JP4094192B2 - コンロッド用保持器付き針状ころ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関等におけるコンロッドの大端とクランクピンの間、または小端とピストンピンとの間に用いられるコンロッド用保持器付き針状ころに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
内燃機関の高速回転化に伴い、コンロッドの大端とクランクピンの間や、小端とピストンピンとの間に転がり軸受が用いられている。この転がり軸受としては、クランクピンまたはピストンピンを内輪とし、コンロッドの大端または小端を外輪とする保持器付き針状ころが採用される。保持器付き針状ころは、保持器と針状ころとでなる。
コンロッドに使用される保持器付き針状ころの保持器は、一般に外径案内方式とされるが、コンロッドと保持器外径面との接触により発熱を伴う。本来、潤滑により、この発熱が抑えられるが、近年の一層の高速化に伴い、油滑性を向上し、油膜形成ができ、発熱を抑制することが課題となっている
【0003】
外径案内の保持器の油滑性を向上する対策として、図13に示すように、保持器51の柱部52の外径面52aを、保持器外径面よりも曲率半径の小さな円弧状の断面形状に形成し、これにより柱部52のポケット開口縁が凹むようにしたものが提案されている。これによれば、保持器外径面52aの凹み部分に油が溜められ、油膜を形成する。
【0004】
しかし、円弧状の断面形状では、潤滑性の向上効果がいま一つ十分でなく、高速回転の場合に、十分に満足できる潤滑性を確保することが難しい。また、柱部外径面52aの円弧形状の成形は、生産性の確保のため、プレス加工で行われるが、このように柱部外径面52aをプレス加工すると、ポケット内側へ突出するバリが発生する。このようなバリが発生すると、軸受使用中などにバリが取れて軌道面等に侵入し、回転の障害になる。
【0005】
この発明の目的は、高速回転で使用されても、保持器外径面の油滑性が向上し、かつ保持器にバリの発生しない生産性の良い加工方法が採用できるコンロッド用保持器付き針状ころを提供することである。
この発明の他の目的は、上記保持器を生産性良く製造することのできるコンロッド用保持器付き針状ころの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の保持器付き針状ころは、コンロッドの大端または小端に用いられる保持器付き針状ころであって、円周方向複数箇所にポケットを有する円筒状の保持器と、この保持器の前記各ポケット内に保持された針状ころとを備え、前記保持器は、外径面で前記コンロッドの大端または小端の内径面により案内されるものに適用される。この保持器付き針状ころにおいて、前記保持器の隣合うポケット間で形成される各柱部の外径面とポケット内側面とで成す角部を、凸曲面の面だらし部とする。また、前記面だらし部の外径面を上記曲率半径の変化に従って滑らかな形状とする。この明細書で言う「面だらし部」とは、外径面が次第に沈み込む部分のことである。この面だらし部となる柱部外径面部分の断面形状を、柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる形状とする。
このように、保持器外径面のポケット開口縁に面だらし部を設けたため、この面だらし部で油が溜められ、外径面案内とされる保持器が油膜切れを起こすことがなく、円滑な回転が維持される。特に、面だらし部は、柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状としたため、高速回転の場合の潤滑性が良く、潤滑油の温度上昇が低く抑えられる。この面だらし部の上記形状による潤滑油温度の上昇抑制効果は、試験により確認された。また、面だらし部の形状が、上記のように柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状であると、タンブラ加工が採用できる。タンブラ加工は、多数の保持器を攪拌容器内で同時に加工する方法であるため、生産性が良く、タンブラ加工の採用により、面だらし部の形成が生産性良く行える。
【0007】
この発明において、前記保持器は、前記面だらし部がタンブラ加工面であっても良い。上記のように、タンブラ加工を採用することで、上記のような形状の面だらし部が生産性良く加工できる。
【0008】
また、前記保持器外径面と前記ポケット内側面に沿って延ばした線との交点をA、点Aから前記柱部の幅の中心線に直交する方向に0.25mm離れた位置に前記中心線と平行に引いた線をCとしたとき、前記線C上における、前記保持器外径面と前記面だらし部の外径面との距離である前記面だらし部のドロップ量を、0.010mm〜0.050mmとする。また、好ましくは、前記点Aから前記柱部の幅の中心線に直交する方向に0.15mm離れた位置に前記中心線と平行に引いた線を線Bとしたとき、前記線B上における、前記保持器外径面と前記面だらし部の外径面との距離である前記面だらし部のドロップ量が、0.030mm〜0.100mmである。
【0009】
この発明の製造方法は、この発明の上記保持器付き針状ころの製造方法であって、前記保持器の熱処理工程の後、前記面だらし部を、粒径の異なる複数種類の粒状の研磨材を混合して用いてタンブラ加工する方法である。
このように大きさの異なる複数種類の研磨材を用いると、粒径の大きな研磨材により外径面が削られ、またこの大きな研磨材で外径面を削ることに伴ってポケット内面に突出した返りや、ポケットのプレス打ち抜き時に生じたバリ等が、粒径の小さな研磨材で除去される。そのため、保持器の柱部が、上記面だらし部の形状、すなわち柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状に、タンブラ加工で良好に加工される。したがって生産性良く保持器の柱部形状を形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1ないし図10と共に説明する。図4は、この保持器付き針状ころをコンロッドに用いた内燃機関の一例を示し、例えば2輪車に用いられる。シリンダ21内のピストン22は、コンロッド23を介してクランク軸24に連結されており、クランク軸24は軸受25でケース26に支持されている。コンロッド23は、大端23aおよび小端23bを有し、大端23aはクランク軸24のクランクピン27に軸受28を介して連結され、小端23bはピストン22のピストンピン29に軸受30を介して連結されている。これら大端23aおよび小端23bの軸受28,30のいずれか一方、または両方に、この実施形態の保持器付き針状ころが用いられる。
【0011】
図2,図3などに示すように、この保持器付き針状ころ1は、円筒状の保持器2と、この保持器2の円周方向複数箇所に形成された各ポケット4内に保持された針状ころ3とで構成される。保持器2は、円筒状のものであれば良いが、この例では断面形状がM字状のものとされている。すなわち、保持器2の幅方向の両側部は中央部よりも大径となった大径円筒部2aに形成され、中央部は小径円筒部2bに形成され、両円筒部2a,2bは傾斜部2cを介して続いている。保持器2の幅方向の両側縁には、内側に突出する鍔部2dが設けられている。ポケット4は、保持器2の両側の大径円筒部2a,傾斜部2c,および小径円筒部2bにわたって形成されている。保持器2の隣合うポケット4間の部分は、柱部5となる。保持器2は、軸受鋼等の鋼材の削り出し保持器であるが、プレス成形品であっても良い。
【0012】
図1に示すように、この保持器付き針状ころ1は、クランクピン27またはピストンピン29の外径面、およびコンロッド23の大端23aまたは小端23bの内径面が、それぞれ針状ころ3の転走する軌道面a,bとなる。また、保持器2は、外径面が軌道面bで案内される外径案内のものである。
【0013】
保持器2の各柱部5は、外径面とポケット内側面とで成す角部が、凸曲面の面だらし部6とされている。この面だらし部6とされる範囲は、この例では両側の大径円筒部2a(図3)のポケット開口縁に沿う部分としてある。
この面だらし部6となる柱部外径面部分の断面形状は、図1(B)に拡大して示すように、柱部5の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる形状とする。換言すれば、面だらし部6は、柱部中央寄りからポケット4に向かって、その外径面Gがなだらかに沈み込む形状とされている。
【0014】
以下、本実施形態に係る保持器付き針状ころ1について詳細に説明する。
図2,3において、例えば、保持器付き針状ころ1の外観寸法は、内径φ26mm、外径φ31mm、幅13.8mmであり、針状ころ3は、径φ2.5mm、長さ10.8mm、20本で、保持器2は、外径φ30.9mm、柱部5の幅2.30mmである。各柱部5の面だらし部6は、以下のような形状になっている。
【0015】
図1(B)において、上記保持器2の外径面Hと、ポケット4の内側面Kに沿って延ばした線との交点をAとする。点Aから柱部5の幅の中心線Oに直交する方向に0.15mm,0.25mm離れた位置に中心線Oと平行に引いた線を、それぞれB,Cとする。面だらし部6の外径面Gが沈み込む起点であって、柱部中央の幅の略中央部分を示す点をDとする。
このとき、本実施形態に係る面だらし部6は、線C上における、保持器外径面Hと面だらし部6の外径面Gとの距離である面だらし部6のドロップ量(面だらし量)61が、0.010mm〜0.050mmである。また、線B上における、保持器外径面Hと面だらし部6の外径面Gとの距離である面だらし部6のドロップ量(面だらし量)62が、0.030mm〜0.100mmである。この線B上における面だらし量62の0.030mm〜0.100mmは、線C上における面だらし量61を0.010mm〜0.050mmとしたときに、面だらし部6の外径面Gが上記曲率半径の変化に従って滑らかな形状となる範囲である。
【0016】
本実施形態に係る面だらし部6の形状を明確にするため、比較例と比較して説明する。比較例1となる低回転用の保持器は、面だらし部の断面形状を符号Eで示す曲線に沿う丸め形状としたものであり、線B上における面だらし量62は形成されていない。比較例2となる高回転用の保持器は、角を大きくすべく、面だらし部の断面形状を、符号Fで示す曲線に沿う丸め形状としたものであり、線B上における面だらし量62は少し形成されているが、線C上における面だらし量61は形成されていない。
本実施形態は、面だらし部6の外径面Gを、線C上においても面だらし量61が発生する形状としている。すなわち、面だらし部6は、ポケット側縁から柱幅の1/5〜1/3程度の幅まで広がる幅に形成してある。
【0017】
面だらし部6の形状を変化させた場合に、保持器付き針状ころ1が示す特性について、以下のような各種試験を行った。
まず、線C上における面だらし部6のドロップ量(面だらし量)61を0〜0.060mm(60μm)と順次変化させた場合に、それぞれ表1に示す試験条件の下で、保持器付き針状ころ(軸受)1を運転した後で、潤滑油の温度上昇に伴う保持器付き針状ころ1の温度上昇の変化を測定した。
【0018】
【表1】
【0019】
上記試験条件にて、面だらし量に対する保持器付き針状ころ1の温度上昇の関係を評価したところ、図6に示す結果が得られた。横軸は面だらし量(μm)、縦軸は温度(°C)である。図6において、面だらし量が0.010mm(10μm)〜0.050mm(50μm)のとき、保持器付き針状ころ1の温度上昇が適正であり、潤滑油温度の上昇抑制効果が確認された。また、面だらし量が0.030mm(30μm)のとき、最も温度上昇が小さい。
【0020】
次に、線C上における面だらし部6のドロップ量(面だらし量)61を0〜0.060mm(60μm)と順次変化させた場合に、それぞれ表2に示す試験条件の下で保持器付き針状ころ1を運転した後で、保持器外径面Hと保持器付き針状ころ1を支持するハウジングとの金属接触率を測定した。
【0021】
上記試験条件にて、面だらし量に対する保持器付き針状ころ1の保持器外径面と支持ハウジングとの金属接触率の関係を評価したところ、図7に示す結果が得られた。横軸は面だらし量(μm)、縦軸は金属接触率(%)である。図7において、面だらし量が0.010mm(10μm)〜0.050mm(50μm)のとき、金属接触率が適正であり、0.030mm(30μm)のとき、最も金属接触率が小さいことが確認された。
【0022】
【表2】
【0023】
こうして、上記図6,7から、本発明に係る面だらし部6の線C上における面だらし量61を一定量に設定したとき、適正な潤滑性が得られることが確認された。
【0024】
図8は、線C上における面だらし部6のドロップ量(面だらし量)61を0〜0.060mm(60μm)と順次変化させた場合に、面だらし部6の点Aからの測定位置とその各位置での面だらし量との関係を示す。横軸は測定位置(mm)、縦軸は面だらし量(μm)である。この図8の結果に基づいて、線B,線Cの位置を適正に決定することができる。
【0025】
保持器2の面だらし部6の形成は、次のように行う。すなわち、保持器2の面だらし部6が未加工で、他の形状が仕上がった状態の保持器中間製品を、削り出し加工やプレス加工で製造する。この保持器中間製品を熱処理した後、図9に示すように、タンブラ加工して面だらし部6を形成する。
タンブラ加工は、保持器中間製品6Aと粒状の研磨材11とを攪拌容器12に入れ、攪拌容器12を回転させることにより攪拌して保持器中間製品6Aを削る方法である。この場合に、研磨材11として、粒径の大きな研磨材11A と小さな研磨材11 Bとを混合したものを用いる。粒径は、例えば、大きな研磨材11A はころ径の3倍程度とし、小さな研磨材11 Bはころ径の80%程度のものを用いる。
【0026】
このように、粒径の異なる研磨材11A ,11 Bを混合して用いると、大きな研磨材11A により図10(A)のように柱部5の外径面が削られ、またこの大きな研磨材11A で外径面を削ることに伴ってポケット内面に突出した返り9や、ポケット4のプレス打ち抜き時に生じたバリ等が、粒径の小さな研磨材11 Bにより同図(B)のように除去される。そのため、保持器2の柱部5が、上記の面だらし部6の曲線形状、すなわち柱部5の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状に、タンブラ加工で良好に加工される。なお、粒径の異なる研磨材11A ,11 Bを混合して用いると、タンブラ加工の時間を長くして面だらし量を増やしても返りが出ない。
【0027】
この構成の保持器付き針状ころ1によると、保持器外径面のポケット開口縁に面だらし部6を設けたため、この面だらし部6で油が溜められ、外径面案内とされる保持器2が油滑性が向上し、円滑な回転が維持される。特に、面だらし部6は、柱部2の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状としたため、高速回転の場合の潤滑性が良く、潤滑油の温度上昇が低く抑えられる。
また、面だらし部の形状6が、上記のように柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる断面形状であると、上記のようにタンブラ加工が採用できるため、生産性が良い。
【0028】
なお、この発明において、保持器2の形状は、前記の形状に限らず、円筒状のものであれば良く、種々の形状のものを採用できる。例えば、図11に示すような溶接保持器であっても良く、また図12に示すように内径面のみが幅方向の中間部分で凹み、外径面は全幅に渡って同一径とされた削り出し保持器であっても良い。図11の保持器2は、図2の保持器2において鍔部2dをなくした形状のものであって、帯状の板を円筒状に丸めて溶接した溶接保持器である。面だらし部6は、図11の例の保持器2では、図1,図2の例と同様に大径円筒部2aに設けられ、図12の例ではポケット開口縁の全幅にわたって設けられる。
【0029】
【発明の効果】
この発明の保持器付き針状ころは、コンロッドの大端または小端に用いられる保持器付き針状ころにおいて、保持器の柱部に面だらし部を設け、この面だらし部を、柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる形状としたため、高速回転で使用されても、保持器外径面の油滑性が向上し、良好な油膜が形成され、発熱が抑制される。また、上記の面だらし部の断面形状であると、タンブラ加工が採用でき、そのため生産性が良く、バリの発生も無くすことができる。この発明の製造方法は、上記の保持器付き針状ころを製造する方法であって、保持器の面だらし部を、粒径の異なる複数種類の研磨材を混合して用いてタンブラ加工で成形するようにしたため、上記形状の面だらし部を良好に、かつ生産性良く成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる保持器付き針状ころの軸方向に垂直な部分断面図、(B)はその保持器の部分拡大断面図である。
【図2】同保持器付き針状ころの軸方向に平行な部分断面図である。
【図3】その保持器の斜視図である。
【図4】同保持器付き針状ころを用いた内燃機関の破断側面図である。
【図5】同内燃機関のコンロッドおよびクランク軸を示す破断側面図である。
【図6】面だらし部のドロップ量と温度上昇の関係を示す特性図である。
【図7】面だらし部のドロップ量と金属接触率の関係を示す特性図である。
【図8】面だらし部の位置と面だらし部のドロップ量の関係を示す特性図である。
【図9】タンブラ加工方法の説明図である。
【図10】同タンブラ加工による加工状況の説明図である。
【図11】保持器の変形例の斜視図である。
【図12】(A)は保持器の他の変形例の斜視図、(B)は同保持器を用いた保持器付き針状ころの部分断面図である。
【図13】従来例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…保持器付き針状ころ、2…保持器、4…ポケット5…柱部、6…面だらし部、11,11A ,11 B…研磨材、23…コンロッド、23a…大端、23b…小端。
Claims (4)
- コンロッドの大端または小端に用いられる保持器付き針状ころであって、円周方向複数箇所にポケットを有する円筒状の保持器と、この保持器の前記各ポケット内に保持された針状ころとを備え、前記保持器は、外径面で前記コンロッドの大端または小端の内径面により案内されるものとし、前記保持器の隣合うポケット間で形成される各柱部の外径面とポケット内側面とで成す角部を、凸曲面の面だらし部とし、この面だらし部となる柱部外径面部分の断面形状を、柱部の幅の中心に近づくに従って次第に曲率半径が大きくなる形状とし、前記面だらし部の外径面を上記曲率半径の変化に従って滑らかな形状とし、かつ前記保持器外径面と前記ポケット内側面に沿って延ばした線との交点をA、点Aから前記柱部の幅の中心線に直交する方向に0.25mm離れた位置に前記中心線と平行に引いた線をCとしたとき、
前記線C上における、前記保持器外径面と前記面だらし部の外径面との距離である前記面だらし部のドロップ量が、0.010mm〜0.050mmである、ことを特徴とするコンロッド用保持器付き針状ころ。 - 前記保持器は、前記面だらし部がタンブラ加工面である請求項1記載のコンロッド用保持器付き針状ころ。
- 前記点Aから前記柱部の幅の中心線に直交する方向に0.15mm離れた位置に前記中心線と平行に引いた線を線Bとしたとき、
前記線B上における、前記保持器外径面と前記面だらし部の外径面との距離である前記面だらし部のドロップ量が、0.030mm〜0.100mmである請求項1または請求項2記載のコンロッド用保持器付き針状ころ。 - 請求項1記載の保持器付き針状ころを製造する方法であって、前記保持器は、熱処理工程の後、前記面だらし部を、粒径の異なる複数種類の粒状の研磨材を混合して用いてタンブラ加工するコンロッド用保持器付き針状ころの製造方法。
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