JP4095005B2 - Dnaチップの製造方法 - Google Patents

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本発明は、DNAチップの製造等、微小体積の液滴を高密度に整列固定するために好適に用いられる、液滴の体積制御性や製品生産性に優れたマイクロピペットとこれを用いた分注装置に関する。
近年における遺伝子構造の解析方法の進歩にはめざましいものがあり、ヒトの遺伝子をはじめとして、多数の遺伝子構造が明らかにされてきている。このような遺伝子構造の解析には、顕微鏡スライドガラス等の基板上に数千から一万種類以上の異なる種類のDNA断片を微小スポットとして整列固定させたDNAチップが用いられるようになってきている。
このDNAチップの製造における微小スポットの形成方法としては、クイル(QUILL方式、ピン&リング方式、或いはスプリングピン方式のものが広く用いられており、いずれの方法を採用した場合であっても、各微小スポットの容量と形状のばらつきを低く抑えて、各微小スポット間の距離を一定に保つことが重要となる。一方、更なる高密度化に向けて、微小スポットの形状制御性が良好であり、生産性に優れた新しい方法の開発に対する期待も大きい。
ここで、クイル(QUILL方式は、ピン先に形成された凹部に試料を貯め、ピン先を基板に接触させることで凹部内の試料を基板上に移して微小スポットを形成する方法であるが、ピン先が基板との接触によって変形し、或いは損傷する等の耐久性の問題や、凹部に溜められた試料の洗浄が不完全となってクロスコンタミネーションが起こりやすい等の問題がある。
また、ピン&リング方式は、マイクロプレート中の試料溶液をリングでリザーブした後、溶液がリザーブされたリング内側を貫通するようにしてピン先でリング内の試料を捉え、基板上にスポットを形成していく方法であるが、1回にリザーブできる試料はリングの数に依存し、従来、その数は数種類程度であることから、数千種から数万種といった試料の微小スポットを形成するためには、数百から数千回程度の洗浄・乾燥工程もまた必要となり、従って、生産性は必ずしも高いものとは言い難い。
また、スプリングピン方式は、ピン先に付着した試料を、ピン先を基板に押付けることで基板上に移して微小スポットを形成する方法であり、スプリングを内蔵した二重ピン構造で、ピン、基板の損傷をやわらげ、試料を吹き出すものであるが、基本的には1回のリザーブで1回のスポッティングしかできず、生産性に劣っている。更に、これら従来の微小スポットの形成方法は、すべて試料溶液を大気中にさらした状態で基板上に運ぶため、運ぶ途中で試料が乾燥し、スポッティングが出来なくなるといった不具合が生じ、大変高価な試料溶液の使用効率が悪いといった問題がある。一方、プリンタにおいて実用化されているいわゆるインクジェット方式を用いてスポッティングする方策も検討されているが、数千から数万といった試料を個別の流路で形成することは、サイズ的、コスト的に課題が多く、更にインクジェット方式は、スポッティング前にそのポンプ内に予め試料を気泡なく充填する必要があり、そのため、大量のパージ用試料が必要となり、試料の使用効率が極めて劣るものであった。また、一般的には、ポンプ室を含む流路中は高速に液体が移動する方が気泡抜けには良く、そのため、試料が流路中で攪拌され、例えばデリケートなDNA溶液を試料とした場合、DNAが損傷することがあった。
試料の微小スポットを形成するマイクロピペットとしては、例えば、インクジェット法を用いたもの(特許文献1参照)や生体試料を吐出するもの(特許文献2参照)が開示されている。
特開平6−40030号公報 特開平8−233710号公報
しかし、上述の特許文献1及び特許文献2に開示されたマイクロピペットは、微小スポットの形成における精度、速度及び効率の面で必ずしも十分に満足し得るものではなかった。本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微小スポットの形成を高精度且つ高速に可能ならしめるマイクロピペットを使用したDNAチップの製造方法及びこのマイクロピペットを用いた、1回に数百から数万の異なる試料を効率良く分注して微小スポットを形成することが可能な生産性に優れた分注装置を使用したDNAチップの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明によれば、少なくとも1個の基体前記基体のうちの少なくとも1個に配設された少なくとも1個の圧電/電歪素子とを備え、前記基体のそれぞれが、外部から試料を注入するための注入口、前記試料が注入・充填されるキャビティ及び前記試料を吐出する吐出口のうちの少なくとも1種を有するとともに、前記基体が、全体として、前記注入口、前記キャビティ及び前記吐出口をそれぞれ少なくとも1個有してなり、前記圧電/電歪素子が前記キャビティを有する前記基体の少なくとも1壁面に配設されてなり、前記キャビティをする前記基体がセラミックスからなり、また、前記キャビティ内において前記試料が層流で移動するように構成されたマイクロピペットを使用し、前記キャビティ内に予め置換液を充填し、次いで、異なる種類のDNA断片試料を前記注入口から前記キャビティ内に層流置換させながら注入した後、前記圧電/電歪素子駆動させて前記キャビティ内の体積を変化させ、前記キャビティ内の一定量の前記DNA断片試料を前記吐出口から吐出させてDNAチップを製造するDNAチップの製造方法が提供される。
本発明のDNAチップの製造方法に用いるマイクロピペットでは、このような構成を採用することにより、圧電/電歪素子の駆動ひとつひとつに対応して微小量液体が吐出口より吐出され、その容積は微小且つバラツキなく一定である。駆動周期は、圧電/電歪素子を用いることにより、高周波対応可能となり、吐出に要する時間も短縮される。また試料注入後吐出までの間、試料は閉空間内を移動するため、途中で乾燥することがない。更には、基体全体を小さくコンパクトに形成可能であるため、試料が移動する流路を短くでき、流路壁に試料が付着することによる使用効率化も低減できる。
本発明のDNAチップの製造方法においては、マイクロピペットキャビティ内に予め緩衝液や生理食塩水などの置換液を充填し、次いで試料を前記注入口から当該キャビティ内に層流置換させながら注入した後、圧電/電歪素子を駆動させキャビティ内の試料を吐出口から吐出させる。層流置換完了の終点は、試料の移動する速度、体積を予め求めておき、置換時間で制御しても良いが、当該キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握することが好ましい。なお、当該圧電/電歪素子を駆動させながら試料を前記注入口から当該キャビティ内に層流置換させても良い。予め安価な置換液によりキャビティ内を確実に置換後、高価な試料を層流置換することにより、吐出不良の発生が完全に防止でき、高価な試料を効率よく吐出できる。さらに、本発明のDNAチップの製造方法においては、マイクロピペットキャビティ内に予め緩衝液や生理食塩水などの置換液を充填し、次いで試料を前記注入口から当該キャビティ内に置換させながら注入し、置換完了の終点を、当該キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握した後、圧電/電歪素子を駆動させキャビティ内の試料を吐出口から吐出させることが好ましい。キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより置換完了を把握することにより、流路内で試料と置換液が多少混合しても、その混合している部分と混合していない部分の区別が容易、且つ精度良く判明できるため、置換液と混合してパージしなければならない試料の量を少なくでき、試料の使用効率を上げることができる。
また、当該キャビティ内の流体特性の変化は、圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、その振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把握することが好ましい。こうすることで、特別な検出素子等を設置する必要もなく、安価で、高精度な検出ができる。
本発明のDNAチップの製造方法に用いるマイクロピペットは前記基体のそれぞれが、前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を複数個有するとともに、前記圧電/電歪素子を複数個備えてなること、前記基体のそれぞれが前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を1個有するとともに、前記圧電/電歪素子を1個備えた第1のユニットを構成し前記第1のユニットを複数個固定具に固定してなること前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組みが配設され、前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組み、前記注入口、及び前記吐出口の3種類の部位が少なくとも2個の前記基体に分かれて配設されており、前記少なくとも2個の基体が、互いに接合されてること、並びに、少なくとも前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組み配設された1個の前記基体と前記注入口及び前記吐出口の少なくとも一方を1個以上有する他の1個の前記基体とが接合されて第2のユニットを構成し前記第2のユニットの1個以上を固定一体化してなることが好ましい。
前記基体のそれぞれが、前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を複数個有するとともに、前記圧電/電歪素子を複数個備えてなることにより、全体がコンパクトで且つ吐出口が精度良く、高密度に配置することが可能になり、複数種の試料を同時に吐出できる。また、前記基体のそれぞれが、前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を1個有するとともに、前記圧電/電歪素子を1個備えた第1のユニットを構成し、前記第1のユニットを複数個固定治具に固定してなる構成とすることにより、基体1個1個の製造がし易く、歩留まりが向上する。更に、前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組みが配設され、前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組み、前記注入口、及び前記吐出口の3種類の部位が少なくとも2個の前記基体に分かれて配設されており、前記少なくとも2個の基体が、互いに接合されてなることで、基体の材料選択の範囲がひろがり、各部位に最適な材料を選ぶことが可能となる一方、素子の歩留まり向上、吐出口の高精度、高密度配列、複数種試料同時吐出が同時に可能になる。
また、基体は平板状であり、試料の吐出口が基体の側面又は主平面に形成されていること、及び、基体が平板状であり、試料の吐出口が基体の一方の主平面に形成されており、試料の注入口が他方の主平面に形成されていることが好ましい。基体を平板状に構成することにより、基体の製造が、後述するようなグリーンシート等の積層で行え、また、全体が薄くコンパクトになる。吐出口が基体の主平面に形成されていると、吐出口を形成した平板と平行して基板をセットできることが可能になり、液滴の吐出距離を一定にすることが容易になり、液滴の形状が安定する。また、吐出口が基体の側面に形成されていると、平板状の基体を縦に並べ、もって吐出口の密度を容易に上げることができる。更に、基体の異なる主平面にそれぞれ注入口と吐出口を形成することにより、注入口から、吐出口までの流路の長さが殆ど平板の厚さ距離だけで済み、試料液体の流路パスが短く、単純なものとなって、流路途中で気泡がひっかかり、吐出不良を起こす等の不具合が低減出来、更に試料の使用効率が向上するといった利点を有する。
更にまた、少なくとも2個の試料の注入口が、1個のキャビティに接続されている形態であっても良い。この構成では、複数個の注入口より試料、又は、置換液をタイミングを調整して、吸引、押し出してやることにより、キャビティ内を確実に充填できる。
また、本発明のDNAチップの製造方法に用いるマイクロピペットは、キャビティと圧電/電歪素子が、配設されている基体は、ジルコニアセラミックスからなること、及び、全ての基体はジルコニアセラミックスからなることが好ましく、この基体はグリーンシート積層焼成法を用いて作製されたものであることが好ましい。ジルコニア、中でも安定化ジルコニアと部分安定化ジルコニアは、薄板状としても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、酸/アルカリ溶液に耐久性があること、圧電膜や電極材との反応性が小さいため適している。また、注入口及び吐出口のうちの少なくとも1個を有する基体は、その成形性、コストに優れた金属又は樹脂からなっていても良い。
なお、圧電/電歪素子を構成する圧電/電歪膜は、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分としていることが高い電機機械結合係数と圧電定数を有し、圧電膜の焼結時における基体(ジルコニアセラミックス)との反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点から好ましい。
発明によれば、少なくとも1個の基体と、前記基体のうちの少なくとも1個に配設された少なくとも1個の圧電/電歪素子とを備え、前記基体のそれぞれが、外部から試料を注入するための注入口、前記試料が注入・充填されるキャビティ及び前記試料を吐出する吐出口のうちの少なくとも1種を有するとともに、前記基体が、全体として、前記注入口、前記キャビティ及び前記吐出口をそれぞれ少なくとも1個有してなり、前記圧電/電歪素子が前記キャビティを有する前記基体の少なくとも1壁面に配設されてなり、前記キャビティを有する前記基体がセラミックスからなり、また、前記キャビティ内において前記試料が層流で移動するように構成されたマイクロピペットを複数用いてなる、前記吐出口が縦横に整列配置された分注装置を使用し、複数の前記キャビティ内に予め置換液を充填し、次いで、異なる種類のDNA断片試料を前記注入口から複数の前記キャビティ内に層流置換させながら注入した後、前記圧電/電歪素子を駆動させて複数の前記キャビティ内の体積を変化させ、複数の前記キャビティ内の一定量の異なる種類の前記DNA断片試料を複数の前記吐出口から吐出させてDNAチップを製造するDNAチップの製造方法が提供される。本発明においては、複数のキャビティ内におけるDNA断片試料の層流置換完了を、複数のキャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握することが好ましく、複数のキャビティ内の流体特性を、圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、その振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把握することが好ましい。
本発明のDNAチップの製造方法においては、試料の使用効率を高めるために、試料の注入口のそれぞれに、異なる種類のDNA断片試料が別個に充填された第1のカートリッジを取り付け、異なる種類のDNA断片試料を注入口から複数の前記キャビティ内に層流置換させながら注入することが好ましく、また、数千から数万種類という多種類のDNA断片などを汚染なく、しかも純度良く微小スポットに吐出するために、試料注入口のそれぞれに、水性溶媒或いは有機溶媒が充填された第2のカートリッジを取り付け、基体内に形成された注入口から吐出口に至る空間を洗浄することが好ましい。また、吐出口の外側に吐出口中心軸と同軸の孔の開いた薄板からなる異方飛行滴遮蔽板を備えた分注装置を使用することが好ましい。こうすることにより、万一吐出液滴の吐出方向が曲がってしまっても、基板に液滴が到達することがなく、スポッティングの位置ずれや、隣のスポットと混じりあう不良が防げる。
以上説明したように、本発明のDNAチップの製造方法によれば、微小スポットの形成を高精度且つ高速に行うことができる。そして、このDNAチップの製造方法によれば、1回に数百から数万の異なる試料を効率良く分注して微小スポットを形成することが可能となり、DNAチップの生産性が飛躍的に向上する。
イクロピペットの基本構成は、少なくとも1個の基体と、前記基体のうちの少なくとも1個に配設された少なくとも1個の圧電/電歪素子とを備えたマイクロピペットであって、前記基体のそれぞれが、外部から試料を注入するための注入口、前記試料が注入・充填されるキャビティ及び前記試料を吐出する吐出口のうちの少なくとも1種を有するとともに、前記基体が、全体として、前記注入口、前記キャビティ及び前記吐出口をそれぞれ少なくとも1個有してなり、また、前記圧電/電歪素子が、前記キャビティを有する前記基体の少なくとも1壁面に配設されてなるものである。そして、このマイクロピペットにおいては、キャビティ内において試料が層流で移動するように構成されている。このように構成されたマイクロピペットは、圧電/電歪素子の駆動によりキャビティ内の体積を変化させ、キャビティ内の一定量の試料を吐出口から吐出させることにより、DNAチップのような微小スポットを高精度で且つ高速に、効率良く形成することができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。マイクロピペットの一例を図2に示す。図2において、ノズル部11は、少なくとも1個以上のノズル孔からなる吐出口12が設けられた薄肉平板状のノズルプレート13をジルコニアセラミックスのグリーンシートで形成し、一方、ポンプ部21は、少なくとも1個以上の窓部28が形成されたスペーサプレート25と、スペーサプレート25の一方の側に重ね合わされて窓部28を覆蓋する閉塞プレート23とを、同じくそれぞれジルコニアセラミックスのグリーンシートで形成し、全体を積層し、一体焼成して、基体10が構成されている。なお、閉塞プレート23には試料注入口16が設けられ、スペーサプレート25に形成されている窓部28に連結する導入孔14、連通路17へとつながっている。そして、閉塞プレート23の外面上には、下部電極31、圧電/電歪層32および上部電極33からなる圧電/電歪素子22が形成されている。
上記のような構成のマイクロピペットによれば、上部電極33と下部電極31との間に電界が生じると、圧電/電歪層32が変形し、窓部28が覆蓋されて形成されたキャビティ(加圧室)15の容積が減少することにより、キャビティ15内に充填された試料(DNA断片などを含む液体)がキャビティ15に連通する吐出口12から所定速度で吐出され、顕微鏡スライドガラス等の基板上の微小スポットとして整列固定させたDNAチップなどを作製することができる。なお、図2に示すような、いわゆるインクジェット方式の、マイクロピペット以外の装置構造の詳細は、例えば、特開平6−40030号公報に記載されており、これが参照できる。
上記した構成のマイクロピペットにおいては、キャビティ(加圧室)15内において、DNA断片などを含む液体試料が層流で移動するような形状、流路寸法に形成されている。
具体的なキャビティの一例を、図1に従って説明する。キャビティ3の形状は、図1に示すように長尺形状でその一端に試料を導入する注入口1若しくは導入口4があり、他端に吐出口2が連結されている。このような形状にすることにより、キャビティ3を注入口1から吐出口2に至る流路の一部として、注入口1から、或いは注入口1から連通路5、導入口4を経てキャビティ3内に移動する試料の流れを乱すことなく吐出口2へ導ける。具体的なキャビティ3の寸法は、試料の種類、作成する液滴の大きさ、形成密度により異なるが、例えば、分子数1〜10000程度のDAN断片を1μg/μlの濃度で×3SSC緩衝液(0.45M塩化ナトリウム0.045Mクエン酸ナトリウム水溶液(pH7.0))に分散させた試料を数百ミクロンピッチで数百ミクロンφ液滴径のスポッティングが必要とされるDNAチップ等の製造用マイクロピペットの場合は、キャビティ長(L)は、1〜5mm、キャビティ幅(W)は、0.1〜1mm、キャビティ深さ(D)は、0.1〜0.5mmが好ましい。またキャビティ内壁には、流れを乱す突起物が無いように滑らかであることが良く、その材質は、試料溶液と親和性の良いセラミックスからなることが好ましい。
また、本発明のDNAチップの製造方法で用いるマイクロピペットにおいては、キャビティ内に予め緩衝液や生理食塩水などの置換液を充填し、次いで試料を注入口からキャビティ内に層流置換させながら注入した後に、圧電/電歪素子を駆動させる。そして、この場合、キャビティ内における試料の層流置換完了を、キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握することが好ましい。なお、キャビティ内の置換液と試料の置換は層流で行われることが好ましいが、試料の種類が変わった場合、液移動速度が非常に速い場合、導入孔近辺のキャビティ内等の場合は、必ずしも層流でなくてもよい。その場合においては、試料と置換液の混合により試料のパージ量は増大するが、キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより置換完了を判断することにより、パージ量の増大を最小にできる。ここで、キャビティ内の流体特性の変化は、圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、その振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把握する。このような流体特性の変化の検知は、例えば、特開平8−201265号公報に記載されており、この内容が参照できる。
具体的には、任意の圧電/電歪素子に対して、所定の間隔で、吐出駆動用の電源からの電気的接続をリレーで切り離し、同時に、共振周波数を測定する手段をリレーにより接続し、その時点でのインピーダンスあるいは共振周波数を電気的に測定させる。これにより、液体の粘度、比重等が目的の試料(DNA断片などを含む液体)であるかどうかを把握することができる。すなわち、本発明のDNAチップの製造方法で用いるマイクロピペットによれば、マイクロピペット自体がセンサとして機能するため、マイクロピペットの構成も単純化することができる。
次に、本発明のDNAチップの製造方法で用いるマイクロピペットでは、試料を吐出しつつ、緩衝液や生理食塩水のような置換液を注入口からキャビティに注入し、同様に、層流置換によりキャビティ内に残留する試料を完全に吐出し、次の試料注入に備えることができる。この場合、キャビティ内に試料が残留しているかどうか(試料として吐出できるかどうか)を検知するのにも、同じく、キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握できる。このように、マイクロピペットを用いると、層流置換あるいは置換完了検出機構により使用に供しない試料のパージ量を極めて少なくすることができるとともに、試料の使用効率を向上できる。
図3(a)(b)〜図9(a)(b)は、それぞれマイクロピペットの他の実施の形態を示すものである。図3(a)(b)において、1個の基体40、試料注入口16、キャビティ15、及び試料吐出口12を複数個有するとともに、圧電/電歪素子22が、複個備えられており、それぞれの圧電/電歪素子22の上部電極33と下部電極31が一括して引き出されている。この場合、異なる種類の試料を同時に吐出することができ、DNAチップなどを効率的に生産性よく作製することができ、好ましい。
図4(a)(b)に示されたマイクロピペットは、基のそれぞれが、試料注入口16、キャビティ15、及び試料吐出口12を1個有するとともに、圧電/電歪素子22を1個備えた第1のユニットを構成し、第1のユニット(図4(c)(d)参照)を複数個、固定治具35(後述の押さえ治具18、位置決めピン19及び固定板20の総称)に固定した形態を示している。各第1のユニットは、試料注入口16へ試料を供給するチューブ(連通路)17を保持する押さえ治具18と位置決めピン19で固定板20に固定されている。なお、図4(a)(b)では、固定を押さえ治具18の両端をネジ35Aで固定板20に締め付けることで行っているが、固定法は、ネジ、バネ等で機械的に行う他、接着材等で行っても良い。
図3(a)(b)、図4(a)〜(d)における、試料注入口16、キャビティ15、及び試料吐出口12が形成されている基体40は、セラミックスで形成されており、例えば、安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素等を用いることができる。このうち、安定化/部分安定化ジルコニアは、薄板においても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、圧電膜や電極材との反応性が小さいことから最も好適に採用される。そして、基体40等の材料として安定化/部分安定化ジルコニアを使用する場合には、少なくとも、圧電/電歪素子22が配設される部分には、アルミナあるいはチタニア等の添加物が含有されることが好ましい。また、圧電/電歪素子22の圧電/電歪層は、圧電セラミックスとして、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム等やこれらのいずれかを組み合わせた成分を含有する複合セラミックスを用いることができるが、本発明においては、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分とする材料が好適に用いられる。これは、このような材料が高い電気機械結合係数と圧電定数を有することに加え、圧電膜の焼結時におけるセンサ基板材料との反応性が小さく、所定の組成のものを安定に形成することができることに基づく。
更に、上記圧電セラミックスに、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物、若しくはこれらいずれかの組み合わせ、又は他の化合物を適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。例えば、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とし、これにランタンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いることもまた好ましい。
一方、圧電/電歪素子における上部電極及び下部電極は、室温で固体であって導電性の金属で構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体あるいはこれらのいずれかを組み合わせた合金が用いられ、更に、これらに圧電膜あるいは検出板と同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。なお、これらの基体、圧電/電歪素子、電極材料は、本発明全てに共通して使用されるものである。
図5(a)(b)は、キャビティ15と圧電/電歪素子22及び導入孔14がそれぞれ一個づつ形成、配設された基体40と、注入口16と2所の連通路17がそれぞれ一個づつ形成、配設された基体39と、吐出口12が複数個形成された基体38を別個に作成した後、互いに接着材34により接合一体化したマイクロピペットの実施の形態である。基体40は、部分安定化ジルコニアからなり、基体39はステンレス、基体38はポリイミド樹脂からなっている。互いの接合は、機械的に行っても良いが、接着材や熱拡散等による接合が、流路のシール性を保つ点から好ましい。使用される接着材は、基体の材質、熱膨張係数等の組み合わせ、耐試料溶液性にて適宜選ばれるが、ビニル系、アクリル系、フェノール系、ポリアミド系、レゾルシノール系、ユリア系、メラニン系、ポリエステル系、エポキシ系、フラン系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系、ポリイミド系、ポリオレフィン系等の接着材が適しており、中でも接着力、耐久性の観点から、エポキシ系、ポリイミド系が好適である。さらに各接着材には、接着材の厚みを一定にするため、ガラス等の微小なビーズを混入させたものを用いても良い。
図6(a)(b)は、マイクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、このマイクロピペットは、いわゆるエッジタイプと呼ばれるもので、1個の基体40内に、試料注入口16、キャビティ15、試料吐出口12、及び圧電/電歪素子22が、それぞれ複数形成、配設されている。そして、このマイクロピペットでは、試料吐出口12が基体40の側面に形成されており、通常のピペット45から試料注入口16に注入された試料は、基体40内の連通路17を通ってキャビティ15内に流入・充填しており、圧電/電歪素子22の駆動によってキャビティ15内の体積を変化させて、キャビティ15内に充填されている試料の一定量を吐出口12から吐出させる。
また、図7(a)(b)は、マイクロピペットの更に別の実施の形態を示すもので、このマイクロピペットは、図3(a)(b)〜図5(a)(b)に示されたものと同じで、いわゆるフェースタイプと呼ばれるものであり、図6(a)(b)に示されたものと同じく、1個の基体40内に、試料注入口16、キャビティ15、試料吐出口12、及び圧電/電歪素子22が、それぞれ複数形成、配設されている。そして、このマイクロピペットでは、試料吐出口12が基体40の主平面に形成されている。キャビティ15と試料注入口16の間は、導入孔14及び連通路17でつながっている。
また、図8(a)(b)は、基体40が平板状であり、試料吐出口12が基体の一方の主平面に形成されており、試料注入口16が他方の主平面に形成されている実施の形態である。なお、圧電/電歪素子22は、吐出口と同じ主平面内に形成されている。さらにまた、図9(a)(b)は、2個の試料注入口16が、1個のキャビティ15に接続されている実施の形態を示す。圧電/電歪素子22は、試料注入口16と同じ主平面内に配設され、試料吐出口12は、他方の主平面に形成されている。
次に、上記したマイクロピペットを用いた分注装置について説明する。図10は分注装置55の一の実施の形態を示す。図10に示す分注装置55は、図11(a)(b)に示す試料注入口52、試料吐出口51を有するマイクロピペット50の複数個(50a、50b、50c)を試料吐出口を下方向に向けた状態で立設させて構成されている。すなわち、各マイクロピペット50a、50b、50cは、それぞれの試料注入口52a、52b、52cを上側とし、試料吐出口51a、51b、51cを下側とし、かつ試料吐出口51a、51b、51cが縦横に整列配置されて、試料吐出口51a、51b、51cからそれぞれ異なる種類の液体試料が吐出されるようになっている。試料吐出口51a、51b、51cのさらに下方には、試料吐出口中心軸と同軸の孔の開いた薄板からなる異方飛行遮蔽板53が設置されている。
このような構成を有する分注装置55においては、図12に示すように、試料注入口52a、52b、52cのそれぞれに、異なる種類のDNA断片試料が別個に充填された第1のカートリッジ60を取り付け、それぞれの吐出口51a、51b、51cから異なるDNA断片試料を吐出させる機構を備えていることが、試料を効率良く吐出できる点で好ましい。また、試料注入口のそれぞれに、生理食塩水或いは有機溶媒が充填された第2のカートリッジ(図示せず)を取り付け、基体内に形成された注入口から吐出口に至る空間を洗浄する機構を備えていることは、数千から数万種類という多種類のDNA断片などを汚染なく、しかも純度良く微小スポットに吐出するために望ましい。なお、第1及び第2のカートリッジから試料注入口のそれぞれにDNA断片試料等を注入する方法は、第1及び第2のカートリッジを注入口にセットした後、針等で第1及び第2のカートリッジの底を開封する方法の他、予め、注入口近傍に針等を形成し、セットと同時に開封されるようにしても良い。なお開封後気体等を圧送し、DNA断片試料等を強制的に押し出す機構を加えても良い。
次に、分注装置55を用いた本発明のDNAチップの製造方法の一の実施の形態を説明する。予め置換液である緩衝液の入った第2のカートリッジをセット後、各マイクロピペット内のキャビティに緩衝液を充填し、さらに注入口に、DNA断片試料の入った第1のカートリッジをセットし、針等で第1のカートリッジの底を開封、注入口に試料を注入する。その後圧電/電歪素子を駆動させ吐出口より予め充填した緩衝液を吐出しながら、キャビティ内を試料で層流置換する。
置換の終了点は、リレー切り替えにより、圧電/電歪素子をキャビティ内の液体の粘度、比重を検出するセンサとして作用させる方法で感知する。置換の終了後は、求められるスポット径に応じた液滴量に対応した圧電/電歪素子の駆動条件にて駆動し、スポッティングを繰り返すことによりDNAチップを製造する。通常一つのスポットを形成するのに、マイクロピペットから一〜数百滴を吐出して行う。尚、注入口中のDNA断片試料の量が減少したら、緩衝液を追加し、流路中に気泡が入らないようにし、吐出を続けることにより、DNA断片試料をマイクロピペット内に残すことなく使い切ることができる。DNA断片試料から置換液への置換の完了(試料吐出の終了)は、同じく、圧電/電歪素子を用いた液体の粘度、比重の検出で行う。また予め濃度を薄めたDNA断片試料溶液を用い、基板上に微小滴を形成しながら、溶媒を乾燥させていく方法も好適である。そのような方法で行うことにより、より流路中に残存するDNA断片試料の量を低減でき、DNA断片試料の使用効率が向上する。更にまた、使用する置換液、さらにDNA断片試料そのものは予め脱気操作を通して溶液中の溶存気体を取り除いたものを使用することが好ましい。そのような溶液を用いることにより、流路内に溶液を充填する際に、流路途中に気泡が引っかかり充填が不備になる場合もその気泡を溶液中に溶かし込んで不具合を回避できるとともに、吐出の途中に流体中に気泡が発生し、吐出不具合を生じることも防ぐことができる。
本発明のDNAチップの製造方法によって製造されるDNAチップは、研究、創薬、診断、医療の分野で、例えば、遺伝子構造の解析、遺伝子発現の検出、遺伝子機能の研究等に有効に利用される。
キャビティの一の実施の形態を示す説明図である。 イクロピペットの一の実施の形態を示す断面図である。 イクロピペットの他の実施の形態を示すもので、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。 イクロピペットの他の実施の形態を示すもので、図4(a)は平面図、図4(b)は側面図、図4(c)は各ユニットの平面拡大図、図4(d)は図4(c)の断面図である。 イクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のB−B断面図である。 イクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のC−C断面図である。 イクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のD−D断面図である。 イクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のE−E断面図である。 イクロピペットのさらに他の実施の形態を示すもので、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のF−F断面図である。 分注装置の一の実施の形態を示す斜視図である。 図10に示す分注装置に用いたマイクロピペットを示しており、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)のG−G断面図である。 分注装置にカートリッジを取り付ける状況を示す斜視図である。
符号の説明
1…注入口、2…吐出口、3…キャビティ、4…導入口、5…連通路、10…基体、11…ノズル部、12…吐出口、13…ノズルプレート、14…導入孔、15…キャビティ、16…試料注入口、17…連通路、18…押さえ治具、19…位置決めピン、20…固定板、21…ポンプ部、22…圧電/電歪素子、23…閉塞プレート、25…スペーサプレート、28…窓部、31…下部電極、32…圧電/電歪層、33…上部電極、34…接着材、35…固定治具、38…基体、39…基体、40…基体、50,50a,50b,50c…マイクロピペット、51,51a,51b,51c…試料吐出口、52,52a,52b,52c…試料注入口、53…異方飛行遮蔽板、55…分注装置、60…第1のカートリッジ。

Claims (16)

  1. 少なくとも1個の基体前記基体のうちの少なくとも1個に配設された少なくとも1個の圧電/電歪素子とを備え、前記基体のそれぞれが、外部から試料を注入するための注入口、前記試料が注入・充填されるキャビティ及び前記試料を吐出する吐出口のうちの少なくとも1種を有するとともに、前記基体が、全体として、前記注入口、前記キャビティ及び前記吐出口をそれぞれ少なくとも1個有してなり、前記圧電/電歪素子が前記キャビティを有する前記基体の少なくとも1壁面に配設されてなり、前記キャビティをする前記基体がセラミックスからなり、また、前記キャビティ内において前記試料が層流で移動するように構成されたマイクロピペットを使用し、
    前記キャビティ内に予め置換液を充填し、次いで、異なる種類のDNA断片試料を前記注入口から前記キャビティ内に層流置換させながら注入した後、前記圧電/電歪素子駆動させて前記キャビティ内の体積を変化させ、前記キャビティ内の一定量の前記DNA断片試料を前記吐出口から吐出させてDNAチップを製造するDNAチップの製造方法
  2. 前記キャビティ内における前記DNA断片試料の層流置換完了を、前記キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握する請求項1に記載のDNAチップの製造方法。
  3. 前記キャビティ内の流体特性を、前記圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、その振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把握する請求項2に記載のDNAチップの製造方法。
  4. 前記マイクロピペットの前記基体のそれぞれが、前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を複数個有するとともに、前記圧電/電歪素子を複数個備えてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  5. 前記マイクロピペットの前記基体のそれぞれが、前記注入口、前記キャビティ、及び前記吐出口を1個有するとともに、前記圧電/電歪素子を1個備えた第1のユニットを構成し、前記第1のユニットを複数個固定治具に固定してなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  6. 前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組みが配設され、前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組み、前記注入口、及び前記吐出口の3種類の部位が少なくとも2個の前記基体に分かれて配設されており、前記少なくとも2個の基体が、互いに接合されてなる前記マイクロピペットを使用する請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  7. 少なくとも前記キャビティと前記圧電/電歪素子との一組みが配設された1個の前記基体と、前記注入口及び前記吐出口の少なくとも一方を1個以上有する他の1個の前記基体とが接合されて第2のユニットを構成し、前記第2のユニットの1個以上を固定一体化してなる前記マイクロピペットを使用する請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  8. 前記基体が平板状であり、前記吐出口が前記基体の側面又は主平面に配設されてなる前記マイクロピペットを使用する請求項1〜7のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  9. 前記基体が平板状であり、前記吐出口が前記基体の一方の主平面に配設されてなり、前記注入口が他方の主平面に配設されてなる前記マイクロピペットを使用する請求項1〜7のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  10. 少なくとも2個の前記注入口が、1個の前記キャビティに接続されている前記マイクロピペットを使用する請求項1〜9のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  11. 少なくとも1個の基体と、前記基体のうちの少なくとも1個に配設された少なくとも1個の圧電/電歪素子とを備え、前記基体のそれぞれが、外部から試料を注入するための注入口、前記試料が注入・充填されるキャビティ及び前記試料を吐出する吐出口のうちの少なくとも1種を有するとともに、前記基体が、全体として、前記注入口、前記キャビティ及び前記吐出口をそれぞれ少なくとも1個有してなり、前記圧電/電歪素子が前記キャビティを有する前記基体の少なくとも1壁面に配設されてなり、前記キャビティを有する前記基体がセラミックスからなり、また、前記キャビティ内において前記試料が層流で移動するように構成されたマイクロピペットを複数用いてなる、前記吐出口が縦横に整列配置された分注装置を使用し、
    複数の前記キャビティ内に予め置換液を充填し、次いで、異なる種類のDNA断片試料を前記注入口から複数の前記キャビティ内に層流置換させながら注入した後、前記圧電/電歪素子を駆動させて複数の前記キャビティ内の体積を変化させ、複数の前記キャビティ内の一定量の異なる種類の前記DNA断片試料を複数の前記吐出口から吐出させてDNAチップを製造するDNAチップの製造方法
  12. 複数の前記キャビティ内における前記DNA断片試料の層流置換完了を、複数の前記キャビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握する請求項11に記載のDNAチップの製造方法。
  13. 複数の前記キャビティ内の流体特性を、前記圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、その振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把握する請求項12に記載のDNAチップの製造方法。
  14. 異なる種類の前記DNA断片試料が別個に充填された第1のカートリッジを前記注入口に取り付けて、異なる種類の前記DNA断片試料を前記注入口から複数の前記キャビティ内に層流置換させながら注入する請求項11〜13のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  15. 水性溶媒或いは有機溶媒が充填された第2のカートリッジを前記注入口に取り付けて、前記注入口から前記吐出口に至る空間を洗浄する請求項11〜14のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  16. 前記吐出口の外側に、前記吐出口の中心軸と同軸の孔の開いた薄板からなる異方飛行滴遮蔽板を備えた前記分注装置を使用する請求項11〜15のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
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