JP2003182430A - ヘッドレスト - Google Patents
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Abstract
された張力構造体からなるため、フレーム20への支持
方法、フレーム20へ支持させる際の張力等を調整する
ことにより、種々の特性のヘッドレスト10を容易に形
成でき、クッション材30が、入力となる励振力の大き
さに応じて該クッション材の接線方向に沿った変形挙
動、すなわち変形の仕方を異ならせることができる。ま
た、クッション材30に加わる衝撃によってフレーム2
0が変形する構造とすることにより、衝撃エネルギーを
吸収することができる。
Description
舶、フォークリフト、自動車などの輸送機器用の座席、
あるいは住居内外で使用される各種の椅子などの各種座
席構造に用いられるヘッドレストに関する。
に設けられるヘッドレストとしては種々のものが知られ
ているが、特に、乗物用の座席に設けられるヘッドレス
トにおいては、衝撃吸収特性を向上させることが常に求
められている。
されたものであり、衝撃吸収特性を向上させることがで
きる減衰特性を重視した構造とすることができるヘッド
レストを提供することを課題とする。また、本発明は、
励振力の小さな入力に対しては減衰特性の作用を小さく
してバネ特性による除振性能を損なうことのないヘッド
レストを提供することを課題とする。特に、衝撃力が入
力されるような大変形時には、大きな減衰比により反力
を小さくして頭部の跳ね返りを防止できると共に、衝撃
力を減衰して人体へ入力される衝撃力を緩和できるヘッ
ドレストを提供することを課題とする。
ため、請求項1記載の本発明では、フレームに支持され
ることにより、張力場を備えた所定形状の張力構造体と
して設けられるクッション材を有して構成されることを
特徴とするヘッドレストを提供する。請求項2記載の本
発明では、前記クッション材が、入力となる励振力の大
きさに応じてひずみエネルギーが変化することにより、
その接線方向の張力が変化する構造を有しており、励振
力の小さな入力に対しては小さな減衰比で減衰特性が作
用し、励振力の大きな入力に対しては大きな減衰比で減
衰特性が作用するように、励振力の大きさに応じて異な
る減衰特性を示すことを特徴とする請求項1記載のヘッ
ドレストを提供する。請求項3記載の本発明では、前記
クッション材が、人体側に膨出する頂部を備えたキャン
バー形状となるように張設され、下部を固定端とし、該
頂部を自由端とする振動系が形成された構造に設けら
れ、入力となる励振力の大きさに応じて弾性体による張
力構造体のひずみエネルギーが変化することにより接線
方向の張力が変化し、該クッション材の法線方向に入力
される励振力を接線方向の励振力に分散可能な構造であ
ることを特徴とする請求項2記載のヘッドレストを提供
する。請求項4記載の本発明では、前記頂部が、頭部当
接時の重心位置よりも下方に位置するように設けられて
いることを特徴とする請求項3記載のヘッドレストを提
供する。請求項5記載の本発明では、所定以上の大きな
衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、前記クッシ
ョン材の張力が低下する構造であることを特徴とする請
求項1〜4のいずれか1に記載のヘッドレストを提供す
る。請求項6記載の本発明では、所定以上の大きな衝撃
性振動又は衝撃力が付加された場合に、前記クッション
材の張力が低下して、減衰比1以上の臨界減衰系又は超
過減衰系を形成する構成としたことを特徴とする請求項
5記載のヘッドレストを提供する。請求項7記載の本発
明では、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加
された場合に、フレームが変形し、これにより前記クッ
ション材の張力を低下させる構造であることを特徴とす
る請求項5又は6記載のヘッドレストを提供する。請求
項8記載の本発明では、前記フレームがボルト部材の挿
通孔を有すると共に、該フレームの固定支持部に対し
て、ボルト部材を用いて支持されており、所定以上の大
きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、前記挿
通孔が拡径して、ボルト部材上のフレームの取り付け位
置が変化することにより、前記フレームの変形が許容さ
れる構造であることを特徴とする請求項7記載のヘッド
レストを提供する。請求項9記載の本発明では、前記フ
レームが、板バネ部材を介して支持されており、所定以
上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、
該板バネ部材が変形し、これにより前記フレームの変形
が許容される構造であることを特徴とする請求項7記載
のヘッドレストを提供する。請求項10記載の本発明で
は、フレームによって支持される前記クッション材の一
部に、常態において屈曲状態となっている屈曲部を設
け、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され
た場合に、該屈曲部が伸張して前記クッション材の張力
を低下させる構造であることを特徴とする請求項5又は
6記載のヘッドレストを提供する。請求項11記載の本
発明では、前記屈曲部がフレームの側部に固定されてお
り、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され
た場合に、該屈曲部の固定状態が解除されることによっ
て該屈曲部が伸張する構造であることを特徴とする請求
項10記載のヘッドレストを提供する。請求項12記載
の本発明では、各一端が前記クッション材の各側部付近
に固定連結され、常態において前記クッション材に張力
場を付与して所定の形状を保持させる実質的に非伸縮性
の部材からなる張力付与部材を具備し、所定以上の大き
な衝撃性振動又は衝撃力が付加され、前記クッション材
が陥没方向に変形する際に、前記クッション材との連結
位置が変化しようとして張力付与部材自体に加わる引っ
張り力により、張力付与部材が破断し、これにより前記
クッション材の張力が低下する構造であることを特徴と
する請求項5又は6記載のヘッドレストを提供する。請
求項13記載の本発明では、前記クッション材に張力を
付与する張力付与部材として、前記クッション材の裏面
側において、各側部の内側に余裕代を残した状態で該各
側部を前記クッション材に固定することにより設けられ
る実質的に非伸縮性の素材からなる裏張り材と、前記裏
張り材の各側部より内側の部位に結合され、裏張り材を
法線方向に引っ張って前記余裕代によるたわみをなくす
ように設けられ、前記クッション材に張力場を付与する
伸縮性を有する引っ張り材とを具備し、所定以上の大き
な衝撃性振動又は衝撃力が付加されると、前記クッショ
ン材の変形と共に前記裏張り材が接線方向に伸ばされ、
これにより、前記クッション材の張力が低下する構造で
あることを特徴とする請求項5又は6記載のヘッドレス
トを提供する。請求項14記載の本発明では、前記クッ
ション材の少なくとも一部が、常態において、該クッシ
ョン材の接線方向に収縮させた状態で設けられ、所定以
上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合に、
前記クッション材の張力が低下する構造であることを特
量とする請求項5記載のヘッドレストを提供する。請求
項15記載の本発明では、前記クッション材が、互いに
離間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で
結合することにより形成された三次元立体編物、又は、
二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは
二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン
付き構造体から形成されることを特徴とする請求項1〜
14のいずれか1に記載のヘッドレストを提供する。
クッション材がフレームに支持された張力構造体からな
るため、フレームへの支持方法、フレームへ支持させる
際の張力等を調整することにより、種々の特性のヘッド
レストを容易に形成できる。従って、頭部の跳ね返りを
抑制すべく、減衰特性を重視した構造とすることも容易
である。
ン材が、入力となる励振力の大きさに応じて該クッショ
ン材の接線方向に沿った変形挙動、すなわち変形の仕方
が異なる構造である。このため、励振力の大きさに応じ
てひずみエネルギーが変化することにより、その接線方
向の張力が変化し、励振力の大きさに応じた減衰特性を
発揮することができる。入力となる励振力が小さい場合
に大きな減衰特性が作用したのでは振動を除振すること
ができないが、本発明によれば、励振力の小さな入力に
対しては、減衰特性の作用が小さく、バネ特性が相対的
に大きく作用するため除振できる。これに対し、励振力
の大きな衝撃性振動や衝撃力に対しては大きな減衰比で
減衰特性が作用してエネルギーを散逸することができ
る。
膨出する頂部を備えているため、下部を固定端とするこ
とにより、膨出している該頂部が自由端となった一端固
定他端自由の弾性体の振動系が形成され、張力を有する
膜の振動系を付与した構造となる。このため、ヘッドレ
ストの前後方向(法線方向)及び上下方向(接線方向)
にバネ特性が複合して作用し、法線方向の励振力を接線
方向の励振力に効率よく変換することができ、例えば、
高周波帯における振動のような小さな振幅の入力振動を
効果的に除振できる。
の大きな入力がされた場合には、クッション材において
大きな減衰特性が作用する。すなわち、後突された場合
のような大変形を伴う大きな衝撃性振動を受けた場合に
は、上記した振動方向の変換機能が働いて衝撃性振動が
低減され、頭部の跳ね返りを抑制することができる。
動や衝撃力のような励振力の大きな入力がされた際に、
頭部の重心位置が、頂部よりも上方になるため、上記し
た接線方向への振動変換機能をより効果的に発揮でき
る。
定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加された場合
に、クッション材の張力が低下する構造であるため、大
きな減衰特性を作用させることができ、頭部の跳ね返り
をさらに抑制することができる。すなわち、大きな衝撃
性振動や衝撃力を受けてフレームが変形し、あるいは、
収縮状態で設けられたクッション材の収縮状態が解除さ
れることにより、張力が低下する。これにより高い減衰
特性を発揮できる。そして、さらにクッション材が変位
していくことによって、衝撃エネルギーが吸収される。
造体として設けられるクッション材を三次元立体編物か
ら形成した場合には、三次元立体編物自体の有する高い
減衰特性をさらに利用することができる。また、二次元
織物又は二次元編物にウレタン層を備えたウレタン付き
構造体によっても、三次元立体編物と同様の所定の張力
場を備えた張力構造体となるクッション材を形成するこ
とができる。なお、三次元立体編物から形成した場合に
は、通気性が高いため、頭部におけるむれ感を抑制する
機能も高い。
づいて本発明を更に詳しく説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
るヘッドレスト10を示す図である。この図に示したよ
うに、本実施形態では、フレーム20とクッション材3
0とを有して構成される。フレーム20は、ヘッドレス
トポール40に溶接などにより連結される板状の下部裏
面フレーム21と、下部裏面フレーム21に対し、上方
に離間して配置される上部裏面フレーム22と、各裏面
フレーム21,22の両側部に溶接などにより固定さ
れ、各裏面フレーム21,22に対して略直交するよう
に前方に向かって立ち上げられたサイドフレーム23,
23とを有して構成される。
たように、基端部において内方に略直角に折り曲げられ
た第1の折り曲げ部23aと、先端部において外方に反
対方向に向かって折り返された第2の折り曲げ部23b
とを備え、第1の折り曲げ部23aの適宜部位が、各裏
面フレーム21,22に溶接されている。また、サイド
フレーム23,23は、図1(b)に示したように、側
面視で、上下方向略中央部が最も先方に突出した頂部2
3cとなる形状を有している。
23,23間に張設されることによって、張力場を備え
た所定形状の張力構造体として設けられる。本実施形態
においては、図2に示したように、クッション材30の
両側部に、鉤状のフック部を備えた合成樹脂製のプレー
ト部材(以下、「セットプレート」という)31を縫製
などにより取り付け、このセットプレート31を、サイ
ドフレーム23に形成された第2の折り曲げ部23bに
係合させることによって張設している。また、クッショ
ン材30の下端縁は、図1(b)に示したように、上記
と同様のセットプレート32を取り付けた上で、下部裏
面フレーム21の上縁に係合させ、クッション材30の
上端縁は、セットプレート33を取り付けた上で、上部
裏面フレーム22に係合させている。
ッション材30の側部と共に、セットプレート31に固
定され、後端が、セットプレート35によってサイドフ
レーム23の第1の折り曲げ部23aに係合固定されて
配設され、サイドフレーム23,23を覆い隠す化粧用
のトリム布である。また、図1及び図2に示したよう
に、クッション材30の上端縁と下端縁間においては、
裏面側を隠す化粧用のトリム布36が縫製などにより固
定配設される。
ることにより、各サイドフレーム23,23に形成され
た頂部23c,23cに対応して、頂部23,23間に
張設される部位が最も前方に膨出する頂部30aを備え
たキャンバー形状に張設されることになる。クッション
材30にこのような頂部30aを形成すると、上記のよ
うにクッション材30の下端縁がセットプレート32に
より下部裏面フレーム21に固定されているため、この
頂部30aを自由端とする一端固定他端自由の膜の振動
系を形成することができる。これにより、頭部の当接に
よって前後方向に入力される励振力の大きさに応じて頂
部30aが上下方向にせり出すように移動し、接線方向
に沿った頂部30aを頂点とする膨出部分の変形挙動
(変形の仕方)を入力されるひずみエネルギーに応じて
異ならせることができる。このため、小変形時に作用す
る減衰比を小さく、大変形時に作用する減衰比を大きく
することができる。なお、小変形時に作用する減衰比と
大変形時に作用する減衰比の差は、0.2以上であるこ
とが好ましい。
作用を果たすことができる位置であればよく、図1
(b)に示したように、上下方向略中央部に限定される
ものではないが、頭部の当接時の重心位置の範囲よりも
下方とすることにより、接線方向へ変形しやすくなり、
法線方向への励振力を接線方向への励振力に変換する機
能を高めることができる。自動車用座席の場合、頭部の
当接時の重心位置の範囲が、ヘッドレスト10の上端か
ら65mmの範囲となるように設計される。このため、
自動車用座席の場合には、頂部30aは、上端から65
mmの位置よりも下方に設けることが好ましい。
されることによって所定の張力場を備えた張力構造体と
なるものであればよく、例えば、三次元立体編物、又
は、二次元織物若しくは二次元編物と該二次元織物若し
くは二次元編物に積層されるウレタン層とを備えたウレ
タン付き構造体を用いることができる。
元織物又は二次元編物に、2〜30mm程度の薄いポリ
ウレタンフォームからなる表皮層を備えたウレタン層を
積層したものを例示することができるが、三次元立体編
物と比較した場合には、耐久性が若干劣り、バネ性が多
少高くなり、また、通気性も劣ることから、本発明のク
ッション材30としては、三次元立体編物の方が優れて
いる。但し、ウレタン付き構造体も、フレームに支持さ
せることにより、張力場を備えた張力構造体として用い
ることができ、容易に減衰特性を重視した構造とするこ
とができ、所定以上の衝撃性振動や衝撃力が付加された
場合に張力を低下させ、大きな減衰特性を機能させるこ
とが可能である点で、本発明を適用可能である。
元構造体等からなるクッション材は、伸び率30%以
下、好ましくは5%未満でフレーム材に張設する。ま
た、伸び率0%未満、すなわち、三次元立体編物等の編
目を無負荷時の状態よりも縮小させるようにして収縮状
態で張設することも好ましい。この場合、収縮状態にさ
せる部位は、クッション材全体であってもよいし、一部
であってもよい。収縮状態とする手段としては、例え
ば、三次元立体編物等の編目を縮小させた状態で縫合し
たり、振動溶着したりする手段が挙げられる。
力構造体とすることにより、所定以上の大きな衝撃性振
動や衝撃力が付加されると、縫合していた糸が切断され
たり、溶着していた部位が剥離したりすることにより収
縮状態が解除され編目が拡張していく。収縮状態から三
次元立体編物等の伸び率0%に至るまでは、復元力が作
用しないため、通常使用域における張力よりも小さくな
り、高い減衰特性が発揮される。一方、三次元立体編物
等が伸び率0%を超えて伸び出す場合ことにより、減衰
された後の衝撃力が、新たに生じる張力場の弾性エネル
ギーによって吸収される。このため、高い衝撃吸収特性
を発揮することができる。
ましい三次元立体編物の構造について説明する。三次元
立体編物とは、互いに離間して配置された一対のグラン
ド編地同士を連結糸で結合することにより形成されてい
る。具体的には、図13に示すように、三次元立体編物
100は、互いに離間して配置された一対のグランド編
地110,120と、該一対のグランド編地110,1
20間を往復して両者を結合する多数の連結糸130と
を有する立体的な三次元構造から構成されている。
14に示したように、単繊維を撚った糸から、ウェール
方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラッ
トな編地組織(細目)によって形成されている。これに
対し、他方のグランド編地120は、例えば、図15に
示したように、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六
角形)のメッシュを有する、一方のグランド編地110
よりも大きな編み目構造に形成されている。もちろん、
この編地組織はあくまで一例であり、細目組織やハニカ
ム状以外の編地組織を採用することもできる。連結糸1
30は、一方のグランド編地110と他方のグランド編
地120とが所定の間隔を保持するように、この一対の
グランド編地110,120間に編み込んだもので、三
次元立体編物100に所定の剛性を付与している。
ランド糸の太さ等は、立体編地に必要な腰の強さを具備
させることができると共に、編成作業が困難にならない
範囲のものが選択される。また、グランド糸としてはモ
ノフィラメント糸を用いることも可能であるが、風合い
及び表面感触の柔らかさ等の観点から、マルチフィラメ
ント糸やスパン糸を用いることが好ましい。
糸を用いることが好ましく、太さ167〜1100デシ
テックスの範囲のものが好適である。マルチフィラメン
ト糸では復元力の良好なクッション性を付与できず、ま
た、太さが167デシテックスを下回ると腰の強さが得
られにくくなり、1100デシテックスを上回る場合に
は、硬くなり過ぎて適度な弾性を得ることができないか
らである。すなわち、連結糸130として上記範囲のモ
ノフィラメント糸を採用することにより、着座者の荷重
を、各グランド編地110,120を構成する編目の変
形と連結糸130の変形(倒れ及び座屈)により、ま
た、変形した連結糸130にバネ特性を付与する隣接し
た連結糸130の復元力によって支持することができ、
柔らかなバネ特性を有する応力集中の起きない柔構造と
することができる。また、連結糸130間が擦れ合うこ
とにより減衰力が発揮される。
は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿
等の天然繊維が挙げられる。上記素材は単独て用いても
よいし、これらを任意に併用することもできる。好まし
くは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可
塑性ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66な
どに代表されるポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどに代表されるポリオレフィン系繊維、あ
るいはこれらの繊維を2種類以上組み合わせたものであ
る。なお、ポリエステル系繊維はリサイクル性に優れて
おり好適である。また、グランド糸又は連結糸130の
糸形状も限定されるものではなく、丸断面糸でも異形断
面糸等でもよい。
としては、各グランド編地110,120を連結する連
結糸130を側面から見た状態で表すと、より具体的に
は、例えば、図16に示したような種類に分類される。
(a),(b)は、グランド編地110,120間に連
結糸130をほぼ垂直に編み込んだストレートタイプで
あり、このうち(a)は8の字状にしてほぼストレート
に編んだもので、(b)は単純なストレートに編んだも
のである。(c)〜(e)は、グランド編地110,1
20間において、連結糸130が中途で交差するように
編んだクロスタイプであり、このうち(c)は8の字状
にクロスさせたもの、(d)は単純なクロスに編んだも
の、(e)は2本ずつまとめてクロス(ダブルクロス)
させたものである。なお、(c)〜(e)に示したよう
に、連結糸130同士を交差させて斜めに配置した場合
には、連結糸130をグランド編地110,120間に
ほぼ垂直に配置した形態と比較して((a),(b)参
照)、各連結糸130の座屈強度により十分な復元力を
保持しながら、圧縮率の大きな柔らかなバネ特性を付与
することができる。
図2(a)に示したように、通常の使用状態において
は、頂部30aを有することによりキャンバー形状をな
していることから、クッション材30に入力される前後
方向(法線方向)の励振力が、接線方向の励振力に変換
される。このため、例えば、高周波帯の振動のような小
さな振幅の入力振動は、このクッション材30の法線方
向及び接線方向の複合的な動きによって効果的に吸収す
ることができる。
わった際には、頭部がヘッドレスト10に押しつけられ
ることにより、クッション材30が陥没方向に大きく変
形しようとする。この際、本実施形態は、クッション材
30が張力構造体であるため、図2(b)に示したよう
に、サイドフレーム23,23における屈曲しやすい部
分、例えば、第1の折り曲げ部23a,23aの角部か
ら内方に折れ曲がるように変形する。この結果、サイド
フレーム23,23間に張設されていたクッション材3
0の張力が低下する。
部が後方に押しつけられていくことによって生ずる変位
により衝撃力を受ける時間が長くなる。この際、三次元
立体編物自体の有する高い減衰特性も作用する。これに
より、小変形時との差が0.2以上ある高い減衰比の減
衰特性を発揮させることができ、好ましくは、減衰比1
以上の臨界減衰系あるいは超過減衰系とすることができ
るため、反力による頭部を跳ね返りを大きく低減するこ
とができる。また、衝撃力を受け続けていくことによっ
て三次元立体編物には新たに張力場が生じ、その力がひ
ずみエネルギーに変換されるため、衝撃力の作用時間が
長くなり、衝撃エネルギーが吸収される。
態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態
においては、各裏面フレーム21,22間に板状フレー
ムからなる固定支持部24を取り付け、この固定支持部
24に対して、各サイドフレーム23,23を取り付け
た構造である。
ように、各サイドフレーム23には、スリット状の挿通
孔23dが形成されており、固定支持部24に対し、ボ
ルト部材23eが該挿通孔23dに挿通されることによ
りねじ止めされている。
に、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され
ることにより、クッション材30が後方に押し込まれる
ように変位しようとすると、各サイドフレーム23が内
倒れ変形しようとするため、スリット状の挿通孔23d
がボルト部材23eの外周面によって押し広げられる。
これにより、各サイドフレーム23の内倒れ変形が許容
され、ボルト部材23e上のサイドフレーム23の取り
付け位置が変化して、クッション材30の張力を上記第
1の実施形態と同様に低下させることができ、上記第1
の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態
では、第1の実施形態とほぼ同様の構造を有するもの
の、サイドフレーム23を第1の実施形態のように各裏
面フレーム21,22に対して溶接により固定するので
はなく、平面視で略直角に曲成された板バネ部材25
を、各裏面フレーム21,22に固定し、この板バネ部
材25によって各サイドフレーム23を支持させた構造
である。
は衝撃力が付加された場合には、板バネ部材25の付勢
力に抗して、陥没方向に変形していくクッション材30
によってサイドフレーム23が内倒れしていき、クッシ
ョン材30の張力を低下させ、上記第1の実施形態と同
様の作用、効果を奏することができる。
態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形態
においては、サイドフレーム23として、平面視で、略
中央部を内方に屈曲させて形成した屈曲フレーム部23
fを有していると共に、この屈曲フレーム部23fにク
ッション材30の一部を係合する固定手段、図5におい
てはスリット状の係合孔23gを形成したものを用いて
いる。サイドフレーム23は、上記第1の実施形態と同
様に、基端部が各裏面フレーム21,22に溶接により
固定される。
3,23に張設されると共に、その両側部付近は、サイ
ドフレーム23の外面を覆い隠すように、サイドフレー
ム23の基端部まで回し込んでセットプレート35によ
り固定している。
ム23の外面を覆い隠すように回し込んだ部位には、係
合突起30bが取り付けられており、この係合突起30
bをサイドフレーム23に形成した係合孔23gに係合
させている。クッション材30は、このようにして張設
される結果、常態において、サイドフレーム23の屈曲
フレーム部23fの形状に沿って、内方に屈曲した屈曲
部30cを有することになる。
突起30bが係合孔23gに係合したままで用いられ、
所定以下の励振力の入力に対しては、張力構造体である
クッション材30によって上記第1の実施形態と同様に
振動を除振する。一方、所定以上の大きな衝撃性振動又
は衝撃力が付加された場合には、頭部が当接しているク
ッション材30の略中央部が陥没するように変化しよう
とする。これにより、クッション材30におけるサイド
フレーム23の外面を覆っている部分が中央に引き寄せ
られる。このため、図5(e)に示したように、係合突
起30bが係合孔23gから外れ、屈曲部30cが伸張
し、クッション材30の張力が一気に低下する。この結
果、頭部が後方に押しつけられていくことによって生ず
る変位により衝撃力を受ける時間が長くなり、頭部を跳
ね返す力が小さくなって、上記第1の実施形態と同様の
作用、効果を奏する。
おいて屈曲部30cを有した状態で張力を付与する本実
施形態の他の態様を示す図である。図6に示したよう
に、この態様では、サイドフレーム23と、クッション
材30のうちのサイドフレーム23を覆っている部分と
の間に、所定の長さを有するブロック23hを介装させ
ている。これにより、ブロック23hが介装されている
部分のクッション材が外方に突出することになり、当該
部分に外方に突出した屈曲部30cが形成された状態で
クッション材30に張力が付与されている。なお、サイ
ドフレーム23に対しては、ブロック23hの一端は、
常態において外れないように針金などにより連結されて
おり、クッション材30に対しては、他端に設けた溝に
クッション材30に固定したセットプレート38を引っ
掛けて配設している。
(b)に示したように、ブロック23hの姿勢が変化せ
ず、屈曲部30cが所定の形状を保ったまま、第1の実
施形態と同様の振動除振機能を果たす。これに対し、所
定以上の衝撃性振動や衝撃力が付加された場合には、ク
ッション材30の略中央部が頭部によって陥没方向に変
化するため、サイドフレーム23を覆っている部分が引
き寄せされる。これにより、図6(c)に示したよう
に、ブロック23fの他端が、クッション材30と共に
図において上方に引き上げられ、転倒する。この結果、
屈曲部30が伸張することになり、クッション材30の
張力が低下して上記第1の実施形態と同様の作用、効果
を奏する。
す図である。図に示したように、この態様では、サイド
フレーム23よりも内側部位において、クッション材3
0の一部を陥没方向に突出するように折り曲げ、折り曲
げ部位同士を重ね合わせた上で、両者を糸などによって
結合させることにより屈曲部30cを形成した構造であ
る。また、屈曲部30cは、実質的に非伸縮性のワイヤ
やベルトなどの引っ張り材30dによって下部フレーム
26に引っ張り固定しており、クッション材30に所定
形状の張力場を付与している。なお、図7に示した態様
におけるその他の構造は、後述の第5の実施形態とほぼ
同様である。
振動又は衝撃力によってクッション材30の中央付近が
陥没方向に変位しようとすると、屈曲部30cを形成し
ていた糸が破断する。このため、図7(b)に示したよ
うに、クッション材30が伸張して、一気に張力が低下
し、上記第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
態に係るヘッドレスト10を示す図である。このヘッド
レスト10は、ヘッドレストポール40に対して、各サ
イドフレーム23が溶接により固定されており、クッシ
ョン材30が、このサイドフレーム23間に略円筒状に
張設された構造を有している。クッション材30の幅方
向各側部は、サイドフレーム23の外面を覆って、下端
部がセットプレート39を介してサイドフレーム23に
係合されている。また、クッション材30の前方側の下
縁部及び後方側の下縁部は、いずれも、サイドフレーム
23,23の下端間に掛け渡し配設した下部フレーム2
6に係合されている。
非伸縮性の部材からなる張力付与部材が配設されてい
る。この張力付与部材は、クッション材30と同様に略
円筒状に配設される裏張り材41と、裏張り材41の各
側部に連結される連結片42と、引っ張り材43と、各
部材同士を結合する糸などの結合部材44を有して構成
される。連結片42は、裏張り材41の各側部の外側に
設けられ、クッション材30の裏面に縫製などにより接
合されていると共に、裏張り材41に対して糸などの結
合部材44によって連結されている。また、裏張り材4
1の各側部よりもやや内側においては、引っ張り材43
の一端が連結されている。この引っ張り材43は、他端
が下部フレーム26に固定されていると共に、実質的に
非伸縮性のワイヤ、紐、ベルト等から構成され、クッシ
ョン材30に、上記裏張り材41や連結片42を介して
所定の張力場を付与する機能を果たす。
材30における頭部との当接部位は、三次元立体編物等
の編目が小さくなるように収縮させた状態で張設し、上
記引っ張り材43の引っ張り力により所定の張力場が形
成され、引っ張り材による引っ張り力が解除されると、
クッション材30が所定の形状を維持できなくなって陥
没してしまうように設けている。すなわち、引っ張り材
43を設けない状態では、サイドフレーム23間でクッ
ション材30がたるんだ状態となるように設けている。
は、クッション材30は、図8(c)に示したように、
張力場を有する構造であることから、法線方向に入力さ
れる振動を、クッション材30の接線方向の振動に分散
させることができ、上記第1の実施形態と同様に入力と
なる励振力を効率よく除振する。
り大きな変形がクッション材30に入力されると、クッ
ション材30の陥没方向への変形に伴い、裏張り材41
も同様に陥没方向へ変形していくため、その外側に設け
られた連結片42との間に離間方向に引っ張り力が生じ
る。このため、図8(d)に示したように、裏張り材4
1と連結片42とを連結していた糸などの結合部材44
が破断する。裏張り材41と連結片42との連結状態が
解除されると、引っ張り材43によってクッション材3
0に所定形状を保たせるために付与されていた張力場が
失われることになる。この結果、クッション材30は張
力が低下して陥没していき、衝撃力を受ける作用時間が
長くなる。
材30を予め収縮状態で配設しているため、上記した連
結状態の解除によって張力が低下した後、さらに、陥没
方向へ変形することによってクッション材30が伸びよ
うとする。このため、エネルギーの吸収特性が高い。
あり、この態様では、張力付与部材として、裏張り材4
1を設けずに、連結片42、引っ張り材43、連結片4
2とクッション材30とを結合する糸などの結合部材4
4とにより構成したものを用いている。これにより、所
定以上の衝撃性振動や衝撃力によって、大変形を伴う荷
重が入力された場合には、図9(b)に示したように連
結片42とクッション材30とを連結している結合部材
が破断し、あるいは、連結片42と引っ張り材43とが
破断する。これにより、連結片42と引っ張り材43と
を有してなる張力付与部材により形成されていたクッシ
ョン材30の張力場が失われ、張力が低下し、高い減衰
特性により、頭部の跳ね返りを抑制することができる。
形態に係るヘッドレスト10を示す図である。本実施形
態においては、張力付与部材として、実質的に非伸縮性
の素材からなる裏張り材41と、実質的に伸縮性の素材
からなる引っ張り材45とを有してなる点で上記第5の
実施形態と異なる。
裏張り材41は、余裕代41aを残した状態でクッショ
ン材30に糸などの縫製されて各側部が取り付けられ
る。引っ張り材45は、裏張り材41の側部よりも内側
に結合され、裏張り材41の余裕代41aが法線方向に
伸びるように引っ張っている。これにより、クッション
材30において、連結されている裏張り材41の各側部
に対応する部位間を収縮状態にして配置しても、該クッ
ション材30が所定の張力場を有する張力構造体として
配設される。
れた場合には、図10(c),(d)に示したように、
クッション材30の変位のみで振動が除振される。この
際、本実施形態において、法線方向に入力される振動が
接線方向の振動に分散されて振動を効率よく吸収する点
は、上記各実施形態と同様である。
形を伴う荷重が入力された場合には、図10(e)に示
したように、クッション材30が陥没方向に大きく変形
しようとするが、これに伴って裏張り材41が、その余
裕代41aがなくなるようにクッション材30の接線方
向の形状に沿って展張する。このため、クッション材3
0の陥没方向への大きな変形を伴う動きが、裏張り材4
1によって阻害されることがない。従って、クッション
材30の張力が一気に低下し、また、クッション材30
の変形により生じる伸びにより、荷重を受ける作用時間
が上記第5の実施形態と同様に長くなり、衝撃性振動や
衝撃力を効率よく吸収することができる。
5としては、ゴム、合成樹脂等からなるワイヤやチュー
ブなどを採用することができるが、図11(a),
(b)に示したようにばね部材45aを介装することも
できる。
示した構造の本発明のヘッドレストについて、衝突試験
を行った。このヘッドレストは、幅(サイドフレーム2
3,23間の距離)が、320mmで、サイドフレーム
23の奥行き方向の長さが、90mmで、サイドフレー
ム23の上下方向長さが、220mmであり、厚さ13
mm(但し、フレーム回りは折り返してあるため26m
m)の三次元立体編物を伸び率0%で張設したものであ
る。
mmの半球状の頭部模型を24.1kg/hの速度で、
ヘッドレストの上端縁から下方65mmの位置に衝突さ
せることにより行った。結果を図12に示す。
ドレストは、頭部が後方に押しつけられた後、60ms
ecに至るまで速やかに収束していき、頭部を跳ね返す
リバウンドが生じていない。これは、クッション材30
である三次元立体編物の張力が緩んで、高い減衰特性に
より頸部から頭部がヘッドレストに押しつけられた状態
が維持されていることを示すものである。
がフレームに支持された張力構造体からなるため、フレ
ームへの支持方法、フレームへ支持させる際の張力等を
調整することにより、種々の特性のヘッドレストを容易
に形成できる。従って、頭部の跳ね返りを抑制すべく、
減衰特性を重視した構造とすることも容易である。
ン材が、入力となる励振力の大きさに応じて該クッショ
ン材の接線方向に沿った変形挙動、すなわち変形の仕方
が異なる構造である。従って、励振力の小さな入力に対
しては減衰特性の作用を小さくしてバネ特性による除振
性能を損なうことがなく、励振力の大きな入力に対して
高い減衰特性を作用させることができる。
には、大きな減衰比により反力を小さくして頭部の跳ね
返りを防止できると共に、衝撃力を減衰して人体へ入力
される衝撃力を緩和できる。
レストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
(a)のA−A線断面図である。
断面図であり、上記実施形態に係るヘッドレストの作用
を説明するための図である。
レストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
(a)のB−B線断面図、(c)は(b)のA矢視図で
あって、(b),(c)は本実施形態に係るヘッドレス
トの作用を説明するための図である。
レストを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
(a)のB−B線断面図であって、本実施形態に係るヘ
ッドレストの作用を説明するための図である。
レストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視図、
(b),(c)は(a)のB−B線断面図であって、本
実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図
である。
レストの他の態様を示す図であり、(a)は斜視図、
(b),(c)は(a)のB−B線断面図であって、本
実施形態に係るヘッドレストの作用を説明するための図
である。
態に係るヘッドレストのさらに他の態様を示す一部断面
図であり、かかる態様のヘッドレストの作用を説明する
ための図である。
レストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視図、
(b)は(a)のB−B線断面図、(c),(d)は
(a)のA−A線断面図であって、本実施形態に係るヘ
ッドレストの作用を説明するための図である。
態に係るヘッドレストの他の態様を示す一部断面図であ
り、かかる態様のヘッドレストの作用を説明するための
図である。
ッドレストの一の態様を示す図であり、(a)は斜視
図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)〜(e)
は(a)のA−A線断面図であって、本実施形態に係る
ヘッドレストの作用を説明するための図である。
施形態に係るヘッドレストの他の態様を示す一部断面図
であり、かかる態様のヘッドレストの作用を説明するた
めの図である。
特性を示す図である。
立体編物の一例の構成を示す断面図である。
図である。
図である。
た図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 フレームに支持されることにより、張力
場を備えた所定形状の張力構造体として設けられるクッ
ション材を有して構成されることを特徴とするヘッドレ
スト。 - 【請求項2】 前記クッション材が、入力となる励振力
の大きさに応じてひずみエネルギーが変化することによ
り、その接線方向の張力が変化する構造を有しており、
励振力の小さな入力に対しては小さな減衰比で減衰特性
が作用し、励振力の大きな入力に対しては大きな減衰比
で減衰特性が作用するように、励振力の大きさに応じて
異なる減衰特性を示すことを特徴とする請求項1記載の
ヘッドレスト。 - 【請求項3】 前記クッション材が、人体側に膨出する
頂部を備えたキャンバー形状となるように張設され、下
部を固定端とし、該頂部を自由端とする振動系が形成さ
れた構造に設けられ、 入力となる励振力の大きさに応じて弾性体による張力構
造体のひずみエネルギーが変化することにより接線方向
の張力が変化し、該クッション材の法線方向に入力され
る励振力を接線方向の励振力に分散可能な構造であるこ
とを特徴とする請求項2記載のヘッドレスト。 - 【請求項4】 前記頂部が、頭部当接時の重心位置より
も下方に位置するように設けられていることを特徴とす
る請求項3記載のヘッドレスト。 - 【請求項5】 所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力
が付加された場合に、前記クッション材の張力が低下す
る構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1に記載のヘッドレスト。 - 【請求項6】 所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力
が付加された場合に、前記クッション材の張力が低下し
て、減衰比1以上の臨界減衰系又は超過減衰系を形成す
る構成としたことを特徴とする請求項5記載のヘッドレ
スト。 - 【請求項7】 所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力
が付加された場合に、フレームが変形し、これにより前
記クッション材の張力を低下させる構造であることを特
徴とする請求項5又は6記載のヘッドレスト。 - 【請求項8】 前記フレームがボルト部材の挿通孔を有
すると共に、該フレームの固定支持部に対して、ボルト
部材を用いて支持されており、所定以上の大きな衝撃性
振動又は衝撃力が付加された場合に、前記挿通孔が拡径
して、ボルト部材上のフレームの取り付け位置が変化す
ることにより、前記フレームの変形が許容される構造で
あることを特徴とする請求項7記載のヘッドレスト。 - 【請求項9】 前記フレームが、板バネ部材を介して支
持されており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力
が付加された場合に、該板バネ部材が変形し、これによ
り前記フレームの変形が許容される構造であることを特
徴とする請求項7記載のヘッドレスト。 - 【請求項10】 フレームによって支持される前記クッ
ション材の一部に、常態において屈曲状態となっている
屈曲部を設け、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力
が付加された場合に、該屈曲部が伸張して前記クッショ
ン材の張力を低下させる構造であることを特徴とする請
求項5又は6記載のヘッドレスト。 - 【請求項11】 前記屈曲部がフレームの側部に固定さ
れており、所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付
加された場合に、該屈曲部の固定状態が解除されること
によって該屈曲部が伸張する構造であることを特徴とす
る請求項10記載のヘッドレスト。 - 【請求項12】 各一端が前記クッション材の各側部付
近に固定連結され、常態において前記クッション材に張
力場を付与して所定の形状を保持させる実質的に非伸縮
性の部材からなる張力付与部材を具備し、 所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加され、前
記クッション材が陥没方向に変形する際に、前記クッシ
ョン材との連結位置が変化しようとして張力付与部材自
体に加わる引っ張り力により、張力付与部材が破断し、
これにより前記クッション材の張力が低下する構造であ
ることを特徴とする請求項5又は6記載のヘッドレス
ト。 - 【請求項13】 前記クッション材に張力を付与する張
力付与部材として、 前記クッション材の裏面側において、各側部の内側に余
裕代を残した状態で該各側部を前記クッション材に固定
することにより設けられる実質的に非伸縮性の素材から
なる裏張り材と、 前記裏張り材の各側部より内側の部位に結合され、裏張
り材を法線方向に引っ張って前記余裕代によるたわみを
なくすように設けられ、前記クッション材に張力場を付
与する伸縮性を有する引っ張り材とを具備し、 所定以上の大きな衝撃性振動又は衝撃力が付加される
と、前記クッション材の変形と共に前記裏張り材が接線
方向に伸ばされ、これにより、前記クッション材の張力
が低下する構造であることを特徴とする請求項5又は6
記載のヘッドレスト。 - 【請求項14】 前記クッション材の少なくとも一部
が、常態において、該クッション材の接線方向に収縮さ
せた状態で設けられ、所定以上の大きな衝撃性振動又は
衝撃力が付加された場合に、前記クッション材の張力が
低下する構造であることを特量とする請求項5記載のヘ
ッドレスト。 - 【請求項15】 前記クッション材が、互いに離間して
配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結合する
ことにより形成された三次元立体編物、又は、二次元織
物若しくは二次元編物と該二次元織物若しくは二次元編
物に積層されるウレタン層とを備えたウレタン付き構造
体から形成されることを特徴とする請求項1〜14のい
ずれか1に記載のヘッドレスト。
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