JP4092918B2 - ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤフラムポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイヤフラムポンプは、図12に示すような構成である。この図において21はモータ、22はモータ21の出力軸、23は出力軸22に固定されたクランク台、24はクランク台23に傾斜させて固定されている駆動軸、26は駆動軸24に対して回動可能に取り付けられている駆動体、27はケーシング、28はシリンダー部、29はバルブハウジングである。31はダイヤフラム部、32は円筒状の吐出弁で、このダイヤフラム部31と吐出弁32とが一体に構成されていてダイヤフラム本体30を構成する。このダイヤフラム本体30はシリンダー部28とバルブハウジング29とにより保持されている。また33、34はバルブハウジング29と一体に形成された弁室部(共通室)および吐出口、35は吸気弁、36は吸気口である。
【0003】
このような構成のダイヤフラムポンプは、モータ21の駆動による出力軸22の回転によりクランク台23が回転する。このクランク台23の回転によりそれに固定されている駆動軸24はその傾斜方向が変化する。それにより駆動体26も変化し、それに取り付けられたダイヤフラム部31の駆動部(ピストン部)31aが往復動しポンプ作用を行なう。つまり図面右側のダイヤフラム部のように駆動部31aが上昇するとポンプ室の容積が減少して圧力が増加し、円筒状の吐出弁32を開いて吐出口34より流体が送り出される。一方、左側のダイヤフラム部のように駆動部が下降するとそのポンプ室の容積が増大し吸気弁35を開いて外部の流体が流入する。
【0004】
このように、ポンプ室の容積の変化により、流体は外部より吸気弁を通ってポンプ室内に流入し、次に流入した流体は吐出弁を開いて吐出口より供給されるというポンプ作用を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた従来のダイヤフラムポンプは、吐出弁がダイヤフラム部と一体に形成された筒状の弁であり、蓋体のこの筒状の弁が配置される弁室部(共通室)を構成する部分が同様に筒状をなし、この筒状の弁室内に筒状の吐出弁が配置される構成である。そのために、このダイヤフラムポンプを組み立てる際に、弁室内に吐出弁を下方より挿入する必要がある。
【0006】
このように、従来のダイヤフラムポンプは、製造時に筒状の弁室にその内壁面に密着する吐出弁を挿入することが面倒であり、人手にて行なう必要があるため、量産にとって好ましくない。また、自動化も可能であるが、人手にて組み立てる場合に比べ、円筒状の吐出弁を良好に挿入することが困難であり、組み立て後に十分な検査を行なう必要があり、組み立て不良が比較的大になる問題がある。
【0007】
本発明は、組み立てが容易である等製造が容易であるダイヤフラムポンプを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイヤフラムポンプは、ポンプ室を形成するダイヤフラム部を有するダイヤフラム本体と、シリンダー部と、バルブハウジングと、断面形状がV字状またはU字状の吐出弁とを備えた構成であって、各ダイヤフラム部をそれらに一体に設けられた駆動部(ピストン)を往復動させることによりポンプ作用を行なうものである。
【0009】
つまり、ダイヤフラム部の駆動部を移動させてポンプ室の容積が大になるようにして吸入弁を開き吐出弁を閉じて外部より流体をポンプ室内に流入し、また駆動部の逆方向の移動によりポンプ室の容積を小にして吐出弁を開き吸入弁を閉じて流体をポンプ室より吐出口を通じて供給するようにしたもので、吐出弁を断面形状がV字状またはU字状をなすように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
即ち、本発明のダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム部を有するダイヤフラム本体をシリンダー部とバルブハウジングとにて挟み保持するもので、バルブハウジングの中央部分に断面形状がV字状の(すり鉢状の)またはU字状の(円筒状の)凹部を形成し、この凹部とダイヤフラム部のポンプ室とを連通させる通路を形成し、この断面形状がV字状またはU字状の凹部内に、各通路を塞ぐように断面形状がV字状またはU字状の弁を配置し、この弁を吐出弁としたものである。
【0011】
そして、この断面形状がV字状またはU字状の吐出弁に、弁取り付け用の凸部を形成し、これをバルブハウジングの凹部に形成した取付孔に圧入することにより吐出弁を取付け固定するようにした。
【0012】
また、本発明のダイヤフラムポンプの他の構成は、前述のようにダイヤフラム部を夫々、シリンダー部とバルブハウジングとによって挟み、保持、固定すると共に、バルブハウジングの凹部に弁を置いて、更に集気体をバルブハウジングに固定することにより、集気体の中央に形成するバルブ押えにより弁を固定するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明のダイヤフラムポンプの実施の形態および参考例を図にもとづいて説明する。
図1は、本発明の参考例のポンプの構成を示すもので、図において1はモータ、2はモータ1の出力軸、3は出力軸2に固定されているクランク台、4はクランク台3に出力軸2に対し傾斜させて固定されている駆動軸、6は駆動体で、その軸受部6aに駆動軸4が挿入されることにより駆動軸4に回動可能に取り付けられている。7は通気孔7aを有するケース、8はシリンダー部、9はバルブハウジング、10は集気体、11はシリンダー部8とバルブハウジング9とにて保持されているダイヤフラム部11aを有するダイヤフラム本体、12はポンプ室、13はバルブハウジング9の断面形状がV字状の凹部9aに置かれた断面形状がV字状の吐出弁、14は集気体10に形成された吐出口である。そしてケース7、シリンダー部8、バルブハウジング9、集気体10をシリンダー部8とバルブハウジング9とによりダイヤフラム本体11を挟み、また断面形状がV字状の吐出弁13をバルブハウジング9の断面形状がV字状の凹部9aに置き、また吐出弁13の取付部(突起)13bをバルブハウジング9の取付孔9cに圧入することにより固定し、更に集気体10を取り付け組み立てる。
【0014】
尚、バルブハウジング9の断面V字状の弁13を取り付ける場合、弁13の中央部分13cを上方より押して、取り付け部(突起)13bを取り付け孔9cに圧入しても良いが、実際には、取り付け部(突起)13bの下部に紐状のものを設け、この紐状のものを下方に引くことにより圧入し、その後紐状のものを取り除く方法によれば、作業が容易で効果的である。このように、上記方法によりバルブハウジング9に吐出弁13を圧入固定した上で、ダイヤフラム本体11をシリンダー部8と吐出弁13を圧入固定したバルブハウジング9にて挟持し、更に集気体10を固定する方法にて、これら部品を組み立てる。
【0015】
図2は、図1の紙面に直角方向の断面図であり、図3はダイヤフラム本体11の平面図、図4はバルブハウジング9を下方(ダイヤフラム本体側)より見た図である。
【0016】
図2、3に示すように、ダイヤフラム本体11には、二つのダイヤフラム部11aの間、図3の上下方向に円形状の薄肉部よりなる吸入弁11cが二つ設けられている。この吸入弁11cは、図3に示すように、外側の円形状部分11dの中央にこれより径の小さい円形状の薄肉部11eと、この円形状の薄肉部の図3における上下にこの円形状薄肉部11eと円形状部分11dとを結ぶ薄肉部11fとよりなる。また11gは円弧状の開口部である。そして、図2に示すように、シリンダー8には、円形状薄肉部11eの中心に相当する位置に通気口8aが形成されている。
【0017】
つまり、吸入弁11cは、円形状薄肉部11eがシリンダー部8の上側の面に密着して吸入口8aを塞ぐことにより弁を閉じ、また円形状の薄肉部11eがシリンダー部8の上側の面より離れることにより弁を開くことにより逆止弁の作用をする。
【0018】
ここで、シリンダー部8に形成する吸入口8aは、一つに限るものではなく、また円形状薄肉部の中心に位置しなくともよい。つまり円形状の薄肉部11eにて塞ぐ位置であれば、中心よりずれていてもよく、また複数個設けてもよい。しかし、吸入口が一つの場合は、中心位置が望ましく、また、例えば吸入口を二つ設ける場合は、図3において、中心から上下に一定距離ずれた位置に夫々形成することが望ましい。
【0019】
ここでダイヤフラム本体11におけるダイヤフラム部11aと吸入弁11cとの配置位置は、図3に示すものに限ることはない。特にダイヤフラム部11aと吸入弁11cとは、出来る限り近くに配置されるようにすることが望ましい。その際、全体がダイヤフラム本体の中心に移動するようにするほか、両吸入弁11cを中心方向(図3の上下方向で両吸入弁11cが接近する方向)に移動させた構成でもよい。後者の場合、ダイヤフラム本体11を全体としてほぼ長方形状とし、またポンプ自体も長方形状とすることにより、ポンプの小型化が可能になる。
【0020】
次に、バルブハウジング9には、そのダイヤフラム本体側に図4に示すような溝9bが形成されている。この溝9bは、ダイヤフラム本体11の吸入弁11cとダイヤフラム部11aとを結ぶ位置に設けられ、これにより吸入弁11cの部分とダイヤフラム部8aより形成されるポンプ室12とを連通している。
【0021】
上記のような構成の本発明のダイヤフラムポンプの参考例は、モータ1の駆動による出力軸2の回転により、クランク台3が回転し、これによる駆動軸4の傾斜方向の変化により二つのダイヤフラム部11aの駆動部11bが交互に往復動(ピストン運動)を行なう。この駆動部11bの往復動によるポンプ室12の容積が小になる方向(圧力が大になる方向)に変化するとき、ポンプ室内の流体は、バルブハウジング9に形成された通路9dを通り、吐出弁13を開き、吐出口14より供給される。この時、吸入弁11cには、バルブハウジング9の溝9bを介して吸入弁11cが閉じた状態になる。逆にポンプ室の容積が大になる方向(圧力が小になる方向)に変化すると、吐出弁13は閉じ、吸入弁11cが開く(シリンダー部8の面より離れる)。これにより、空気孔7aより入りケース等の内部に満たされている流体がシリンダー部8の吸入口8aより吸入弁11cの開口11g、バルブハウジング9の溝9bを通り両ダイヤフラム部11aのポンプ室12へ入る。
【0022】
上記操作の繰り返しにより、ポンプ作用が行なわれる。
【0023】
図5は、本発明のダイヤフラムポンプの第1の実施の形態を示す図である。
【0024】
この第1の実施の形態のポンプは、断面V字状の吐出弁13が取付部を有することなく、また、集気体(蓋体)10の吐出口14の下部に弁押え部10aを設けた点で、参考例と相違する。
【0025】
この第1の実施の形態のポンプは、参考例と吐出弁のバルブハウジングへの取付が異なり、組み立てがより簡単な構成である。
【0026】
即ち、図5において、1はモータ、2はモータ1の出力軸、3はクランク台、4はクランク台3に取り付けられた駆動軸、6は駆動軸4に摺動可能に取り付けられた駆動体、7はケース、8はシリンダー部、9はバルブハウジング、10は集気体(蓋体)、11はダイヤフラム部11aを有するダイヤフラム本体、12はポンプ室、13は摺鉢状(断面V字状)の吐出弁で、これらは、集気体10の押え部10aと吐出弁13の固定部13cの構造を除いて、図1に示す参考例のポンプと実質上同じである。尚10bは集気体10の押え部10aに設けた通気孔である。
【0027】
この第1の実施の形態のポンプは、吐出弁13が取り付け部(突起)13bを有しておらず、単に中央の固定部13cを有する簡単な形状であり、また集気体10にこの吐出弁13の固定部13cを押圧して吐出弁を保持固定する押え部10aを有する点で異なっている。
【0028】
尚、吸入弁の構成は参考例のポンプと、実質上同じ構成である。
【0029】
即ち、この第1の実施の形態のダイヤフラムポンプは、シリンダー部8とバルブハウジング9によりダイヤフラム本体11を挟んで保持し、バルブハウジング9のV字状凹部9aに断面V字状の吐出弁13を配置し、集気体10をバルブハウジング9に固定する。このとき、集気体10の中央部に設けられた下方に伸びるバルブ押え(押え部)10aにより、V字状の吐出弁13の中央部分の固定部13cを圧着して吐出弁13が移動しないように固定される。
【0030】
この第1の実施の形態は、以上の吐出弁の固定方法のみが相違し、その他は、参考例と同じ構成である。また、この第1の実施の形態の作用は、参考例と同じである。
【0031】
このように、第1の実施の形態は、吐出弁13の固定方法において参考例と相違するので、その組み立て方法も若干異なる。つまり、この第1の実施の形態の望ましい組み立て方法は、バルブハウジング9の凹部9aに吐出弁13を配置した上で、このバルブハウジング9と集気体10とを固定し、一体化する。この時、集気体10により吐出弁13がバルブハウジング9の凹部9aの所定位置に確実に保持されるようにする。ここで、ダイヤフラム本体11をシリンダー部8とバルブハウジング9とを集気体10とが一体化された部品とにて挟持することにより組み立てる。
【0032】
次に図6は、本発明のダイヤフラムポンプの第2の実施の形態を示す図である。
【0033】
この第2の実施の形態のポンプは、吐出弁15が断面U字状をなし、したがって、バルブハウジング9の凹部9eも同一形状の断面U字状である点で、参考例、第1の実施の形態と相違する。
【0034】
この第2の実施の形態は、バルブハウジング9の断面U字状凹部9eに断面U字状の吐出弁15を配置する。その上で、バルブハウジング9に集気体10を取り付けることにより、集気体10のバルブ押え10aにより吐出弁15を圧着固定したものである。
【0035】
以上述べた本発明のダイヤフラムポンプの参考例、第1、第2の実施の形態は、いずれも二つのダイヤフラム部(二つのポンプ室)を有する構成である。しかし、三つのダイヤフラム部(三つのポンプ室)又はそれ以上のダイヤフラム部(ポンプ室)を有するダイヤフラムポンプも、ダイヤフラム部がポンプの中心を囲む円周上に等間隔に配置されるような構成等の適宜な配置にすれば良い。そして、このダイヤフラム部の配置位置に関連して、バルブハウジングに設ける通路、溝、ダイヤフラム本体に形成する吸入弁の配置を変更すれば良い。
【0036】
一例として、ダイヤフラム部(ポンプ室)が三つの場合を例にして、ダイヤフラム本体、バルブハウジング等の構成、およびポンプ作用を行なったときの作用について述べる。
【0037】
図7は、本発明の参考例のポンプと実質上同じ構成であるが、ダイヤフラム部を三つ有するポンプの断面図である。図7において1はモータ、2はモータ1の出力軸、3は出力軸2に固定されているクランク台、4はクランク台3に出力軸2に対し傾斜させて固定されている駆動軸、6は駆動体で、その軸受部6aに駆動軸4が挿入されることにより駆動軸4に回動可能に取り付けられている。7は通気孔7aを有するケース、8はシリンダー部、9はバルブハウジング、10は集気体、11はシリンダー部8とバルブハウジング9とにて保持されているダイヤフラム部11aを有するダイヤフラム本体、12はポンプ室、13はバルブハウジング9に取り付けられている断面V字状の吐出弁、14は吐出口である。そしてケース7、シリンダー部8、バルブハウジング9、集気体10をシリンダー部8とバルブハウジング9とによりダイヤフラム本体11を挟み、また吐出弁13をバルブハウジング9に取り付けて、図7に示すように組み立てたものである。
【0038】
このダイヤフラム部(ポンプ室)を三つ有するポンプは、ダイヤフラム本体11は、図8に示す通りであり、そのうち(A)は平面図、(B)は側面図(断面図)である。またシリンダー部8の形状は、図9に示す通りで、(A)が平面図、(B)は断面図である。更にはバルブハウジング9の平面図は図10に示す通りである。
【0039】
まず、ダイヤフラム本体11は、図8に示すような構成で、三つのダイヤフラム部11aが円周上に等間隔に配置され、これら各ダイヤフラム部11aの間には参考例の吸入弁11cと同じ構成の三つの薄い平面状のバルブ部分11cが形成されている。
【0040】
また、シリンダー部8は、図9に示すように各ダイヤフラム部11aが配置されるシリンダー8bとシリンダー8bの間に吸入口8aが形成されている。
【0041】
またバルブハウジング9は図10に示す通りの形状である。この図10はバルブハウジング9を下方より見た図で、9bは溝、9cは弁取付孔、9dは通路である。
【0042】
以上のようなシリンダー部8とダイヤフラム本体11とバルブハウジング8を図7に示すようにダイヤフラム本体11をシリンダー部8とバルブハウジング9とにより挟んで保持し、それらを一体化する。
【0043】
このようにダイヤフラム部11を保持した上で、吐出弁13をバルブハウジング9の弁取付孔9cに凸部13bを圧入する等により取り付ける。
【0044】
このようにして、図1に示す本発明の参考例のポンプであって、図7等に示す、ポンプ室を三つ有するポンプが組み立てられる。
【0045】
次にこの本発明の参考例のポンプ室を三つ有するポンプの作用について述べる。
【0046】
このポンプは、図1に示す参考例と同様にモータ1を駆動することにより、出力軸2を回転させこれに固定するクランク台3を回転させる。これにより駆動軸4がその傾斜方向を変化させ、駆動体6の傾斜方向を変化させて、図1の参考例のポンプ(ポンプ室が二つのポンプ)と同様にダイヤフラム部11aの駆動部11bを上下動する。
【0047】
この駆動部11bの上下動によりポンプ室12の容積が変化する。このダイヤフラム部11aの駆動部11bが図より上昇するとポンプ室12の容積が減少して圧力が増大し、これによりバルブハウジング9の通路を通った流体により弁13を開き、吐出口14より外部に流体が供給される。
【0048】
また、ダイヤフラム部11aの駆動部11bが下降してポンプ室12の容積が増大するとポンプ室内の圧力は減少し、吐出弁13は閉じる。逆にダイヤフラム本体11の平板状の肉薄部分(吸入弁)11cは空間側に変形して開き、これにより生ずるシリンダー部8との間隙に吸入口8aよりシリンダー部8、ケース7の空間内の流体が流入し、更にバルブハウジング9の溝9bを通ってダイヤフラム部内に流入する。その際ケース7に設けられた通気孔7aより外部よりケース7内に流体が流入する。
【0049】
このような操作を各ダイヤフラム部およびそれに対応する吸入弁等が順次繰り返すことによりこのポンプ室は、流体の流入と流出を続けてポンプ作用を行なう。
【0050】
ここで、本発明の三つのポンプ室を有するダイヤフラムポンプにて用いられる吸入弁は、次のような各種の形状のものが考えられる。つまり図11に示すようなものが考えられる。このうち(A)は図7に示す参考例のポンプにて用いられているもので、(B)〜(E)は、異なった形状の吸入弁を示している。尚、これら図において左側は平面図、右側は断面図を示している。
【0051】
これら弁のうち、(A)は前記の通り図7のポンプに用いられているものである。
【0052】
つまり、ダイヤフラム本体11の平板状の部分に円形状の開口11dとシリンダー部8の流入口8aを塞ぐ開口11dよりも小径の円形状部分11eとこれより図面上下方向に伸びる保持部11fとよりなる薄肉部とにて形成されている。
【0053】
この吸入弁は、小径の円形状の薄肉部分11eが流入口8aを開閉する弁を構成する。そして、この小径の円形状の薄肉部分11eが、シリンダー部8の上側の面から離れ流入口8aを開く。この円形状薄肉部11eによる吸入口8aの開閉により、弁の開閉が行なわれる。
【0054】
また(B)は、各ダイヤフラム部の間に円形状の薄肉部11hを形成し、更に吸入口8aと重ならない位置に小孔11iを設けたもので、円形状の薄肉部11hにしたことによりこの部分の変形が容易になり弁の作用をするようにしている。
【0055】
また(C)に示す吸入弁11cは、円形状の薄肉部11hの周辺にリング状の傾斜部11jを設け変形を容易にしたものである。この弁も(B)と同じような位置に小孔11iを設けてある。
【0056】
また(D)は弁を構成する円形状の薄肉部11kを複数の一定巾の保持部(図に示すものは三つの保持部)11mにて保持した形状であって、この薄肉部11kによりシリンダー部8に形成された吸入口8aを塞ぐようにした構成であり、この薄肉部11kの周辺には間隙11nができ、したがって小孔を設ける必要はない。
【0057】
(E)はダイヤフラム本体11の平板状の部分に円形状の開口11qとシリンダー部8の吸入口8aを塞ぐ舌状の薄肉部11pを形成したもので、この舌状の薄肉部11pが弁としての作用をする。この例も開口と舌状の薄肉部との間に空隙を有するため薄肉部に小孔を設ける必要はない。
【0058】
これら、図11の(A)〜(E)に示す吸入弁は、円形に限ることなく、他の形状でもよい。また、シリンダー部の吸入口の数や位置にあわせて、弁を構成する薄肉部分の形状等を適宜選択することが好ましい。
【0059】
以上の三つのポンプ室を用いたダイヤフラムポンプは、参考例のポンプをもとに述べたが、第1、第2の実施の形態のダイヤフラムポンプも、同様に、三つまたはそれ以上のポンプ室を有するダイヤフラムポンプになし得る。
【0060】
また、これら三つまたは三つ以上のポンプ室を有する本発明の参考例および第1、第2の実施の形態のポンプにおいて、シリンダー部、ダイヤフラム本体、バルブハウジング、集気体等の組み立ては、既に述べたような組み立て手段によればよい。
【0061】
また、参考例等においては駆動機構を、クランク台に傾斜させて固定した駆動軸4に駆動体6の軸受部を回動可能に取り付けた構造であるが、駆動軸に駆動体を固定し、クランク台に斜めの孔を設けこれに駆動軸を回動可能に設けても、参考例や第1、第2の実施の形態におけると同様に複数のダイヤフラム部の駆動部を一定の位相差をもって往復運動させることができ、これによりポンプ作用を行なうことができる。
【0062】
更に駆動機構としては図1等に図示するもの以外の機構であっても、これと同等の作用を奏する機構であればどのようなものでもよい。
【0063】
また、ケース7に設けた通気孔7aは、図示する位置に限るものではない。つまり上記参考例や実施の形態のダイヤフラムポンプは気体を供給する等に用いるタイプのもので、前記通気孔7aを通ってケース7内に流入した空気を前記操作により吐出口より供給するものである。しかし、気体に限ることなく、流体を流入させる口を適切な位置に設定することにより液体等の気体以外の流体の供給にも使用し得る。
【0064】
また、参考例や実施の形態として、ダイヤフラム部(ポンプ室)が二つまたは三つのダイヤフラムポンプについて述べたが、ダイヤフラム部(ポンプ室)が四つ以上のポンプにも、本発明を適用し得る。同様に、ダイヤフラム部(ポンプ室)が一つの本発明のダイヤフラムポンプを構成し得る。
【0065】
【発明の効果】
本発明のダイヤフラムポンプは、ポンプの組み立てが極めて簡単な構成である。特に吐出弁の配置、組み立てが極めて簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイヤフラムポンプの参考例の構成を示す断面図
【図2】 図1におけるシリンダー部、ダイヤフラム本体、バルブハウジング、集気体の部分の紙面に直角な方向の断面図
【図3】 参考例のポンプにて用いるダイヤフラム本体の平面図
【図4】 参考例のバルブハウジングの底面図
【図5】 本発明の第1の実施の形態の断面図
【図6】 本発明の第2の実施の形態の断面図
【図7】 参考例のポンプ室を三つ備えたポンプの断面図
【図8】 図7に示すポンプで用いられるダイヤフラム本体の構成を示す図
【図9】 図7に示すポンプで用いられるシリンダー部の構成を示す図
【図10】 図7に示すポンプで用いられるバルブハウジングの底面図
【図11】 本発明のダイヤフラムポンプで用いられる吸入弁の例を示す図
【図12】 従来のダイヤフラムポンプの断面図
【符号の説明】
1 モータ
2 出力軸
3 クランク台
4 駆動軸
6 駆動体
7 ケース
8 シリンダー部
8a 吸入口
9 バルブハウジング
9c 取り付け孔
9d 通路
10 集気体
10a バルブ押え
11 ダイヤフラム本体
11a ダイヤフラム部
11c 吸入弁
12 ポンプ室
13 吐出弁
13c 固定部
14 吐出口
Claims (4)
- ポンプ室を形成するダイヤフラム部を有するダイヤフラム本体と、シリンダー部と、バルブハウジングと、断面V字状又はU字状の吐出弁とを備えていて、前記ダイヤフラム本体が前記シリンダー部と前記バルブハウジングとにて保持され、前記バルブハウジングには、前記ダイヤフラム本体と反対側に前記吐出弁とほぼ同一形状の断面V字状あるいはU字状の凹部と前記凹部とポンプ室とを連通する通路とを有し、前記吐出弁を前記通路を塞ぐように前記凹部に配置したダイヤフラムポンプであって、吐出口とバルブ押えとを有する集気体を更に備え、前記バルブハウジングに前記集気体を取り付けることにより前記集気体のバルブ押えにて前記V字状又はU字状吐出弁をその内面底部を押圧することにより固定するようにしたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
- 前記吐出弁が固定部を有し前記固定部を前記バルブハウジングに形成された取り付け孔に圧入することにより前記吐出弁をバルブハウジングに固定するようにしたことを特徴とする請求項1のダイヤフラムポンプ。
- 前記吐出弁がV字状の弁であって、前記V字状吐出弁の下部に固定部を一体に設け、この固定部を前記バルブ押えにて押圧することにより吐出弁を固定するようにしたことを特徴とする請求項1のダイヤフラムポンプ。
- 前記シリンダー部に吸入口を設け、前記ダイヤフラム本体のダイヤフラム部の外に前記シリンダーの表面に密着することにより前記吸入口を塞ぐ薄肉の吸入弁を有し、前記吸入弁が周辺に開口を有することにより弁開閉を容易にしたことを特徴とする請求項1、2又は3のダイヤフラムポンプ。
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