JP2004270494A - ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース3、ダイヤフラムホルダー23、バルブホルダー43、蓋体55のそれぞれの外周部には、互いに連通する凹溝8,25,48,61が設けられている。凹溝8の下端は、ケース3の底板5側に延設され、この延設部9には通気口10が設けられている。また、凹溝61の上端は、蓋体55の上端面側に延設され、延設部62が設けられている。凹溝8,25,48,61内には、ケース3、ダイヤフラムホルダー23、バルブホルダー43、蓋体55を一体化する棒状ばね65が嵌入する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧計等において圧縮空気を供給するために使用されるダイヤフラムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイヤフラムポンプ201は、図3に示すように、モータ2のモータ軸4にクランク台12が固定され、このモータ軸4の軸線から偏心した位置には、駆動軸13が傾斜した状態で固着されている。この駆動軸13にボール16を介して駆動体15が回転自在に支持されており、この駆動体15の3つの駆動子20には、ダイヤフラム230の各ダイヤフラム部31が取り付けられている。ダイヤフラム230には、ダイヤフラムホルダー223に設けた吸気孔245を開閉する薄肉状に形成された第1の弁体231が一体に設けられ、この第1の弁体231には通気孔232が穿孔されている。
【0003】
バルブホルダー243とダイヤフラム230の各ダイヤフラム部31とによって3つのポンプ室44が形成されており、これらポンプ室44のそれぞれと連通する3つの排気通路46は第2の弁体250によって開閉される。ケース203の下端部の外周部には、1ないし3つの断面がL字状の通気口10が設けられている。
【0004】
このようなような構成において、モータ2が駆動しモータ軸4が回転すると、クランク台12、駆動軸13、駆動体15を介してダイヤフラム230の3つのダイヤフラム部31のうちの一つが下降し、ポンプ室44が拡張するため、ポンプ室44内が負圧状態になる。したがって、通気口10からケース203とダイヤフラムホルダー223とからなるハウジング219内に流入していた流体は、第1の弁体231が弾性変形することにより、吸気通路245と通気口232を通って、図示を省略した連通路を介してポンプ室44内に流入する。
【0005】
さらに、モータ軸4が回転することにより、拡張したポンプ室44のダイヤフラム部31が上昇するとポンプ室44は収縮するため、ポンプ室44内の流体の圧力が上昇する。このとき、第2の弁体250は排気通路46を開放するので、ポンプ室44内の流体は排気通路46を通って吐出口60から吐出される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0007】
【特許文献1】
特願2002−019900号明細書および図面(段落0012、
図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のダイヤフラムポンプにおいては、装置に組み付けるときに、ケース203等の外周部に弾性変形可能な材料によって形成された保持部材69を巻回し、この保持部材69をダイヤフラムポンプ201とこれを固定する装置固定部との間に、防止部材69を弾性変形させながら介装させることにより固定することがある。上述した従来のダイヤフラムポンプ201においては、通気口10をケース203の外周部に設けた構造としているため、ケース203の外周部に保持部材69が巻回されると、この保持部材69によって通気口10が閉塞されてしまう。このため、流体を通気口10からケース203内に供給することができなくなって、ポンプとして使用することができなくなるため汎用性に劣るという問題があった。
【0009】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ポンプとしての汎用性を高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、この駆動体を収容するハウジングと、前記各ポンプ室に対応した吸気通路および排気通路と、流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する第2の弁体と、前記ハウジングとともに前記ダイヤフラムを挟持するバルブホルダーと、前記排出通路に連通した吐出口を有する蓋体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、前記ハウジング、バルブホルダーおよび蓋体のそれぞれの外周部に互いに連通する凹溝を設け、この凹溝の一端を前記蓋体の上端面まで延設するとともに、前記ハウジングの凹溝にハウジング内と連通する通気口を設けたものである。
したがって、ハウジングの外周部に保持部材等が巻回されると、保持部材と凹溝とによって、通気口と蓋体の上端面との間を連通する通気通路が形成される。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記ハウジング、バルブホルダーおよび蓋体を一体化する棒状ばねまたは板ばねを前記凹溝内に嵌入させたものである。
したがって、棒状ばねまたは板ばねの取付用の凹溝を通気口まで流体を導く通路として利用できる。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、この駆動体を収容するハウジングと、前記各ポンプ室に対応した吸入通路および排出通路と、流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する第2の弁体と、前記排出通路に連通した吐出口を有する蓋体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、前記蓋体の上端面に通気口を設け、この通気口と前記ハウジング内とを連通する連通路を設けたものである。
したがって、仮に、ハウジングの外周部に保持部材等が巻回されても、蓋体の通気口が保持部材によって閉塞されるようなことがなく、開放された状態が保持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るダイヤフラムポンプを示す断面図である。同図において、上述した図3に示す従来技術において説明した同一または同等の部材については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、あくまでも図中における方向を説明したものであって、本発明に係るダイヤフラムポンプが実際に使用される際の上、下の方向とは必ずしも一致するものではない。
【0014】
図1に全体を符号1で示すダイヤフラムポンプは、駆動源であるモータ2を備えており、このモータ2は、上方が開口した有底円筒状に形成されたケース3の底部5に、モータ軸4がケース3の底部5に形成した穴6からケース3内に臨むように固定されている。ケース3の外周部7には、円周方向に等角度おいて3条の凹溝8が上下方向に延在するように設けられており、これら凹溝8の下端は、ケース3の中心方向に向かって略直角に折れ曲がるようにしてケース3の底部5に延設され、3つの延設部9が形成されている。この延設部9と凹溝8との境界部に断面がやや鋭角状に形成された係合凸部9aが設けられている。これら3つの延設部9のうち、1ないし3つの延設部9の延設端には、ケース3内と連通する通気口10が設けられている。
【0015】
図1に符号12で示すクランク台は、略小円柱状に形成され、中央にはモータ軸4が固着されており、このモータ軸4の軸線から偏心した位置には、駆動軸13が傾斜した状態で固着されている。
【0016】
図1に符号15で示す駆動体は、軸孔17が設けられたボス18と、このボス18の上端に一体に形成された本体19とによって形成されており、軸孔17には上記駆動軸13がボール16を介して回転自在に挿入されている。本体19は、平面視において円周方向に等角度おいて中心から放射状に延設された3つの駆動子20によって一連に形成され、これら3つの駆動子20は、中心から先端に向かっていずれも同じ角度だけ下方に傾斜しており、各駆動子20の先端側には、後述するダイヤフラム30の各ダイヤフラム部31を取り付けるための取付孔21が設けられている。
【0017】
図1に符号23で示すダイヤフラムホルダーは、略キャップ状に形成され、外周部24には、円周方向に等角度おいて3条の凹溝25が上下方向に延在するように設けられている。また、このダイヤフラムホルダー23の天井部26の中央部には吸気孔27が穿孔され、この吸気孔27の周りには、3つのダイヤフラム部保持孔28が円周方向に等角度おいて設けられている。このダイヤフラムホルダー23は、凹溝25が上記したケース3の凹溝8と連通するようにして、ケース3上に載置されることにより、これらダイヤフラムホルダー23とケース3とによってハウジング29が形成される。
【0018】
図1に符号30で示すダイヤフラムは、ゴム等の柔軟性を有する材料によって、平面視において円周方向に等角度おいて設けられ上方が開口した3つのダイヤフラム部31と、これら3つのダイヤフラム部31の上端部を連設する略円板状に形成されたフランジ32とによって一体に形成されている。各ダイヤフラム部31の下面には、断面が略円錐台状のピストン33が一体に形成されており、このピストン33の下部には、細径の首部34を介して係止用の凸部35が一体に形成されている。フランジ32の中央部には吸気孔36が穿孔され、この吸気孔36を囲むように上面には、第1弁体載置部37が凹設されており、外周部には3つの切欠き38が円周方向に等角度おいて設けられている。
【0019】
このダイヤフラム30は、各ダイヤフラム部31の凸部35を弾性変形させながら、駆動体15の各駆動子20のダイヤフラム部取付孔21に挿入することにより、首部34がダイヤフラム部取付孔21に取り付けられる。また、吸気孔36が上記したダイヤフラムホルダー23の吸気孔27と連通するとともに、切欠き38が凹溝25と連通し、かつダイヤフラム部保持孔28に各ダイヤフラム部31が挿入されて、ダイヤフラムホルダー23の天井部26上に載置される。
【0020】
図1に符号40で示す第1の弁体は、ゴム等の柔軟性を有する材料によって扁平な円板状に形成されており、中央に設けた吸気孔41が上記したダイヤフラム30の吸気孔36に連通するようにして、ダイヤフラム30の第1の弁体載置部37上に載置されている。
【0021】
図1に符号43で示すバルブホルダーは、略円板状に形成されており、上記したダイヤフラム30をダイヤフラムホルダー23とともに挟持するように、ダイヤフラムホルダー23上に載置されており、上記したダイヤフラム30の各ダイヤフラム部31とともに3つのポンプ室44を形成している。このバルブホルダー43の下面側の中央部には、中央部が上記した第1の弁体40の吸気孔41と連通し、先端部が各ポンプ室44に連通するように放射状に形成した3つの吸気通路45が凹設されている。
【0022】
これら吸気通路45とポンプ室44との間は、第1の弁体40によって開閉され、この第1の弁体40はポンプ室44から吸気通路45への流体の流入を規制する逆止め弁として機能する。46は排気通路であって、各ポンプ室44に対応して円周方向に等角度おいて3つ設けられている。バルブホルダー43の上面側の中央部には、平面視三角形の凸部47が一体に突設されており、外周部には3つの凹溝48が上記したダイヤフラム30の切欠き38と連通するように円周方向に等角度おいて設けられている。
【0023】
図1に符号50で示す第2の弁体は、ゴム等の柔軟性を有する材料によって平面視円形に形成され、上面の中央部には、平面視略三角形の隆起部51が形成されているとともに、この隆起部51の頂角から外周方向に放射状に伸びるリブ52が一体に突設されている。この第2の弁体50は、隆起部51を上記したバルブホルダー43の凸部47に被冠することにより、3つの排気通路46を開閉するようにバルブホルダー43に取り付けられ、後述する吐出口60から排気通路46を介してポンプ室44への流体の流入を規制する逆止め弁として機能する。
【0024】
図1に符号55で示す蓋体は、扁平な略円柱状に形成されてバルブホルダー43上に載置されており、下面側の中央部には同心円上に配置された大径の凹部56および小径の凹部57がそれぞれ凹設されており、小径の凹部57には上記した第2の弁体50のリブ52を押圧する環状に形成した押え部58が突設されている。大径の凹部56と小径の凹部57と、バルブホルダー43との間には、吐出空間56aが形成されている。また、この蓋体55の上面側の中央部には、円筒状の吐出部59が一体に立設されており、この突出部59の上端開口は、吐出空間56aと連通され吐出口60を形成している。さらに、この蓋体55の外周部には、3つの凹溝61が、バルブホルダー43の凹溝48と連通するように、円周方向に等角度おいて設けられている。これら凹溝61の上端は、蓋体55の中心方向に向かって略直角に折れ曲がるようにして蓋体55の上端面にまで延設され、3つの延設部62が形成されており、これら延設部62には、係合突起63が突設されている。
【0025】
図1に符号65で示す棒状(線状)ばねの上端部には、略U字状の係合部66が折り曲げ形成されており、下端部には略くの字状の係合部67が折り曲げ形成されている。この棒状ばね65の下端部の係合部67をケース3の係合凸部9aに係合させ、棒状ばね65を、ケース3,ダイヤフラムホルダー23,バルブホルダー、蓋体55のそれぞれの凹溝8,25,48,61およびダイヤフラム30の切欠き38に嵌入させる。次いで、この棒状ばね65の上端の係合部66を弾性変形させながら、蓋体55の係合突起63に係合させることにより、この棒状ばね65によって、ケース3、ダイヤフラムホルダー23,バルブホルダー43および蓋体55が一体化され、ダイヤフラムポンプ1が形成される。
【0026】
このように構成されていることにより、モータ2が駆動しモータ軸4が回転すると、クランク台12も一体的に回転し、このクランク台12にモータ軸4の軸線から偏心した位置に傾斜した状態で固着された駆動軸13が、モータ軸4の周りを傾斜方向を変えるようにして偏心回転する。したがって、この駆動軸13に回動自在に支持された駆動体15の各駆動子20が順次上下に揺動し、ダイヤフラム30の各ダイヤフラム部31も順次上下に揺動するので、各ポンプ室44は順次拡縮しポンプ作用を行う。
【0027】
すなわち、図1に示すように、ダイヤフラム30の3つのダイヤフラム部31のうちの一つが下降すると、そのポンプ室44は拡張するので、ポンプ室44が負圧状態になる。このとき、第2の弁体50は、流体が吐出空間56aから排気通路46を通ってポンプ室44へ流れるのを規制する逆止弁として機能するから、この第2の弁体50によって排気通路46が閉じられる。一方、第1の弁体40は吸気通路45とポンプ室44との間を開放するので、ケース3の通気口10からケース3内に流入していた流体は、ダイヤフラムホルダー23、ダイヤフラム30および第1の弁体40の各吸気孔27,36,41を通り、吸気通路45からポンプ室44内に流入する。
【0028】
モータ2がさらに回転して、拡張したポンプ室44のダイヤフラム部31が上昇するとポンプ室44は収縮するため、ポンプ室44内の流体の圧力が上昇する。このとき、第1の弁体40は、流体がポンプ室44から吸気通路45へ流れるのを阻止する逆止弁として機能するから、この第1の弁体40によってポンプ室44と吸気通路45との間が閉塞される。一方、第2の弁体50は排気通路46を開放するので、ポンプ室44内の流体は排気通路46を通って吐出空間56aを介して吐出口60から吐出される。このポンプ室44の拡縮動作は、各ポンプ室44において順次連続して行われるので、各排気通路46から吐出空間56aに排出された流体は、蓋体55によって集められて1つの吐出口60から連続して吐出される。
【0029】
ここで、このダイヤフラムポンプ1を血圧計等に組み込む際に、モータ2、ケース3、ダイヤフラムホルダー23、バルブホルダー43および蓋体55の外周部に保持部材69が巻き付けられた場合には、蓋体55の上端面に設けた凹溝61の延設部62が大気に開放されている。しかも、ケース3、ダイヤフラムホルダー23、バルブホルダー43、蓋体55の各凹溝8,25,48,61およびダイヤフラム30の切欠き38が保持部材69に覆われるため、これら凹溝8,25,48,61および切欠き38が互いに連通する通気通路70が形成される。さらに、この通気通路70の下端は、凹溝8の延設部9を介してこの延設部9に設けた通気口10に連通する。
【0030】
したがって、流体は延設部62から通気通路70を通り、通気口10からハウジング29内に流入するから、ダイヤフラムポンプ1のポンプ作用に支障をきたすことがない。このように、保持部材69が巻回されてもポンプとして使用するのに障害とならないため、ポンプ自体の汎用性が高くなる。また、通気通路70を形成する各凹溝8,25,48,61およびダイヤフラム30の切欠き38が、棒状ばね65を嵌入させる嵌入溝であるため、既存のダイヤフラムポンプの一部を変更するだけで使用することができるから、部品を共用化でき製造コストの低減を図ることができるばかりではなく、部品の在庫管理業務の軽減を図ることもできる。
【0031】
図2は本発明の第2の実施の形態に係るダイヤフラムポンプを示す断面図である。同図において、上述した図1に示す第1の実施の形態において説明した同一または同等の部材については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態においては、ハウジング129に通気口が設けられてなく、替わりに、蓋体155の上端面156に通気口157を設けるとともに、この通気口157とハウジング129内とを連通する連通路158を設けた点に特徴を有する。
【0032】
すなわち、連通路158は、ダイヤフラムホルダー123の天井部26、ダイヤフラム130、第1の弁体形成部材180、バルブホルダー143のそれぞれに設けた第1の通気孔124,131,181,144と、蓋体155の下面側に一体に設けられた円筒部159の上端開口の通気口157とが連通することにより形成されている。
【0033】
また、ダイヤフラムホルダー123の天井部26、ダイヤフラム130、第1の弁体形成部材180、バルブホルダー143のそれぞれには、互いに連通する第2の通気孔125,132,182,146が形成されており、これら第2の通気孔125,132,182,146を介して、ハウジング129内と後述する吸気空間185とが連通している。
【0034】
図2に符号180で示す第1の弁体形成部材は、ゴム等の柔軟性を有する材料によって略円板状に形成されており、ダイヤフラム130上に載置され、各ダイヤフラム部31に対応した平面視円形の3つの開口が形成され、これら各開口に臨むように第1の弁体183が一体に突設されている。
【0035】
図2に符号143で示すバルブホルダーには、略有底円筒状に形成され、底部には各ポンプ室44に対応して3つの吸気通路145が穿孔されており、底部の上側には円環状に形成された仕切壁147が一体に立設されている。このバルブホルダー143はダイヤフラム130および第1の弁体形成部材180を挟持するようにしてダイヤフラムホルダー123上に載置されている。この状態で、吸気通路145が第1の弁体183によって閉塞されており、この第1の弁体183はポンプ室44から吸気空間185への流体の流入を規制する逆止め弁として機能する。
【0036】
図2に符号155で示す蓋体は、扁平な略キャップ状に形成されており、天井部156の下面側には上記したバルブホルダー143の仕切壁147に嵌合する平面視円環状に形成された嵌合部160が一体に突設されている。このような構成において、第2の弁体50をバルブホルダー143の凸部47に被冠し、蓋体155をバルブホルダー143上に載置することにより、仕切壁147と嵌合部160とが嵌合し、この仕切壁147によって、蓋体155とバルブホルダー143との間に、吸気空間185と吐出空間186とが形成される。
【0037】
吸気空間185は吸気通路145を介してポンプ室44に連通され、この吸気空間185は消音空間として機能する。すなわち、第1の弁体183が開き、ハウジング129内から第2の通気孔125,132,182,146を通って吸気空間185内に流入した流体が吸気空間185において膨張することにより、流体の流れによって生じる音を消音するとともに、第1の弁体183の開閉によって生じる振動音をも消音するように機能する。また、通気口157から導入され連通路158を通った流体がハウジング129において膨張することにより、このハウジング129が流体の流れによって生じる音を消音するように機能する。
【0038】
吐出空間186は吐出口60に連通しているとともに、排気通路46を介してポンプ室44に連通している。この吐出空間186は消音空間として機能する。すなわち、第2の弁体50が開き、ポンプ室44から排気通路46を通って圧送された流体が吐出空間186において膨張することにより、流体の流れによって生じる音を消音するとともに、第2の弁体50の開閉によって生じる振動音をも消音するように機能する。
【0039】
このように構成されていることにより、モータ2が駆動し、モータ軸4が回転すると、上述した第1の実施の形態と同様に、クランク台12、駆動軸13および駆動体15を介してダイヤフラム130の3つのダイヤフラム部31のうちの一つが下降する。したがって、ポンプ室44が拡張しポンプ室44内が負圧状態になるため、第1の弁体183が吸気通路145を開放し、通気孔157から連通路158を通ってハウジング129内に流入していた流体が、第2の通気孔125,132,182,146を通って吸気空間185内に流入し、吸気通路145を通ってポンプ室44内に流入する。
【0040】
さらに、モータ軸4が回転することにより、拡張したポンプ室44のダイヤフラム部31が上昇するとポンプ室44は収縮するため、ポンプ室44内の流体の圧力が上昇する。このとき、第2の弁体50は排気通路46を開放するので、ポンプ室44内の流体は排気通路46を通って吐出空間186を介して吐出口60から吐出される。
【0041】
このように、連通路158を介してハウジング129内と連通された通気口157を、蓋体155の天井部156の上端面に設けたために、仮に、モータ2、ハウジング129、バルブホルダー143および蓋体155の外周部に保持部材69が巻き付けられたしても、通気口157が大気に開放されている。したがって、流体は通気口157から連通路158を通ってハウジング129内に流入するから、ダイヤフラムポンプ1のポンプ作用に支障をきたすことがない。このように、保持部材69が巻回されてもポンプとして使用するのに障害とならないため、ポンプ自体の汎用性が高くなる。
【0042】
なお、第1の実施の形態においては、通気口10をケース3の底部に設けたが、ケース3またはダイヤフラムホルダー123の凹溝8,25に設けても同様な効果が得られる。また、第1の実施の形態において、棒状ばね43を嵌入させる凹溝8,25,48,61を流体の通気通路70として利用したが、流体の通気通路としての専用の凹溝を設けてもよく、その場合には、棒状ばね65を用いても、棒状ばね65を用いずにねじによって、ハウジング29、バルブホルダー43および蓋体55を一体化してもよい。また、第1の実施の形態において、ケース3、ダイヤフラムホルダー23、バルブホルダー43および蓋体55を棒状(線状)ばね65によって一体化した例を示したが、板ばねによって一体化してもよい。さらに、第1の実施の形態においては、吸気通路45をバルブホルダー43の中央部に設けたものを説明したが、第2の実施の形態のように外周部側に設けたものでもよい。また、本実施の形態においては、ポンプ室44が3つのポンプについて説明したが、ポンプ室44が2つのポンプまたは4つ以上のポンプにも適用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ハウジングの外周部に保持部材等が巻回されてもポンプとして使用するのに障害とならないため、ポンプ自体の汎用性が高くなる。
【0044】
また、請求項2に係る発明によれば、ハウジング、バルブホルダーおよび蓋体を一体化させる棒状ばねまたは板ばねを取り付けるための凹溝を利用して通気口に流体を導くための通路を形成したために、既存のダイヤフラムポンプの一部を変更するだけで使用することができるから、部品を共用化できるので製造コストの低減を図ることができるばかりではなく、部品の在庫管理業務の軽減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るダイヤフラムポンプを示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るダイヤフラムポンプを示す断面図である。
【図3】従来のダイヤフラムポンプの断面図である。
【符号の説明】
1,101…ダイヤフラムポンプ、2…モータ、3…ケース、8,25,48,61…凹溝、9,62…延設部、9a…係合凸部、10…通気口、12…クランク台、13…駆動軸、15…駆動体、23…ダイヤフラムホルダー、27,36,41…吸気孔、28…ダイヤフラム部保持孔、29,129…ハウジング、30,130…ダイヤフラム、31…ダイヤフラム部、38…切欠き、40,183…第1の弁体、43,143…バルブホルダー、44…ポンプ室、45,145…吸気通路、46…排気通路、50…第2の弁体、55,155…蓋体、60…吐出口、63…係合突起、65…棒状ばね、66,67…係合部、69…保持部材、70…通気通路、158…連通路、180…第1の弁体形成部、185…吸気空間、186…吐出空間。
Claims (3)
- ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、この駆動体を収容するハウジングと、前記各ポンプ室に対応した吸気通路および排気通路と、流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する第2の弁体と、前記ハウジングとともに前記ダイヤフラムを挟持するバルブホルダーと、前記排出通路に連通した吐出口を有する蓋体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、前記ハウジング、バルブホルダーおよび蓋体のそれぞれの外周部に互いに連通する凹溝を設け、この凹溝の一端を前記蓋体の上端面まで延設するとともに、前記ハウジングの凹溝にハウジング内と連通する通気口を設けたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
- 請求項1記載のダイヤフラムポンプにおいて、前記ハウジング、バルブホルダーおよび蓋体を一体化する棒状ばねまたは板ばねを前記凹溝内に嵌入させたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
- ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、この駆動体を収容するハウジングと、前記各ポンプ室に対応した吸入通路および排出通路と、流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する第2の弁体と、前記排出通路に連通した吐出口を有する蓋体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、前記蓋体の上端面に通気口を設け、この通気口と前記ハウジング内とを連通する連通路を設けたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
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JP2012172577A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Oken Ltd | ダイヤフラムポンプ |
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-
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