振動や衝撃力が付加された場合に張力を低下させ、大きな減衰特性を機能させることが可能である点で、本発明を適用可能である。
【0020】
また、三次元立体編物やウレタン付き二次元構造体等からなるクッション材は、伸び率30%以下、好ましくは5%未満でフレーム材に張設する。また、伸び率0%未満、すなわち、三次元立体編物等の編目を無負荷時の状態よりも縮小させるようにして収縮状態で張設することも好ましい。この場合、収縮状態にさせる部位は、クッション材全体であってもよいし、一部であってもよい。収縮状態とする手段としては、例えば、三次元立体編物等の編目を縮小させた状態で縫合したり、振動溶着したりする手段が挙げられる。
【0021】
このような収縮状態とした部位を有する張力構造体とすることにより、所定以上の大きな衝撃性振動や衝撃力が付加されると、縫合していた糸が切断されたり、溶着していた部位が剥離したりすることにより収縮状態が解除され編目が拡張していく。収縮状態から三次元立体編物等の伸び率0%に至るまでは、復元力が作用しないため、通常使用域における張力よりも小さくなり、高い減衰特性が発揮される。一方、三次元立体編物等が伸び率0%を超えて伸び出す場合ことにより、減衰された後の衝撃力が、新たに生じる張力場の弾性エネルギーによって吸収される。このため、高い衝撃吸収特性を発揮することができる。
【0022】
次に、本発明のクッション材30として好ましい三次元立体編物の構造について説明する。三次元立体編物とは、互いに離間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結合することにより形成されている。具体的には、図13に示すように、三次元立体編物100は、互いに離間して配置された一対のグランド編地110,120と、該一対のグランド編地110,120間を往復して両者を結合する多数の連結糸130とを有する立体的な三次元構造から構成されている。
【0023】
一方のグランド編地110は、例えば、図14に示したように、単繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)によって形成されている。これに対し、他方のグランド編地120は、例えば、図15に示したように、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する、一方のグランド編地110よりも大きな編み目構造に形成されている。もちろん、この編地組織はあくまで一例であり、細目組織やハニカム状以外の編地組織を採用することもできる。連結糸130は、一方のグランド編地110と他方のグランド編地120とが所定の間隔を保持するように、この一対のグランド編地110,120間に編み込んだもので、三次元立体編物100に所定の剛性を付与している。
【0024】
グランド編地110,120を形成するグランド糸の太さ等は、立体編地に必要な腰の強さを具備させることができると共に、編成作業が困難にならない範囲のものが選択される。また、グランド糸としてはモノフィラメント糸を用いることも可能であるが、風合い及び表面感触の柔らかさ等の観点から、マルチフィラメント糸やスパン糸を用いることが好ましい。
【0025】
連結糸130としては、モノフィラメント糸を用いることが好ましく、太さ167〜1100デシテックスの範囲のものが好適である。マルチフィラメント糸では復元力の良好なクッション性を付与できず、また、太さが167デシテックスを下回ると腰の強さが得られにくくなり、1100デシテックスを上回る場合には、硬くなり過ぎて適度な弾性を得ることができないからである。すなわち、連結糸130として上記範囲のモノフィラメント糸を採用することにより、着座者の荷重を、各グランド編地110,120を構成する編目の変形と連結糸130の変形(倒れ及び座屈)により、また、変形した連結糸130にバネ特性を付与する隣接した連結糸130の復元力によって支持することができ、柔らかなバネ特性を有する応力集中の起きない柔構造とすることができる。また、連結糸130間が擦れ合うことにより減衰力が発揮される。
【0026】
グランド糸又は連結糸130の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿等の天然繊維が挙げられる。上記素材は単独て用いてもよいし、これらを任意に併用することもできる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン系繊維、あるいはこれらの繊維を2種類以上組み合わせたものである。なお、ポリエステル系繊維はリサイクル性に優れており好適である。また、グランド糸又は連結糸130の糸形状も限定されるものではなく、丸断面糸でも異形断面糸等でもよい。
【0027】
連結糸130の配設の仕方(パイル組織)としては、各グランド編地110,120を連結する連結糸130を側面から見た状態で表すと、より具体的には、例えば、図16に示したような種類に分類される。(a),(b)は、グランド編地110,120間に連結糸130をほぼ垂直に編み込んだストレートタイプであり、このうち(a)は8の字状にしてほぼストレートに編んだもので、(b)は単純なストレートに編んだものである。(c)〜(e)は、グランド編地110,120間において、連結糸130が中途で交差するように編んだクロスタイプであり、このうち(c)は8の字状にクロスさせたもの、(d)は単純なクロスに編んだもの、(e)は2本ずつまとめてクロス(ダブルクロス)させたものである。なお、(c)〜(e)に示したように、連結糸130同士を交差させて斜めに配置した場合には、連結糸130をグランド編地110,120間にほぼ垂直に配置した形態と比較して((a),(b)参照)、各連結糸130の座屈強度により十分な復元力を保持しながら、圧縮率の大きな柔らかなバネ特性を付与することができる。
【0028】
本実施形態のヘッドレスト10によれば、図2(a)に示したように、通常の使用状態においては、頂部30aを有することによりキャンバー形状をなしていることから、クッション材30に入力される前後方向(法線方向)の励振力が、接線方向の励振力に変換される。このため、例えば、高周波帯の振動のような小さな振幅の入力振動は、このクッション材30の法線方向及び接線方向の複合的な動きによって効果的に吸収することができる。
【0029】
一方、所定以上の衝撃性振動や衝撃力が加わった際には、頭部がヘッドレスト10に押しつけられることにより、クッション材30が陥没方向に大きく変形しようとする。この際、本実施形態は、クッション材30が張力構造体であるため、図2(b)に示したように、サイドフレーム23,23における屈曲しやすい部分、例えば、第1の折り曲げ部23a,23aの角部から内方に折れ曲がるように変形する。この結果、サイドフレーム23,23間に張設されていたクッション材30の張力が低下する。
【0030】
クッション材30の張力が低下すると、頭部が後方に押しつけられていくことによって生ずる変位により衝撃力を受ける時間が長くなる。この際、三次元立体編物自体の有する高い減衰特性も作用する。これにより、小変形時との差が0.2以上ある高い減衰比の減衰特性を発揮させることができ、好ましくは、減衰比1以上の臨界減衰系あるいは超過減衰系とすることができるため、反力による頭部を跳ね返りを大きく低減することができる。また、衝撃力を受け続けていくことによって三次元立体編物には新たに張力場が生じ、その力がひずみエネルギーに変換されるため、衝撃力の作用時間が長くなり、衝撃エネルギーが吸収される。
【0031】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態においては、各裏面フレーム21,22間に板状フレームからなる固定支持部24を取り付け、この固定支持部24に対して、各サイドフレーム23,23を取り付けた構造である。
【0032】
具体的には、図3(b),(c)に示したように、各サイドフレーム23には、スリット状の挿通孔23dが形成されており、固定支持部24に対し、ボルト部材23eが該挿通孔23dに挿通されることによりねじ止めされている。
【0033】
そして、図3(b),(c)に示したように、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加されることにより、クッション材30が後方に押し込まれるように変位しようとすると、各サイドフレーム23が内倒れ変形しようとするため、スリット状の挿通孔23dがボルト部材23eの外周面によって押し広げられる。これにより、各サイドフレーム23の内倒れ変形が許容され、ボルト部材23e上のサイドフレーム23の取り付け位置が変化して、クッション材30の張力を上記第1の実施形態と同様に低下させることができ、上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0034】
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態では、第1の実施形態とほぼ同様の構造を有するものの、サイドフレーム23を第1の実施形態のように各裏面フレーム21,22に対して溶接により固定するのではなく、平面視で略直角に曲成された板バネ部材25を、各裏面フレーム21,22に固定し、この板バネ部材25によって各サイドフレーム23を支持させた構造である。
【0035】
このため、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合には、板バネ部材25の付勢力に抗して、陥没方向に変形していくクッション材30によってサイドフレーム23が内倒れしていき、クッション材30の張力を低下させ、上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0036】
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態においては、サイドフレーム23として、平面視で、略中央部を内方に屈曲させて形成した屈曲フレーム部23fを有していると共に、この屈曲フレーム部23fにクッション材30の一部を係合する固定手段、図5においてはスリット状の係合孔23gを形成したものを用いている。サイドフレーム23は、上記第1の実施形態と同様に、基端部が各裏面フレーム21,22に溶接により固定される。
【0037】
クッション材30は、サイドフレーム23,23に張設されると共に、その両側部付近は、サイドフレーム23の外面を覆い隠すように、サイドフレーム23の基端部まで回し込んでセットプレート35により固定している。
【0038】
クッション材30において、サイドフレーム23の外面を覆い隠すように回し込んだ部位には、係合突起30bが取り付けられており、この係合突起30bをサイドフレーム23に形成した係合孔23gに係合させている。クッション材30は、このようにして張設される結果、常態において、サイドフレーム23の屈曲フレーム部23fの形状に沿って、内方に屈曲した屈曲部30cを有することになる。
【0039】
通常は、図5(b)に示したように、係合突起30bが係合孔23gに係合したままで用いられ、所定以下の励振力の入力に対しては、張力構造体であるクッション材30によって上記第1の実施形態と同様に振動を除振する。一方、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合には、頭部が当接しているクッション材30の略中央部が陥没するように変化しようとする。これにより、クッション材30におけるサイドフレーム23の外面を覆っている部分が中央に引き寄せられる。このため、図5(e)に示したように、係合突起30bが係合孔23gから外れ、屈曲部30cが伸張し、クッション材30の張力が一気に低下する。この結果、頭部が後方に押しつけられていくことによって生ずる変位により衝撃力を受ける時間が長くなり、頭部を跳ね返す力が小さくなって、上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0040】
図6は、クッション材30に対し、常態において屈曲部30cを有した状態で張力を付与する本実施形態の他の態様を示す図である。図6に示したように、この態様では、サイドフレーム23と、クッション材30のうちのサイドフレーム23を覆っている部分との間に、所定の長さを有するブロック23hを介装させている。これにより、ブロック23hが介装されている部分のクッション材が外方に突出することになり、当該部分に外方に突出した屈曲部30cが形成された状態でクッション材30に張力が付与されている。なお、サイドフレーム23に対しては、ブロック23hの一端は、常態において外れないように針金などにより連結されており、クッション材30に対しては、他端に設けた溝にクッション材30に固定したセットプレート38を引っ掛けて配設している。
【0041】
そして、通常の入力に対しては、図6(b)に示したように、ブロック23hの姿勢が変化せず、屈曲部30cが所定の形状を保ったまま、第1の実施形態と同様の振動除振機能を果たす。これに対し、所定以上の衝撃性振動や衝撃力が付加された場合には、クッション材30の略中央部が頭部によって陥没方向に変化するため、サイドフレーム23を覆っている部分が引き寄せされる。これにより、図6(c)に示したように、ブロック23hの他端が、クッション材30と共に図において上方に引き上げられ、転倒する。この結果、屈曲部30cが伸張することになり、クッション材30の張力が低下して上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0042】
図7は、本実施形態のさらに他の態様を示す図である。図に示したように、この態様では、サイドフレーム23よりも内側部位において、クッション材30の一部を陥没方向に突出するように折り曲げ、折り曲げ部位同士を重ね合わせた上で、両者を糸などによって結合させることにより屈曲部30cを形成した構造である。また、屈曲部30cは、実質的に非伸縮性のワイヤやベルトなどの引っ張り材30dによって下部フレーム26に引っ張り固定しており、クッション材30に所定形状の張力場を付与している。なお、図7に示した態様におけるその他の構造は、後述の第5の実施形態とほぼ同様である。
【0043】
かかる構造においては、所定以上の衝撃性振動又は衝撃力によってクッション材30の中央付近が陥没方向に変位しようとすると、屈曲部30cを形成していた糸が破断する。このため、図7(b)に示したように、クッション材30が伸張して、一気に張力が低下し、上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0044】
(第5の実施形態)
図8は、第5の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。このヘッドレスト10は、ヘッドレストポール40に対して、各サイドフレーム23が溶接により固定されており、クッション材30が、このサイドフレーム23間に略円筒状に張設された構造を有している。クッション材30の幅方向各側部は、サイドフレーム23の外面を覆って、下端部がセットプレート39を介してサイドフレーム23に係合されている。また、クッション材30の前方側の下縁部及び後方側の下縁部は、いずれも、サイドフレーム23,23の下端間に掛け渡し配設した下部フレーム26に係合されている。
【0045】
クッション材30の裏面側には、実質的に非伸縮性の部材からなる張力付与部材が配設されている。この張力付与部材は、クッション材30と同様に略円筒状に配設される裏張り材41と、裏張り材41の各側部に連結される連結片42と、引っ張り材43と、各部材同士を結合する糸などの結合部材44を有して構成される。連結片42は、裏張り材41の各側部の外側に設けられ、クッション材30の裏面に縫製などにより接合されていると共に、裏張り材41に対して糸などの結合部材44によって連結されている。また、裏張り材41の各側部よりもやや内側においては、引っ張り材43の一端が連結されている。この引っ張り材43は、他端が下部フレーム26に固定されていると共に、実質的に非伸縮性のワイヤ、紐、ベルト等から構成され、クッション材30に、上記裏張り材41や連結片42を介して所定の張力場を付与する機能を果たす。
【0046】
また、本実施形態においては、クッション材30における頭部との当接部位は、三次元立体編物等の編目が小さくなるように収縮させた状態で張設し、上記引っ張り材43の引っ張り力により所定の張力場が形成され、引っ張り材による引っ張り力が解除されると、クッション材30が所定の形状を維持できなくなって陥没してしまうように設けている。すなわち、引っ張り材43を設けない状態では、サイドフレーム23間でクッション材30がたるんだ状態となるように設けている。
【0047】
かかる状態において、通常使用時においては、クッション材30は、図8(c)に示したように、張力場を有する構造であることから、法線方向に入力される振動を、クッション材30の接線方向の振動に分散させることができ、上記第1の実施形態と同様に入力となる励振力を効率よく除振する。
【0048】
一方、所定以上の衝撃性振動や衝撃力により大きな変形がクッション材30に入力されると、クッション材30の陥没方向への変形に伴い、裏張り材41も同様に陥没方向へ変形していくため、その外側に設けられた連結片42との間に離間方向に引っ張り力が生じる。このため、図8(d)に示したように、裏張り材41と連結片42とを連結していた糸などの結合部材44が破断する。裏張り材41と連結片42との連結状態が解除されると、引っ張り材43によってクッション材30に所定形状を保たせるために付与されていた張力場が失われることになる。この結果、クッション材30は張力が低下して陥没していき、衝撃力を受ける作用時間が長くなる。
【0049】
しかも、本実施形態によれば、クッション材30を予め収縮状態で配設しているため、上記した連結状態の解除によって張力が低下した後、さらに、陥没方向へ変形することによってクッション材30が伸びようとする。このため、エネルギーの吸収特性が高い。
【0050】
図9は、本実施形態の他の態様を示す図であり、この態様では、張力付与部材として、裏張り材41を設けずに、連結片42、引っ張り材43、連結片42とクッション材30とを結合する糸などの結合部材44とにより構成したものを用いている。これにより、所定以上の衝撃性振動や衝撃力によって、大変形を伴う荷重が入力された場合には、図9(b)に示したように連結片42とクッション材30とを連結している結合部材が破断し、あるいは、連結片42と引っ張り材43とが破断する。これにより、連結片42と引っ張り材43とを有してなる張力付与部材により形成されていたクッション材30の張力場が失われ、張力が低下し、高い減衰特性により、頭部の跳ね返りを抑制することができる。
【0051】
(第6の実施形態)
図10は、第6の実施形態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態においては、張力付与部材として、実質的に非伸縮性の素材からなる裏張り材41と、実質的に伸縮性の素材からなる引っ張り材45とを有してなる点で上記第5の実施形態と異なる。
【0052】
すなわち、図10(c)に示したように、裏張り材41は、余裕代41aを残した状態でクッション材30に糸などの縫製されて各側部が取り付けられる。引っ張り材45は、裏張り材41の側部よりも内側に結合され、裏張り材41の余裕代41aが法線方向に伸びるように引っ張っている。これにより、クッション材30において、連結されている裏張り材41の各側部に対応する部位間を収縮状態にして配置しても、該クッション材30が所定の張力場を有する張力構造体として配設される。
【0053】
かかる状態において、通常の振動が入力された場合には、図10(c),(d)に示したように、クッション材30の変位のみで振動が除振される。この際、本実施形態において、法線方向に入力される振動が接線方向の振動に分散されて振動を効率よく吸収する点は、上記各実施形態と同様である。
【0054】
所定以上の衝撃性振動や衝撃力などの大変形を伴う荷重が入力された場合には、図10(e)に示したように、クッション材30が陥没方向に大きく変形しようとするが、これに伴って裏張り材41が、その余裕代41aがなくなるようにクッション材30の接線方向の形状に沿って展張する。このため、クッション材30の陥没方向への大きな変形を伴う動きが、裏張り材41によって阻害されることがない。従って、クッション材30の張力が一気に低下し、また、クッション材30の変形により生じる伸びにより、荷重を受ける作用時間が上記第5の実施形態と同様に長くなり、衝撃性振動や衝撃力を効率よく吸収することができる。
【0055】
なお、実質的に伸縮性のある引っ張り材45としては、ゴム、合成樹脂等からなるワイヤやチューブなどを採用することができるが、図11(a),(b)に示したようにばね部材45aを介装することもできる。
【0056】
試験例
クッション材30として三次元立体編物を用いた図1に示した構造の本発明のヘッドレストについて、衝突試験を行った。このヘッドレストは、幅(サイドフレーム23,23間の距離)が、320mmで、サイドフレーム23の奥行き方向の長さが、90mmで、サイドフレーム23の上下方向長さが、220mmであり、厚さ13mm(但し、フレーム回りは折り返してあるため26mm)の三次元立体編物を伸び率0%で張設したものである。
【0057】
試験は、有効重量6.8kg、直径165mmの半球状の頭部模型を24.1kg/hの速度で、ヘッドレストの上端縁から下方65mmの位置に衝突させることにより行った。結果を図12に示す。
【0058】
図12から明らかなように、本発明のヘッドレストは、頭部が後方に押しつけられた後、60msecに至るまで速やかに収束していき、頭部を跳ね返すリバウンドが生じていない。これは、クッション材30である三次元立体編物の張力が緩んで、高い減衰特性により頸部から頭部がヘッドレストに押しつけられた状態が維持されていることを示すものである。
【0059】
【発明の効果】
本発明のヘッドレストは、クッション材がフレームに支持された張力構造体からなるため、フレームへの支持方法、フレームへ支持させる際の張力等を調整することにより、種々の特性のヘッドレストを容易に形成できる。従って、頭部の跳ね返りを抑制すべく、減衰特性を重視した構造とすることも容易である。
【0060】
また、本発明のヘッドレストは、クッション材が、入力となる励振力の大きさに応じて該クッション材の接線方向に沿った変形挙動、すなわち変形の仕方が異なる構造である。従って、励振力の小さな入力に対しては減衰特性の作用を小さくしてバネ特性による除振性能を損なうことがなく、励振力の大きな入力に対して高い減衰特性を作用させることができる。
【0061】
特に、衝撃力が入力されるような大変形時には、大きな減衰比により反力を小さくして頭部の跳ね返りを防止できると共に、衝撃力を減衰して人体へ入力される衝撃力を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るヘッドレストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】図2(a),(b)は、図1(a)のB−B線断面図であり、上記実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係るヘッドレストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(b)のA矢視図であって、(b),(c)は本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態に係るヘッドレストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図であって、本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の第4の実施形態に係るヘッドレストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視図、(b),(c)は(a)のB−B線断面図であって、本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施形態に係るヘッドレストの他の態様を示す図であり、(a)は斜視図、(b),(c)は(a)のB−B線断面図であって、本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図7】図7(a),(b)は、本発明の第4の実施形態に係るヘッドレストのさらに他の態様を示す一部断面図であり、かかる態様のヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の第5の実施形態に係るヘッドレストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c),(d)は(a)のA−A線断面図であって、本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図9】図9(a),(b)は、本発明の第5の実施形態に係るヘッドレストの他の態様を示す一部断面図であり、かかる態様のヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図10】図10は、本発明の第6の実施形態に係るヘッドレストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)〜(e)は(a)のA−A線断面図であって、本実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図11】図11(a),(b)は、本発明の第6の実施形態に係るヘッドレストの他の態様を示す一部断面図であり、かかる態様のヘッドレストの作用を説明するための図である。
【図12】図12は、試験例のヘッドレストの衝撃吸収特性を示す図である。
【図13】図13は、上記実施形態で使用可能な三次元立体編物の一例の構成を示す断面図である。
【図14】図14は、一方のグランド編地の一例を示す図である。
【図15】図15は、他方のグランド編地の一例を示す図である。
【図16】図16は、連結糸の各種配設の仕方を例示した図である。
【符号の説明】
10 ヘッドレスト
20 フレーム
23 サイドフレーム
30 クッション材
30a 頂部
100 三次元立体編物
110,120 グランド編地
130 連結糸

Claims (8)

  1. 所定間隔離間して配置された一対のサイドフレームを備えたフレームと、
    前記一対のサイドフレーム間に張設されて前記フレームに支持されるクッション材とを有するヘッドレストであって、
    前記クッション材は、
    三次元立体編物から構成されるか、又は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造体から構成されると共に、前記フレームに人体側に膨出する頂部を備えたキャンバー形状となるように張設され、かつ、
    一部に、常態において屈曲状態となっている屈曲部を有し、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該屈曲部が伸張して張力が低下するように設けられていることを特徴とするヘッドレスト。
  2. 前記屈曲部が前記サイドフレームに固定されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該屈曲部の固定状態が解除されることによって該屈曲部が伸張する構造であることを特徴とする請求項1記載のヘッドレスト。
  3. 所定間隔離間して配置された一対のサイドフレームを備えたフレームと、
    前記一対のサイドフレーム間に張設されて前記フレームに支持されるクッション材とを有するヘッドレストであって、
    前記クッション材は、
    三次元立体編物から構成されるか、又は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造体から構成されると共に、前記フレームに人体側に膨出する頂部を備えたキャンバー形状となるように張設され、かつ、
    各一端が前記クッション材の各側部付近に固定連結され、常態において前記クッション材に張力場を付与して所定の形状を保持させる実質的に非伸縮性の部材からなる張力付与部材を具備し、
    所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され、前記クッション材が陥没方向に変形する際に、前記クッション材との連結位置が変化しようとして張力付与部材自体に加わる引っ張り力により、張力付与部材が破断し、これにより前記クッション材の張力が低下する構造であることを特徴とするヘッドレスト。
  4. 前記張力付与部材が、前記クッション材の裏面側において、各側部の内側に余裕代を残した状態で該各側部を前記クッション材に固定することにより設けられる実質的に非伸縮性の素材からなる裏張り材と、
    前記裏張り材の各側部より内側の部位に結合され、裏張り材を法線方向に引っ張って前記余裕代によるたわみをなくすように設けられ、前記クッション材に張力場を付与する伸縮性を有する引っ張り材とを具備して構成され、
    所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加されると、前記クッション材の変形と共に前記裏張り材が接線方向に伸ばされ、これにより、前記クッション材の張力が低下する構造であることを特徴とする請求項3記載のヘッドレスト。
  5. 前記キャンバー形状に設けられるクッション材の頂部が、頭部当接時の重心位置よりも下方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のヘッドレスト。
  6. 前記各サイドフレームは、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に内倒れ変形し、前記クッション材の張力を低下させる構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のヘッドレスト。
  7. 前記各サイドフレームがボルト部材の挿通孔を有すると共に、該サイドフレームの固定支持部に対して、ボルト部材を用いて支持されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、前記挿通孔が拡径して、ボルト部材上のサ イドフレームの取り付け位置が変化することにより、前記サイドフレームの変形が許容される構造であることを特徴とする請求項6記載のヘッドレスト。
  8. 前記サイドフレームが、板バネ部材を介して支持されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、該板バネ部材が変形し、これにより前記サイドフレームの変形が許容される構造であることを特徴とする請求項6記載のヘッドレスト。
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