JP4181429B2 - ピストンポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧計等に圧縮空気を供給するために使用されるピストンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のピストンポンプは、シリンダーと、このシリンダー内を軸線方向に往復動するピストンと、このピストンとシリンダーとによって形成されピストンの往復動によって拡縮するポンプ室と、流体がポンプ室から吸引通路へ流れるのを阻止する第1の逆止め弁と、流体が吐出通路からポンプ室へ流れるのを阻止する第2の逆止め弁とを備えたものがある。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−333369号明細書および図面(段落「0023」〜段落「0025」および図1,2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のピストンポンプにおいては、第1および第2の逆止め弁を必要とするため部品点数が増加するばかりではなく、これら第1および第2の逆止め弁を、シリンダーの軸線方向に同軸上に配置した構造とするために軸線方向の寸法が大きくなり、小型化に支障をきたしていた。また、これら第1および第2の逆止め弁によって開閉される吸引通路および排気通路またはこれら第1および第2の逆止め弁を取り付けるための取付孔等を設けなければならないために構造が複雑化するといった問題もあった。
【0006】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は部品点数を削減することにある。また、第2の目的は小型化を図ることにある。また、第3の目的は構造を簡素化することにより製造容易にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項に係る発明は、吸入口が外周部に設けられたシリンダーと、このシリンダー内を回転することにより軸線方向に往復動するピストンと、吐出口に連通し前記ピストンと前記シリンダーとの間に形成されたポンプ室とからなり、前記ピストンの外周に、ピストンの回転位相によって前記吸入口と対向する凹溝と、この凹溝と前記ポンプ室とを連通する連通溝とを設けたものである。
したがって、凹が吸入口と対向した状態で、ポンプ室が拡張するようにピストンが軸線方向に移動することにより、流体が吸入口から凹を通ってポンプ室へ流入する。一方、凹が吸入口と対向していない状態で、ポンプ室が収縮するようにピストンが軸線方向に移動することにより、ポンプ室内の流体が吐出口から吐出される。
【0009】
また、請求項に係る発明は、請求項に係る発明において、前記吐出口から前記ポンプ室への流体の流れを規制する逆止め弁を設けたものである。
したがって、凹が吸入口と対向した状態で、ポンプ室が拡張するようにピストンが軸線方向に移動することにより、流体が吸入口から凹を通ってポンプ室へ流入するときには、逆止め弁がポンプ室と吐出口との間を閉じる。一方、凹が吸入口と対向していない状態で、ポンプ室が収縮するようにピストンが軸線方向に移動することにより、ポンプ室内の流体が吐出口から吐出されるときには、逆止め弁がポンプ室と吐出口との間を開放する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るピストンポンプの第1の実施の形態においてポンプ室が収縮した状態を示す断面図、図2は同じくポンプ室が拡張した状態を示す断面図、図3は同じく駆動体を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)における III(b)-III(b)線断面図、同図(c)は側面図、図4は同じくピストンを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図、同図(c)は底面図、図5は図1におけるV-V 線断面図である。
なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、あくまでも図中における方向を説明した便宜上のものであって、本発明に係るピストンポンプが実際に使用される際の上、下の方向とは必ずしも一致するものではない。
【0011】
図1に全体を符号1で示すピストンポンプは、駆動源であるモータ2を備えており、このモータ2は出力軸3がケース4内に臨むようにケース4の底部に図示を省略したねじによって固定されている。ケース4はプラスチックによって上方が開口した有底円筒状に形成されている。このケース4の下方には、ケース4内を大気に開放するための1ないし3つの通気孔4aが穿孔されている。
【0012】
図1に符号5で示す駆動体は、プラスチックよって略円柱状に形成されており、図3に示すように、中心に軸孔6が貫通形成され、上部周面には、互いに円周方向に180°位相をずらした位置に一対の駆動子7,7が、水平状態で互いに反対方向に向かって一体に突設されている。この駆動体5の軸孔6には、モータ2の出力軸3が固着されており、この駆動体5は出力軸3の回転と一体的に回転する。
【0013】
図1に符号8で示すシリンダーは、プラスチックによって下方が開口した略カップ状に形成されており、上部側の外周部には、互いに円周方向に180°位相をずらした位置に、第1の筒部9と第2の筒部10とが互いに反対方向に突設するように一体に設けられている。これら第1および第2の筒部9,10の中空部9a,10aの先端の開口は、シリンダー8の内部と連通しており、これら開口はそれぞれ第1の通気口11と第2の通気口12とを形成している。
【0014】
また、シリンダー8の外周部であって、第1の筒部9の下方側の部位には取付孔13が穿孔されており、この取付孔13にはピン14が先端部をシリンダー8内に臨み、後述するカム溝16に係合するように取り付けられている。このシリンダー8はケース4上に載置され、これらシリンダー8とケース4との互いの接合面を溶着することにより一体化されている。
【0015】
図1に符号15で示すピストンは、プラスチックによって略円柱状に形成されており、図4(a)に示すように、外周面には、上記したピン14が係入する無端状に形成され傾斜した環状溝であるカム溝16が凹設されている。このカム溝16は、ピストン15の外周面を展開した状態で正弦曲線に形成されており、ピストン15が1回転すると、固定されたピン14とカム溝16とのカム作用によってピストン15が上下方向に一往復するように構成されている。
【0016】
また、このピストン15の下面の外周部には、同図(c)に示すように、平面視円弧状に形成された一対の係合片17,17が下方に向かって互いに対向するように突設されている。これら係合片17,17の互いに対向する端面間には、円周方向に互いに180°位相をずらすように、上下方向に延在し下端が開口した一対の係合溝18,18が形成されている。ピストン15の外周部の上方側は、同図(b)に示すように、平面視円弧状に形成され上方が開口した凹部19aと、凹部19aが形成されていない逆止め弁部19bとによって構成されている。凹部19aの開き角度Aは半円周よりもやや小さく設定され、かつピストン15の軸線方向の寸法が長さLに設定されている。
【0017】
ピストン15は、図1および図5に示すように、係合溝18,18に上記した駆動体5の駆動子7,7を係入することにより、モータ2の出力軸3が回転し駆動体5も回転すると、駆動子7,7と係合溝18,18との係合によって、ピストン15も一体的に回転する。
【0018】
ピストン15が回転することにより、カム溝16とピン14とのカム作用によって、ピストン15が上下方向に移動するときには、駆動子7,7と係合溝18,18とは摺動状態になる。換言すれば、ピストン15は回転しながら上下方向、すなわち軸線方向に往復動し、シリンダー8の内周面によって回転自在かつ上下方向に摺動自在に支持されている。ピストン15の上面とシリンダー8の内面との間に気密状態のポンプ室20が形成される。ピストン15の凹部19aが形成されている部位の軸線方向の長さLは、ピストン15が上下方向に往復動するとき、凹部19aがシリンダー8の第1の通気口11または第2の通気口12に対向するような長さに形成されている。
【0019】
上述したように、凹部19aの上方は開口しており、凹部19aはポンプ室20と連通している。また、この凹部19aは、モータ2が正方向に駆動したとき、すなわち図4(b)においてピストン15が反時計方向に回転し、ピストン15が下降している間は、第1の筒部9の中空部9aに対向し、この凹部19aを介して第1の通気口11とポンプ室20とが連通する。このとき、第2の筒部10の中空部10aは、ピストン15の逆止め弁部19bに対向し、この逆止め弁部19bによって閉塞されている。
【0020】
一方、ピストン15が上昇している間は、凹部19aは第2の筒部10の中空部10aに対向し、この凹部19aを介して、第2の通気口12とポンプ室20とが連通されている。このとき、第1の筒部9の中空部9aは、ピストン15の逆止め弁部19bに対向し、この逆止め弁部19bによって閉塞されている。すなわち、この凹部19aは、ピストン15の回転位相によって第1および第2の通気口11,12に交互に対向する。換言すれば、ピストン15の逆止め弁部19bは、ピストン15の回転位相によって、第1の通気口11とポンプ室20との間と、第2の通気口12とポンプ室20との間を交互に閉塞する。
【0021】
次に、図1および図2を用いて、このような構成のピストンポンプ1の動作について説明する。
モータ2が正方向に駆動し出力軸3が半回転すると、駆動体5も一体的に回転し、駆動体5の駆動子7,7が係合溝18,18に係入されていることにより、ピストン15が駆動体5と一体的に回転するから、ピストン15はカム溝16とピン14とのカム作用によりシリンダー8内を回転しながら下降する。
【0022】
ピストン15が下降するとポンプ室20は拡張するから、ポンプ室20内が負圧状態になる。このとき、ピストン15の凹部19aが第1の筒部9の中空部9aに対向しているため、第1の通気口11とポンプ室20との間が開放されている。一方、第2の筒部10の中空部10aにピストン15の逆止め弁部19bが対向しているため、第2の通気口12とポンプ室20との間が閉塞されている。したがって、第1の通気口11から中空部9a内に流入した流体は、凹部19aを通ってポンプ室20内に流入する。なお、ピストン15の下降によってケース4内の流体は通気孔4aから外部に排出される。
【0023】
モータ2の出力軸3がさらに正方向に半回転すると、ピストン15は、図2に示すように、カム溝16とピン14とのカム作用により上昇し、ポンプ室20は収縮するからポンプ室20内の流体の圧力が上昇する。このとき、ピストン15の凹部19aが第2の筒部10の中空部10aに対向しているため、第2の通気口12とポンプ室20との間が開放されている。
【0024】
一方、第1の筒部9の中空部9aにピストン15の逆止め弁部19bが対向しているため、第1の通気口11とポンプ室20との間が閉塞されている。したがって、ポンプ室20内の流体は凹部19aへ圧送されて、中空部10aを通って第2の通気口12から吐出される。ここで、凹部19aの開き角度を半円周よりもやや小さく設定したことにより、ピストン15が1回転する直前に、凹部19aを介して第1の通気口11と第2の通気口12とが同時に連通するようなことがないから、第2の通気口12から第1の通気口11に流体が逆流することがない。なお、ケース4内は通気孔4aによって大気に開放されているから、ケース4内が負圧になるようなことはない。
【0025】
このポンプ室20の拡縮動作はモータ2の駆動にともなって連続して行われるから、流体は第2の通気口12から連続して吐出される。このように、モータ2を正方向に駆動すると、第1の通気口11は吸入口として機能し、第2の通気口12は吐出口として機能する。
【0026】
一方、モータ2を逆方向に駆動し出力軸3が半回転すると、図4(b)においてピストン15が時計方向に回転し、図1においてピストン15が下降するためポンプ室20が拡張する。このとき、ピストン15が時計方向に回転しているために、ピストン15の凹部19aが第2の筒部10の中空部10aに対向し、この凹部19aを介して、第2の通気口12とポンプ室20とが連通する。したがって、第2の通気口12から中空部10aに流入した流体は、凹部19aを通ってポンプ室20内に流入する。
【0027】
さらに、モータ2を逆方向に駆動し出力軸3が半回転すると、図2においてピストン15が上昇するため、ポンプ室20が収縮するからポンプ室20内の流体の圧力が上昇する。このとき、ピストン15の凹部19aが第1の筒部9の中空部9aに対向し、この凹部19aを介して、第1の通気口11とポンプ室20とが連通する。したがって、ポンプ室20内の流体は凹部19aへ圧送されて、中空部9aを通って第1の通気口11から吐出される。このように、モータ2が逆方向に駆動すると、第2の通気口12は吸気口として機能し、第1の通気口11は吐出口として機能する。
【0028】
すなわち、モータ2の駆動方向を変えるだけで第1および第2の通気口11,12を吸入口または吐出口として選択するとができる。また、ピストン15に凹部19aと逆止め弁部19bとを設けたことにより、従来必要としていた第1および第2の逆止め弁が不要になるため、部品点数を削減することができる。また、シリンダー8の軸線方向に同軸上に配置していたこれら第1および第2の逆止め弁が不要になるため、軸線方向の寸法を小さくすることができるから小型化を図ることもできる。さらに、これら第1および第2の逆止め弁を取り付ける構造が不要になるばかりではなく、これら第1および第2の逆止め弁によって開閉される吸気通路および排気通路も不要になるため、構造を簡素化することができるため低廉なポンプを提供できる。
【0029】
なお、この第1の実施の形態においては、第1および第2の通気口11,12を筒部9,10の開口に形成したが、筒部9,10を設けることなくシリンダー8の外周部に直接形成してもよい。
【0030】
図6は本発明に係るピストンポンプの第2の実施の形態を示す断面図、図7は同じくピストンポンプに形成したカム溝と凹溝を展開して示した図である。これらの図において、上述した図1ないし図5に示す第1の実施の形態において説明した同一または同等の部材については同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。
【0031】
図6に符号23で示す底板23には、ねじ23aによってモータ2が固定されている。この第2の実施の形態においては、ダイヤフラムポンプ21の径を極限まで小さくするために、細径状に形成したシリンダー24を底板23と別体に形成している。このシリンダー24の下端には、シリンダー24内を大気に開放するための切欠き24aが設けられており、シリンダー24は、この切欠き24aをねじ23aに対応させるようにして底板23上に載置され、溶着によって底板23に固定されている。切欠き24aは、このシリンダー24の外周部であって、取付孔13の上方の部位には、吸入口25が穿孔されている。
【0032】
図6に符号26で示すピストンの外周面には、カム溝16と、ピストン26の円周方向に向かって軸線方向の間隔が同一の正弦曲線に形成された凹溝27が設けられており、この凹溝27は図7に示すように、ピストン26の回転位相が0°+αから180°−αの範囲に形成されている。このαを設けた理由は、上述した第1の実施の形態と同様に、吸入口25と後述する吐出口32とがこの凹溝27を介して連通し、吐出口32から吸入口25側に流体が逆流するのを防止するためである。
【0033】
この凹溝27とカム溝16との間隔は、取付孔13と吸入口25との間隔と同じに形成されており、カム溝13にピン14が係入し、ピストン26がシリンダー24内に回転自在かつ軸線方向に移動自在に組み付けられた状態で、凹溝27が吸入口25に対向する。
【0034】
凹溝27の一端側、すなわちピストン26の回転位相が180°側には、図7に示すように、この凹溝27に連通する連通溝28が設けられており、この連通溝28は、ピストン26の上端側に開口28aを有するように、ピストン26の軸線方向に延設されている。したがって、ピストン26の回転位相が0°から180°の範囲に設定されているときには、吸入口25はこれら凹溝27および連通溝28を介してポンプ室20と連通している。一方、ピストン26の回転位相が180°から360°の範囲に設定されているときには、ピストン26の外周面が吸入口25に対向するため、吸入口25とポンプ室20との間が閉塞されるから、ピストン26は、流体がポンプ室20から吸入口25への流入を規制する逆止め弁として機能する。
【0035】
図6に符号30で示す蓋体は、プラスチックによって略円柱状に形成されており、上側中央部に筒部31が立設され、この筒部31の中空部31aの上端開口が吐出口32を形成している。この蓋体30はシリンダー24の上端開口を覆うようにシリンダー24に溶着によって固定されており、この蓋体30とピストン26の上端面との間に、吐出口32に連通するポンプ室20が形成されている。
【0036】
このように構成された第2の実施の形態におけるピストンポンプ21において、モータ2が駆動し出力軸3が半回転してピストン26の回転位相が0°から180°の範囲に設定されているときには、ピストン26がカム溝16とピン14とのカム作用により下降するため、ポンプ室20が拡張するからポンプ室20内が負圧状態になる。このとき、凹溝27が吸入口25に対向しているため、吸入口25は凹溝27および連通溝28を介してポンプ室20と連通しているから、吸入口25から凹溝27および連通溝28を通って流体がポンプ室20内に流入する。なお、ピストン26の下降によってシリンダー24内の流体は切欠き24aから外部に排出される。
【0037】
モータ2が駆動し出力軸3がさらに半回転してピストン26の回転位相が180°から360°の範囲に設定されているときには、ピストン26が上昇してポンプ室20が収縮するため、ポンプ室20内に流体の圧力が上昇する。このとき、ピストン26の外周面が吸入口25に対向するため、吸入口25とポンプ室20との間が閉塞されているから、ポンプ室20内の流体は筒部31の中空部31aに圧送されて吐出口32から吐出される。なお、シリンダー24内は切欠き24aによって大気に開放されているから、シリンダー24内が負圧になるようなことはない。
【0038】
この第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と同様に、部品点数を削減することができるというばかりではなく、小型化を図ることができ、かつ構造を簡素化することができる。また、上述した第1の実施の形態における凹部19aが正面視長方形に形成されているのに対して、この第2の実施の形態における凹溝27は正面視線状に形成されているため、ポンプ室20に連通した凹溝27の容積が凹部19aの容積よりも小さくなる。したがって、この第2の実施の形態においては、シリンダー8におけるポンプ室20の圧縮比が向上する。
【0039】
図8は本発明に係るピストンポンプの第3の実施の形態を示す断面図である。この第3の実施の形態におけるピストンポンプ41は、上述した第2の実施の形態に、吐出口32からポンプ室20への流体の流れを阻止する逆止め弁46を設けたことに特徴を有する。すなわち、図8に符号42で示すバルブホルダーは、プラスチックによって略円柱状に形成されており、上側の中央部には凹部43が設けられ、この凹部43の中央部には取付孔44が穿孔され、この取付孔44の周りには、複数の吐出通路45が貫通形成されている。
【0040】
取付孔44には、ゴム等の柔軟性を有する材料によって傘形に形成された弁体46が取り付けられており、バルブホルダー42の凹部43の上面に密接することにより、吐出通路45と後述する吐出空間50との間を閉塞するから、流体がが吐出口32からポンプ室20へ流入するのを規制する逆止め弁として機能する。バルブホルダー42の外周面には環状溝47が凹設され、この環状溝47には、シール材としてのOリング48が嵌挿されている。
【0041】
同図に符号49で示すリング状部材は、シリンダー24上に載置されシリンダー24との互いの接合面を溶着によって接合されている。前記バルブホルダー42に弁体46を取り付けた後、蓋体30を溶着することにより、この蓋体30の下面とバルブホルダー42の凹部43との間に、吐出口32に連通する吐出空間50が形成される。次いで、蓋体30を溶着したバルブホルダー42をシリンダー24内に挿入し、接着またはかしめによって固定することにより、このバルブホルダー42の下面とピストン26の上面との間にポンプ室20が形成される。
【0042】
この第3の実施の形態のように、逆止め弁としての弁体46を設けたことにより、ピストンポンプ41のポンプ動作が停止したときに、吐出口32からポンプ室20に流体が逆流するのを規制することができる。また、ポンプ室20と吐出口32との間に吐出空間50を設けたことにより、弁体46が開きポンプ室20から吐出通路45を通って圧送された流体がこの吐出空間50において膨張することにより、流体の流れによって生じる音が消音されるとともに、弁体46の開閉によって生じる振動音をも消音される。
【0043】
なお、本実施の形態においては、カム溝16を正弦曲線に形成したが、これに限定されず、種々の設計変更が可能であり、要はピストンが1回転したときに軸線方向に1往復するような無端状のカム溝であればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、部品点数を削減することができるというばかりではなく、小型化を図ることができるとともに、構造を簡素化することができるため低廉なポンプを提供できる。
【0046】
また、請求項に係る発明によれば、圧縮比を上げることができる。
【0047】
また、請求項に係る発明によれば、ポンプの動作が停止したときに、吐出口からポンプ室に流体が逆流するのを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るピストンポンプの第1の実施の形態においてポンプ室が収縮した状態を示す断面図である。
【図2】 本発明に係るピストンポンプの第1の実施の形態においてポンプ室が拡張した状態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係るピストンポンプの第1の実施の形態における駆動体を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)における III(b)-III(b)線断面図、同図(c)は側面図である。
【図4】 本発明に係るピストンポンプの第1の実施の形態におけるピストンを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図、同図(c)は底面図である。
【図5】 図1におけるV-V 線断面図である。
【図6】 本発明に係るピストンポンプの第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】 本発明に係るピストンポンプの第2の実施の形態において、ピストンに形成したカム溝と凹溝とを展開して示した図である。
【図8】 本発明に係るピストンポンプの第3の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,41…ピストンポンプ、2…モータ、5…駆動体、7…駆動子、8,27…シリンダー、11…第1の通気口、12…第2の通気口、14…ピン、15,24…ピストン、16…カム溝、17…係合片、18…係合溝、19a…凹部、19b…逆止め弁部19、20…ポンプ室、25…凹溝、26…連通溝、28…吸入孔、30…蓋体、32…吐出口、42…バルブホルダー、45…吐出通路、46…弁体、50…吐出空間。

Claims (2)

  1. 吸入口が外周部に設けられたシリンダーと、このシリンダー内を回転することにより軸線方向に往復動するピストンと、吐出口に連通し前記ピストンと前記シリンダーとの間に形成されたポンプ室とからなり、前記ピストンの外周に、このピストンの回転位相によって前記吸入口と対向する凹溝と、この凹溝と前記ポンプ室とを連通する連通溝とを設けたことを特徴とするピストンポンプ。
  2. 請求項記載のピストンポンプにおいて、前記吐出口から前記ポンプ室への流体の流れを規制する逆止め弁を設けたことを特徴とするピストンポンプ。
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