JP4094269B2 - 液体供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗トイレの貯水タンク等に適用可能で、貯水タンクに貯める水等に水溶性物質を混合する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水洗トイレの貯水タンク内の水に、芳香成分等を供給する液体供給装置として、貯水タンクの蓋上面の水受け部に配置されて使用される、所謂オンタンク式の液体供給装置が提案されている。水受け部には、貯水タンクの内部空間に連通した注水孔が設けられており、通常、液体供給装置はその注水孔の略上に配置される。こうして、手洗い用の水を放水する放水管からの水が、液体供給装置を利用できるようにする。
液体供給装置は、放水管からの水に、芳香洗浄剤や染料を混合する。
【0003】
他方、染料等の水溶性物質が含有されてなる固体と、放水管からの水とが接することで、その水に染料等を混合する水溶性物質供給装置がある。
【0004】
上記の液体供給装置や水溶性物質供給装置を、トイレの貯水タンクの水受け部に配置しておくと、フラッシングの際に貯水タンクから、濃い青色等に着色された水を便器に流すことができ、ユーザーに清潔感を与えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液体供給装置や水溶性物質供給装置には、長期間にわたって、安定した効果が得られるようにすることが求められていた。すなわち、長期間にわたって濃い色に着色された水を貯水タンクに供給すること等が求められていた。
【0006】
ところで、最近、主にデザイン性向上を目的として、各種装置の筐体が透明化、即ちスケルトン化されてきている。このようなデザインがユーザーに好まれる傾向がある。
そこで、液体供給装置の液体収容部を透明化することが考えられる。しかし、液体収容部内に収容される液体製剤は、上述のように長期間にわたって適度に着色された水を貯水タンクに供給しようとすると、かなり濃い色(黒色に近い)になってしまう。このため、液体収容部を透明化すると、中の濃い色の液体製剤が目視されるようになり、かえって装置の外観が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、長期間にわたって効果を発揮できる液体供給装置及び水溶性物質供給装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1)貯水タンクの上面に設けられた水受け部に放水される流水に、有効成分を含有する液体製剤を供給する液体供給装置であって、
前記液体製剤を収容した透明ないし半透明な液体収容部と、
固体ないし半固体の色素徐放体を有し、色素を前記流水に徐放することにより前記流水を着色する着色手段とを備え、
前記着色手段が前記液体収容部外に配置されることを特徴とする液体供給装置。
(2)貯水タンクの上面に設けられた水受け部に放水される流水に、有効成分を含有する液体製剤を供給する液体供給装置であって、
前記液体製剤を収容した透明ないし半透明な液体収容部と、
固体ないし半固体の色素徐放体を有し、色素を前記流水に徐放することにより前記流水を着色する着色手段とを備え、
前記液体収容部には凹部が形成されており、
前記着色手段が前記凹部内に配置されることを特徴とする液体供給装置。
(3)前記着色手段は、前記色素徐放体と該色素徐放体を収容する容器とからなり、前記容器には、前記水を前記色素徐放体へと導く案内部が設けられたことを特徴とする上記(1)に記載の液体供給装置。
(4)前記液体収容部を支持する支持部をさらに備え、前記着色手段が、前記支持部外に分離されて配置されることを特徴とする上記(1)に記載の液体供給装置。
(5)前記着色手段が、前記液体収容部の上面視における外周形状の外側に配置された上記(4)に記載の液体供給装置。
(6)前記着色手段が、前記液体収容部の上面視における外周形状の内側に配置された上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体供給装置。
(7)一端が前記液体収容部内に突出するとともに他端が前記液体収容部の外部へ突出し、中栓を貫通する中空形状の液体伝達部材と、
該液体伝達部材と該中栓との嵌合箇所に設けられた溝を伝って流出する液体製剤が供給される保持担体とをさらに備えることを特徴とする上記(1)〜(3)、(6)のいずれかに記載の液体供給装置。
(8)前記着色手段が、前記液体収容部の上面視における外周形状の内側に配置された上記(7)に記載の液体供給装置。
(9)前記色素として、水溶性色素が用いられた上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液体供給装置。
(10)前記液体収容部が、前記水受け部に放水する放水管からの水を直接当てられる球面部を備えた上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液体供給装置。
(11)前記色素徐放体が、常温で非水溶性及び/又は徐溶性の基材に色素が混合されてなり、前記基材の融点又は軟化点が40〜150℃であり、前記色素の配合量が前記色素徐放体の全量に対して80重量%以下であることを特徴とする、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液体供給装置。
(12)前記基材が、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種からなる非水溶性の基材である上記(11)に記載の液体供給装置。
(13)前記基材が、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)・ポリ(オキシプロピレン)共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる徐溶性の基材である上記(12)に記載の液体供給装置。
(14)前記色素徐放体に、溶解速度調整剤が混合された上記(10)〜(13)のいずれかに記載の液体供給装置。
(15)前記液体収容部の形成材料に紫外線吸収剤を添加したことを特徴とする、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の液体供給装置。
【0009】
前記(1)、(2)の構成において、薬剤としては、色素の他に、キレート剤、抗菌剤、消臭剤、コート剤(洗浄剤や漂白剤)等を例示できる。液体製剤に難溶あるいは処方上導入困難な薬剤を例示できる。
前記(3)の構成によれば、液体収容部内の液体製剤とは別個の徐放手段を備えており、この徐放手段によって、例えば長期間にわたって着色度合いが目視できる適度な色に着色された水を貯水タンクに供給できる。一方、液体収容部内の液体製剤の色は、透明度の高い色にすることができる。これにより、液体収容部を透明化しても外観が低下することがなくなり、液体収容部の透明化、ひいては液体供給装置の商品性向上が可能となる。さらに、液体収容部が透明化されているので、液体製剤Lの量を目視しやすく、ユーザーにとっての使い勝手が良い。徐放手段の形態は限定されず、保持媒体に染料(色素)等を含有してなる固体ないし半固体(ゲル状、ゾル状)の染料徐放体を用いてもよいし、液状の染料(色素水溶液の濃縮液)等を開口を有する容器内に収容したものを用いてもよい。固体ないし半固体の染料徐放体としては、界面活性剤と色素とを固めたもの、安息香酸のような難溶性の物質と色素とを固めたもの、水に不溶な樹脂に色素を練り込んだもの等を例示できる。
前記(4)の構成によれば、透明化された液体収容部の球面部に放水管からの水を当てることで、水はねの抑制と、デザイン性の一層の向上とを図ることができる。なお、球面部の表面及び/又は裏面には、凹凸が設けられてもよい。液体収容部のクリア感のある透明な球面部に、複数の凹部等が設けられると、凹部の箇所で光の透過率が変わったりして、凹部が模様としても機能する。凹部としては、例えばディンプル状のものや、溝状のもの等、水はね抑制効果が高いものを採用できる。
上記(1)〜(7)における液体製剤としては、例えば、各種界面活性剤及び増粘剤、香料、溶剤(水)、着色剤等を含むものを採用でき、更に洗浄、防汚、漂白、撥水、撥油、芳香、消臭、徐菌、防黴、殺菌、忌避、防虫、殺虫等の成分を配合することができる。液体製剤は、液体ボトルから流出するものであればよく、ゲル状、ジェル状、ゾル状のものでもよい。
前記(8)〜(11)の構成によれば、長期間(例えば1ヶ月間)にわたって、水溶性物質が混合された水を貯水タンクに供給することができる。水溶性物質としては、例えば染料を用いることができるが、その他に、芳香洗浄剤、抗菌剤、防汚剤、漂白剤、撥水剤、撥油剤、芳香剤、消臭剤、徐菌剤、防黴剤、殺菌剤、忌避剤、防虫剤、殺虫剤等を用いることができる。水溶性物質徐放体には、更に、抗菌剤、キレート剤、シリコーン系やフッ素系などの撥水コート剤、香料などを添加することが可能である。
溶解速度調整剤としては、非イオン系界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)を例示できる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルアルコール、ポリオキシエチレン−2−デシルテトラデシルアルコール等のポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル、ポリオキシエチレン−オレイルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンモノオレエ−ト、ソルビタンモノイソステアレ−ト、ソルビタンモノラウレ−ト等のソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノウラレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノオレエート、ポリオキシエチレングリセリルモノミリステート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジヒドロコレステロールエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油イソステアレート等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレングリコールプロピレングリコールブロックポリマー、グリセリルイソステアリルエーテル、グリセリルミリスチルエーテル等のグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン−グリセリルイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルミリスチルエーテル等のポリオキシエチレングリセリルエーテル、ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルベンタンイソステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記(13)の構成において、液体組成物としては、上記液体製剤と同様なものを用いることができるが、例えば、担体に洗浄剤、芳香剤、殺菌剤、界面活性剤、色素、増粘剤、キレート剤、コート剤(撥水剤、撥油剤)、水等の溶媒などを配合して製造し得る。流水着色剤組成物としては、上記染料徐放体と同様なものを用いることができるが、例えば、担体に1.25〜5gの色素を配合して製造し得る。担体としては、液体若しくは固体、ゲルなど実施に支障のないものを採用できる。色素としては、水溶性色素など実施に支障のないものを採用できる。この場合、つめかえ用などとして、液体組成物及び流水着色剤組成物だけを別々に包装したものをセット販売することができる。セット販売により、液体供給装置及び水溶性物質供給装置を繰り返し使用でき、資源を有効利用することができる。また、液体供給装置及び水溶性物質供給装置だけの、内容物を抜いたものを製造販売、輸出することもでき、付随商品として別途これら装置用の液体組成物及び流水着色剤組成物を製造販売、輸出する場合も考えられる。装置は製造できても、充填設備がない企業があるからである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1に示す第1実施形態の液体供給装置10は、水洗トイレ用貯水タンクの上面(蓋)に形成された凹状の水受け部191に設置されて使用される。水受け部191には、貯水タンク内に連通した注水孔192が設けられている。
【0011】
液体供給装置10は、芳香洗浄剤を含む液体製剤Lを収容した液体収容部11と、液体収容部11を支持する有底円筒状の支持部15とを備えている。液体収容部11は、支持部15にセットした状態における上部が中空半球状(球面部12)になっており、下部が上部より小径の円筒状になっている。液体収容部11の下部は、支持部15内に収まっている。液体収容部11の最下部には開口が設けられている。その開口は、プラスチックやゴム等の弾性体からなる中栓17によって塞がれている。中栓17にかえて、後述する保持担体18に栓機能を持たせてもよい。また、開口を出来るだけ小さくして液体収容部11を先細りにする等、実施を妨げない程度に変形させてもよい。
【0012】
液体収容部11は、透明化されている。液体収容部11は、透明ないし半透明な樹脂やガラスから構成できる。液体製剤Lは、水受け部191に放水される水を実質的に着色する機能は有しておらず、この液体製剤Lの透明度は高い。水受け部191に放水される水を実質的に着色する機能は、後述する着色手段25が担っている。
言い換えれば、液体供給装置10は、液体組成物と流水着色剤組成物からなる、二剤型のトイレ芳香洗浄剤を備えている。
液体収容部11の成形材料に、紫外線吸収剤を添加しておくことは好ましい。こうすれば、液体製剤Lに色素が含まれる場合、紫外線による液体収容部11内の液体製剤L中の色素への影響、ひいては製剤の色調に変化が与えられるのを防ぐことができる。紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の公知のものを例示できる。紫外線吸収剤(例えばチパ・ガイギー社製「チヌピン」)の、液体収容部11の樹脂成形材料(例えばポリエチレンテレフタレート)への添加量は、0.05〜0.1重量%とするのが好ましい。この範囲ならば、十分な紫外線吸収効果を奏しつつ、液体収容部11の透明性及び見栄えを保つことができる。
【0013】
支持部15は、底壁15aと周壁15bとを有している。周壁15bの下部には、周方向に間隔をあけて複数の通水口16bが設けられている。底壁15aにも、複数の通水口16aが設けられている。底壁15aの上面には、通水口16aを塞ぐように拡散材18bが敷かれ、更に拡散材18bの上面には貯留材18aが敷かれている。これら拡散材18bと貯留材18aとにより、保持担体18が構成されている。つまり、この保持担体18は二重構造である。
【0014】
保持担体18の上面(ここでは拡散材18bの上面)には、着色手段25が設けられている。この着色手段25は、側壁に、案内部としての開口26aを有する容器26内に、固体ないし半固体の染料徐放体27を充填した構成である。容器26は底壁を有しておらず、染料徐放体27は、その底面が拡散材18bの上面に露呈している。
着色手段25は、支持部15内に収納されており、外観視において着色手段25は見えない。着色手段25は、液体収容部11の上面視における外周形状(ここでは円形状)の内側に配置されている。
【0015】
支持部15の底壁15aの中央部上面には、上方へ立ち上がって中栓17を貫通した、中空柱状(ここでは円筒状)の液体伝達部材20が設けられている。液体伝達部材20の上端は、液体収容部11内の液体製剤Lの液面より突出している。液体伝達部材20の下端は、その外周面が保持担体18に接している。
一方、底壁15aの中央部下面には、水受け部191の注水孔192に挿通されて、液体供給装置10を水受け部191上で位置決めするための、位置決め部材19が設けられている。
【0016】
液体伝達部材20の内部は連通路21になっている。連通路21の上端は、液体製剤Lの液面より上方の、液体収容部11の内部空間に開口し、連通路21の下端は、底壁15aに設けられた中央開口を介して支持部15の外部へと連通している。
【0017】
手洗い用の水が水受け部191に供給されると、水は、周壁15bの通水口16bを通り、更に容器26の開口26aを通って、染料徐放体27に触れる。染料徐放体27に触れて着色された水は、次に拡散材18bに伝わる。拡散材18bには、液体製剤Lが含浸されており、その含浸された液体製剤が、拡散材18bに伝わった水に混合される。拡散材18bには、貯留材18aから、液体製剤Lが順次供給される。貯留材18aには、液体収容部11から液体伝達部材20を介して、液体製剤Lが順次供給される。
拡散材18bを経由した水は、支持部15の底壁15aの開口16aを通って排出され、貯水タンクの注水孔192へと流れていく。
【0018】
以上のような構成の液体供給装置10によれば、着色手段25によって、長期間にわたって着色度合いが視認できる適度な色に着色された水を貯水タンクに供給できる。一方、液体収容部11内の液体製剤Lの色は透明度の高い色になっているので、液体製剤Lによって透明な液体収容部11の外観が低下することがない。さらに、液体収容部11が透明化されているので、液体製剤Lの残量を目視しやすく、ユーザーにとっての使い勝手が良い。
【0019】
上記の実施形態は、適宜な変形が可能である。例えば、着色手段25の側壁の開口26aは、スリット状でもよい。
着色手段25の側壁の開口26aは設けなくてもよく、この場合、染料徐放体27から色素が拡散材18bに伝わり、通水口16bから流入した水には、拡散材18bから、色素と液体製剤Lとが混合される。
例えば、着色手段25として、密閉容器内に液状の染料(色素水溶液の濃縮液)を収容したものを用い、液体供給装置10の使用時に、液状の染料を流出させる流出口を密閉容器に形成するようにしてもよい。
例えば、液体収容部11内に芳香洗浄剤等の有効成分を含有した固体ないし半固体のものを収容しておき、液体供給装置10の使用時に、液体収容部11内に水等の液体を注入してもよい。
【0020】
図2に示すように、着色手段25’の側壁に開口は設けずに、案内部として、側壁の内面下部に上下方向に延びる複数のリブ26a’を設けてもよい。この場合、リブ26a’の間を伝って、水が染料徐放体27へと導かれる。また、リブ26a’は、染料徐放体27を支持して染料徐放体27が落ちるのを防止している。
なお、リブ26a’に代えて、ローレット状の溝等を設けてもよい。
【0021】
図3に、本発明の第2実施形態を示す。なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図3に示す液体供給装置30は、第1実施形態とは液体収容部の形態が異なるもので、その他の構成は概ね第1実施形態と同様である。液体供給装置30は、透明ないし半透明の液体収容部31の球面部32に、規則性をもって配列された複数の凹部(ディンプル)32aが設けられている。
このような液体収容部31は、透明PET(ポリエチレンテレフタレート)、透明PP(ポリプロピレン)、透明PS(ポリスチレン)、集光性樹脂等を、適宜な成形方法によって成形することで得られる。また、ガラスから成形することもできる。
【0022】
この液体供給装置30は、使用に際して、液体収容部31の球面部32を、例えば放水管先端の鉛直下方に配置することができる。放水管が斜め下方に放水するタイプであるときは、液体収容部31の球面部32を放水管先端の斜め下方に配置することができる。放水管から放水された水は、液体収容部31の球面部32に直接当たる。このとき、球面部32に設けられた凹部32aが、水はねを抑制する。
また、この液体供給装置30は、透明化されてクリア感のある液体収容部31の、球面部32に設けた凹部32aが模様のように見えるため、デザイン性が高い。
【0023】
図4に、本発明の第3実施形態を示す。この液体供給装置40は、第2実施形態とは液体収容部に設けられた凹部の形態が異なるもので、その他の構成は概ね第2実施形態と同様である。液体供給装置40は、透明ないし半透明の液体収容部41の球面部42に、規則性をもって配列された複数の溝42aが設けられている。これら溝42aによって、球面部42が、あたかもダイヤモンド等の宝石のような外観を呈する。
本実施形態でも、第2実施形態と同様な水はね抑制効果を得ることができる。
【0024】
図5に、本発明の第4実施形態を示す。この液体供給装置50は、界面活性剤を含む液体製剤Lを収容した液体収容部51と、液体収容部51を支持する有底円筒状の支持部55と、支持部55の底壁55aから上方へ立ち上がって中栓57を貫通した液体伝達部材20とを備えている。液体伝達部材20の、中栓57に嵌合する箇所には、軸方向に延びる複数の溝(液体伝達路)22が設けられている。液体収容部51内の液体製剤Lは、溝22を伝って流出する。このような溝22は、上述の第1〜第3実施形態に用いられていた液体伝達部材20にも設けられている。
【0025】
液体伝達部材20の溝22を伝って流出した液体製剤Lは、着色手段65に供給される。本実施形態における着色手段65は、液体伝達部材20の周り、かつ中栓57と保持担体58との間に配設された容器66と、容器66内に収容された染料徐放体67とを有している。容器66の上壁には開口66aが設けられており、この開口66aを通じて、液体伝達部材20の溝22を伝ってきた液体製剤Lが染料徐放体67に供給される。容器66は底壁を有しておらず、染料徐放体67は、その底面が保持担体58の上面に露呈している。着色手段65は、支持部65内に収納されており、外観視において着色手段65は見えない。
【0026】
染料徐放体67としては、オイルと色素とからなる組成物が用いられている。ここで、オイルとは、非水溶性で、液体製剤L中の界面活性剤により徐溶化又は分散するものを意味する。染料徐放体67は、固体ないし半固体(ゲル状、ゾル状)にすることが好ましいが、液体でもよい。オイルとしては、種々のものを採用できるが、パラフィン(ノルマルパラフィン、イソパラフィン等)、脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル等)、ワックス類(カルナバロウ、ミツロウ等)を挙げることができ、これらを適当なゲル化剤により固化したものでもよい。
【0027】
液体伝達部材20の溝22を伝ってきた液体製剤Lが染料徐放体67に供給されると、液体製剤L中の界面活性剤の作用により、染料徐放体67中の水溶性色素が溶出する。その水溶性色素と液体製剤Lとが、保持担体58に供給される。
【0028】
図6に、本発明の第5実施形態を示す。この液体供給装置70は、液体製剤Lを収容した液体収容部71と、液体収容部71を支持する有底円筒状の支持部75と、支持部75の底壁75aから上方へ立ち上がって中栓77を貫通した中空柱状の液体伝達部材20とを備えている。液体伝達部材20の上端は、液体収容部71内の液体製剤Lの液面より突出している。液体伝達部材20の下端は、その外周面が保持担体78に接している。
一方、底壁75aの中央部下面には、水受け部191の注水孔192に挿通されて、液体供給装置70を水受け部191上で位置決めするための、位置決め部材79が設けられている。
【0029】
液体伝達部材20の内部は連通路21になっている。連通路21の上端は、液体製剤Lの液面より上方の、液体収容部71の内部空間に開口し、連通路21の下端は、底壁75aに設けられた中央開口を介して支持部75の外部へと連通している。
本実施形態では、棒状の染料徐放体27の上端が、底壁75aに設けられた中央開口を通じて、液体伝達部材20の連通路21に配置されている。すなわち、液体伝達部材20の連通路21を、染料徐放体27を収容するためのスペースとして活用している。染料徐放体27の下端は、位置決め部材79に設けられた支持リブ79aによって支持されている。位置決め部材79には、水の出入りを許容するスリット等の通水口が設けられている。
本実施形態によれば、染料徐放体27の収容スペースを別個に確保しなくて済むので、液体供給装置70の小型化を図れる。
【0030】
上記の実施形態は、適宜な変形が可能である。例えば、図7に示すように、液体収容部71の下部の開口を、破断可能なシール部材73で塞いでおき、中栓77は支持部75内で液体伝達部材20に外嵌させておくこともできる。液体伝達部材20の内部に染料徐放体27が収容されている。図7に示す状態から、液体収容部71を下方へ移動させて、先端が鋭利な形状の液体伝達部材20によりシール部材73を破断し、更に液体収容部71を下方へ移動させていくことで、液体収容部71の下部の開口に、中栓77を嵌合させることができる。
図7に示したように、液体収容部71が支持部75に装着されていない状態の液体供給装置70も、本発明に含まれる。
【0031】
図8に、本発明の第6実施形態を示す。この液体供給装置80は、液体製剤Lを収容した液体収容部81と、液体収容部81を支持する有底円筒状の支持部85と、支持部85の底壁85aから上方へ立ち上がって中栓87を貫通した中空柱状の液体伝達部材20とを備えている。液体伝達部材20の上端は、液体収容部81内の液体製剤Lの液面より突出している。液体伝達部材20の下端は、その外周面が保持担体88に接している。
一方、底壁85aの中央部下面には、水受け部191の注水孔192に挿通されて、液体供給装置10を水受け部191上で位置決めするための、位置決め部材89が設けられている。
【0032】
本実施形態では、位置決め部材89が有底円筒状に形成されており、位置決め部材89内に染料徐放体27が収容されている。位置決め部材89には、水の出入りを許容するスリット等の通水口89aが設けられている。
【0033】
図9に、本発明の第7実施形態を示す。この液体供給装置90では、液体製剤Lを収容した液体収容部91に、着色手段の容器94が取り付けられている。この容器94は、中栓として機能している円筒部94aと、円筒部94aの一端側に放射状に(リング状に)設けられて染料徐放体27を収容した外周部94bとを備えている。着色手段の容器94の円筒部94a内に、支持部95の底壁95aから上方へ立ち上がった中空柱状の液体伝達部材20が挿通される。液体伝達部材20の鋭利な先端によって、円筒部94aの奥の天壁94cを押し破り、液体伝達部材20の上端を、液体収容部91内の液体製剤Lの液面より突出させることができる。液体伝達部材20の下端は、その外周面が、支持部95内に配された保持担体98に接している。着色手段の容器94の外周部94bは、底壁を有しておらず、染料徐放体27の下面が露呈している。上記のようにして液体収容部91を支持部95に装着した際には、染料徐放体27の下面が、保持担体98の上面に接する。
図9に示したように、液体収容部91が支持部95に装着されていない状態の液体供給装置90も、本発明に含まれる。
【0034】
上記の実施形態は、適宜な変形が可能である。例えば、図10に示すように、液体収容部91の下部に、外周部92aを設けてもよい。すなわち、液体収容部91に、染料徐放体27を収容する機能を持たせてもよい。ここでは、別体の中栓97により、液体収容部91の開口を塞いでいる。液体伝達部材20の鋭利な先端によって、中栓97の奥の天壁97cを押し破り、液体伝達部材20の上端を、液体収容部91内の液体製剤Lの液面より突出させることができる。
【0035】
図11に、本発明の第8実施形態を示す。この液体供給装置100は、液体製剤を収容した液体収容部101と、液体収容部101を支持する有底円筒状の支持部105とを有する本体と、本体とは別個の着色手段115とを備えている。本実施形態においては、本体は、放水管93の下方の水受け部191に配置され、着色手段115は、本体が配置された箇所から離れて位置する注水孔192に装着される。着色手段115は、液体収容部101の上面視における外周形状の外側に配置されている。ここでは、支持部105の上面視における外周形状の外側に着色手段115が配置されている。
着色手段115の形態は特に限定されないが、例えば、フランジを有する有底円筒状の容器116内に染料徐放体27を収容した構成とすることができる。容器116の底壁には通水口116aを設けることができる。着色手段115は、本体とは別個に流通・販売することもできる。
図示しないが、着色手段が、液体収容部の上面視における外周形状の内側と外側とに跨って配置される場合も考えられる。このような場合、本明細書では、着色手段が液体収容部の上面視における外周形状の外側に配置されたものとする。
【0036】
図12は、本発明の第9実施形態の上面図である。この液体供給装置120は、液体製剤を収容した液体収容部121と、液体収容部121を支持する有底楕円筒状の支持部125と、支持部125内に配置された着色手段145とを備えている。
本実施形態では、液体収容部121の球面部122が、上面視において一部切り欠かれた形状になっており、その切り欠かれた部分に着色手段145が配設されている。
このように、液体収容部121の内部に着色手段(徐放手段)を配設することで、液体供給装置120の小型化を図れる。
【0037】
図13は、本発明の第10実施形態の概略断面図である。この液体供給装置130は、液体製剤を収容した液体収容部131と、液体収容部131を支持する有底楕円筒状の支持部135と、支持部135内に配置された着色手段145とを備えている。
本実施形態では、液体収容部131が、断面視において下側からくり抜かれた形状になっており、そのくり抜かれた部分に着色手段145が配設されている。本実施形態のように、液体製剤Lを保持担体138に向けて滴下するために下面に流出口133を設けたような液体収容部131を採用することもできる。
【0038】
図14は、本発明の第11実施形態の概略断面図である。本実施形態は、液体収容部171からの液体製剤Lを受ける保持担体180が、着色手段としても機能するものである。すなわち、保持担体180は、不織布シートや樹脂プレートからなる表面に多数の孔をあけておき、その内部に染料徐放体を収容している。なお、1ケ月用の流水着色剤であれば、5〜10gの製剤中に色素を1.25〜5g含有し、流水との接触面積を考えて、孔の大きさ・数を決めることができる。
注水孔192へ向かう流水には、液体製剤Lと、染料徐放体からの色素とが混合される。
染料徐放体を保持担体180内に収容する代わりに、固体ないし半固体の、あめ玉のような染料徐放体を液体収容部11内に入れておき、色素を徐々に溶かし出すように構成することも可能である。
【0039】
前記した第1〜第3実施形態、第5〜第8実施形態の染料徐放体27(図1参照)として、以下に述べるような水溶性物質徐放体を用いることもできる。
【0040】
図15は、本発明の第12実施形態である水溶性物質供給装置150の概略断面図である。水溶性物質供給装置150は、皿状の支持部155と、水溶性物質徐放体160を保持した蓋体151とを備えている。蓋体151の側壁には通水口156bが設けられ、支持部155の中央には通水口156aが設けられている。通水口156bや通水口156aを通水シートで塞いでもよく、こうすれば、水溶性物質徐放体160の塊がそれら通水口156a,156bから出ることを防止できる。支持部155の下面には、位置決め部材159が設けられている。蓋体151は、リング状(ドーナツ状)の水溶性物質徐放体(染料徐放体)160を保持できるようになっている。
【0041】
水溶性物質徐放体160は、常温で固体であって水に不溶ないし難溶な保持媒体(基材)に、水溶性物質が混合されてなる。保持媒体の融点は40〜150℃であり、水溶性物質の配合量は水溶性物質徐放体160の全量に対して80重量%以下、より好ましくは5〜70重量%に設定されている。
保持媒体としては合成樹脂を使用できる。例えば、染料、芳香洗浄剤等の水溶性物質と保持媒体とを混合、加熱溶融、冷却固化して、水溶性物質徐放体160を得ることができる。或いは、染料、芳香洗浄剤等の水溶性物質と保持媒体とを混合、打錠して、水溶性物質徐放体160を得ることができる。
保持媒体としての樹脂は、水溶性物質の熱に対する安定性や、夏期の高温時の保形性を考慮して、融点が40〜150℃のものから選定される。
【0042】
水溶性物質徐放体160の形態は、上記のものに限定されない。例えば、不織布等の通水性パック内に、多数の粒状の水溶性物質徐放体が収納されてなるものを採用してもよい。
【0043】
保持媒体としての樹脂を、ポリエチレン(PE)樹脂、高級直鎖飽和アルコール樹脂、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂、ポリエチレンオキサイドの中から選定することを試みた。先ず、2種類の染料(青色1号と赤色106号とを混合してなる紫色色素、青色1号と黄色4号とを混合してなる緑色色素)を用意した。それぞれの染料を50重量%、各樹脂に混合し、図15に示したように、水受け部191上に置かれた水溶性物質供給装置150の蓋体151に各樹脂を充填し、フラッシング(放水管93からの放水)を多数回繰り返した。
すると、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂を用いたものと、高級直鎖飽和アルコール樹脂を用いたものとが、長期間にわたって水を所定濃度に着色した。PE樹脂を用いたものは、初期に多量の染料を放出してしまったが、ワセリンを40重量%以下添加することにより、適宜調節が可能であった。
【0044】
図16に、保持媒体としてポリオレフィン系のホットメルトを用いたときの、フラッシング試験の結果を示す。図16の縦軸は、便器に供給される水の吸光度を示す。図16におけるAは、全量6gの染料徐放体として、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂に、青色1号と赤色106号とを混合してなる紫色色素を50重量%、界面活性剤を5重量%混合したときの結果を示す。図16におけるBは、全量6gの染料徐放体として、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂に、青色1号と黄色4号とを混合してなる緑色色素を50重量%、界面活性剤を5重量%混合したときの結果を示す。フラッシングは30分毎に行った。
図16のAが示すように、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂に紫色色素を混合したものは、600回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。図16のBが示すように、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂に緑色色素を混合したものは、300回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
【0045】
図17に、保持媒体として高級直鎖飽和アルコール樹脂を用いたときの、フラッシング試験の結果を示す。図17におけるAは、全量9gの染料徐放体として、高級直鎖飽和アルコール樹脂に、青色1号と赤色106号とを混合してなる紫色色素を50重量%混合したときの結果を示し、図17におけるBは、全量9gの染料徐放体として、高級直鎖飽和アルコール樹脂に、青色1号と黄色4号とを混合してなる緑色色素を50重量%混合したときの結果を示す。フラッシングは1時間毎に行った。
図17のAが示すように、高級直鎖飽和アルコール樹脂に紫色色素を混合したものは、300回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
図17のBが示すように、高級直鎖飽和アルコール樹脂に緑色色素を混合したものは、300回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
【0046】
更に、以下のような処方の4種類の水溶性物質徐放体(例1〜例4)を用意した。
<例1:全量6gの青色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 3g
非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル)0.06g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 1.46g
高級アルコール(賦形剤) 1.47g
<例2:全量6gの緑色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 1.25g
黄色色素(黄色4号) 1.75g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 1.8g
高級アルコール(賦形剤) 1.19g
<例3:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 2g
赤色色素(赤色106号) 1g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 1.8g
高級アルコール(賦形剤) 1.19g
<例4:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 1.2g
赤色色素(赤色106号) 0.6g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 0.29g
ポリエチレングリコール(賦形剤) 3.9g
なお、例1〜例3は非水溶性の基材に色素を混合したもの(抽出タイプ)であり、例4は徐溶性の基材に色素を混合したもの(溶解タイプ)である。
【0047】
例1、例2及び例4について、上記と同様なフラッシング試験を行った。結果を図18に示す。図18からわかるように、例1、例2及び例4は、400回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
【0048】
ところで、例2、例3及び例4は、2種類の色素を混合されたものであるが、紫の抽出タイプである例3では、赤色色素が青色色素に比べて水に抽出される速度が低く、例3においてはフラッシング初期に青色が強く、その後赤色が強くなることがわかった。一方、例4のように、紫の溶解タイプでは、フラッシング後期まで安定した紫色の流水色を得ることができた。
図19のグラフにこのことを示す。同グラフにおいて、縦軸は、R/Bバランス(=(吸光度564nm/吸光度629nm)×100)、Y/Bバランス(=(吸光度427nm/吸光度629nm)×100)を示す。例2、例4に比べて、例3は、早期に2色素の流出バランスが崩れている。
【0049】
更に、以下のような処方の、4種類の溶解タイプの水溶性物質徐放体(例5〜例8)を用意し、上記と同様なフラッシング試験を行った。
<例5:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 0.9g
赤色色素(赤色106号) 0.6g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ポリエチレングリコール(賦形剤) 4.5g
<例6:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 0.9g
赤色色素(赤色106号) 0.6g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル)1.2g
ポリエチレングリコール(賦形剤) 3.3g
<例7:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 0.9g
赤色色素(赤色106号) 0.6g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
非イオン系界面活性剤(脂肪酸モノグリセライド)0.29g
ポリエチレングリコール(賦形剤) 4.2g
<例8:全量6gの紫色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 0.9g
赤色色素(赤色106号) 0.6g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
非イオン系界面活性剤(脂肪酸モノグリセライド)0.59g
ポリエチレングリコール(賦形剤) 3.9g
【0050】
結果を図20に示す。図20の例5及び例6の結果からわかるように、非イオン系界面活性剤を加えることで、溶解速度を調整することができる(遅くすることができる)。すなわち、例5では、250回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮したのに対し、例6では、350回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
更に、非イオン経界面活性剤として脂肪酸モノグリセライドを用いた例7及び例8では、500回のフラッシングに対して十分な着色効果を発揮した。
なお、250回のフラッシングに対して着色効果が得られれば、一般的な要求は満足される。
【0051】
なお、本発明の水溶性物質徐放体の形態は、上記例1〜例8に限定されるものはない。例えば、徐菌剤や色素を除いた以下の処方も、水溶性物質徐放体として使用し得る。
<例9:全量6gの青色色素徐放体>
青色色素(青色1号) 3g
非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル)0.06g
キレート剤(エデト酸塩) 0.012g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 1.46g
高級アルコール(賦形剤) 1.47g
<例10:全量3gの薬剤徐放体>
非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル)0.06g
除菌剤(塩化ベンザルコニウム) 0.006g
キレート剤(エデト酸塩) 0.006g
ホットメルト樹脂(賦形剤) 1.46g
高級アルコール(賦形剤) 1.47g
【0052】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
また、上記実施形態を適宜組み合わせることで、一層顕著な効果を発揮できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、長期間にわたって効果を発揮できる液体供給装置及び水溶性物質供給装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略半断面図である。
【図2】第1実施形態の変形例を示す概略半断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す概略側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す概略側面図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す概略側面図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す概略側面図である。
【図7】第5実施形態の変形例を示す概略分解側面図である。
【図8】本発明の第6実施形態を示す概略側面図である。
【図9】本発明の第7実施形態を示す概略側面図である。
【図10】第7実施形態の変形例を示す概略側面図である。
【図11】本発明の第8実施形態を示す概略側面図である。
【図12】本発明の第9実施形態を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第10実施形態を示す概略断面図である。
【図14】本発明の第11実施形態を示す概略断面図である。
【図15】本発明の第12実施形態を示す概略断面図である。
【図16】第12実施形態に係る着色効果の試験結果を示すグラフである。
【図17】第12実施形態に係る着色効果の試験結果を示すグラフである。
【図18】第12実施形態に係る着色効果の試験結果を示すグラフである。
【図19】第12実施形態に係る着色効果の試験結果を示すグラフである。
【図20】第12実施形態に係る着色効果の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10,30,40、50,70,80,90,100,
120,130 液体供給装置
11,31,41,51,71,81,91,101,
121,131 液体収容部
12,32,42 球面部
25,65,115,145 着色手段(徐放手段)
18,58,78,88,98,138 保持担体
27,67 染料徐放体
L 液体製剤
150 水溶性物質供給装置
160 水溶性物質徐放体

Claims (15)

  1. 貯水タンクの上面に設けられた水受け部に放水される流水に、有効成分を含有する液体製剤を供給する液体供給装置であって、
    前記液体製剤を収容した透明ないし半透明な液体収容部と、
    固体ないし半固体の色素徐放体を有し、色素を前記流水に徐放することにより前記流水を着色する着色手段とを備え、
    前記着色手段が前記液体収容部外に配置されることを特徴とする液体供給装置。
  2. 貯水タンクの上面に設けられた水受け部に放水される流水に、有効成分を含有する液体製剤を供給する液体供給装置であって、
    前記液体製剤を収容した透明ないし半透明な液体収容部と、
    固体ないし半固体の色素徐放体を有し、色素を前記流水に徐放することにより前記流水を着色する着色手段とを備え、
    前記液体収容部には凹部が形成されており、
    前記着色手段が前記凹部内に配置されることを特徴とする液体供給装置。
  3. 前記着色手段は、前記色素徐放体と該色素徐放体を収容する容器とからなり、前記容器には、前記水を前記色素徐放体へと導く案内部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
  4. 前記液体収容部を支持する支持部をさらに備え、前記着色手段が、前記支持部外に分離されて配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
  5. 前記着色手段が、前記液体収容部の上面視における外周形状の外側に配置された請求項に記載の液体供給装置。
  6. 前記着色手段が、前記液体収容部の上面視における外周形状の内側に配置された請求項1〜3のいずれかに記載の液体供給装置。
  7. 一端が前記液体収容部内に突出するとともに他端が前記液体収容部の外部へ突出し、中栓を貫通する中空形状の液体伝達部材と、
    該液体伝達部材と該中栓との嵌合箇所に設けられた溝を伝って流出する液体製剤が供給される保持担体とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3、6のいずれかに記載の液体供給装置。
  8. 前記液体伝達部材の内部に前記着色手段が配置された請求項に記載の液体供給装置。
  9. 前記色素として、水溶性色素が用いられた請求項1〜のいずれかに記載の液体供給装置。
  10. 前記液体収容部が、前記水受け部に放水する放水管からの水を直接当てられる球面部を備えた請求項1〜のいずれかに記載の液体供給装置。
  11. 前記色素徐放体が、常温で非水溶性及び/又は徐溶性の基材に色素が混合されてなり、前記基材の融点又は軟化点が40〜150℃であり、前記色素の配合量が前記色素徐放体の全量に対して80重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の液体供給装置。
  12. 前記基材が、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種からなる非水溶性の基材である請求項11に記載の液体供給装置。
  13. 前記基材が、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)・ポリ(オキシプロピレン)共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる徐溶性の基材である請求項12に記載の液体供給装置。
  14. 前記色素徐放体に、溶解速度調整剤が混合された請求項10〜13のいずれかに記載の液体供給装置。
  15. 前記液体収容部の形成材料に紫外線吸収剤を添加したことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の液体供給装置。
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