JP3733271B2 - タイヤ加硫成形用金型及びその製造方法並びに該金型を用いて成形された空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤのトレッドパターンを区画毎に成形する複数のピースを有するタイヤ加硫成形用金型及びその製造方法に係わり、更に詳しくは、スピューの形成を回避して製品タイヤの外観を良好にし、しかも加硫成形時における不良品の発生を低減するようにしたタイヤ加硫成形用金型及びその製造方法並びに該金型を用いて成形された空気入りタイヤ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ加硫成形用金型の一つとして使用されているセクターモールドは、製品タイヤのトレッド部のプロファイルに対応する凹凸が形成された複数のピースを相互に隣接させてバックブロックに装着することにより1つのセクターを構成し、更に複数個のセクターを相互に連結させて環状のセクターモールドを構成している。
【0003】
タイヤ加硫成形時には、タイヤの外周面と金型の成形面との間に、空気が残留したり、ガスが発生し、これら空気やガスが製品タイヤの表面に微小な窪み部分を形成して製品不良を発生させることが知られている。このことから、従来では金型の成形面にベントホールと呼称される空気抜き用の貫通孔やベントグルーブと呼称される排気用の溝を形成している。
【0004】
ところが、このベントホールやベントグルーブには、タイヤ加硫成形時にゴム材料が流れ込み、製品タイヤの表面にスピュー(バリ,髭状のゴムの突起部)を形成する。このため、成形後にスピューを取り除く仕上げ作業が必要となり、更にスピューを取り除いた後には、その痕跡を残してタイヤ製品の外観を損なったり、タイヤの騒音を増加させると言う問題があった。
【0005】
そこで、近年では外観の優れたタイヤで、かつタイヤ加硫成形時に不良品の発生を低減させる目的で、ベントホールやベントグルーブを成形面に形成することなく、微細な隙間からなるスリットベントを備えたスピューレスモールドが使用されている。
【0006】
このスピューレスモールドとしては、例えば、▲1▼. 特開平4-223108号公報(発明の名称:未加硫タイヤカーカスの加硫用金型および該金型の製作方法ならびに該金型を使用したタイヤの加硫方法)及び特開平10-24423号公報(発明の名称:タイヤ加硫成型用金型およびその製造方法)等が提案されている。
【0007】
前者▲1▼の発明は、タイヤのトレッドパターンを各ピッチ毎に分割したバックブロックを組立て、バックブロック間に設けた隙間からタイヤと金型との間に存在するエアーを外部から吸引する方法である。また後者▲2▼の発明は、パターンピースの母体金属(アルミニュウム)に異種金属(SS400)を鋳ぐるんで、タイヤ加硫成形温度(160 ℃) の時に、線熱膨張係数の差によって形成される隙間を利用してエアーを排出する方法である。また、その他に、スリットベントモールドとしては、機械加工でピース間に段差を設けたり、ピース間にスペーサを挿入することで、エアー抜きを行う方法がある。
【0008】
然しながら、上記▲1▼の発明は、任意の位置に適正なエアー抜きを確保することが難しく、しかも排気手段としてバキューム装置等が必ず必要となるという問題がある。また上記▲2▼の発明は、線熱膨張係数の差によって隙間を形成するのに十分なボリュームが必要となり、任意の位置に必要とする隙間量を確保することは困難で、実質的に金型からエアーを抜くことは難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、成形面の任意の位置に必要な排気性能を有する隙間を容易に形成することができ、それによりスピューの形成を回避して製品タイヤの外観を良好にすると共に、加硫成形時における不良品の発生を低減することを可能にしたタイヤ加硫成形用金型及びその製造方法並びに該金型を用いて成形された空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫成形用金型は、タイヤのトレッドパターンを区画毎に成形する複数のピースを有し、これらピースをバックブロックに装着して環状に配設するようにしたタイヤ成形用金型であって、前記各ピースはダイカスト鋳造により金属材料を複数回のショットに分けて積層してなる複数層のピースブロックから構成し、前記ピースの成形面に配置されたピースブロック間の鋳継ぎ部に前記金属材料の凝固収縮による0.005 〜 0.08mm の微細な隙間を形成したことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のタイヤ加硫成形用金型の製造方法は、ダイカスト鋳造による第1ショット工程において第1金型内に溶融した金属材料を鋳込んで、タイヤのトレッドパターンに対応する成形面を部分的に備えた第1ピースブロックを成形し、第2ショット工程において前記第1ピースブロックを第2金型内に配置した状態で該第2金型内に溶融した同種金属材料を鋳込んで、前記第1ピースブロック上に前記成形面を補完する第2ピースブロックを成形し、前記成形面に配置された第1ピースブロックと第2ピースブロックの鋳継ぎ部に前記金属材料の凝固収縮による0.005 〜 0.08mm の微細な隙間を形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、ピースを構成する複数層のピースブロックを同種金属材料から鋳造して積層する際に、ピースブロック間の鋳継ぎ部に金属材料の凝固収縮による微細な隙間が形成される。この金属材料の凝固収縮による微細な隙間は、ゴム材料の流出を許容することなく金型内の空気やガスだけを良好に排出するような排気性能を発揮する。従って、鋳継ぎ部の配置に基づいて成形面の任意の位置にスピューレスモールドとして必要な排気性能を有する隙間を容易に形成することができ、それによりスピューの形成を回避しながら加硫成形時における不良品の発生を低減することができる。
【0013】
またタイヤ加硫後にスピューを取り除く工程を必要とせず、タイヤ騒音を悪化させるスピューの痕跡をタイヤ表面に残すことなくタイヤ外観を良好にすることができる。
【0014】
更に、本発明の空気入りタイヤは、上記タイヤ加硫成形用金型を用いて、タイヤ表面にスピューの痕跡のないトレッドパターンを成形して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上記タイヤ加硫成形用金型を用いて、タイヤ表面にスピューの痕跡のないトレッドパターンを成形することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を実施した分割型のタイヤ加硫成形用金型(セクターモールド)を構成する一つのセクターを例示するものである。この一つのセクター1は、製品タイヤのトレッド部のプロファイルに対応した凹凸2が形成された複数のピース3を相互に隣接させてバックブロック4に装着することにより構成されている。
【0018】
図2に示すように、複数個のセクター1を環状に配置することによりセクターモールド1Aを構成する。本実施形態では8個のセクター1が1組のセクターモールド1Aを構成しているが、セクターの数は特に限定されるものではない。セクターモールド1Aを使用してタイヤWの加硫を行う場合、複数個のセクター1を図3に示すような従来公知の金型支持装置5に装着する。
【0019】
金型支持装置5は、円盤状の支持プレート6の外周縁下部に外部リング7を吊設し、該外部リング7の内側のテーパ面8にセグメント9を介してセクター1を取り付けた構成になっている。セグメント9はテーパ面8に対して上下方向に摺動自在になっており、支持プレート6の上下動に基づいてセクター1を金型の径方向に拡縮させる。
【0020】
セクター1の上部には、上部プレート10を介して昇降可能な上型サイドモールド11が配設されている。一方、セクター1の下部には、ベースプレート12上に固定された下型サイドモールド13が配設されている。
【0021】
タイヤWの加硫時には、支持プレート6を下方に移動させてセグメント9をテーパ面8に対して摺動させることにより、各セクター1を求心方向(金型中心方向)に移動させると共に、上型サイドモールド11と下型サイドモールド13とを各セクター1の上下端部に密着させた状態にする。また加硫が終了した時には、支持プレート6を上方に移動させることにより、各セクター1を外方向に移動させると共に、上型サイドモールド11を上方向に移動させて成形されたタイヤWを開放するものである。
【0022】
前記バックブロック4に装着する複数のピース3は、図1に示すように、タイヤのトレッドパターンを一定のピッチまたは任意のピッチで複数区画に区分したとき、そのトレッドパターンを区画毎に成形するようになっている。このピース3は、ダイカスト鋳造により金属材料を複数回のショットに分けて積層してなる第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3bから構成されている。但し、本実施形態ではダイカスト鋳造のショット数が2回であるが、そのショット数は特に限定されるものではない。
【0023】
複数回のショットによる鋳込み金属材料(第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3b)の鋳継ぎ部Xには、図6に示すような金属材料の凝固収縮による微細な隙間hが形成される。なお、本実施形態における鋳込み金属材料としては、第1ピースブロック3a及び第2ピースブロック3bともアルミニュウムの同種金属が使用されている。金属材料の凝固収縮により形成される微細な隙間hは、0.005 〜0.08mm、好ましくは0.02mmであることが望ましい。この隙間hが0.005 mm未満であると排気性能が不足し、逆に0.08mmを超えるとスピューを形成し易くなる。また、第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3bの鋳込み金属材料として同種の金属材料を使用することにより、タイヤ加硫成形温度において隙間hが変動することを防止できる。
【0024】
更に、本発明の実施形態では、ピース3の成形面から下方に、微細な隙間hと連通する排気孔14が形成されている。この排気孔14はピース3の裏面側に連通し、金型内に残留する空気やガスを大気に放出する。
【0025】
次に、図4〜図9を参照しながら本発明にかかるタイヤ加硫成形用金型の製造方法について説明する。
【0026】
まず、タイヤ加硫成形用金型を製造する前工程として、図4に示すダイカスト鋳造の第1ショット工程で使用するパターン入子型として第1分割金型20a,20bと、図5に示すダイカスト鋳造の第2ショット工程で使用するパターン入子型として第2分割金型21a,21bとを予め製作する。図4及び図5において、溶融金属材料はピストン22により押圧され、湯口23を介してパターン入子型に注入される。
【0027】
これら第1分割金型20a,20b及び第2分割金型21a,21bを用いて、タイヤ加硫成形用金型のピース3を下記▲1▼〜▲4▼の工程により製作することができる。
▲1▼ 第1ショット鋳造工程。
【0028】
第1ショット鋳造工程では、図4に示す第1ショット用入子型の第1分割金型20a,20bを使用して湯口23から溶融金属(本実施形態ではアルミニュウムまたはアルミニュウム合金)を鋳込んで、タイヤWのトレッドパターンに対応する成形面を部分的に備え、かつ第2ピースブロック3bを積層するための領域を有する第1ピースブロック3aを鋳造する。
【0029】
この第1ピースブロック3aの鋳造後に、第1ピースブロック3aの機械加工を行う。例えば、第1ピースブロック3aと第2ショットの第2ピースブロック3bとが分解しないように第1ピースブロック3aをアンダーカット形状に構造に加工すると良い。また、必要に応じてトレッドパターンの種類、形状,寸法を変えて加工することができる。更に、トレッドパターンの細い骨に溶融金属が流れるように加工したり、サイプを挿入できるように加工する。
▲2▼ 第2ショット鋳造工程。
【0030】
第1ショット鋳造工程で製作した第1ピースブロック3aを、図5に示すように第2分割金型21a,21b内に配置し、第1ピースブロック3aの成形面と金型21aの内面とが密着するように型締めした後、湯口23から同種溶融金属を鋳込んで、第1ピースブロック3a上にトレッドパターンの成形面を補完する第2ピースブロック3bを鋳造する。上記型締めを強固に行うことにより、第2ショットの溶融金属が第1ピースブロック3aの成形面と金型21aの内面との間に流入することを防止し、隙間hによるベント機構をピース3の成形面に確実に露出させることが可能になる。上記第2ショット鋳造工程より、図7及び図9に示すように、ピースブロック3a,3bの積層体からなるピース3が得られる。図9において、斜線部は第2ピースブロック3bの露出部を示し、それ以外の部位は第1ピースブロック3aの露出部を示す。
【0031】
ピースブロック3a,3bの鋳継ぎ部Xに第2ショットにおける金属材料の凝固収縮による微細な隙間hを形成するための鋳造条件は、下記(a) 〜(d) に基づいて設定すると良い。
(a) ダイカスト鋳造の射出スピード
一般的に、ダイカスト鋳造ではピストンスピード及びゲートスピードが速い程トレッドパターンにおける鋳造欠陥の少ない健全な鋳物ができるが、スピードが速いと第1ショットと第2ショットとが互いに密着して隙間h(スリット)が形成され難くなる。そのため、ダイカスト鋳造の射出スピードは遅い方が好ましい。
【0032】
また、ダイカスト鋳造では射出スピードが遅いほど溶融金属材料にエアーを巻き込まず、射出スピードが速いほど表面形状が綺麗にできるという特性があるので、本発明では低い射出スピードでスタートした後、徐々に射出スピードを上昇させ、速いスピードでストロークエンドに達するのが良い。
(b) 湯口(ゲート)
厚い湯口(例えば、3.5 mm以上) は、射出圧力を必要以上に伝達するので、凝固収縮が起こらず、隙間h(スリット)ができない。従って、湯口の厚さは、0.8 〜2.5 mmがベストであり、かつ溶融金属が凹溝に均一に流れ、かつ流れ込み易い場所に設けるのが良い。
(c) 溶融金属の湯温
一般的には、650 〜720 °Cであるが、鋳造可能な範囲で低い湯温が良い。この湯温が高いとパターン入子と鋳造品が密着して離型しなくなり、また隙間hも形成されない。
(d) 射出圧力
一般的に、健全なダイカスト鋳造品のピストン射出圧力は、600 kgf/cm2 〜1,200 kgf/cm2 である。この射出圧力は、第1ショットの鋳造圧力には最適であるが、第2ショットの鋳造圧力には不向きである。
【0033】
即ち、第2ショット時に高い圧力をかけると金属の凝固収縮が起こらず、鋳継ぎ部Xに微細な隙間hを発生させることが難しくなる。従って、第2ショット時の射出圧力は、第1ショットの約50%、即ち、300 kgf/cm2 〜800 kgf/cm2 に設定するのが好ましい。
【0034】
当然、諸々の鋳造条件が複雑に関係してくるが、低い射出圧力で隙間量を多くすると(例えば、0.08mm以上) 、スリットベントにゴムのオーバーフローの発生度合いが多くなって来る。また高い射出圧力をかけると鋳継ぎ部Xの金属が溶着し、隙間量は限りなくゼロに近づき、エアー抜き効果が期待できなくなる。
▲3▼ 隙間と連通する排気孔を加工する工程。
【0035】
ダイカスト鋳造により第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3bとを積層してピース3を製作した後、トレッドパターンの成形面から下方に、微細な隙間hと連通する排気孔14を機械加工する。
▲4▼ リークテスト工程。
【0036】
隙間hからなるスリットベントが確実に形成されているか否か、ピース3を水槽等に浸けて0.1 〜2.0 kgf/cm2 の空圧をかけてリーク状況を確認し、スピューレスピースを完成する。
【0037】
このようにして得た複数のピース3をスペーサー等で隙間を確保することなくバックブロック4に装着し、全ピースを互いに密着させて溶接することによりセクター1を組み立てる。但し、ピース間の溶接を行わずにセクター1を組み立てても良い。そして、セクター1をセグメント9に組み込むことで、タイヤ加硫成形機を準備が完了する。
【0038】
本発明は、上記のように第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3bとを同種金属材料から鋳造して積層する際、第1ショットと第2ショットとの鋳込み金属材料から成るピースブロック3a,3b間の鋳継ぎ部Xに金属材料の凝固収縮による微細な隙間hを形成するので、セクター1の組立時にピースに対して特別な加工を施したり、ピース間にスペーサ等の部材を介在させることなく排気用の隙間hを容易に形成することができる。
【0039】
本発明のタイヤ加硫成形用金型を用いて空気入りタイヤの加硫成形を行えば、スピューの形成を回避しながら加硫成形時における不良品の発生を低減することができ、しかもタイヤ加硫後にスピューを取り除く工程を必要とせず、タイヤ騒音を悪化させるスピューの痕跡をタイヤ表面に残すことなくタイヤ外観を良好にすることができる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、ダイカスト鋳造の第1ショットと第2ショットはダイカスト鋳造用のアルミニュウム合金の同種金属を用いているが、亜鉛合金ダイカスト,マグネシュウム合金ダイカストでも、金型の製作は可能である。また、バックブロック4の材料としては、アルミニュウム合金またはスチールを用いるのが好ましい。
【0041】
上記実施形態では、分割型のタイヤ加硫成形用金型として、複数個のセクターを用いたセクターモールドを使用する場合について説明したが、本発明は図10〜図12に示す二分割型のタイヤ加硫成形用金型にも適用することができる。
【0042】
即ち、図10は上下二分割型モールド1Bを示し、それぞれ上型モールド15,下型モールド16で構成される。
【0043】
図11は図10のB−B矢視図を示し、図12は図11のC−C矢視断面斜視図を示し、上述したセクターモールドと同一構成要素は同一符号を付して説明は省略する。上型モールド15及び下型モールド16はそれぞれタイヤのトレッド部からサイド部までを成形するバックリング17,18を備え、バックリング17,18のトレッド成形部にそれぞれ複数のピース3を装着するようになっている。
【0044】
このような上下二分割型モールド1Bにおいても、図12に示すように、ピース3をダイカスト鋳造により積層した第1ピースブロック3aと第2ピースブロック3bとから構成し、ピースブロック3a,3b間の鋳継ぎ部に金属材料の凝固収縮による微細な隙間を形成することにより、成形面の任意の位置にスピューレスモールドとして必要なスリットベントを容易に設けることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。
【0046】
ピースを同種金属材料で鋳造積層する際、第1ショットと第2ショットとの鋳込み金属材料から成るピースブロック間の鋳継ぎ部に第2ショットの金属材料の凝固収縮による微細な隙間を形成し、この隙間をスピューレスモールドのベント機構として活用することができるので、セクター等の組立時にピース間に隙間を作る必要がない。
【0047】
複数層のピースブロックを同種金属材料から構成することにより、鋳継ぎ部の隙間量を室温で確認することが可能であるので、スピューレスモールドとして必要な排気性能を保証できる。
【0048】
上記隙間は鋳継ぎ部の配置に基づいて必要とする任意の部位に設定することができ、その隙間量も第2ショットの鋳造条件に基づいて容易にコントロールすることができる。
【0049】
スピューレスモールドとして必要かつ充分な排気回路を設けることができるので、従来のようなバキューム回路は不要である。
【0050】
上記隙間はゴム材料の流出を許容することなく金型内の空気やガスだけを良好に排出するので、スピューの形成を回避しながら加硫成形時における不良タイヤの発生を低減することができる。
【0051】
タイヤ加硫後にスピューを取り除く工程を必要とせず、タイヤ騒音を悪化させるスピューの痕跡をタイヤ表面に残すことなくタイヤ外観を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した分割型のタイヤ加硫成形用金型(セクターモールド)を構成する一つのセクターの斜視図である。
【図2】複数個のセクターを相互に連結させて環状に構成することによりセクターモールドを構成する説明図である。
【図3】金型支持装置にセクターモールドを装着した断面図である。
【図4】ダイカスト鋳造の第1ショットにより鋳造する第1ピースブロックの製造工程の説明図である。
【図5】ダイカスト鋳造の第2ショットにより鋳造する第2ピースブロックの製造工程の説明図である。
【図6】図5のA部における隙間を示す拡大断面図である。
【図7】第1ピースブロックと第2ピースブロックとを一体的に鋳造して得られるピースの断面図である。
【図8】図7のB部における隙間と連通する排気孔の拡大断面図である。
【図9】第1ピースブロックと第2ピースブロックとを一体的に鋳造して得られるピースの平面図である。
【図10】本発明を実施した二分割型のタイヤ加硫成形用金型の断面図である。
【図11】図10のB−B矢視側面図である。
【図12】図11のC−C矢視断面斜視図である。
【符号の説明】
1 セクター
1A セクターモールド
1B 上下二分割型モールド
2 凹凸
3 ピース
3a 第1ピースブロック
3b 第2ピースブロック
4 バックブロック
5 金型支持装置
6 支持プレート
7 外部リング
8 内側テーパ面
9 セグメント
10 上部プレート
11 上型サイドモールド
12 ベースプレート
13 下型サイドモールド
14 排気孔
W タイヤ
X 鋳継ぎ部
h 隙間
20a,20b 第1分割金型
21a,21b 第2分割金型
22 ピストン
23 湯口
15 上型モールド
16 下型モールド
17 上型バックリング
18 下型バックリング
Claims (8)
- タイヤのトレッドパターンを区画毎に成形する複数のピースを有し、これらピースをバックブロックに装着して環状に配設するようにしたタイヤ成形用金型であって、前記各ピースはダイカスト鋳造により金属材料を複数回のショットに分けて積層してなる複数層のピースブロックから構成し、前記ピースの成形面に配置されたピースブロック間の鋳継ぎ部に前記金属材料の凝固収縮による0.005 〜0.08mmの微細な隙間を形成したタイヤ加硫成形用金型。
- 前記複数層のピースブロックを同種金属材料から構成した請求項1に記載のタイヤ加硫成形用金型。
- 前記各ピースを2層のピースブロックから構成した請求項1又は請求項2に記載のタイヤ加硫成形用金型。
- 前記ピースの成形面から下方に、前記微細な隙間と連通する排気孔を形成した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイヤ加硫成形用金型。
- ダイカスト鋳造による第1ショット工程において第1金型内に溶融した金属材料を鋳込んで、タイヤのトレッドパターンに対応する成形面を部分的に備えた第1ピースブロックを成形し、第2ショット工程において前記第1ピースブロックを第2金型内に配置した状態で該第2金型内に溶融した同種金属材料を鋳込んで、前記第1ピースブロック上に前記成形面を補完する第2ピースブロックを成形し、前記成形面に配置された第1ピースブロックと第2ピースブロックの鋳継ぎ部に前記金属材料の凝固収縮による0.005 〜0.08mmの微細な隙間を形成するタイヤ加硫成形用金型の製造方法。
- 前記第1ショット工程で成形した第1ピースブロックをアンダーカット形状に機械加工した後に第2ショット工程に供するようにした請求項5に記載のタイヤ加硫成形用金型の製造方法。
- 前記第1ショット工程における射出圧力を 600〜1,200 kgf/cm2 に設定する一方で、前記第2ショット工程における射出圧力を 300〜800 kgf/cm2 に設定した請求項5又は請求項6に記載のタイヤ加硫成形用金型の製造方法。
- 前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のタイヤ加硫成形用金型を用いて、タイヤ表面にスピューの痕跡のないトレッドパターンを成形する空気入りタイヤの製造方法。
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