JP4092394B2 - 核酸選別用センサーチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリペプチドに結合する核酸を選別するための表面プラズモン共鳴測定用センサーチップ、およびこれを用いた核酸の選別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNA結合蛋白質など核酸と特異的に結合する分子は、核酸の配列を認識して、その機能を発現する。 DNA結合蛋白質が認識する核酸配列を決定することは、その蛋白質の機能を知る上で極めて重要である。従来より、配列をランダム化した核酸分子集合から、蛋白質などに結合するものを選別し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅し、これをさらに選別して増幅する、というサイクルを繰り返すことによって、結合する核酸分子の比率を上げた後、配列決定をすることが行われてきた。
このような配列決定においては、上記蛋白質に結合する核酸の選別法として、(1)蛋白質を固定化したカラムやビーズに核酸分子集合の溶液を作用させ、結合しない核酸を洗い流した後、結合した核酸のみを溶出する方法、(2)蛋白質と核酸分子集合の溶液を混合後、蛋白質に親和性の高いニトロセルロース膜に作用させて、結合しない核酸を洗い流した後、結合した核酸のみを溶出する方法、(3)ポリアクリルアミドゲル電気泳動により蛋白質−核酸複合体に相当するバンドを切り出す方法等が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の方法では、蛋白質の固定化や核酸の結合状態に関する情報を実験中にリアルタイムで得ることが不可能であるため、蛋白質の固定化量が所定の固定化量か否か、あるいはタンパク質と核酸とがタンパク質の核酸認識部位を介して真に結合しているか否かを判別することが容易でなかった、また、このような判別の困難性により、タンパク質の固定化あるいは核酸の結合を行うための適切な実験条件の調整も容易でなく、蛋白質が十分固定化されていない条件や、核酸が十分結合しない条件で、実験を進める危険性があった。このため、従来の方法では、例えば、タンパク質の核酸認識部位を介して結合するもの以外にビーズや膜等への非特異的吸着により見かけ上結合している核酸も選別してしまうことや、選別サイクルの不足から、結合する核酸分子の比率が十分でない状態で配列決定することなどにより目的の結果を得られない場合も生じていた。
【0004】
本発明の課題は、これら従来技術の問題点を解消することにあり、タンパク質の固定化及び核酸の結合状態をリアルタイムで検出可能とし、 このためポリペプチドの固定化および該固定化されたポリペプチドと核酸との結合が完全で、特にポリペプチドの核酸認識部位を介してのみタンパク質と核酸とが結合したと実質的にみなし得る状態において、このように結合した核酸を選別する手段を提供することにあり、これによりポリペプチドが認識する核酸の塩基配列の決定、タンパク質あるいは、核酸の機能解析等を迅速かつ正確に行えるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手投】
本発明者は鋭意研究の結果、表面プラズモン共鳴センサーチップにNTA基を導入して修飾センサーチップを作成し、このNTA基を介してオリゴHisタグを含むポリペプチドを固定化し、さらに、この修飾センサーチップを使用して、表面プラズモン共鳴法により固定化されたポリペプチドと核酸との結合状態を検出、確認して、核酸の選別を行うことにより、上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は以下に係るものである。
表面に存在するカルボキシメチル基の密度が低減され、配列番号1の蛋白質を平衡状態で400〜600RU固定化し得る表面プラズモン共鳴測定用センサーチップに対してNTA基を導入し、該NTA基を介して、Hisタグを含む核酸認識部位を有するポリペプチドを固定化した表面プラズモン共鳴測定用センサーチップに、核酸含有溶液を流し、該固定されたポリペプチドに対する核酸の結合状態を、表面プラズモン共鳴装置で検出しつつ核酸の選別を行うことを特徴とする核酸の選別方法。
【0006】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
表面プラズモン共鳴法は、金等の金属薄膜で作られたセンサーチップ上で分子を反応させたときに起こる薄膜の微少な屈折率の変化を光で検出するというものであり、反応による分子の付加、脱離に伴う質量の増減をリアルタイムで検出可能なものである。
本発明においては、センサーチップの金属薄膜表面の一部にカルボキシメチルデキストランの薄膜層を設けたものを使用する。チップ自体の大きさは8.9cm×2.5cmであり、カルボキシメチルデキストラン薄膜層部分の大きさは0.7cm×0.7cmである。
【0007】
本発明において、センサーチップにポリペプチドを固定化するためには、センサーチップにNTA基を導入し、NTA基を介してポリペプチドを固定化するが、NTA基は、上記カルボキシメチルデキストランのカルボキシメチル基をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDC)等で活性化したのち、エタノールアミンとN−(5−アミノ−1−カルボキシペンチル)−イミノジ酢酸を反応させ、エタノールアミンによるブロッキングをするというアミンカップリング反応により、センサーチップ上に導入する。すなわち、本発明にいうNTA基とは、N−(5−アミノ−1−カルボキシペンチル)−イミノジ酢酸のアミンカップリングにより導入される基であり、以下の部分構造式を有する。
【 化1】
【0008】
NTA基によるポリペプチドの固定化には、NTA基にNi2+等の金属イオンを配位結合し、一方固定化されるタンパク質にはオリゴHisタグを付加し、Ni2+−NTA基にこの付加したHisタグを配位結合させることによりポリペプチドを固定化する。
従来から、表面カルボキシルメチル基の密度の異なる種々のセンサーチップが知られているが、本発明において使用するセンサーチップとしては表面カルボキシメチル基の量が少ない方が好ましく、表面に存在するカルボキシメチル基の密度が低減化されたセンサーチップを用いて、該チップにNTA基を導入して、ポリペプチドを固定化することが望ましい。
【0009】
この理由は、NTA基の導入に際して、カルボキシメチルデキストラン薄膜層上のカルボキシメチル基の全ては反応せず、これによりポリペプチドが固定されたチップ上に残存する。このカルボキシメチル基は負電荷を持ち、該基が表面上に多く存在すると、センサーチップ表面の負電荷が多くなり、同じく負電荷を持つ核酸との反発により結合を阻害するためである。 したがって、本発明においては、カルボキシメチル基の密度が低いセンサーチップを使用して、NTA基の導入、ポリペプチドの固定化を行い、残存するカルボキシメチル基の量を減らすことが有利な結果を生じる。
本発明において、ポリペプチドに結合する核酸を選別するには、例えば、別途作成されたポリペプチドが固定化されたセンサーチップを、表面プラズモン共鳴測定装置にセットし、該チップに核酸が含有する試料溶液を流して、結合状態を検出しつつ、結合しなかった核酸を洗い流した後、ポリペプチドに結合した核酸のみを解離し、回収するが、該固定化されたポリペプチドに対する核酸の結合状態のみを検出するのではなく、ポリペプチドの固定化の進行状況をも表面プラズモン共鳴測定装置で検出しつつ、核酸の選別を行うことがより有利である。これには、例えば、表面プラズモン共鳴測定装置にセンサーチップをセットした後に、ポリペプチドの固定化および核酸の結合を、その進行状況を検出しつつ順次行う。
【0010】
本発明によれば、表面プラズモン共鳴測定装置によりポリペプチドに対する核酸の結合その他の工程の進行状況をリアルタイムで検出可能であるので、ポリペプチドの固定化あるいはポリペプチドに対する核酸の結合が不十分なまま実験を進める危険性を回避できるとともに、例えば、これらの反応が十分でない場合には、さらに実験条件を調整することも可能である。したがって、実質的にタンパク質の核酸認識部位を認識して結合する核酸のみを選別することが可能となる。
【0011】
本発明において固定化されるポリペプチドは、具体的には転写因子、複製因子、組み替え因子等であり、これらに結合して選別の対象となる核酸は、DNAおよびRNAである。例えば、本発明においては、種々のDNAを含む核酸分子集合溶液をセンサーチップ上に流し、ポリペプチドに結合しない核酸を洗い流した後、結合した核酸をポリペプチドとともに溶出させる。溶出した核酸はPCRで増幅し、これを再びタンパク質を固定化したセンサーチップ上に流し、上記と同様にして結合した核酸を溶出しPCRで増幅する。このサイクルを数回以上繰り返した後、ポリペプチドと結合する核酸として選別確定して回収精製する。以後その配列等の決定に供される。
【0012】
本発明においてNTA基の導入に使用するセンサーチップは表面に存在するカルボキシメチル基の密度が低減化されているものがより有利な結果を生じるが、市販の表面プラズモン共鳴測定用センサーチップには、カルボキシメチル基が低減化されている旨の表示があるが、その密度にあるいはその量について詳細な説明がないため、以下のような検証実験を行った。
【0013】
〔表面カルボキシルメチル基についての検証実験〕
カルボキシルメチル基が低減されたとされるセンサーチップB1(Biacore社;カルボキシメチルデキストラン部分の大きさ0.7cm×0.7cm)と標準チップCM5(Biacore社;カルボキシメチルデキストラン部分の大きさ0.7cm×0.7cm)の各々を表面プラズモン共鳴測定装置BIACORE X(Biacore社)に装着し、チップ上に超純水を5ul/minの流速で流した状態にした。内部温度を25度に設定して、アミンカップリングキット(Biacore社)中のN-hydroxysuccinimide(NHS)とN-ethyl-N'-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochloride(EDC)をそれぞれ100mMおよび400mMの濃度で溶解し、等容量ずつ混合した。これを7分間チップ上に流したのち、植物蛋白質NtERF2のDNA結合ドメイン(配列番号1)を10μMの濃度で50mMほう酸(pH 8.5)、150mM NaClに溶解した溶液を7分、さらにアミンカップリングキット(Biacore社)中のEthanolamine溶液を7分間流した。これにより、カルボキシルメチル基を介して蛋白質が固定化されるため、結果として得られる蛋白質の固定化量は、カルボキシメチルデキストラン部分のカルボキシルメチル基の量、あるいは単位面積あたりの量である密度を反映する。図1にその結果を示す。これによれば、標準チップCM5への蛋白質の固定化により3139 RUに相当する質量増加が見られたのに比較して、B1チップに対しては平衡状態に達したとみなし得るまで固定化を行って502 RU(相対量17%)の増加に留まった。
本発明においては、事実B1チップを使用したものの方が、CM5よよりより有利に核酸を結合できる。他方、本発明においてNTA基の導入はカルボキシメチル基を介して行われるため、カルボキシル基はある程度の量以上必要である。したがって、これらを総合的に検討すれば、、本発明においてNTA基の導入のために使用するセンサーチップにおける表面カルボキシメチル基の量は、表面プラズモン共鳴法による測定において、配列番号1の蛋白質を平衡状態で400〜600RU相当分固定化し得る量であればより良好な結果が得られると結論できる。
【0014】
【実施例】
〔センサーチップの修飾〕
表面プラズモン共鳴用センサーチップのうち、負電荷の原因となるカルボキシルメチル基の密度の低減化されたタイプであるB1チップ(Biacore社)を表面プラズモン共鳴測定装置BIACORE X(Biacore社)に装着し、チップ上に超純水を5ml/minの流速で流した状態にした。内部温度を25度Cに設定した。アミンカップリングキット(Biacore社)中のN-hydroxysuccinimideとN-ethyl-N'-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydorochlorideをそれぞれ100mM及び400mMの濃度で溶解し、等容量ずつ混合した。これを7分間チップ上に流したのち、50mMのN-(5-amono-1-carboxypentyl)-iminodiacetic acid(同仁化学株式会社)、50mMほう酸(pH8.5)、150mM NaClの溶液を7分、さらにアミンカップリングキット(Biacore社)中のEthanolamine溶液を7分間流した。これにより、NTA基を表面上にもち、カルボキシルメチル基の密度の低減化された修飾センサーチップを作成した。作成されセンサーチップは、装置から離脱させ、冷蔵庫で保存した。
【0015】
〔核酸配列選別システム〕
上記センサーチップを表面プラズモン共鳴測定装置BIACORE X(Biacore社)に装着し、本発明の核酸配列選別システムを構築した。
【0016】
〔蛋白質の固定化〕
本装置を内部温度25度Cに設定し、緩衝液A[25mM(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazinyl)ethanesulphonic acid(pH7.0)、40mM KCl、0.2mM ethylenediamine tetraacetic acid(EDTA)、0.005%Tween20 ]を10ul/minの速度で流しておく。NiSO4を500uMの濃度で緩衝液Aに溶解し、1分間チップ上に流して作用させ、NTA基にNi2+イオンを結合させた。オリゴHisタグを含むポリペプチド(例:植物蛋白質NtERF2のDNA結合ドメイン=配列番号1)を50nMの濃度で緩衝液Aに溶解し、2分間チップ上に流して作用させ、Ni2+−NTA基にポリペプチドのオリゴHisタグを配位結合させた。 次いで、KClを1Mの濃度で緩衝液Aに溶解し、1分間チップ上に流して作用させて、配位結合ではなく静電的に弱く結合しているポリペプチドを洗い流して、ポリペプチドの固定化を終了させた。この操作中、表面プラズモン共鳴リアルタイム計測により、それぞれの分子のチップ上への結合を定量的にモニターした。この様子を図2aに示す。
【0017】
〔配列をランダム化した核酸分子集合の溶液の作成〕
配列の一部を、化学合成時にヌクレオチド混合物を用いることによってランダム化した1本鎖DNA(配列番号2;nはランダム化部分で、4種の塩基のうちいずれかを示す。)と3’プライマー(配列番号3)を混合し、DNAポリメラーゼI(BoehdngerMannheim社)を用いた伸長反応により、配列番号2の1本鎖DNAを片鎖として含む2重鎖DNAを調製した。これをQIAquick Nucleotide Removal Kit(QIAGEN社)を用いて精製した後、緩衝液Aに溶解した。
【0018】
〔ポリペプチドを固定化したセンサーチップヘの核酸の結合と解離〕
ポリペプチドを固定化した状態の本装置を内部温度25度Cに設定し、緩衝液Aを10ul/minの速度で流しておき、ポリメラーゼ伸長によって作成されたランダム化配列を含む2重鎖DNA分子集合の溶液を2分間チップ上に流して作用させた後、蛋白質に結合しなかった核酸分子をチップ表面から洗い流した。EDTAを350mMの濃度で緩衝液Aに溶解し、これを1分間チップ上に流して作用させた。これにより、チップのNTA基に結合していたNi2+イオンが解離することに伴って、配位結合していた蛋白質およびそれに結合していた核酸分子も溶出される。この操作中、表面プラズモン共鳴リアルタイム計測により、それぞれの分子のチップ上への結合を定量的にモニターした。その様子を図2bに示す。なお、本発明において使用したセンサーチップは2区画に分かれており、2区画同時に測定可能である。図中実線はNTA基が導入された区画の共鳴レスポンスであり、点線はNTA基が導入されていない区画に対する共鳴レスポンスである。
【0019】
〔DNAの増幅および選別サイクル〕
上記溶出した核酸分子をpyroBest DNA polymerase(宝酒造株式会社)を用い、7mMのMgC12を加え、配列番号3および配列番号4のプライマーDNAを加えて、サーマルサイクラー(BioRad社 ICycler)上でPCR反応を行った。反応条件は95度C・1分、55度C 0.5分、72度C・0.5分のサイクルが15回であった。増幅された核酸溶液をQIAquick Nucleotide Removal Kit(QIAGEN社)を用いて精製した後、緩衝液Aに溶解した。これを再び上述のポリペプチドを固定化したセンサーチップに対して同様に結合と解離を行った。このサイクルを7回繰り返した。
【0020】
〔核酸分子の最終精製および配列決定〕
選別と増幅の7サイクル後に回収した核酸溶液を8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、バンドをカッターナイフで切り出すことによって最終精製を行った。これをpUC119プラスミド中に制限酵素Sma I(宝酒造株式会社)によってクローン化した。大腸菌株DH5α(宝酒造株式会社)にトランスフオーメーションし、40-50個のコロニーをピックアップし、LB培地で培養した後、菌内で生成されたプラスミドDNAを精製キットCentricep(Princeton Separation社)を用いて精製した。これをDNAシークエンサーABI310GeneticAnalyzer(Parkin-Elmer社)により配列決定をおこなった。その結果を表1に示す。
【表1】
これによれば、転写因子NtERF2の認識配列であるGCCGCC配列が選ばれていることが明らかであり、本システムの有効性が実証された。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によればポリペプチドの核酸認識部位を認識して結合する核酸を極めて精度よくかつ迅速、簡便な操作で選別することが可能であり、該認識部位において認識する核酸の塩基配列の解明、あるいはポリペプチド、核酸の機能の解明に大いに資するものである。
【0022】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】表面プラズモン共鳴リアルタイム計測による、配列番号1で示されるポリペプチドのB1チップ(実線)およびCM5チップ(点線)への固定化状態を示す図である。
【図2】センサーチップに対する蛋白質の固定化(a)及び核酸の結合(b)状態を、表面プラズモン共鳴リアルタイム計測により測定した図である。
Claims (1)
- 表面に存在するカルボキシメチル基の密度が低減され、配列番号1の蛋白質を平衡状態で400〜600RU固定化し得る表面プラズモン共鳴測定用センサーチップに対してNTA基を導入し、該NTA基を介して、Hisタグを含む核酸認識部位を有するポリペプチドを固定化した表面プラズモン共鳴測定用センサーチップに、核酸含有溶液を流し、該固定されたポリペプチドに対する核酸の結合状態を、表面プラズモン共鳴装置で検出しつつ核酸の選別を行うことを特徴とする核酸の選別方法。
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