JP4039209B2 - エアバッグ装置のエアバッグカバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は衝突の際の衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置のエアバッグカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来自動車が衝突した際に発生する衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置は、衝撃の吸収効果をより高めるため乗員と対向する位置、例えばステアリングホイールのセンタパッド内や、インストルメントパネルの上部等に設置されている。
【0003】
しかしこれらの場所は乗員の目に触れやすいことから、エアバッグ装置を設置する場合、周囲との調和、美観の向上を図るべく、周囲の内装部品と同系色の類似の質感を持たせることができるように、表面に革シボや艶消し塗装を施し、またCIマークを刻印したエンブレムや木目フィニッシャなどを付与するなどの工夫をしている。
【0004】
一方運転者が操作するステアリングホイールは、運転者の目前にある上、運転者が絶えず触れることから、リム部に帯状の本革を巻き付けた、いわゆる革巻きグリップを採用したステアリングホイールが比較的多く利用され、手に馴染み滑りにくいために、操作性を向上し、また天然皮革の質感による高級感を得ている。
【0005】
またこの革巻きグリップを採用したステアリングホイールのセンタパッド内にエアバッグ装置を設置する場合、樹脂カバーまたは艶消し塗装を施した樹脂カバーとグリップ及びスポークに巻きつけた革との質感の差から、統一的な高級感を得ることが困難であった。そこで、革巻きグリップとの調和を図るため、エアバッグカバーの上面を革で被覆したもの(例えば特許文献1,2)や、意匠効果を高めるためエンブレムやオーナメントと称する別体の装飾体をエアバッグカバーの上面に取り付けたもの(特許文献3)等がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−1499号公報(段落0021の第8行目〜第15行目)
【特許文献2】
特開平9−183375号公報(段落0009)
【特許文献3】
特開2001−354098号公報(段落0006の第8行目〜第11行目)
【0007】
前記特許文献1に記載のステアリングホイールは、エアバッグが膨張した際、エアバッグカバーの上面を覆う革が開裂しやすいように、革の内面に破裂継目窪みを形成することにより、革の一部を薄肉とした構成となっている。
【0008】
また特許文献2に記載のエアバッグカバーは、エアバッグカバー本体の上面を覆う皮革に、エアバッグカバー本体側に形成された凹部と合致するようミシン目からなる空孔部を形成して、エアバッグが膨張した際、この空孔部から皮革が容易に開裂されるように構成されている。
【0009】
一方前記特許文献3に記載のエアバッグカバーは、エアバッグカバーの上面に取り付けた装飾体が膨張するエアバッグを傷付けないように、装飾体の取り付け脚部をエアバッグカバーの内側で折曲した、先端を被覆して先端がエアバッグカバーの内側に露出しないように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記特許文献1のように、エアバッグカバーを覆う革の内面に開裂継目窪みを形成したり、前記特許文献2のように、皮革にミシン目状の空孔部を形成したものでは、皮に窪みや空孔部を形成する工程を必要とするため、手間がかかるなどの問題がある。
【0011】
また革に形成した窪みや空孔部の位置がエアバッグカバー側に形成された開裂予定溝の位置よりずれると、エアバッグが膨張した際革が開裂されない場合があるため、革の窪みや空孔部の位置とエアバッグカバーの開裂予定溝の位置を精密に位置合せして、エアバッグカバーの上面に革を接着する必要がある。
【0012】
このため接着作業に多くの工数を要して作業能率が悪いことから、コスト高となる等の問題もある。
【0013】
一方特許文献3の場合、エアバッグカバーの上面に直接装飾体を取り付けているもので、破断予定溝は装飾体の下部直近の外側に沿って形成されており、各扉に従って開裂されるように表皮を適用することが困難であるとの問題がある。
【0014】
本発明はかかる従来の問題点を改善するためになされたもので、カバー本体の上面を被覆する表皮に窪みや空孔部等の加工をせずに容易に開裂できるエアバッグ装置のエアバッグカバーを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のエアバッグ装置のエアバッグカバーは、エアバッグ装置を覆うように設けられ、かつエアバッグが膨張した際開裂する開裂予定溝が内面に形成されたカバー本体と、カバー本体の上面を被覆するように接合された表皮と、表皮の上面に取り付けられた装飾体とからなるエアバッグ装置のエアバッグカバーであって、開裂予定溝に近接する部分を有するようにカバー本体の上面に装飾体取り付け部を設けると共に表皮における装飾体取り付け部に合致する位置に取り付け孔を開口し、且つ、カバー本体に、装飾体取り付け部が開裂予定溝に近接する部分に表皮が接合されない非接合部を形成するように、表皮が接合されており、さらに、取り付け孔を覆うように装飾体取り付け部に装飾体を取付けて構成したものである。そして、装飾体取り付け部は、カバー本体の上面に凹状に設けられて構成しても良い。
【0016】
前記構成により、エアバッグが膨張した際の圧力によりカバー本体が開裂予定溝より開裂すると、非接合部に接する取り付け孔の開口縁より表皮が開裂するため、表皮に開裂しにくい皮革を使用した場合でも、カバー本体の開裂とともに表皮を所定形状に開裂することができ、これによってカバー本体を被覆する表皮がエアバッグの膨張展開を妨げることがない。
【0017】
また表皮に開裂継目窪みやミシン目状の空孔部を形成したり、カバー本体の開裂予定溝に開裂継目窪みやミシン目状の空孔部を精度よく位置合わせして、カバー本体の上面に表皮を接合する作業が不要となるため、作業工数の大幅な削減とこれに伴うコストの低減が図れるようになる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明のエアバッグ装置のエアバッグカバーは、取り付け孔の開口縁を装飾体取り付け部の周壁との間で挟着するよう装飾体取り付け部に装飾体を取り付けたものである。
【0019】
前記構成により、装飾体を装飾体取り付け部に圧入することにより、表皮の上面に装飾体を取り付けることができるため、装飾体の取り付けが容易に行えると共に、取り付け孔の開口縁が装飾体取り付け部の周壁と装飾体の周囲との間で挟着されるため、表皮が取り付け孔の開口縁より破れてカバー本体より剥離することもないので、耐久性も高い。
【0020】
前記目的を達成するため本発明のエアバッグ装置のエアバッグカバーは、開裂予定溝のうち中央の開裂予定溝を、装飾体取り付け部と干渉しないように、装飾体取り付け部の下側下辺に沿って迂回するように形成したものである。
【0021】
前記構成により、カバー本体が開裂予定溝より扉状に開放した際、一方の扉部一体に装飾体取り付け部及び装飾体が開放されるため、装飾体が飛散することがない。
【0022】
前記目的を達成するため本発明のエアバッグ装置のエアバッグカバーは、取り付け孔の開口縁に、非接合部と接するようノッチを形成したものである。
【0023】
前記構成により、開裂予定溝よりカバー本体が開裂する際、ノッチより表皮が確実に開裂されるため、本革のような開裂しにくい素材を表皮に使用することができ、これによって意匠的効果をさらに高めることができる。
【0024】
前記目的を達成するため本発明のエアバッグ装置のエアバッグカバーは、装飾体より突設した係止爪を装飾体取り付け部に形成したスリットに挿入して、係止爪の先端をカバー本体の内側で折り曲げると共に、カバー本体の内面に突設した溶着用突片を係止爪の先端側に溶着することにより、係止爪の先端を被覆したものである。
【0025】
前記構成により、膨張したエアバッグが係止爪の先端で傷付けられる虞がない。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
【0027】
図1はエアバッグ装置が装着されたステアリングホイールの正面図、図2はエアバッグ装置を覆うカバー及び表皮の分解斜視図、図3は図1のA−A線に沿う断面図、図4は図1のB−B線に沿う断面図、図5は装飾体の拡大斜視図、図6はカバー上面に形成された装飾体取り付け部の拡大平面図、図7はカバー上面を表皮で被覆した状態の拡大平面図、図8ないし図11は、装飾体取り付け部に装飾体を取り付ける際の作用説明図である。
【0028】
図1に示すステアリングホイール1は、図示しないハブ部と、環状のリム部1a及びハブ部とリム部1aを連結する複数のスポーク部1bより構成されており、リム部1aは帯状の本革または合成皮革を巻きつけた革巻きとなっている。
【0029】
ハブ部内にはエアバッグ装置2が設置されていて、このエアバッグ装置2は、底面が開口する偏平な角箱状のカバー本体3により覆われている。
【0030】
エアバッグ装置2は従来公知のものが使用されているためその構造を簡単に説明すると、ケース2a内に折り畳まれたエアバッグと、自動車が衝突した際の衝撃を感知して、前記エアバッグを瞬時に膨張展開させるインフレータ(ともに図示せず)が収容された構造となっている。
【0031】
エアバッグ装置2を覆うカバー本体3は、オレフィン系エラストマー樹脂のような軟質樹脂により一体成形されていて、内面にはエアバッグが膨張した際開裂する開裂予定溝3aが形成されている。
【0032】
この開裂予定溝3aは断面が図3に示すようにほぼV字形をなしていて、カバー本体3の内面に図1の点線で示すようにほぼH字形に形成されており、エアバッグが膨張した際には、中央の開裂予定溝3bと両側の開裂予定溝3cが開裂して、中央の開裂予定溝3bをはさんで対向する扉部3d,3eが図11に示すように上方向へ開放するようになっている。
【0033】
カバー本体3の上面には、エンブレムまたはオーナメントと称する装飾体4を取り付ける装飾体取り付け部3fが形成されている。
【0034】
装飾体取り付け部3fは、装飾体4の外形寸法よりやや大きい長方形状の凹入部よりなり、深さは装飾体4を取り付けた際、装飾体4の上面がカバー本体3の上面を被覆する表皮5の上面とほぼ同一平面となる値に設定されている。
【0035】
カバー本体3の内面に形成された開裂予定溝3aのうち、中央の開裂予定溝3bは、装飾体取り付け部3fと干渉しないよう図6に示すように装飾体取り付け部3fの下側を下辺に沿って迂回するように形成されている。
【0036】
なお装飾体取り付け部3fの上側を迂回するように中央の開裂予定溝3bを形成してもよい。
【0037】
カバー本体3の上面に形成された装飾体取り付け部3fの内底面には、ほぼ升目状に区割されたリブ3gが突設されている。
【0038】
これらリブ3gは装飾体取り付け部3fに取り付けられた装飾体4の下面に先端が当接することにより、装飾体4の位置決めと支持を行うもので、リブ3gの周辺には、装飾体取り付け部3fの内壁3hに沿うように複数のスリット3iが形成されている。
【0039】
そしてこれらスリット3iに装飾体4の係止爪4aが上方より挿入できるようになっている。
【0040】
装飾体4は、図5に示すように上面にロゴや意匠的な模様(図示せず)等が形成された金属等の板材よりなり、周囲に縁部4bが折り曲げ形成されていると共に、上下辺の縁部4bに一対の係止爪4aが、また左右辺の縁部4bにはそれぞれ1本の係止爪4aが下方へ向けて突設されており、装飾体4の下辺部と左右に突設された係止爪4a間の縁部4bには切り欠き4cが形成されている。
【0041】
一方カバー本体3の上面を被覆する表皮5は、リム部1aに巻き付けられた革と同材質で、かつ厚さが0.5mm程度の牛革等の本革や合成皮革よりなり、予め形成されたカバー本体3の上面に接着等の手段で固着されている。なお、上記皮革は薄く削いだものが好ましく、例えば技術水準にある削ぎ加工手段によって0.2mmの厚みまで薄くできることが知られている。そのように薄く加工された皮革であれば、エアバッグの膨張により、格別の破断予定線を皮革に付与することなく扉部に接合されていることにより、扉部の破断予定溝上の皮革が扉部の形状に従って破断する。ただ、そのような薄い皮革を得ることは、技術的に可能であることとは別に、価格の点で採用が容易でない。本願発明者は、上記0.5mm程度の厚みまで削ぎ落とした皮革において、破断予定線の加工なくして扉部への密着により十分な破断性能が得られることを確認している。通常、グリップに用いる皮革は1.0〜1.5mmの厚みのものがあるが、エアバッグカバー用の皮革としては、その1/2程度より薄いものが好ましい。すなわち、0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下である。本願発明時の技術に比して将来削ぎ加工の技術が改良されれば、下限値は0.2mmより下がるであろうことは、予測可能であるが、量産に適用可能な限度で厚く設定するのが、価格を考慮して好ましい。
【0042】
表皮5には、カバー本体3の上面に形成された装飾体取り付け部3fと合致する位置に、装飾体取り付け部3fの外形寸法よりやや小さい取り付け孔5aが開口されている。
【0043】
取り付け孔5aの下辺部中央には、図7に示すように舌片状の突出部5bが、そしてその両側の隅角部には下辺と左右辺に跨って突出部5cが形成されていて、これら突出部5b,5cは装飾体4の縁部4bに形成された切り欠き4cと位置が合致していると共に、左右の突出部5cには表皮5の開裂を容易にするノッチ5dがそれぞれ形成されている。
【0044】
次に前記構成されたエアバッグカバーの製造過程を図7ないし図11に示す図面を参照して説明する。
【0045】
予め成形したカバー本体3の表面を表皮5により被覆するに当って、まずカバー本体3の装飾体取り付け部3fと、表皮5の取り付け孔5aを位置合せし、接着や溶着等の接合手段でカバー本体3の上面に表皮5を固着するが、このとき図8に示す斜線部分は接合をしない。
【0046】
すなわち中央の開裂予定溝3bと取り付け孔5aの下辺部に形成された各突出部5b,5cに囲まれた斜線の範囲を非接合とすることにより、カバー本体3の上面に表皮5を接合する際の位置合せが容易となるため、精度の高い位置合せが不要となると同時に、カバー本体3が開裂予定溝3bより開裂する際、表皮5が開裂を妨げることが少なくなる。
【0047】
カバー本体3の上面に表皮5を接合したら、次に装飾体4の各係止爪4aを装飾体取り付け部3fの各スリット3iへ上方より挿入し、装飾体4を装飾体取り付け部3fへ圧入すると、装飾体4の周辺部により取り付け孔5aの開口縁が装飾体取り付け部3fの内壁3hに沿って図3及び図4に示すように折り曲げられ、取り付け孔5aの開口縁が装飾体取り付け部3fの内壁3hと装飾体4の周辺との間に挟着されるが、このとき装飾体4の縁部4bに形成された切り欠き4cと合致する部分は、切り欠き4cにより開口縁が拘束されない状態となる。
【0048】
この状態でさらに装飾体4を押し込むと、装飾体4の下面が装飾体取り付け部3fの底面に突設されたリブ3gの先端に当接して装飾体4が上下方向に位置決めされるので、この状態で各係止爪4aの先端を図10に示すように内側へ折り曲げて装飾体4をカバー本体3へ固定する。
【0049】
その後各スリット3iの外側に突設された溶着用突片3jを係止爪4aの折り曲げ部側へ熱を加えながら図10に示すように折り曲げて、係止爪4aの先端を溶着用突片3jで覆うと共に、この状態で溶着用突片3jをカバー本体3の内面に溶着して、図4に示すように係止爪4aの先端を被覆する。
【0050】
以上のようにして組み立てられたカバー本体3は、ステアリングホイール1のハブ部に装着されたエアバッグ装置2の上面を覆うようにしてハブ部に取り付けられるが、自動車が衝突した際の衝撃でエアバッグが膨張した際には、図11に示すようにカバー本体3が開裂される。
【0051】
すなわちエアバッグが膨張した際の圧力により、カバー本体3の内面に形成された開裂予定溝3aの中央の開裂予定溝3bと左右の開裂予定溝3cが開裂して、上下の開裂予定溝>>ヒンジ予定線3m,3nをヒンジとして上下扉部3d,3eが上下方向へ開放する。
【0052】
このときカバー本体3の上面を覆う表皮5は、装飾体4の縁部4bに形成された切り欠き4cにより拘束されていず、またカバー本体3の上面と接合されていない非接合部(図8の斜線部)の何れかより開裂するが、予め突出部5cにノッチ5dを設けておくことにより、表皮5はこのノッチ5d部分より開裂が始まり、その後カバー本体3と接合された部分が開裂予定溝3b,3cに沿って破断されるため、表皮5がエアバッグの膨張展開を妨げることがない。
【0053】
また装飾体取り付け部3fに取り付けられた装飾体4は、一方の扉部3d,3eとともに開放されるため、カバー本体3より離脱して飛散することがないと共に、装飾体4の係止爪4aは溶着用突片3jにより被覆されているため、係止爪4aの先端でエアバッグが傷付くこともない。
【0054】
なお前記実施の形態では、ステアリングホイールに装着したエアバッグ装置に適用した場合について説明したが、インストルメントパネルの上部や、その他の場所に設置されたエアバッグ装置にも適用できることは勿論である。また、上記実施例は装飾体取り付け部3fを凹入部として形成したが、カバー本体3の上面とほぼ単一曲面を形成させてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、カバー本体の内面に形成された開裂予定溝に近接するようカバー本体の上面に凹状などの装飾体取り付け部を設け、かつ装飾体取り付け部と合致する位置に取り付け孔が開口され、かつ取り付け孔の開口縁と開裂予定溝の間に非接合部が形成されるようにカバー本体の上面に表皮を接合すると共に、取り付け孔を覆うように装飾体取り付け部に取り付けられた装飾体とより構成したことから、エアバッグが膨張した際の圧力によりカバー本体が開裂予定溝より開裂すると、非接合部に接する取り付け孔の開口縁より表皮が開裂するため、表皮に開裂しにくい皮革を使用した場合でも、カバー本体の開裂とともに表皮を所定形状に開裂することができ、これによってカバー本体を被覆する表皮がエアバッグの膨張展開を妨げることがない。
【0056】
また表皮に開裂継目窪みやミシン目状の空孔部を形成したり、カバー本体の開裂予定溝に開裂継目窪みやミシン目状の空孔部を精度よく位置合わせして、カバー本体の上面に表皮を接合する作業が不要となるため、作業工数の大幅な削減とこれに伴うコストの低減が図れるようになると共に、取り付け孔の開口縁を装飾体取り付け部の周壁との間で挟着するよう装飾体取り付け部に装飾体を取り付けたことから、装飾体を装飾体取り付け部に圧入することにより、表皮の上面に装飾体を取り付けることができるため、装飾体の取り付けが容易に行える上、取り付け孔の開口縁が装飾体取り付け部の周壁と装飾体の周囲との間で挟着されるため、表皮が取り付け孔の開口縁より破れてカバー本体より剥離することもないので、耐久性も高い。
【0057】
さらに開裂予定溝を装飾体取り付け部の周辺を迂回するように形成したことから、カバー本体が開裂予定溝より扉状に開放した際、一方の扉部一体に装飾体取り付け部及び装飾体が開放されるため、装飾体が飛散することがないと共に、取り付け孔の開口縁に、非接合部と接するようノッチを形成したことにより、開裂予定溝よりカバー本体が開裂する際、ノッチより表皮が確実に開裂されるため、本革のような開裂しにくい素材を表皮に使用することができ、これによって意匠的効果をさらに高めることができる。
【0058】
しかも装飾体より突設した係止爪を装飾体取り付け部に形成したスリットに挿入して、係止爪の先端をカバー本体の内側で折り曲げると共に、カバー本体の内面に突設した溶着用突片を係止爪の先端側に溶着することにより、係止爪の先端を被覆したことから、膨張したエアバッグが係止爪の先端で傷付けられる虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを採用したステアリングホイールの正面図である。
【図2】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを示す分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーに取り付ける装飾体の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバー上面の拡大平面図ある。
【図7】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバー上面を表皮で被覆した状態の拡大平面図である。
【図8】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを組み立てる際の作用説明図である。
【図9】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを組み立てる際の作用説明図である。
【図10】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを組み立てる際の作用説明図である。
【図11】本発明の実施の形態になるエアバッグ装置のエアバッグカバーを組み立てる際の作用説明図である。
【符号の説明】
2 エアバッグ装置
3 カバー本体
3b 開裂予定溝
3f 装飾体取り付け部
3i スリット
3j 溶着用突片
4 装飾体
4a 係止爪
5 表皮
5a 取り付け孔
5d ノッチ

Claims (6)

  1. エアバッグ装置を覆うように設けられ、かつエアバッグが膨張した際開裂する開裂予定溝が内面に形成されたカバー本体と、前記カバー本体の上面を被覆するように接合された表皮と、前記表皮の上面に取り付けられた装飾体とからなるエアバッグ装置のエアバッグカバーであって、前記開裂予定溝に近接する部分を有するよう前記カバー本体の上面に装飾体取り付け部を設けると共に、前記表皮における前記装飾体取り付け部に合致する位置に取り付け孔を開口し、且つ、前記カバー本体に、前記装飾体取り付け部が前記開裂予定溝に近接する部分に前記表皮が接合されない非接合部を形成するように、前記表皮が接合されており、さらに、前記取り付け孔を覆うように前記装飾体取り付け部に前記装飾体を取付けたことを特徴とするエアバッグ装置のエアバッグカバー。
  2. 前記装飾体取り付け部は、前記カバー本体の上面に凹状に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置のエアバッグカバー。
  3. 前記取り付け孔の開口縁を前記装飾体取り付け部の周壁との間で挟着するよう前記装飾体取り付け部に装飾体を取り付けてなる請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置のエアバッグカバー。
  4. 前記開裂予定溝のうち中央の開裂予定溝を、前記装飾体取り付け部と干渉しないように、前記装飾体取り付け部の下側下辺に沿って迂回するように形成してなる請求項1ないし3の何れかに記載のエアバッグ装置のエアバッグカバー。
  5. 前記取り付け孔の開口縁に、前記非接合部と接するようノッチを形成してなる請求項1ないし4の何れかに記載のエアバッグ装置のエアバッグカバー。
  6. 前記装飾体より突設した係止爪を前記装飾体取り付け部に形成したスリットに挿入して、前記係止爪の先端を前記カバー本体の内側で折り曲げると共に、前記カバー本体の内面に突設した溶着用突片を前記係止爪の先端側に溶着することにより、前記係止爪の先端を被覆してなる請求項1ないし5の何れかに記載のエアバッグ装置のエアバッグカバー。
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