JP4093312B2 - タイヤ加硫成形用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ加硫成形用金型に関し、さらに詳しくは、加硫成形後のタイヤにバリが発生するのを抑制すると共に、金型のメンテナンスを向上させたセクショナル型のタイヤ加硫成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
セクショナル型のタイヤ加硫成形用金型は、サイドウォール部を成形する上下一対のサイドプレートと、トレッド部を成形するセクターとからなり、セクターが周方向に複数個に分割されて構成されている。セクターには、通例、その材質として軽量でかつ熱伝導率の大きなアルミニウム合金が使用されている。しかし、アルミニウム合金は鋼などに比べて表面硬度が低いため繰り返し使用している間にセクター同士の分割面間やサイドプレートとの接合面間の隙間が拡大していく。したがって、未加硫タイヤを加硫するとき、その隙間にゴムが流れ込んで加硫後のタイヤにバリを発生させるという問題がある。
【0003】
従来から、かかる問題点を解消するために、分割された各セクター同士の接合面やサイドプレートとの接合面にセクターを構成するアルミニウム合金より高い強度を有する金属材料を被覆し、セクターの耐久性を高めるようにした提案がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、この提案では各セクター同士の接合面やサイドプレートとの接合面に配置する材料が金属材料であるため、長期間にわたり使用すると次第に接合面が摩耗することに変わりはなく、必ずしも充分な解決策にはなっていなかった。
【0005】
【特許文献1】
実開昭63−184707号マイクロフィルム(第1〜8頁、図1〜4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、長期間の繰返し使用における金型接合面間の隙間拡大を効果的に抑制し、加硫後のタイヤにおけるバリの発生を抑制するセクショナル型のタイヤ加硫成形用金型を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫成形用金型は、サイドウォール部を成形する上下一対のサイドプレートと、トレッド部を成形する周方向に複数個に分割されたセクターとからなり、前記セクターがアルミニウム合金からなるセクショナル型のタイヤ加硫成形用金型において、前記サイドプレートと前記セクターとの少なくとも一方の接合面、及び前記セクター同士の接合面に総厚さを0.2〜1.0mmとする弾性樹脂又はゴムからなる被膜層を配置したことを特徴とするものである。
【0008】
このように、サイドプレートとセクターとの少なくとも一方の接合面、及びセクター同士の接合面に総厚さを0.2〜1.0mmとする弾性樹脂又はゴムからなる被膜層を配置したので、これら接合面の接触と離脱を繰り返すとき、被膜層が弾性変形することにより接合面の摩耗を効率よく防止する。したがって、接合面間の隙間の成長も抑制されるから、加硫後のタイヤに生ずるバリの発生を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明のセクショナル型のタイヤ加硫成型用金型(以下、単に金型という)の概要を示す半断面図である。金型1は、サイドウォール部を成形する上下一対のサイドプレート2及び3と、トレッド部と両ショルダー部とを成形するセクター4とから構成されている。セクター4は周方向に複数に分割されて構成され、それぞれ径方向に移動可能になっている。また、上側のサイドプレート2も上下方向に移動可能になっている。
【0011】
サイドプレート2及び3は鋼で構成され、セクター4は軽量でかつ熱伝導率が大きいアルミニウム合金で構成されている。
【0012】
図2及び図3に示すように、上記金型1を構成するサイドプレート2及び3のセクター4との接合面2a及び3a、及びセクター4のサイドプレート2及び3との接合面4b、及びセクター4同士の接合面4aには、それぞれ弾性樹脂又はゴムからなる被膜層5が接着されている。これら被膜層5の弾性樹脂又はゴムには、タイヤ加硫時の加熱に対して耐久性を有するものが使用される。
【0013】
これら接合面2a、3a、4b及び4aに接着した被膜層5は、金型1が閉じる際に弾性変形することでその衝撃を緩和し、摩耗や損傷から保護する作用を行なう。したがって、長期間にわたり金型1が繰り返し上記操作を行なっても接合面間の隙間が拡大していくのを効率よく防止することができ、加硫後のタイヤに各接合面からのゴムのオーバーフローによるバリが生じることがない。
【0014】
被膜層5に使用される弾性樹脂やゴムとしては、加硫温度150〜200℃に耐えると共に、弾性を有する材料が好ましく選定される。例えば、ゴムの場合はシリコンゴムやフッ素ゴム、弾性樹脂の場合はフッ素樹脂やケイ素樹脂を挙げることができる。さらに具体的には、前者のフッ素樹脂にはPTFE、FEP、ETFE、PFA、PCTFE、等があり、後者のケイ素樹脂には高温加硫型のシリコーン樹脂が挙げられる。
【0015】
また、被膜層5は全ての接合面2a、3a、4b及び4aにそれぞれ配置するのがよいが、これらの接合面のうちの片面のみに配置してもよい。いずれの場合にあっても、被膜層5の厚さtは相隣接する各接合面における総厚さとして1mm以下、0.2mm以上に設定することが好ましく、さらに好ましくは0.4〜0.7mmに設定するとよい。1mm超では、各接合面から弾性変形してはみ出した被膜層5により加硫後のタイヤのトレッド部及びショルダー部の表面に被膜層5の痕が凹状に残り外観不良の原因となる。
【0016】
本発明において、サイドプレート2、3とセクター4との接合面に被膜層5を配置する場合には、サイドプレート2、3とセクター4との接合面のうち、タイヤ成形面Sに通じるサイドプレート2の接合面2aとセクター4の接合面4b、及びサイドプレート3の接合面3aとセクター4の接合面4bに配置するのがよい。
【0017】
上述した本発明の金型1による未加硫タイヤの加硫成形は、公知の操作により行なえばよく、この加硫成形により、長期間にわたりバリのない外観の良好な空気入りタイヤを効率よく製造することができる。また、これによりタイヤの生産性が向上する。
【0018】
【実施例】
サイドプレートとセクターとの接合面及びセクター同士の接合面に被膜層を配置しなかった従来金型(従来例1)と硬質金属を溶射被覆した従来金型(従来例2)、及びシリコーン樹脂からなる被膜層の厚さを表1のように変更して配置した本発明金型(実施例1〜4)とをそれぞれ作製した。
【0019】
これら6種類の金型を使用してタイヤを作製し、タイヤ踏面にバリが発生するまでの生産本数を調べて、従来例を100とする指数で表1に併記した。さらに、金型からの被膜層のはみ出しによりタイヤに転写されたはみ出し痕の有無を観察し、はみ出し痕が確認されなかったものを◎とし、はみ出し痕が少々確認されたが外観不良のレベルまで至っていなかったものを○として表1に併記した。
【0020】
【表1】
この結果から、本発明金型を使用して加硫成形したタイヤは従来金型によるものに比して、加硫後のタイヤ踏面へのバリの発生が抑制されていることを確認した。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明の金型は、サイドプレートとセクターとの少なくとも一方の接合面、及びセクター同士の接合面に総厚さを0.2〜1.0mmとする弾性樹脂又はゴムからなる被膜層を配置したので、これら接合面の接触と離脱を繰り返すとき、被膜層が弾性変形することにより接合面の摩耗を効率よく防止する。したがって、接合面間の隙間の成長が抑制され、加硫後のタイヤに生ずるバリの発生を抑制することができる。
【0022】
そして、長期の使用を通じて被膜層が金型の接合面における損傷の発生を抑制して金型の耐久性を維持し、金型のメンテナンスを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ加硫成形用金型の概要を示す半断面図である。
【図2】本発明のタイヤ加硫用成形用金型におけるセクターの斜面図である。
【図3】本発明のタイヤ加硫用成形用金型におけるセクターの平面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ加硫成形用金型
2、3 サイドプレート
4 セクター
5 被膜層
Claims (4)
- サイドウォール部を成形する上下一対のサイドプレートと、トレッド部を成形する周方向に複数個に分割されたセクターとからなり、前記セクターがアルミニウム合金からなるセクショナル型のタイヤ加硫成形用金型において、
前記サイドプレートと前記セクターとの少なくとも一方の接合面、及び前記セクター同士の接合面に総厚さを0.2〜1.0mmとする弾性樹脂又はゴムからなる被膜層を配置したタイヤ加硫成形用金型。 - 前記弾性樹脂が、フッ素樹脂又はケイ素樹脂である請求項1に記載のタイヤ加硫成形用金型。
- 前記被膜層の総厚さが0.4〜0.7mmである請求項1又は2に記載のタイヤ加硫成形用金型。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたタイヤ加硫成形用金型を用いて未加硫タイヤを加硫成形する空気入りタイヤの製造方法。
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