JP4098049B2 - 表示パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンス(Electro
Luminescence:略称EL)表示パネルおよびプラズマ表示パネルなどの表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネル、EL表示パネルおよびプラズマ表示パネルなどの表示パネルは、絶縁性基板上に配列されたマトリクス状の表示絵素を選択することによって、画面上に表示パターンを形成している。ここで、表示絵素の選択方式としては、たとえばアクティブマトリクス駆動方式がある。
【0003】
アクティブマトリクス駆動方式は、個々の絵素を独立した電極で配列し、絵素電極の各々にスイッチング素子を接続して、スイッチング素子によって絵素電極を選択して表示駆動を行う方式である。アクティブマトリクス駆動方式によれば、コントラストおよび応答性に優れた表示が可能であるので、たとえば薄型かつ低消費電力という特徴を持つ液晶表示パネルなどに使用されている。
【0004】
また、液晶表示パネルなどの表示パネルにおいては、ガラスなどから成る基板上に配列された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:略称TFT)などのスイッチング素子を駆動あるいは制御するドライバIC(Integrated Circuit)を、直接ガラス基板上に搭載するチップオングラス(Chip On Glass:略称COG)実装方式が開発され、幅広く用いられている。
【0005】
従来の表示パネルは、ゲート電極配線、ソース電極配線、入力リード配線および外部接続用端子を備えた液晶表示装置と、ゲート駆動用ドライバICと、ソース駆動用ドライバICと、フレキシブルプリンティッドサーキット(Flexible
Printed Circuit:略称FPC)基板とを備えて構成される。
【0006】
液晶表示装置は、絶縁性基板および絶縁性基板と対向する位置に配置される対向基板を備えて構成され、絶縁性基板および対向基板の間には液晶層が封入されて、絶縁性基板上に表示領域が設けられている。
【0007】
また、絶縁性基板上の表示領域の周囲には、駆動配線領域が設けられている。ここで、駆動配線領域には、COG方式によって、液晶駆動用のドライバICであるゲートドライバおよびソースドライバが実装されている。ゲートドライバおよびソースドライバの出力側には、表示領域から引き出された所定パターンのゲート電極配線およびソース電極配線が複数個接続されている。
【0008】
一方、ゲートドライバおよびソースドライバの入力側には、複数個の入力リード配線ならびに入力リード配線に連なる外部接続用端子が所定のパターンに形成されており、ゲートドライバおよびソースドライバと電気的に接続されている。さらに、外部接続用端子には、FPC基板が接続されている。
【0009】
FPC基板から送られる電源電圧および信号は、入力リード配線を介して、ゲートドライバおよびソースドライバに入力する。ゲートドライバおよびソースドライバから出力する信号は、出力配線であるゲート電極配線およびソース電極配線を介して、表示領域に送ることによって、液晶表示装置に設けられたスイッチング素子であるTFT素子を駆動し、所望の画像の表示を行う。
【0010】
上述したようなフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:略称FPD)において、大面積化および高精細化を図ろうとした場合、素子と配線間および素子と接地電極間などに寄生的に形成され、素子や回路特性に悪影響を及ぼす寄生容量の増加、あるいは電極配線の抵抗の増大などに起因して、駆動信号の遅延が増大してしまうことが問題になる。
【0011】
したがって、液晶表示パネルなどの表示パネルにおいて、TFT素子などを作動させるために、ゲート電極配線、ソース電極配線および絵素電極と駆動用電源とを接続する入力リード配線に対しては、信号のなまり、および遅延の増加を抑制し、電圧降下による誤動作を防止している。
【0012】
さらに、外形寸法の縮小化などの制約から、駆動配線領域は狭くなるので、入力リード配線の抵抗の低減化は、益々重要になってきている。
【0013】
従来の表示パネルとしては、たとえば特許文献1に「COG型液晶表示素子」が開示されている。この特許文献1に記載されている入力リード配線の構造および製造手順について、図8および図9を参照しながら、以下に説明する。
【0014】
図8および図9は、従来の表示パネルにおける入力リード配線の構造を示す断面図であり、図8は電流方向と平行な切断面から見た断面図であり、図9は電流方向に垂直な切断面から見た断面図である。
【0015】
まず、絶縁性基板1にはガラス基板を用い、絶縁性基板1上に、スパッタリング法によって、タンタル薄膜を成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術によってパターニング処理を行い、入力リード配線の最下層である第1層の電極配線2を形成する。
【0016】
次に、ゲート絶縁膜3としてSiNx膜を所定のパターンに形成し、ゲート絶縁膜3上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)電極配線である第2層の電極配線4、およびタンタル薄膜電極配線である第3層の電極配線5を所定のパターンに形成する。このとき、入力リード配線の抵抗を低減するために、各電極配線を積層している。
【0017】
ただし、一部のゲート絶縁膜3が除去された第1層の電極配線2のタンタル薄膜および第3層の電極配線5のタンタル薄膜と、第2層の電極配線4のITO膜とは、密着性が悪く膜剥がれが生じやすい。この膜剥がれの原因は、タンタル薄膜とITO膜との関係に起因する。すなわち、タンタル薄膜は、ITO膜の酸素を取り込みやすく、いったん酸素を取り込むと膨張する性質を持っている。その上、ITO膜の上層にタンタル薄膜が形成されると、ITO膜はタンタル薄膜からの膜応力の影響を受けやすくなる。このことから、タンタル薄膜とITO膜との密着性が悪くなり、膜剥がれが発生する。
【0018】
このような膜剥がれの発生を低減するために、従来は、図8に示すように、第1層の電極配線2と、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5とが電気的に接触する、電気的接触部CおよびDの長さを100μm以下に限定して形成し、タンタル薄膜がITO膜に与える膜応力の影響を抑制している。
【0019】
さらに、電気的接触部CおよびD以外の入力リード配線は、ITO膜と比較的密着性の良いゲート絶縁膜3を介して積層している。
【0020】
次に、図8に示すように、第3層の電極配線5を形成した後、入力リード配線とFPC側接続パッド26とを接続するときの接続部P1、および入力リード配線とゲート駆動用ドライバIC側接続パッド(以下、ゲートドライバ側接続パッドとする。)27とを接続するときの接続部P2を除く所定の部分に、SiNx膜などから成る絶縁性保護膜6を形成する。
【0021】
また、絶縁性保護膜6を形成した後、入力リード配線と、FPC基板25に形成されているFPC側接続パッド26およびゲートドライバ16に形成されているゲートドライバ側接続パッド27とは、熱硬化性の樹脂フィルムの中に導電性の粒子を混在させてある異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film:略称ACF)28を用いて、熱圧着することによって接続している。このとき、FPC基板25およびゲートドライバ16の近傍のACF28による被覆領域E,Fは、約0.2mm〜1.5mm程度であり、被覆領域E,F以外の入力リード配線上は、絶縁性保護膜6で覆われた構造になっている。
【0022】
【特許文献1】
特開2000−19554号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来の入力リード配線は、ITO電極配線である第2層の電極配線4が、ITO膜と比較的密着性の良いゲート絶縁膜3を介して、第1層の電極配線2の上部に積層されている。また、従来の表示パネルにおける入力リード配線は、各電極配線を積層構造にして、入力リード配線の抵抗の低減化を図り、配線抵抗の増大を防止している。
【0024】
さらに、入力リード配線21の平坦部Eでは、図9に示される入力リード配線の平坦部Eの幅Wを約0.3mm〜1.5mmとして、大きめに確保し、入力リード配線の抵抗の増大を防止している。しかしながら、図9に示すように、入力リード配線の平坦部Eでは、膜剥がれが発生するという問題がある。また、入力リード配線のエッジ部Fでは、絶縁性保護膜6のステップカバレッジが悪くなるという問題がある。
【0025】
図10は、従来の表示パネルにおける入力リード配線の平坦部Eを示す断面図である。
【0026】
入力リード配線の平坦部Eでは、図10のG部に示されるゲート絶縁膜3と第2層の電極配線4との界面、あるいは図10のH部に示される第2層の電極配線4と第3層の電極配線5との界面において、膜剥がれが発生する。
【0027】
図10に示されるG部およびH部における膜剥がれは、第3層の電極配線5の成膜時におけるタンタル薄膜による膜応力の影響、下地膜の汚染の影響、さらには第3層の電極配線5を形成した後のプロセス、たとえば入力リード配線と、FPC側接続パッド26およびゲートドライバ側接続パッド27とを接続するために、ACF28を用いて熱圧着する場合に発生する熱ストレスなどによって、膜の密着性が低下することに起因して発生している。
【0028】
図11は、従来の表示パネルにおける入力リード配線のエッジ部Fを示す断面図である。
【0029】
タンタル薄膜で形成されている第1層の電極配線2のエッジ部は、図11(a)に示すように、ゲート絶縁膜3との被覆性を向上させるために、テーパ形状となるように形成されている。ここでのテーパ形状とは、電極配線2の膜厚が外側(図11紙面では左方向)になるに従って徐々に薄くなり、電極配線2の上面が絶縁性基板1の表面に対して傾斜している形状であり、傾斜面と絶縁性基板1の表面との成す角度θを30°〜45°、テーパ長Tを0.4μm〜0.8μmにしている。さらに、第1層の電極配線2上にゲート絶縁膜3を介して積層される第2層の電極配線4および第3層の電極配線5は、第1層の電極配線2のエッジ部と重なるように配置されている。このため、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5のエッジ部は、逆テーパ形状になり、第3層の電極配線5の上部に位置する絶縁性保護膜6のステップカバレッジが悪くなる。逆テーパ形状とは、図11において、電極配線4,5のエッジ部の傾斜面Sと絶縁性基板1の平行面との角度θ2が90°以上に形成された形状のことをいう。
【0030】
ここで、ステップカバレッジとは、基板表面に薄膜を形成する成膜工程において、下地表面の凹凸部における膜の被覆性のことで、段差被覆性とも呼ばれる。ステップカバレッジが悪くなると、膜の密着性が悪くなり、膜剥がれが生じることになる。
【0031】
ステップカバレッジの対策としては、絶縁性保護膜6の膜厚をより厚くする方法があるものの、処理能力の低下およびコストの増加につながるため、絶縁性保護膜6の膜厚は、処理能力およびコストなどを考慮し、実験などによって導き出された最適な膜厚値である330nmに設定している。
【0032】
また、ステップカバレッジが悪い状態で、高温高湿、たとえば温度が50℃、相対湿度が95%の環境下で通電試験を実施した場合、図11(a)に示すように、エッジ部Mの絶縁性保護膜6に亀裂が生じ、湿気と通電の影響によって、ITO電極配線である第2層の電極配線4xが電気腐食される。ここで、電気腐食とは、通電性のある異種金属が接合された場合、イオン化傾向が大きい方の金属が腐食してしまう現象のことである。
【0033】
電気腐食によってITO電極配線4xが欠落すると、図11(b)に示すように、第3層の電極配線5と、その上部に位置する絶縁性保護膜6とは、導電性剥離片Nとなる。このとき、電気腐食の影響で、同様に剥離した近隣の入力リード配線と導電性剥離片Nとは、電極間で電流が漏洩するリーク不良を引き起こすので、誤動作の原因になる。
【0034】
本発明の目的は、入力リード配線を構成している複数の電極配線の膜剥がれを防止することができ、かつ製造工程数および製造コストを低減することができる配線の積層構造およびそれを用いた表示パネルを提供することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁性基板上に表示絵素に応じてマトリクス状に配線されたゲート電極配線およびソース電極配線と、前記ゲート電極配線および前記ソース電極配線で囲まれたそれぞれの領域に配置され、前記ゲート電極配線および前記ソース電極配線に電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子によって選択駆動される絵素電極と、前記ゲート電極配線と前記ソース電極配線および前記絵素電極を駆動用電源に接続するための積層構造を有する入力リード配線とを備えた表示パネルにおいて、
前記積層構造を有する入力リード配線は、第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、前記ITO膜および前記第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない前記第1のタンタル薄膜および前記絶縁膜の上に積層されることを特徴とする表示パネルである。
【0036】
本発明に従えば、積層構造を有する入力リード配線は、第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、ITO膜および第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない第1のタンタル薄膜および絶縁膜の上に積層されるので、入力リード配線の抵抗を増大させることなく、第2のタンタル薄膜の成膜時に生じる膜応力と、第2のタンタル薄膜を形成した後のプロセスで発生する熱ストレスとを分散させ、ITO膜および第2のタンタル薄膜の各々の膜と下地との密着性を確保することで、膜剥がれを防止することができる。
【0037】
また本発明は、前記積層構造を有する入力リード配線のITO膜および第2のタンタル薄膜のエッジ部分は、前記第1のタンタル薄膜の両幅のエッジ部分に重ならないことを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、積層構造を有する入力リード配線のITO膜および第2のタンタル薄膜のエッジ部分は、第1のタンタル薄膜の両幅のエッジ部分に重ならないので、ITO膜および第2のタンタル薄膜のエッジ部が、逆テーパ形状になることを防ぎ、ITO膜および第2のタンタル薄膜の共通のエッジ部における絶縁性保護膜のステップカバレッジを改善することで、膜剥がれを防止することができる。
【0041】
また本発明は、前記積層構造を有する入力リード配線においては、前記第1のタンタル薄膜と前記ゲート電極配線とは、同一材料かつ同一工程で形成され、前記ITO膜と前記絵素電極とは、同一材料かつ同一工程で形成され、前記第2のタンタル薄膜と前記ソース電極配線とは、同一材料かつ同一工程で形成されることを特徴とする。
【0042】
本発明に従えば、積層構造を有する入力リード配線においては、第1のタンタル薄膜およびゲート電極配線、ITO膜および絵素電極、ならびに第2のタンタル薄膜およびソース電極配線は、それぞれ同一材料かつ同一工程によって形成されるので、製造工程数および製造コストを低減することができる。
【0043】
また本発明は、前記積層構造を有する入力リード配線の第2のタンタル薄膜の上には絶縁性保護膜が形成されることを特徴とする。
【0044】
本発明に従えば、第2のタンタル薄膜上には絶縁性保護膜が形成されるので、電気絶縁性の良好な配線を実現することができる。
【0045】
また本発明は、前記表示パネルを構成する、基板上に形成される配線の積層構造であって、
第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、前記ITO膜および前記第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない前記第1のタンタル薄膜および前記絶縁膜の上に積層されることを特徴とする配線の積層構造である。
【0046】
本発明に従えば、表示パネルを構成する基板上に形成される積層構造を有する配線の積層構造であって、第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、前記ITO膜および前記第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない前記第1のタンタル薄膜および前記絶縁膜の上に積層される配線の積層構造である。そのため、配線の抵抗を増大させることなく、第2のタンタル薄膜の成膜時に生じる膜応力と、第2のタンタル薄膜を形成した後のプロセスで発生する熱ストレスとを分散させ、ITO膜および第2のタンタル薄膜の各々の膜と下地との密着性を確保することで、膜剥がれを防止することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である表示パネル31の構成を示す平面図である。
【0048】
表示パネル31は、ゲート電極配線17、ソース電極配線18、入力リード配線21,22および外部接続用端子23,24を備える液晶表示装置11と、ゲート駆動用ドライバIC(以下、ゲートドライバとする)15と、ソース駆動用ドライバIC(以下、ソースドライバとする)16と、フレキシブルプリンティッドサーキット(Flexible Printed Circuit:略称FPC)基板25とを備えて構成される。
【0049】
液晶表示装置11は、矩形状の絶縁性基板1と、絶縁性材料から成り、絶縁性基板1よりも小さい矩形状の対向基板12とを備え、絶縁性基板1の1つの角部と対向基板12の1つの角部とが重なるように、絶縁性基板1と対向基板12とを対向させて配置し、絶縁性基板1および対向基板12の間に液晶層を封入して構成されている。絶縁性基板1と対向基板12との間で液晶層が封入されている領域が表示領域13となる。なお、基板の形状や重ね合わせる位置は、上記のものに限らない。
【0050】
また、絶縁性基板1上の表示領域13の周囲には、駆動配線領域14が設けられている。ここで、駆動配線領域14には、チップオングラス(Chip On Glass:略称COG)方式によって、液晶駆動用のドライバICであるゲートドライバ15、およびソースドライバ16が実装されている。ゲートドライバ15およびソースドライバ16の出力側には、表示領域13から引き出された所定パターンのゲート電極配線17、およびソース電極配線18が複数個接続されている。
【0051】
一方、ゲートドライバ15およびソースドライバ16の入力側には、各種信号用および電源用の複数個の入力リード配線21,22ならびに入力リード配線21,22に連なる外部接続用端子23,24が所定のパターンに形成されており、ゲートドライバ15およびソースドライバ16と電気的に接続されている。
【0052】
さらに、外部接続用端子23,24には、FPC基板25が接続されている。ここで、FPC基板とは、可撓性フィルムの表面に銅箔を貼り付けて、回路、主に配線を形成したフィルム状基板であり、薄くて折り曲げが可能なため、形の異なる基板または部品どうしの接続によく使用される。
【0053】
FPC基板25から送られる電源電圧および信号は、入力リード配線21,22を介して、ゲートドライバ15およびソースドライバ16に入力する。ゲートドライバ15およびソースドライバ16から出力する信号は、出力配線であるゲート電極配線17およびソース電極配線18を介して、表示領域13に送られることによって、液晶表示装置11に設けられたスイッチング素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:略称TFT)素子を駆動し、所望の画像の表示を行う。
【0054】
図2は、本発明の実施の一形態である表示パネル31における入力リード配線21を示す部分平面図および断面図である。図2(a)は、表示パネル31における入力リード配線21を示す部分平面図であり、図2(b)は、図2(a)の切断面線II−IIから見た断面図である。
【0055】
本実施形態の表示パネル11における入力リード配線21の構造および製造手順について、図2(a),図2(b)を参照しながら、以下に説明する。なお、入力リード配線22の構造および製造手順も入力リード配線21と同じであり、入力リード配線21と同時に製造される。
【0056】
まず、絶縁性基板1にガラス基板を用い、絶縁性基板1上に、スパッタリング法によって、タンタルまたはチタンの薄膜を成膜する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニング処理を行い、入力リード配線21の最下層である第1層の第1のタンタル薄膜である電極配線2を形成する。このとき、第1層の電極配線2と液晶表示装置11内からのゲート電極配線17とは、同一材料かつ同一工程で、同時に形成する。
【0057】
また表示領域13内において、ソース電極配線18は、ゲート電極配線17と交差してマトリクス状に配置され、ゲート電極配線17の上層に形成されるために断線し易くなる。そこで、断線を回避するために、ゲート電極配線17のエッジ部は、テーパ形状となるように形成されている。ここでのテーパ形状とは、ゲート電極配線17の膜厚が外側(図2紙面では左右方向)になるに従って徐々に薄くなり、ゲート電極配線17の上面が絶縁性基板1の表面に対して傾斜している形状であり、傾斜面と絶縁性基板1の表面との成す角度θを30°〜45°、テーパ長Tを0.4μm〜0.8μmにしている。したがって、第1層の電極配線2のエッジ部も、ゲート電極配線17のエッジ部と同様なテーパ形状になる。
【0058】
ここで、スパッタリング法およびフォトリソグラフィについて説明する。スパッタリング法は、高真空中で金属、あるいはシリコンと高融点金属との化合物であるシリサイドのターゲットと呼ばれる円盤に、高エネルギーのアルゴン原子を衝突させ、アルゴン原子に叩かれて飛び出してくる原子をウエハ表面に付着させることによって薄膜を形成する方法である。
【0059】
フォトリソグラフィは、ICの製造において、ウエハ表面に感光性樹脂を塗布し、形成すべき回路パターンに対応したフォトマスクを用いて露光を行う。その後、現像、エッチングおよび剥離の各工程を経て、所定のパターンを形成する方法である。
【0060】
次に、第1層の電極配線2上に、ゲート絶縁膜3としてSiNx膜を膜厚が300nm〜350nmになるように、スパッタリング法によって成膜して、パターニング処理によって所定のパターンを形成する。このとき、ゲート絶縁膜3は、ゲートドライバ15、ソースドライバ16およびFPC基板25の接続部分を除いて形成する。
【0061】
続いて、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)である第2層の電極配線4を構成する電極配線部分4a,4b,4cと、第2のタンタル薄膜である第3層の電極配線5を構成する電極配線部分5a,5b,5cとをスパッタリング法によって、連続成膜する。このとき、第2層の電極配線4の膜厚は150nm、第3層の電極配線5の膜厚は200nm〜300nmになるように成膜する。また、第3層の電極配線5、第2層の電極配線4の順にフォトリソグラフィ技術によって、パターニング処理を行い、第2の電極配線4および第3の電極配線5を、ゲート絶縁膜3上に積層形成する。詳しくは、積層構造となっている入力リード配線21の2層目以上の電極配線、すなわちゲート絶縁膜3上にある第2層の電極配線4および第3層の電極配線5は、幅W1を持った電極配線部分4a,5aと、幅W2を持った電極配線部分4b,5bと、幅W3を持った電極配線部分4c,5cとが、間隔をあけて互いに並列に配列され、電極配線部分4a,5aと4b,5bとの間隔および電極配線部分4b,5bと4c,5cとの間隔はそれぞれ幅Sとなるように形成される。このとき、複数の並列に配列された配線部分の各々の幅W1,W2,W3は、最大幅が300μm以下になるように形成する。なお、本実施形態では、電極部分間の幅Sを10μmで形成する。
【0062】
また、第2層の電極配線部分4a,4bおよび4cは、表示領域13内のITO膜から成る絵素電極と同一材料かつ同一工程で形成し、第3層の電極配線部分5a,5bおよび5cは、タンタル薄膜から成るソース信号電極配線と同一材料かつ同一工程で形成する。
【0063】
最後に、入力リード配線21と、ゲートドライバ15、ソースドライバ16およびFPC基板25との接続部分を除き、膜厚が330nmのSiNx膜から成る絶縁性保護膜6で、すべての入力リード配線21上を覆う。これによって、電気絶縁性が良好な配線を実現することができる。
【0064】
以上のように本実施形態では、入力リード配線21の2層目以上の電極配線は、W1,W2,W3の幅を持った複数の電極配線部分を互いに並列に配列して成る並列配線で構成されている。この幅の設定に関しては、下記表1に示すように、実際に製造した表示パネルにおける基板でのパターン形成後の膜剥がれ有無の実績結果から判断し、各電極配線部分の最大幅が300μm以下になるように形成した。
【0065】
【表1】
Figure 0004098049
【0066】
また、下記(1)式に基づき、このときの膜応力を評価した。
σ=E・tsub ・δ/2・L ・d …(1)
ここで、σ:膜応力、δ:基板のそり量、E:基板のヤング率、tsub:基板の厚み、L:基板の長さ、d:膜厚である。図3は、膜応力を求める際に用いたパラメータを示す概略図である。
【0067】
応力評価は、シリコンウエハ(50mm□×0.5mmt)上に、タンタル膜(300nm)をそれぞれの線幅に加工したときの基板そり量を測定し、計算した。図4は、電極配線幅Wと膜応力との関係を示すグラフである。表1より、タンタル薄膜電極配線である第3層の電極配線5の製膜時の膜応力は、1267MPa以下に押さえ込む必要があることがわかる。
【0068】
このように、電極配線4,5を構成する各電極配線部分の最大幅が300μm以下になるように形成することで、タンタル薄膜電極配線である第3層の電極配線5の成膜時に生じる膜応力と、第3層の電極配線5を形成した後のプロセスで発生する熱ストレスとを分散させているので、2層目以上の各々の電極配線材料と下地との密着性を確保することができ、膜剥がれを防止することができる。ここで、熱ストレスが発生する第3層の電極配線5を形成した後のプロセスとは、たとえば入力リード配線21とFPC側接続パッド26およびゲートドライバ側接続パッド27とを接続するために、ACF28を用いて熱圧着する場合である。
【0069】
また、入力リード配線21は、複数の電極配線部分の各々の幅であるW1,W2,W3をすべて足し合わせた幅と、第1層の電極配線2の幅とが等しくなるように形成しているので、入力リード配線21の抵抗を増大させることなく、膜剥がれを防止することができる。
【0070】
さらに、第1層の電極配線2およびゲート電極配線17、第2層の電極配線4a,4b,4cおよび絵素電極、ならびに第3層の電極配線5a,5b,5cおよびソース電極配線18は、それぞれ同一材料かつ同一工程によって形成されるので、製造工程数および製造コストを低減することができる。
【0071】
図5は、絵素電極近傍の積層構造を示す断面図である。絶縁性基板1上には、第1層の電極配線2と同一材料および同一工程によってゲート電極配線17が所定のパターンに形成される。この第1層の電極配線2を覆ってゲート絶縁膜3が形成される。ゲート絶縁膜3上には、ゲート電極配線17に重なる位置に半導体層7として、真性半導体アモルファスシリコン膜(a−Si−i層)を膜厚が60nm〜130nmになるように形成される。さらに、半導体層7上には、ソース領域およびドレイン領域に対応する位置にコンタクト層8として、n+型微結晶シリコン膜(μc−n+Si層)を膜厚が50nm〜100nmになるように形成される。
【0072】
ゲート絶縁膜3およびコンタクト層8を覆って、ITO電極配線である第2の電極配線4が形成される。第2の電極配線4は、2つのコンタクト層8の間の領域には形成されない。なお、ドレイン領域に対応する位置(第5図紙面上右側)に形成された電極配線4が絵素電極19である。さらに、第2の電極配線4上に、第3の電極配線5が形成される。第3の電極配線5は、第2の電極配線と同様に2つのコンタクト層8の間の領域には形成されず、また絵素電極19側ではコンタクト層8に重なる位置に形成される。ソース領域側に形成された第2および第3の電極配線4,5がソース電極配線18である。
【0073】
図6は、図2(b)に示す領域Aの拡大断面図である。以下、領域Aをエッジ部Aとする。
【0074】
図2(b)に示す入力リード配線21のエッジ部Aは、図6(a)に示すように、最下層である第1層の電極配線2の膜上平坦部に、ゲート絶縁膜3を介して2層目以上のITO電極配線である第2層の電極配線4と、タンタル薄膜電極配線である第3層の電極配線5とを積層して配置し、また、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の共通のエッジ部R1は、第1層の電極配線2のエッジテーパ部領域T1に重ならないように配置している。
【0075】
入力リード配線21のエッジ部Aにおいて、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の配置を、上述したような配置にすることによって、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の共通のエッジ部R1における絶縁性保護膜6のステップカバレッジを改善することができるので、従来の逆テーパ形状になっている第2層の電極配線4および第3層の電極配線5のエッジ部において生じる膜剥がれを防止することができる。
【0076】
また、入力リード配線21は、第2層の電極配線4のエッジ部および第3層の電極配線5のエッジ部の位置が、図6(b)に示すような位置関係になるように、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を積層して配置してもよい。
【0077】
すなわち、第1層の電極配線2のエッジテーパ部領域T1と第3層の電極配線5のエッジ部V1との距離が、エッジテーパ部領域T1と第2層の電極配線4のエッジ部U1との距離よりも長く、かつ第2層の電極配線4のエッジ部U1および第3層の電極配線5のエッジ部V1が、エッジテーパ部領域T1と重ならないようにパターニング処理を行い、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を積層して配置する。
【0078】
以上のように、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を階段状に形成し、絶縁性保護膜6で覆わなければならない第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の膜厚を分割することによって、第2層の電極配線4のエッジ部U1および第3層の電極配線5のエッジ部V1における絶縁性保護膜6のステップカバレッジをさらに改善することができるので、膜剥がれを防止することができる。
【0079】
図7は、図2(b)に示す領域Bの拡大断面図である。以下、領域Bをエッジ部Bとする。
【0080】
入力リード配線21のエッジ部Bは、図7(a)に示すように、第1層の電極配線2のテーパ形状をしたエッジ部に沿って下がった位置に、ゲート絶縁膜3を介して2層目以上のITO電極配線である第2層の電極配線4と、タンタル薄膜電極配線である第3層の電極配線5とを積層して配置している。また、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の共通のエッジ部R2は、第1層の電極配線2のエッジテーパ部領域T2に重ならないように配置している。
【0081】
入力リード配線21のエッジ部Bにおいて、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の配置を、上述したような配置にすることによって、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の共通のエッジ部R2における絶縁性保護膜6のステップカバレッジを改善することができるので、従来の逆テーパ形状になっている第2層の電極配線4および第3層の電極配線5のエッジ部において生じる膜剥がれを防止することができる。
【0082】
また、入力リード配線21は、第2層の電極配線4のエッジ部および第3層の電極配線5のエッジ部の位置が、図7(b)に示すような位置関係になるように、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を積層して配置してもよい。
【0083】
すなわち、第1層の電極配線2のエッジテーパ部領域T2と第2層の電極配線4のエッジ部U2との距離が、エッジテーパ部領域T2と第3層の電極配線5のエッジ部V2との距離よりも長く、かつ第2層の電極配線4のエッジ部U2および第3層の電極配線5のエッジ部V2が、エッジテーパ部領域T2と重ならないようにパターニング処理を行い、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を積層して配置する。
【0084】
以上のように、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5を階段状に形成し、絶縁性保護膜6で覆わなければならない第2層の電極配線4および第3層の電極配線5の膜厚を分割することによって、第2層の電極配線4のエッジ部U2および第3層の電極配線5のエッジ部V2における絶縁性保護膜6のステップカバレッジをさらに改善することができるので、膜剥がれを防止することができる。
【0085】
また、絶縁性保護膜6のステップカバレッジを改善することによって、第2層の電極配線4および第3層の電極配線5のエッジ部における膜の密着性が良くなるので、絶縁性保護膜6に亀裂が発生することはない。したがって、絶縁性保護膜6の亀裂部から湿気が進入し、電気腐食が生じることを完全に防止することができ、絶縁性保護膜6の膜厚を増加させることなく、表示パネル31の信頼性の向上を図ることができる。
【0086】
なお、上記の実施形態では、表示パネルにおける基板に形成された積層構造を有する配線について説明したけれども、表示パネルに限らず、積層構造を有する配線であれば同様に実施できることはもちろんである。また、第1層の配線と第2層の配線との間には、絶縁膜を介在させなくてもよい。ただし、この場合は、第1層の配線と第2層の配線との密着性が悪くなる。また、電極配線を構成する電極配線部分の幅は、300μm以下としたけれども、膜厚が厚くなると膜応力が大きくなるため、幅はより細くする必要がある。さらに、材料や成膜条件によって、電極配線部分の幅をより細くする必要がある。
【0087】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、入力リード配線の抵抗を増大させることなく、第3層の電極配線の成膜時に生じる膜応力と、第3層の電極配線を形成した後のプロセスで発生する熱ストレスとを分散させ、2層目以上の各々の電極配線材料と下地との密着性を確保することで、膜剥がれを防止することができる。
【0088】
また本発明によれば、第2層の電極配線および第3層の電極配線エッジ部が、逆テーパ形状になることを防ぎ、第2層の電極配線および第3層の電極配線の共通のエッジ部における絶縁性保護膜のステップカバレッジを改善することで、膜剥がれを防止することができる。
【0089】
また本発明によれば、製造工程数および製造コストを低減することができる。また本発明によれば、絶縁性保護膜の亀裂部から湿気が進入し、電気腐食が生じることを完全に防止することができ、絶縁性保護膜の膜厚を増加させることなく、表示パネルの信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である表示パネル31の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の一形態である表示パネル31における入力リード配線21を示す部分平面図および断面図である。
【図3】膜応力を求める際に用いたパラメータを示す概略図である。
【図4】電極配線幅Wと膜応力との関係を示すグラフである
【図5】絵素電極近傍の積層構造を示す断面図である。
【図6】図2(b)に示す領域Aの拡大断面図である。
【図7】図2(b)に示す領域Bの拡大断面図である。
【図8】従来の表示パネルにおける入力リード配線の構造を示す電流方向における断面図である。
【図9】従来の表示パネルにおける入力リード配線の構造を示す電流方向に対する直交方向における断面図である。
【図10】従来の表示パネルにおける入力リード配線の平坦部Eを示す断面図である。
【図11】従来の表示パネルにおける入力リード配線のエッジ部Fを示す断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 第1層の電極配線
3 ゲート絶縁膜
4,4a,4b,4c,4x 第2層の電極配線
5,5a,5b,5c 第3層の電極配線
6 絶縁性保護膜
7 半導体層
8 コンタクト層
11 液晶表示装置
12 対向基板
13 表示領域
14 駆動配線領域
15 ゲート駆動用ドライバIC
16 ソース駆動用ドライバIC
17 ゲート電極配線
18 ソース電極配線
19 絵素電極
21,22 入力リード配線
23,24 外部接続用端子
25 FPC(Flexible Printed Circuit)基板
26 FPC側接続パッド
27 ゲート駆動用ドライバIC側接続パッド
28 異方性導電膜
31 表示パネル

Claims (5)

  1. 絶縁性基板上に表示絵素に応じてマトリクス状に配線されたゲート電極配線およびソース電極配線と、前記ゲート電極配線および前記ソース電極配線で囲まれたそれぞれの領域に配置され、前記ゲート電極配線および前記ソース電極配線に電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子によって選択駆動される絵素電極と、前記ゲート電極配線と前記ソース電極配線および前記絵素電極を駆動用電源に接続するための積層構造を有する入力リード配線とを備えた表示パネルにおいて、
    前記積層構造を有する入力リード配線は、第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、前記ITO膜および前記第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない前記第1のタンタル薄膜および前記絶縁膜の上に積層されることを特徴とする表示パネル。
  2. 前記積層構造を有する入力リード配線のITO膜および第2のタンタル薄膜のエッジ部分は、前記第1のタンタル薄膜の両幅のエッジ部分に重ならないことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  3. 前記積層構造を有する入力リード配線においては、前記第1のタンタル薄膜と前記ゲート電極配線とは、同一材料かつ同一工程で形成され、前記ITO膜と前記絵素電極とは、同一材料かつ同一工程で形成され、前記第2のタンタル薄膜と前記ソース電極配線とは、同一材料かつ同一工程で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネル。
  4. 前記積層構造を有する入力リード配線の第2のタンタル薄膜の上には絶縁性保護膜が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示パネルを構成する、基板上に形成される配線の積層構造であって、
    第1のタンタル薄膜、絶縁膜、ITO膜、第2のタンタル薄膜が順次積層され、前記ITO膜および前記第2のタンタル薄膜は、最大幅が300μm以下の複数の並列配線となるように、分割されていない前記第1のタンタル薄膜および前記絶縁膜の上に積層されることを特徴とする配線の積層構造。
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