JP2002196010A - マイクロピペット、分注装置及びバイオチップの製造方法 - Google Patents

マイクロピペット、分注装置及びバイオチップの製造方法

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JP2002196010A
JP2002196010A JP2001134719A JP2001134719A JP2002196010A JP 2002196010 A JP2002196010 A JP 2002196010A JP 2001134719 A JP2001134719 A JP 2001134719A JP 2001134719 A JP2001134719 A JP 2001134719A JP 2002196010 A JP2002196010 A JP 2002196010A
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micropipette
pipette
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Juichi Hirota
寿一 廣田
Kosei Onishi
孝生 大西
Hiroyuki Tsuji
裕之 辻
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 所定の基板上に微小体積のDNAマイクロア
レイ等のバイオチップの製造等の分野で用いられるマイ
クロピペット、分注装置及びバイオチップの製造方法を
提供する。 【解決手段】 マイクロピペット10は、ピペット本体
1に、外部から試料を注入する注入口2と、注入された
試料を貯留し得るキャビティ3と、貯留された試料を吐
出する試料吐出口6とを形成し、ピペット本体1の外面
上に圧電/電歪素子7を設け、この駆動によりキャビテ
ィの体積を変化させ、試料の一定量を吐出させる。又ノ
ズル部4における貫通孔5は、断面形状が、内角が鋭角
と鈍角とを有する多角形状又は突起と突起とを曲線で結
んだ王冠形状の中心から放射状に突き出た3個以上の突
起を持ち、断面積が、貫通孔5の試料導入口端23から
試料排出口端24まで、略相似形に連続的に漸減するよ
うに変化してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、マイクロピペッ
ト、分注装置及びDNAマイクロアレイ等のバイオチッ
プの製造方法に関する。さらに詳しくは、所定の基板上
に微小体積の液滴を高密度に整列固定する作業(微小ス
ポットの形成作業)を伴うDNAマイクロアレイ等のバ
イオチップの製造等の分野で好適に用いられる、微小ス
ポットの形成作業の高精細化が可能で、得られる製品品
質の向上を図ることができるマイクロピペット、このマ
イクロピペットを用いた分注装置及びDNAマイクロア
レイ等のバイオチップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年における遺伝子構造の解析方法の
進歩は目覚しく、ヒトの遺伝子を初めとして、多数の遺
伝子構造が明らかにされてきている。このような遺伝子
構造の解析には、顕微鏡スライドガラス等の基板上に数
千から数万種類以上の異種のDNA断片を微小スポット
として整列固定させたDNAマイクロアレイが用いられ
ている。
【0003】 このDNAマイクロアレイの製造におけ
る微小スポットの形成方法としては、QUILL方式、
ピン&リング方式、又はスプリングピン方式が広く用い
られている。いずれの方法を採用した場合であっても、
各微小スポットの容量と形状のばらつきを低く抑えて、
微小スポット間の距離を一定に保ち、相互混入によるコ
ンタミネーションを防止することが要求されるが、今後
のさらなる高密度化に向けて、微小スポットの形成作業
のさらなる高精細化、及び得られる製品品質のさらなる
向上に対する要望が高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ここで、QUILL
方式は、ピン先に形成した凹部に試料を貯め、ピン先を
基板に接触させることで凹部内の試料を基板上に移して
微小スポットを形成する方法であるが、ピン先が基板と
の接触によって変形したり損傷する等の耐久性の問題
や、凹部に貯められた試料の洗浄が不完全となってクロ
スコンタミネーションを引起し易い等の問題がある。
【0005】 また、ピン&リング方式は、マイクロプ
レート中の試料溶液をリングでリザーブした後、溶液が
リザーブされたリング内側を貫通するようにしてピン先
でリング内の試料を捉え、基板上にスポットを形成して
いく方法であるが、1回にリザーブできる試料はリング
の数に依存し、従来、その数は数種類程度であることか
ら、数千種から数万種といった試料の微小スポットを形
成するためには、数百から数千回程度の洗浄・乾燥工程
もまた必要となり、生産性の面で問題がある。
【0006】 また、スプリングピン方式は、ピン先に
付着した試料を、ピン先を基板に押付けることで基板上
に移して微小スポットを形成する方法であり、スプリン
グを内蔵した二重ピン構造で、ピン、基板の損傷をやわ
らげ、試料を吹き出すものであるが、基本的には1回の
リザーブで1回のスポッティングしかできず、やはり生
産性に問題がある。
【0007】 これら従来の微小スポットの形成方法
は、すべて試料溶液を大気中に曝した状態で基板上に運
ぶため、運ぶ途中で試料が乾燥し、スポッティングが出
来なくなるといった不具合が生じ、大変高価な試料溶液
の使用効率が悪い等の問題がある。
【0008】 上述の微小スポットの形成方法が有する
問題の解消を図る方法として、非接触式スポッティング
法がある。この方法を用いた、生体試料を微小量、精度
よく分注する装置として、圧電/電歪素子をマイクロポ
ンプとして使用したマイクロピペット及びこれを用いた
分注装置が、開発、実用化されている。この非接触式ス
ポッティング法は、核酸やアミノ酸等を含んだ生体試料
を微小な液滴として空中に吐出し、スライド基板上に付
着させるものであり、上述のピン先が基板と接触する方
法が有する問題等は解消される。
【0009】 しかしながら、この方法は、比較的粘度
の高い生体試料の微小な液滴を空中に吐出し、スライド
基板上に付着させるものであるため、吐出時に、目的と
する液滴(目的吐出滴)の他に、いわゆるサテライト
(目的吐出滴より細かいしぶき状の滴)が発生し、それ
が基板上に付着して、本来のスポット形成位置以外の箇
所にスポットを形成させたり、微小スポット間の距離を
一定に保つことができずに、相互混入によるコンタミネ
ーションを引き起こす等、得られる製品の品質上問題が
あった。このようないわゆるサテライトは、分注装置の
運転初期には発生せずに、しばらく運転してから発生す
ることもあり、工程管理上極めて厄介な問題であった。
【0010】 また、液滴の吐出速度が大きいと、スラ
イド基板に付着する際に液滴の勢いが大きく、しぶき
(飛沫)を発生させて、スポット周りにこの飛沫による
不要スポット(これもサテライトと呼ぶ)を発生させる
等の問題があった。このようないわゆるサテライトの発
生を防止するためには、吐出速度を小さくすればよい
が、吐出速度を小さくすると、吐出が不安定になるとい
う問題があった。
【0011】 また、スポット形成の高密度化のために
は、吐出方向を常に一定(まっすぐ)で安定化する必要
がある。このため、吐出ノズルとスライド基板との間の
距離を短くして吐出方向のバラツキを低減することは可
能であるが、スライド基板そのものの厚さにバラツキが
あることに加え、装置自体の機械的精度を高めるために
はコストの上昇を避けることができないという問題があ
った。
【0012】 また、例えば、DNA等を含んだ生体試
料は、粘度が高いものが多く、吐出して付着後は、スラ
イド基板上でスポットが広がらないように速やかに乾燥
する特性が要求される。このような試料を用いた場合に
は、吐出ノズル部分で乾燥したり、増粘し易いため、ノ
ズルが詰まって吐出不能になり易いという問題があっ
た。
【0013】 一方、プリンタに用いられるインクジェ
ット方式を転用してスポッテイングする方法も検討され
ている。例えば、インクを噴出するノズルの孔を、少な
くとも1つの角部を有する形状に構成し、この角部の毛
管力を利用したインクジェット記録用ヘッド(特開昭5
9−178258号公報)が開示されている。しかし、
この公報に開示されたヘッドは、ノズルへの気泡の侵入
を防止することについては一定の効果を発揮するもの
の、上述のような、いわゆるサテライトの発生防止等の
問題については必ずしも十分に満足し得るものではなか
った。
【0014】 また、試料吐出口の形状を、対称性を有
する2n角形(nは3以上)とし、また、インク路をイ
ンク吐出方向と直交する方向の断面形状を台形形状とし
たインクジェットヘッド(特開平3−101960号公
報)が開示されている。しかし、この公報に開示された
ヘッドも、記録の際に必要なインク液滴の量や吐出速度
が安定して得られることについては一定の効果を発揮す
るものの、上述のような、いわゆるサテライトの発生防
止等の問題については必ずしも十分に満足し得るもので
はなかった。
【0015】 さらに、これらの公報に開示された発明
の対象は、生体試料のスポット形成を主な対象とするも
のではないことから、これらの公報に開示されたものを
そのまま転用するには困難な問題があった。すなわち、
このようなインクジェット記録用ヘッドに、数千から数
万といった試料を個別の流路で形成することは、サイズ
的、コスト的に課題が多く、さらにインクジェット方式
は、スポッティング前にそのポンプ内に予め試料を気泡
を含むことなく充填する必要があり、そのため、大量の
パージ用試料が必要となり、試料の使用効率が極めて劣
る等の問題があった。また、一般的には、ポンプ室を含
む流路中は高速に液体が移動する方が気泡抜けには都合
がよいが、生体試料、例えば、デリケートなDNA溶液
を用いる場合は、試料が流路中で攪拌されることとな
り、DNAが損傷する等の問題があった。
【0016】 本発明は、上述の問題に鑑みてなされた
ものであり、所定の基板上に微小体積の液滴を高密度に
整列固定する作業(微小スポットの形成作業)を伴うD
NAマイクロアレイ等のバイオチップの製造等の分野で
好適に用いられる、微小スポットの形成作業の高精細化
が可能で、得られる製品品質の向上を図ることができる
マイクロピペット、このマイクロピペットを用いた分注
装置及びバイオチップの製造方法を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
め本発明によれば、下記のマイクロピペット、このマイ
クロピペットを用いた分注装置及びバイオチップの製造
方法が提供される。
【0018】[1] ピペット本体に、ピペット本体の
外部から試料を注入する試料注入口と、注入された試料
を導入しかつ一時貯留し得るキャビティと、貯留された
試料をノズル部の貫通孔を経由して外部に吐出する試料
吐出口とを形成してなるとともに、ピペット本体のキャ
ビティ形成位置に対応した部位の外面上に圧電/電歪素
子を設けてなり、圧電/電歪素子の駆動によりキャビテ
ィ内の体積を変化させ、キャビティ内に貯留された試料
の一定量を試料吐出口から吐出させるマイクロピペット
であって、ノズル部における貫通孔の、軸方向に対して
直角方向の断面形状が、中心から放射状に突き出た3個
以上の突起を有するとともに、内角が鋭角と鈍角とを有
する多角形状又は突起と突起とを曲線で結んだ王冠形状
であり、また、その断面形状の面積(断面積)が、貫通
孔の試料導入口端から試料排出口端まで、略相似形を保
持しつつ連続的に漸減するように変化してなることを特
徴とするマイクロピペット。
【0019】[2] ピペット本体に、ピペット本体の
外部から試料を注入する試料注入口と、注入された試料
を導入しかつ一時貯留し得るキャビティと、貯留された
試料をノズル部の貫通孔を経由して外部に吐出する試料
吐出口とを形成してなるとともに、ピペット本体のキャ
ビティ形成位置に対応した部位の外面上に圧電/電歪素
子を設けてなり、圧電/電歪素子の駆動によりキャビテ
ィ内の体積を変化させ、キャビティ内に貯留された試料
の一定量を試料吐出口から吐出させるマイクロピペット
であって、ノズル部における貫通孔の、軸方向に対して
直角方向の断面形状が、貫通孔の試料導入口端から試料
排出口端に向かって所定距離離れた第1の地点までは略
円形で、かつ試料排出口端では中心から放射状に突き出
た3個以上の突起を有するとともに、内角が鋭角と鈍角
とを有する多角形状又は突起と突起とを曲線で結んだ王
冠形状であり、また、その断面形状の面積(断面積)
が、貫通孔の試料導入口端から第1の地点までは略円形
を保持しつつ試料排出口端まで連続的に漸減するように
変化してなることを特徴とするマイクロピペット。
【0020】[3] 前記突起を有する多角形状又は王
冠形状の、隣接する突起の頂点と中心とを結んだ直線が
なす角度が、1度〜120度である前記[1]又は
[2]に記載のマイクロピペット。
【0021】[4] 前記突起を有する多角形状又は王
冠形状の辺の合計長さが、これと同一面積の円の円周長
さの1.1倍以上である前記[1]〜[3]のいずれか
に記載のマイクロピペット。
【0022】[5] 前記ノズル部における貫通孔の断
面積の、連続的に漸減する変化率が、貫通孔の試料導入
口端から試料排出口端に向かって所定距離離れた第2の
地点までの変化率よりも、第2の地点から試料排出口端
までの変化率の方が大きい前記[1]〜[4]のいずれ
かに記載のマイクロピペット。
【0023】[6] 前記ノズル部における貫通孔の内
面の表面粗さが、貫通孔の試料導入口端が形成された面
のそれよりも粗い前記[1]〜[5]のいずれかに記載
のマイクロピペット。
【0024】[7] 前記ノズル部における貫通孔の試
料排出口端近傍の表面が、撥液処理を施されてなる前記
[1]〜[6]のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0025】[8] 前記ピペット本体の、少なくとも
キャビティ形成位置及び圧電/電歪素子設定位置に対応
した部位が、ジルコニアセラミックスからなる前記
[1]〜[7]のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0026】[9] 前記ジルコニアセラミックスが、
グリーンシート積層焼成法を用いて作製されたものであ
る前記[8]に記載のマイクロピペット。
【0027】[10] 前記ピペット本体の、試料吐出
口を形成した部位が、樹脂からなる前記[1]〜[9]
のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0028】[11] 前記圧電/電歪素子が、ジルコ
ン酸鉛、チタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からな
る群から選ばれる少なくとも1種の鉛化合物を主成分と
して含有する圧電/電歪膜から構成された前記[1]〜
[10]のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0029】[12] 一つの前記ピペット本体に、複
数の前記試料注入口と、複数の前記キャビティと、複数
の前記試料吐出口とが形成されてなる前記[1]〜[1
1]のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0030】[13] 前記ピペット本体が、複数の第
1のピペット部材及び一つの第2のピペット部材から構
成され、前記第1のピペット部材には前記キャビティと
前記圧電/電歪素子とが形成され、前記第2のピペット
部材には複数の前記試料注入口と、複数の前記試料吐出
口とが形成され、複数の前記第1のピペット部材と一つ
の前記第2のピペット部材とが互いに接合されてなる前
記[1]〜[11]のいずれかに記載のマイクロピペッ
ト。
【0031】[14] 前記ピペット本体が平板状物か
ら構成されてなり、試料吐出口をこのピペット本体の側
面又は主平面に形成してなる前記[1]〜[13]のい
ずれかに記載のマイクロピペット。
【0032】[15] 前記ピペット本体が平板状物か
ら構成されてなり、前記試料吐出口をピペット本体の一
方の主平面に、かつ、前記試料注入口を他方の主平面に
形成してなる前記[1]〜[13]のいずれかに記載の
マイクロピペット。
【0033】[16] 複数の前記試料注入口を、一つ
の前記キャビティに接続してなる前記[1]〜[15]
のいずれかに記載のマイクロピペット。
【0034】[17] 前記[1]〜[16]のいずれ
かに記載のマイクロピペットの複数を、固定治具に固定
したことを特徴とするマイクロピペット複合体。
【0035】[18] 前記[1]〜[16]のいずれ
かに記載のマイクロピペットを複数又は前記[17]に
記載のマイクロピペット複合体を一つ以上備えてなる分
注装置であって、前記ピペット本体に形成した試料吐出
口を縦横に整列配置し、これらの試料吐出口からそれぞ
れ異種の液体試料を吐出させることを特徴とする分注装
置。
【0036】[19] 前記試料注入口のそれぞれに、
異種の液体試料を別個に充填した第1のカートリッジを
備えてなり、試料吐出口から異種の試料を吐出させ得る
前記[18]に記載の分注装置。
【0037】[20] 前記試料注入口のそれぞれに、
水性溶媒又は有機溶媒を充填した第2のカートリッジを
備えてなり、前記ピペット本体に形成した試料注入口か
ら試料吐出口までの連通空間を洗浄し得る前記[18]
又は[19]に記載の分注装置。
【0038】[21] 前記ピペット本体に形成した試
料吐出口のそれぞれの外側に、試料吐出口の中心軸と共
軸の開口を有する薄板からなる異方飛行滴遮蔽板を設け
てなる前記[18]〜[20]のいずれかに記載の分注
装置。
【0039】[22] 前記[1]〜[16]のいずれ
かに記載のマイクロピペット、前記[17]に記載のマ
イクロピペット複合体、又は前記[18]〜[21]の
いずれかに記載の分注装置を用いたことを特徴とするバ
イオチップの製造方法。
【0040】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ具体的に説明する。 I.マイクロピペット 図1(a)に示すように、本発明のマイクロピペット1
0は、ピペット本体1に、ピペット本体1の外部から試
料を注入する試料注入口2と、注入された試料を導入し
かつ一時貯留し得るキャビティ3と、貯留された試料を
ノズル部4の貫通孔5を経由して外部に吐出する試料吐
出口6とを形成してなるとともに、ピペット本体1のキ
ャビティ3形成位置に対応した部位の外面上に圧電/電
歪素子7を設けてなり、圧電/電歪素子7の駆動により
キャビティ3内の体積を変化させ、キャビティ3内に貯
留された試料の一定量を試料吐出口6から吐出させるマ
イクロピペット10である。
【0041】 具体的には、ノズル部4は、一つ以上の
貫通孔5からなる試料吐出口6が設けられた薄肉平板状
のノズルプレート11をPET樹脂シートで形成するこ
とができる。なお、ノズル部4(貫通孔5)は、通常、
金型等の打ち抜き等の機械加工によって形成してもよい
が、その材質がPET、ポリイミド等の樹脂の場合は、
レーザー(例えば、エキシマレーザー、高次(3次以
上)のYAGレーザー)加工を好適に用いることができ
る。貫通孔の軸方向に対して直角方向の断面形状の形成
にはレーザーのビームを形状に沿って移動させる、いわ
ゆるビームスキャン法又は予め断面形状の相似形状を形
成したマスクをレーザー照射軸の途中にセットする、い
わゆるマスク法を用いることができる。中でも、同時に
多数の貫通孔が形成できるマスク法が好ましい。一方、
ポンプ部12は、1個以上の窓部13が形成されたスペ
ーサプレート14と、スペーサプレート14の一方の側
に重ね合わされて窓部13を覆蓋する閉塞プレート15
とを、同じくそれぞれジルコニアセラミックスのグリー
ンシートで形成し、全体を積層し、一体焼成して、ピペ
ット本体1が構成されている。なお、閉塞プレート15
には試料注入口2が設けられ、スペーサプレート14に
形成されている窓部13に連結する導入孔16、連通路
17へとつながっている。そして、閉塞プレート15の
外面上には、下部電極20、圧電/電歪膜19及び上部
電極18からなる圧電/電歪素子7が形成されたものを
挙げることができる。
【0042】 上記のような構成のマイクロピペットに
よれば、上部電極18と下部電極20との間に電界が生
じると、圧電/電歪素子7が変形し、窓部13が覆蓋さ
れて形成されたキャビティ(加圧室)3の容積が減少す
ることにより、キャビティ3内に充填された試料(DN
A断片等を含む液体)がキャビティ3に連通する試料吐
出口6から所定速度で吐出され、顕微鏡スライドガラス
等の基板上の微小スポットとして整列固定させたDNA
マイクロアレイ等のバイオチップを作製することができ
る。なお、図1(a)、(b)に示すような、いわゆる
インクジェット方式の装置構造は、例えば、特開平6−
40030号公報に記載されいる。
【0043】 上記した構成のマイクロピペットにおい
ては、キャビティ(加圧室)3内において、DNA断片
等を含む液体試料が層流で移動するような形状、流路寸
法に形成されていることが好ましい。
【0044】 具体的なキャビティの一例を、図1
(c)に従って説明する。キャビティ3の形状は、図1
(c)に示すように長尺形状でその一端に試料を導入す
る試料注入口2又は導入孔22があり、他端に試料吐出
口6が連結されている。このような形状にすることによ
り、キャビティ3を試料注入口2から試料吐出口6に至
る流路の一部として、試料注入口2から、又は試料注入
口2から連通路21、導入孔22を経てキャビティ3内
に移動する試料の流れを乱すことなく試料吐出口6へ導
くことができる。具体的なキャビティ3の寸法は、試料
の種類、作成する液滴の大きさ、形成密度により異なる
が、例えば、塩基対長1〜10000bpのDAN断片
を1μg/μlの濃度で×1TE緩衝液(10mM T
ris−HCl(pH8.0) 1mM EDTA)に
分散させた試料を数百ミクロンピッチで数十〜百数十ミ
クロンφ液滴径のスポッティングが必要とされるDNA
マイクロアレイ等のバイオチップの製造用マイクロピペ
ットの場合は、キャビティ長(L)は、1〜5mm、キ
ャビティ幅(W)は、0.1〜1mm、キャビティ深さ
(D)は、0.1〜0.5mmが好ましい。またキャビ
ティ内壁には、流れを乱す突起物がないように滑らかで
あることがよく、その材質は、試料溶液と親和性のよい
セラミックスからなることが好ましい。
【0045】 本発明を上述の構成とすることにより、
圧電/電歪素子の一つ一つの駆動に対応して微小量液体
が試料吐出口より吐出され、その容積を微小かつバラツ
キのない一定のものとすることができる。駆動周期は、
圧電/電歪素子を用いることにより、高周波対応可能と
なり、吐出に要する時間も短縮することができる。また
試料注入後吐出までの間、試料は閉空間内を移動するた
め、途中で乾燥することがない。さらには、ピペット本
体全体を小さくコンパクトに形成することができるた
め、試料が移動する流路を短くすることができ、流路壁
に試料が付着し使用効率を劣化させることを低減するこ
とができる。
【0046】 本発明のマイクロピペットにおいては、
キャビティ内に予め緩衝液や生理食塩水等の置換液を充
填し、次いで、試料を試料導入孔からキャビティ内に層
流置換させながら注入した後、圧電/電歪素子を駆動さ
せキャビティ内の試料を試料吐出口から吐出させてもよ
い。層流置換完了の終点は、試料の移動する速度、体積
を予め求めておき、置換時間で制御してもよいが、キャ
ビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握す
ることがさらに好ましい。なお、圧電/電歪素子を駆動
させながら試料を試料導入孔からキャビティ内に層流置
換させてもよい。予め安価な置換液によりキャビティ内
を確実に置換後、高価な試料を層流置換することによ
り、吐出不良の発生が完全に防止でき、高価な試料を効
率よく吐出できる。
【0047】 さらに、本発明のマイクロピペットにお
いては、キャビティ内に予め緩衝液や生理食塩水等の置
換液を充填し、次いで、試料を試料導入孔からキャビテ
ィ内に置換させながら注入し、置換完了の終点を、キャ
ビティ内の流体特性の変化を検知することにより把握し
た後、圧電/電歪素子を駆動させキャビティ内の試料を
試料吐出口から吐出させることが好ましい。キャビティ
内の流体特性の変化を検知することにより置換完了を把
握することにより、流路内で試料と置換液が多少混合し
ても、その混合している部分と混合していない部分の区
別が容易にかつ精度よくできるため、置換液と混合して
パージしなければならない試料の量を少なくすることが
でき、試料の使用効率を上げることができる。
【0048】 また、キャビティ内の流体特性の変化
は、圧電/電歪素子に振動を励起する電圧を印加し、そ
の振動に伴う電気的定数の変化を検出することにより把
握することが好ましい。このようにすることで、特別な
検出素子等を設置する必要もなく、安価で、高精度な検
出をすることができる。
【0049】 図2に示すように、本発明のマイクロピ
ペットのノズル部における貫通孔5の軸方向に対して直
角方向の断面形状の面積(断面積)は、貫通孔の試料導
入口端23から試料排出口端24まで、略相似形を保持
しつつ連続的に漸減するように変化するように構成され
ている。すなわち、試料導入口端23における断面積
は、例えば、図2に示すB−B線における断面積、及び
C−C線断面積を経由して、試料排出口端24における
断面積まで連続的に漸減する。
【0050】 このように構成することによって、試料
導入口端23で乱れていた試料の流れ(試料の流速が同
一断面内でばらついている)を、試料排出口端24に到
達するまでに整流することができるため、吐出方向を安
定化することができるとともに、試料排出口端24での
試料の流速を効率的に高めることができ、吐出に際して
の液滴の切れが向上するため、いわゆる、サテライトの
発生も防止することができる。
【0051】 図3(a)、(b)及び図4に示すよう
に、貫通孔の軸方向に対して直角方向の断面(例えば、
図2のB−B線断面)形状は、中心Oから放射状に突き
出た3個以上の突起8を有するとともに内角が鋭角と鈍
角とを有する多角形又は突起と突起とを曲線で結んだ王
冠形状になるように構成されている。
【0052】 このように構成することによって、試料
排出口端24から外部に吐出された液滴は、吐出直後に
おいては貫通孔5の形状に対応して突起を有する形状と
なった後、速やかにその表面張力で球状に収約するた
め、この表面張力の作用によってノズル部の貫通孔5か
ら吐出された液滴の切れが向上する(迅速に一つの液滴
となる)こととなり、液滴の後部で、液滴が細かく分離
する、いわゆるサテライトの発生を防止することができ
る。
【0053】 また、突起8により、試料の流れを整流
することができるため、吐出方向を安定化することがで
きる。
【0054】 なお、上記吐出方向の安定性向上及びサ
テライトの発生防止に効果のある貫通孔5の断面積の漸
減及び所定形状の設定は、それぞれ単独で行っても効果
はあるが、同時に行うことによって、さらに顕著な効果
を発揮することになる。
【0055】 ところで、図3(a)、(b)に示す多
角形状又は王冠形状の突起部形状は、必ずしも図に示す
ような先鋭形状をなしている必要はなく、ノズル部の材
質、加工法、加工機械の精度により、先端が鈍ったもの
であってもよい。
【0056】 図5(a)、(b)及び図6に示すよう
に、本発明のマイクロピペットは、ノズル部における貫
通孔5の、軸方向に対して直角方向の断面形状が、貫通
孔5の試料導入口端23から試料排出口端24に向かっ
て所定距離離れた第1の地点(図5ではD−D線で示
す)までは略円形で、かつ第1の地点(D−D線)から
試料排出口端24までは中心から放射状に突き出た3個
以上の突起8を有するとともに、内角が鋭角と鈍角とを
有する多角形状又は突起と突起とを曲線で結んだ王冠形
状であり(図3(a)、(b)参照)、また、その断面
形状の面積(断面積)が、貫通孔の試料導入口端23か
ら第1の地点(D−D線)までは略円形を保持しつつ試
料排出口端24まで連続的に漸減するように構成したも
のであってもよい。ここで、第1の地点の範囲として
は、試料導入口端23と試料排出口端24との中間であ
って、試料導入口端23から試料排出口端24までの距
離を1とした場合、試料導入口端23から、0.1〜
0.7のところが好ましい。0.1未満であると、試料
導入口端23の断面形状(円形)を安定して形成できな
いことがある。また、0.7を超えると、突起形状の整
流効果が不十分となることがある。
【0057】 このように構成することによって、上述
のように、試料排出口端24における突起形状に起因し
て、ノズル部の貫通孔から吐出された液滴の切れが向上
する(迅速に1つの液滴となる)ため、液滴の後部で、
液滴が細かく分離する、いわゆるサテライトの発生を防
止することができる。また、試料導入口端23が略円形
であることによって、キャビティからの圧力及び試料の
流れが均一にノズル部に伝達されるとともに、第1の地
点から試料排出口端24までの突起形状による整流効果
によって、試料に吐出方向を安定化することができる。
【0058】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、図3に示すように、突起8を有する多角形の、隣
接する突起8の頂点(例えば、P、Q)と中心Oとを結
んだ直線がなす角度θが、1度〜120度であることが
好ましく、3度〜72度がさらに好ましい。この角度が
1度未満であると、円形に近似してしまい、本発明の効
果を十分に発揮することができないことがある。また、
120度を超えると、試料の吐出方向が不安定になるこ
とがある。
【0059】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、図3に示すように、突起8を有する多角形状又は
王冠形状の辺の合計長さL1が、これと同一面積の円の
円周長さL2の1.1倍以上(L1/L2≧1.1)で
あることが好ましく、1.15倍以上であることがさら
に好ましい。1.1倍未満であると、円形に近似してし
まい、いわゆるサテライトが発生することがあり、ま
た、ノズル部の吐出口端24近傍で、試料が乾燥し、吐
出不良や吐出曲がりを引き起こすことがある。
【0060】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、図2及び図5(a)、(b)に示すように、ノズ
ル部における貫通孔5の断面積の、連続的に漸減する変
化率が、貫通孔の試料導入口端23から試料排出口端2
4に向かって所定距離離れた第2の地点(E−E線及び
F−F線)までの変化率よりも、第2の地点(E−E線
及びF−F線)から試料排出口端24までの変化率のほ
うが大きくなるように構成することが好ましい。このよ
うに試料排出口端24に向かって2段に絞り込むことに
よって、試料を整流する効果をさらに向上させるととも
に、試料排出口端24における試料流速向上の効率を高
めることができる。ここで、第2の地点の範囲として
は、試料導入口端23と試料排出口端24との中間であ
って、試料導入口端23から試料排出口端24までの距
離を1とした場合、試料導入口端23から、0.3〜
0.7のところが好ましい。
【0061】 なお、第2の地点は、図5(b)に示す
ように、第1の地点と一致させることが、サテライトの
発生防止及び整流効果の点で好ましく、また、試料導入
口端23及び試料排出口端24を含んだ貫通孔の形成も
容易となる。ノズル部材の材質がPET、ポリイミド等
の樹脂の場合は、レーザー(例えば、エキシマレーザ
ー、高次(3次以上)のYAGレーザー)加工を好適に
用いることができるが、このような漸減する比率が変化
する場合は加工の途中でレーザーのパワーを変化させる
ことで対応すればよい。すなわち、図2及び図5
(a)、(b)に示すように試料導入口端23から第2
の地点までの変化率が、第2の地点から試料排出口端2
4のそれより小さい場合は、レーザーの照射を試料導入
口端23から行ない、加工の途中で、レーザーのパワー
を減ずればよい。
【0062】 なお、貫通孔の断面積を連続的に漸減さ
せる場合の、貫通孔の軸方向の断面形状については、図
7に示す紡錘形のような、その漸減率を試料排出口端2
4に向かい連続的に増加させた形状であってもよく、そ
の場合の加工法は、例えば、レーザー照射を試料導入口
端23から行ない、そのパワーを連続的に減少させる方
法が採られる。
【0063】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、図1に示すように、ノズル部における貫通孔5の
内面の表面粗さが、貫通孔5の試料導入口端23が形成
された面38のそれよりも粗く構成することが好まし
い。貫通孔5の内面の表面粗さが、他の部位のそれより
も粗いことにより、試料を吐出し終わった後の貫通孔5
内に残った試料の液面のゆれ(振動)が速やかに減衰・
収束するため、液面が残存することによるサテライトの
発生を防止することができる。
【0064】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、ノズル部における貫通孔の試料排出口端近傍の表
面に、撥液処理を施した構成とすることが好ましい。貫
通孔の試料排出口端近傍の表面の撥水性を高めること
と、他の構成との相乗効果によって、液滴の切れをさら
に向上させることができる。
【0065】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、ピペット本体の、少なくともキャビティ形成位置
及び圧電/電歪素子設定位置に対応した部位が、ジルコ
ニアセラミックスからなるように構成することが好まし
く、ピペット本体の全ての部位をジルコニアセラミック
スからなるように構成することがさらに好ましい。
【0066】 この場合、ジルコニアセラミックスは、
グリーンシート積層焼成法を用いて作製されたものであ
ることが好ましい。ジルコニア、中でも、安定化ジルコ
ニアと部分安定化ジルコニアは、薄板状としても機械的
強度が大きいこと、靭性が高いこと、酸/アルカリ溶液
に耐久性があること、及び圧電膜や電極材との反応性が
小さいこと等から、本発明に用いられるピペット本体の
材質として優れている。
【0067】 また、ピペット本体の、試料吐出口を形
成した部位を、成形性及びコストの面から、樹脂からな
るように構成してもよい。
【0068】 また、本発明に用いられる圧電/電歪素
子を、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛及びマグネシウムニオ
ブ酸鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の鉛化合
物を主成分として含有する圧電/電歪膜から構成するこ
とが好ましい。すなわち、このような圧電/電歪膜は、
高い電機機械結合係数と圧電定数とを有し、圧電膜の焼
結時におけるピペット本体(ジルコニアセラミックス)
との反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点
から好ましい。
【0069】 また、本発明のマイクロピペットにおい
ては、図8に示すように、1個のピペット本体1内に、
試料注入口2、キャビティ3、試料吐出口6、及び圧電
/電歪素子7を、それぞれ複数箇所形成し、それぞれの
圧電/電歪素子7の上部電極18と下部電極20が一括
して引き出したものであってもよい。このように構成す
ることによって、全体がコンパクトでかつ試料吐出口を
精度よく、高密度に配置することが可能になり、異種の
試料を同時に吐出することができるため、DNAマイク
ロアレイ等のバイオチップを効率的に生産性よく作製す
ることができる。
【0070】 また、本発明のマイクロピペットは、キ
ャビティ及び圧電/電歪素子を形成した一つ以上の第1
のピペット部材と、試料注入口及び試料吐出口のうちの
少なくともいずれか一方の一つ以上を形成した一つ以上
の第2のピペット部材とを接合して得られる、一つ以上
の接合体を固定一体化してなるものであってもよい。具
体的には、図12に示すように、キャビティ3と圧電/
電歪素子7及び導入孔35がそれぞれ一個ずつ形成され
た第1のピペット部材1cと、試料注入口2と2箇所の
連通路36がそれぞれ一個ずつ形成された第2のピペッ
ト部材1aと、試料吐出口6が複数個形成された第2の
ピペット部材1bを別個に作成した後、互いに接着材3
7により接合一体化したものを挙げることができる。
【0071】 それぞれの材質としては、例えば、第1
のピペット部材1cは、部分安定化ジルコニア、第2の
ピペット部材1aは部分安定化ジルコニア、第2のピペ
ット部材1bはPET樹脂からなるものを挙げることが
できる。互いの接合は、機械的に行ってもよいが、接着
材や熱拡散等による接合が、流路のシール性を保つ点か
ら好ましい。
【0072】 このように構成することによって、ピペ
ット本体の材料選択の範囲を広げ、各部位に最適な材料
を選ぶことが可能となる一方、素子の歩留まりの向上、
試料吐出口の高精度、高密度配列、複数種試料同時吐出
が同時に可能になる。
【0073】 図9(a)、(b)に示すように、本発
明のマイクロピペットは、いわゆるエッジタイプと呼ば
れるものであってもよい。すなわち、1個のピペット本
体1内に、試料注入口2、キャビティ3、試料吐出口
6、及び圧電/電歪素子7を、それぞれ複数箇所形成し
ている。そして、このマイクロピペットでは、試料吐出
口6がピペット本体1の側面に形成されており、通常の
ピペット25から試料注入口2に注入された試料は、ピ
ペット本体1内の連通路26を通ってキャビティ3内に
流入・充填しており、圧電/電歪素子7の駆動によって
キャビティ3内の体積を変化させて、キャビティ3内に
充填されている試料の一定量を試料吐出口6から吐出さ
せる。試料吐出口6がピペット本体1の側面に形成され
ていると、平板状のピペット本体1を縦に並べて、試料
吐出口6の密度を容易に上げることができる。
【0074】 また、図10(a)、(b)に示すよう
に、本発明のマイクロピペットは、図8(a)、
(b)、図11(a)〜(d)及び図12(a)、
(b)と同様に、いわゆるフェースタイプと呼ばれるも
のであり、図9(a)、(b)と同じく、1個のピペッ
ト本体40内に、試料注入口2、キャビティ3、試料吐
出口6、及び圧電/電歪素子7を、それぞれ複数箇所形
成したものであってもよい。そして、このマイクロピペ
ットでは、試料吐出口6がピペット本体1の主平面に形
成されている。キャビティ3と試料注入口2との間は、
導入孔27及び連通路28でつながっている。そして、
試料注入口2が他方の主平面に形成されている。このよ
うな構成では、エッジタイプに比べ吐出口の形成が容易
で精度よく行えるとともに、試料吐出口6がピペット本
体1の主平面に形成されていると、試料吐出口6を形成
した平板と平行して基板をセットできることが可能にな
り、液滴の吐出距離を一定にすることが容易になり、液
滴の形状を安定化させることができる。
【0075】 また、ピペット本体1の異なる主平面に
それぞれ試料注入口2と試料吐出口6を形成することに
より、試料注入口2から、試料吐出口6までの流路の長
さが殆ど平板の厚さ距離だけで済み、試料液体の流路パ
スが短く、単純なものとなって、流路途中で気泡がひっ
かかり、吐出不良を起こす等の不具合を低減することが
でき、さらに試料の使用効率を向上させることができ
る。
【0076】 また、本発明のマイクロピペットは、ピ
ペット本体を平板状物から構成してなり、試料吐出口を
このピペット本体の側面又は主平面に形成してなるもの
であるが、このように構成する(ピペット本体を平板状
にする)ことによって、ピペット本体の製造が、後述す
るようなグリーンシート等の積層で行うことができ、ま
た、全体を薄くコンパクトにすることができる。さら
に、図13に示すように、ピペット本体1を平板状と
し、試料吐出口6をピペット本体1の一方の主平面に形
成し、試料注入口2を他方の主平面に形成し、圧電/電
歪素子7を、試料吐出口6と同じ主平面内に形成しても
よい。この場合、試料注入口2を形成した面には試料注
入口2以外のものは形成していないため、試料の注入が
行い易いという利点を有する。
【0077】 また、本発明のマイクロピペットは、前
述のマイクロピペット(ユニット)の複数を、固定治具
に固定したマイクロピペット複合体としたものであって
もよい。
【0078】 例えば、図11に示すように、1個のピ
ペット本体1内に、試料注入口2、キャビティ3、試料
吐出口6、及び圧電/電歪素子7を、それぞれ1個形成
したユニット(図11(c)、(d)参照)を複数個、
固定治具29(後述の押さえ治具30、位置決めピン3
1及び固定板32の総称)に固定した例を示している。
各ユニットは、試料注入口2へ試料を供給するチューブ
(連通路)33を保持する押さえ治具30と位置決めピ
ン31で固定板32に固定されている。なお、図11
(a)、(b)では、固定を押さえ治具30の両端をネ
ジ34で固定板32に締め付けることで行っているが、
固定法は、ネジ、バネ等で機械的に行う他、接着材等で
行ってよい。
【0079】 このように構成することによって、ピペ
ット本体1個1個の製造が容易になり、歩留まりを向上
させることができる。
【0080】 また、本発明のマイクロピペット複合体
は、複数の試料注入口を、1のキャビティに接続してな
るものであってもよい。具体的には、図14に示すよう
に、2個の試料注入口2が、1個のキャビティ3に接続
されている一例を挙げることができる。この例では、圧
電/電歪素子7は、試料注入口2と同じ主平面内に形成
され、試料吐出口6は、他方の主平面に形成されたもの
を挙げることができる。
【0081】 このように構成することによって、複数
個の試料注入口より試料又は置換液をタイミングを調整
して、吸引、押し出すことにより、キャビティ内を確実
に充填することができる。
【0082】II.分注装置 本発明の分注装置は、前記マイクロピペットを複数又は
前記マイクロピペット複合体を1以上備えてなり、ピペ
ット本体に形成した試料吐出口を縦横に整列配置し、こ
れらの試料吐出口からそれぞれ異種の液体試料を吐出さ
せることを特徴とする。
【0083】 このように構成することによって、一度
に数多くの種類の試料を同時に供給でき、また、一部に
不良の生じたピペットを容易に交換することができる。
さらに、試料吐出口が縦横に整列配置されていることに
より、例えば、DNAマイクロアレイ等のバイオチップ
のように二次元的に整列固定された微小スポットが必要
な場合に好適に適用することができる。
【0084】 具体的には、図15に示すように、本発
明の分注装置55は、図16(a)、(b)に示す試料
注入口52、試料吐出口51を有するマイクロピペット
50の複数個(50a、50b、50c)を試料試料吐
出口を下方向に向けた状態で立設させて構成したものを
挙げることができる。すなわち、各マイクロピペット5
0a、50b、50cは、それぞれの試料注入口52
a、52b、52cを上側とし、試料吐出口51a、5
1b、51cを下側とし、かつこの試料吐出口51a、
51b、51cが縦横に整列配置されて、試料吐出口5
1a、51b、51cからそれぞれ異種の液体試料を吐
出させるようになっている。また、ピペット本体に形成
した試料吐出口51a、51b、51cのそれぞれの外
側に、試料吐出口の中心軸と共軸の開口を有する薄板か
らなる異方飛行滴遮蔽板53を備えてなる構成としても
よい。異方飛行滴遮蔽板53を備えてなる構成とするこ
とによって、万一吐出液滴の吐出方向が曲がってしまっ
た場合であっても、基板に液滴が到達することがなく、
スポッティングの位置ずれや、隣のスポットと混じりあ
う不良を防止することができる。
【0085】 このような構成を有する分注装置55に
おいては、図17に示すように、試料注入口52a、5
2b、52cのそれぞれに、異種の液体試料を別個に充
填した第1のカートリッジ60を備えてなり、試料吐出
口51a、51b、51cから異種の液体試料を吐出さ
せ得る構成としたものが、試料の使用効率を高めること
ができる点で好ましい。
【0086】 また、試料注入口のそれぞれに、水性溶
媒(例えば、生理食塩水)又は有機溶媒を充填した第2
のカートリッジを備えてなり、ピペット本体に形成した
試料注入口から試料吐出口までの連通空間を洗浄し得る
構成としたものが、数千から数万種類という多種類のD
NA断片等を汚染なく、しかも純度よく微小スポットに
吐出することができる点から好ましい。なお、カートリ
ッジから試料注入口のそれぞれに試料等を注入する方法
は、カートリッジを試料注入口にセットした後、針等で
カートリッジの底を開封する方法の他、予め、試料注入
口近傍に針等を形成し、セットと同時に開封されるよう
にしてもよい。また、開封後気体等を圧送し、試料等を
強制的に押し出す機構を加えてもよい。
【0087】III.バイオチップの製造方法 本発明のDNAマイクロアレイ等のバイオチップの製造
方法は、前記分注装置を用いたことを特徴とする。
【0088】 一般に、DNAマイクロアレイにスポッ
トされるDNA断片を含んだ試料は、図17に示す第1
のカートリッジ60中でそのDNA断片を増幅して用い
られるが、ピペット本体中に、ある程度の空間を有する
本発明のマイクロピペットを用いた本発明の分注装置を
用いた場合には、マイクロピペット内で増幅を行っても
よい。
【0089】 本発明のバイオチップの製造方法として
は、例えば、DNAマイクロアレイの場合、下記の方法
を挙げることができる。
【0090】 第1のカートリッジ60中でそのDNA
断片を増幅して用いる場合は、予め置換液である緩衝液
の入ったカートリッジをセット後、各マイクロピペット
内のキャビティに緩衝液を充填し、さらに試料注入口
に、DNA断片試料の入ったカートリッジをセットし、
針等でカートリッジの底を開封、試料注入口に試料を注
入する。その後圧電/電歪素子を駆動させ試料吐出口よ
り予め充填した緩衝液を吐出しながら、キャビティ内を
試料で層流置換する。
【0091】 置換の終了点は、吐出した緩衝液の容量
によって判断してもよいが、リレー切り替えにより、圧
電/電歪素子をキャビティ内の液体の粘度、比重を検出
するセンサとして作用させる方法で感知する。置換の終
了後は、求められるスポット径に応じた液滴量に対応し
た圧電/電歪素子の駆動条件にて駆動し、スポッティン
グを繰り返すことによりDNAマイクロアレイを製造す
る。通常一つのスポットを形成するのに、マイクロピペ
ットから一〜数百滴を吐出して行う。なお、試料注入口
中の試料の量が減少したら、緩衝液を追加し、流路中に
気泡が入らないようにし、吐出を続けることにより、試
料をマイクロピペット内に残すことなく使い切ることが
できる。試料から置換液への置換の完了(試料吐出の終
了)は、同じく、圧電/電歪素子を用いた液体の粘度、
比重の検出で行う。また、予め濃度を薄めた試料溶液を
用い、基板上に微小滴を形成しながら、溶媒を乾燥させ
ていく方法も好適である。このような方法で行うことに
より、より流路中に残存する試料の量を低減することが
でき、試料の使用効率を向上させることができる。
【0092】 さらに、使用する置換液及び試料は、予
め脱気操作を通して溶液中の溶存気体を取り除いたもの
を用いることが好ましい。このような溶液を用いること
により、流路内に溶液を充填する際に、流路途中に気泡
が引っかかり充填が不備になる場合であっても、その気
泡を溶液中に溶かし込んで不具合を回避することができ
るとともに、吐出の途中に流体中に気泡が発生し、吐出
に関する不具合の発生を防止することができる。
【0093】 そして、図18に示すように、一枚以上
のスライドガラス101が保持されたトレイ110を用
い、スライドガラス101上にDNA断片を含んだ試料
をスポットしてDNAマイクロアレイを作製する。
【0094】 スライドガラス101のトレイ110へ
の固定は、粘着テープ、シリコンラバー等で粘着固定す
るか、又は真空吸引等で吸引固定してもよいが、図19
に示すように、板バネ102とピン103によって機械
的に固定するのが、スライドガラス101に粘着材のカ
ス等が付着することもなく、またトレイ110の設備も
大掛かりにならず、確実な固定を簡便で精度よく実現す
ることができることから、好ましい。
【0095】 なお、スライドガラス101を固定する
ピン103と板バネ102の位置、数等は、トレイ11
0とスライドガラス101のすべり具合、板バネ102
の強さ、スライドガラス101の厚さ等で適宜選択され
るが、図18及び図19に示す例のように、三点のピン
103で固定するのが精度の上で好ましい。
【0096】 さらに、図18及び図19に示すよう
に、スライドガラス101がセットされる箇所のトレイ
110には、スライドガラス101が取り付け、取り外
しし易いように切り欠け部104が予め形成されていて
もよい。また、スポットが形成されるスライドガラス1
01の範囲に対応するトレイの面105は、中空部分と
なっており、トレイ110の下面に通じるようになって
いる。
【0097】 このように構成することにより、トレイ
110自体の軽量化が図れ、DNAマイクロアレイの生
産効率が向上すると共に、中空部分を通してスポット形
成の様子をトレイ110の下面よりインラインで観察で
きるようになり、DNAマイクロアレイの品質保持、向
上に有利である。
【0098】 このように、スライドガラス101が固
定されたトレイ110をセットし、図8に示すマイクロ
ピペット、図11に示すマイクロピペット複合体、又は
図15に示す分注装置55を、一つ又は複数個固定した
吐出ヘッド120を備えたスポッティング装置(図示せ
ず)にて、トレイ110と吐出ヘッド120の相対位置
を変化させながらDNA断片を含んだ試料をスポットす
る。
【0099】 図20に示すように、トレイ110と吐
出ヘッド120の相対位置を変化させる方法は、平面上
のXY方向には、吐出ヘッド120を固定する一方、ス
ライドガラスを固定したトレイ110を移動させること
が好ましい。本発明の場合のような、マイクロピペッ
ト、分注装置から試料を吐出して微小スポットを形成さ
せる場合は、吐出ヘッドを移動させることは、そこに固
定されたマイクロピペットへの振動、空気の流れ等の外
乱を付与することとなり、マイクロピペットの吐出口に
ある試料液面の状態を変化させ、もって吐出滴の吐出方
向、吐出量をばらつかせたり、試料液体を乾燥させ、も
って吐出不良を引き起こす原因となり、好ましくない。
また、吐出ヘッド120が移動している時に吐出を行う
と、その吐出滴は、吐出した瞬間の吐出ヘッド120の
移動速度に応じたXY方向の速度をもつことになり、ス
ライドガラス上の着弾点、すなわちスポット位置を精度
良く制御するには不利な点が多い。従って、トレイ11
0を移動させ、所望のXY方向の位置関係に吐出ヘッド
120とトレイ110をした時に、試料をスポットする
方法が好適に採用される。
【0100】 なお、吐出ヘッド120をトレイ110
との相対位置を変化させる際にXY方向に固定すること
は、吐出ヘッド120に吐出信号を供給するケーブルも
また振動等の影響を受けることなく、もってケーブルの
ねじれ、曲がり等で生じるインピーダンス等のケーブル
特性の変化を抑制することができ、吐出信号の安定が図
られ、結果として吐出滴の安定、即ちDNAマイクロア
レイの品質向上が実現でき、好ましい。さらに、吐出ヘ
ッド120をトレイ110に対し上下方向(Z方向)に
移動させ、吐出時の瞬間のみマイクロピペットの吐出口
とスライドガラスとの間の、スライドガラスに垂直なZ
方向の距離を短くする方法をとってもよい。
【0101】 このように構成することにより、トレイ
110と吐出ヘッド120のXY方向の相対位置関係を
変化させるためトレイ110を移動している間は、マイ
クロピペットの吐出口とスライドガラスの距離が離れて
おり、その間に発生する空気の流れを低減することがで
き、上述した吐出の品質を保つことができる一方、吐出
の瞬間は、その距離を短くし、吐出を完了した滴の飛行
距離を短くすることができることになり、飛行途中の風
や振動等の外乱を受ける可能性を低くすることができ、
本来の位置精度のよいスポットのさらなる品質の向上を
実現することができる。
【0102】 なお、吐出する瞬間と、吐出ヘッド12
0とトレイ110との移動時間の関係は、トレイ110
がXY方向に移動している途中や、吐出ヘッド120が
Z方向に移動している途中に所望の位置関係になった瞬
間に吐出を行うことが、スポット時間を短くすることが
できる点で好ましいが、上述した風、振動等の外乱の影
響を排除するには、所望の位置関係で停止した後に吐出
してもよい。
【0103】 また、スポッティング装置(図示せず)
にトレイをセットした後、レーザー等を用いトレイ上に
固定されたスライドガラスのスポッティング面の高さを
測定する装置(図示せず)を備えてもよい。
【0104】 このように構成することにより、スライ
ドガラスが持つ厚さばらつきに影響されることなく、マ
イクロピペットの吐出口とスライドガラスのスポット面
の距離を一定にすることができ、吐出滴がガラス面に接
触するときの吐出滴の持つ速度が均一になり、スポット
の広がり(スポット径)のばらつきが抑えられ、スポッ
トの品質が安定すると共に、スライドガラスをトレイに
固定する際の人為的ミスを未然に防止し、DNAマイク
ロアレイの製造歩留りを向上させることができる。
【0105】
【実施例】 以下、本発明を実施例によってさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていか
なる制限を受けるものではない。
【0106】 図4に示す実施例は、ノズル部材として
厚さ38μmのPET樹脂からなるシートを、加工法と
してエキシマレーザーを用いて貫通孔を加工した。貫通
孔の軸方向に対して直角方向の断面形状の形成には、予
め断面形状の相似形状を形成したマスクをレーザー照射
軸の途中にセットする、いわゆるマスク法を用いた。レ
ーザーの照射は貫通孔の試料導入口端23側から排出口
端24側方向に行ない、貫通孔の試料導入口端23での
形状が、図3(a)に示すように、突起形状の内接円直
径L4が75μm、隣接する突起の頂点と中心とを結ん
だ直線がなす角度θが15度、突起部8の直線距離L3
が13μmとなるようにマスクを設計した。貫通孔の軸
方向に対して平行方向の断面形状が試料排出口端に向か
って先細りのテーパー形状をなすように形成するため、
マスク法を用いた上でレーザーのパワーを調整した。す
なわち、レーザーのパワーを、レーザーの照射によって
数秒でに貫通孔が形成される値(30mJ/sec)に
比べ低い値とし、時間をかけ加工した。具体的には、レ
ーザーパワーを20mJ/secとし、20secかけ
て貫通孔が形成できるように調整することによりテーパ
ー形状を形成した。そして、貫通孔の試料排出口端24
での形状を、図3(a)に示すように、突起形状の内接
円直径L4が50μm、隣接する突起の頂点と中心とを
結んだ直線がなす角度θが15度、突起部の直線距離L
3が8μmとなるようにした。
【0107】 また、図6に示す実施例の場合は、同様
の装置において、円形のマスクを用いマスク法にて作成
した。その際のレーザーパワーは、上記条件より低くと
ることにより、試料導入口端23では、略円形、試料排
出口端24では突起を有する形状とした。具体的には、
レーザーパワー10mJ、照射時間20secとするこ
とで、貫通孔の試料導入口端23では直径が80μmの
円形、試料排出口端24では、図3(a)に示すよう
に、突起形状の内接円直径L4が50μm、隣接する突
起の頂点と中心とを結んだ直線がなす角度θが15度、
突起部8の直線距離L3が8μmとなるようにした。
【0108】 図4及び図6に示す貫通孔を有するノズ
ル部を用いたマイクロピペットにて、塩基対長1000
bpのDNA断片を1μg/μlの濃度で×1TEバッ
ファー(緩衝液)に溶解した試料を連続して吐出させた
場合、十万回吐出させてもいわゆるサテライトは発生し
なかった。また、一連の吐出作業の途中でノズルが乾燥
し吐出不能になることもなく、その良好な吐出性能は、
吐出間隔を10秒以上に広げても変わらなかった。
【0109】 また、吐出速度が早すぎて、スライド基
板に付着する際に液滴の勢いが大きく、しぶきを発生す
ることを防ぐため、圧電/電歪素子の変形速度を低減
し、液滴の吐出速度を低減し、従来の1/2以下(4m
/sec以下)にした場合においても、サテライトが発
生することが無く、また、吐出方向が曲がる等の吐出不
安定化は生じなかった。
【0110】 次に、図4及び図6に示す貫通孔を有す
るノズル部を用いたマイクロピペットが複数固定された
図21(a)、(b)に示す吐出ヘッド120を備え、
図18に示す複数のスライドガラス101が保持された
トレイ110がセットされたスポッティング装置(図示
せず)にて上記DNA断片を含む試料を吐出し、DNA
マイクロアレイを製造した。
【0111】 具体的には、一つのトレイ110に保持
されたスライドガラス101上に必要な試料をスポット
し終わると、スポッティング装置からトレイ110ごと
スライドガラス101を取り出し、新たに、スポットさ
れていないスライドガラス101が保持されたトレイ1
10をスポッティング装置にセットし、スポットした。
この作業を必要なスライドガラス101の数を満たすト
レイ110の枚数分行った。その際、図18に示すよう
に、各トレイ110には、位置決め用穴121が2箇所
開いており、その穴をトレイ110下面より照らす照明
(図示せず)にて、トレイ110上面からCCDカメラ
で観察、確認することで、トレイ110のセット位置を
確認、調整した。次いで、スポッティング装置から、吐
出ヘッドを取りだし、別の種類のDNA断片試料が入っ
た吐出ヘッドをあらためて装着し、トレイ110上のス
ライドガラス101上へのスポットを繰り返した。そう
して、一万種類のDNA断片の入った試料をスポットし
たDNAマイクロアレイを1000枚数製造したが、サ
テライト等が発生することなく、スポットの品質が良好
で安定したDNAマイクロアレイが得られた。
【0112】 なお、吐出ヘッド120には、図21
(b)に示すように位置決め用穴123と、位置決め用
穴123に照明光125を導くためのプリズム122が
形成されており、別の種類のDNA断片試料が入った吐
出ヘッドを装着する際は、プリズム122で導かれた照
明光125を、吐出ヘッド120の下の所定位置に固定
されたCCDカメラ124にて観察しながらヘッド位置
を調整し、吐出ヘッド120の装着時のアライメントを
行い、吐出ヘッド120を違えることによるスポット位
置のずれが生じないように調整した。このようにCCD
カメラで直接照明光を観察することは、反射光を観察す
る場合に比べ、反射体の表面状態に左右されず、外乱光
の影響を排除することができ、精度を向上させることが
できることから好ましい。最終的なスポット位置の設計
値からのずれは50μm以下を実現した。
【0113】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によっ
て、所定の基板上に微小体積の液滴を高密度に整列固定
する作業(微小スポットの形成作業)を伴うDNAマイ
クロアレイの製造等の分野で好適に用いられる、微小ス
ポットの形成作業の高精細化が可能で、得られる製品品
質の向上を図ることができるマイクロピペット、このマ
イクロピペットを用いた分注装置及びバイオチップの製
造方法を提供することができる。従って、このようなマ
イクロピペットを用いた分注装置及びこのよう分注装置
を用いたバイオチップの製造方法によって、1回に数百
から数万の異種の試料を効率よく分注して微小スポット
を形成することが可能となり、バイオチップの製造等の
生産性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマイクロピペットの一の実施の形態
を模式的に示し、(a)は全体断面図で、(b)その詳
細図、(c)はキャビティ部分の斜視図である。
【図2】 図1(a)のA部拡大図である。
【図3】 図2のB−B線断面図で、本発明のマイクロ
ピペットのノズル部における貫通孔の、軸方向に対して
直角方向の断面形状を模式的に示す説明図で、(a)は
多角形状の場合、(b)は王冠形状の場合をそれぞれ示
す。
【図4】 本発明のマイクロピペットの一の実施の形態
(一の実施例)におけるノズル部における貫通孔の突起
の状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形態
におけるノズル部における貫通孔の形状を模式的に示す
断面図で、(a)は第1の地点と第2の地点とが異なる
場合、(b)は第1の地点と第2の地点とを一致させた
場合をそれぞれ示す。
【図6】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形態
(他の実施例)におけるノズル部における貫通孔の突起
の状態を模式的に示す斜視図である。
【図7】 ノズル部における貫通孔の、漸減する断面積
の変化の例を模式的に示す説明図である。
【図8】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形態
を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)のG
−G断面図である。
【図9】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形態
を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)のH
−H断面図である。
【図10】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
I−I断面図である。
【図11】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は側面図、
(c)は各複合体の平面拡大図、(d)は(c)の断面
図である。
【図12】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
J−J断面図である。
【図13】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
K−K断面図である。
【図14】 本発明のマイクロピペットの他の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
L−L断面図である。
【図15】 本発明の分注装置の一の実施の形態を模式
的に示す斜視図である。
【図16】 図15の分注装置に用いたマイクロピペッ
トを模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
M−M断面図である。
【図17】 分注装置にカートリッジを取り付ける状況
を模式的に示す斜視図である。
【図18】 DNAマイクロアレイを作製するために用
いられる、一枚以上のスライドガラスが保持されたトレ
イを模式的に示す平面図である。
【図19】 スライドガラスのトレイへの固定に関し、
板バネとピンによって機械的に固定する場合を模式的に
示す断面図である。
【図20】 トレイと吐出ヘッドの相対位置を変化させ
る方法を模式的に示す斜視図である。
【図21】 図4及び図6に示す貫通孔を有するノズル
部を用いたマイクロピペットが複数固定された吐出ヘッ
ドを模式的に示す説明図で、(a)は平面図、(b)は
(a)のN−N断面図である。
【符号の説明】
1…ピペット本体、1a〜1c…ピペット部材、2…試
料注入口、3…キャビティ、4…ノズル部、5…貫通
孔、6…試料吐出口、7…圧電/電歪素子、8…突起
(部)、10…マイクロピペット、11…ノズルプレー
ト、12…ポンプ部、13…窓部、14…スペーサプレ
ート、15…閉塞プレート、16…導入孔、17…連通
孔、18…上部電極、19…圧電/電歪膜、20…下部
電極、21…連通路、22…導入孔、23…試料導入口
端、24…試料排出口端、25…通常のピペット、26
…連通路、27…導入孔、28…連通路、29…固定治
具、30…押え治具、31…位置決めピン、32…固定
板、33…連通路、34…ネジ、35…導入孔、36…
連通路、37…接着剤、38…試料導入口端が形成され
た面、50a〜50c…マイクロピペット、51a〜5
1c…試料吐出口、52a〜52c…試料注入口、53
…異方飛行滴遮蔽板、55…分注装置、60…第1のカ
ートリッジ、101…スライドガラス、102…板バ
ネ、103…ピン、104…切り欠け部、105…スラ
イドガラスの範囲に対応するトレイの面、110…トレ
イ、120…吐出ヘッド、121…位置決め用穴、12
2…プリズム、123…位置決め用穴、124…CCD
カメラ、125…照明光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 B41J 3/04 103A 33/566 C12N 15/00 F 37/00 102 (72)発明者 辻 裕之 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF99 AG02 AG05 BA04 BA14 2G058 EA03 EA05 EA09 EA11 ED10 ED12 ED14 4B024 AA11 AA20 CA01 CA09 CA11 HA14 4B029 AA23 BB20 CC03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピペット本体に、ピペット本体の外部か
    ら試料を注入する試料注入口と、注入された試料を導入
    しかつ一時貯留し得るキャビティと、貯留された試料を
    ノズル部の貫通孔を経由して外部に吐出する試料吐出口
    とを形成してなるとともに、ピペット本体のキャビティ
    形成位置に対応した部位の外面上に圧電/電歪素子を設
    けてなり、圧電/電歪素子の駆動によりキャビティ内の
    体積を変化させ、キャビティ内に貯留された試料の一定
    量を試料吐出口から吐出させるマイクロピペットであっ
    て、 ノズル部における貫通孔の、軸方向に対して直角方向の
    断面形状が、中心から放射状に突き出た3個以上の突起
    を有するとともに、内角が鋭角と鈍角とを有する多角形
    状又は突起と突起とを曲線で結んだ王冠形状であり、ま
    た、その断面形状の面積(断面積)が、貫通孔の試料導
    入口端から試料排出口端まで、略相似形を保持しつつ連
    続的に漸減するように変化してなることを特徴とするマ
    イクロピペット。
  2. 【請求項2】 ピペット本体に、ピペット本体の外部か
    ら試料を注入する試料注入口と、注入された試料を導入
    しかつ一時貯留し得るキャビティと、貯留された試料を
    ノズル部の貫通孔を経由して外部に吐出する試料吐出口
    とを形成してなるとともに、ピペット本体のキャビティ
    形成位置に対応した部位の外面上に圧電/電歪素子を設
    けてなり、圧電/電歪素子の駆動によりキャビティ内の
    体積を変化させ、キャビティ内に貯留された試料の一定
    量を試料吐出口から吐出させるマイクロピペットであっ
    て、 ノズル部における貫通孔の、軸方向に対して直角方向の
    断面形状が、貫通孔の試料導入口端から試料排出口端に
    向かって所定距離離れた第1の地点までは略円形で、か
    つ試料排出口端では中心から放射状に突き出た3個以上
    の突起を有するとともに、内角が鋭角と鈍角とを有する
    多角形状又は突起と突起とを曲線で結んだ王冠形状であ
    り、また、その断面形状の面積(断面積)が、貫通孔の
    試料導入口端から第1の地点までは略円形を保持しつつ
    試料排出口端まで連続的に漸減するように変化してなる
    ことを特徴とするマイクロピペット。
  3. 【請求項3】 前記突起を有する多角形状又は王冠形状
    の、隣接する突起の頂点と中心とを結んだ直線がなす角
    度が、1度〜120度である請求項1又は2に記載のマ
    イクロピペット。
  4. 【請求項4】 前記突起を有する多角形状又は王冠形状
    の辺の合計長さが、これと同一面積の円の円周長さの
    1.1倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載のマ
    イクロピペット。
  5. 【請求項5】 前記ノズル部における貫通孔の断面積
    の、連続的に漸減する変化率が、貫通孔の試料導入口端
    から試料排出口端に向かって所定距離離れた第2の地点
    までの変化率よりも、第2の地点から試料排出口端まで
    の変化率の方が大きい請求項1〜4のいずれかに記載の
    マイクロピペット。
  6. 【請求項6】 前記ノズル部における貫通孔の内面の表
    面粗さが、貫通孔の試料導入口端が形成された面のそれ
    よりも粗い請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロピ
    ペット。
  7. 【請求項7】 前記ノズル部における貫通孔の試料排出
    口端近傍の表面が、撥液処理を施されてなる請求項1〜
    6のいずれかに記載のマイクロピペット。
  8. 【請求項8】 前記ピペット本体の、少なくともキャビ
    ティ形成位置及び圧電/電歪素子設定位置に対応した部
    位が、ジルコニアセラミックスからなる請求項1〜7の
    いずれかに記載のマイクロピペット。
  9. 【請求項9】 前記ジルコニアセラミックスが、グリー
    ンシート積層焼成法を用いて作製されたものである請求
    項8に記載のマイクロピペット。
  10. 【請求項10】 前記ピペット本体の、試料吐出口を形
    成した部位が、樹脂からなる請求項1〜9のいずれかに
    記載のマイクロピペット。
  11. 【請求項11】 前記圧電/電歪素子が、ジルコン酸
    鉛、チタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からなる群
    から選ばれる少なくとも1種の鉛化合物を主成分として
    含有する圧電/電歪膜から構成された請求項1〜10の
    いずれかに記載のマイクロピペット。
  12. 【請求項12】 一つの前記ピペット本体に、複数の前
    記試料注入口と、複数の前記キャビティと、複数の前記
    試料吐出口とが形成されてなる請求項1〜11のいずれ
    かに記載のマイクロピペット。
  13. 【請求項13】 前記ピペット本体が、複数の第1のピ
    ペット部材及び一つの第2のピペット部材から構成さ
    れ、前記第1のピペット部材には前記キャビティと前記
    圧電/電歪素子とが形成され、前記第2のピペット部材
    には複数の前記試料注入口と、複数の前記試料吐出口と
    が形成され、複数の前記第1のピペット部材と一つの前
    記第2のピペット部材とが互いに接合されてなる請求項
    1〜11のいずれかに記載のマイクロピペット。
  14. 【請求項14】 前記ピペット本体が平板状物から構成
    されてなり、試料吐出口をこのピペット本体の側面又は
    主平面に形成してなる請求項1〜13のいずれかに記載
    のマイクロピペット。
  15. 【請求項15】 前記ピペット本体が平板状物から構成
    されてなり、前記試料吐出口をピペット本体の一方の主
    平面に、かつ、前記試料注入口を他方の主平面に形成し
    てなる請求項1〜13のいずれかに記載のマイクロピペ
    ット。
  16. 【請求項16】 複数の前記試料注入口を、一つの前記
    キャビティに接続してなる請求項1〜15のいずれかに
    記載のマイクロピペット。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載のマ
    イクロピペットの複数を、固定治具に固定したことを特
    徴とするマイクロピペット複合体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれかに記載のマ
    イクロピペットを複数又は請求項17に記載のマイクロ
    ピペット複合体を一つ以上備えてなる分注装置であっ
    て、 前記ピペット本体に形成した試料吐出口を縦横に整列配
    置し、これらの試料吐出口からそれぞれ異種の液体試料
    を吐出させることを特徴とする分注装置。
  19. 【請求項19】 前記試料注入口のそれぞれに、異種の
    液体試料を別個に充填した第1のカートリッジを備えて
    なり、試料吐出口から異種の試料を吐出させ得る請求項
    18に記載の分注装置。
  20. 【請求項20】 前記試料注入口のそれぞれに、水性溶
    媒又は有機溶媒を充填した第2のカートリッジを備えて
    なり、前記ピペット本体に形成した試料注入口から試料
    吐出口までの連通空間を洗浄し得る請求項18又は19
    に記載の分注装置。
  21. 【請求項21】 前記ピペット本体に形成した試料吐出
    口のそれぞれの外側に、試料吐出口の中心軸と共軸の開
    口を有する薄板からなる異方飛行滴遮蔽板を設けてなる
    請求項18〜20のいずれかに記載の分注装置。
  22. 【請求項22】 請求項1〜16のいずれかに記載のマ
    イクロピペット、請求項17に記載のマイクロピペット
    複合体、又は請求項18〜21のいずれかに記載の分注
    装置を用いたことを特徴とするバイオチップの製造方
    法。
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