JP4094859B2 - レーザダイオード装置及びその実装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザダイオード装置及びその実装装置、特にコレットで吸着して実装するレーザダイオード装置及びその実装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のレーザダイオード装置の構成を示す概略図で、(b)は実装装置であるコレットで吸着しようとする状態を示す正面図、(a)はコレットを除いた状態での平面図を示す。これらの図において、1はレーザダイオードの構造部、2は構造部1の主面に露出するように形成された活性領域、3及び4は活性領域2の両側に直線状に形成された溝領域、5及び6は溝領域3,4の活性領域とは反対側の主面によって構成される側部領域で、これらによってレーザダイオード本体10を構成している。また、7はレーザダイオードの電極で、活性領域2と電気的に接続されると共に、一方の溝領域4の表面に沿って配設され、一方の側部領域6に延在する構成とされている。また、20は実装装置としてのコレットで、真空による吸着孔21と接触面22とを有し、レーザダイオードの実装時には、図7(b)に示す状態から接触面22をレーザダイオードの主面に接触させて吸着し、図示しない基板の所定位置に実装するようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーザダイオード装置は以上のように構成されており、電極7の表面と、コレット20の接触面22が共にフラットな面内に位置するような構成になっているため、レーザダイオードの実装に際して、コレット20がレーザダイオードの電極7に接触して吸着した時、電極と共に活性領域2に作用する応力により活性領域2がダメージを受けやすいという問題点があった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、レーザダイオードの実装時におけるコレットによる吸着時に、活性領域が受けるダメージを低減することができるレーザダイオード装置及びその実装装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るレーザダイオード装置は、レーザダイオードを構成する構造部と、上記構造部表面の所定位置に配設された一対の溝領域と、上記一対の溝領域内側に設けられた活性領域と、上記一対の溝領域外側の各々に設けられた側部領域と、上記活性領域の表面より一方の溝領域を越えて一方の側部領域に延在して設けられた電極と、他方の側部領域の表面に設けられたダミーパッドとを備えたものである。
【0006】
この発明に係るレーザダイオード装置は、また、上記活性領域の電極表面が上記側部領域の表面より下側に位置するようにしたものである。
【0007】
この発明に係るレーザダイオード装置は、また、上記電極またはダミーパッドを2段に重ねて設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示す概略図で、(b)は実装装置であるコレットで吸着しようとする状態を示す正面図、(a)はコレットを除いた状態での平面図を示す。
これらの図において、図7と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図7と異なる点は、電極7Aが一方の溝領域4を越えて一方の側部領域6に延在するだけでなく、他方の溝領域3を越えて他方の側部領域5にも延在するような構成とした点である。
コレット20の接触面22と電極7Aの表面が共にフラットな面内に位置する構成になっている点は従来の装置と同様であるが、電極7Aが2つの溝領域3、4を越えて両側の側部領域5、6に延在する構成としたことで、レーザダイオードの実装時におけるコレット20と電極7Aとの接触面積が大となり、吸着力に対する応力が分散されるため、活性領域2のダメージが緩和されるものである。
【0011】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図2は、実施の形態2の構成を示す概略図で、(b)は図1(b)と同様な状態を示す正面図、(a)は図1(a)と同様な状態での平面図である。これらの図において、図7と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図7と異なる点は、他方の側部領域5にダミーパッド8を設けた点である。このダミーパッド8は電極7と同じ材料によって構成されると共に、厚さも電極7と同じにされている。このような構成とすることにより、レーザダイオードの実装に際してのコレット20による吸着時に、コレット20の接触面22は電極7及びダミーパッド8と接触することになるため、実施の形態1と同様に、吸着力に対する応力が分散され、活性領域2のダメージが緩和されることになる。
【0012】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図3は、実施の形態3の構成を示す概略図で、(a)(b)はそれぞれ図1(a)、図1(b)と同様な状態における構成を示す平面図、正面図である。
これらの図において、図1と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、活性領域2の表面及びこの部分に配設された電極7Aの表面を構造部1の主面より下側に位置するようにしたものである。即ち、電極7Aのうち側部領域5及び6の表面に設けられる部分は図1と同様であるが、活性領域2を図1のものより低く形成し、活性領域2の表面に配設された電極の表面と、側部領域5及び6の部分に配設された電極の表面との高低差dが1μm程度となるようにするものである。
【0013】
このような構成とすることにより、コレット20による吸着時に、活性領域2及びその表面に配設された電極7Aとコレット20の接触面22とが直接接触することがなくなるため、活性領域2のダメージを低減することができる。
なお、図4は、実施の形態3を図2に示す構成のレーザダイオードに実施した実施例を示すもので、(a)(b)はそれぞれ図2(a)、図2(b)に対応する平面図、正面図である。
この図に示す構成においても、活性領域2の表面に配設された電極7の表面と側部領域6の部分に配設された電極の表面との高低差dが1μm程度となるようにされ、図3の場合と同様に、活性領域2へのダメージを低減することができる。
【0014】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態4の構成を示す概略図で、(a)(b)はそれぞれ図4(a)、図4(b)に対応する平面図、正面図である。これらの図において、図4と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図4と異なる点は、電極及びダミーパッドをそれぞれ2段に重ねて設けた点である。即ち、図5において、7Bは電極7の上に重ねて設けられた第2電極で、電極7と同じ材料で形成されている。
また、8Aはダミーパッド8の上に重ねて設けられた第2ダミーパッドで、これも電極7と同じ材料で形成されている。
このような構成とすることにより、レーザダイオードの実装時に、コレット20で吸着する際、コレット20の接触面22は第2電極7B及び第2ダミーパッド8Aの表面に接触し、活性領域2の表面の電極とは接触しない。
従って、活性領域2へのダメージを低減することができる。
【0015】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5を図にもとづいて説明する。図6は、実施の形態5の構成を示す概略図である。この図において、図2と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図2と異なる点は、実装装置であるコレット20の接触面22のうち、活性領域2に対応する部分を湾曲した凹形の面にして接触面22よりコレット内部側に後退させた点である。
このような構成とすることにより、コレット20によってレーザダイオードを吸着した際、コレット20の接触面22が活性領域2の表面の電極に接触しないため、活性領域2へのダメージを低減することができる。
【0016】
【発明の効果】
この発明に係るレーザダイオード装置は、レーザダイオードを構成する構造部と、上記構造部表面の所定位置に配設された一対の溝領域と、上記一対の溝領域内側に設けられた活性領域と、上記一対の溝領域外側の各々に設けられた側部領域と、上記活性領域の表面より一方の溝領域を越えて一方の側部領域に延在して設けられた電極と、他方の側部領域の表面に設けられたダミーパッドとを備えたものであるため、レーザダイオードの実装時におけるコレットと電極との接触面積が大となり、吸着力に対する応力が分散されるため、活性領域の受けるダメージが緩和される。
【0017】
この発明に係るレーザダイオード装置は、また、上記活性領域の電極表面が上記側部領域の表面より下側に位置するようにしたため、コレットによる吸着時に、コレットの接触面と活性領域及びその表面の電極とが接触することがなく、従って、活性領域へのダメージが低減されるものである。
【0018】
この発明に係るレーザダイオード装置は、また、上記電極またはダミーパッドを2段に重ねて設けたものであるため、コレットによる吸着時に、コレットの接触面は2段目の第2電極及び第2ダミーパッドと接触し、活性領域及びその表面の電極とは接触しないため、活性領域へのダメージが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示す概略図で、(b)はコレットで吸着しようとする状態を示す正面図、(a)はコレットを除いた状態での平面図を示す。
【図2】 この発明の実施の形態2の構成を示す概略図で、(b)は図1(b)と同様な状態を示す正面図、(a)は図1(a)と同様な状態での平面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3の構成を示す概略図で、(b)は図1(b)と同様な状態を示す正面図、(a)は図1(a)と同様な状態での平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3の別の構成を示す概略図で、(b)は図2(b)と同様な状態を示す正面図、(a)は図2(a)と同様な状態での平面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4の構成を示す概略図で、(b)は図4(b)と同様な状態を示す正面図、(a)は図4(a)と同様な状態での平面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5の構成を示す概略図である。
【図7】 従来のレーザダイオード装置の構成を示す概略図で、(b)はコレットで吸着しようとする状態を示す正面図、(a)はコレットを除いた状態での平面図を示す。
【符号の説明】
1 構造部、 2 活性領域、 3、4 溝領域、 5、6 側部領域、 7A 電極、 10 レーザダイオード本体、 20 コレット、 21 吸着孔、 22 接触面。
Claims (3)
- レーザダイオードを構成する構造部と、
上記構造部表面の所定位置に配設された一対の溝領域と、
上記一対の溝領域内側に設けられた活性領域と、
上記一対の溝領域外側の各々に設けられた側部領域と、
上記活性領域の表面より一方の溝領域を越えて一方の側部領域に延在して設けられた電極と、
他方の側部領域の表面に設けられたダミーパッドとを備えたレーザダイオード装置。 - 上記活性領域の電極表面が上記側部領域の表面より下側に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード装置。
- 上記電極またはダミーパッドを2段に重ねて設けたことを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード装置。
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