JP4097013B2 - 耐火スクリーン用シリカクロス膜材及びそのミシン縫製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐火スクリーン用シリカクロス膜材及びそのミシン縫製品に関するものであり、更に詳しく述べるならば建物の火災時に発生する炎や煙の拡散と延焼を防止するための耐火スクリーン用シリカクロス膜材及びそのミシン縫製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物で火災が発生した際に炎や煙が広がるのを食い止める装置として、ガラスクロス等よりなる耐火スクリーン膜材に水を噴射し使用する方法が提案されている(特開平7−328137)。
【0003】
また、最近ではシリカクロスよりなる耐火スクリーン膜材を使用する事により、スプリンクラーによる水の噴射を不要にした延焼防止装置も考えられている。このシリカクロスからなる耐火スクリーン膜材はシリカクロスの繊維同士が滑って面延長方向に変形しやすいことから平行四辺形状に変形(目ずれ)して垂れ、耐火スクリーン膜材の側方に隙間ができるという問題があった。また、耐火スクリーン膜材の縫製時に裁断すると裁断面の糸がほつれ、作業性が悪いという問題もあった。
【0004】
そこで、シリカクロスよりなる耐火スクリーン膜材の目ずれやほつれを防止する方法として、シリカクロスにシリコーン樹脂を塗布する方法、2層のシリカクロスをポリエチレンフィルムを介して熱融着接着させる方法(特開平10−317846)、シリカクロスに難燃性樹脂を被覆又は含浸する方法(特開2000−84106)、シリカクロスの片面又は両面に樹脂フィルムを貼着する方法(特開2000−116808)が提案されている。
【0005】
これらの耐火スクリーン膜材の縫製は、縫合糸として金属繊維糸、セラミック繊維糸、炭素繊維糸を使用したミシン縫製が実施されるが、ミシン縫製時にミシン針と、シリカクロスを構成する繊維との間の滑りが悪く、ミシン針がシリカクロスの構成繊維を切断しやすく、その結果、ミシン縫製、施工時の作業中や耐火スクリーンとして吊り下げた時に自重で縫製部分が切断することがあり、このため、大面積の耐火スクリーンに利用できないことがあった。
また、これら従来の耐火スクリーン用膜材は、火災等の有事の際に炎や熱風により高温になり収縮する場合があり、耐火スクリーン膜材と床面の隙間が大きくなり、防火設備としての十分な遮煙効果が得られない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐火スクリーンに使用したとき、目ずれ及びほつれがなく、風合が柔軟で取り扱い性に優れ、ミシン縫製時にミシン針と、シリカクロスの構成繊維との間の滑りがよく、ミシン針がシリカクロスの構成繊維を切断しにくく、ミシン縫製部の強力低下が少なく、また火災発生時には高温下においても膜材の収縮が少なく、優れた耐火性及び遮煙性を有する、耐火スクリーン用シリカクロス膜材およびそのミシン縫製品を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材は、シリカクロスからなる基布と、この基布に含浸固着されており、かつ、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂を主成分として含む含浸樹脂と、
前記基布と含浸樹脂とにより形成された樹脂含浸基布層の少なくとも1面上に形成された難燃性樹脂層と
を含み、前記樹脂含浸基布中の前記含浸樹脂の含浸質量が前記基布の質量に対し、0.5〜10質量%であって、耐火性及びミシン縫製性に優れていることを特徴とするものである。
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材において、前記シリカクロスが、500〜1100℃の温度において、熱処理されたものであることが好ましい。
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材において、前記基布用含浸樹脂が、さらに追加成分として、接着性樹脂を含んでいてもよい。
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材において、前記基布用含浸樹脂の含浸質量が前記基布の質量に対し、1.0〜5.0質量%であることが好ましい。
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材において、前記難燃性樹脂層が、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン一酢酸ビニル系共重合体樹脂、及びアクリル系樹脂より選ばれた少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材において、前記難燃性樹脂層が30〜200g/m2 の塗布量で形成されていることが好ましい。
本発明の耐火スクリーンミシン縫製品は、本発明の前記耐火スクリーン用シリカクロス膜材にミシン縫製を施して製造されたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の耐火スクリーン用シリカクロス膜材(以下本発明の耐火スクリーン用膜材と記す)はシリカクロスからなる基布と、この基布に含浸固着されており、かつ、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂を主成分として含む含浸樹脂と、前記基布と前記含浸樹脂により形成された樹脂含浸基布層の少なくとも1面上に形成された難燃性樹脂層とを有するものであって、ミシン縫製性が、従来品よりも格段に向上したものである。
【0009】
本発明の耐火スクリーン用膜材の構成は図1及び図2に示されている。図1に示された膜材1において、基布2に含浸樹脂3が含浸固着されて、樹脂含浸基布層4が形成され、この樹脂含浸基布層4の片面に難燃性樹脂層5が形成されている。
図2に示された膜材11において、基布2に含浸樹脂3が含浸固着されて樹脂含浸基布層4が形成され、この樹脂含浸基布層4の表面に難燃性樹脂層5が形成され、その裏面に難燃性樹脂層6が形成されている。
【0010】
本発明の耐火スクリーン用膜材の基布はシリカクロスにより構成される。シリカクロスは、Eガラス(アルカリ含有率1%以下のボロンシリケートガラス)繊維を硫酸抽出して得られ、95%以上のSiO2 を含有するシリカ繊維からなる撚糸から構成されているものなどが用いられる。シリカクロス中には、600℃以上の安全使用温度を有する他の金属繊維、無機繊維、例えば、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、岩綿、スラグウール、ステンレススチール繊維及び高耐熱性ガラスウールなどがシリカ繊維と混用されていてもよい。
また、実用性を損なわない限り、少量の有機耐熱性繊維(難燃性ビスコース繊維、アラミド繊維など)を含んでいてもよい。
シリカクロス中には、補強用ヤーンとして、ステンレススチール繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維などを補強芯糸として含む撚糸を用いてもよい。
本発明の基布に用いられるシリカクロスの織組織には制限はなく、平織、綾織、朱子織、二重織、その他の多重織などであってもよい。
またシリカクロスの厚さにも制限はないが一般には0.3〜6mmであることが好ましく、0.6〜2.0mmであることがさらに好ましい。
【0011】
本発明の耐火スクリーン用膜材の基布に使用されるシリカクロスは、予め500〜1100℃の温度で熱処理されたものであることが好ましい。シリカクロスを予め500〜1100℃の温度で熱処理しておくことにより、火災発生時に耐火スクリーン用膜材が炎にさらされ、膜材が高温になっても膜材の収縮が抑制されるため、耐火スクリーン膜材と床面との間に隙間が発生して煙を通すことがなく、防火設備としての十分な遮煙効果が得られる。
シリカクロスの熱処理温度が500℃未満の場合は、耐火スクリーン膜材の高温下での耐収縮性が不十分になることがあり、また熱処理温度が1100℃を越える場合は、シリカクロス自体の引張強さが低下し、耐火スクリーン用膜材として高温下での引張強さが低下するという問題を生ずることがある。
シリカクロスの熱処理時間は、熱処理温度や熱処理方法によって異なるが、高温下での収縮防止効果及び生産性を考慮すると30分〜4時間が適当である。
シリカクロスの熱処理は、従来の熱処理方法及び熱処理装置を用いて行うことができ、例えば、テンター型高温熱処理炉、熱風循環式高温熱処理炉、間接加熱式高温熱処理炉などを用いることができる。
【0012】
本発明の耐火スクリーン用膜材の基布には、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂を主成分として含む含浸樹脂が含浸固着されている。上記含浸樹脂の主成分は、シリカクロスを構成するシリカ繊維に滑り性を付与する効果や擦れから保護する効果があり、シリカクロス基布に前記主成分を含有する含浸樹脂が含浸されている膜材にミシン縫製が施されたとき、ミシン針をシリカクロスの構成繊維の間をスムースに滑動させることができ、また、シリカクロスの構成繊維が保護されるため構成繊維の切断が少なくなる。また、シリカクロスに張力を掛けた際に構成繊維同士の擦れによる破損が少なくなり、初期引張強さも向上する。
【0013】
本発明において含浸樹脂主成分にはアクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂が用いられる。また、このアクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂は、他の樹脂、例えばポリウレタン、アクリル、エポキシ、シリコーン、ポリイミド、ポリアミドイミド、PPS、PES樹脂などで変性されていてもよい。また、本発明では、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂は、基布への含浸加工を容易にするため、これを溶剤に溶かした溶液、乳化したエマルジョンあるいはディスパージョンとして用いられることが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる含浸樹脂主成分は、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂である。
【0018】
本発明の耐火スクリーン用膜材の基布に含浸固着されている含浸樹脂には、追加成分として接着性樹脂が含まれてもよい。接着性樹脂成分を含む膜材は、基布への含浸樹脂の固着性が向上し、また、シリカクロスの繊維束集束性の向上により膜材の初期引張強さが向上する。前記含浸樹脂主成分として用いられるアクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂に、追加成分として接着性樹脂が含まれることが更に効果的である。
本発明の耐火スクリーン用膜材の前記含浸樹脂に含まれる追加成分用接着性樹脂は、例えば酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、及びポリエステル系樹脂などを包含し、これらは単一種で用いられてもよく、或は2種以上の混合物として使用されてもよい。前記追加成分用接着性樹脂は、前記主成分樹脂との混合、及び基布への含浸加工を容易にするため、これを溶剤に溶かした溶液、乳化したエマルジョンあるいはディスパージョンとして用いられることが好ましい。
【0019】
前記含浸樹脂の合計質量に対する前記追加成分の含有率は20〜80質量%であることが好ましい。それが20質量%未満の場合は、基布への含浸樹脂の基布に対する固着性向上効果が不十分になることがあり、また、シリカクロスの構成繊維束の集束性向上に対する寄与が不十分になることがあり、またそれが80質量%を越えると、得られる膜材においてミシン縫製時にミシン針とシリカクロスの構成繊維との間の滑り性向上効果が不十分になることがあり、そのためミシン針によるシリカクロスの構成繊維の切断の防止効果が不十分になることがある。
【0020】
前記含浸樹脂の合計含浸質量は、基布用シリカクロスの質量に対して0.5〜10.0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量%である。含浸樹脂の含浸質量が0.5質量%未満であると、得られる膜材においてミシン縫製時にミシン針とシリカクロスの構成繊維との間の滑りが悪く、ミシン針がシリカクロスの構成繊維を切断しやすくなることがあり、また、それが10.0質量%を超えると、得られる膜材において、ミシン縫製時のミシン針とシリカクロスの構成繊維の滑りは良いが、繊維自体の動きが固定され、ミシン針が通過した際に繊維の逃げがなくなり、シリカクロスの構成繊維が破損されやすくなことがあり、また膜材の風合も硬くなり、ミシン縫製時や施工時の取り扱い性が不十分になることがある。
【0021】
含浸樹脂の含浸は、従来の含浸方法及び含浸装置を用いて行うことができ、例えば、ディップニップ法、ディップコート法、スプレー吹き付け法、キスコート法、グラビヤコート法などを用いることができる。
本発明に用いられる含浸樹脂には、得られる製品の耐火性能に影響しない範囲内で、難燃剤、着色剤、防バイ剤などの添加剤を添加してもよい。
【0022】
本発明の耐火スクリーン用膜材において、樹脂含浸基布層の少なくとも一面上に、難燃性樹脂からなる難燃性樹脂層が形成される。
本発明において、難燃性樹脂層に含まれる難燃性樹脂は、一般の、合成樹脂、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ふっ素含有重合体樹脂、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂など、あるいは天然ゴム又は合成ゴム、例えば、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、ふっ素含有ゴム、シリコーンゴムなどから選ばれる。またこれらの樹脂又はゴムに難燃剤を添加し、難燃性樹脂として使用されてもよい。難燃剤としては、臭素化合物、アンチモン化合物、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムなどを用いることができる。上記難燃性樹脂のなかで、その強力、樹脂皮膜の柔軟性、燃焼ガスの低有属性、及び汎用性を考慮すると、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、及びアクリル系樹脂から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。
【0023】
本発明において、難燃性樹脂層に用いられるシリコーン系樹脂としては、オルガノポリシロキサン系シリコーン樹脂、ポリアクリルオキシアルキルアルコキシシラン系シリコーン樹脂及びポリビニルシラン系シリコーン樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂を用いることが好ましい。また、これらのシリコーン系樹脂は他の樹脂、例えば、エポキシ、ポリエステル、アルキッド樹脂、アミノ樹脂などで変性されていてもよい。また、シリコーン系樹脂は、架橋剤(加硫剤)の併用によりシリコーンゴムに変性されていてもよい。
【0024】
また、シリコーン系樹脂の難燃性を高める場合には、オルガノポリシロキサン系シリコーン樹脂では、シリコーン系樹脂中のポリシロキサン成分の含有量が好ましくは70質量%以上のもの、ポリアクリロオキシアルキルアルコキシシラン系シリコーン樹脂およびポリビニルシラン系シリコーン樹脂においては、共重合させるエチレン系不飽和モノマーの含有量が50質量%以下、特に20質量%以下のものが好ましい。また、シリコーン系樹脂の難燃性を高める場合には、触媒として白金化合物を用いることも効果的である。更に、シリコーン系樹脂をマトリックスとし、それに無機難燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ系充填剤、チタン酸カリウム系充填剤、石綿繊維、雲母およびその他の無機耐熱材料を混合し、シリコーン系樹脂の耐熱性を向上させ、難燃性を高めてもよい。
【0025】
本発明の耐火スクリーン用膜材の難燃性樹脂層に使用されるポリウレタン系樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られた樹脂を用いることができる。このようなウレタン系樹脂の製造に用いられるポリオールは、分子鎖の両末端にヒドロキシル基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステルアミド系ポリオール、あるいはアクリレート系ポリオールなどから選ぶことができる。また、親水性を付与する目的で、上記ポリオールとともにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール成分を共重合してもよい。また、ポリウレタン系樹脂は、カチオン基を導入したカチオン性ウレタン系樹脂であってもよい。カチオン基を導入する方法としては、ポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンポリマーをN−メチルジエタノールアミン等の3級アミノ基を有する鎖延長剤で高分子化し、ポリマーの主鎖に導入された3級アミノ基を有機または無機酸で中和する方法、或は、ジエチレントリアミンなどのポリアルキレンポリアミンで鎖延長し、エピクロルヒドリンを反応させた後に残存するアミノ基を酸で中和する方法などが例示される。3級アミノ基を有するウレタン系樹脂は、ヨウ化メチルやジメチル硫酸など4級化剤で4級化されていてもよい。
【0026】
また、ポリウレタン樹脂製造用ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートを用いることができる。とくにポリイソシアネート成分として樹脂族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いたウレタン樹脂は、紫外線曝露によって黄変することがなく耐候性が良好なため好適である。
【0027】
本発明の耐火スクリーン用膜材の難燃性樹脂層に使用されるエチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の比較的高い共重合体樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95質量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜90質量%である。酢酸ビニル成分含有率が50質量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95質量%を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が低下し、また樹脂表面に粘着性が生じ加工性に影響する場合がある。
【0028】
本発明の耐火スクリーン用膜材の難燃性樹脂層に使用されるアクリル系樹脂としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸のC1〜C4アルコールのエステルを主構成モノマーとする重合体もしくは共重合体を主成分とする樹脂が好ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂の主構成モノマーは、具体的に、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブチルメタアクリレートであり、特にメチルアクリレート及びメチルメタアクリレートが好ましい。また、これらの主構成モノマーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸のC1〜C12アルコールのエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンなどのモノマーがある。これらの共重合体は、ランダム共重合体に限定されるものでなく、グラフト共重合体であってもよい。また、アミノ基、イミノ基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレートを用いることもできる。アクリル系樹脂中には、アクリル樹脂と相溶性の良好なPVC樹脂、ポリウレタン樹脂などの他の樹脂が少量含有されてもよい。
【0029】
また、前記ウレタン系樹脂、前記エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂又は前記アクリル系樹脂の難燃性を高める場合には、前記ウレタン系樹脂、前記エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂又は前記アクリル系樹脂をマトリックスとし、難燃剤として臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤などを適量添加し難燃性を高めればよい。
臭素系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリブロモフェノールなどが用いられる。また塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカンなどが用いられる。リン系難燃剤としては、トリフェニルフォスフェート、トリアリルフォスフェート、ポリリン酸アンモン、赤リンなどが用いられる。さらに無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アンチモン化合物、モリブデン化合物などが用いられる。これらの難燃剤のなかで、火災発生時に災にさらされた場合を想定すると、膜材としての耐熱性が向上し燃焼時の減煙効果のある無機系難燃剤を使用することがより好ましい。
【0030】
本発明の膜材において、難燃性樹脂層は、樹脂含浸基布層の少なくとも1面上に形成され、30〜200g/m2 の塗布量で形成されることが好ましく、より好ましくは50〜150g/m2 である。
難燃性樹脂層の塗布量が、30g/m2 未満であると、目ずれや切断部のほつれが発生しやすく、またピンホールが形成されやすく、その遮煙性が不十分になることがある。また、それが200g/m2 をこえると、得られる膜材の重量が重くなり、風合いも硬くなりミシン縫製や施工時の取扱いが困難になることがある。
難燃性樹脂層の形成には、従来の樹脂被覆層形成方法及び装置を用いることができ、例えばドクターコート法、キスコート法、グラビヤコート法、ディップニップ法、ディップコート法、フィルム貼着法などを用いることができる。
【0031】
本発明の耐火スクリーン用膜材は、その基布を構成するシリカ繊維が、含浸樹脂により含浸固着されており、さらに、樹脂含浸基布層上に、難燃性樹脂層が形成されているため、裁断時は裁断面の糸ほつれがなく、この膜材をミシン縫製に供したとき、ミシン針は、シリカクロスの構成繊維間をスムースに滑動し、シリカクロス繊維を切断することが少なく縫製部分が切断しにくいため、ミシン縫製時や施工時に作業しやすく、また縫製部分が膜材の自重にも耐えられるようになり、大面積の耐火スクリーンも可能となる。
【0032】
また、本発明の耐火スクリーン用膜材は、基布として予め高温で熱処理されたシリカクロスを使用しているため、この膜材が火災発生時に炎にさらされ高温になっても収縮が抑えられる。
【0033】
本発明のミシン縫製品を製造するには本発明の耐火スクリーン用膜材の一部を他の膜材の一部上に重ね合わせ、又は2重又は多重に折りたたみ、この部分に耐火性縫糸、例えば金属繊維糸、セラミック繊維糸、炭素繊維糸をもって、縫製を施せばよい。
【0034】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに説明する。
【0035】
下記実施例及び比較例の製品について、下記のテストを行った。
(1)引張強さ
供試試料からたて方向の糸目に沿って長さ30cm、巾3cmの引張試験用試料を切り出し、JIS L 1096ストリップ法の引張強さ試験を行って初期引張強さを測定した。
(2)ミシン縫製部性能(剪断強力測定)
供試試料2枚を、それぞれ表面を揃えて配列し、それらの隣接する側縁部分(ラップ幅4cm)を重ね合わせ、ラップ部の中央部分を下記の縫製条件でミシン縫製した。
<ミシン>:ブラザー工業(株)型番DB2−B736
<針> :SIZE21
<ピッチ>:4mm(運針数25ピッチ/10cm)
<縫い糸>:NASLON(登録商標)12μ×100p/3
(日本精線(株)製)
上記方法で作製した試料の縫製部を中央に位置した状態でJIS L 1096ストリップ法の引張強さ試験を行って剪断強力を測定し、本体強力に対する保持率(%)を計算し、縫製部性能を下記のように3階級に評価した。
【0036】
(3)目ずれ防止性
供試試料の縦糸に沿って20cm角の正方形の試料をカットし、試料の対角線方向に荷重1kgを1分間下げた後、荷重を除去し目ずれ防止性を下記2階級に評価した。
○:目ずれなし(荷重除去後の試料形状が正方形を維持している。)
×:目ずれあり(荷重除去後の試料形状が菱形に変形している。)
(4)ほつれ防止性
供試試料を鋏で切断し切断面を指で軽く摘み、糸の状態を観察しほつれ防止性を下記2階級に評価した。
○:糸のほつれがない
×:糸のほつれがある
(5)風合い(取扱い性)
供試試料の剛軟度をJIS L 1096カンチレバー法に従って測定し、風合い(取扱い性)を下記2階級に評価した。
○:100mm未満 風合いが柔らかく取扱い性が良い。
×:100mm以上 風合いが硬く取扱い性が悪い。
【0037】
(6)加熱後収縮率
本発明の耐火スクリーン用膜材が火災発生時に炎や熱風により高温に曝されることを想定し、加熱後の収縮率を測定した。
<加熱条件>
ボックス炉(KBF828N:KOYO製)を使用し、昇温時間30分で700℃まで昇温し、700℃で40分間加熱後冷却した。
供試試料からたて25cm、よこ25cmの試料をカットし、たて方向及びよこ方向の試料端部にそれぞれ3箇所ずつ、ステンレス糸NASLON(登録商標)を縫い付け、その間隔を加熱前と加熱後に、ノギスで測定し、その間隔の変化量から、収縮率を計算したて方向とよこ方向の平均値を加熱後収縮率とした。
【0038】
実施例1
(1)樹脂含浸基布の作製
基布用繊維布帛として、下記組織のシリカクロスの朱子織物を用いた。
<Tex> 170
<織組織> 朱子8/3
<密 度> 20×14(本/cm)
<質 量> 610g/m2
この繊維布帛を、含浸用樹脂としてふっ素含有樹脂を含む下記配合1の水性エマルジョンに浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、140℃で1分間乾燥し樹脂含浸基布を作製した。また、基布用含浸樹脂の含浸質量は基布質量に対し2.0質量%であった。
<配合1>
ふっ素含有樹脂水性エマルジョン
スコッチバン(登録商標)FC−845(組成:アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂水性エマルジョン、固形分50質量%、住友スリーエム(株)製) 5質量部
水(希釈剤) 95質量部
(2)難燃性樹脂層の形成
前記樹脂含浸基布の片面に、シリコーン系樹脂を含む下記配合2の樹脂組成物をナイフコーティング法によりコーティングし、200℃で2分間の熱処理を行い、70g/m2 の難燃性シリコーン樹脂層を形成し、耐火スクリーン用膜材を作製した。この膜材を前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
<配合2>
シリコーン樹脂 HR−306、(組成:メチルフェニルシリコーンワニス、固形分75質量%、(株)ナード研究所製) 100質量部
架橋剤 ハードナーA、(組成:パーオキサイド過酸化物、固形分100質量%、(株)ナード研究所製) 1.8質量部
白金触媒 ハードナーB、(固形分0.3質量%、(株)ナード研究所製)
1.5質量部
キシレン 15質量部
【0044】
【表1】
【0045】
表1から明らかなように、実施例1で得られた耐火スクリーン用膜材は、引張強さが200 kgf/3cm以上あり、ミシン縫製部性能が優れており、目ずれ防止性及びほつれ防止性も良く、また風合いも軟らかく取り扱い性も良く、耐火スクリーン用膜材として実用に適した耐火スクリーン用膜材であった。
【0046】
実施例2
実施例1と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例1の樹脂含浸基布の作製において、基布用繊維布帛のシリカクロスを、予めボックス炉(KBF828N:KOYO製)に入れ、昇温時間30分で700℃まで昇温し、700℃で1時間熱処理後冷却し使用した。
この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0047】
実施例3
実施例2と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例2の樹脂含浸基布の作製のための含浸用樹脂組成を、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂とエチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含む下記配合3に変更した。また、基布用含浸樹脂の含浸質量は基布質量に対して2.3質量%であった。
<配合3>
ふっ素含有樹脂水性エマルジョン
スコッチバン(登録商標)FC−845(組成:アクリル酸フルオロアルキルエステ ル樹脂水性エマルジョン、固形分50質量%、住友スリーエム(株)製) 3質量部
エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂水性エマルジョン
スミカフレックス(登録商標)752、(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸 ビニル成分量:90質量%、固形分50質量%、住友化学工業(株)製) 3質量部
水(希釈剤) 94質量部
この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0048】
実施例4
実施例3と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例3の難燃性樹脂層の形成工程を下記のように変更した。
前記樹脂含浸基布の片面に、ポリウレタン系樹脂を含む下記配合4の難燃性ポリウレタン系樹脂組成物をナイフコーティング法によりコーティングし、150℃で2分間の熱処理を行い、片面70g/m2の難燃性ポリウレタン系樹脂層を形成し、耐火スクリーン用膜材を作製した。
<配合4>
難燃性ポリウレタン系樹脂配合組成
ポリウレタン系樹脂 アデカボンタイター(登録商標)HUX−561
(固形分40質量%、旭電化(株)製) 100質量部
水酸化アルミニウムB−153(日本軽金属(株)製) 40質量部
増粘剤 アデカボンタイター(登録商標)HUX−TA(旭電化(株)製)
0.5質量部
この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0049】
実施例5
実施例3と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例3の難燃性樹脂層の形成工程を下記のように変更した。
前記樹脂含浸基布の両面に、ポリウレタン樹脂を含む前記配合4の難燃性ポリウレタン系樹脂組成物をナイフコーティング法によりコーティングし、150℃で2分間の熱処理を行い、両面で140g/m2の難燃性ポリウレタン系樹脂層を形成し、耐火スクリーン用膜材を作製した。この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0050】
実施例6
実施例3と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例3の難燃性樹脂層の形成工程を下記のように変更した。
前記樹脂含浸基布の片面に、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含む下記配合5の難燃性エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂組成物をナイフコーティング法によりコーティングし、150℃で2分間の熱処理を行い、片面で70g/m2の難燃性ポリウレタン系樹脂層を形成し、耐火スクリーン用膜材を作製した。
<配合5>
難燃性エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂配合組成
エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂水性エマルジョン
スミカフレックス(登録商標)752、(酢酸ビニル成分量:90質量%
、固形分50質量%、住友化学工業(株)製) 100質量部
水酸化アルミニウムB−153(日本軽金属(株)製) 50質量部
増粘剤 アデカボンタイター(登録商標)HUX−TA(旭電化(株)製)
0.5質量部
この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0051】
実施例7
実施例3と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例3の難燃性樹脂層の形成工程を下記のように変更した。
前記樹脂含浸基布の片面に、アクリル系樹脂を含む下記配合6の難燃性アクリル系樹脂組成物をナイフコーティング法によりコーティングし、140℃で2分間の熱処理を行い、片面70g/m2の難燃性アクリル系樹脂層を形成し、耐火スクリーン用膜材を作製した。
<配合6>
難燃性アクリル系樹脂配合組成
変性アクリル酸エステル共重合体樹脂水性エマルジョン
Nipol(登録商標)LX851F(固形分45質量%、日本ゼオン(株)製)
100質量部
水酸化アルミニウムB−153(日本軽金属(株)製) 45質量部
増粘剤 アデカボンタイター(登録商標)HUX−TA(旭電化(株)製)
0.5質量部
この膜材を前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表2から明らかなように、実施例2〜7で得られた耐火スクリーン用膜材は、ミシン縫製部物性が優れており、目ずれ防止性及びほつれ防止性も良く、風合いも軟らかく取り扱い性も良い。また、これらの耐火スクリーン用膜材はシリカクロスを予め高温での熱処理を施しており、実際の用途を想定した加熱後の収縮率は、実施例1に比べ更に小さく、耐火性は優れており、実用に適した耐火スクリーン用膜材であった。
また、実施例3〜7で得られた耐火スクリーン用膜材は、含浸樹脂が接着性樹脂からなる追加成分を含んでおり、膜材の初期引張強さが含浸樹脂主成分として同じ樹脂を使用した実施例1及び2の場合より約2割程度向上しており、更に実用に適した耐火スクリーン用膜材であった。
【0054】
比較例1
実施例1と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例1のシリカクロスへの樹脂含浸工程を省き、耐火スクリーン用膜材を作製した。この膜材を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材は実施例1で得られた膜材に比べ、初期引張強さが低く、ミシン縫製部物性が劣り、耐火スクリーン用として実用に適さない膜材であった。
【0055】
比較例2
実施例3と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例3のシリカクロスへの樹脂含浸工程を省き、耐火スクリーン用膜材を作製した。この膜材を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材は実施例3で得られた膜材に比べ、加熱後の収縮率は小さいものの、初期引張強さが低く、ミシン縫製部物性が劣り、耐火スクリーン用として実用に適さない膜材であった。
【0056】
比較例3
実施例4と同様にして耐火スクリーン用膜材を作製した。但し、実施例4の樹脂含浸基布への難燃性樹脂層形成工程を省いて、耐火スクリーン用膜材を作製した。この膜材を前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた膜材は実施例4で得られた膜材に比べ、目ずれ防止性及びほつれ防止性が劣り、耐火スクリーン用として実用に適さない膜材であった。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】
本発明により得られる耐火スクリーン用膜材は、シリカクロスの基布に適量のアクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂を主成分樹脂として含む含浸樹脂を含浸固着し、その少なくとも1面上に難燃樹脂層を形成することにより、裁断時は裁断面の糸ほつれがなく、縫製時や施工時はミシン縫製部分が切断しにくく、風合いも柔らかいので作業しやすい膜材が得られる。また、得られた膜材を耐火スクリーンとして使用した際に、目ずれ防止性が高く、スクリーン膜材の側方に隙間が開くことはなく、更にシリカクロスを予じめ500〜1100℃の温度において、熱処理を施しておくことにより、実際に火災発生時に炎や熱風により高温に曝されたとしても、膜材の耐収縮性が優れるため膜材と床面に隙間が開くことがなく、防火設備としての十分な遮煙効果が得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火スクリーン用膜材の一例を示す断面説明図。
【図2】本発明の耐火スクリーン用膜材の他の例の断面説明図。
【符号の説明】
1,11…耐火スクリーン用膜材
2…基布
3…含浸樹脂
4…樹脂含浸基布層
5,6…難燃性樹脂層
Claims (7)
- シリカクロスからなる基布と、この基布に含浸固着されており、かつ、アクリル酸フルオロアルキルエステル樹脂を主成分として含む含浸樹脂と、前記基布と前記含浸樹脂とにより形成された樹脂含浸基布層の少なくとも1面上に形成された難燃性樹脂層と、
を含み、前記樹脂含浸基布中の前記含浸樹脂の含浸質量が前記基布の質量に対し、0.5〜10質量%であることを特徴とする、耐火性及びミシン縫製性に優れた耐火スクリーン用シリカクロス膜材。 - 前記シリカクロスが、500〜1100℃の温度において、熱処理されたものである、請求項1に記載の耐火スクリーン用シリカクロス膜材。
- 前記基布用含浸樹脂が、さらに追加成分として、接着性樹脂を含む、請求項1又は2に記載の耐火スクリーン用シリカクロス膜材。
- 前記基布用含浸樹脂の含浸質量が、前記基布の質量に対し、1.0〜5.0質量%であり、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火スクリーン用シリカクロス膜材。
- 前記難燃性樹脂層が、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン一酢酸ビニル系共重合体樹脂、及びアクリル系樹脂より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火スクリーン用シリカクロス膜材。
- 前記難燃性樹脂層が30〜200g/m2 の塗布量で形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐火スクリーン用シリカクロス膜材。
- 請求項1〜6のいずれか1項の耐火スクリーン用シリカクロス膜材にミシン縫製を施して製造された、シリカクロス耐火スクリーンミシン縫製品。
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