JP4096521B2 - 記録読み出し方法、及び記録読み出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不可視情報を読み出す記録読み出し方法及び記録読み出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙幣や有価証券などの偽造防止技術として、暗号を刷り込むことが提案されている。その一つとして、可視光では見えない紫外光を利用するものが提案されている。しかしながら紫外光を利用した記録を読み出す場合にUV光を照射し可視光の蛍光に変換するものが有る。
【0003】
暗号は暗号が書きこまれていること自体が判別されることも重要であり、可視光に透明であり紫外光による蛍光物質を使用して記録した場合には、通常の照明環境ではその暗号記録は記録されていることが分からず、かつ暗号判別のための装置は容易に作製できる。しかしながら、UV照明環境では蛍光により暗号が目視で見え、暗号化方法が分かってしまうため、一度暗号化方法が分かってしまうと簡単に偽造される可能性があり、偽造などにも安全でない。
【0004】
そのため不可視記録を不可視のままで読み出す方法が必要であった。このため紫外光吸収剤や紫外光反射剤を用いて暗号記録用に用いる方法が提案されている。しかしながら暗号記録以外の地のインク等による紫外光吸収が暗号信号のノイズとなり、識別能が低下してしまう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の第一の目的は、紫外光を照射しても情報が目視できず、明所でも情報の検出ができる記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することである。本発明の第二の目的は、通常のインクなどによる可視情報(汚れなども含む)が表示された記録媒体においても正確に不可視情報を読み出すことができる記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することである。本発明の第三の目的は、簡易で小型化と低コスト化が可能な記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1>紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて、不可視情報を記録した記録媒体上の前記不可視情報を読み取る記録読み出し方法であって、紫外光及び可視光を、前記記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に、同一の光路に反射するように照射し、同一の光路に反射した前記紫外光及び前記可視光の光量を一つの光電変換素子で検出して、検出した紫外光及び可視光の反射光量変化に基づいて前記記録媒体上に記録された前記不可視情報を読み取ることを特徴とする記録読み出し方法である。
【0007】
前記<1>に記載の記録読み出し方法では、前記記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に照射した紫外光及び可視光を、同一の光路に反射させ、この同一の光路で反射してきた紫外光及び可視光の光量を光電変換素子で検出する。前記不可視情報は、紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて記録され、この不可視情報記録部分に照射して反射してきた紫外光の光量(紫外光反射剤を用いた場合、反射した紫外光の光量は強くなる。一方、紫外光吸収剤を用いた場合、反射した紫外光の光量は弱くなる。)と、不可視情報非記録部分に照射して反射してきた紫外光の光量とでは、相違が現れる。この紫外光の光量の変化を検出することで、不可視情報を読み出すことができる。また、前記記録材料は、実質的に無蛍光の材料であるので、紫外光を照射しても記載された不可視情報が目視できず、さらに紫外光と共に可視光を照射するので、明所でも不可視情報の読み出しが可能である。通常、前記記録媒体上には、前記記録材料で記録され、紫外光を反射或いは吸収する不可視情報のみならず、通常のインク等で記録され紫外光を反射或いは吸収する可視情報(汚れなども含む)等も記載されていることが多く、このような場合でも、反射された紫外光と可視光との光量を検出し、比較することで、不可視情報記録部分による紫外光の反射或いは吸収なのか、前記可視情報記録部による紫外光の反射或いは吸収なのかを区別し、正確に不可視情報を読み出すことができる。さらに、不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に照射され反射した紫外光及び可視光は、同一の光路に進ませ、この同一の光路上に進んだ紫外光及び可視光の光量を、一つの光電変換素子により検出するので、複雑な光学系を用いることなく、簡易で、小型化、低コスト化が可能である。
【0008】
<2>前記紫外光及び前記可視光の照射時の光量を検出することを特徴とする前記<1>に記載の記録読み出し方法である。
【0009】
前記<2>に記載の記録読み出し方法では、記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に反射させる前の紫外光及び可視光の照射光量を検出し、これらと、反射後に検出される紫外光及び可視光の光量と、を比較することで、より正確な記録の読み出しが可能となる。
【0010】
<3>前記情報が暗号化およびコード化した情報であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の記録読み出し方法である。
【0011】
前記<3>に記載の記録読み出し方法では、記録される情報として暗号化又はコード化した情報を用いることもでき、これにより、好適に紙幣や有価証券などの偽造防止技術に利用することができる。
【0012】
<4>前記光電変換素子が、少なくとも一部の可視光を透過する紫外光受光素子と可視光受光素子とを、前記紫外光受光素子が先に受光するように積層してなり、前記紫外光受光素子と前記可視光受光素子の間に、前記紫外光を99%以上吸収し、かつ前記可視光を5%以上透過するフイルターを有することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の記録読み出し方法である。
【0013】
前記<4>に記載の記録読み出し方法では、一つの前記光電変換素子として、少なくとも一部の可視光を透過する紫外光受光素子と可視光受光素子とを、フィルターを挟んで受光方向に積層してなるものが好適に挙げられ、これを用いることで、簡易な構成で紫外光及び可視光の光量を一つの素子で検出することができる。
【0014】
<5>前記紫外光受光素子が、少なくともIII族元素から選ばれる少なくとも一種の元素とチッ素とを含む半導体層を有することを特徴とする前記<4>に記載の記録読み出し方法である。
【0015】
前記<5>に記載の記録読み出し方法では、少なくとも一部の可視光を透過する紫外光受光素子として、少なくともIII族元素から選ばれる少なくとも一種の元素とチッ素とを含む半導体層を有する素子が好適に挙げられ、これを用いることで、好適に紫外光及び可視光の光量を一つの素子で検出することができる。
【0016】
<6>複数の前記光電変換素子を、一次元配列させることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の記録読み出し方法である。
【0017】
前記<6>に記載の記録読み出し方法では、複数の光電変換素子を一次元配列させると、紫外光及び可視光を複数の照射部(不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分)に連続或いは同時に照射することができ、効率良く記録情報の読み取りを行うができる。
【0018】
<7>紫外光を吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて、不可視情報を記録した記録媒体上の前記不可視情報を読み取る記録読み出し装置であって、紫外光及び可視光を、前記記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に、同一の光路に反射するように照射する照射手段と、同一の光路に反射した前記紫外光及び前記可視光の光量を検出する光電変換素子と、を備え、前記検出した紫外光及び可視光の反射光量変化に基づいて前記記録媒体上に記録された前記不可視情報を読み取ることを特徴とする記録読み出し装置である。
【0019】
<7>に記載の記録読み出し装置では、上記<1>に記載の記録読み出し方法で示したように、紫外光を照射しても記載された不可視情報が目視できず、さらに明所でも不可視情報の読み出しが可能である。また、通常のインク等で記録され紫外光を反射或いは吸収する可視情報等も記載されて場合でも、正確に不可視情報を読み出すことができる。さらに、簡易で、小型化、低コスト化が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、実質的に同様の機能を有するものには、全図面通して同じ符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、本発明の記録読み出し方法及び記録読み出し装置については、以下に示す実施の形態で共に説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1〜図4を参照して第1の実施の形態を説明する。なお、本発明において、紫外光とは実質的に目視が困難な420nm以下の波長を言う。
図1に示す記録読み出し装置は、紫外光10及び可視光12を記録媒体14(例えば紙等)に、同一の光路に反射するように照射する照射手段として、紫外光照射用光源16(例えば短波長LED、半導体レーザ等)と、可視光照射用光源18(例えば白熱灯、長波長LED、半導体レーザ等)と、を備える。また、記録媒体14から同一の光路に反射するように、紫外光照射用光源16から発する紫外光10と、可視光照射用光源18から発する可視光12とを、照射時に重ねて照射できるよう設けられたハーフミラー20を備える。さらに、記録媒体14から同一の光路で反射してきた紫外光10及び可視光12の光量を検出する光電変換素子22を備える。
【0022】
記録媒体14上には、紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて、不可視情報24(不可情報記録部分)が記録されている。また、記録媒体14上には、インク等により可視情報26が記録され、さらになにも記録されていない無記録部を有する(ここで、不可視情報非記録部分には、可視情報26と無記録部とが含まれる)。また、不可視情報24は可視情報26上に記録されていてもよい。
【0023】
光電変換素子22としては、同一の光路を進んできた紫外光10と可視光12とを検出することができる素子であれば、特に限定はなく、例えば、少なくとも一部の可視光を透過する紫外光受光素子と可視光受光素子と、紫外光受光素子が先に受光するように積層されてなる素子が好適に挙げられる。この場合、紫外光受光素子を透過したわずかの紫外光10が可視光受光素子に照射し可視光の光信号のノイズとなるため、紫外光受光素子と可視光受光素子との間には、紫外光受光素子と可視光受光素子の間に、紫外光を99%以上吸収し、かつ前記可視光を5%以上透過するフイルターを有することが特に好ましい。
可視光受光素子としては、シリコンフォトダイオード等、公知の素子が挙げられる。
紫外光受光素子としては可視域から赤外域をカットするフィルターを合わせたシリコンフォトダイオードや、短波長に感度があり赤色光を透過するGaP系の素子が使用できる。これらは可視光のノイズを少なくするためには可視光カットフィルターと組み合わせてもよい。また、紫外光受光素子としては、特に好ましくは、紫外光領域にのみ感度の有する素子が好ましく、酸化チタンや酸化亜鉛の酸化物半導体からなる半導体層を有する素子が好適に挙げられる。これらの中でも、紫外光受光素子としては、少なくともIII族元素から選ばれる少なくとも一種の元素とチッ素とを含む半導体層を有する素子が好ましい。この素子は、紫外光のみに感度を有し、且つ可視光を透過でき、特に特に非単結晶材料で作製されたものは受光面積を大きく取ることができ、可視光受光素子を積層しても、可視光を透過する面積が大きくでき、結果として透過可視光が多くなるので高精度な検出が可能となる。
【0024】
不可視情報24は、紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて記録媒体上に記録されているが、その形態には特に制限はなく、バーコードのようなものでもよいし、図形や画像でもよい。例えば紙幣や有価証券などの場合には4隅に不可視情報を記録してもよいし、端から端までに不可視情報を記録したものでもよい。また、暗号化やコード化した情報でもよく、これにより好適に紙幣や有価証券などの偽造防止技術に利用することができる。さらに、不可視情報24は、可視情報26上に記録されていてもよいし、不可視情報24上に可視情報26が記録されてもよい。なお、不可視情報24を、記録媒体14上に蛍光材料を含む部分に記録すると、紫外光10を照射したとき、目視できてしまう可能があるので、無蛍光材料上に記録されることが好ましい。
紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料としては、具体的には、紫外光反射剤の場合、可視域に吸収がなく透明であり、界面の反射を利用したものが使用できる。例えば酸化チタンや酸化亜鉛、シリカ、窒化シリコン、酸化アルミ等の透明な微結晶や微粉末を用いることができる。不可視情報24は、これら微結晶や微粉末を記録媒体14中や記録媒体14表面に塗布や重ね合わせや印刷で記録することができる。このような微結晶や粉末で記録された不可視情報24は、微粉末界面で紫外光を反射あるいは散乱し、目視では判別することができず、また蛍光も出さないので記録があるかどうかは紫外光受光素子で測定しないと判別できない。一方、紫外光吸収剤の場合、420nm以下に吸収のある有機材料を用いることができる。このような有機材料としてはニトロアニリン、トランススチルベン、1−ブロモナフタレン、1−アイオドナフタレン、4−ヒドロキシベンゾアルデヒド、4−メトキシベンゾアルデヒド、アセトフェノン、ベンゾフェノン、オキシベンゾフェノン、サルイソベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2(2‘ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、Dioxybenzone,Mexenone,ニトロアニリン、アクリジン、アントラセン、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、桂皮酸、ヘンゾイルメタン、亜硝酸アミル、アセチレン性発色其を持つデカテトライン、などが挙げられる。不可視情報24は、これら有機材料を記録媒体14中や記録媒体14表面に塗布や重ね合わせや印刷で記録することができる。このような有機材料で記録された不可視情報24は、有機材料界面で紫外光が吸収され、目視では判別することができず、また蛍光も出さないので記録があるかどうかは紫外光受光素子で測定しないと判別できない。
【0025】
図1に示す記録読み取り装置では、記録媒体14上の不可情報記録部分又は不可視情報非記録部分に、紫外光照射用光源16及び可視光照射用光源18により、紫外光10及び可視光12を照射する。ここで、可視光12は、ハーフミラー20によりその少なくとも一部が反射され紫外光10と同一の光路で、記録媒体14に照射される。同一の光路で記録媒体14上に照射された紫外光10及び可視光12は、記録媒体14から、同一の光路に反射する。この同一の光路で反射てきた紫外光10及び可視光12の光量(強度)を光電変換素子22で検出する。光電変換素子22で検出された紫外光10及び可視光12の光量は、電気信号等の出力信号に変換されて、演算部(図示せず)に出力される。この演算部では、紫外光10及び可視光12の光量(強度)の比較、演算などが行われる。
【0026】
第1の実施の形態において、不可視情報24に照射され、反射した紫外光10は、記録材料として紫外光反射剤を用いた場合、光量は強くなり、一方、紫外光吸収剤を用いた場合、光量は弱くなる。このように、不可視情報24に照射され反射した紫外光10光量と、不可視情報24或いは無記録部に照射して反射してきた紫外光10光量とでは、相違が現れ、これを比較することで、不可視情報24を読み取る。
一方、可視情報26や無記録部の内でも、紫外光10を吸収・反射する場所(例えば黒字記録や汚れなど)では、不可視情報24に照射されて反射した紫外光10と同様に、反射・吸収に起因する紫外光10光量の強弱が起るが、可視光12は、紫外光10を吸収・反射する場所の可視情報26或いは無記録部にのみ、紫外光10と同様に光量の強弱が起り、これを検出し、上記紫外光10の光量と比較することで、不可視情報24による紫外光10の反射或いは吸収なのか、紫外光10を吸収・反射する場所の可視情報26或いは無記録部による紫外光10の反射或いは吸収なのかを区別し、正確に不可視情報を読み出す。
【0027】
ここで、紫外光吸収剤を用いて記録された不可視情報24と、黒インクによる文字が描かれた可視情報26とによる紫外光10の吸収を区別する場合を説明する(図2参照)。なお、紫外光10及び可視光12を照射する順番は、不可視情報24、可視情報26、可視情報26、不可視情報24で、それによる光電変換素子22から出力される出力信号の強弱で示す。図2に示すように、反射された紫外光10を検出して出力された出力信号は、不可視情報24でも可視情報26でも紫外光10の吸収に起因して、低くなる。一方で、反射された可視光12を検出して出力された出力信号は、可視情報26でのみ可視光12の吸収に起因して、低くなる。これらを比較することで、不可視情報24による紫外光10の反射或いは吸収なのか、黒インクによる文字が描かれた可視情報26による紫外光10の反射或いは吸収なのかを区別する。同様に、無記録部に、繰り返し使用による汚れ等が発生した場合でも、区別することができる。
【0028】
第1の実施の形態において、不可視情報24は、実質的に無蛍光の記録材料を用いて記録されているので、紫外光を照射しても記載された不可視情報24が目視できない。さらに、紫外光10と共に可視光12を照射するので、明所でも不可視情報24の読み出しが可能である。例えば、可視光12として赤領域と黄色領域と青色領域の光を照射し、かつこれらの反射光を検出比較することによって明所でも不可視情報24を読み取ることができる。また、可視情報26上に不可視情報24が記録されている場合でも、同一の場所に紫外光10及び可視光12を照射するため波長の異なる材料からの信号が同時或いは連続して検出できるので、可視情報26として文字や画像が印刷されているような部分に不可視情報24が記録されていても精度よく情報の読み取りを行うことができる。
【0029】
第1の実施の形態では、不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に照射され反射した紫外光10及び可視光12を、同一の光路で進ませるので、この同一の光路上に進んだ紫外光及び可視光の光量を、一つの光電変換素子により検出する。このため、簡易で、小型化、低コスト化が可能である。
【0030】
第1の実施の形態において、記録情報を読み取る際は、記録媒体を搬送等して動かしてもよいし、光源(紫外光照射用光源16及び可視光照射用光源18)を移動させてもよく、その双方を行ってもよい。具体的には、例えば、図3に示すように、複数の光源28と、それに対応する複数の光電変換素子22とを、それぞれ記録媒体14の搬送方向とは略垂直に一次元配列させて、記録媒体14を搬送し、記録媒体14上の照射部を走査させ、記録情報の読み出しを行うことができる。また、図4に示すように、複数の光電変換素子22を、記録媒体14の搬送方向とは略平行に一次元配列させて、一つの光源28(複数でもよい)を移動或いは照射方向を制御して記録媒体上の照射部を走査し、それぞれの光電変換素子22へ反射光(紫外光10及び可視光12)を入射させて、記録情報の読み出しを行うことができる(ここでは記録媒体14を搬送してもよい)。このように、光電変換素子22を一次元配列させると、紫外光及び可視光を複数の照射部(不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分)に連続或いは同時に照射することができ、効率良く記録情報の読み取りを行うができる。また、記録媒体14を搬送させたり、光源28及び光電変換素子22の対を移動させたり等、することで、容易に記録媒体全面に紫外光10及び可視光12を照射することができ、より効率良く記録情報の読み取りを行うができる。
【0031】
第1の実施の形態において、紫外光照射用光源16から照射される紫外光10と、可視光照射用光源18から照射される可視光12とは、外光の影響を防止するため変調させてもよい。この変調は機械的なチョッパーで行ってもよいし、電気的に行ってもよい。また、紫外光10とと可視光12との変調は、同時でも別々でもよい。さらに、紫外光10と可視光12とは、同時に照射してもよいし、別々に照射してもよい。
【0032】
第1の実施の形態において、紫外光10及び可視光12は同一の光路で記録媒体14に照射したが、紫外光10及び可視光12は、同一の光路に記録媒体から反射すればよく、照射時の光路は別々であってもよい。
【0033】
(第2の実施の形態)
図5を参照して第2の実施の形態を説明する。
図5に示す記録読み出し装置は、紫外光照射用光源16の照射時の光量を測定する紫外光受光素子30と、可視光照射用光源18の照射時の光量を測定する可視光受光素子32とを備える。紫外光受光素子30は、紫外光照射用光源16の照射光路(記録媒体14に照射する前の光路)中に設置される。可視光受光素子32は、ハーフミラー20において、反射されずに直進した可視光12の光路中に配置される。この構成以外は、第一の実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
【0034】
第2の実施の形態では、この紫外光受光素子30及び可視光受光素子32に入射した紫外光10及び可視光12の光量が、電気信号等の出力信号に変換されて、演算部(図示せず)に出力される。この演算部で、光電変換素子22から出力された紫外光10及び可視光12(反射されてきたもの)の光量(強度)との比較、演算などが行われる。これにより、より正確な記録の読み出しが可能となる。これは特に、紫外光照射用光源16、可視光照射用光源18とを変調させる場合、、より精度よく記録の読み出しを行うことができる。
【0035】
なお、上記何れの実施の形態に係る本発明の記録読み出し方法及び記録読み出し装置においても、限定的に解釈されるものではなく、本発明の構成要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例に用いた各光源、素子は以下の通りである。
・紫外光照射用光源16:325nmの紫外光を発するHe−Cdレーザ
・可視光照射用光源18:赤色の可視光を発するHe−Neレーザ
・光電変換素子22;ガラス/ITO基板上に成膜した水素化GaN膜に半透明のAu電極を設けたVisible blind型の水素化GaN系素子(紫外光受光素子)と、シリコンフォトダイオード(可視光受光素子)とを、水素化GaN系素子が先に受光するように550nmで100%透過500nmで0%透過のフィルターを介して積層したもの。
・紫外光受光素子30:ガラス/ITO基板上に成膜した水素化GaN膜に半透明のAu電極を設けたVisible blind型の水素化GaN系素子(紫外光受光素子)
・可視光受光素子32:シリコンフォトダイオード(可視光受光素子)
(実施例1)
【0037】
―不可視情報24及び可視情報26を記録した記録媒体14の作製−
不可視情報24を記録する記録材料を次に示すようにして調整し、白紙(記録媒体14)上に不可視情報24を記録した。ヘンゾイルメタンを95%エタノールに溶解し、100ppm溶液とした。これを蛍光剤の添加していない白紙に塗布し2×2cm2の大きさの四角形を書いた。この場所は鉛筆でマークした。アルコールが乾燥後、70℃で加熱した。このようにして、不可視情報24を記録した。なお、この記録材料をSi基板上にも塗布し同じ処理を行い、赤外吸収スペクトルを観測したところ、メチル基の吸収は完全になくなっており、酸化物に近い状態であることが分かった。紙上に形成したこの不可視情報24の部分は目視では判別つかなかった。
続いて、この四角形の隣に鉛筆で黒の同じ大きさの黒い四角形を作成し、可視情報26を記録した。
【0038】
−記録の読み取り−
図5に示す読み取り装置を用いて、明所にて、上記得られた記録媒体14の不可視情報24、可視情報26及び白紙の部分(無記録部)に、それぞれ紫外光10及び可視光12を照射して、不可視情報24の読み取りを行った。
その結果、紫外光10の光量を検出すると、不可視情報24では、照射時の光量と比べ、反射した光量は約1/4であった。また、可視情報26(鉛筆の部分)では、照射時の光量に比べ、反射した光量は1/5であった。一方、可視光12の光量を検出すると、不可視情報24及び白紙の部分では、照射時の光量と比べ、反射した光量はほぼ同じで誤差範囲で一致した。また、可視情報26では、照射時の光量と比べ、反射した光量は1/5であった。従って、紫外光10のみの照射では、不可視情報24の読み取りは行えなかったが、可視光12を照射することで、不可視情報24と、紫外光を吸収する黒鉛筆で記録された可視情報26との区別をすることができ、不可視情報24の読み取りを行えることがわかる。また、このような、記録読み取りを複雑な光学系を用いることなく、一つの光電変換素子を用いて行え、簡易で、小型化及び低コスト化が図れる方法であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、紫外光を照射しても情報が目視できず、明所でも情報の検出ができる記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することができる。また、通常のインクなどによる可視情報(汚れなども含む)が表示された記録媒体においても正確に不可視情報を読み出すことができる記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することができる。さらに簡易で小型化と低コスト化が可能な記録読み出し方法及び記録読み出し装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】 不可視情報と可視情報とにおける紫外光の吸収を区別する場合を説明する概略図である。
【図3】 光電変換素子の配列の一例を示す概略構成図である。
【図4】 光電変換素子の配列の他の一例を示す概略構成図である。
【図5】 第2の実施の形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 紫外光
12 可視光
14 記録媒体
16 紫外光照射用光源
18 可視光照射用光源
20 ハーフミラー
22 光電変換素子
24 不可視情報
26 可視情報
28 光源
30 紫外光受光素子
32 可視光受光素子
Claims (7)
- 紫外光吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて、不可視情報を記録した記録媒体上の前記不可視情報を読み取る記録読み出し方法であって、
紫外光及び可視光を、前記記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に、同一の光路に反射するように照射し、同一の光路に反射した前記紫外光及び前記可視光の光量を一つの光電変換素子で検出して、検出した紫外光及び可視光の反射光量変化に基づいて前記記録媒体上に記録された前記不可視情報を読み取ることを特徴とする記録読み出し方法。 - 前記紫外光及び前記可視光の照射時の光量を検出することを特徴とする請求項1に記載の記録読み出し方法。
- 前記不可視情報が暗号化又はコード化した情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録読み出し方法。
- 前記光電変換素子が、少なくとも一部の可視光を透過する紫外光受光素子と可視光受光素子とを、前記紫外光受光素子が先に受光するように積層してなり、前記紫外光受光素子と前記可視光受光素子との間に、前記紫外光を99%以上吸収し、かつ前記可視光を5%以上透過するフイルターを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録読み出し方法。
- 前記紫外光受光素子が、少なくともIII族元素から選ばれる少なくとも一種の元素と、チッ素と、を含む半導体層を有することを特徴とする請求項4に記載の記録読み出し方法。
- 複数の前記光電変換素子を、一次元配列させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録読み出し方法。
- 紫外光を吸収或いは反射し且つ実質的に無蛍光の記録材料を用いて、不可視情報を記録した記録媒体上の前記不可視情報を読み取る記録読み出し装置であって、
紫外光及び可視光を、前記記録媒体上の不可視情報記録部分又は不可視情報非記録部分に、同一の光路に反射するように照射する照射手段と、
同一の光路に反射した前記紫外光及び前記可視光の光量を検出する光電変換素子と、を備え、
前記検出した紫外光及び可視光の反射光量変化に基づいて前記記録媒体上に記録された前記不可視情報を読み取ることを特徴とする記録読み出し装置。
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