JP5997418B2 - 酸化ストレス状態システム - Google Patents

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Description

本発明は、8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度を測定し、測定した濃度に基づいて体内の酸化ストレス状態を判定する酸化ストレス状態システムに関する。
「酸化ストレス状態」とは、体内で活性酸素と抗酸化物質とのバランスが崩れて活性酸素が優位になっている状態をいう。
喫煙、睡眠不足等の身体への過剰の負荷、過度のストレスが原因で抗酸化作用が低下すると、活性酸素が増加して酸化ストレスが高い状態になる。
酸化ストレスが高い状態は、上記したように、喫煙、睡眠不足等の身体への過剰の負荷、過度のストレスが原因で陥る症状であるため、これが長く続くと何らかの病気に進行していく可能性がある。また、体内の細胞の酸化が進むと身体が老化するという問題もある。
このため、酸化ストレス状態を出来るだけ早期に検知することによって、このままでは病気に進行していく可能性がある状態、即ち、未病の状態を検知することができる。
一方、酸化ストレス状態を調べる方法には、いくつか知られており、測定もされている。しかし、酸化状態を測定するために、生体試料を安定にするための前処理が必要であったり、煩雑な測定操作をしなければならないという問題点がある。
本発明は、上記した酸化ストレス状態を出来るだけ早期に検知するための酸化ストレス状態システムに関する。
上記した目的を達成するために本発明に係る酸化ストレス状態判定システムは、使用者から排出された尿が直接かけられ該尿を吸収するように構成されたサンプル導入部と、サンプル導入部に吸収された尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度を測定する8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部と、前記濃度測定部において測定された情報を入力し、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度から体内の酸化ストレス状態を判定する判定処理部とを備え、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、前記サンプル導入部の下方にサンプル導入部と部分的に重なるようにずらして配置され、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部のサンプル導入部から外れた部分がカバーで覆われ、前記サンプル導入部がカバーから露出するように構成され、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、緩衝液を含有する液透過性緩衝液層と、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質を含有する反応層と、サンプル導入部に吸収された尿が、前記液透過性緩衝液層を通過した後に前記反応層に至るように前記液透過性緩衝液層及び前記反応層を支持する支持部材を有し、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、尿と、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質とを反応させることができるように構成され、かつ、前記反応物質との反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することができるように構成されていることを特徴とする。
また、尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の濃度の測定では、DNAの構成物質であるグアノシンに対する酸化損傷の状態を知ることができるが、その損傷は酸化作用のある物質からの酸化作用により起こるもので、酸化作用の蓄積が8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度に関係する。それとともに酸化作用の異なる前記8-ヒドロキシデオキシグアノシンとは別の分析物の濃度も測定し、両測定結果に基づいて、酸化ストレス状態を総合的に判定してもよい。
この場合、別の分析物は、例えば、クロモグラニンA、アミラーゼ、酸素ラジカル、バイオピリン、チオレドキシン、MDA−LDL、血中酸化型α1アンチトリプシン、酸化LDL受容体LOX−1からなる群から選択され得る。
具体的には、例えば、生体試料サンプル中に存在する8-ヒドロキシデオキシグアノシンと、該8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質とを反応させ、反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することにより、生体試料サンプル中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度が測定され得る。
尿中に存在する8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度と、酸化損傷を受けることなく生体試料サンプル中に存在するデオキシグアノシンの濃度とを比較することによって酸化ストレス状態の判定を行ってもよい。また、尿中に既知濃度のデオキシグアノシンを添加し、デオキシグアノシンの添加前後の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度およびデオキシグアノシンの濃度を比較することによって酸化ストレス状態の判定を行ってもよい。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質は、抗8-ヒドロキシデオキシグアノシン抗体による抗原抗体反応を生じる試薬、又はアプタマーによる結合反応を生じる試薬であり得る。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部は、前記反応物質との反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することができるように構成され得る。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部における前記光学的に測定を行う手段は、例えば、分光光度計である。この場合、前記分光光度計は、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部におけるサンプルの反射率、蛍光、吸光度、透過率又はエバネッセント波の少なくとも一つを測定するために用いられ得る。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部における前記電気的に測定を行う手段は、例えば、電気化学センサである。この場合、前記電気化学センサは、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部におけるサンプルの電流値、電圧値、電気抵抗値又はインピーダンスの少なくとも一つを測定するために用いられ得る。
本発明に係る酸化ストレス状態判定システムは、使用者から排出された尿が直接かけられ該尿を吸収するように構成されたサンプル導入部と、サンプル導入部に吸収された尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度を測定する8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部と、前記濃度測定部において測定された情報を入力し、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度から体内の酸化ストレス状態を判定する判定処理部とを備え、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、前記サンプル導入部の下方にサンプル導入部と部分的に重なるようにずらして配置され、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部のサンプル導入部から外れた部分がカバーで覆われ、前記サンプル導入部がカバーから露出するように構成され、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、緩衝液を含有する液透過性緩衝液層と、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質を含有する反応層と、サンプル導入部に吸収された尿が、前記液透過性緩衝液層を通過した後に前記反応層に至るように前記液透過性緩衝液層及び前記反応層を支持する支持部材を有し、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、尿と、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質とを反応させることができるように構成され、かつ、前記反応物質との反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することができるように構成されているので、前記判定部において、生体試液中の8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度が濃ければ濃いほど酸化ストレス状態が高いと判定し、濃度が低ければ低いほど酸化ストレス状態が低いと判定するので、未病の状態を事前に検知することが可能になり、病気になる前のより早い段階で生活習慣を見直すきっかけを作ることが出来、治療が必要な病気になることを未然に防ぐ効果をもつことができる。また、何らかの自覚症状が出始めた段階で、病院に行き医師に相談するときにでも、スクリーニングの検査により過去の酸化ストレス状態を判断することが出来、医師による適切な指導と治療指針を行うことができるようになる。なお、尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度の境界値は、40ng/mLであり、この境界値を健常な人では余程の濃縮された尿サンプルでなければ超えることはなく、4ng/mL〜10ng/mLの変動、推移を個々人でモニターすることで酸化ストレス状態を把握することが出来る。
以下、添付図面に示した一実施例を参照して、本発明に係る酸化ストレス状態判定システムの実施の形態を説明していく。
図1は酸化ストレス状態判定システムの概略ブロック図である。
この図面に示すように、酸化ストレス状態判定システムは、生体試料サンプルを導入するサンプル導入部20、サンプル導入部から導入された生体試料サンプル中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度を測定する8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21、及び前記濃度測定部において測定された情報を入力し、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度から体内の酸化ストレス状態を判定する判定処理部22を有する。
前記生体試料サンプルを導入するサンプル導入部20は、生体試料サンプルを吸収するような形態であってもよく、又は、生体試料サンプルを注入する形態であってもよい。前記生体試料サンプル導入部20からは、例えば、生体試料サンプルとして尿や全血が導入され得る。
生体試料サンプルとして尿を使用する場合、前処理をせずに直接尿をサンプル導入部20から導入させることができるが、生体試料サンプルとして全血を使用し、かつ、測定結果が色で現れる場合には、赤血球が妨害となり判別できないため、予め血清又血漿が分離される。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、生体試料サンプルと、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質とを反応させることができるように構成され得る。測定結果を色で判別する場合、例えば、前記反応物質に予め金コロイド等の存在を可視化できる可視化物質を結合させておき、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと反応した可視化物質結合反応物質の量、又は8-ヒドロキシデオキシグアノシンと反応しなかった可視化物質結合反応物質の量に基づく色を用いて判定処理部22において酸化ストレス状態が判定され得る。
また、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、前記反応物質を予め保持していてもよく、又は、前記反応物質を測定部21の外部から供給する反応物質供給部21gを備えていてもよい。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21において用いられる8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質には、抗8-ヒドロキシデオキシグアノシン抗体による抗原抗体反応を生じる試薬、又はアプタマーによる結合反応を生じる試薬が用いられる。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21が、前記反応物質との反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することができるように構成されている。
光学的に測定を行う場合には、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、分光光度計21aを備え、この分光光度計21aで8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21におけるサンプルの反射率、蛍光、吸光度、透過率又はエバネッセント波の少なくとも一つを測定する。
電気的に測定を行う場合には、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、電気化学センサ21bを備え、電気化学センサが、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部におけるサンプルの電流値、電圧値、電気抵抗値又はインピーダンスの少なくとも一つを測定する。
前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、緩衝液を含有する液透過性緩衝液層21cと、前記反応物質を含有する反応層21dと、生体試料サンプルが、前記液透過性緩衝液層21cを通過した後に前記反応層21dに至るように前記液透過性緩衝液層21c及び前記反応層21dを支持する支持部材21eを有する。
また、試料サンプルの種類や測定方法等によって必要に応じて、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21は、前記緩衝液層21cと液接触する少なくとも一つの付加的な層(図示せず)を有することができる。具体的には、前記付加的な層は、血球分離層、放射線遮断層、干渉除去層、透析層又は濾過層の少なくとも一つである。
前記支持部材21eは、サンプル導入部20を介して生体試料サンプルが導入される生体試料サンプル導入孔21fを備え、かつ、前記支持部材21eは、前記緩衝液層21c及び前記反応層21dを挟み込み、前記サンプル導入孔20から生体試料サンプルが前記緩衝液層21c及び前記反応層21dに供給されるように構成されている。
前記反応層21dでは、生体試料サンプル中の測定対象物と前記反応物質が反応し、それにより生成もしくは消費した物質により色が変化するように構成されている。

上記したように構成された前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部21において測定された測定結果は、判定処理部22に送られ、判定処理部22において、生体試料サンプル中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度に基づいて酸化ストレス状態の判定を行う。具体的には、生体試料サンプル中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度が高ければ高いほど、酸化ストレス状態が高いと判定し、同濃度が低ければ低い程、酸化ストレス状態が低いと判定する。
次に、本発明における酸化ストレス状態判定装置で使用可能なイムノクロマトセンサの実施例を説明していく。
図2は、イムノクロマトセンサの分解展開図、図3は図2に示したイムノクロマトセンサの上面カバー以外の部分を組立てた部分分解展開図、図4は図2に示したイムノクロマトセンサの上面図を各々示している。
図中、符号1は土台となるベース基板を示しており、このベース基板1の上に、テストストリップ2及び試液吸収部3が設けられている。
テストストリップ2は、試液吸収部3に部分的に重ねて配置された試液展開層4と、前記試液展開層4に部分的に重ねて配置された可視化物質結合抗体保持層5と、可視化物質結合抗体保持層5に部分的に重ねて配置された展開層6とから成る。
可視化物質結合抗体保持層5には、測定すべき物質と特異的に反応する抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体が保持されている。具体的には、例えば、測定すべき物質が8-ヒドロキシデオキシグアノシンの場合、その抗体は、8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)であり、可視化物質としては金コロイドが挙げられる。この可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体は、試液展開層4を介して試液が導入されると試液中に溶出する。このため、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前(即ち、試液が通過する前)は、可視化物質(例えば、金コロイド)によって色付いているが、使用後、即ち、試液が正常に通過した後は、可視化物質が試液中に溶出してしまうため色が無くなる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5が白いメンブレンから成り、可視化物質が金コロイドである場合には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は赤色であるが、使用後は白色になる。
展開層6は、前記可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体と結合して、同抗体を捕捉する固定化抗原物質が固定された判定部7を有する。この判定部7は、展開層6において測定すべき物質と可視化物質結合抗体とが充分に抗体抗原反応することができるように、可視化物質結合抗体保持層5から充分に離れた位置に設けられている。
上記したように構成されたテストストリップ2及び試液吸収部3はベース基板1上に配置され、さらに基板1にカバー10が取り付けられる。
この実施例では、カバー10は、ベース基板1における試液吸収部3以外の部分を全て覆うように寸法決めされており、かつ、テストストリップ2に相当する部分には確認用窓11が形成されている。
この確認用窓11は、可視化物質結合抗体保持層5の一部と、展開層6における判定部7が露出するように形成されている。
また、カバー10における判定部7に相当する部分には、判定部7を挟むように色調表12が設けられている。この実施例では、図3における判定部7の左側に測定すべき物質の量が少ない時の色(即ち、濃い色)が、右側に測定すべき物質の量が多い時の色(即ち、薄い色)が印刷されている。
次に、上記したように構成されたイムノクロマトセンサの作用を説明していく。
図5は、上記したイムノクロマトセンサの作用を示す図であり、(a)は使用前の状態を、(b)は使用後の状態を各々示している。
この説明では、測定すべき物質は、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量であり、従って、抗体は、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122))であり、可視化物質は金コロイドである。また、判定層に固定されている固定化物質は8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8OHdG)である。
使用者が、尿を試液吸収部3にかけると、尿は試液吸収部3に吸収される。試液吸収部3に吸収した尿は、毛細管現象により試液展開層4に入り、試液展開層4の幅全体に広がりながら可視化物質結合抗体保持層5に進む。そして、尿が可視化物質結合抗体保持層5を通過する時に、尿中に、同層5に保持された金コロイドが結合した抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122))が溶出する。金コロイド結合抗体が溶出した尿は、そのまま展開層6へ進み、同層6で8-ヒドロキシデオキシグアノシンと金コロイド結合抗体とが抗体抗原反応して、尿中にある8-ヒドロキシデオキシグアノシンに金コロイド結合抗体が結合する。展開層6に入った尿は、さらに、毛細管現象により展開層6を判定部7に向かって進む。
尿が判定部7を通過する時に、既に8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合した金コロイド結合抗体は判定部7を通過するが、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合していない金コロイド結合抗体は判定部7に固定された固定化物質と結合して判定部7に留まる。このため、判定部7は固定化物質と結合した金コロイド結合抗体の金コロイドの色の作用で赤く見える。
尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多ければ多いほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量は少なくなるので判定部7の色は薄くなり、逆に、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が少なければ少ないほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量が多くなるので判定部7の色は濃くなる。
使用者は、判定部7の両隣にある色調表12の色と判定部7の色とを比較して、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多いか否かを判断する。
ところで、上記したように、このイムノクロマトセンサはカバー10の窓部11が、可視化物質結合抗体保持層5の一部が露出するように形成されている。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色の変化によって、尿が展開層6に入っているか否かを確認することができる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は、そこに保持されている可視化物質結合抗体の可視化物質、ここでは金コロイドの作用で色付いている。そして、可視化物質結合抗体保持層5は試液、ここでは尿が通過すると、可視化物質結合抗体が試液中に溶出するため同層5の色はなくなる。従って、試液導入部3から導入した尿が、何らかの原因で展開層6に進まなければ可視化物質結合抗体保持層5の色は変わらないが、試液導入部3から導入した尿が、正確に展開層6に進めば可視化物質結合抗体保持層5の色が変わる。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色によって試液が正確に展開層6に進んでいるか否かを確認することができるため、判定結果を間違えて認識することがない。
上記したイムノクロマトセンサの実施例では、使用者が、判定部7の両隣にある色調表12の色と判定部7の色とを比較して、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多いか否かを判断し、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多ければ多いほど酸化ストレス状態が高く、同濃度が低ければ酸化ストレス状態が低いと判定できるように構成した例を挙げているが、生体試料中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度に基づく酸化ストレス状態の判定は、本実施例に限定されることなく、例えば、判定部7の色を光学的に測定する手段(例えば、分光光度計)で測定して、その測定結果に基づいて、予め、測定結果に応じた酸化ストレス状態の高さを記憶するか、又は測定結果に応じた酸化ストレス状態の算出方法を記憶した判定処理手段を用いて酸化ストレス状態を判定してもよい。
酸化ストレス状態判定システムの概略ブロック図 本発明に係る酸化ストレス状態判定方法に利用可能なイムノクロマトセンサの分解展開図 図2に示したイムノクロマトセンサの上面カバー以外の部分を組立てた部分分解展開図 図2に示したイムノクロマトセンサの上面図 図2に示したイムノクロマトセンサの作用を示す図であり、(a)は使用前の状態を、(b)は使用後の状態を各々示している。
1 ベース基板
2 テストストリップ
3 試液吸収部
4 試液展開層
5 可視化物質結合抗体保持層
6 展開層
7 判定部
10 カバー
11 窓部
12 色調表

20 サンプル導入部
21 8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部
21a 分光光度計
21b 電気化学センサ
21c 液透過性緩衝液層
21d 反応層
21e 支持部材
21f サンプル導入孔
21g 反応物質供給部
22 判定処理部

Claims (6)

  1. 使用者から排出された尿が直接かけられ該尿を吸収するように構成されたサンプル導入部と、
    サンプル導入部に吸収された尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの濃度を測定する8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部と、
    前記濃度測定部において測定された情報を入力し、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度から体内の酸化ストレス状態を判定する判定処理部と
    を備え、
    前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、前記サンプル導入部の下方にサンプル導入部と部分的に重なるようにずらして配置され、前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部のサンプル導入部から外れた部分がカバーで覆われ、前記サンプル導入部がカバーから露出するように構成され、
    前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、
    緩衝液を含有する液透過性緩衝液層と、
    8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質を含有する反応層と、
    サンプル導入部に吸収された尿が、前記液透過性緩衝液層を通過した後に前記反応層に至るように前記液透過性緩衝液層及び前記反応層を支持する支持部材を有し、
    前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部が、尿と、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質とを反応させることができるように構成され、かつ、前記反応物質との反応により生成又は消費される物質の濃度を電気的又は光学的に測定することができるように構成されている
    ことを特徴とする酸化ストレス状態判定システム。
  2. 8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する反応物質が、
    抗8-ヒドロキシデオキシグアノシン抗体による抗原抗体反応を生じる試薬、又は
    アプタマーによる結合反応を生じる試薬である
    ことを特徴とする請求項1に記載の酸化ストレス状態判定システム。
  3. 前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部における前記光学的に測定を行う手段が目視または分光光度計である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化ストレス状態判定システム。
  4. 前記分光光度計が、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部におけるサンプルの反射率、蛍光、吸光度、透過率又はエバネッセント波の少なくとも一つを測定するために用いられる
    ことを特徴とする請求項3に記載の酸化ストレス状態判定システム。
  5. 前記8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部における前記電気的に測定を行う手段が、電気化学センサである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化ストレス状態判定システム。
  6. 前記電気化学センサが、8-ヒドロキシデオキシグアノシン濃度測定部におけるサンプルの電流値、電圧値、電気抵抗値又はインピーダンスの少なくとも一つを測定するために用いられる
    ことを特徴とする請求項5に記載の酸化ストレス状態判定システム。
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