JP4815593B2 - 8−ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的な結合性を有するdnaアプタマー - Google Patents
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Description
第一に、特許文献1に記載の技術では、8−OHdGを含むサンプルを高速液体クロマトグラフィーにかけて8−OHdGを分離した上で、電気化学的手法または紫外部吸収検出器などにより8−OHdGの濃度を測定する。そのため、8−OHdGの測定方法が複雑かつ煩雑であり、8−OHdGの測定方法の面でさらなる改善の余地があった。
DNAアプタマー(DNA aptamer)とは、様々な分子を特異的に認識し、結合する一本鎖DNAを意味するものとする。DNAアプタマーには、(1)化学合成が容易で迅速かつ安価に取得でき、(2)熱およびpH安定性に優れ、(3)理論上あらゆる物質に対するアプタマーの取得が可能であるという利点がある。
配列O (配列番号1)
配列O(A2G) (配列番号2)
配列O(T14C)(配列番号3)
配列O(A28G)(配列番号4)
配列O(T8C) (配列番号5)
配列P(配列番号6)
配列P(G8A)(配列番号7)
配列P(G12A)(配列番号8)
配列P(A15G)(配列番号9)
配列P(A27G)(配列番号10)
配列Q(配列番号11)
配列R(配列番号12)
配列R(T16C)(配列番号13)
配列S(配列番号14)
配列S(C23T)(配列番号15)
配列T(配列番号16)
配列U(配列番号17)
配列V(配列番号18)
上述の特許文献1にも示されているように、尿中の8−OHdGの濃度および哺乳動物(特にヒト)のストレスの程度との間には相関関係があると考えられる。そのため、本実施形態の8−OHdG結合性のDNAアプタマーは、哺乳動物のストレスを評価するためのストレスマーカーとして応用が可能である。
図3(a)に示すように、本実施形態の8−OHdG結合性DNAアプタマーおよび8−OHdGの相互作用をSPR検出システム、蛍光偏光法などにより、詳細に解析することにより、低分子化合物の認識機構解析に応用可能である。
図3(b)に示すように、上述のアプタマーの構造解析の結果を進化展開して、新しいバイオアッセイ系への展開を図ることができる。例えば、DNAアプタマーを2つに断片化し、一方の断片を分子認識に用い、他方の断片に蛍光標識を付加して、一方の断片と複合体を形成させ、シグナル検出に用いるアッセイ系などが考えられる。すなわち、DNAアプタマーの認識機構を利用して、サンドイッチタイプのバイオアッセイシステムへの展開を図ることなどができる。
図3(c)に示すように、上述のDNAアプタマーの構造解析の結果を発展研究して、バイオデバイスへの展開を図ることができる。例えば、DNAアプタマーを水晶振動子に固定化して作製されるDNAアプタマー固定化センサを、ビスフェノールAやダイオキシンなどの環境ホルモンの測定に用いることが考えられる。
(i)ポジティブコントロール
抗8−OHdGモノクローナル抗体(mAb)(濃度:5nM)(日本老化制御研究所、MOG−020)
P1プライマー
P2プライマー相補鎖(CS−P2プライマー)
なお、P1プライマーおよびP2プライマー相補鎖は、図4に示すように、ランダム配列領域の前後に配置されているP1プライマー領域およびCS−P2プライマー領域にそれぞれ対応するプライマーおよびプライマー相補鎖である。
下記の実施例1〜3で使用した主要な研究設備は、PCR、蛍光偏光度計、BIACORE2000(SPRセンサ)である。
本実施例では、8−OHdGを特異的に認識するDNAアプタマーを取得し、そのアプタマーについて結合確認を行い、その評価方法を確立することを目的として以下の実験を行った。
実験の概要を説明すると、まず、1)DNAアプタマーの探索のために、i)SELEX法による8−OHdGアプタマーの選抜を行い、ii)アプタマーライブラリーの構築を行った。次いで、2)DNAアプタマーの機能解析のために、iii)SPRセンサによる8−OHdGアプタマーの特性評価を行い、iv)蛍光偏光分光法による8−OHdGアプタマーの特性評価を行い、v)個々のアプタマーの高次構造解析を行った。
目的のDNAアプタマーを得るため、60塩基のランダムな配列を有する一本鎖DNAのライブラリを用いた。初期のDNA ライブラリは460の多様性を有しており、そこからSELEX(Systematic evolution of ligands by exponential enrichment)法による選抜と、PCR(Polymerase chain reaction)法による増幅と、を繰り返し、スクリーニングすることによって、ターゲットにより結合するDNAアプタマーの取得を目指した。
上述のSELEX法により選抜されたDNAアプタマーのリストを下記の表3に示す。表3では、SELEX後に得られたDNA群を大腸菌に形質転換し、個々の配列のシーケンス解析した結果を示している。表3で*印を付した括弧内の数値は、1ヌクレオチド変異の入ったアプタマーの数を示す。なお、選抜されたDNAアプタマーの配列情報は、既に上述の表1および表2に示している。
図8は、SPR(表面プラズモン共鳴)検出システムの概要を示す図である。SPR検出システムとは、2分子間の相互作用をリアルタイムにモニタリング可能なシステムである。本実施例では、SPR検出システムとして、BIACORE2000(SPRセンサ)を用いた。
まず、mAb溶液50ml(終濃度:1nM)と、アプタマー溶液50mlとを混合し、25℃で5分静置した。次いで、FITC標識8−OHdG溶液50ml(8−OHdG:終濃度500nM)と、mAbおよびアプタマーの混合溶液50μlとを混合した。その後、遮光して25℃で15分静置した。こうして反応させた後、蛍光偏光測定装置によりI0、I90を測定した。
図14は、蛍光偏光法(FP:Fluorescence Polarization)の原理を説明するための概念図である。ここで、蛍光偏光法は、偏光励起光を蛍光物質に照射することにより、蛍光物質から発せられる蛍光が分子量に応じて異なった偏光を示すという特性に基づいた測定方法である。
まず、8−OHdG 5mgを1M Phosphate(pH=7.7)5mlに溶解した(すなわち、8−OHdGの濃度は、1mg/ml=3.5mMである)。次いで、溶解後、得られた溶液をフィルター滅菌(0.22μm)して8−OHdG溶液を調整した。
まず、FITC−I(SIGMA、3326−32−7)1mgを、MetOH 400mlに溶解させた。そして、milliQ水(ろ過滅菌済)1600mlをさらにくわえて、FITC−Iの濃度が0.5mg/ml(1mM)になるように調整した。なお、Fluorescein isothiocianate(FITC)は、励起波長488nm、蛍光波長530nmで蛍光を発する性質を有する。
まず、8−OHdG溶液とFITC−I溶液とを以下の割合で混合した。
8−OHdG溶液(3.5mM)14ml(終濃度500mM)
FITC−I溶液(1mM)50ml(終濃度 500 mM)
miliQ水36ml
これらを加え全体を100mlに調整(緩衝溶液の終濃度:140mMPhosphate,pH=7.7)した。
まず、アプタマー溶液(濃度は2nM、20nM、200nM、2mM) 90mlを98℃で5min熱変性させた。次いで、アプタマーをrefolding(再構築)させるために、25℃で30分静置した。そして、アプタマー溶液50mlを、チップ周辺に付着した蛍光物質が混合溶液に混入しないように注意しつつ、FITC標識8−OHdG溶液50mlと混合した(FITC標識8−OHdG:終濃度500nM)。
mP=(I0−I90×1.9)/(I0+I90×1.9)×1000
I0:照射光の方向に水平な蛍光の強度
I90:照射光の方向に垂直な蛍光の強度
ΔmP=mP(サンプル)−mP(ブランク)
上述の実施例では、バイオマーカーである8−OHdGに対するDNAアプタマーの取得を目的として実験を行った。その結果を以下にまとめる。
(ii)SPRセンサ(BIACORE2000)および蛍光偏光測定にて、上述のアプタマーライブラリーの代表例(配列Oおよびその変異体)が、8−OHdGに対して非常に高い特異性を有することを確認することができた。
8−OHdG測定キットについては、既に老化制御研究所より抗8−OHdGモノクローナル抗体を用いたキットが販売されている。その感度は、おおよそ1〜200ng/mlであると取扱説明書などには記載されている。すなわち、8−OHdGは約300の分子量であるため、老化制御研究所のキットの検出感度はおおよそ3〜600nM程度であると想定される。
Claims (6)
- 配列番号1乃至18いずれかで表される塩基配列からなり、8−ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的な結合性を有するDNAアプタマー。
- 請求項1に記載のDNAアプタマーを含む、哺乳動物のストレスを評価するためのストレスマーカー。
- 請求項2に記載のストレスマーカーにおいて、
前記DNAアプタマーは、蛍光標識されている、ストレスマーカー。 - 請求項1に記載のDNAアプタマーを用いて、哺乳動物のストレスを評価するストレス評価方法。
- 請求項4に記載のストレス評価方法において、
前記哺乳動物の尿を採取するステップと、
前記尿および蛍光標識された前記DNAアプタマーを接触させるステップと、
前記蛍光標識を測定するステップと、
を含む、ストレス評価方法。 - 請求項1に記載のDNAアプタマーと、
前記DNAアプタマーを固定化された水晶振動子と、
を備える、DNAアプタマー固定化センサ。
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