JP4093086B2 - 革張りエアバッグカバー - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されているエアバッグ装置の折り畳まれたエアバッグを覆うためのエアバッグカバーに関し、特に、カバー本体と、カバー本体の表面に配設されるシート状の皮革と、を備えて構成される革張りのエアバッグカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアバッグカバーは、折り畳まれたエアバッグを覆うように配設されて、膨張時のエアバッグに押された際、H字状等の所定の線状に配置された破断予定部を破断させて、エアバッグを突出させるための開口を形成していた。
【0003】
さらに、従来のエアバッグカバーでは、意匠効果を高めるために、カバー本体と、カバー本体の表面に配設されるシート状の皮革と、を備えて構成されるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、このような革張りエアバッグカバーでは、カバー本体が、破断予定部の位置に、他部より引張強度を低下させた凹溝等の強度低下部を、H字状等の所定の線状に沿わせて、配置させ、また、皮革にも、破断予定部の位置に、H字状等の所定の線状に沿わせて、スリット等の強度低下部を配置させていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−183374号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の革張りエアバッグカバーでは、カバー本体の表面に皮革を貼着して製造する際、皮革の強度低下部を、カバー本体の強度低下部に一致させて、皮革をカバー本体に貼着していたため、線状の強度低下部相互の位置合せに手間がかかり、革張りのエアバッグカバーの製造に、工数がかかっていた。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、カバー本体の表面に皮革が配設されていても、破断予定部の円滑な破断を阻害することなく、容易に製造することができる革張りエアバッグカバーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る革張りエアバッグカバーは、折り畳まれたエアバッグを覆うように配設されて、膨張時のエアバッグに押された際、線状に配置された破断予定部を破断させて、エアバッグを突出させるための開口を形成可能とするとともに、
カバー本体と、カバー本体の表面に配設されるシート状の皮革と、を備えて構成される革張りエアバッグカバーであって、
カバー本体が、破断予定部の位置に、線状の破断予定部に沿わせて、他部より引張強度を低下させた強度低下部を、配置させ、
皮革が、カバー本体の強度低下部を囲み可能な領域の全面に、引張強度を低下可能な多数の切欠きを略均等に配置させた脆弱部を、配設させ
脆弱部が、多数の直線状の切欠きを格子状に設けて、形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る革張りエアバッグカバーでは、皮革が、引張強度を低下可能な多数の切欠きを略均等に配置させた脆弱部を、備えて、この脆弱部を、カバー本体の強度低下部を囲む領域の全面に、配置させている。
【0010】
そのため、皮革をカバー本体の表面に貼着等して配設する際、線状でない広い領域の脆弱部を、カバー本体の線状の強度低下部の表面側に一致させるだけで、皮革とカバー本体との位置合せを完了させることができることから、従来の線状の強度低下部相互を位置合せする場合に比べて、迅速に、カバー本体の表面に皮革を配設させることができ、その結果、容易に、皮革をカバー本体の表面に結合させることができて、革張りのエアバッグカバーを簡便に製造することができる。
【0011】
そして、革張りのエアバッグカバーがエアバッグに押されて破断する際には、カバー本体では、所定の線状の強度低下部が破断して、皮革では、脆弱部が破断することとなる。その際、脆弱部は、引張強度を低下可能な多数の切欠きを略均等に配置させて、構成されており、カバー本体の線状の強度低下部の破断時に、その強度低下部に略沿った切欠きを破断させることとなって、支障なく、皮革が破断され、その結果、エアバッグカバーは、エアバッグを突出可能な開口を形成するように、円滑に、破断予定部を破断させることとなる。
【0012】
したがって、本発明に係る革張りエアバッグカバーは、カバー本体の表面に皮革が配設されていても、破断予定部の円滑な破断を阻害することなく、容易に製造することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る革張りエアバッグカバーでは、脆弱部が、多数の直線状の切欠きを格子状に設けて、形成されている。このような格子状の切欠きでは、単に直線状の多数の切欠き相互を交差させるだけで形成できて、切欠きを設けるためのカッタを、直線状に使用して、切欠きを形成することとなり、例えば、皮革に複数のカッタを当てて、皮革とカッタとの少なくとも一方を、直線状に引っ張るように移動させ、ついで、それらの直線状の切欠きと交差するように、皮革とカッタとの少なくとも一方を移動させ、さらに、カッタを当てて、皮革とカッタとの少なくとも一方を、直線状に引っ張るように移動させれば、格子状の切欠きからなる脆弱部を、簡単に形成できる。そして、直線状の切欠きを基本として構成されているため、切欠きの深さ管理、すなわち、切欠きの部位の皮革の厚さ管理が容易となり、脆弱部の破断強度を安定させることができる。
なお、皮革が、その全域に脆弱部を配設させる構成であれば、カバー本体に設けられる強度低下部の配置位置や形状が変更されても、容易に対処でき、種々のカバー本体に共用できる。
【0014】
そして、エアバッグカバーとしては、皮革の裏面側に、切欠きを配置させて、皮革の表面側に、シボ模様を形成することが望ましい。
【0015】
このように構成されていれば、仮に、脆弱部が皮革の表面側に不要な凹凸等の影響を及ぼすこととなっても、そのような影響をシボ模様で隠すことができて、皮革の意匠性を低下させない。
【0016】
また、本発明に係る革張りエアバッグカバーの周囲に革張り部材が配設されていても、その革張り部材と共にシボ模様を賦形して、エアバッグ装置の配設されている部位付近の意匠性を向上させることができる。
【0017】
例えば、革張りエアバッグカバーが、革張りステアリングホイールの中央のパッド部分に配設される場合、その周囲のステアリングホイール本体の皮革と、エアバッグカバーの皮革と、を共に大きな皮革素材から形成するとともに、その皮革素材の全域にシボ模様を賦形し、そして、ステアリングホイール本体の皮革とエアバッグカバーの皮革とを裁断し、エアバッグカバーの皮革に脆弱部を設ける加工を施した後、それらの皮革を所定の部位に貼着させれば、統一的なシボ模様を具備した革張りステアリングホイールを製造することができて、意匠効果の高いステアリングホイールを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の革張りエアバッグカバー30は、図1〜3に示すように、革張りステアリングホイールWに搭載されるエアバッグ装置Mに使用されるものである。このステアリングホイールWは、操舵時に把持する円環状のリング部Rと、リング部Rの中央に配置されるボス部Bと、リング部Rとボス部Bとを連結する四本のスポーク部Sと、を備えて構成され、エアバッグ装置Mはボス部Bの上部に配置されている。なお、ステアリングホイールWは、エアバッグ装置Mとそれ以外のステアリングホイール本体1とから構成されている。
【0020】
そして、ステアリングホイール本体1は、図1〜3に示すように、リング部R・ボス部B・スポーク部Sの各部に配置される芯金2と、芯金2におけるリング部芯金3及びスポーク部芯金4のリング部R側の部位を被覆するウレタン等の合成樹脂製の被覆層6と、被覆部6の表面側を覆うように被覆部6に貼着された皮革7と、本体1の下面側を覆うポロプロピレン等の合成樹脂製のロアカバー9と、を備えて構成されている。さらに、芯金2は、リング部Rに配置されるリング部芯金3や各スポーク部Sに配置されるスポーク部芯金4の他、ボス部Bに配置されるボス部芯金5を備えて構成され、ボス部芯金5は、ステアリングシャフトSSと連結されるボス5aと、ボス5aの周囲を覆う被覆部5bと、を備えて構成されている。そして、芯金2は、ボス5aを鋼製として、被覆部5b、スポーク部芯金4、及び、リング部芯金3を、一体的に鋳造されるアルミニウム等の軽合金等からなるダイカスト製としている。
【0021】
皮革7は、天然皮革・合成皮革等から形成されて、表面7a側に、シボ模様8が賦形されて、被覆部6に貼着されている。なお、この皮革7は、円環状のリング部Rを奇麗に覆えるように、リング部Rの前部側に配置される皮革7Aと、左右のリング部Rから前部側のスポーク部Sにかけて配置される皮革7B・7Cと、後部側のリング部Rから後部側の左右のスポーク部Sにかけて配置される皮革7Dと、の円環状に連結された四ピースから形成されている(図1・4参照)。
【0022】
エアバッグ装置Mは、図2・3に示すように、折り畳んで収納される袋状のエアバッグ11と、エアバッグ11に膨張用のガスを供給するインフレーター15と、折り畳まれたエアバッグ11を覆う革張りエアバッグカバー30と、エアバッグ11・インフレーター15・エアバッグカバー30を保持するバッグホルダ17と、ホーンスイッチ23を介在させてバッグホルダ17に連結されるとともにエアバッグ装置Mをステアリングホイール本体1に連結させるため二つの連結板27と、を備えて構成されている。なお、エアバッグカバー30は、ホーン作動時に押圧するホーンパッドとしての役割も有する。
【0023】
エアバッグ11は、下部に円形に開口した開口部11aを備え、円環状のリテーナ12を利用してバッグホルダ17に保持されている。リテーナ12には、開口部11aの周縁・バッグホルダ17の貫通孔19b・インフレーター15におけるフランジ部15cの貫通孔15dを貫通してナット13止めされる複数のボルト12aを備え、これらのボルト12a・ナット13を利用して、インフレーター15とともに、エアバッグ11が、バッグホルダ17に保持されている。
【0024】
インフレーター15は、上部にガス吐出口15bを備えた略円柱状の本体部15aと、本体部15aの外周に設けられるフランジ部15cと、を備えて構成され、フランジ部15cには、既述のリテーナ12のボルト12aを挿通させる貫通孔15dが形成されている。
【0025】
バッグホルダ17は、図2・3に示すように、それぞれ板金製とするホルダ本体18と二つの保持プレート21と、を備えて構成されている。二つの保持プレート21は、ホルダ本体18の前後両側に固着されている。
【0026】
ホルダ本体18は、略四角形板状の底壁部19と、底壁部19の周縁から上方に延びる側壁部20と、を備えて構成されている。底壁部19には、中央に、円形に開口してインフレーター本体部15aを下方から上方へ挿入可能な挿通孔19aが形成されて、挿通孔19aの周縁には、リテーナ12の各ボルト12aを挿通可能な四つの貫通孔19bが形成されている。
【0027】
ホルダ本体18の側壁部20は、前後の部位の上端に、外方の下方へ延びる係止爪20aを備え、これらの係止爪20aは、エアバッグカバー30の側壁部40における前後の位置の上縁段部40aに係止されることとなる。
【0028】
ホルダ本体18に固着された前後二つの保持プレート21は、それぞれ、左右両側のスポーク部Sにおけるリング部R近傍の被覆層6の部位付近まで延びる保持部21aを備え、各保持部21aには、ホーンスイッチ23が取り付けられている。また、各保持プレート21は、リベット50を挿通させる保持孔21bを備えている。
【0029】
二つの連結板27は、エアバッグ装置Mの左右両側の下面で、それぞれ、前後方向に沿うような帯状に配設され、前後方向の略中間部位を、ステアリングホイール本体1の芯金2に固定させるように構成され、また、前後両端を、それぞれ、保持プレート21の左右両端の保持部21aの下方に配置させるとともに、スポーク部芯金4に支持させるように、構成されている。そして、連結板27の前後両端と保持部21aとは、ホーンスイッチ23を介在させて連結されている。すなわち、エアバッグ装置Mは、ホーンスイッチ23を介在させた状態で、左右の連結板27に支持され、連結板27が芯金2に固定されることにより、ステアリングホイール本体1のボス部Bの上部に装着されることとなる。
【0030】
なお、左右の連結板27が固定される芯金2の部位は、左右の両側のそれぞれの前後のスポーク部芯金4を連結させるように配設された図示しない取付座であり、各連結板27は、前後方向の略中央に図示しないナットを固着させており、このナットに螺合するボルトを利用して、芯金2の各取付座に固定されている。
【0031】
また、ホーンスイッチ23は、バッグホルダ17側となるホーン作動回路の正極側と導通する接点部(図符号省略)と、芯金2側となるホーン作動回路の負極側と導通する接点部(図符号省略)と、を備えて構成され、ホーンパッドとしてのエアバッグカバー30の押圧操作により、接点部相互が接触して、ホーンを作動するように構成されている。さらに、ホーンスイッチ23は、接点部相互を離隔させるためのコイルばね24を備えており、通常時は、接点部相互を離隔させて、エアバッグ装置Mのバッグホルダ17側が、連結板27から上方に浮いている状態としている。なお、この上方へ付勢された際の上限の位置止めは、連結板27の下方から保持部21aに締め付けられているボルト25によって、行なわれており、ボルト25は、ホーンスイッチ23を介在させて、連結板27と保持部21aとを連結する役割も有する。
【0032】
革張りエアバッグカバー30は、図2・3に示すように、オレフィン系・スチレン系等の熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から形成されるカバー本体33と、カバー本体33の表面側に貼着された天然皮革や合成皮革等からなる皮革43と、から構成されている。そして、エアバッグカバー30は、図1〜3に示すように、膨張するエアバッグ11に押されて破断して、エアバッグ11を突出可能な開口30aを形成するための破断予定部31が、形成されている。実施形態の破断予定部31は、長方形形状の開口30aを形成可能に、エアバッグカバー30の上方から見て、略H字形状の線状に配設されている。
【0033】
そして、カバ−本体33は、天井壁部34と、天井壁部34の外周縁から下方へ延びる略四角筒形状の側壁部40と、を備えて構成されている。天井壁部34は、側壁部40の内側部位が、折り畳まれたエアバッグ11を覆う部位として構成され、その部位には、エアバッグ11の膨張時に開く二つの扉部37・38が設けられるとともに、それらの扉部37・38が円滑に開くように、ヒンジ部37a・38aを残して、各扉部37・38の周囲に薄肉の強度低下部36が形成されている。
【0034】
強度低下部36は、上方から見て、エアバッグカバー30の破断予定部31と一致するものであり、略H字形状の線状に形成されており、エアバッグ11の膨張時、扉部37は、前縁側をヒンジ部37aとして、前方側に開き、扉部38は、後縁側をヒンジ部38aとして、それぞれ、前後両側に開いて、長方形の開口30aを形成することとなる。この強度低下部36は、他の一般部35より、引張強度を低下させるように、連続的若しくは断続的に凹溝36aを設けて、形成されている。実施形態の場合には、強度低下部36は、天井壁部34の裏面側に、連続する凹溝36aを設けて、形成されている。
【0035】
また、天井壁部34における側壁部40の外側部位には、ホーンスイッチ23を取り付けたバッグホルダ17の保持部21aに当接する筒状の押圧リブ39が、配設されている。
【0036】
側壁部40は、水平方向に貫通する複数の保持孔41が形成されている。これらの保持孔41には、エアバッグカバー30をバッグホルダ17に保持させるための固着手段としてのブラインドリベット50が、挿入されている。
【0037】
皮革43は、図1〜6に示すように、表面43a側に、ステアリングホイール本体1側の皮革7のシボ模様8と同じシボ模様44が賦形されている。そして、この皮革43では、カバー本体33の強度低下部36の破断時に、円滑に皮革43が破断できるように、強度低下部36の領域を広く覆って、引張強度を低下させた脆弱部45が形成されている。
【0038】
実施形態の場合、脆弱部45は、皮革43の裏面43b側の全面に、多数の切欠き46を設けて、形成されている。特に、実施形態の場合には、多数の直線状の切欠き46を、並設させるとともに直交交差させるように、配設させて、多数の直線状の切欠き46を、格子状に配設させている。
【0039】
図5・6に示すように、格子状の切欠き46のピッチPは、脆弱部45における不必要な破断とエアバッグ11の膨張時の円滑な破断とを確保するために、3〜5mmが望ましく、また、切欠き46を設けた部位の皮革43の厚さtは、脆弱部45における不必要な破断とエアバッグ11の膨張時の円滑な破断とを確保するために、0.3〜1.0mm、望ましくは、0.6±0.2mmの範囲が好ましい。実施形態の場合には、皮革43の厚さTを1.3mmとして、ピッチPを4mm、厚さtを0.6mmとしている。
【0040】
この皮革43の製造は、図4に示すように、シート状の大きな皮革素材48の表面48a側に、同じシボ模様8・44を賦形した後、皮革7A・7B・7C・7Dとともに、皮革43を所定形状に裁断し、裁断した皮革43の裏面43b側に、格子状の切欠き46を設けて、脆弱部45を形成すれば、製造することができる。
【0041】
なお、格子状の切欠き46の形成には、皮革43に所定数のカッタを当てて、皮革43とカッタとの少なくとも一方を、直線状に引っ張るように移動させて、皮革43の裏面43b側の全域に、所定方向の多数の直線状の切欠き46を形成し、その後、それらの直線状の切欠き46と直交交差するように、皮革43とカッタとの少なくとも一方を回転移動させ、さらに、カッタを当てて、皮革43とカッタとの少なくとも一方を、直線状に引っ張るように移動させれば、格子状の切欠き46からなる脆弱部45を、簡単に形成できる。
【0042】
そして、このように製造した皮革43を、カバー本体33の表面に対して、所定の接着剤を利用して貼着させて結合させれば、エアバッグカバー30を製造することができる。
【0043】
なお、皮革素材48から裁断した皮革7A・7B・7C・7Dは、円環状に連結した後、リング部Rやスポーク部Sの被覆層6に接着剤を利用して貼着させるとともに、リング部Rの内周側となる部位やスポーク部Sの側面部位で、皮革7A・7B・7C・7Dの縁相互を縫合すれば、革張りのステアリングホイール本体1を製造することができる。
【0044】
そして、エアバッグ装置Mの組み立てについて述べると、各ボルト12aを開口部11aの周縁から外側に突出させるように、リテーナ12をエアバッグ11内に入れて、エアバッグ11を折り畳み、ついで、各ボルト12aを貫通孔19bから突出するように、折り畳んだエアバッグ11をバッグホルダ17の底壁部19上に配置させ、さらに、インフレーター15の本体部15aを下方から底壁部19の挿通孔19a内に挿入させて、各ボルト12aをフランジ部15cの貫通孔15dから突出させる。そして、各ボルト12aにナット13を螺合させて、バッグホルダ17にエアバッグ11とインフレーター15とを保持させる。
【0045】
その後、エアバッグ11にエアバッグカバー30を被せて、側壁部40の上縁段部40aにバッグホルダ17の係止爪20aを係止させるとともに、バッグホルダ17と側壁部40との保持孔21b・41相互を一致させ、リベット50を挿通させて、バッグホルダ17と側壁部40とを、リベット50により締結する。
【0046】
そして、バッグホルダ17の各保持プレート21における保持部21aに、ボルト25を利用して、ホーンスイッチ23を介在させて、連結板27を取り付ければ、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。
【0047】
このように組み立てたエアバッグ装置Mは、車両に取付済みのステアリングホイール本体1の図示しない取付座に対し、所定のボルトを使用して、連結板27を連結させれば、ステアリングホイール本体1に組み付けることができ、この時、ステアリングホイールWの組み立てと車両へのステアリングホイールWの搭載とが、完了することとなる。
【0048】
ステアリングホイールWへの車両への搭載後、インフレーター本体部15aのガス吐出口15bから膨張用ガスが吐出されれば、折り畳まれたエアバッグ11が、膨張して、エアバッグカバー30におけるカバー本体33の天井壁部34を押し上げることから、カバー本体33の強度低下部36が破断するとともに皮革43の脆弱部45が破断して、エアバッグカバー30の破断予定部31が破断することとなり、扉部37・38の開いた開口30aから、エアバッグ11が、大きく突出することとなる。
【0049】
そして、実施形態のエアバッグカバー30では、皮革43が、引張強度を低下可能な多数の切欠き46を略均等に配置させた脆弱部45を、備えて、この脆弱部45を、カバー本体33の強度低下部36を囲む領域の全面に、配置させている。
【0050】
そのため、皮革43をカバー本体33の表面に貼着して配設する際、線状でない広い領域の脆弱部45を、カバー本体33の線状の強度低下部36の表面側に一致させるだけで、皮革43とカバー本体33との位置合せを完了させることができることから、従来の線状の強度低下部相互を位置合せする場合に比べて、迅速に、カバー本体33の表面に皮革43を配設させることができ、その結果、容易に、皮革43をカバー本体33の表面に結合させることができて、革張りのエアバッグカバー30を簡便に製造することができる。
【0051】
そして、革張りのエアバッグカバー30がエアバッグ11に押されて破断する際には、既述したように、カバー本体33では、所定の線状の強度低下部36が破断して、皮革43では、脆弱部45が破断することとなる。その際、脆弱部45は、引張強度を低下可能な多数の切欠き46を略均等に配置させて、構成されており、カバー本体33の線状の強度低下部36の破断時に、その強度低下部36に略沿った切欠き46を破断させることとなって、支障なく、皮革43が破断され、その結果、エアバッグカバー30は、エアバッグ11を突出可能な開口30aを形成するように、円滑に、破断予定部31を破断させることとなる。
【0052】
したがって、実施形態のエアバッグカバー30では、カバー本体33の表面に皮革43が配設されていても、破断予定部31の円滑な破断を阻害することなく、容易に製造することができる。
【0053】
そして、実施形態のエアバッグカバー30では、皮革43の裏面43b側に、切欠き46を配置させて、皮革43の表面43a側に、シボ模様44を形成している。
【0054】
そのため、仮に、脆弱部45の切欠き46が皮革43の表面43a側に不要な凹凸等の影響を及ぼすこととなっても、そのような影響をシボ模様44で隠すことができて、皮革43の意匠性を低下させない。
【0055】
さらに、実施形態の場合、エアバッグカバー30が、革張りステアリングホイールWの中央のパッド部分に配設されて、ステアリングホイール本体1の皮革7とエアバッグカバー30の皮革43とが、全域に同一のシボ模様8・44を賦形した皮革素材48から裁断して、形成されており、統一的なシボ模様8・44を具備した革張りステアリングホイールWを製造することができて、意匠効果の高いステアリングホイールWを得ることができる。
【0056】
また、実施形態の革張りエアバッグカバー30では、脆弱部45が、多数の直線状の切欠き46を格子状に設けて、形成されている。そのため、単に直線状の多数の切欠き46相互を交差させるように、切欠きを設けるためのカッタを直線状に使用するだけで、脆弱部45を簡単に形成できる。そして、脆弱部45が、直線状の切欠き46を基本として構成されているため、切欠き46の深さ管理、すなわち、切欠き46の部位における皮革43の厚さtの管理が容易となり、脆弱部45の破断強度を安定させることができる。
【0057】
なお、格子状の切欠き46を形成する場合、実施形態の場合には、連続する直線状に、表面側に向かって切り込まれた切欠き46を例示したが、断続的な直線状に切り込みを入れる切欠きで、格子状の切欠きを形成してもよい。ちなみに、このような断続的な直線状の切り込みによって、格子状の切欠きを設ける場合でも、脆弱部における不必要な破断とエアバッグの膨張時の円滑な破断とを確保するために、格子の直線間のピッチは、3〜5mmが望ましく、また、切欠きを設けた部位の皮革の厚さも、0.3〜1.0mm、望ましくは、0.6±0.2mmの範囲とすることが好ましい、
また、上記のような作用・効果を考慮しなければ、上記のような格子状の切欠き46でなく、所定の領域内に略均等に、円形状、三角等の多角形状、V字状、L字状、十字状等の点状に凹む凹溝を含めた切欠き、あるいは、連続的若しくは断続的に、直線や曲線を適宜組み合わせたような凹溝を含めた切欠き、を設けて、脆弱部を形成してもよい。
【0058】
さらに、実施形態では、脆弱部45を皮革43の裏面43bの全面に設けた場合を示したが、図7に示すように、カバー本体33の強度低下部36を囲み可能な幅広の略H字状の領域の全面に、すなわち、皮革43の裏面43b側に部分的に、切欠き46を形成して、その切欠き46の配置された領域を脆弱部45としてもよい。ただし、実施形態のように、皮革43が、その全域に脆弱部45を配設させる構成であれば、カバー本体33に設けられる強度低下部36の配置位置や形状が変更されても、容易に対処できて、皮革43を種々のカバー本体に共用できる。
【0059】
さらにまた、実施形態では、エアバッグカバー30におけるエアバッグ11を突出されるための開口30aを形成するための破断予定部31や強度低下部36として、略H字形状のものを例示したが、この破断予定部31や強度低下部36は、破断時にエアバッグ11を突出可能な開口30aを形成できれば、開く扉部を一枚とするようなU字状や、開く扉部が三枚あるようなT字状等の、種々の線状のものを採用することができる。
【0060】
さらに、実施形態では、ステアリングホイールWに搭載されるエアバッグ装置Mのエアバッグカバー30について説明したが、革張りのエアバッグカバーであれば、助手席用エアバッグ装置、頭部保護エアバッグ装置等のものに、本発明のエアバッグカバーを適用することができる。そして、これらの場合、エアバッグカバーの周囲に革張り部材が配設されていれば、その革張り部材と共に革張りエアバッグカバーに統一的なシボ模様を賦形して、エアバッグ装置の配設されている部位付近の意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の革張りエアバッグカバーが使用されるステアリングホイールの平面図である。
【図2】実施形態のエアバッグカバーが使用されるステアリングホイールの概略断面図であり、図1のII−II部位に対応する。
【図3】実施形態のエアバッグカバーが使用されるステアリングホイールの概略断面図であり、図1のIII−III部位に対応する。
【図4】エアバッグとステアリングホイール本体との皮革の裁断状態を示す図である。
【図5】実施形態のエアバッグカバーにおける皮革を平らに展開させた底面図である。
【図6】実施形態のエアバッグカバーにおける皮革の拡大断面図であり、図5のVI−VI部位に対応する。
【図7】実施形態のエアバッグカバーにおける皮革の変形例を示す裏面図である。
【符号の説明】
11…エアバッグ、
30…革張りエアバッグカバー、
30a…開口、
31…破断予定部、
33…カバー本体、
36…強度低下部、
43…皮革、
43a…表面、
43b…裏面、
44…シボ模様、
45…脆弱部、
46…切欠き。
W…(革張り)ステアリングホイール、
M…エアバッグ装置。

Claims (2)

  1. 折り畳まれたエアバッグを覆うように配設されて、膨張時の前記エアバッグに押された際、線状に配置された破断予定部を破断させて、前記エアバッグを突出させるための開口を形成可能とするとともに、
    カバー本体と、該カバー本体の表面に配設されるシート状の皮革と、を備えて構成される革張りエアバッグカバーであって、
    前記カバー本体が、前記破断予定部の位置に、線状の前記破断予定部に沿わせて、他部より引張強度を低下させた強度低下部を、配置させ、
    前記皮革が、前記カバー本体の強度低下部を囲み可能な領域の全面に、引張強度を低下可能な多数の切欠きを略均等に配置させた脆弱部を、配設させ
    前記脆弱部が、多数の直線状の切欠きを格子状に設けて、形成されていることを特徴とする革張りエアバッグカバー。
  2. 前記皮革の裏面側に、前記切欠きが配置され、前記皮革の表面側に、シボ模様が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の革張りエアバッグカバー。
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